JPH11131299A - 小物部品メッキ装置及び方法 - Google Patents

小物部品メッキ装置及び方法

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JPH11131299A
JPH11131299A JP9316556A JP31655697A JPH11131299A JP H11131299 A JPH11131299 A JP H11131299A JP 9316556 A JP9316556 A JP 9316556A JP 31655697 A JP31655697 A JP 31655697A JP H11131299 A JPH11131299 A JP H11131299A
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Japan
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plating
component
plated
cathode
parts
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Application number
JP9316556A
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English (en)
Inventor
Yasushi Yumiba
康司 弓場
Atsushi Nakajima
淳 中島
Masanori Mizushiro
政憲 水城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ中におけるメッキ部品aの重なり合い
等をなくし、これによって各メッキ部品a間でのメッキ
膜の膜厚にばらつきがなく、均一なメッキ膜を形成する
ことを可能とする。さらに、メッキ部品aの取扱いを容
易にし、特にその両端部へ均等な膜厚のメッキ膜を施す
ことを容易にする。 【解決手段】 小物部品メッキ装置は、メッキ液11を
溜めるメッキ浴槽2と、このメッキ浴槽2のメッキ液1
1に浸漬され、メッキを施すメッキ部品aが接触する陰
極7と、メッキ浴槽2のメッキ液11に浸漬された陽極
6と、これら陽極6と陰極7とに電流を流す電源10と
を有する。複数のメッキ部品aの一端が前記陰極7の片
面において導体に接触している状態で、前記陽極6と陰
極7とに電流を流し、同メッキ部品aにメッキを析出さ
せる。次に、これら複数のメッキ部品aの他端が陰極7
の片面において導体に接触するよう複数のメッキ部品a
を一括して反転し、その後、前記陽極6と陰極7とに電
流を流し、同メッキ部品aにメッキを析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チップ形回路部品等の
小物部品にメッキを施す小物部品メッキ装置とメッキ方
法に関し、特に、小物部品に均一な膜厚のメッキ膜を形
成することができる小物部品メッキ装置と方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサ等のチップ状
回路部品の外部電極上にメッキ膜を形成するための装置
として、従来はバレルメッキ装置が多く用いられてい
る。バレルメッキ装置は筒形の回転自在なバレル内に陰
極を設け、メッキ部品とほぼ同形状若しくは僅かに小さ
な導電性メディアと共にメッキ部品をバレル内に収納
し、このバレルを、メッキ浴槽の中に満たしたメッキ液
に浸漬する。メッキ浴槽内には前記バレルとは別に陽極
が設けられ、バレル内の陰極と陽極とに電源から直流電
圧が印加されるようになっている。また、バレルの回転
軸は駆動源に接続され、バレルがメッキ浴槽内で回転駆
動されるようになっている。メッキ部品を収納したバレ
ルを回転させながら、前記陽極と陰極間の間に直流電流
を流し、通電すると、メッキ部品の表面にメッキ膜が析
出する。
【0003】しかしながら、チップ形セラミック電子部
品の素体表面には複数の外部電極が形成されている部品
が多く、従来のバレル装置では各電極のメッキ膜の膜厚
がばらつくことがある。また、メッキ後におけるメッキ
部品とメディアとの分離が煩わしいという欠点がある。
こうした課題を解消するために、例えば、金属メッシュ
からなる陰極上にメッキ部品を載置し、この状態でメッ
キ部品をメッキ液に浸漬し、メッキを施す装置の提案が
されている(特開平8−3790号公報)。
【0004】この提案されたメッキ装置は、平板状の陰
極がメッシュまたは導電性多孔板により構成され、この
陰極上にメッキ部品を載せて、この陰極の上方に陽極を
対向させている。陰極は水平方向に往復運動させながら
メッキ液に浸漬され、この往復運動によって、陰極上で
メッキ部品のメッキを施す部分と陰極との接触部分を変
化させ、所要の部分に確実にメッキ膜を形成させようと
するものである。また、陰極の往復運動に際しは、スト
ロークの途中で陰極にストッパで衝撃を与え、この衝撃
によって陰極上のメッキ部品が反転するように試みられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のメッキ装置
では、メッキ部品の陰極と接触する側の面とその反対側
の面とでメッキ膜の析出速度が大きく異なり、陰極と接
触する側の面でのメッキ膜が薄くなる。この結果、膜厚
のばらつきを生ずる。この不都合を解消する為に、前記
従来のメッキ装置では、金属メッシュ状の陰極を往復運
動させ、往復運動に際してストロ-クの途中で衝撃を与
えることによって、メッキ部品を反転させ、メッキ部品
の所要の部分にメッキを施すことを試みている。しか
し、このようなメッキ物の反転手段によるものでは、偶
然性に頼るところが多く、確実性に欠け、やはりメッキ
膜の厚みにばらつきが生じる。しかも、メッキ部品同士
が重なり合いやすく、それによってメッキ膜の厚みがば
らつくという課題がある。特に、メッキ部品の陰極と接
触した部分と接触していない部分とでは、メッキ膜の析
出速度に違いが生じ、メッキ膜の膜厚にばらつきが生じ
る。また、メッキ部品が完全なばら積み状態で取り扱わ
れるため、メッキ部品の取扱いが面倒で、工程の連続処
理がしにくいという課題もあった。
【0006】そこで本発明は、前記従来のメッキ装置に
おける課題に鑑みてなされたもので、その第一の目的
は、メッキ中におけるメッキ部品の重なり合い等をなく
し、これによって各メッキ部品間でのメッキ膜の膜厚に
ばらつきがなく、均一なメッキ膜を形成することを可能
とするものである。さらに本発明の第二の目的は、メッ
キ部品の取扱いを容易にし、特にその両端部へ均等な膜
厚のメッキ膜を施すことを容易にすることにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明では、前記の目的を達成
するため、まず、メッキ部品aの一端を陰極7の片面に
おいてその導体に接触させ、この状態で陽極6と陰極7
とに電流を流してメッキ部品aにメッキを施す。その
後、メッキ部品aを反転させて、メッキ部品aの他端が
陰極7の片面においてその導体に接触させる。そして、
この状態で陽極6と陰極7とに電流を流してメッキ部品
aにメッキを施す。これによって、メッキ部品aの両端
に均一にメッキ膜を施すようにした。さらに、このメッ
キ部品aの反転操作を容易にするため、複数のメッキ部
品aを保持する部品保持手段を備えるものである。
【0008】すなわち、本発明による小物部品メッキ装
置は、メッキ液11を溜めるメッキ浴槽2と、このメッ
キ浴槽2のメッキ液11に浸漬され、メッキを施すメッ
キ部品aが接触する陰極7と、メッキ浴槽2のメッキ液
11に浸漬された陽極6と、これら陽極6と陰極7とに
電流を流す電源10とを有する。さらにこの小物部品メ
ッキ装置は、複数のメッキ部品aを保持し、これらメッ
キ部品aの一端が前記陰極7の片面において導体に接触
している状態から、これら複数のメッキ部品aの他端が
陰極7の片面において導体に接触するよう、複数のメッ
キ部品aを保持して一括して反転を可能とする部品保持
手段を有する。前記のような、メッキ液11が通過可能
な薄板状の陰極7は、例えば、メッシュ状、多孔質状、
不織布状の何れかであって、導電性を有するものからな
る。
【0009】メッキ部品aは、仕切り体16により整列
した状態で陰極7の片面に配置されているのがよく、こ
の場合、部品保持手段は、仕切り体16により整列され
た複数のメッキ部品aを保持する板状チャック19から
なる。また、メッキ部品aが板状の保持部材17により
保持されると共に、保持部材17から突出したメッキ部
品aの一部が前記陰極7の導体に接触するよう保持部材
17が配置することもでき、この場合は、メッキ部品a
を保持する保持部材17そのものが部品保持手段とな
る。さらに、一対の陰極7、7を使用することにより、
これら一対の陰極7、7でメッキ部品aを挟み、メッキ
部品aを挟持した一対の陰極7、7ごとメッキ部品aを
反転されることもできる。この場合は、前記のような仕
切り体16や保持部材17を併用することもできる。
【0010】このような小物部品メッキ装置により、ま
ず複数のメッキ部品aの一端が前記陰極7の片面におい
て導体に接触している状態で、前記陽極6と陰極7とに
電流を流し、同メッキ部品aにメッキを析出させた後、
これら複数のメッキ部品aの他端が陰極7の片面におい
て導体に接触するよう複数のメッキ部品aを一括して反
転し、この状態で前記陽極6と陰極7とに電流を流し、
同メッキ部品aにメッキを析出させる。
【0011】このようにして、メッキ部品aを反転して
その両端を順次陰極7の導体に接触させることにより、
メッキ部品aの両端に偏り無くメッキを施すことができ
る。すなわち、メッキ部品aのメッキを施そうとする両
端に均一な膜厚のメッキ膜を施すことができる。さら
に、複数のメッキ部品aを保持し、これらを一括して反
転可能な部品保持手段を備えることにより、複数のメッ
キ部品aを容易に、且つ簡単に反転することができる。
なお、メッキを行う際に、メッキ部品aを陰極7に対し
て、その面方向に相対移動すると、メッキ部品aが陰極
7の導体と接触する部位が絶えず変わるため、メッキ膜
の膜厚のばらつきを無くすのに有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に本発明による小物部品メッキ装置の例を示す。図
1に示すように、湯浴槽1の中にメッキ浴槽2が設けら
れ、このメッキ浴槽2の中にはメッキ液11が満たされ
ている。このメッキ液11は、湯温槽1の中に満たされ
た温湯により、所定の温度に維持される。
【0013】メッキ浴槽2内のメッキ液11には、一対
の陽極6と陰極7とが浸漬されている。陽極6は金属板
からなる。他方、陰極7は、枠縁状のフレーム15の間
に金属線13を張ったもので、網やパンチングメタル
等、メッキ液が通過可能なものからなる。図3は、パン
チングメタルからなる陰極7の例を示す。
【0014】図2は、パンチングメタルからなる陰極7
の例を示すが、同図に示すように、陰極7のフレーム1
5(図3参照)に張られた金属線13の下面側が絶縁被
膜14で覆われている。陰極7が網でできている場合
は、金属線13が上下に交錯するよう編まれているが、
やはり同様にして下面側のみが絶縁被膜14で覆われ
る。図3に陽極6を示す。図3の例では、陽極6及び陰
極7は、何れも正方形であるが、それらは矩形、円形、
或いは楕円形等、必要に応じて適宜な形状をとることが
できる。
【0015】さらに、メッキ部品aを保持する仕切り体
16を使用する。この仕切り体16は、アクリル等によ
り作られ、メッキ部品aを縦に1つずつ保持できるよう
な収納部を形成したものある。この仕切り体16の収納
部にメッキ部品aを縦に嵌め込み、収納する。図3及び
図4に示されたように、この仕切り体16は、陰極7の
上面、すなわち陽極6と対向した面と反対側の面に載せ
られる。従って、収納部に嵌め込んで整列、保持された
メッキ部品aは、その一端が仕切り体16の底面を構成
する陰極7の上面において、その導体に接触する。仕切
り体16の高さは、メッキ部品aの高さより低く、この
ためメッキ部品aの上端は仕切り体16から突出する。
図2にこの状態を示すが、同図において、符号13は陰
極7の金属線13を示し、14はそれに設けた絶縁被膜
である。
【0016】図1に示すように、陽極6と陰極7とは、
水平に保持された状態で上下に対向し、メッキ浴槽2の
内部に満たされたメッキ液11に浸漬されている。図1
に示した例では、湯浴槽1に駆動体3が取り付けられ、
この駆動体3に連結部材4を介して水平にアーム5が取
り付けられている。このアーム5から垂直に垂下された
支持部材8、9を介して陽極6と陰極7とが上下に対向
するよう保持され、且つメッキ浴槽2内のメッキ液11
に浸漬されている。図1において矢印で示すように、駆
動体3は連結部材4を介してアーム5を、水平方向に往
復駆動するもので、これによって陽極6と陰極7とが水
平方向に往復移動させられる。この陰極7の水平方向の
往復移動に伴う保持部材17及びメッキ部品aの慣性力
により、陰極7に対してメッキ部品aが水平方向に相対
移動する。この慣性移動により、メッキ部品aの陰極7
と接触する部位が絶えず変わる。
【0017】陽極6と陰極7には電源10が接続され、
陽極6に正の、陰極7に負の電位を印加する。このよう
な小物部品メッキ装置では、図1に示すように、陰極7
の上面に保持部材17で保持されたメッキ部品aを載せ
て、その端部を陰極7の導体に接触すると共に、その下
面側に陽極6を対向させた状態でメッキ浴槽2内のメッ
キ液11に浸漬する。そして、前記電源10により、陽
極6と陰極7とに電流を流す。これによって、陽極6と
陰極7との間に、電解液であるメッキ液11を介して電
界が発生する。
【0018】陰極7を構成している金属線13は、陽極
6と対向する側が絶縁被膜14で覆われ、表面が絶縁さ
れているので、陰極7側では電界が金属線13の間を通
ってメッキ部品aが載せられている上面側に回り込む。
これによって、メッキ部品aのメッキ膜を施そうとする
部分には、陽極6が対向した下面側だけでなく、上面側
にもメッキ膜が析出する。この場合、陽極6を陰極7の
上面側、すなわちメッキ部品aを載せた側に対向した場
合に比べて、メッキ部品aの上下におけるメッキ膜の析
出速度が平均化され、メッキ膜の析出速度にばらつきが
生じない。これによって、メッキ膜はメッキ部品の上下
両面に均一に析出する。
【0019】メッキを行うに際しては、前述のように、
駆動体3によりアーム5を図1において矢印で示すよう
に往復移動させる。これによって、陰極7に対してメッ
キ部品aが水平方向に相対移動するため、メッキ部品a
の陰極7と接触する部位が絶えず変わり、メッキ部品の
所要の位置にメッキ膜が満遍なく析出する。また、前記
のようにして、陰極7のフレーム15に囲まれた内側の
金属線13が張られた部分の上に、仕切り体16により
メッキ部品aを縦横に配置してメッキを行うことによ
り、メッキ部品aを互いに干渉させず、陰極7上に分散
してメッキを行うことが出来る。これによって、やはり
各メッキ部品a間のメッキ膜の析出速度のばらつきを解
消し、均一な膜厚のメッキ膜を施すことができる。
【0020】前記の装置では、まずメッキ部品aの一方
の端部を陰極7の導体に接触させた状態で、同端部にメ
ッキを施す。その後、メッキ部品aを反転させて、メッ
キ部品aの他の端部を陰極7の導体に接触させる。この
状態で、前記と同様にしてメッキ部品aの他方の端部に
メッキを施す。これによって、メッキ部品aの両端に均
等な膜厚のメッキ膜が施される。
【0021】図5〜図7に、仕切り体16から複数のメ
ッキ部品aを取り上げ、反転するための板状チャック1
9の例を示す。この板状チャック19は、重なり合った
2枚の板状部材20、21からなり、この板状部材2
0、21には、仕切り体16のメッキ部品aを収納する
収納部に対応してメッキ部品aの横断面よりやや大きな
矩形の通孔22、23がそれぞれ開設されている。
【0022】この板状チャック19は、重なり合った板
状部材20、21を相対的にスライドさせ、通孔20、
21の相対位置を変えるアクチュエータ(図示せず)を
備えている。前述のように、最初のメッキ工程が完了し
た後、図5に示すように、板状部材20、21のそれぞ
れの通孔22、23の位置を合わせた状態で、板状チャ
ック19を仕切り体16の上に重ね、通孔22、23を
メッキ部品aの上端の周囲に差し込む。この状態を図6
(a)に示す。その後、2枚の板状部材20、21を通
孔22、23の対角線方向に相対的にスライドし、通孔
22、23の縁でメッキ部品aを挟み込む。この状態を
図6(b)に示す。そして、図7(a)に示すように、
板状チャック19を上昇させ、これによりメッキ部品a
を仕切り体16から取り出す。次に、板状チャック19
を上下反転させた後、図7(b)に示すように、再び板
状チャック19を仕切り体16の上に重ねる。さらに、
2枚の板状部材20、21を相対的にスライドさせ、通
孔22、23を合わせる。これにより、通孔22、23
に保持されていたメッキ部品aが開放され、それらが仕
切り体16の各収納部に収納される。その後、板状チャ
ック19を仕切り体16の上から移動させる。
【0023】こうしてメッキ部品aを反転することによ
り、メッキ部品aは、前回とは反対側の端部が陰極7に
接触することになる。この状態で前述と同様にして再度
メッキを行う。これによって、メッキ部品aは、両端が
それぞれ陰極7に接した状態でメッキが行われることに
なり、両端にほぼ等しい膜厚のメッキ膜を形成すること
ができる。
【0024】図9〜図12は、前記のような仕切り体1
6に代えて、メッキ部品aを1つずつ保持する保持孔1
8を有する板状の保持部材17を使用した例である。こ
れらの図において、前述の例と同部分は、同じ符号で示
してある。保持部材17の保持孔18にメッキ部品aを
嵌め込んで整列、保持し、この状態でメッキ部品aを陰
極7上に配置する。図11と図12に示した例では、陰
極7の形状に対応した板状の保持部材17を用意し、こ
の保持部材17に縦横に設けた保持孔18にメッキ部品
aを縦に嵌め込んで保持している。この保持部材17
は、シリコーンゴム等のメッキ液に侵されにくく、且つ
弾力性を有する板状の部材からなり、その厚さはメッキ
部品aの高さより薄い。
【0025】図12にも示すように、メッキ部品aは保
持部材17の保持孔18に嵌め込まれ、メッキを施そう
とするメッキ部品aの両端が保持部材17の両主面から
それぞれ突出している。この状態で保持部材17ごとメ
ッキ部品aが陰極7の上に載せられ、メッキ部品aのメ
ッキを施そうとする一方の端部が陰極7の導体に接触す
る。メッキ部品aは、陰極7の前記絶縁被膜14が施さ
れたのと反対側の面、すなわち陽極6と対向している面
と反対側の面に接触する。符号13は陰極7の金属線1
3を示し、14はそれに設けた絶縁被膜である。
【0026】このような小物部品メッキ装置では、図9
に示すように、陰極7の上面に保持部材17で保持され
たメッキ部品aを載せて、その端部を陰極7の導体に接
触させると共に、その下面側に陽極6を対向させた状態
でメッキ浴槽2内のメッキ液11に浸漬する。そして、
前記電源10により、陽極6と陰極7とに電流を流す。
これによって、陽極6と陰極7との間に、電解液である
メッキ液11を介して電界が発生する。このときやは
り、駆動体3によりアーム5を図9において矢印で示す
ように往復移動させる。これによって、陰極7に対して
メッキ部品aが水平方向に相対移動するため、メッキ部
品aの陰極7と接触する部位が絶えず変わり、メッキ部
品の所要の位置にメッキ膜が満遍なく析出する。
【0027】この装置でもまた、図10(a)に示すよ
うに、まずメッキ部品aの一方の端部を陰極7の導体に
接触させた状態で、同端部にメッキを施す。その後、保
持部材17ごとメッキ部品aを反転させて、図10
(b)に示すように、メッキ部品aの他の端部を陰極7
の導体に接触させる。この状態で、前記と同様にしてメ
ッキ部品aの他方の端部にメッキを施す。これによっ
て、メッキ部品aの両端に均等な膜厚のメッキ膜が施さ
れる。
【0028】次に、図13及び図14に示した例につい
て説明する。この例では、まず図1に示すような小物部
品メッキ装置を使用し、メッキ部品aの一方の端部、す
なわち下端部を陰極7の導体に接触した状態でメッキを
施す。その後、下の陰極7とは別の陰極7をメッキ部品
aの他方の端部、すなわち上端部に接触させる。すなわ
ち、一対の陰極7で仕切り体16に保持されたメッキ部
品aを挟む。図13及び図14は、このようにして一対
の陰極7、7でメッキ部品aを挟持した状態を示す。こ
のようにして一対の陰極7、7でメッキ部品aを挟持し
たまま、陰極7、7ごとメッキ部品aを反転させる。そ
の後、上になった陰極7を外し、前記と同様にしてメッ
キ部品aの他方の端部、すなわち下端部を陰極7に接触
させた状態でメッキを施す。なお、図13及び図14で
は、仕切り体16を使用しているが、この仕切り体16
に代えて、図9〜図12に示すような保持部材17を使
用してもよい。
【0029】なお、前述のように、陰極7のメッキ部品
aが接触したのと反対側の面に陽極6を配置したことに
伴い、陰極7の周辺部では中央部に比べて電界強度が大
きくなりやすい。そこで、陰極7の中央部のみに絶縁被
膜14を設けたり、或いは陰極7の周辺部に比べて中央
部における絶縁被膜14の被覆比率を高くすることによ
り、この電界強度のばらつきを解消し、陰極7の中央部
と周辺部とにおけるメッキ部品aへのメッキ膜の析出速
度を均一化することができる。
【0030】例えば、図8の例では、中央部の正方形の
部分の金属線13のみに絶縁被膜14が施され、その周
囲の部分には絶縁被膜14が施されておらず、その部分
は両面側が導体である金属線13が露出している。この
陰極7の片面側の金属線13に施される絶縁被膜14を
形成する領域は、陰極7の全体形状の如何に係わらず、
図11に示すような正方形の他、矩形、円形、或いは楕
円形等、必要に応じて適宜な形状をとることができる。
さらに、この図8の例のように、陰極7の片面の中央部
のみに絶縁被膜14を設けるのではなく、陰極7の片面
の周辺部から中央部にいくに従って、絶縁被膜14の被
覆比率が次第に高くなるようにしてもよい。
【0031】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例につい
て、具体的な数値をあげならがら詳細に説明する。 (実施例1)図1に示すような小物部品メッキ装置を使
用し、図2〜図4に示すように、アクリル製の仕切り体
16で陰極7の上面に整列、保持されたメッキ部品aで
ある積層セラミックコンデンサの片方の端部を陰極7の
導体に接触させ、電流密度を500C/dm2 としてメ
ッキ部品aの一端部に半田メッキを施した。その後、図
5〜図7に示すような、板状チャック19を使用し、複
数のメッキ部品aを上下反転させ、メッキ部品aの他方
の端部を陰極7の導体に接触させ、電流密度を500C
/dm2 としてメッキ部品aの他端部に半田メッキを施
した。なお、陰極7はパンチングメタル製のものを使用
し、その片面側の全面にわたって金属線13に絶縁被膜
14を設け、この絶縁被膜14を設けていない側に前記
メッキ部品aの端部を接触させた。
【0032】水洗したメッキ部品aから無作為に100
個取り出し、蛍光X線法に従って、積層セラミックコン
デンサの両端の半田メッキ膜の膜厚を測定したところ、
その平均値は4.62μmであり、その上下面のメッキ
膜の膜厚のばらつき(CV値=標準偏差/平均値)は1
1.0%であった。また、メッキ部品aの周面のメッキ
膜の膜厚に対するメッキ部品aの端面のメッキ膜の膜厚
は、平均96%であった。
【0033】(実施例2)図9に示すような小物部品メ
ッキ装置を使用し、図10に示すように、保持部材17
で保持されたメッキ部品aである積層セラミックコンデ
ンサの片方の端部を陰極7の導体に接触させ、電流密度
を500C/dm2 としてメッキ部品aの一端部に半田
メッキを施した。その後、保持部材17を上下反転さ
せ、保持部材17で保持されたメッキ部品aの片方の端
部を陰極7の導体に接触させ、電流密度を500C/d
2 としてメッキ部品aの他端部に半田メッキを施し
た。なお、陰極7はパンチングメタル製のものを使用
し、その片面側の全面にわたって金属線13に絶縁被膜
14を設け、この絶縁被膜14を設けていない側に前記
メッキ部品aの端部を接触させた。
【0034】水洗したメッキ部品aから無作為に100
個取り出し、蛍光X線法に従って、積層セラミックコン
デンサの両端の半田メッキ膜の膜厚を測定したところ、
その平均値は4.87μmであり、その上下面のメッキ
膜の膜厚のばらつき(CV値=標準偏差/平均値)は1
2.0%であった。また、メッキ部品aの周面のメッキ
膜の膜厚に対するメッキ部品aの端面のメッキ膜の膜厚
は、平均97%であった。
【0035】(実施例3)まず図1に示すような小物部
品メッキ装置を使用し、メッキ部品aの一方の端部、す
なわち下端部を陰極7の導体に接触した状態で、電流密
度を500C/dm2 としてメッキを施した。その後、
図13で示すように、別の陰極7をメッキ部品aの他方
の端部、すなわち上端部に接触させ、一対の陰極7で仕
切り体16に保持されたメッキ部品aを挟んだ。そし
て、一対の陰極7、7でメッキ部品aを挟持したまま、
陰極7、7ごとメッキ部品aを反転させた。その後、上
になった陰極7を外し、前記と同様にしてメッキ部品a
の他方の端部、すなわち下端部を陰極7に接触させた状
態でメッキを施した。
【0036】水洗したメッキ部品aから無作為に100
個取り出し、蛍光X線法に従って、積層セラミックコン
デンサの両端の半田メッキ膜の膜厚を測定したところ、
その平均値は4.73μmであり、メッキ膜のばらつき
(CV値=標準偏差/平均値)は12.2%であった。
また、メッキ部品aの周面のメッキ膜の膜厚に対するメ
ッキ部品aの端面のメッキ膜の膜厚は、平均96%であ
った。
【0037】(比較例)陽極6を上に、絶縁被膜を設け
ていない陰極7を下に配置し、前記実施例1と同じ条件
でメッキを行った。水洗したメッキ部品aから無作為に
100個取り出し、蛍光X線法に従って、積層セラミッ
クコンデンサの両端の半田メッキ膜の膜厚を測定したと
ころ、その平均値は4.50μmであり、メッキ膜のば
らつき(CV値=標準偏差/平均値)は18.0%であ
った。また、メッキ部品aの周面のメッキ膜の膜厚に対
するメッキ部品aの端面のメッキ膜の膜厚は、平均60
%であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、メ
ッキ物の各部位や各メッキ物間のメッキ膜の膜厚のばら
つきが小さく、均一な膜厚のメッキ膜を施すことが可能
となる。これによって、メッキ部品の品質の向上を図る
ことができ、製品の品質の向上、歩留まりの向上などを
図ることができる。さらに、複数のメッキ部品が仕切り
体や保持部材によって整列、保持されるので、メッキ工
程におけるメッキ部品の反転等はもちろん、そ前後の工
程におけるメッキ部品の取扱いや搬送が容易になり、メ
ッキ工程の省力化、自動化を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメッキ装置の例を示す概略縦断側
面図である。
【図2】同メッキ装置の陽極、陰極及び仕切り体の例を
示す要部拡大縦断側面図である。
【図3】同メッキ装置の陽極と仕切り体の例を示す斜視
図である。
【図4】同メッキ装置の陽極、陰極及び仕切り体の例を
示す斜視図である。
【図5】同メッキ装置の仕切り体からメッキ部品を取り
出し、反転する板状チャックと陰極及び仕切り体を示す
要部斜視図である。
【図6】同メッキ装置の板状チャックにより、仕切り体
からメッキ部品を取り出す状態を示す要部平面図であ
る。
【図7】同メッキ装置の板状チャックにより、仕切り体
からメッキ部品を取り出す状態と、反転した後仕切り体
にメッキ部品を戻す状態を示す要部拡大縦断側面図であ
る。
【図8】同メッキ装置の陰極に例を示す底面図である。
【図9】本発明によるメッキ装置の他の例を示す概略縦
断側面図である。
【図10】同メッキ装置の陽極、陰極及び保持部材の例
を示す要部拡大縦断側面図である。
【図11】同メッキ装置の陽極と保持部材の例を示す斜
視図である。
【図12】同メッキ装置の陽極、陰極及び保持部材の例
を示す斜視図である。
【図13】本発明によるメッキ装置の他の例を示す概略
縦断側面図である。
【図14】同メッキ装置の陽極、陰極及び仕切り体の例
を示す要部拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
2 メッキ浴槽 6 陽極 7 陰極 10 電源 11 メッキ液 13 金属線 14 絶縁被膜 16 仕切り体 17 保持部材 19 板状チャック a メッキ部品

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキ液(11)を溜めるメッキ浴槽
    (2)と、このメッキ浴槽(2)のメッキ液(11)に
    浸漬され、メッキを施すメッキ部品(a)が接触する陰
    極(7)と、メッキ浴槽(2)のメッキ液(11)に浸
    漬された陽極(6)と、これら陽極(6)と陰極(7)
    とに電流を流す電源(10)とを有する小物部品メッキ
    装置において、複数のメッキ部品(a)を保持し、これ
    らメッキ部品(a)の一端が前記陰極(7)の片面にお
    いて導体に接触している状態から、これら複数のメッキ
    部品(a)の他端が陰極(7)の片面において導体に接
    触するよう複数のメッキ部品(a)を一括して反転可能
    な部品保持手段を有することを特徴とする小物部品メッ
    キ装置。
  2. 【請求項2】 メッキ液(11)が通過可能な薄板状の
    陰極(7)は、メッシュ状、多孔質状、不織布状の何れ
    かであって、導電性を有するものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の小物部品メッキ装置。
  3. 【請求項3】 メッキ部品(a)は、仕切り体(16)
    により整列した状態で陰極(7)の片面に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の小物部品
    メッキ装置。
  4. 【請求項4】 部品保持手段は、仕切り体(16)によ
    り整列された複数のメッキ部品(a)を同時に保持する
    板状チャック(19)からなることを特徴とする請求項
    3に記載の小物部品メッキ装置。
  5. 【請求項5】 メッキ部品(a)が板状の保持部材(1
    7)により保持されると共に、保持部材(17)から突
    出したメッキ部品(a)の一部が前記陰極(7)の導体
    に接触するよう保持部材(17)が配置されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の小物部品メッキ
    装置。
  6. 【請求項6】 部品保持手段は、メッキ部品(a)を保
    持する保持部材(17)であることを特徴とする請求項
    5に記載の小物部品メッキ装置。
  7. 【請求項7】 部品保持手段は、メッキ部品(a)を両
    側から挟持する一対の陰極(7)、(7)であることを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の小物部品メッ
    キ装置。
  8. 【請求項8】 メッキ液(11)を溜めたメッキ浴槽
    (2)に陰極(7)と陽極(8)とを浸漬すると共に、
    メッキ部品(a)を陰極(7)に接触させると共に、前
    記陽極(6)と陰極(7)とに電流を流し、メッキ部品
    (a)にメッキを析出させる小物部品メッキ方法におい
    て、複数のメッキ部品(a)の一端が前記陰極(7)の
    片面において導体に接触している状態で、前記陽極
    (6)と陰極(7)とに電流を流し、同メッキ部品
    (a)にメッキを析出させた後、これら複数のメッキ部
    品(a)の他端が陰極(7)の片面において導体に接触
    するよう複数のメッキ部品(a)を一括して反転し、そ
    の後、前記陽極(6)と陰極(7)とに電流を流し、同
    メッキ部品(a)にメッキを析出させることを特徴とす
    る小物部品メッキ方法。
  9. 【請求項9】 メッキ部品(a)は、仕切り体(16)
    により整列した状態で陰極(7)の片面に配置されてい
    ることを特徴とする請求項8に記載の小物部品メッキ方
    法。
  10. 【請求項10】 仕切り体(16)により整列された複
    数のメッキ部品(a)を板状チャック(19)で保持
    し、反転することを特徴とする請求項9に記載の小物部
    品メッキ方法。
  11. 【請求項11】 メッキ部品(a)が板状の保持部材
    (17)により保持されると共に、保持部材(17)か
    ら突出したメッキ部品(a)の一部が前記陰極(7)の
    導体に接触するよう保持部材(17)が配置されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の小物部品メッキ方
    法。
  12. 【請求項12】 メッキ部品(a)は、保持部材(1
    7)に保持されたまま、同保持部材(17)ごと反転さ
    れることを特徴とする請求項11に記載の小物部品メッ
    キ方法。
  13. 【請求項13】 メッキ部品(a)は、一対の陰極
    (7)、(7)で挟まれ、この状態で挟持したら陰極
    (7)、(7)と共に反転されることを特徴とする請求
    項8、9または11に記載の小物部品メッキ方法。
  14. 【請求項14】 メッキ部品(a)が陰極(7)に対し
    て、その面方向に相対移動させられることを特徴とする
    請求項8〜13の何れかに記載の小物部品メッキ方法。
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