JPH11130925A - 強化ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

強化ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH11130925A
JPH11130925A JP29401297A JP29401297A JPH11130925A JP H11130925 A JPH11130925 A JP H11130925A JP 29401297 A JP29401297 A JP 29401297A JP 29401297 A JP29401297 A JP 29401297A JP H11130925 A JPH11130925 A JP H11130925A
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ethylene
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propylene
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JP29401297A
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Inventor
Shigeji Ichikawa
茂治 市川
Katsunori Arai
勝徳 新井
Masashi Sanada
誠志 眞田
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Marelli Corp
Original Assignee
Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な成形性を有し、経済性に優れた樹脂組成
物であって、射出成形により自動車等のインストルメン
トパネルに成形した場合、外観が優れており、良好な機
械的強度特性、耐熱性を与える樹脂組成物を提供する。 【解決手段】この発明の組成物は、(A)プロピレン単
独重合体を含んでもよい結晶性プロピレン・エチレンブ
ロック共重合体からなり、(i)エチレン含有量が1.5
〜8重量%の範囲内にあり、(ii)230°C、2.16
kg荷重でのメルトフローレイトが5〜15g/10分
の範囲内にあり、(iii)プロピレン単独重合部の13C
−NMRで測定したアイソタクチック・ペンタッド分率
が96%以上であるポリプロピレン系樹脂と、(B)M
FRが0.3〜2.0g/10分の範囲内にあり、密度
が0.865〜0.875g/cm3の範囲内にあるエ
チレン・オクテン共重合ゴムと、(C)平均粒径が3〜
6μmのタルクと、から構成され、成分(A)は57〜
78重量%の範囲内にあり、成分(B)は6〜21重量
%の範囲内にあり、成分(C)は15〜22重量%の範
囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、結晶性プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体を含有するポリプロピレ
ン系樹脂と、エチレン・オクテン共重合ゴムと、タルク
とからなるインストルメントパネル用に適した強化ポリ
プロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】図1、図2に示すような自動車等の内装
品の一つとして、インストルメントパネル10が知られ
ている。このインストルメントパネル10には計器板1
1を保持する保持部12が設けられている。また、その
両側にサイドデフグリル13a、13bやサイドベント
グリル14a、14b等を備えているが、これらの部材
は車種などによりそれぞれ異なっている。このインスト
ルメントパネル10は、図2に示すように、運転席1
5、助手席16の前方のフロントウインド17の直下に
配置され、ボデー18の両側にまで達している大型の成
形品である。このインストルメントパネルとして、パッ
ドを付さないものは、射出成形などにより一工程で製造
される。
【0003】このインストルメントパネル10として
は、成形品の外観が良好であり、耐熱剛性、耐衝撃性、
寸法安定性が優れていることが要求され、結晶性ポリプ
ロピレンに各種無機充填材や各種ゴム成分を複合強化し
た樹脂組成物が射出成形材料として用いられている。
【0004】近年の高品質化の要求に応えて、特定の結
晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体、芳香族系
水添ブロック共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム及びタルクからなる強化された樹脂組成物が、
例えば、特開平7−53828号公報に提案されてい
る。この強化ポリプロピレン系樹脂組成物を用いること
により、十分な耐熱変形性、耐衝撃性、寸法安定性を有
し、軽量で外観の優れたインストルメントパネルが得ら
れる。
【0005】また、特定の結晶性プロピレン・エチレン
ブロック共重合体、スチレン系エラストマー、エチレン
系エラストマー及び表面処理されたタルクからなる強化
された樹脂組成物が、例えば、特開平7−53842号
公報に提案されている。この強化ポリプロピレン系樹脂
組成物によれば、常法により成形することにより、軽量
でありながら良好な成形品外観で、かつ、高水準の機械
的強度バランスを備えているインストルメントパネルが
得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな樹脂組成物は、高価な樹脂材料を必須成分とするの
で、製造コストが嵩み、経済性の改良が望まれている。
【0007】そこで、この発明は、良好な成形性を有
し、経済性に優れた樹脂組成物であって、射出成形によ
り自動車等のインストルメントパネルに成形した場合、
外観が優れており、良好な機械的強度特性、耐熱性を与
える樹脂組成物を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1の発明は、(A)結晶性プロピレン・エチレン
ブロック共重合体または結晶性プロピレン・エチレン共
重合体とプロピレン単独重合体とのブレンドからなり、
(i)エチレン含有量が1.5〜8重量%の範囲内にあ
り、(ii)230°C、2.16kg荷重でのメルトフロ
ーレイトが5〜15g/10分の範囲内にあり、(iii)
プロピレン単独重合部の13C−NMRで測定したアイ
ソタクチック・ペンタッド分率が96%以上であるポリ
プロピレン系樹脂と、(B)230°C、2.16kg
荷重でのメルトフローレイトが0.3〜2.0g/10
分の範囲内にあり、密度が0.865〜0.875g/
cm3の範囲内にあるエチレン・オクテン共重合ゴム
と、(C)レーザー光散乱方式粒度分布計にて測定され
る平均粒径が3〜6μmのタルクと、から構成され、成
分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量を100
重量%とするとき、成分(A)は57〜78重量%の範
囲内にあり、成分(B)は6〜21重量%の範囲内にあ
り、成分(C)は15〜22重量%の範囲内にあること
を特徴とする強化ポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0009】請求項1に記載のように構成すれば、エチ
レン含有量、メルトフローレイト(以下MFRと略すこ
とがある。)、プロピレン単独重合部のアイソタクチッ
ク・ペンタッド分率に関して特定の範囲内のプロピレン
・エチレンブロック共重合体、エチレン・αオレフィン
共重合ゴムに中でも、MFR、密度に関して特定の範囲
内のエチレン・オクテン共重合ゴム、及び平均粒径に関
して特定の範囲内のタルクを特定の配合割合で配合した
樹脂組成物が選択される。このような選択された樹脂組
成物は、無機充填剤として市販の廉価なタルクが用いら
れ、また高価な芳香族系水添ブロック共重合ゴムを必要
としないので経済コストが低い。
【0010】また、この組成物は成形性が良好であり、
射出成形により成形した成形品は、良好な機械的強度特
性と、耐熱性を備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、成分(A)とし
てのポリプロピレン系樹脂としては、結晶性プロピレン
・エチレンブロック共重合体または結晶性プロピレン・
エチレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド
からなる。このブレンド中の(i)エチレン含有量は、
1.5〜8重量%の範囲内にあり、(ii)230°C、
2.16kg荷重でのメルトフローレイト(以下単にM
FRと略していうことがある)は5〜15g/10分の
範囲内にあり、(iii)プロピレン単独重合部の13C−
NMRで測定したアイソタクチック・ペンタッド分率は
96%以上である。
【0012】エチレン含有量が、1.5重量%未満で
は、成形品の耐衝撃強さが劣り、一方エチレン含有量が
8重量%を越えると得られた成形品の耐熱性が劣る。好
適なエチレン含有量は2〜7重量%の範囲内である。こ
こで、このエチレン含有量は、例えば、成分(A)の赤
外吸収スペクトルのメチル基とメチレン基の特性吸収の
吸光度を用いて、検量線法により求めることができる。
【0013】また、MFRが5g/10分未満では成形
性が悪く、成形品の残留歪みにより変形が生じやすい。
一方、このMFRが15g/10分を越えて大きくなる
と、得られた成形品の耐衝撃性が低下する。好適なMF
Rは、8〜15g/10分の範囲内である。
【0014】プロピレン単独重合部の13C−NMRで
測定したアイソタクチック・ペンタッド分率[mmmm
%]が96%未満では、得られた成形品の耐熱性が劣
る。好適なアイソタクチック・ペンタッド分率は、97
%以上である。
【0015】成分(A)が結晶性プロピレン・エチレン
共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンドからなる
場合、用いられる結晶性プロピレン・エチレン共重合体
のアイソタクチック・ペンタッド分率が96%未満であ
り、ブレンドされるプロピレン単独重合体のアイソタク
チック・ペンタッド分率が96%以上の場合、得られた
組成物中の成分(A)中のプロピレン単独重合部のアイ
ソタクチック・ペンタッド分率は96%以上となる場合
があるが、本発明では、この場合を包含する。従って、
両者のブレンドは、予め予備混練してもよく、また、他
の成分(B)、成分(C)と一方のポリマーを混練中ま
たは混練後に他方のポリマーを混練してブレンドしても
よい。
【0016】成分(B)は、230°C、2.16kg
荷重でのメルトフローレイト(MFR)が0.3〜2.
0g/10分の範囲内にあり、密度が0.865〜0.
875g/cm3の範囲内にあるエチレン・オクテン共
重合ゴムである。本発明において、エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴムの中でも、α−オレフィンとしてオク
テンを選択することが重要である。このα−オレフィン
として従来のプロピレンやブテンでは、この発明の目的
は達成されない。
【0017】また、このMFRが2g/10分を越えて
大きい場合には、耐衝撃性の改良効果が劣る。また、M
FRが0.3g/10分未満の場合にも、溶融粘度が高
くなるため、組成物中で良好なゴム分散状態が得られ
ず、結果として得られた成形品の衝撃強さが低下する。
また、成形品外観では、フローマークが発生しやすくな
る。
【0018】また、このエチレン・オクテン共重合ゴム
の密度が0.865g/cm3未満では、得られた成形
品の耐熱性が劣り、一方密度が0.875g/cm3
越える場合には、耐衝撃性の改良効果が乏しくなる。こ
のような特性を有するエチレン・オクテン共重合ゴム
は、例えば、エンゲージ(デュポン・ダウエラストマー
社製)、タフマーH(三井石油化学社製)等の商品名と
して入手可能である。
【0019】成分(C)は通常市販されているタルクで
あるが、本発明においてはレーザー光散乱方式粒度分布
計にて測定される平均粒径が3〜6μmの範囲内のもの
が選択される。平均粒径が6μmを越えると機械的強度
が低下する。一方、この粒径が小さすぎるとタルクの2
次凝集が起こり、衝撃強さが劣る。このタルクは、表面
処理されていないものを用いてもよいし、各種の表面処
理剤により表面処理されたものを用いてもよい。
【0020】本発明においては、上述の成分(A)、
(B)、(C)は、成分(A)、成分(B)及び成分
(C)の合計量を100重量%とするとき、成分(A)
は57〜78重量%の範囲内にあり、成分(B)は6〜
21重量%の範囲内にあり、成分(C)は15〜22重
量%の範囲内でブレンドされる。
【0021】成分(B)の割合が6重量%よりも少ない
と得られた成形品の耐衝撃性が劣り、21重量%を越え
ると耐熱性が低下する。また、成分(C)の割合が15
重量%未満であれば、得られた成形品の耐熱性が低下
し、22重量%を越えると、得られた組成物の比重が高
くなり、成形品の軽量性が損なわれる。好ましい、割合
は、成分(A)が60〜74重量%の範囲内、成分
(B)が8〜19重量%の範囲内、成分(C)が6〜1
5重量%の範囲内である。
【0022】このような組成の樹脂組成物は、本発明の
目的を損なわない範囲内でさらに、酸化防止剤、光安定
剤、帯電防止剤などの安定剤、顔料などの着色剤、核剤
(以下これらを成分(D)という)を少量配合すること
ができる。
【0023】本発明の強化ポリプロピレン系樹脂組成物
は、これらの成分(A)〜(C)、及び必要により成分
(D)を特定量配合・混練することにより得られる。こ
れらの配合・混練方法は、特には限定されない。一般に
用いられる一軸押出機、二軸押出機などの単軸、多軸押
出機をはじめとして、バンバリーミキサー、ロール、ニ
ーダーなどの通常の混練機を用いて混練・造粒されるこ
とにより得られる。
【0024】各成分の分散性を良好にするためには、混
練法を選択することが好ましく、通常二軸押出機を用い
て混練・造粒する。この場合、各成分を同時に配合して
よく、また、性能の向上を図るために各成分を分割して
混練することもできる。例えば、成分(A)と成分
(B)の一部または全部を混練し、その後残余の成分を
混練して造粒してもよい。
【0025】以上により得られた組成物のMFRは、通
常5〜10g/10分の範囲内にあり、インストルメン
トパネルへ用の通常の射出成形機により、通常の条件で
成形できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明する。なお、実施例及び比較例では、次に示
す評価方法により行った。
【0027】[1]配合・混練・造粒によるペレットの
調整 成分(A)〜(D)を高速ヘンシェルミキサーで1分間
攪拌混合した後、株式会社池貝社製の二軸混練機により
混練・造粒してペレット状の樹脂組成物を得た。
【0028】[2]ペレットの流動性評価 ペレットの流動性評価は、JIS K7210に準拠し
てペレットのMFRを求めることにより評価した。
【0029】[3]試験片の成形と物性評価 日本製鋼所製J150−C5型射出成形機を用い、試験
片金型により測定用試験片を成形し、次の条件で物性を
評価した。
【0030】密度:JIS−K7112に準拠して密度
を測定し、試験片の軽量性を評価した。
【0031】曲げ弾性率:JIS−K7203に準拠し
て温度23°Cにて曲げ弾性率を測定し、試験片の機械
的強度を評価した。
【0032】アイゾット衝撃強さ:JIS−K7110
に準拠して切削ノッチ付の衝撃強さを23°Cにて測定
し、試験片の耐衝撃性を評価した。
【0033】熱変形温度:JIS−K7207に準拠し
て荷重4.6kg/cm2にて、熱変形温度を測定し、
試験片の耐熱性を評価した。
【0034】[4]インストルメントパネルの成形とそ
の実性能評価 後述される組成の樹脂組成物を、東芝機械製IS−25
00DE型射出成形機を用い、インストルメントパネル
用金型を用いて成形し、得られたインストルメントパネ
ルを車両のカットモデルに取り付けた状態で、次の条件
で実性能を評価した。
【0035】耐熱変形性:インストルメントパネルの表
面温度が110°Cになるように赤外線ランプで4時間
照射後、各部位の隙間変化を測定した。なお、判定基準
は、最大変化量が3mm未満を○と評価し、3mm以上
を×と評価した。
【0036】衝撃性能試験:FMVSS201、ECE
21に基づき、直径16.5cm、重さ6.8kgの頭
部模型により相対速度24.1km/時間で衝撃を加
え、頭部模型の減速度の測定と打撃部分の観察を行っ
た。なお、判定基準は、減速度が3m・secより多く持続
して666.4m/sec2を越えなく、かつ、打撃部分の
観察で打撃点にシャープエッジが認められないことによ
り○と評価して、減速度が3m・secより多く持続して6
66.4m/sec2以上であるか、または、打撃点にシャ
ープエッジが認められることにより×と評価した。
【0037】[実施例1]成分(A)として、MFR7
g/10分、エチレン含有量11重量%、プロピレン単
独重合部のアイソタクチック・ペンタッド分率97%の
プロピレン・エチレンブロック共重合体(以下BP−1
と略す)を43重量%、MFR12g/10分、プロピ
レン単独重合部のアイソタクチック・ペンタッド分率9
8%のプロピレン単独重合体(以下HP−1と略す)を
28重量%、成分(A)全体としては、MFR8g/1
0分、エチレン含有量7重量%、プロピレン単独重合部
のアイソタクチック・ペンタッド分率97%のポリプロ
ピレン樹脂が71重量%、成分(B)としてMFR0.
5g/10分、密度0.868g/cm3のエチレン・
オクテン共重合ゴムを11重量%、成分(C)として平
均粒径4.5μmのタルクを18重量%、及び酸化防止
剤を高速ヘンシェルミキサーで1分間混合した後、二軸
混練押出機で混練・造粒し、ペレットを得た。
【0038】このペレットを用い、前述の[2]に記載
の方法に従い組成物の流動性評価を行い、前述の[3]
に記載の方法に従い試験片を成形して物性を測定した。
また、前述の[4]の方法に従いインストルメントパネ
ルの作成を行い、実性能評価試験を行った。結果を樹脂
組成、物性評価結果と併せて表1に示した。
【0039】成形は繰り返して行われたが、いずれもフ
ローマークの発生は認められずに良好な成形性を保持し
つつ成形が行えた。また、物性評価及び実性能評価とも
に良好な結果を得た。
【0040】[実施例2〜5]実施例1の成分(A)と
して、表2に記載のプロピレン・エチレンブロック共重
合体及びポリプロピレン単独重合体を併用し、また、成
分(B)に代えて表1に記載の成分(B)を表1に記載
の配合比で用いる以外は実施例1と同様にして実施例2
〜5のペレットを得た。なお、以下の説明において、表
1中の成分(A)の略称は、表2の略称と同一略称は同
一成分であることを示している。
【0041】実施例1と同様にして、試験片とインスト
ルメントパネルの成形を行ったが、いずれの実施例のペ
レットも良好な成形性を示し、得られた成形品ではフロ
ーマークが発生していなかった。また、実施例1と同様
にして行った流動性、物性及び実性能の評価結果を表1
に併せて記載したがいずれの実施例の場合も良好な結果
を得た。
【0042】[比較例1]従来技術の芳香族系水添ブロ
ック共重合ゴムを用いた対照例を比較例1として以下に
示す。
【0043】成分(A)としてMFR8g/10分、エ
チレン含有量4重量%、プロピレン単独重合部のアイソ
タクチック・ペンタッド分率98%のプロピレン・エチ
レンブロック共重合体(以下BP−5と略す)を単独に
72重量%用い、成分(B)として芳香族系水添ブロッ
ク共重合ゴムであるシェル化学株式会社製クレイトンG
1657を10重量%用いた以外は実施例1と同様にし
て比較例1のペレットを得た。
【0044】実施例1と同様にして、試験片とインスト
ルメントパネルの成形を行ったが、良好な成形性を示し
た。また、実施例1と同様に流動性評価、物性評価及び
実性能評価を行い結果を表1に併せて記載したがいずれ
も良好な結果を得た。
【0045】[比較例2]成分(A)としてMFR4g
/10分、エチレン含有量5重量%、プロピレン単独重
合部のアイソタクチック・ペンタッド分率96%のプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体(以下BP−3と略
す)を単独に72重量%用い、成分(B)としてMFR
5g/10分、密度0.870g/cm3のエチレン・
オクテン共重合ゴムを11重量%用いた以外は実施例1
と同様にして比較例2のペレットを得た。
【0046】実施例1と同様にして、試験片とインスト
ルメントパネルの成形を行い、実施例1と同様に流動性
評価、物性評価及び実性能評価を行った。結果をその組
成と併せて表1に記載したが、耐熱性は良好であった
が、試験片のアイゾット強度が低く、また、実性能評価
では、衝撃性能試験が不良であった。これにより、MF
Rの小さい成分(A)とMFRの大きい成分(B)とを
用いても、耐衝撃性が劣ることが理解される。
【0047】[比較例3〜6]成分(A)として、MF
R、エチレン含有量、アイソタクチック・ペンタッド分
率のいずれかが本発明の範囲外であるプロピレン・エチ
レンブロック共重合体を用い、表1又は表2に記載の配
合比で成分(B)、成分(C)を用いる以外は実施例と
同様にして比較例3〜6のペレットを得た。
【0048】実施例1と同様にして、試験片とインスト
ルメントパネルの成形を行い、実施例1と同様に流動性
評価及び物性評価を行いその一部について実性能評価を
併せて行った。結果をその組成と併せて表1又は表2に
記載した。
【0049】表1又は表2から明らかなように、成分
(A)としてMFRの大きいものを用いた比較例3では
試験片のアイゾット強度が低く、また、実性能評価試験
の衝撃性能試験の値が不良であった。また成分(A)と
してエチレン含量の低いものを用いた比較例4では、試
験片のアイゾット強度が著しく低く実用に供されない。
また、成分(A)としてエチレン含有量の多いものを用
いた比較例5では試験片の熱変形温度が低く、また、実
性能評価でも耐熱変形性が不良である。また、アイソタ
クチック・ペンタッド分率の低いものを用いた比較例6
では、試験片の曲げ弾性率、熱変形温度が低かった。
【0050】[比較例7〜9]成分(B)として、MF
R、密度のいずれかが本発明の範囲外となるエチレン・
オクテン共重合ゴムを用い、表2に記載の配合比で成分
(A)、成分(C)を用いる以外は実施例と同様にして
比較例7〜9のペレットを得た。
【0051】比較例3〜6と同様にして、成形を行い物
性の評価を行った。表2に結果を示すように、成分
(B)として、密度が高いものを用いた比較例7やMF
Rが高いものを用いた比較例9では、いずれも試験片の
アイゾット強度が低く実用的ではなかった。また、密度
が低いものを用いた比較例8では、熱変形温度がやや低
く、実性能評価での耐熱変形性が不良であった。
【0052】[比較例10、11]成分(B)のエチレ
ン・オクテン共重合ゴムに代えてMFR0.7g/10
分、密度0.865g/cm3のエチレン・プロピレン
共重合ゴム11重量%を用い、表2に記載の配合比で成
分(A)、成分(C)を用いる以外は実施例1と同様に
して比較例10のペレットを得た。
【0053】また、成分(B)のエチレン・オクテン共
重合ゴムに代えてMFR0.5g/10分、密度0.8
80g/cm3のエチレン・ブテン共重合ゴム13重量
%を用い、表2に記載の配合比で成分(A)、成分
(C)を用いる以外は実施例と同様にして比較例11の
ペレットを得た。
【0054】実施例1と同様にして、試験片の成形を行
い物性の評価を行った。表2に結果を示すように、成分
(B)として、エチレン・オクテン共重合ゴムを用いな
い比較例10、11の試験片は、MFR、密度が満足さ
れていてもアイゾット強度が低く、実用的ではなかっ
た。
【0055】[比較例12、13]成分(C)として、
平均粒径が本発明の範囲外となるタルクを用い、表2に
記載の配合比で成分(A)、成分(B)を用いる以外は
実施例と同様にして比較例12、13のペレットを得
た。
【0056】実施例1と同様にして、試験片の成形を行
い物性の評価を行った。表2に結果を示すように、成分
(C)として、平均粒径が小さいタルクを用いた比較例
12では、アイゾット強度が低く、平均粒径が大きいタ
ルクを用いた比較例13でもアイゾット強度が充分では
なかった。
【0057】
【表1】
【表2】
【表3】 以上説明したように、本発明に従う実施例では、組成物
の流動性、射出成形性が良好で、成型物の密度が低い、
すなわち軽量性を保持され、また、試験片の熱変形温度
は130°C以上、曲げ弾性率が230(×100kg
/cm2)以上、アイゾット強度も30kg・cm/cm
以上と高い。また、実性能評価試験では外観に優れ、耐
熱変形性、衝撃性能試験とも良好であった。これらの値
は、対照とする比較例1のものに匹敵する良好な物性及
び実性能を備えている。これにより、廉価な材料を用い
ても良好な物性及び実性能を備えるインストルメントパ
ネルの成形に適した強化ポリプロピレン樹脂組成物が提
供される。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、特定された各
成分(A)〜(C)の特定された割合での組み合わせに
より、良好な成形性を有し、経済性に優れた樹脂組成物
であって、射出成形により自動車等のインストルメント
パネルに成形した場合、外観が優れており、良好な機械
的強度特性、耐熱性を与える樹脂組成物が廉価に提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なインストルメントパネル外観を説明す
るための説明図である。
【図2】一般的な自動車内に配置されたインストルメン
トパネルを説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 …インストルメントパネル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プロピレン・エチレンブロック共
    重合体または結晶性プロピレン・エチレン共重合体とプ
    ロピレン単独重合体とのブレンドからなり、(i)エチレ
    ン含有量が1.5〜8重量%の範囲内にあり、(ii)23
    0°C、2.16kg荷重でのメルトフローレイトが5
    〜15g/10分の範囲内にあり、(iii)プロピレン単
    独重合部の13C−NMRで測定したアイソタクチック
    ・ペンタッド分率が96%以上であるポリプロピレン系
    樹脂と、(B)230°C、2.16kg荷重でのメル
    トフローレイトが0.3〜2.0g/10分の範囲内に
    あり、密度が0.865〜0.875g/cm3の範囲
    内にあるエチレン・オクテン共重合ゴムと、(C)レー
    ザー光散乱方式粒度分布計にて測定される平均粒径が3
    〜6μmのタルクと、から構成され、 成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量を10
    0重量%とするとき、成分(A)は57〜78重量%の
    範囲内にあり、成分(B)は6〜21重量%の範囲内に
    あり、成分(C)は15〜22重量%の範囲内にあるこ
    とを特徴とする強化ポリプロピレン系樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020497A1 (fr) * 1998-10-05 2000-04-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition de resine a base de polypropylene et produits de moulage par injection obtenus a partir de cette resine
US6803421B2 (en) * 2002-11-12 2004-10-12 Equister Chemicals, Lp High flow filled propylene polymer compositions having improved impact and dimensional properties
JP2006193644A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物

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