JPH11129638A - 直描型水なし平版印刷版原版およびその製版方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版およびその製版方法

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JPH11129638A
JPH11129638A JP29748997A JP29748997A JPH11129638A JP H11129638 A JPH11129638 A JP H11129638A JP 29748997 A JP29748997 A JP 29748997A JP 29748997 A JP29748997 A JP 29748997A JP H11129638 A JPH11129638 A JP H11129638A
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compound
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JP29748997A
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Yuzuru Baba
譲 馬場
Norimasa Ikeda
憲正 池田
Ken Kawamura
建 河村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感度、インキ着肉性及び耐刷性を向上した直描
型水なし平版印刷版を提供する。 【解決手段】直描型水なし平版印刷版原版を、基板上
に、少なくとも感熱層およびシリコーンゴム層をこの順
に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、
該感熱層が光熱変換物質と加熱により硬化する化合物を
含有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿し水を用いずに
印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関するものであ
り、特にレーザ光で直接製版できる直描型水なし平版印
刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆるダイレク
ト製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷
版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコスト
に応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、
軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、グラビア
印刷の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザプリンタなどの出力システムの急
激な進歩によって新しいタイプの各種平版印刷材料が開
発されている。
【0004】これらの平版印刷版を製版方法から分類す
ると、レーザ光を照射する方法、サーマルヘッドで書き
込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、イ
ンクジェットでインキ反撥層またはインキ着肉層を形成
する方法などが挙げられる。
【0005】なかでも、レーザ光を用いる方法は解像
度、および製版速度の面で他の方式よりも優れており、
その種類も多い。
【0006】このレーザ光を用いる平版印刷版はさら
に、光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を
行って熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプ
に分けられる。
【0007】フォトンモードタイプとしては、 (1)フォトポリマーを用いた高感度PS版 (2)有機光導電体や酸化亜鉛を用いた電子写真式平版 (3)銀塩方式平版 (4)銀塩複合方式平版 (5)直描マスター 等があり、ヒートモードタイプとしては (6)熱破壊方式平版 が挙げられる。
【0008】しかしながら、(1)の方式はレーザ光源
に主としてアルゴンイオンレーザを使用しているため装
置が大型となり、また印刷版も高感度のフォトポリマー
を使用しているため、印刷版の取扱いに注意が必要で、
なおかつ保存安定性も低下しやすいといった欠点があ
る。
【0009】(2)の電子写真式平版は、明室で取り扱
えるといった利点はあるが、感光層の帯電後2〜5分の
間で暗減衰が大きくなるため、帯電後短時間で露光現像
処理をする必要があり、大判サイズを高解像力で出力す
るのは難しい。
【0010】(3)の銀塩方式平版は、さまざまな波長
のレーザに対応した印刷版が開発されているが、銀廃液
が出ることが問題となっており、また感度が高いため
に、取扱いに注意を要するといった問題もある。
【0011】(4)の銀塩複合方式平版は、感光層上に
高感度ハロゲン化銀乳剤層を設けて上層のハロゲン化銀
乳剤層をアルゴンイオンレーザで露光、現像後それをマ
スクとしてさらに紫外線で露光、現像を行うものであ
る。しかし、この印刷版は露光、現像工程が2回あるた
め、印刷版の処理が複雑になるという問題がある。
【0012】(5)の直描マスターは、直接印刷版にレ
ーザで書き込むわけではないが、レーザプリンタで形成
されたトナー画像をインキ着肉部として、印刷版上に転
写するものである。しかし、印刷版の解像度という面で
は、他の方式と比較して劣っている。
【0013】以上のフォトンモードタイプに対して、
(6)の熱破壊方式は、明室で取り扱えるといった利点
があり、また光源となる半導体レーザの急激な進歩によ
って、最近その有用性が見直されてきている。
【0014】例えば、特開平6―199064号公報、
USP5339737号公報、USP5353705号
公報、EP0580393号公報、特開平6―5572
3号公報、EP0573091号公報、USP5378
580号公報にはレーザ光を光源として用いる、直描型
水なし平版印刷版原版が記載されている。
【0015】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザ光吸収化合物としてカーボンブラックを用い、熱
分解化合物としてニトロセルロースを使用しており、そ
の他エポキシ樹脂などの樹脂が架橋された状態で原板を
構成している。露光時にカーボンブラックがレーザ光を
吸収することによって、熱エネルギーに変換され、その
熱で感熱層が破壊される。最終的に、現像によってこの
部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム層
が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0016】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に感熱層を熱破壊
させ易くするために、印刷版原版の状態で構成樹脂が架
橋構造を形成しており、印刷版の耐刷性が劣るという問
題もあった。さらに感熱層を柔軟化させると感度が極端
に低下するため、感熱層の柔軟化も困難であり、この印
刷版は感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレー
ザー光の強度が必要という問題点もあった。
【0017】また、特に特開平6―55723号公報、
EP0573091号公報、USP5378580号公
報では、光源としてNd―YAGレーザを用いているた
めに、露光装置がかなり大がかりなものとなってしまう
といった、別の問題点もあった。
【0018】その他、USP5379698号公報に
は、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水なし平版印
刷版が記載されている。
【0019】この印刷版材は、感熱層がかなり薄いため
に、非常にシャープな画像が得られ、印刷版の解像度と
いう面では有利であるが、基材と感熱層の接着性が悪く
印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、インキが付着し印
刷物上で欠点となるという問題点があった。また、この
印刷版も感熱層を破壊させて画像を形成させることから
画線部のセルが深くなりインキ着肉性やインキマイレー
ジが劣るという問題点があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良するため検討を行った結果、感熱層を熱
破壊させずに画像形成させることにより、上記の問題点
を解決できることを見出した。すなわち、感熱層を残存
させることにより画線部の深さをシリコーンゴム層の厚
み分のみとし、インキ着肉性を改良すると共にインキマ
イレージを向上させ、また感熱層とシリコーンゴム層の
界面のみを熱硬化反応させることから印刷版の感度を向
上でき、更に感熱層を柔軟化できることから耐刷性を向
上できることを見出した。
【0021】すなわち、本発明の目的は、画線部となる
部分の感熱層を残存させることにより、印刷版の感度、
インキ着肉性、インキマイレージ、耐刷性が向上した直
描型水なし平版印刷版を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、基板上に、少なくとも感熱層およびシリコーンゴム
層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版
において、該感熱層が光熱変換物質と加熱により硬化す
る化合物を含有することを特徴とする直描型水なし平版
印刷版原版によって達成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において、感熱層に光熱変
換物質と加熱により硬化する化合物を含有すること重要
である。従来の直描型水なし平版印刷版原版は感熱層を
構成する樹脂が架橋し硬化した状態にあるのに対し、本
発明においては架橋硬化しておらず、化合物のままで存
在している。このためレーザー露光すると、従来の直描
型水なし平版印刷版原版は露光部の感熱層が破壊される
のに対し、本発明においては官能基が架橋し硬化するの
みで、感熱層は破壊されず、官能基の架橋により感熱層
とシリコーンゴム層との接着性がより強固となる。
【0024】以下に本発明を詳しく説明する。
【0025】まず、本発明の直描型水なし平版印刷版原
版に使用する基板について説明する。なお、本発明にお
いて直描型とは、露光時にネガあるいはポジのフィルム
を用いずに、印刷版上に直接記録ヘッドから、画像形成
を行うことを意味する。
【0026】基板としては、寸法的に安定な板状物であ
れば、公知の金属、フィルム等のいずれも使用すること
ができる。この様な寸法的に安定な板状物としては、従
来印刷版の基板として使用されたもの等が好ましく挙げ
られる。かかる基板としては、紙、プラスチック(ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミ
ネ−トされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅などの金属の板、セルロース、カルボキ
シメチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチ
レンテレフタレ−ト、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカ−ボネ−ト、ポリビニルアセタ−ルなどのプ
ラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミネ−トも
しくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなど
が挙げられる。
【0027】これらのうち、アルミニウム板は寸法的に
著しく安定であり、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられている、ポリ
エチレンテレフタレ−トフィルムも好ましく使用され
る。
【0028】これら基板と感熱層の接着性を強固にする
と共に、基板が金属などのように熱伝導が比較的高い物
質を使用する場合には断熱効果の目的で、基板と感熱層
の間に断熱層を設けることが好ましい。このような断熱
層により、感熱層が熱反応を起こす際の熱が基板へ拡散
するのを防止することができる。
【0029】断熱層を設ける場合、本発明においては、
次の条件を満たすことが必要である。すなわち、基板と
感熱層とをよく接着し、経時において安定であること、
さらに現像液、印刷時に使用する溶剤に対する耐溶剤性
が高いことである。
【0030】このような条件を満たすものとして、特公
昭61−54219号公報に示されるようなエポキシ樹
脂を含むものの他、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹
脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン―
酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリアク
リロニトリル―ブタジエン共重合体、ポリエーテル樹
脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ミルクカゼイン、ゼ
ラチン等が挙げられる。これらの樹脂は単独であるいは
二種以上混合して用いることができる。また、これらの
樹脂と類似の組成物を光硬化したものを使用してもよ
い。
【0031】これらの中では、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂
等を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが
好ましい。
【0032】また、上記断熱層にはアンカー剤として、
例えばシランカップリング剤等の、公知の接着剤を用い
ることができ、また含燐化合物、有機チタネート等も有
効である。
【0033】さらに塗工性を向上させる目的で、界面活
性剤を添加してもよい。
【0034】また、この断熱層中に白色顔料等の添加剤
を含有させて検版性を向上させることが好ましい。
【0035】上記の断熱層を形成する各組成物を、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、ジオキサン等の適当な有機溶剤
に溶解し組成物溶液として調整し、これを基板上に均一
に塗布し、必要な温度で必要な時間加熱することによ
り、断熱層を形成することができる。
【0036】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 が、基板表面の形態欠陥を防止し化学的悪影響
を遮断する効果や経済性の点から好ましく、より好まし
くは1〜10g/m2である。
【0037】次に基板に積層される感熱層について説明
する。
【0038】本発明において感熱層は、少なくとも光熱
変換物質と加熱により硬化する化合物を含有することが
必要である。
【0039】まず、光熱変換物質について説明する。
【0040】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
レーザー光を照射することにより画像を形成させるた
め、光熱変換物質としてはレーザー光を吸収するもので
あれば特に限定されない。この時、レーザー光の波長と
しては、紫外域、可視域、赤外域のどの領域の波長であ
ってもよく、使用するレーザー光の波長に合わせた吸収
域を有する光熱変換物質を適宜選択して使用するとよ
い。
【0041】特に、製版時に使用するレーザー光として
は赤外域の波長のものが好ましいので、この点から光熱
変換物質として、赤外域に吸収域を有する化合物が好ま
しく挙げられる。具体的には、700nmから1100
nmの波長域に吸収を有するものが好ましく、シアニン
系色素、アズレニウム系色素、スクアリリウム系色素、
クロコニウム系色素、アゾ系分散染料、ビスアゾスチル
ベン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色
素、ペリレン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロ
シアニン金属錯体系色素、ジチオールニッケル錯体系色
素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素、
ベンゾチオピラン系スピロピラン等の赤外または近赤外
吸収染料等が挙げられる。
【0042】さらに光熱変換物質として、カラーインデ
ックス名でいうアシッドファーストブラック、アシッド
ブラック、ダイレクトブラック、アゾイックブラック、
バットブラック、ディスパースブラック、ソルベントブ
ラック、リアクティブブラック、クロムブラック等の黒
色染料も挙げられる。
【0043】これら黒色染料の中でもニグロシン系色素
が好ましく、具体例としては、C.I.Solvent Black 7、
C.I.Acid Black 2として標記されているもの等が挙げら
れる。
【0044】また、上記の染料以外にもカーボンブラッ
ク、フタロシアニン等の顔料、チタン等の金属粉末が挙
げられる。
【0045】これら光熱変換物質の中でも赤外または近
赤外域に吸収域を有する化合物、黒色染料が好ましい。
【0046】次に本発明において感熱層中に含まれる加
熱により硬化する物質としては、(1)1分子中にエチ
レン性不飽和基を2個以上有する化合物及び加熱により
ラジカルを発生する物質の組み合わせ、(2)1分子中
にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物、1分子
中にチオール基を2個以上有する化合物及び加熱により
ラジカルを発生する物質の組み合わせ、(3)エポキシ
化合物、アミノ樹脂の組み合わせが好ましく挙げられ
る。
【0047】以下(1)〜(3)について詳述する。
【0048】(1)は1分子中にエチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物及び加熱によりラジカルを発生す
る物質の組み合わせである。1分子中にエチレン性不飽
和基を2個以上有する化合物とは以下の通りである。
【0049】(A)1分子中にエチレン性不飽和基を2
個以上有する化合物 1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物
としては、特に限定されないが、該エチレン性不飽和基
がアクリロイル基あるいはメタクリロイル基である化合
物が好ましく挙げられる。
【0050】1分子中にアクリロイル基あるいはメタク
リロイル基を2個以上有する化合物の具体例として、以
下の(a)〜(f)が挙げられる。なお以下、(メタ)
アクリレートはアクリレートおよびメタクリレートを意
味するものとする。
【0051】(a)1分子中に水酸基を2個以上有する
化合物とアクリル酸あるいはメタクリル酸とのエステル
化物。
【0052】1分子中に水酸基を2個以上有する化合物
の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオ
ール、2−ブテン−1,4−ジオール、5−ヘキセン−
1,2−ジオール、7−オクテン−1,2−ジオール、
3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、ヒドロキ
ノン、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシベン
ゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールS、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹
脂、レゾール樹脂、レゾルシンベンズアルデヒド樹脂、
ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロキシスチレンの重合
体および共重合体、グリセリン、ジグリセリン、トリメ
チロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビ
トール、ソルビタン、ポリビニルアルコール、セルロー
スおよびその誘導体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートの重合体および共重合体などが挙げられる。
【0053】これらの1分子中に水酸基を2個以上有す
る化合物とアクリル酸あるいはメタクリル酸は公知の方
法によりエステル化させて(メタ)アクリレート化合物
とし、使用することができる。
【0054】(b)1分子中にエポキシ基を2個以上有
するエポキシ化合物とアクリル酸あるいはメタクリル酸
との反応物。
【0055】1分子中にエポキシ基を2個以上有するエ
ポキシ化合物としては、上記(a)項に記載した1分子
中に水酸基を2個以上有する化合物にエピハロヒドリン
を反応させることにより得られるエポキシ化合物が挙げ
られる。
【0056】これらエポキシ化合物とアクリル酸あるい
はメタクリル酸を公知の方法で反応で反応させることに
より(メタ)アクリレート化合物とし使用することがで
きる。
【0057】(c)1分子中にアミノ基を2個以上有す
る化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応
物。
【0058】1分子中にアミノ基を2個以上有する化合
物としては下記の一般式(I)で示されるポリアミンが
挙げられる。
【0059】
【化1】 式中、R1 、R2 は水素原子、炭素数1〜20の置換ま
たは無置換のアルキル基、置換または無置換のフェニル
基、置換または無置換のアラルキル基であり、それぞれ
同一であっても異なっていてもよい。置換基としては、
炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ア
リール基などが挙げられる。好ましくは、水素原子、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、sec −ブチル基、ヒドロキシメチル基、
ヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル
基、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−ブロ
モフェニル基、p−トリル基、o−トリル基、ベンジル
基などが挙げられる。
【0060】Aは2価の連結基を示し、具体的には一般
式−(A1 p −(A2 q −で示される。式中A
1 は、炭素数1〜20の置換または無置換の環式または
非環式のアルキレン、置換または無置換のフェニレンで
置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン
原子、水酸基、アリール基などが挙げられる。A2 は、
−O−B1 −、−S−B2 −、−NH−B3 −、−CO
−O−B4 −、−SO2 −NH−B5 −であり、B1
2 、B3 、B4 、B5 は、上記のA1 と同一のものを
示す。pは1以上の整数、qは0または1以上の整数を
示す。
【0061】一般式(I)で示される1分子中にアミノ
基を2個以上有する化合物の具体例としては、ジオキシ
エチレンジアミン、トリオキシエチレンジアミン、テト
ラオキシエチレンジアミン、ペンタオキシエチレンジア
ミン、ヘキサオキシエチレンジアミン、ペプタオキシエ
チレンジアミン、オクタオキシエチレンジアミン、ノナ
オキシエチレンジアミン、デカオキシエチレンジアミ
ン、トリトリアコンタオキシエチレンジアミン、モノオ
キシプロピレンジアミン、ジオキシプロピレンジアミ
ン、トリオキシプロピレンジアミン、テトラオキシエチ
レンジアミン、ペンタオキシプロピレンジアミン、ヘキ
サオキシプロピレンジアミン、ヘプタオキシプロピレン
ジアミン、オクタオキシプロピレンジアミン、ノナオキ
シプロピレンジアミン、デカオキシプロピレンジアミ
ン、トリトリアコンタオキシプロピレンジアミン、ポリ
メチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレン
トリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサ
メチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ
メチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、置換ポリアミン等の脂肪族ポリアミン化合物
や、m−キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシ
リレンジアミン等の芳香環を有する脂肪族ポリアミン化
合物、メンタンジアミン、N−アミノエチルピペラジ
ン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン等の脂環族ポリアミン、m−フェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレンジア
ニリン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、
4,4’−ビス(o−トルイジン)、4,4’−チオジ
アニリン、o−フェニレンジアミン、ジアニシジン、メ
チレンビス(o−クロロアニリン)、2,4−トルエン
ジアミン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホ
ン、ジアミノジトリスルホン、4−クロロ−o−フェニ
レンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニ
レンジアミン、m−アミノベンジルアミン等の芳香族ポ
リアミン化合物やジシアンジアミド、アジピン酸ジヒド
ラジドが挙げられる。
【0062】また、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2,4−ジメチルイミダゾールなども挙げられる。
【0063】更に、上記のポリアミンとカルボン酸を両
末端がアミノ基となるように反応させたポリアミドアミ
ンも挙げることができる。
【0064】これら1分子中にアミノ基を2個以上有す
る化合物とグリシジル(メタ)アクリレートは公知の方
法により反応させて(メタ)アクリレート化合物とし使
用することができる。
【0065】(d)1分子中にアミノ基を2個以上有す
る化合物とアクリル酸あるいはメタクリル酸との反応
物。
【0066】上記(c)項に記載の1分子中にアミノ基
を2個以上有する化合物とアクリル酸あるいはメタクリ
ル酸を公知の方法で反応させて(メタ)アクリレート化
合物とし使用することができる。
【0067】(e)1分子中にカルボキシル基を2個以
上有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの
反応物。
【0068】1分子中にカルボキシル基を2個以上有す
る化合物の具体例としては、マロン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、チオリンゴ酸、ラセミ酸、クエン酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、ダイマー酸等の2価の有機カルボン酸、トリメリッ
ト酸等の3価の有機カルボン酸、3,9−ビス(2カル
ボキシアルキル)2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロウンデカン等が挙げられる。
【0069】また、未加硫ゴムのカルボキシ変性物も用
いることが出来る。具体的には天然ゴム、ブタジエン、
イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸
エステル、より選ばれた単独重合体又は共重合体のカル
ボキシ変性物であり、例えばカルボキシ変性ポリブタジ
エン、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、
カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、カルボキシ変性メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体等が挙げられる。
【0070】更に、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールにより上記の多価カルボン酸をエステ
ル化反応させた化合物も用いることが出来る。該化合物
は両末端にカルボキシル基を有することが好ましい。
【0071】これら1分子中にカルボキシル基を2個以
上有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートを公
知の方法で反応させて(メタ)アクリレート化合物とし
使用することができる。
【0072】(f)1分子中にカルボキシル基を2個以
上有する化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレートとの
エステル化物。
【0073】1分子中にカルボキシル基を2個以上有す
る化合物としては、上記(e)項に記載のものを挙げる
ことができる。これら1分子中にカルボキシル基を2個
以上有する化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレートは
公知方法で反応させて(メタ)アクリレート化合物とし
使用することができる。
【0074】これらアクリレート化合物の中でも特に、
シリコーンゴム層と感熱層の接着性の観点から(メタ)
アクリレート化合物は分子中に水酸基を2個以上有する
ことが好ましく、具体的には上記(a)、(b)、
(c)、(e)項に記載の(メタ)アクリレート化合物
が好ましい。
【0075】また露光、現像後の印刷版の耐溶剤性を向
上させる目的で、水酸基を有さない分子量300以下
で、かつ2官能以上のアクリレート化合物を上記(メ
タ)アクリレート化合物と併用することができる。
【0076】更に1分子中にエチレン性不飽和基を2個
以上有し、かつ水酸基を2個以上有する化合物の中で
も、分子量が1500以上であり、エチレン性不飽和基
を4個以上有するものが印刷版の感度の点から好まし
い。より好ましくは分子量3000以上である。このよ
うな化合物として上記(a)の中では、1分子中に水酸
基を2個以上有する高分子化合物、具体的にはフェノー
ルホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポ
リビニルアルコール、セルロースおよびその誘導体、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートの重合体などを使
用し、これら1モルに対しアクリル酸あるいはメタクリ
ル酸を4モル以上反応させて得られる化合物が挙げられ
る。
【0077】(b)の中では、上記(a)項で記載した
1分子中に水酸基を2個以上有する高分子化合物にエピ
ハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物を1
モルに対しアクリル酸あるいはメタクリル酸を4モル以
上反応させて得られる化合物が挙げられる。
【0078】(c)の中では、1分子中にアミノ基を2
個以上有する化合物としてポリアミドアミンを使用し、
ポリアミドアミン1モルに対しグリシジル(メタ)アク
リレートを4モル以上反応させて得られる化合物が挙げ
られる。
【0079】(e)の中では、1分子中にカルボキシル
基を2個以上有する化合物として、天然ゴム、ブタジエ
ン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸エステルより選ばれた単独重合体または共重合体の
カルボキシ変性物、例えばカルボキシ変性ポリブタジエ
ン、カルボキシ変性スチレンーブタジエン共重合体、カ
ルボキシ変性アクリロニトリルーブタジエン共重合体、
カルボキシ変性メチルメタクリレートーブタジエン共重
合体等を使用し、これら1モルに対しグリシジル(メ
タ)アクリレートを4モル以上反応させて得られる化合
物が挙げられる。
【0080】(f)の中では、(e)項で記載した高分
子量のカルボキシル基含有化合物を使用し、これら1モ
ルに対しヒドロキシ(メタ)アクリレートを4モル以上
反応させて得られる化合物が挙げられる。
【0081】次に加熱によりラジカルを発生させる物質
について説明する。
【0082】(B)加熱によりラジカルを発生させる物
質 加熱によりラジカルを発生させる物質としては、特に限
定されないが、具体的には有機過酸化物、アゾ化合物、
スルフィド類などが挙げられる。
【0083】有機過酸化物としては、未露光の印刷版原
版の保存安定性の観点から半減期1分となるための分解
温度が120℃以上のものが好ましい。このような有機
過酸化物の具体例としては、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、ア
セチルパーオキサイド、サクシン酸パーオキサイド、t
−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m
−トルオリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシソブチレート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサ
ノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカー
ボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)オクタン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジt−ブチルパ
ーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジt−ブ
チルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が
挙げられる。
【0084】アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイ
ソブチルニトリル、2−フェニラゾ−2,4−ジメチル
−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2−プロ
ピルアゾホルムアミド、1,1−アゾビスシクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル、1,1’−アゾビス(1−ア
セトキシ−1−フェニレタン)、2,2’−アゾビス
(2−アミドブタン)ジヒドロクロライド等が挙げられ
る。
【0085】スルフィド類の具体例としては公知のモノ
スルフィド類、ジスルフィド類、テトラメチルチウラム
ジスルフィド等が挙げられる。
【0086】これら加熱によりラジカルを発生させる物
質の中でも、有機過酸化物が好ましい。
【0087】次に、加熱により硬化する化合物として好
ましく挙げた上記(2)項について説明する。
【0088】(2)は1分子中にエチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物、1分子中にチオール基を2個以
上有する化合物及び加熱によりラジカルを発生させる物
質の組み合わせである。
【0089】(A)1分子中にエチレン性不飽和基を2
個以上有する化合物 1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物
としては特に限定されないが、好ましくは該エチレン性
不飽和基が(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル
基である化合物が好ましい。具体例としては、上記
(1)項で記載した化合物に加え、以下の(a)〜
(c)のものが挙げられる。
【0090】(a)アリルウレタン類 多価イソシアネートとアリルアルコールをアリル基が1
分子中に2個以上存在するように付加反応させた生成物
が挙げられる。
【0091】多価イソシネートの例としては、以下のも
のを挙げることができる。パラフェニレンジイソシアネ
−ト、2,4−または2,6−トルイレンジイソシアネ
−ト(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)、トリジンジイソシアネート(TOD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化
キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシ
アネート、メタキシリレンジイソシアネート(MXD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIあるい
はHMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)(別
名2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート)、水
素化MDI(H12MDI)(別名4,4’−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート))、水素化TDI
(HTDI)(別名メチルシクロヘキサン2,4(2,
6)ジイソシアネート)、水素化XDI(H6XDI)
(別名1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサ
ン)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフ
ェニルエーテルイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート(TMDI)、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネ−ト、ダイマー酸ジイソシアネート(DD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンエステル
トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイ
ソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4ーイソシ
アネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレン
トリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネ
ート等やポリイソシアネート類の重合体等が挙げられ
る。
【0092】あるいは、これらイソシアネート化合物と
ポリオールとをイソシアネート基が残存するような比率
で反応させた化合物もイソシアネート化合物として使用
できる。この際使用するポリオールとしては、多価カル
ボン酸の重縮合で得られる両末端が水酸基であるような
ポリエステルポリオール、ラクトン類より得られる重合
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、
プロピレンオキシドやテトラヒドロフランの開環重合や
エポキシ樹脂の変性で得られるポリエーテルポリオー
ル、あるいは水酸基を有する(メタ)アクリル単量体と
(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であるアクリ
ルポリオール、ポリブタジエンポリオール、含燐ポリオ
ール、ハロゲン含有ポリオール等が挙げられる。
【0093】(b)アリルエステル類 多価カルボン酸またはその酸無水物とアリルアルコール
とをアリル基が1分子中に2個以上存在するようにエス
テル化反応させた生成物が挙げられる。多価カルボン酸
とアリルアルコールは公知の方法によりエステル化させ
アリルエステル類とすることができる。
【0094】この際使用される多価カルボン酸の具体例
としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ラセミ酸、
クエン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、ダイマー酸等の2価のカルボン
酸、トリメリット酸等の3価のカルボン酸、3,9−ビ
ス(2カルボキシアルキル)2,4,8,10−テトラ
オキサスピロウンデカン等が挙げられる。
【0095】また、未加硫ゴムのカルボキシ変性物も用
いることができる。具体的には天然ゴム、ブタジエン、
イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸
エステルより選ばれた単独重合体または共重合体のカル
ボキシ変性物であり、例えばカルボキシ変性ポリブタジ
エン、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、
カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、カルボキシ変性メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体等が挙げられる。
【0096】酸無水物の具体例としては、無水酢酸、無
水プロピオン酸、無水酪酸、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水クロトン酸、無水フタル酸等が挙げられ
る。
【0097】(c)ビニルエーテル類 ポリオールとアセチレンとの付加反応あるいはポリオー
ルとビニルエーテルとのエーテル交換反応によりビニル
基を1分子中に2個以上存在するように反応させた生成
物が挙げられる。この際ポリオールとしては上記(a)
項で記載したポリオールを使用することができる。これ
らポリオールは公知の方法によりアセチレンと付加反応
させて目的とするビニルエーテル類を得ることができ
る。
【0098】また、上記のポリオールとメチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテルを公知の方法によりエー
テル交換反応させることによってもビニルエーテル類を
得ることができる。
【0099】ビニルエーテル類の具体例としては、ジプ
ロピレングリコールジビニルエーテル、トリエチレング
リコールジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチ
レングリコール)ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0100】これらの1分子中にエチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物は、それぞれ単独で使用しても良
いし2種類以上を混合して使用することもできる。
【0101】これらの1分子中にエチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物の中でも感光層に柔軟性を付与し
印刷版の耐刷性を向上させる目的でアリルウレタン類、
ウレタンアクリレートが好ましく、更にシリコーンゴム
層との接着性の観点から、水酸基を有することが好まし
く、エポキシアクリレートを併用することが好ましい。
【0102】次に、上記(2)項でいう1分子中にチオ
ール基を2個以上有する化合物について説明する。
【0103】(B)1分子中にチオール基を2個以上有
する化合物 1分子中にチオール基を2個以上有する化合物として
は、公知のジチオール、ポリチオールを使用することが
できるが、より好ましい化合物の具体例としては、以下
の(a)〜(c)ものが挙げられる。
【0104】(a)脂肪族炭化水素を主鎖とするジチオ
ール類 メタンジチオール、エタンジチオール、プロパンジチオ
ール、ブタンジチオール、ヘプタンジチオール、ヘキサ
ンジチオール、オクタンジチオール、ノナンジチオー
ル、デカンジチオール、ウンデカンジチオール、ドデカ
ンジチオール、トリデカンジチオール、テトラデカンジ
チオール、ヘプタデカンジチオール、ヘキサデカンジチ
オール、オクタデカンジチオール、4,8−ジチアウン
デカン−1,11−ジチオール、ビス(2−メルカプト
エチル)スルフィド、1,3−ジヒドロキシ−2−プロ
ピル−2´,3´−ジメルカプトプロピルエーテル、
2,3−ジヒドロキシプロピル−2´,3´−ジメルカ
プトプロピルエーテル、2,6−ジメチルオクタン−
2,6−ジチオール、2,6−ジメチルオクタン−3,
7−ジチオール、3,3,−ジメチルブタン−2,2−
ジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチ
オール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオー
ル、3,4−ジメルカプトブタノール、2,3−ジメル
カプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2
−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタ
ンジオール、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエー
テル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、
2,3−ジメルカプトプロピル−2´,3´−ジメトキ
シプロピルエーテル、3,5,5−トリメチルヘキサン
−1,1−ジチオール、3,4,5−トリメトキシペン
タン−1,2−ジチオール、ネオペンタンテトラチオー
ル、ビス(11−メルカプトウンデシル)スルフィド、
ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(18
−メルカプトオクタデシル)スルフィド、ビス(8−メ
ルカプトオクチル)スルフィド、ビス(10−メルカプ
トデシル)スルフィド、ビス(12−メルカプトデシ
ル)スルフィド、ビス(9−メルカプトノニル)スルフ
ィド、ビス(4−メルカプトブチル)スルフィド、ビス
(3−メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(6−メ
ルカプトヘキシル)スルフィド、ビス(7−メルカプト
ヘプチル)スルフィド、ビス(5−メルカプトペンチ
ル)スルフィド、2,2−ビス(メルカプトメチル)−
1,3−プロパンジチオール。
【0105】(b)芳香族、複素環を主鎖とするジチオ
ール類 9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ
フェニルプロパン−2,2−ジチオール、2,4−ジメ
チルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチル
ベンゼン−1,3−ジチオール、4,4´−ジメルカプ
トビフェニル、4,4´−ジメルカプトビベンジル、
2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン、2,
5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオー
ル、1,4−ナフタレンジチール、1,5−ナフタレン
ジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−
ナフタレンジチオール、1,1,−ビス(メルカプトメ
チル)シクロヘキサン、フェニルメタン−1,1−ジチ
オール、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,1
−ジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−
ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、
1,3,5−ベンゼントリチオール。
【0106】(c)ポリオールとカルボキシル基を有す
るチオール化合物のエステル化物 カルボキシル基を有するチオールとしては、メルカプト
酢酸、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン
酸、β−メルカプトプロピオン酸、4−メルカプト酪
酸、メルカプトウンデシル酸、o−メルカプト安息香
酸、p−メルカプト安息香酸が挙げられる。
【0107】ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル、p−キシリレングリコール、水素化ビスフェノール
A、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエ
リトリット、ジペンタエリトリット、ソルビトール等を
挙げることが出来る。
【0108】さらに、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
エチレンオキサイドープロピレンオキサイド共重合体、
テトラヒドロフランーエチレンオキサイド共重合体、テ
トラヒドロフランープロピレンオキサイド共重合体等
を、また、ポリエステルジオールとしてはポリエチレン
アジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリヘキサメ
チレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ
ヘキサメチレンネオペンチルアジペート、ポリエチレン
ヘキサメチレンアジペート等を、また、ポリーεーカプ
ロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネート
ジオール、ポリテトラメチレンアジペート、ソルビトー
ル、メチルグルコジット、シュクローズ等も挙げること
が出来る。
【0109】また、種々の含燐ポリオール、ハロゲン含
有ポリオールなどもポリオールとして使用できる。
【0110】これらのポリオールとカルボキシル基を有
するチオール化合物は全ての組み合わせで使用すること
ができ、公知の方法によりエステル化反応させて化合物
を得ることができる。
【0111】また、上記の一分子中にチオール基を2個
以上有する化合物のなかでも、本発明においては、感熱
層に柔軟性を付与し印刷版の耐刷性を向上させる目的か
ら、脂肪族炭化水素を主鎖とするジチオールおよびポリ
オールとカルボキシル基を有するチオール化合物のエス
テル化物が好ましく、更に好ましくはトリメチロールプ
ロパンまたはペンタエリスリトールとチオグリコール酸
またはβ−メルカプトプロピオン酸の組み合わせによる
エステル化物あるいはこれらの混合物が好ましい。
【0112】次に加熱により硬化する化合物として挙げ
た上記(3)項について説明する。
【0113】(3)項はエポキシ化合物およびアミノ樹
脂の組み合わせである。
【0114】エポキシ化合物としては、上記(1)項中
に記載したエポキシ化合物を挙げることができる。
【0115】アミノ樹脂としては、上記(1)項に記載
したポリアミン化合物が挙げられ、更に、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂等のアミノ基含有樹脂も使用することができ
る。
【0116】これらアミノ化合物はそれぞれ単独で使用
しても良いし、複数種を任意に混合して使用することも
できる。
【0117】感熱層溶液の保存安定性の観点から、好ま
しくは上記のポリアミン化合物とエポキシ化合物を反応
させた、いわゆるアミンアダクト類が挙げられる。
【0118】更に本発明において感熱層は、前記した光
熱変換物質と加熱により硬化する化合物に加え、加熱に
より酸を発生する物質を含有することが好ましい。加熱
により発生する酸により感熱層の熱硬化反応が促進さ
れ、結果として印刷版原版の感度を向上させることがで
きる。これら加熱により酸を発生する物質の具体例とし
ては、以下のものが挙げられる。
【0119】(a)オニウム塩 ヨーヂニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ピ
リジウム塩、ジアゾニウム塩等を挙げることができる。
好ましくは、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジ
フェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニル
ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェ
ニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスル
ホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニ
ル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート
等である。
【0120】(b)ハロゲン含有化合物 ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物、ハロアルキル基
含有炭化水素化合物等を挙げることができる。具体的に
はハロゲンを含有するアセトフェノン化合物、ピロン化
合物、トリアジン化合物、オキサゾール化合物などを挙
げることができる。好ましくは、フェニル−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−
ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,1
−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロ
ロエタン、トリクロロアセトフェノン、デシルクロリド
(2−クロロ−2−フェニルアセトフェノン)等が挙げ
られる。
【0121】(c)スルホン化合物 β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびそれ
らのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。好まし
くはフェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシル
スルホン、トリボロモメチルフェニルスルホン、ビス
(フェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン等である。
【0122】(d)スルホネート化合物 アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸
エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホ
ネート等を挙げることができる。好ましくは、ベンゾイ
ントシレート、ピロガロールのトリストリフレート、ニ
トロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2
−スルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホナー
トエステル、o−ニトロベンジルスルホナートエステル
等である。その他、N−イミドイルエステル、ピロガロ
ールエステル、ニトロベンジルエステル、α−スルホニ
ルオキシケトン、トリス(トリクロロメチル)トリアジ
ンなども挙げられる。
【0123】これら加熱により酸を発生する物質の中に
は、可視光、紫外線によっても分解し酸を発生する物質
がある。このような光で分解する化合物の場合には、感
熱層中に該化合物が感じる波長域を吸収する染料を添加
することにより、明室での曝光耐性を持たせることがで
きる。尚、光熱変換物質に黒色染料を使用する場合に
は、一般的に黒色染料は可視光、紫外線領域まで吸収域
を有するため、他の染料を使用しなくとも曝光耐性を持
たせることができる。
【0124】本発明において、感熱層がさらにバインダ
ーポリマを含有することが好ましい。この際、バインダ
ーポリマとしては、有機溶剤に可溶でかつフィルム形成
能のあるものであれば特に限定されないが、印刷版の耐
刷性の観点から、該ポリマのガラス転移温度(Tg)が
0℃以下のポリマ、コポリマを用いることが好ましく、
更にTgが−30℃以下のポリマを用いることが好まし
い。
【0125】ガラス転移温度Tg(glass transition
temperature)とは、無定型高分子材料の物性がガラ
ス状態からゴム状態に(またはその逆に)変化する転移
点(温度)のことをいう。転移点を中心とする比較的狭
い温度領域においては、弾性率ばかりでなく、膨張率、
熱含量、屈折率、拡散係数、誘電率などの諸物性も大き
く変化する。そのため、ガラス転移温度の測定は体積
(比容)−温度曲線、熱分析(DSC、DTA等)によ
る熱含量測定、屈折率、こわさのような物質全体として
の性質を測定するものと、力学的(動的粘弾性等)およ
び誘電的損失正接、NMRスペクトルのような分子運動
を反映する量を測定するものとがある。本発明において
はディラトメーター(dilatometer)を用いて、試料の
体積を温度を上げながら測定し、体積(比容)−温度曲
線の勾配が急に変化する点とする。
【0126】有機溶剤に可溶でかつフィルム形成能があ
り、さらに形態保持の機能をも果たすバインダーポリマ
の具体例として下記のものが挙げられる。
【0127】(A)ビニルポリマ類 以下に示すような単量体およびそれらの誘導体から得ら
れるポリマ、およびコポリマ。
【0128】例えば、エチレン、プロピレン,1−ブテ
ン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチル水
素ナフタレート、2−(メタ)アクリロキシエチル水素
サクシネート、アクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタ
クリレート、アクリルニトリル、ビニルトルエン、イソ
ブテン、3−メチル−1−ブテン、ブチルビニルエーテ
ル、N−ビニルカルバゾール、メチルビニルケトン、ニ
トロエチレン、α−シアニアクリル酸メチル、ビニリデ
ンシアニド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、
グリセリンやトリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプ
ロピレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリレ
ート化したもの、およびこれらの誘導体を重合、共重合
させて得られるポリマ、コポリマをバインダーポリマと
して使用することができる。
【0129】特にガラス転移温度が0℃以下のビニル系
ポリマの例としては、以下の(a)、(b)、(c)項
に示すようなポリマが挙げられる。
【0130】(a)ポリオレフィン類 ポリ(1−ブテン)、ポリ(5−シクロヘキシル−1−
ペンテン)、ポリ(1−デセン)、ポリ(1,1−ジク
ロロエチレン)、ポリ(1,1−ジメチルブタン)、ポ
リ(1,1−ジメチルプロパン)、ポリ(1−ドデセ
ン)、ポリエチレン、ポリ(1−ヘプテン)、ポリ(1
−ヘキセン)、ポリメチレン、ポリ(6−メチル−1−
ヘプテン)、ポリ(5−メチル−1−ヘキセン)、ポリ
(2−メチルプロパン)、ポリ(1−ノメン)、ポリ
(1−オクテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(5−
フェニル−1−ペンテン)、ポリプロピレン、ポリイソ
ブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(ビニルブチルエ
ーテル)、ポリ(ビニルエチルエーテル)、ポリ(ビニ
ルイソブチルエーテル)、ポリ(ビニルメチルエーテ
ル)等が挙げられる。
【0131】(b)ポリスチレン類 具体例としては、ポリ(4−[(2−ブトキシエトキ
シ)メチル]スチレン)、ポリ(4−デシルスチレ
ン)、ポリ(4−ドデシルスチレン)、ポリ[4−(2
−エトキシエトキシメチル)スチレン]、ポリ[4−
(ヘキソキシメチル)スチレン]、ポリ(4−ヘキシル
スチレン)、ポリ(4−ノニルスチレン)、ポリ[4−
(オクトキシメチル)スチレン]、ポリ(4−オクチル
スチレン)、ポリ(4−テトラデシルスチレン)等が挙
げられる。
【0132】(c)アクリル酸エステルポリマおよびメ
タクリル酸エステルポリマ 具体例としては、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ
(ブチルアクリレート)、ポリ(デシルメタクリレー
ト)、ポリ(ドデシルメタクリレート)、ポリ(2−エ
チルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクタデシルメ
タクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、ポ
リ(テトラデシルメタクリレート)、ポリ(n−ヘキシ
ルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレー
ト)、またこれらのポリマーと他のアクリルポリマーと
のコポリマー等が挙げられる。
【0133】(B)未加硫ゴム 天然ゴム、(NR)や、ブタジエン、イソプレン、スチ
レン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルより選ばれた単独重合体又は共重合体で
あり、例えばポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体(SBR)、カルボキシ変性スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリイソプレン(NR)、ポリイ
ソブチレン、ポリクロロプレン(CR)、ポリネオプレ
ン、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、メタク
リル酸エステル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体(ANM)、イソブチ
レン−イソプレン共重合体(IIR)、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体(NBR)、カルボキシ変性ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプ
レン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EP
M、EPDM)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などの未加
硫ゴムが挙げられる。
【0134】また、ポリ(1,3−ブタジエン)、ポリ
(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−デシ
ル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン)、ポリ(2−エチル−1,3−ブ
タジエン)、ポリ(2−ヘプチル−1,3−ブタジエ
ン)、ポリ(2−イソプロピル−1,3−ブタジエ
ン)、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン)、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、環化ゴム等が挙げられる。
【0135】また、これらゴム類の変性物、例えばエポ
キシ化、塩素化、カルボキシル化等の通常行われる変性
を行ったゴム類や、他のポリマとのブレンド物もまたバ
インダーポリマとして使用できる。
【0136】(C)ポリオキシド類(ポリエーテル類) トリオキサン、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、2,3−エポキシブタン、3,4−エポキシブテ
ン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキ
サン、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘプタ
ン、エポキシシクロオクタン、スチレンオキシド、2−
フェニル−1,2−エポキシプロパン、テトラメチルエ
チレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒド
リン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、1,4−ジ
クロロ−2,3−エポキシブタン、2,3−エポキシプ
ロピオンアルデヒド、2,3−エポキシ−2−メチルプ
ロピオンアルデヒド、2,3−エポキシジエチルアセタ
ールなどの開環重合によるポリマ、コポリマ等が挙げら
れる。
【0137】ガラス転移温度0℃以下のポリオキシド類
の具体例としては、例えばポリアセトアルデヒド、ポリ
(ブタジエンオキシド)、ポリ(1−ブテンオキシ
ド)、ポリ(ドデセンオキシド)、ポリ(エチレンオキ
シド)、ポリ(イソブテンオキシド)、ポリホルムアル
デヒド、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)、ポリ(トリメチレンオキシド)等が
挙げられる。
【0138】(D)ポリエステル類 以下に示すような多価アルコールと多価カルボン酸の重
縮合により得られるポリエステル、多価アルコールと多
価カルボン酸無水物の重合により得られるポリエステ
ル、ラクトンの開環重合などにより得られるポリエステ
ル、およびこれら多価アルコール、多価カルボン酸、多
価カルボン酸無水物、およびラクトンの混合物より得ら
れるポリエステル等が挙げられる。
【0139】多価アルコールの具体例としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレング
リコール、p−キシレングリコール、水素化ビスフェノ
ールA、ビスフェノールヒドロキシプロピルエーテル、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタ
エリトリット、ジペンタエリトリット、ソルビトール等
が挙げられる。
【0140】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物の具体例としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロ
ル無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無
水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリッ
ト酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無
水ピロメリット酸等が挙げられる。
【0141】ラクトンとしては、β−プロピオラクト
ン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カ
プロラクトン等が挙げられる。
【0142】ガラス転移温度0℃以下のポリエステルの
具体例としては、例えばポリ[1,4−(2−ブテン)
セバケート]、[1,4−(2−ブチン)セバケー
ト]、ポリ(デカメチレナジペイト)、ポリ(エチレン
アジペイト)、ポリ(オキシジエチレンアジペイト)、
ポリ(オキシジエチレンアゼラエイト)、ポリ(オキシ
ジエチレンドデカンジエイト)、ポリ(オキシジエチレ
ングルタレイト)、ポリ(オキシジエチレンヘプチルマ
ロネイト)、ポリ(オキシジエチレンノニルマロネイ
ト)、ポリ(オキシジエチレンオクタデカンジエイ
ト)、ポリ(オキシジエチンオキザレイト)、ポリ(オ
キシジエチレンペンチルマロネイト)、ポリ(オキシジ
エチレンピメレイト)、ポリ(オキシジエチレンプロピ
ルマロネイト)、ポリ(オキシジエチレンセバケー
ト)、ポリ(オキシジエチレンスベレイト)、ポリ(オ
キシエチレンスクシネイト)、ポリ(ペンタメチレンア
ジペイト)、ポリ(テトラメチレンアジペイト)、ポリ
(テトラメチレンセバケート)、ポリ(トリメチレンア
ジペイト)等が挙げられる。
【0143】(E)ポリウレタン類 以下に示すポリイソシアネート類と多価アルコールより
得られるポリウレタンもバインダーポリマとして使用す
ることができる。
【0144】多価アルコールとしては上記(D)の項で
述べた多価アルコール類及び下記の多価アルコール類、
これら多価アルコールと上記(D)項で述べた多価カル
ボン酸の重縮合で得られる両末端が水酸基であるような
ポリエステルポリオール、上記(D)で述べたラクトン
類より得られる重合ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートジオール、プロピレンオキシドやテトラヒドロ
フランの開環重合やエポキシ樹脂の変性で得られるポリ
エーテルポリオール、あるいは水酸基を有する(メタ)
アクリル単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重
合体であるアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオ
ールなどが挙げられる。
【0145】ポリイソシアネート類としてはパラフェニ
レンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルイ
レンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシ
アネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート、シク
ロヘキサンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシ
アネート(MXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDIあるいはHMDI)、リジンジイソシアネー
ト(LDI)(別名4,4’−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート))、水素化TDI(HTDI)
(別名メチルシクロヘキサン2,4(2,6)ジイソシ
アネート)、水素化XDI(H6XDI)(別名1,3
−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン)、イソホ
ロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルエーテ
ルイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート(TMDI)、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネー
トフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネ
ート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、
1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチル
オクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネ
ート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等やポリイ
ソシアネート類の多価アルコールアダクト体、あるいは
ポリイソシアネート類の重合体が挙げられる。
【0146】上記(D)項で述べたものに加え多価アル
コール類としては、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、テ
トラヒドロフラン−プロピレンオキサイド共重合体を、
また、ポリエステルポリオールとしてはポリエチレンア
ジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリヘキサメチ
レンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリヘ
キサメチレンネオペンチルアジペート、ポリエチレンヘ
キサメチレンアジペート等を、また、ポリ−ε−カプロ
ラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジ
オール、ポリテトラメチレンアジペート、ソルビトー
ル、メチルグルコジット、シュクローズ等を挙げること
ができる。
【0147】また、各種の含燐ポリオール、ハロゲン含
有ポリオールなどもポリオールとして使用することがで
きる。
【0148】上記のイソシアネート類とポリオールは公
知の方法により反応させて目的とするポリウレタンを得
ることができ、これらのポリウレタンは一般的にガラス
転移温度0℃以下であり本発明に好ましく使用すること
ができる。
【0149】(F)ポリアミド類 以下に示すモノマー類のコポリマーが挙げられる。
【0150】モノマー類としてはε−カプロラクタム、
ω−ラウロラクタム、ω−アミノウンデカン酸、ヘキサ
メチレンジアミン、4,4−ビス−アミノシクロヘキシ
ルメタン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、イソホロンジアミン、グリコール類、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等が挙げら
れる。
【0151】更に詳しく説明すると、ポリアミドは一般
に水溶性ポリアミドとアルコール可溶性ポリアミドに大
別される。水溶性ポリアミドとしては、例えば特開昭4
8−72250号公報に示されるような3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどを共重合する
ことによって得られるスルホン酸基またはスルホネート
基を含有するポリアミド、特開昭49−43465号公
報に示されているような分子中にエーテル結合を持つジ
カルボン酸、ジアミン、あるいは環状アミドのうちいず
れか1種類を共重合して得られるエーテル結合を有する
ポリアミド、特開昭50−7605号公報に示されてい
るようなN,N’−ジ(γ−アミノプロピル)ピペラジ
ン等を共重合して得られる塩基性窒素を含有するポリア
ミドおよびこれらのポリアミドをアクリル酸等で四級化
したポリアミド、特開昭55−74537号公報で提案
されている分子量150〜1500のポリエーテルセグ
メントを含有する共重合ポリアミド、およびα−(N,
N’−ジアルキルアミノ)−ε−カプロラクタムの開環
重合またはα−(N,N’−ジアルキルアミノ)−ε−
カプロラクタムとε−カプロラクタムの開環共重合で得
られたポリアミド等が挙げられる。
【0152】また、アルコール可溶性ポリアミドとして
は、二塩基酸脂肪酸とジアミン、ω−アミノ酸、ラクタ
ムあるいはこれらの誘導体から公知の方法によって合成
される線状ポリアミドが挙げられ、ホモポリマーだけで
なくコポリマー、ブロックポリマー等も使用できる。代
表的な例としては、ナイロン3、4、5、6、8、1
1、12、13、66、610、6/10、13/1
3、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からのポリア
ミド、トリメチルヘキサメチレンジアミンあるいはイソ
ホロンジアミンとアジピン酸からのポリアミド、ε−カ
プロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン/
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン共重合ポリ
アミド、ε−カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチ
レンジアミン/2,4,4’−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン共重合ポリアミド、ε−カプロラクタム/ア
ジピン酸/ヘキサメチレンジアミン/イソホロンジアミ
ン共重合ポリアミド、あるいはこれらの成分を含むポリ
アミド、それらのN−メチロール、N−アルコキシメチ
ル誘導体も使用できる。
【0153】以上のポリアミドは単独あるいは混合して
バインダーポリマとして用いることができる。
【0154】ガラス転移温度0℃以下のポリアミドとし
ては、分子量150〜1500のポリエーテルセグメン
トを含有する共重合ポリアミド、より具体的には末端に
アミノ基を有しポリエーテルセグメント部分の分子量が
150〜1500であるポリオキシエチレンと脂肪族ジ
カルボン酸またはジアミンとから成る構成単位を30〜
70重量%含有するところの共重合ポリアミドなどが挙
げられるが本発明はこれらに限定されない。
【0155】上記各種バインダーポリマは単独で用いて
もよいし、また数種のポリマを混合して使用してもよ
い。
【0156】上記ポリマの中でも、特に、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ビニル系ポリマー、未加硫ゴムがバ
インダーポリマとして好ましい。
【0157】更に本発明において、感熱層には、レーザ
ー光の波長以外の領域に吸収を有する染料、公知の重合
禁止剤、酸、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤等を必
要に応じて任意に添加してもよい。
【0158】加熱により硬化する化合物として上記
(1)項の化合物を用いた場合の感熱層組成の好ましい
組成比としては以下の通りである。
【0159】 1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物 100重量部 加熱によりラジカルを発生する物質 0.1〜10重量部 光熱変換物質 0.001〜10重量部 バインダーポリマ 0〜600重量部 加熱により硬化する化合物として上記(2)項の化合物
を用いた場合の感熱層組成の好ましい組成比としては以
下の通りである。
【0160】 1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物 100重量部 1分子中にチオール基を2個以上有する化合物 10〜200重量部 加熱によりラジカルを発生する物質 0.1〜10重量部 光熱変換物質 0.001〜10重量部 バインダーポリマー 0〜600重量部 さらに上記(3)項の化合物を用いた場合の感熱層組成
の好ましい組成比としては以下の通りである。
【0161】 エポキシ化合物 100重量部 アミノ樹脂 10〜200重量部 光熱変換物質 0.001〜10重量部 バインダーポリマー 0〜600重量部 印刷版の耐刷性の観点から、好ましくは感熱層全体での
ガラス転移温度が20℃以下であることが好ましい。こ
のような観点から上記各組成比において、バインダーポ
リマが20重量部以上であることが好ましい。
【0162】上記感熱層を構成する各組成物は、DM
F、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
オキサン、エチルセロソルブ等の適当な有機溶剤に溶解
させることによって組成物溶液として調整され、かかる
組成物溶液を公知の方法により基板上に均一に塗布し、
必要な温度で必要な時間加熱することにより、感熱層が
形成される。
【0163】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2 であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
1〜7g/m2である。
【0164】次にシリコーンゴム層について説明する。
本発明において、シリコーンゴム層としては、従来の水
なし平版印刷版において使用されるシリコーンゴム組成
物からなるものが挙げられる。
【0165】具体的には線状オルガノポリシロキサン
(好ましくはジメチルポリシロキサン)をまばらに架橋
することにより得られるものが挙げられ、代表的なもの
として、次式(II)に示すような繰り返し単位を有す
るものが挙げられる。
【0166】
【化2】 (ここでnは2以上の整数である。Rは炭素数1〜10
のアルキル、アリ−ル、あるいはシアノアルキル基であ
る。全体のRの40%以下がビニル、フェニル、ハロゲ
ン化ビニル、ハロゲン化フェニルであり、Rの60%以
上がメチル基であるものが好ましい。また、鎖末端もし
くは側鎖のかたちで分子鎖中に少なくとも一つ以上の水
酸基を有する。) シリコ−ンゴムとしてはオルガノポリシロキサン鎖のR
の一部がHに置換されたものも使用できるが、特に本発
明においては、シリコ−ンゴム層に次に示すような縮合
型の架橋を行うシリコ−ンゴム(RTV、LTV型シリ
コ−ンゴム)を用いることが好ましい。すなわち、式
(III)と式(IV)または式(V)で表される末端
基どうしの縮合によって架橋されるものである。この
時、系内に、さらに過剰の架橋剤を存在させてもよい。
【0167】
【化3】 (ここでRは式IIで説明したRと同様のものを意味す
る。)
【化4】 (ここでRは式IIで説明したRと同様のものを意味
し、R1 、R2 は一価の低級アルキル基である。)
【化5】 (ここでRは式IIで説明したRと同様のものを意味
し、Acはアセチル基である。) このような縮合型の架橋を行う際、錫、亜鉛、鉛、カル
シウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えばラウ
リン酸ジブチル錫、錫(II)オクトエ−ト、ナフテン
酸塩など、あるいは塩化白金酸のような触媒が添加され
てもよい。
【0168】これ以外にも、縮合型シリコ−ンゴム層の
組成物である加水分解性官能基含有シラン(もしくはシ
ロキサン)を添加することも任意であり、またゴム強度
を向上させる目的で、シリカなどの公知の充填剤を添加
させることも任意である。さらに、本発明においては上
記した縮合型シリコーンゴム層の他に、付加型のシリコ
ーンゴム層とすることも可能である。
【0169】このような付加型シリコーンゴム層は、例
えば、分子中に2個以上のビニル基を有するポリオルガ
ノシロキサンと、分子中に3個以上のSiH基を有する
ポリオルガノシロキサンおよび白金化合物を適当な溶媒
で希釈したものを、感光層上に塗布し、加熱乾燥して硬
化させることによって形成することができる。
【0170】分子中に2個以上のビニル基を有するオル
ガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端、中間のどち
らかにビニル基を有するものが挙げられ、アルケニル基
以外の有機基として、置換もしくは非置換のアルキル
基、アリール基を有するものが好ましい。また、微量の
水酸基を含有していてもよい。
【0171】分子中に2個以上のビニル基を有するポリ
オルガノシロキサンの具体例としては以下のものが挙げ
られる。
【0172】両末端ビニル基のポリジメチルシロキサ
ン、両末端メチル基の(メチルビニルシロキサン)(ジ
メチルシロキサン)共重合体、両末端ビニル基の(メチ
ルビニルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合
体、両末端ビニル基のポリジメチルシロキサンの2分子
以上主鎖間をジメチレン架橋させた化合物、両末端メチ
ル基の(メチル1−ヘキセンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体、両末端ビニル基の(メチル1−ヘ
キセンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体等
である。
【0173】これら分子中に2個以上のビニル基を有す
るポリオルガノシロキサンは、硬化後のゴム物性の点で
その分子量が5,000以上であることが好ましく、更
に好ましくは10,000以上である。また、これらは
単独で使用することもできるし、複数の種類を任意の比
率で混合して使用することもできる。
【0174】分子中に3個以上のSiH基を有するポリ
オルガノシロキサンとしては分子鎖末端、中間のいずれ
かにSiH基を有するものが挙げられ、SiH基以外の
有機基として、置換もしくは非置換のアルキル基、アリ
ール基を有するものが好ましい。
【0175】分子中に3個以上のSiH基を有するポリ
オルガノシロキサンの具体例としては、以下のものが挙
げられる。
【0176】両末端SiH基のポリジメチルシロキサ
ン、両末端メチル基のポリメチルハイドロジェンシロキ
サン、両末端メチル基の(メチルハイドロジェンシロキ
サン)(ジメチルシロキサン)共重合体、両末端SiH
基の(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン等が挙げられる。
【0177】特に、本発明においては、これらのポリオ
ルガノシロキサンのSiH基数を分子量で除した値が
0.001mol/g以上のものが好ましく用いられ、
0.002mol/g以上がより好ましい。0.001
mol/g未満の場合は硬化速度の点で好ましくない。
【0178】また、これらのポリオルガノシロキサンは
単独で使用することもできるし、複数の種類を任意の比
率で混合して使用することもできる。
【0179】また、上記ビニル基含有ポリオルガノシロ
キサンと上記SiH基含有ポリオルガノシロキサンの有
機基のうち、基数の60%以上がメチル基であることが
インキ反撥性の向上の点で好ましい。
【0180】上記ビニル基含有ポリオルガノシロキサン
とSiH基含有ポリオルガノシロキサンを混合して使用
する際の比率としては、シリコーンゴム組成物中のビニ
ル基数を1とした場合にSiH基数が1.5〜15とな
るような混合比率が好ましく、更に好ましくは1.5〜
12が好ましい。
【0181】ビニル基数1に対するSiH基数が1.5
未満の場合であると、シリコーンゴム層の硬化性が低下
する傾向にあり、15より大きい場合にはシリコーンゴ
ムが脆くなり耐摩耗性が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0182】さらに付加型シリコーンゴム層に好ましく
用いられる白金化合物としては、特に限定されないが、
白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金
などが挙げられる。これらの中でもオレフィン配位白金
が好ましい。
【0183】また、付加型シリコーンゴム層の硬化速度
を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロ
キサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、
炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどの反応抑制剤を添加
することが好ましい。
【0184】本発明において好ましく用いられる付加型
シリコーンゴム層の組成の一般的な形態としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0185】 (1)1分子中に2個以上のビニル基を有するポリオルガノシロキサン 100重量部 (2)1分子中に3個以上のSiH基を有するポリオルガノシロキサン 0.1〜10000重量部 (3)白金化合物 0.00001〜10重量部 (4)反応抑制剤 0.1〜10重量部 (5)溶剤 100〜4000重量部 これらの組成物の他に、縮合型シリコーンゴム層の組成
物である水酸基含有オルガノポリシロキサン、加水分解
性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加して
もよく、またゴム強度を向上させる目的で、シリカなど
の公知の充填剤を添加してもよい。
【0186】また、本発明においてシリコーンゴム層は
上記組成物の他にシランカップリング剤を含有すること
が好ましい。
【0187】シランカップリング剤の具体例としては、
ビニルシラン、(メタ)アクリロイルシラン、エポキシ
シラン、アミノシラン、メルカプトシラン、クロロシラ
ン等公知のものが全て使用できるが、なかでも(メタ)
アクリロイルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、
メルカプトシラン等が挙げられる。
【0188】これらの中でも特にエポキシシランが好ま
しい。エポキシシランの具体例としては、3―グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、2―(3,4―エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙
げられる。
【0189】これらのシランカップリング剤は、シリコ
ーンゴム層組成物の固形分に対し、0.1〜5重量%の
比率で使用することが好ましく、更に好ましくは0.5
〜3重量%である。
【0190】これら、シリコーンゴム層の膜厚は0.5
〜50g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10g/m2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい
場合には印刷版のインキ反撥性が低下する傾向があり、
50g/m2よりも大きい場合には、経済的見地から不
利である。
【0191】さらに本発明の直描型水なし平版印刷版原
版において、シリコーン層を保護すると共に、感熱層が
熱重合型の組成の場合に露光時の酸素の遮断などの目的
で、シリコーンゴム層の表面に、プレ−ンまたは凹凸処
理した薄い保護フィルムをラミネ−トしたり、特開平5
―323588号公報に記載の現像溶媒に溶解するよう
な、ポリマーの塗膜を形成することも可能である。
【0192】特に、保護フィルムをラミネートした場合
には、保護フィルム上からレーザ露光を行い、その後保
護フィルムを剥離することによって印刷版上にパターン
を形成する、いわゆる剥離現像を行うことによって印刷
版を作成することも可能である。
【0193】また、感熱層組成としてラジカル重合反応
性のものを使用する場合には、酸素による重合阻害を防
止する目的から、酸素透過性の低いカバーフィルムを使
用することが好ましい。このようなカバーフィルムの種
類としては、ポリエステルフィルムが挙げられる。
【0194】次に、本発明における直描型水なし平版印
刷版原版の製造方法について説明する。
【0195】基板上に、リバースロールコーター、エア
ーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、
メーヤバーコーターなどの通常のコーターあるいはホエ
ラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じて断熱層
組成物を塗布し100〜300℃で数分間加熱し硬化さ
せた後、感熱層組成物を塗布し60〜150℃で数十秒
から数分間加熱した後、シリコーンゴム組成物を塗布し
50〜150℃の温度で数分間熱処理してゴム硬化させ
て形成する。
【0196】そして、必要に応じて保護フィルムをラミ
ネートするかあるいは、保護層を形成する。
【0197】次にこのようにして得られた直描型水なし
平版印刷版原版の好ましい製版方法の一例について説明
する。
【0198】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
保護フィルムを有する場合はこれを剥離して、もしくは
保護フィルム上から画像状に露光される。
【0199】露光はレーザ露光が好ましく、この時の光
源としては、発振波長が300nm〜1500nmの範
囲にあるArイオンレーザ、Krイオンレーザ、He―
Neレーザ、He―Cdレーザ、ルビーレーザ、ガラス
レーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、チタンサファイ
アレーザ、色素レーザ、窒素レーザ、金属蒸気レーザ等
の種々のレーザが使用できる。
【0200】中でも、半導体レーザは、近年の技術的進
歩により小型化し、経済的にも他のレーザ光源よりも有
利であるので好ましい。
【0201】上記の方法で露光された直描型水なし平版
印刷版原版は、次に現像処理されるが、現像方法として
は、剥離現像または通常行われる溶剤現像処理により現
像される。この時、未露光部のシリコーンゴム層のみ剥
離することがインキ着肉性やインクマイレージの点で好
ましい。
【0202】溶剤現像処理に使用される現像液として
は、例えば、水や水に下記の極性溶媒を添加したもの
や、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、イソパラ
フィン系炭化水素、ガソリン、灯油など)、芳香族炭化
水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水
素類(トリクレンなど)などの少なくとも1種類からな
る溶媒に、下記の極性溶媒を少なくとも1種類添加した
ものが好ましく用いられる。
【0203】極性溶媒としては、アルコール類(メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グルコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,3―ブチ
レングリコール、2,3―ブチレングリコール、ヘキシ
レングリコール、2―エチル―1,3―ヘキサンジオー
ルなど)、エーテル類(エチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノ―2―エチルヘキシルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ジアセトンアルコールなど)、エステル類(酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
トなど)、カルボン酸(2―エチル酪酸、カプロン酸、
カプリル酸、2―エチルヘキサン酸、カプリン酸、オレ
イン酸、ラウリル酸など)が挙げられる。
【0204】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。また、さらに
アルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノ
グリコールアミン、トリエタノールアミン、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナト
リウムなどを添加することもできる。
【0205】また、これらの現像液にはクリスタルバイ
オレット、ビクトリアピュアブルー、アストラゾンレッ
ドなどの公知の塩基性染料、酸性染料、油溶性染料を添
加して現像と同時に画像部の染色化を行うことができ
る。
【0206】現像する際には、これらの現像液を、不織
布、脱脂綿、布、スポンジ等に含浸させて、版面を拭き
取ることによって、現像することができる。
【0207】また、現像は、特開昭63―163357
号公報に記載されているような自動現像機を用い、上記
の現像液で版面を前処理した後に水道水などでシャワー
しながら回転ブラシで版面を擦ることによって行うこと
も好ましい。
【0208】上記の現像液に代えて、温水や水蒸気を版
面に噴射することによっても現像が可能である。
【0209】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
【0210】
【実施例】
実施例1 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる断熱層溶液を塗布し、200℃、2分間乾燥し、
3g/m2の断熱層を設けた。
【0211】 (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T−25−3094 (関西ペイント(株)製) 15重量部 (b)ビクトリアピュアブルーBOHナフタレンスルフォン酸 0.1重量部 (c)ジメチルホルムアミド 85重量部 次いで、この断熱層上に次の組成を有する感熱層組成物
を塗布し、130℃1分間乾燥し、膜厚2g/m2の感
熱層を設けた。
【0212】 (a)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタク 40重量部 リレート/メチルグリシジルエーテル=1/3/1 mol比付加反応物 (b)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 40重量部 /メチルグリシジルエーテル=1/2/2mol比付 加反応物 (c)CH2=CHCOO−(C24O)14−COCH=CH2 10重量部 (d)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 2重量部 /3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン =1/3/1mol比付加反応物 (e)PA−1005(赤外線吸収染料 吸光波長領域:600〜1100nm λmax 850nm 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (f)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (g)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 4重量部 (h)アイゼンビクトリアピュアブルーBOH(塩基性染料 保土谷化学工業( 株)製) 0.5重量部 (i)マレイン酸 0.5重量部 (j)エチルセロソルブ 800重量部 次いでこの感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−ン
ゴム組成物をバーコーターで塗布した後、115℃で2
分間湿熱硬化させて2.0g/m2のシリコ−ンゴム層
を設けた。
【0213】 (a)ポリジメチルシロキサン (分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 12重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト 0.1重量部 (d)“アイソパ−G”(イソパラフィン系炭化水素 エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。
【0214】その後、この印刷版原版をX―Yテーブル
に装着した半導体レーザ(SLD―304XT、出力1
W、波長809nm、ソニー(株)製)を用いて、ビー
ム直径20μm、露光時間10μsでパルス露光を行っ
た。この時、レーザ出力はLDパルス変調駆動装置で任
意に変化させ、版面上でのレーザパワーを測定した。
【0215】続いて、下記の組成を有する現像液を含浸
させた木綿パッドで擦り、未露光部のシリコーンゴム層
のみ剥離し現像を行なった。得られた刷版を光学顕微鏡
で観察し、シリコーンゴム層が感熱層と接着してドット
が形成される最小レーザーパワーを決定し、その結果か
ら印刷版の感度を測定した。
【0216】 (a)水 80重量部 (b)ジエチレングリコールモノ―2―エチルヘキシルエーテル 20重量部 得られた刷版を4色印刷機KOMORI SPRINT 425BP(コモ
リコーポレーション(株)製)に取り付け、水なし平版
用インキ(ドライオカラーNSI 藍 大日本インキ化
学工業(株)製)を使用してコート紙に印刷を行い、非
画線部のシリコーンゴム層がピンホール状に剥離して紙
面に汚れが発生するまでの印刷枚数を耐刷性の指標とし
た。
【0217】また、上記印刷条件にて、印刷紙面上での
ハイライト部の網点において白抜けが発生するまで印刷
濃度を低下させて、白抜けが発生した時点でのベタ部印
刷濃度を濃度計RD−514(マクベス社製)にて測定
した。
【0218】実施例2 実施例1における感熱層組成を下記のものに変更する以
外は実施例1と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0219】 感熱層組成 (a)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオ−ル、2,2− 50重量部 ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとのポリエステ ルポリオ−ルとイソホロンジイソシアネ−トとの反応 によって得られたポリウレタン (b)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタク 15重量部 リレート/メチルグリシジルエーテル=1/3/1 mol比付加反応物 (c)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 15重量部 /メチルグリシジルエーテル=1/2/2mol比付 加反応物 (d)CH2=CHCOO−(C24O)14−COCH=CH2 10重量部 (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 2重量部 /3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン =1/3/1mol比付加反応物 (f)PA−1005(赤外線吸収染料 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (g)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (h)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 4重量部 (i)マレイン酸 0.5重量部 (j)エチルセロソルブ 800重量部 実施例3 実施例1におけるシリコーンゴム層組成を下記のものに
変更する以外は実施例1と同様にして直描型水なし平版
印刷版原版を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
シリコーンゴム層の加熱乾燥条件は130℃、1分間加
熱した。
【0220】 シリコーンゴム層組成 (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度770) 100重量部 (b)HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジ メチルシロキサン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/g チッソ( 株)製) 4重量部 (c)オレフィン配位白金 0.02重量部 (d)反応抑制剤 0.3重量部 (e)”アイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素 エクソン化学(株)製) 1000重量部 実施例4 実施例2におけるシリコーンゴム層を実施例3のシリコ
ーンゴム層組成に変更する以外は実施例2と同様にして
直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と同様
に評価を行った。
【0221】比較例1 実施例4の感熱層組成において(f)PA−1005
(赤外線吸収染料)を抜く以外は実施例4と同様にして
直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と同様
に評価を行った。
【0222】実施例5 実施例1における感熱層組成を下記の組成に変更する以
外は実施例1と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0223】 感熱層組成 (a)ヘキサメチレンジイソシアネート/エチレングリコール/アリルアルコー ルをモル比3/2/2で反応させて得られたアリルウレタン類 65重量部 (b)デナコールアクリレートDA−314(エポキシアクリレート 長瀬化成 (株)製) 10重量部 (c)ペンタエリスリトールテトラチオグリコール 25重量部 (d)PA−1005(赤外線吸収染料 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (e)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (f)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 4重量部 (g)メチルエチルケトン 100重量部 (h)1,4−ジオキサン 400重量部 実施例6 実施例5における感熱層組成を下記の組成に変更する以
外は実施例5と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0224】 感熱層組成 (a)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオ−ル、2,2− 50重量部 ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとのポリエステ ルポリオ−ルとイソホロンジイソシアネ−トとの反応 によって得られたポリウレタン (b)ヘキサメチレンジイソシアネート/エチレングリコール/アリルアルコー ルをモル比3/2/2で反応させて得られたアリルウレタン類 46重量部 (c)デナコールアクリレートDA−314(エポキシアクリレート 長瀬化成 (株)製) 7重量部 (d)ペンタエリスリトールテトラチオグリコール 18重量部 (e)PA−1005(赤外線吸収染料 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (f)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (g)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 3重量部 (h)メチルエチルケトン 150重量部 (i)1,4−ジオキサン 450重量部 実施例7 実施例5におけるシリコーンゴム層組成を実施例3のシ
リコーンゴム層組成に変更する以外は実施例5と同様に
して直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と
同様に評価を行った。
【0225】実施例8 実施例6におけるシリコーンゴム層組成を実施例3のシ
リコーンゴム層組成に変更する以外は実施例6と同様に
して直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と
同様に評価を行った。
【0226】実施例9 実施例1における感熱層組成を下記のものに変更する以
外は実施例1と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0227】 (a)デナコールEX411(エポキシ化合物 長瀬化成工業(株)製) 90重量部 (b)イソホロンジアミンとフェニルグリシジルエーテルの反応物 20重量部 (c)PA−1005(赤外線吸収染料 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (d)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (e)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 3重量部 (f)エチルセロソルブ 480重量部 実施例10 実施例9における感熱層組成を下記のものに変更する以
外は実施例9と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0228】 (a)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオ−ル、2,2− 50重量部 ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとのポリエステ ルポリオ−ルとイソホロンジイソシアネ−トとの反応 によって得られたポリウレタン (b)デナコールEX411(エポキシ化合物 長瀬化成工業(株)製) 40重量部 (c)イソホロンジアミンとフェニルグリシジルエーテルの反応物 10重量部 (d)PA−1005(赤外線吸収染料 三井東圧化学(株)製) 6重量部 (e)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (f)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 3重量部 (g)エチルセロソルブ 540重量部 実施例11 実施例9におけるシリコーンゴム層組成を実施例3のシ
リコーンゴム層組成に変更する以外は実施例9と同様に
して直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と
同様に評価を行った。
【0229】実施例12 実施例10におけるシリコーンゴム層組成を実施例3の
シリコーンゴム層組成に変更する以外は実施例10と同
様にして直描型水なし平版印刷版原版を作製し、実施例
1と同様に評価を行った。
【0230】実施例13 実施例3における感熱層組成を下記のものに変更する以
外は実施例3と同様にして直描型水なし平版印刷版原版
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0231】 (a)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオ−ル、2,2− 50重量部 ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとのポリエステ ルポリオ−ルとイソホロンジイソシアネ−トとの反応 によって得られたポリウレタン (b)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタク 15重量部 リレート/メチルグリシジルエーテル=1/3/1 mol比付加反応物 (c)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 15重量部 /メチルグリシジルエーテル=1/2/2mol比付 加反応物 (d)CH2=CHCOO−(C24O)14−COCH=CH2 10重量部 (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート 2重量部 /3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン =1/3/1mol比付加反応物 (f)SPIRIT NIGROSINE SJ DS-3091(ニグロシン系色素 DYE SPECIALTIES,INC. 製) 6重量部 (g)トリブロモメチルフェニルスルホン 4重量部 (h)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (i)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 4重量部 (j)マレイン酸 0.5重量部 (k)エチルセロソルブ 800重量部 実施例14 実施例3における感熱層組成を下記のものに変更する以
外は、実施例3と同様にして直描型水なし平板印刷版原
版を作成し、実施例1と同様に評価を行った。
【0232】 (a)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオ−ル、2,2− 50重量部 ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとのポリエステ ルポリオ−ルとイソホロンジイソシアネ−トとの反応 によって得られたポリウレタン (b)カルボキシ変性ポリブタン1モルに対しグリシジルメ タクリレートを4モルの比率で反応させた化合物 30重量部 (c)CH2=CHCOO−(C24O)14−COCH=CH2 10重量部 (d)SPIRIT NIGROSINE SJ DS-3091(ニグロシン系色素 DYE SPECIALTIES,INC. 製) 6重量部 (e)トリブロモメチルフェニルスルホン 4重量部 (f)ベンゾイルパーオキサイド 2重量部 (g)パーヘキサ3M(有機過酸化物 日本油脂(株)製) 4重量部 (h)マレイン酸 0.5重量部 (i)エチレングリコールモノエチルエーテル 800重量部 比較例2 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる断熱層溶液を塗布し、230℃、2分間乾燥し、
5g/m2の断熱層を設けた。
【0233】 (a)ポリウレタン樹脂“ミラクトラン”P22S (日本ミラクトラン(株)製) 100重量部 (b)ブロックドイソシアネート“タケネートB830” (武田薬品(株)製) 20重量部 (c)エポキシ・フェノール・尿素樹脂“SJ9372” (関西ペイント(株)製) 8重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート 0.5重量部 (e)アイゼンビクトリアピュアブルーBOH(塩基性染料 保土谷化学工業( 株)製) 0.1重量部 (f)ジメチルホルムアミド 720重量部 次いで、この断熱層上に下記の組成を有する感熱層組成
物を塗布し、150℃3分間乾燥し、下記組成物中のエ
ポキシ樹脂とアミノ化合物の架橋反応により硬化した膜
厚2g/m2の感熱層を設けた。
【0234】 (a)ニトロセルロース(粘度1/2秒,窒素含有量11.0% “Berge rac NC” エス・エヌ・ピー・イージャパン(株)製) 24重量部 (b)カーボンブラック 30重量部 (d)変性エポキシ樹脂(“エポキー”803、三井東圧化学(株)製) 15重量部 (e)ジエチレントリアミン 5重量部 (f)“デナコールアクリレート”DA−314(エポキシアクリレート 長瀬 化成工業(株)製) 15重量部 (g)メチルイソブチルケトン 600重量部 続いて、感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−ンゴ
ム溶液を塗布し、120℃ 2分間乾燥し、厚さ2g/
2のシリコ−ンゴム層を設けた。
【0235】 (a)ビニルポリジメチルシロキサン 100重量部 (b)ハイドロジェンシロキサン 12重量部 (c)白金触媒 0.2重量部 (d)硬化遅延剤 2重量部 (e)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素 エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。得られた印刷版について実施例1
と同様に評価を行った。
【0236】比較例3 比較例2と同様にして得られた断熱層上にチタンを真空
蒸着によって薄膜形成(厚さ1000オングストロー
ム)し、感熱層を設けた。
【0237】次にこの上に、次の組成を有するシリコ−
ンゴム溶液を塗布し、120℃ 2分間乾燥し、厚さ2
g/m2のシリコ−ンゴム層を設けた。
【0238】 (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度770) 100重量部 (b)HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジ メチルシロキサン)共重合体 Hwt%=約0.7 チッソ(株)製) 4重量部 (c)SZ6040(エポキシ基含有シラン化合物 東レ・ダウコーニング・シ リコーン(株)製) 5重量部 (d)オレフィン配位白金 0.02重量部 (e)反応抑制剤 0.3重量部 (f)3−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.2重量部 (g)”アイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素 エクソン化学(株)製) 990重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。得られた印刷版について実施例1
と同様に評価を行った。
【0239】比較例4 比較例3におけるシリコーンゴム層組成を下記のものに
変更する以外は比較例3と同様にして直描型水なし平版
印刷版原版を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0240】 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約25,000、末端水酸基) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 12重量部 (c)ジブチル錫ジアセテート 0.1重量部 (d)3−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.2重量部 (e)“アイソパ−G”(イソパラフィン系炭化水素 エクソン化学(株)製) 1200重量部 比較例5 比較例3における基板および断熱層をポリエステルフィ
ルム(ICI Films white329フィル
ム)に置き換える以外は比較例3と同様にして直描型水
なし平版印刷版原版を作製し、実施例1と同様に評価を
行った。
【0241】実施例1〜13及び比較例1〜5の評価結
果を表1に示す。
【0242】
【表1】 表1に示すように、本発明における感熱層組成を満足し
ない比較例1では画像が得られなかった。
【0243】また、全ての実施例において、比較例2〜
5に比べ白抜けが発生する印刷濃度が低く、インキ着肉
性が改良されたことが分かった。
【0244】更に、全ての実施例において、耐刷性が改
良され、特に感熱層中にバインダーポリマーを含有する
ものがより耐刷性に優れていることが分かるのに対し、
比較例3〜5においては耐刷性は満足できるものではな
かった。
【0245】
【発明の効果】本発明の直描型水なし平版印刷版原版
は、基板上に、少なくとも感熱層およびシリコーンゴム
層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版
において、該感熱層が光熱変換物質と加熱により硬化す
る化合物を含有するものであるため、これを製版するこ
とにより、感度、インキ着肉性及び耐刷性に優れた印刷
版を得ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
    刷版原版において、感熱層が光熱変換物質と加熱により
    硬化する化合物を含有することを特徴とする直描型水な
    し平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】加熱により硬化する化合物が、1分子中に
    エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物及び加熱に
    よりラジカルを発生する物質からなることを特徴とする
    請求項1記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】加熱により硬化する化合物が、1分子中に
    エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物、1分子中
    にチオール基を2個以上有する化合物及び加熱によりラ
    ジカルを発生する物質からなることを特徴とする請求項
    1記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】加熱により硬化する化合物が、エポキシ化
    合物及びアミノ樹脂からなることを特徴とする請求項1
    記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  5. 【請求項5】1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上
    有する化合物が、水酸基を2個以上有することを特徴と
    する請求項2または3記載の直描型水なし平版印刷版原
    版。
  6. 【請求項6】1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上
    有する化合物の分子量が1500以上であり、かつエチ
    レン性不飽和基を4個以上有することを特徴とする請求
    項2,3および5いずれか1項記載の直描型水なし平版
    印刷版原版。
  7. 【請求項7】光熱変換物質が、700〜1100nmの
    波長域に吸収を有することを特徴とする請求項1〜6い
    ずれか1項記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  8. 【請求項8】感熱層が、バインダーポリマーを含有する
    ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の直描
    型水なし平版印刷版原版。
  9. 【請求項9】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
    ーンゴム層がこの順に積層され、かつ感熱層が光熱変換
    物質と加熱により硬化する化合物を含有する直描型水な
    し平版印刷版原版を、露光した後、現像時に未露光部の
    シリコーンゴム層のみを剥離することを特徴とする直描
    型水なし平版印刷版原版の製版方法。
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