JPH11131363A - シート状素材の自動裁断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール材によって被覆されたシート状素材の
裁断片を取り除く作業、または裁断状態を確認する作業
等を容易に行い得るようにする。 【解決手段】 載置台２上に支持されたシート状素材１
を裁断機３によって自動的に裁断するように構成された
シート状素材１の自動裁断装置において、シート状素材
１の既裁断部分を被覆するシール材４と、上記シート状
素材１を吸引して載置台２上に固定する吸引手段６とを
備え、上記シール材４をその幅方向に分断する分断部１
５を設けるとともに、この分断部１５を接離自在に接合
するスライドファスナー１６等からなる接合部材を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洋服用生地または
皮革材等のシート状素材を任意の形状に裁断するシート
状素材の自動裁断装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば特開平５−５１８６５号公
報に示されるように、吸引ボックス上に空気透過性の剛
毛体を並べて配設し、この空気透過性の剛毛体の上面に
よって裁断支持面が形成された吸引式載置台を有すると
ともに、この吸引式載置台の裁断支持面の上部に任意の
方向に移動自在なようにカッター刃を配設し、上記裁断
支持面上に被裁断材を載置し、これを吸引力で剛毛体上
に吸着固定した状態でカッター刃によって所定の形状に
裁断しながら吸引式載置台上の長手方向に移動させるよ
うに構成された裁断機において、被裁断材の既切断部分
の上面を被覆するシール材の供給装置を備えた吸引式載
置台のシール装置が知られている。

【０００３】上記シール材の供給装置は、シール材の一
端を、被裁断材の既切断部分側で吸引式載置台の端部に
固定し、シール材の他端を、カッター刃が駆動モータで
吸引式載置台の長手方向に移動する際に、このカッター
刃の移動に連動して繰り出しあるいは巻取回転するよう
に配設されたローラに連結している。この構成によれ
ば、吸引ボックスを介して裁断支持面上に吸着保持され
た被裁断材をカッター刃で所望の形状に切断する際に、
カッター刃の移動に伴い吸引式載置台と相対的な移動に
連動して巻取方向に回転駆動されるローラから繰り出さ
れたシール材で上記被裁断材の既切断部分を被覆するこ
とにより、上記カッター刃による切断部分から外気が吸
引されるのを阻止できるため、上記被覆用のシール材が
被裁断材の上方に浮き上がるのを防止し、このシール材
によって被裁断材を確実に被覆することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
シール装置では、シール材によって被覆されたシート状
素材（被裁断材）の裁断状態を確認し、必要に応じて裁
断片を取り除き、あるいはシート状素材の載置状態を修
正する場合等に、シール材の巻取ローラが設置されたカ
ッター装置を初期位置側に移動させ、あるいは作業者が
上記シール材を持ち上げてその下にもぐり込むようにし
て上記載置状態を修正する等の作業を行わなければなら
ず、裁断機の作動を長時間に亘って停止させる必要があ
るとともに、作業が煩雑であるという問題があった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑み、シール
材によって被覆されたシート状素材の裁断片を取り除く
作業、または裁断状態を確認する作業等を容易に行うこ
とができるシート状素材の自動裁断装置を提供するもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
載置台上に支持されたシート状素材を裁断機によって自
動的に裁断するように構成されたシート状素材の自動裁
断装置において、シート状素材の既裁断部分を被覆する
シール材と、上記シート状素材を吸引して載置台上に固
定する吸引手段とを備え、上記シール材をその幅方向に
分断する分断部を設けるとともに、この分断部を接離自
在に接合する接合部材を設けたものである。

【０００７】上記構成によれば、シート状素材の裁断時
には、その既裁断部分がシール材により被覆されてその
気密性が保持されることにより、吸引手段の吸引力によ
り上記シート状素材が載置台上に安定して固定される。
また、必要に応じて上記接合部材による分断部の接合状
態を離脱させた状態で、この離脱部を持ち上げることに
より、上記シール材による被覆部が開放されることにな
る。

【０００８】請求項２に係る発明は、上記請求項１記載
のシート状素材の自動裁断装置において、シール材に複
数の分断部を設けるとともに、各分断部に、それぞれ接
合部材を設けたものである。

【０００９】上記構成によれば、シール部材の複数個所
においてその被覆部が必要に応じて開放されることにな
る。

【００１０】請求項３に係る発明は、上記請求項１また
は請求項２記載のシート状素材の自動裁断装置におい
て、回転自在に支持された第１ローラと第２ローラとに
上記シール材の両端部をそれぞれ巻き付けたものであ
る。

【００１１】上記構成によれば、第１，第２ローラの一
方を回動操作して上記シール材を巻き取ることにより、
上記分断部および接合部材の設置位置が載置台の長さ方
向に変化することになる。

【００１２】請求項４に係る発明は、上記請求項１〜請
求項３のいずれかに記載のシート状素材の自動裁断装置
において、スライドファスナーからなる接合部材をシー
ル材に設けたものである。

【００１３】上記構成によれば、スライドファスナーの
開閉操作用金具を持ってスライド操作することにより、
上記分断部の接離作業が容易に行われることになる。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１および図２は、本発明に係る
シート状素材の自動裁断装置の実施形態を示している。
この自動裁断装置は、複数枚の洋服用生地等が積み重ね
られてなるシート状素材１の載置台２と、この載置台２
上に載置されて支持されたシート状素材１を裁断する裁
断機３と、シート状素材１の上面を被覆するシール材４
とを有している。

【００１５】上記載置台２には、シート状素材１を搬送
する搬送コンベア５と、この搬送コンベア５の上面から
なる裁断支持面上に載置されたシート状素材１を吸引し
てその下面を搬送コンベア５の上面に圧接させる吸引手
段６とが設けられている。上記搬送コンベア５は、多数
の剛毛が固定された格子状プレートの連続体によって構
成された通気性を有する環状ベルト７と、この環状ベル
ト７を駆動する回転駆動部８とを備えている。そして、
図外の駆動モータによって上記回転駆動部８を回転させ
ることにより、シート状素材１の搬入部１０から上記環
状ベルト７上に搬入されたシート状素材１を裁断位置に
移動させた後、シート状素材１が裁断されることによっ
て形成された裁断物を搬出部９上に移動させるように構
成されている。

【００１６】また、上記吸引手段６は、載置台２内の空
気を吸引して外部に排出するバキュームポンプからな
り、載置台２の内部空間を負圧状態とすることによって
上記搬送コンベア５上に載置されたシート状素材１を下
方に吸引し、その下面を搬送コンベア５の上面からなる
裁断支持面に圧接させてシート状素材１を載置台２上に
固定するように構成されている。

【００１７】上記裁断機３は、載置台２の左右両側辺部
に設置されたガイドレール（図示せず）に跨るように設
置されて載置台２の長さ方向に走行する第１走行部１１
と、この第１走行部１１に沿って載置台２の幅方向に走
行する第２走行部１２とを有し、この第２走行部１２に
は、上記シート状素材１を裁断するカッター刃が設けら
れている。そして、裁断形状を記憶した制御部から出力
される制御信号に応じ、上記ガイドレールに沿って第１
走行部１１が載置台２の長さ方向に走行するとともに、
上記第１走行部１１に沿って第２走行部１２が載置台２
の幅方向に走行することにより、上記第２走行部１２に
設けられたカッター刃が裁断形状に沿って移動し、この
カッター刃によって搬送コンベア５上のシート状素材１
が所定の形状に裁断されるようになっている。

【００１８】上記シール材４は、気密性を有するプラス
チックシート材等からなり、その一端部が載置台２のシ
ール材４の搬出部９側に設置された第１ローラ１３に巻
き付けられるとともに、他端部が裁断機３の第１走行部
１１に設置された第２ローラ１４に巻き付けられてい
る。そして、上記第１走行部１１が載置台２の長手方向
に移動するのに応じ、上記第２ローラ１４からシール材
４が自動的に繰り出され、このシール材４により上記シ
ート状素材１の既裁断部分が被覆されるようになってい
る。

【００１９】上記シール材４には、その幅方向に伸びる
一対の分断部１５が設けられるとともに、この分断部１
５を接離自在に接合するスライドファスナー１６からな
る接合部材が設けられている。また、上記第１ローラ１
３および第２ローラ１４は、それぞれブラケットにより
回転自在に支持されている。そして、作業者が両ローラ
１３，１４の一方を手で回動操作して上記シール材４を
一方のローラに巻き取りることにより、その巻取方向に
分断部１５およびスライドファスナー１６を移動させる
ようにしている。

【００２０】上記構成において、シート状素材１の搬入
部１０から上記載置台２上にシート状素材１を搬入し、
上記環状ベルト７によって裁断位置にシート状素材１を
移動させた後、上記吸引手段６の吸引力によってシート
状素材１を載置台２上に固定した状態で、上記裁断機３
を作動させてシート状素材１を裁断する。このシート状
素材１の裁断時に、上記第１走行部１１が載置台２の長
手方向に移動するのに応じてシール材４が第２ローラ１
４から繰り出され、このシール材４により上記シート状
素材１の既裁断部分が被覆されることになる。このシー
ト状素材１の既裁断部分がシート材４によって被覆され
ると、このシール材４が上記吸引手段６の吸引力によっ
てシート状素材１の既裁断部分の上面に押し付けられる
ことになり、これによって上記既裁断部分が搬送コンベ
ア５上に強固に固定される。したがって、上記シート状
素材１が、搬送コンベア５の上面に安定して支持された
状態で、上記裁断機３による裁断が行われることにな
る。

【００２１】また、上記裁断機３によるシート状素材１
の裁断中に、その裁断状態を確認して裁断片を取り除
き、あるいはシート状素材１の載置状態を修正する必要
が生じた場合等には、上記裁断機３および吸引手段６の
作動を停止させる。次いで、該当個所に位置するシール
材４のスライドファスナー１６を操作して分断部１５の
接合を離脱させた後、この離脱部を持ち上げることによ
って上記既裁断部分の上面を開放した状態で（図２参
照）、上記裁断片の取り除き作業等を行う。

【００２２】このようにシート状素材１の既裁断部分を
被覆するシール材４と、シート状素材１を吸引して上記
載置台２上に固定する吸引手段６とを備え、載置台２上
に支持されたシート状素材１を裁断機３によって自動的
に裁断するように構成されたシート状素材１の自動裁断
装置において、上記シール材４をその幅方向に分断する
分断部１５を設けるとともに、この分断部１５を接離自
在に接合するスライドファスナー１６からなる接合部材
を設けたため、上記シート状素材１の裁断時に、上記シ
ール材４による既裁断部分の被覆機能を損なうことな
く、必要に応じて既裁断部分の上面を容易に開放するこ
とができる。

【００２３】したがって、上記裁断機３によるシート状
素材１の裁断を一時的に中断した状態で、上記スライド
ファスナー１６を操作して分断部１５の接合を離脱させ
た後、この離脱部を持ち上げることによって上記既裁断
部分の上面を容易に開放することができるため、上記シ
ート状素材１の裁断状態を確認して不要な裁断片を取り
除き、あるいはシート状素材１の載置状態を修正する作
業等を容易かつ迅速に行うことができる。

【００２４】すなわち、上記スライドファスナー１６を
操作するだけで上記シール材４によるシート状素材１の
被覆状態を解除することができるため、従来例のよう
に、シール材の巻取ローラが設置されたカッター装置を
初期位置側に移動させ、あるいは作業者が長尺のシール
材を強制的に持ち上げてその下にもぐり込む等の煩雑な
作業を要することなく、上記シート状素材１の上面を開
放することができる。このため、不要な裁断片を取り除
き、凹凸を生じたシート状素材１の設置状態を修正する
作業等を短時間で容易に行うことができる。

【００２５】また、上記実施形態では、シール材４に一
対の分断部１５を設けるとともに、両分断部１５に、そ
れぞれスライドファスナー１６からなる接合部材を設け
たため、両分断部１５の一方を選択してその接合状態を
離脱させることにより、上記不要な裁断片を取り除き、
凹凸を生じたシート状素材１の設置状態を修正する作業
等を容易に行い得る位置においてシール材４を開放する
ことができる。なお、上記分断部１５および接合部材
を、シール材４の１個所、あるいは３個所以上に設けた
構造としてもよい。

【００２６】さらに、上記実施形態では、回転自在に支
持された上記第１，第２ローラ１３，１４にシール材４
の両端部をそれぞれ巻き付けるように構成したため、作
業者が両ローラ１３，１４のどちらか一方を回動操作し
て上記シール材４を巻き取ることにより、上記搬送コン
ベア５上における分断部１５およびスライドファスナー
１６を上記巻取方向に移動させることができる。したが
って、載置台２上の必要作業位置に上記分断部１５およ
びスライドファスナー１６を移動させた状態で、シール
材４の開放作業を行うことができる。

【００２７】特に上記実施形態では、第１ローラ１３を
載置台２のシート状素材１の搬出部９側に設置するとと
もに、第２ローラ１４を裁断機３の第１走行部１１に設
置したため、この第１走行部１が載置台２の長手方向に
移動するのに応じ、シール材４を上記第２ローラ４から
自動的に繰り出してこの上記シール材４によって上記シ
ート状素材１の既裁断部分を被覆することができる。

【００２８】なお、スライドファスナー１６からなる接
合部材をシール材４に設けてなる上記実施形態に代え、
スナップまたはテープファスナー等からなる接合部材に
よって上記分断部１５を接離自在に接合するように構成
することもできる。しかし、上記スライドファスナー１
６によって上記分断部１５を接離自在に接合するように
構成した場合には、この分断部１５の接合状態を安定し
て維持し、上記シール状素材１の気密性を効果的に保持
することができるとともに、スライドファスナー１６の
開閉操作用金具を持ってスライド操作するだけで、上記
分断部１５の接離作業を容易に行うことができるという
利点がある。

【００２９】また、上記シール材４の左右両側からスラ
イドファスナー１６による分断部１５の接合状態を離脱
させることができるようにするため、スライドファスナ
ー１６に一対の開閉操作用金具を設けた構造とすること
が望ましい。さらに、上記第１，第２ローラ１３，１４
に巻き付けられたシール材４に所定の張力を作用させる
ため、上記両ローラ１３，１４にシート材１を巻き取る
方向に付勢するねじりコイルばね等からなる付勢部材、
または両ローラ１３，１４を所定の巻き取り力で回転駆
動する駆動手段を設けた構造としてもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明は、載置台上に支持されたシート状素材を裁断機によ
って自動的に裁断するように構成されたシート状素材の
自動裁断装置において、シート状素材の既裁断部分を被
覆するシール材と、上記シート状素材を吸引して載置台
上に固定する吸引手段とを備え、上記シール材をその幅
方向に分断する分断部を設けるとともに、この分断部を
接離自在に接合する接合部材を設けたため、上記シート
状素材の裁断時に、シール材によるシート状素材の被覆
機能を損なうことなく、必要に応じて上記接合部材によ
る分断部の接合状態を離脱させることにより、既裁断部
分の上面を容易に開放することができる。したがって、
上記シート状素材の裁断時に、その裁断状態を確認して
不要な裁断片を取り除き、あるいはシート状素材の載置
状態を修正する作業等を容易かつ迅速に行うことができ
る。

【００３１】また、請求項２に係る発明は、シール材に
複数の分断部を設けるとともに、各分断部に、それぞれ
接合部材を設けたため、上記各分断部の一つを選択して
その接合状態を離脱させることにより、上記不要な裁断
片を取り除き、凹凸を生じたシート状素材の設置状態を
修正する作業等を容易に行い得る位置においてシール材
を開放することができる。

【００３２】また、請求項３に係る発明は、回転自在に
支持された第１ローラおよび第２ローラに上記シール材
の両端部をそれぞれ巻き付けたため、両ローラの一方を
回動操作して上記シール材を巻き取ることにより、上記
載置台上の必要作業位置に上記分断部および接合部材を
容易に移動させることができるという利点がある。

【００３３】また、請求項４に係る発明は、スライドフ
ァスナーからなる接合部材をシール材に設けたため、ス
ライドファスナーの開閉操作用金具を持ってスライド操
作するだけで、上記分断部の接離作業を容易に行うこと
ができるとともに、この分断部の接合状態を安定して維
持し、上記シール状素材の既裁断部分を効果的に被覆し
てその気密性を保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の係るシート状素材の自動裁断装置の実
施形態を示す斜視図である。

【図２】シール材の具体的構成を示す平面図である。

【符号の説明】

１ シート状素材 ２ 載置台 ３ 裁断機 ４ シール材 ６ 吸引手段 １３ 第１ローラ １４ 第２ローラ １５ 分断部 １６ スライドファスナー（接合部材）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 載置台上に支持されたシート状素材を裁
   断機によって自動的に裁断するように構成されたシート
   状素材の自動裁断装置において、シート状素材の既裁断
   部分を被覆するシール材と、上記シート状素材を吸引し
   て載置台上に固定する吸引手段とを備え、上記シール材
   をその幅方向に分断する分断部を設けるとともに、この
   分断部を接離自在に接合する接合部材を設けたことを特
   徴とするシート状素材の自動裁断装置。
2. 【請求項２】 シール材に複数の分断部を設けるととも
   に、各分断部に、それぞれ接合部材を設けたことを特徴
   とする請求項１記載のシート状素材の自動裁断装置。
3. 【請求項３】 回転自在に支持された第１ローラと第２
   ローラとに上記シール材の両端部をそれぞれ巻き付けた
   ことを特徴とする請求項１または請求項２記載のシート
   状素材の自動裁断装置。
4. 【請求項４】 スライドファスナーからなる接合部材を
   シール材に設けたことを特徴とする請求項１〜請求項３
   のいずれかに記載のシート状素材の自動裁断装置。