JPH11129890A - タンデム型気圧式倍力装置 - Google Patents

タンデム型気圧式倍力装置

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JPH11129890A
JPH11129890A JP9316431A JP31643197A JPH11129890A JP H11129890 A JPH11129890 A JP H11129890A JP 9316431 A JP9316431 A JP 9316431A JP 31643197 A JP31643197 A JP 31643197A JP H11129890 A JPH11129890 A JP H11129890A
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plunger
sleeve
pressure chamber
valve
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Toshio Takayama
利男 高山
Kunihiro Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プランジャおよび大気用弁座部材のガイドと
なるスリーブを精度良くかつ強固に組付けることを可能
にし、性能の安定性を確保する。 【解決手段】 バルブボデー32のカップ部32a内
に、ソレノイド37を内蔵する環状のソレノイドケース
38を配置し、このソレノイドケース38の内径を段付
孔48として、その小径孔部48aにスリーブ49を圧
入し、スリーブ49の前端に設けた鍔部49aを段付孔
48の大径孔部48aに位置させて、該大径孔部48に
配置したリング部材70にリアクションディスク71か
ら出力反力を作用させて、該リング部材70により前記
鍔部49aを段付孔48の段差面48cに押圧し、この
押圧力でスリーブ49をバルブボデー32と同心に保持
して、入力軸55と一体に移動するプランジャ53およ
びソレノイド37による大気用弁座部材50の円滑な移
動を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ系
統に用いられる気圧式倍力装置に係り、より詳しくはブ
レーキ補助機構としてのソレノイドを内蔵したタンデム
型気圧式倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ補助機構は、車両を急停止また
は急減速させたい緊急状態であるか否かを、例えばブレ
ーキペダルの踏込速度から判断し、緊急状態と判断した
場合に入力軸の動きから独立して気圧式倍力装置の変圧
室に作動流体を供給するようにしたもので、事故を回避
する上で有用となるところから、近年、その利用が注目
されている。
【0003】このブレーキ補助機構としては、気圧式倍
力装置から独立して作動流体源を設け、コントロール弁
の作動に応じて該作動流体源から気圧式倍力装置の変圧
室に作動流体を供給するようにしたものもあるが(例え
ば、特開昭61−268560号公報参照)、最近で
は、気圧式倍力装置を構成するバルブボデー内にソレノ
イドを組込み、このソレノイドを励磁して電磁気的にバ
ルブボデー内の弁機構(大気弁)を作動させるようにし
た、いわゆるソレノイド内蔵型の気圧式倍力装置が主流
となってきている。
【0004】ところで、気圧式倍力装置のバルブボデー
は、最近、樹脂製となっており、例えば、このバルブボ
デーを樹脂成形する際、ソレノイドを一体に埋込むよう
にすれば、気圧式倍力装置を簡単にソレノイド内蔵型と
することができる。しかし、気圧式倍力装置が、前・後
2つのパワーピストンを備えたタンデム型である場合
は、バルブボデーも複雑構造となり、前記したようにソ
レノイドをバルブボデーに埋込むことは不可能になる。
【0005】そこで従来、タンデム型の気圧式倍力装置
をソレノイド内蔵型とする場合は、ソレノイドをバルブ
ボデーとは別体のソレノイドケースに納め、このソレノ
イドケースをバルブボデーに作動連結してソレノイド内
蔵型とすることが行われており、例えば、米国特許第5
493946号には、図4および図5に示すようなタン
デム型気圧式倍力装置が提案されている。
【0006】図4および図5において、1はシェル本
体、2はシェル本体1内を前・後2室に分割するセンタ
ーシェル、3,4は各室に配した前・後のパワーピスト
ン、5は弁機構6を内蔵するバルブボデー、7はソレノ
イド8を内蔵する環状のソレノイドケースであり、ここ
では、後側パワーピストン4にバルブボデー5を支持さ
せると共に、前側パワーピストン3に取付けた有底筒状
の係止部材9によりソレノイドケース7をバルブボデー
5のカップ部底に衝合させるようにしている。環状のソ
レノイドケース7の内径にはスリーブ10が圧入されて
おり、このスリーブ10内には、ブレーキペダル(図示
略)から延ばした入力軸11に連結されたプランジャ1
2が摺動可能に嵌挿され、一方、このスリーブ10の外
周には前記弁機構6を構成する大気用弁座部材13が摺
動可能に外嵌されている。また、ソレノイドケース7の
前端部に凹部14が形成されて、この凹部14にプレー
ト15とリアクションディスク16が納められ、出力軸
17の基端部を支承する係止部材9の底面ボス部9aが
このリアクションディスク16に突当てられている。な
お、出力軸17の先端部は、シェル本体1に作動連結さ
れたマスタシリンダM内へ導入されている。
【0007】上記大気用弁座部材13は、図5に示すよ
うに、プランジャ12に一端が係止されたばね18によ
り常時は後方へ付勢され、その途中に設けた段差面をプ
ランジャ12に設けた係止片12aに当接させた後退端
に位置決めされている。この弁座部材13の後端には大
気用弁座13aが形成され、一方、バルブボデー5内に
はポペット弁19が配設されており、前記弁座13aが
常時はポペット弁19に突き当てられている。
【0008】上記構成の気圧式倍力装置においては、通
常の制動時は、入力軸11と一体に前進するプランジャ
12によって、弁座部材13がばね18の付勢力によっ
てその段差面がプランジャ12の係止片12aに当接状
態となっているため、プランジャ12と一体的に前進
し、弁座部材13の後端の大気用弁座13aがポペット
弁19から離間して、前・後の変圧室C,Dに大気が導
入され、負圧が導入されている定圧室A,Bとの間に差
圧が発生し、この差圧により前・後のパワーピストン
3,4が推進して、それらの推力がソレノイドケース7
および係止部材9を介して出力軸17に伝達される。一
方、ブレーキペダルの踏込速度から緊急状態と判断され
ると、ソレノイド8に通電がなされ、弁座部材13がプ
ランジャ12の動きとは無関係に前進し、大気用弁座1
3aがポペット弁19から大きく離間して前・後の変圧
室C,Dに急激に大量の大気が導入され、この結果、前
・後のパワーピストン3,4の推力が一気に高まって、
大きな制動力が得られるようになる。なお、前記出力作
用時の反力の一部はリアクションディスク16およびプ
ランジャ13を介して入力軸12に伝達される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ソ
レノイド内蔵のタンデム型気圧式倍力装置によれば、ス
リーブ10の周りに大気用弁座部材13の移動用空所S
を確保しなければならないため、ソレノイドケース7の
内径に、スリーブ10を圧入するための圧入部7aの長
さLを十分大きくとれず(図5)、これが原因して、ス
リーブ10がバルブボデー5の軸心に対して傾斜する状
態で組付けられることが多く、弁座部材13が傾斜方向
に案内されてその後端の大気用弁座13aがポペット弁
19に片当たりし、シール性が阻害されるという問題が
あった。なお、このシール性の問題は、弁座部材13を
付勢するばね18の設定荷重を大きくすることで、ある
程度改善されるが、この場合は、入力軸11からの無効
入力が増大し、ペダルフィーリング性に悪影響を及ぼす
こととなり、根本的な解決には至らない。
【0010】また、たとえ、圧入代あるいは圧入作業の
厳密な管理によりスリーブ10をバルブボデー5と同心
に組付けることができたとしても、上記圧入長さLを大
きくとれないため、ソレノイドケース7の圧入部7aに
よる保持力が不足する状態となっている。一方、入力軸
11からの入力には斜め押し成分があり、スリーブ10
にモーメントが加わるようになっている。このため、せ
っかくスリーブ10をバルブボデー5と同心に組付けて
も、前記モーメントによってスリーブ10が傾動し易
く、上記した大気用弁座13aのシール性に関する不安
が依然として残ることになる。
【0011】さらに、スリーブ10は、その前端に設け
た鍔部10aをソレノイドケース7の内径段差面に当接
するまで圧入されているので、後方への移動は規制され
ているが、所望のジャンプイン出力を発生させるため、
作動前においてはプレート15とリアクションディスク
16との間に所定の隙間を初期設定していることもあっ
て、抜け方向への押えは利いていない。このため、上記
した保持力の不足は、スリーブ10の抜け方向への移動
を引き起こす原因にもなり、倍力特性が不安定になる。
【0012】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その課題とするところは、プランジャおよ
び大気用弁座部材のガイドとなるスリーブを精度良くか
つ強固に組付けることを可能にし、もって性能安定に大
きく寄与する、ソレノイド内蔵のタンデム型気圧式倍力
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、シェル本体内をセンターシェルにより前・
後2室に分割すると共に、この分割した前・後2室のそ
れぞれを、ダイアフラムを備えた前・後パワーピストン
により定圧室と変圧室とに分割し、少なくとも後側パワ
ーピストンに支持されたバルブボデー内に、ブレーキペ
ダルから延ばした入力軸に連結されたプランジャと、該
プランジャと連動して前記定圧室と前記変圧室とに差圧
を発生させる弁機構と、前記弁機構の作動を前記プラン
ジャの動きとは独立に制御するソレノイドを内蔵する環
状のソレノイドケースとを配設し、前記定圧室と前記変
圧室とに発生する差圧により各パワーピストンを推進し
て、その推力を前記ソレノイドケースを介して出力軸に
伝達し、かつその時の反力の一部を前記ソレノイドケー
スに保持させたリアクションディスクと前記プランジャ
とを経て入力軸に伝達するようにしたタンデム型気圧式
倍力装置において、前記ソレノイドケースの内径を段付
孔としてその後部側の小径孔部に、前記プランジャと前
記弁機構を構成する大気用弁座部材とのガイドとなるス
リーブを圧入し、該スリーブの前端に設けた鍔部を前記
ソレノイドケースの段付孔の前部側の大径孔部に位置さ
せると共に、該大径孔部に前記リアクションディスクと
リング部材とを配置し、該リアクションディスクから前
記リング部材に伝わる反力により前記スリーブの鍔部を
前記段付孔の段差面に押圧するようにしたことを特徴と
する。
【0014】このように構成したタンデム型気圧式倍力
装置においては、スリーブの鍔部が、リアクションディ
スクからリング部材に伝わる反力によりソレノイドケー
スの段付孔の段差面に押圧され、ソレノイドケースに対
する圧入距離をそれほど長くとれなくても、スリーブの
組付精度が向上し、しかも作動中におけるスリーブの傾
動や軸移動が抑制される。
【0015】本発明は、上記入力軸とプランジャとの連
結部をスリーブ内に設定するの望ましく、これにより、
入力軸からスリーブに加わるモーメントが可及的に低減
し、スリーブの傾動がより確実に抑制されるようにな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0017】図1乃至図3は、本発明の一つの実施の形
態としての、ソレノイド内蔵のタンデム型気圧式倍力装
置を示したものである。これらの図において、20は、
フロントシェル21とリヤシェル22とからなるシェル
本体で、このシェル本体20内は、センターシェル23
により前・後2室に分割され、この前・後2室はさら
に、ダイアフラム24,25を備えたパワーピストン2
6,27により定圧室28,29と変圧室30,31と
に分割されている。各パワーピストン26,27には、
大径のカップ部32aと小径の筒状部32bとを連設し
てなる樹脂製のバルブボデー32が支持されている。バ
ルブボデー32は、そのカップ部32aがセンターシェ
ル23を気密的にかつ摺動自在に挿通して延ばされると
共に、その筒状部32bがリヤシェル22を気密的にか
つ摺動自在に挿通してリヤシェル22の外部まで延ばさ
れている。
【0018】バルブボデー32には、2つの定圧室28
と29とを連通しかつ各定圧室28,29をバルブボデ
ー32の筒状部32b内に連通する定圧通路(負圧通
路)33が設けられる他、2つの変圧室30と31とを
連通しかつ各変圧室30,31をバルブボデー32の筒
状部32b内に連通する大気通路34が設けられてい
る。前側の定圧室28には、例えばエンジン負圧が導入
されるようになっており、この負圧は、前記負圧通路3
3を通じて後側の定圧室28にも供給される。一方、バ
ルブボデー32の筒状部32b内には、サイレンサ機能
を有するフィルタユニット35を通じて大気が導入され
るようになっており、この大気は、後述する弁機構36
の作動により前記大気通路34を通じて2つの変圧室3
0と31に供給される。
【0019】バルブボデー32のカップ部32a内に
は、ソレノイド37を納めた環状のソレノイドケース3
8が配設されている。このソレノイドケース38は、前
端面および内周面を確定する本体39と外周面および後
端面を確定するカバー40とからなっており、両者は、
本体39に対してカバー40をかしめ止めすることによ
り一体化されている。しかして、このソレノイドケース
38のカバー40の前端側外周面には鍔部41が設けら
れ、一方、前側パワーピストン26には、バルブボデー
32のカップ部32aに挿入され、かつ前記鍔部41に
係合可能な係止部42を内側に有する内径筒部43が一
体に設けられている。ソレノイドケース38は、その外
周の鍔部41を前記内径筒部43の係止部42に着座さ
せることで前側パワーピストン26に保持されると共
に、その前端面とフロントシェル21との間に介装した
戻しばね44により軸方向移動しないように押られてい
る。また、バルブボデー32のカップ部32aの内面に
は段差部45が設けられており、この段差部45が前記
内径筒部43の係止部42を介して前記ソレノイドケー
ス38の鍔部41に突き当てられている。
【0020】ソレノイドケース38を構成するカバー4
0の後端からは筒状部46が後方へ向けて延ばされてお
り、ソレノイドケース38は、この筒状部46をバルブ
ボデー32のカップ部32a底に設けられた環状溝47
に嵌入させている。ソレノイドケース38の前部側は、
前記した前側パワーピストン26の内径筒部43を介し
てバルブボデー32のカップ部32aに嵌合されてお
り、これにより、ソレノイドケース38は、バルブボデ
ー32に対してその前後部がそれぞれ半径方向に拘束さ
れた状態で組付けられている。
【0021】本体37により確定されたソレノイドケー
ス38の内径は、段付孔48として構成されており、こ
の段付孔48の後部側の小径孔部48aには、スリーブ
49が圧入固定されている。スリーブ49は、その前端
に設けた鍔部49aを段付孔48の前部側の大径孔部4
8bに位置させて、該鍔部49aが段付孔48の段差面
48cに当接するまで圧入され、この圧入状態でスリー
ブ49の他端部はバルブボデー32の筒状部32b内ま
で延ばされている。ソレノイドケース38の内径は後部
側の途中で打切られており、この打切りにより生じた、
スリーブ49の周りの空所Sには、スリーブ49に摺動
可能に外嵌した筒状の弁座部材50の前部側が位置決め
されている。弁座部材50は、その後端に大気用弁座5
1を有しており、常時は、スリーブ49の周りにソレノ
イドケース38との間で配したばね52により後方へ付
勢されている。
【0022】一方、スリーブ49内には、プランジャ5
3と後述の反力調整機構54とが相互に作動連結して配
設されている。プランジャ53の後端部には、ブレーキ
ペダル(図示略)から延ばした入力軸55が連結されて
おり、プランジャ53は、入力軸55と一体にスリーブ
49内を進退動するようになっている。なお、このプラ
ンジャ53と入力軸55との連結部は、スリーブ49内
に設定されている。プランジャ53にはまた、前記大気
通路34および前記スリーブ49に設けた開口を通して
バルブボデー32内に半径方向から挿入されたストップ
キー56の中間部が連結されている。このストップキー
56の両端部は、リヤシェル22の小径部内面に固設さ
れたストッパ57に当接するようになっており、プラン
ジャ53は、このストップキー56がストッパ57(図
2)に当接する位置が後退端とされている。また、この
ストップキー56は、上記弁座部材50に形成した開口
(長孔)50aも挿通しており、弁座部材50は、その
開口50aの前側内縁をストップキー56に当接させた
位置が後退端とされている。
【0023】バルブボデー32の小径の筒状部32b内
に配設された弁機構36は、前記弁座部材50の後端に
形成された大気用弁座51を含む他、前記筒状部32b
の内面に負圧通路33を含むように形成された負圧用弁
座60と、筒状部32bに押え部材61により基端部が
固定され、入力軸55に一端が係止された弁ばね62に
より常時は前記大気用弁座51と負圧用弁座60とに着
座する方向へ付勢されたポペット弁63とを備えてい
る。なお、前記押え部材61には入力軸55を後退方向
へ付勢する戻しばね64が保持されている。大気用弁座
51は、通常動作時は、入力軸55と一体にプランジャ
53が前進し、その動きがストップキー56を介して弁
座部材50に伝えられて、該弁座部材50がばね52の
付勢力に抗して前進することによりポペット弁63に対
して離間し、弁機構36の大気弁が開かれる。また、こ
の大気用弁座51は、緊急時は、ソレノイド37が励磁
して弁座部材50がばね52の付勢力に抗して前進する
ことによりポペット弁63に対して離間し、弁機構36
の大気弁が開かれる。
【0024】また、スリーブ49内に配設された反力調
整機構54は、プランジャ53側に配置されたハット形
状のばね受け65と、前端側に配置された反力受け66
と、ばね受け65と反力受け66との間に介装された圧
縮ばね67と、頭部をばね受け65内に位置させると共
に軸部が反力受け66に圧入固定され、前記圧縮ばね6
7に所定のセット荷重を与えると共に反力受け66をプ
ランジャ53側へ移動可能に支持するステム68とから
なっている。そして、反力受け66とばね受け65との
間には、常時は所定の間隙S2 が確保されている。な
お、この間隙S2は、反力受け66に対するステム68
の圧入深さを調整することで変更可能となる。
【0025】一方、ソレノイド37を内蔵するソレノイ
ドケース38内の段付孔48の前部側の大径孔部48b
には、リング部材70と、ゴム製のリアクションディス
ク71と出力軸72の基端大径部とが収納されている。
リング部材70は、後述する倍力作用時にはリアクショ
ンディスク71から反力を受け、上記スリーブ49の鍔
部49aをソレノイドケース38の段付孔48の段差面
48aに押えるように働く。このリング部材70の内径
には、上記反力受け66の先端部が嵌入されており、非
作動時には反力受け66の先端とリアクションディスク
71との間に所定の間隙S1 が確保されるようになって
いる。なお、出力軸72は、フロントシェル21を気密
的に挿通してその前方へ延ばされ、これにはマスタシリ
ンダ(図示略)が作動連結されるようになる。そして、
この出力軸72は、ソレノイドケース38の前端部に嵌
合されかつ戻しばね44を受ける薄板73によって抜止
めされており、この薄板73とリアクションディスク7
1との間にはわずかの間隙S3 が確保されている。した
がって、この間隙S3 の範囲内でリング部材70の厚さ
を調整することで、間隙S1 を変更することができる。
【0026】上記した気圧式倍力装置は、そのリヤシェ
ル22の後面に植立した複数のスタッドボルト74を用
いて車体に取付けられ、この取付状態で入力軸55に図
示を略すブレーキペダルが連結される。そして、通常の
制動時は、ブレーキペダルの踏込みに応じて入力軸55
が前進し、プランジャ53が図の左方向へ移動し、その
動きがストップキー56を介して弁座部材50に伝えら
れ、大気用弁座51がポペット弁63に対して離間し、
弁機構36の大気弁を開く。この結果、フィルタ35を
通じてバルブボデー32内に大気が流入し、この大気は
大気通路34を通って二つの変圧室31,30に導入さ
れ、これにより、負圧が導入されている定圧室28,2
9と変圧室30,31との間に差圧が発生し、前・後の
パワーピストン26,27が推進してその推力(出力)
が、ソレノイドソレノイドケース38を介して出力軸7
2に伝達され、倍力作用が行われる。
【0027】この時、前側のパワーピストン26の推力
は、その筒状部43の係止部42から鍔部41を介して
ソレノイドソレノイドケース38に伝えられ、バルブボ
デー32には後側パワーピストン27の推力のみが伝達
されることになる。したがって、バルブボデー32に対
する強度要求値は低減し、バルブボデー32を樹脂製と
しても、それほど大型(大径)に形成する必要はなくな
る。このことは、差圧を受けるパワーピストン26,2
7の有効面積を大きくとれることを意味し、これにより
最大出力の低減は最小限に抑えられる。一方、後側パワ
ーピストン27からバルブボデー32に伝えられた推力
は、そのカップ部32a内周の段差部45から推力受面
としての鍔部41を介してソレノイドソレノイドケース
38に伝達されるが、その推力伝達部は、バルブボデー
32を軸方向にほぼまっすぐに圧縮する部位となってい
るため、強度的に有利となり、結果としてバルブボデー
32の軸方向長さを短縮できる。
【0028】一方、上記倍力作用の開始により、出力反
力の一部は、リアクションディスク71から反力調整機
構54およびプランジャ53を介して入力軸55に伝達
される。この時、出力反力は、リング部材70を介して
スリーブ49の鍔部49aにも作用し、該鍔部49はリ
ング部材70により強固にソレノイドケース38の段差
面48cに押圧される。この結果、前記リング部材70
による鍔部49aの押圧によりスリーブ49の保持力が
増大し、入力軸11からの入力に含まれる斜め押し成分
によってスリーブ10にモーメントが加わっても、スリ
ーブ10が傾動することはなくなり、しかもスリーブ1
0の軸方向移動も確実に規制される。
【0029】そして、入力軸55に加えられる踏力(入
力)が小さい間、すなわち反力が反力調整機構54の圧
縮ばね67のセット荷重より小さい間は、反力受け66
とばね受け65とが突張っているので、リアクションデ
ィスク71に対する出力軸72と反力受け66との接触
面積の比で決まる所定の倍力比で出力が増大することに
なる。その後、入力が増大して反力が反力調整機構54
の圧縮ばね67のセット荷重を超えると、該圧縮ばね6
7が縮み始めて、いわゆる2次的なジャンプイン出力が
生じ、倍力比が一段高まって、大きな減速度が得られる
ようになる。そして、この2次的なジャンプイン出力
は、反力受け66とばね受け65との間隙S2 が解消さ
れるまで続き、その間隙S2 が解消された後は、再び一
定の倍力比で出力が増大する。
【0030】なお、倍力作用の開始当初は、反力受け6
6とリアクションディスク71との間隙S1 が解消され
るまでは、入力に無関係に出力が増大する、いわゆるジ
ャンプイン出力が生じ、マスタシリンダの無効入力を打
消すに十分な出力が得られるようになる。ただし、この
ジャンプイン出力は、あまり大きいと不用意に制動が起
こり、逆に、あまり小さいとブレーキの利き始めのブレ
ーキペダルの踏力が大き過ぎることになり、したがっ
て、前記間隙S1 を適当な範囲に設定する必要がある。
この場合、上記したようにソレノイド37を始め、可動
の弁座部材50や反力調整機構54をバルブボデー32
内に内蔵するものでは、各要素の製作誤差や組付誤差に
より前記間隙S1 を所定の範囲内に収めることが困難に
なる。しかし、本実施の形態では、リアクションディス
ク71とソレノイドソレノイドケース38との間にリン
グ部材70を介装しているので、このリング部材70の
厚さを調整することにより、簡単に前記間隙S1 を調整
することができ、極めて合理的な設計になっている。
【0031】しかして、ブレーキペダルまたは前・後パ
ワーピストン26,27の動きがストロークセンサ(図
示略)により監視されており、いま、該ストロークセン
サからの信号に基づいて求めたブレーキペダルの踏込速
度が所定値を超えると、図示を略すコントローラが緊急
制動であると判断し、前記ソレノイド37に対する通電
指令を出力する。これにより、ソレノイド37が励磁し
て、弁座部材50がばね52の付勢力に抗して前方へ移
動し、入力軸55またはプランジャ53の動きとは無関
係に大気用弁座51が大きく開く。この結果、変圧室3
0,31には大量の大気が急激に導入され、出力が一気
に高まって、いわゆるフル制動が行われる。また、ソレ
ノイド37への通電によりその温度が上昇するようにな
るが、このソレノイド37を内蔵するソレノイドケース
38の前方領域は、前側定圧室28内に大きく開放され
ているばかりか、ソレノイドケース38は前側パワーピ
ストン26と当接され、このパワーピストンにも熱伝達
されて大型の放熱板として機能するので、前記ソレノイ
ド37の熱放散は円滑となり、ソレノイド37が機能障
害を起こすことはなくなる。
【0032】なお、ブレーキペダルから踏力がなくなる
と、入力軸55が戻しばね64の復元力によって右方向
へ移動(後退)すると共に、プランジャ53も後退し、
プランジャ53に係止されたストップキー56も後退
し、バルブボデー32のストップ貫通穴の後端に当接す
る。このとき、図示しないストップキー56に一体に設
けられたキースイッチの可動片もバルブボデー32に当
接することで、スイッチが切り替わり、ソレノイド37
への通電を解除するととなる。これによりソレノイド3
7の推力が消失し、ばね52の推力により大気用弁座5
1がポペット弁63を負圧用弁座60から持上げる。こ
れにより変圧室30,31に定圧室28,29内の負圧
が導入されて、上記した差圧が解消され、続いて、戻し
ばね44のばね力によりバルブボデー32が戻り方向へ
移動し、パワーピストン26,27が元の位置(非作動
状態)に復帰する。そして、この復帰と共に、ストップ
キー56がストッパ57に当接してプランジャ53も元
位置に位置決めされることになるが、本実施の形態で
は、ストッパ57をリヤシェル22の筒状部の内面に固
定してそのストッパ面を前方へ向けるようにしているの
で、リヤシェル22の筒状部と垂直壁との連接部にスト
ッパを設けていた従来のものに比し、該連接部の周辺域
が開放され、その分、バルブボデー32の有効径を拡大
することができて、通路設計等が容易となる。
【0033】
【発明の効果】上記したように、本発明に係るソレノイ
ド内蔵のタンデム型気圧式倍力装置よれば、プランジャ
および大気用弁座部材のガイドとなるスリーブを、出力
反力を利用してソレノイドケースに精度良くかつ強固に
組付けることができるので、性能の安定性を恒久的に確
保することができ、装置に対する耐久信頼性が著しく向
上する。また、入力軸とプランジャとの連結部をスリー
ブ内に設定するようにした場合は、入力軸からスリーブ
に加わるモーメントが可及的に低減するので、より一層
性能が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るソレノイド内蔵のタンデム型気圧
式倍力装置の葉部構造を示す断面図である。
【図2】本タンデム型気圧式倍力装置の、さらなる要部
構造を示す断面図である。
【図3】本タンデム型気圧式倍力装置の全体的構造を示
す断面図である。
【図4】従来のタンデム型気圧式倍力装置の全体的構造
を示す断面図である。
【図5】従来のタンデム型気圧式倍力装置の要部構造を
示す断面図である。
【符号の説明】
20 シェル本体 23 センターシェル 24,25 ダイアフラム 26,27 パワーピストン 28,29 定圧室 30,31 変圧室 32 バルブボデー 36 弁機構 37 ソレノイド 38 ソレノイドケース 41 鍔部 43 前側パワーピストンの内径筒部 48 ソレノイドケースの段付孔 48a 段付孔の小径孔部 48b 段付孔の大径孔部 48c 段付孔の段差面 49 スリーブ 49a スリーブの鍔部 50 大気用弁座部材 51 大気用弁座 53 プランジャ 54 反力調整機構 55 入力軸 70 リング部材 71 リアクションディスク 72 出力軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル本体内をセンターシェルにより前
    ・後2室に分割すると共に、この分割した前・後2室の
    それぞれを、ダイアフラムを備えた前・後パワーピスト
    ンにより定圧室と変圧室とに分割し、少なくとも後側パ
    ワーピストンに支持されたバルブボデー内に、ブレーキ
    ペダルから延ばした入力軸に連結されたプランジャと、
    該プランジャと連動して前記定圧室と前記変圧室とに差
    圧を発生させる弁機構と、前記弁機構の作動を前記プラ
    ンジャの動きとは独立に制御するソレノイドを内蔵する
    環状のソレノイドケースとを配設し、前記定圧室と前記
    変圧室とに発生する差圧により各パワーピストンを推進
    して、その推力を前記ソレノイドケースを介して出力軸
    に伝達し、かつその時の反力の一部を前記ソレノイドケ
    ースに保持させたリアクションディスクと前記プランジ
    ャとを経て入力軸に伝達するようにしたタンデム型気圧
    式倍力装置において、前記ソレノイドケースの内径を段
    付孔としてその後部側の小径孔部に、前記プランジャと
    前記弁機構を構成する大気用弁座部材とのガイドとなる
    スリーブを圧入し、該スリーブの前端に設けた鍔部を前
    記ソレノイドケースの段付孔の前部側の大径孔部に位置
    させると共に、該大径孔部に前記リアクションディスク
    とリング部材とを配置し、該リアクションディスクから
    前記リング部材に伝わる反力により前記スリーブの鍔部
    を前記段付孔の段差面に押圧するようにしたことを特徴
    とするタンデム型気圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 入力軸とプランジャとの連結部をスリー
    ブ内に設定したことを特徴とする請求項1に記載のタン
    デム型気圧式倍力装置。
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