JPH11129008A - 継目無鋼管製造用プラグとその製造方法 - Google Patents
継目無鋼管製造用プラグとその製造方法Info
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- JPH11129008A JPH11129008A JP29847197A JP29847197A JPH11129008A JP H11129008 A JPH11129008 A JP H11129008A JP 29847197 A JP29847197 A JP 29847197A JP 29847197 A JP29847197 A JP 29847197A JP H11129008 A JPH11129008 A JP H11129008A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】13%Cr以上の高Cr系ステンレス鋼、Ni
基合金等の変形抵抗が大きい材料の穿孔に適した継目無
鋼管製造用プラグおよびその製造方法。 【解決手段】重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5
〜12%を含有する低合金鋼からなる基材と、その表面
に備えた下記のスケール層とからなり、内外層の合計厚
さが50〜500μmである継目無鋼管製造用プラグと
その製造方法。 外層:FeSを含むスケール層 内層:Fe3O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)
Sを含むスケール層
基合金等の変形抵抗が大きい材料の穿孔に適した継目無
鋼管製造用プラグおよびその製造方法。 【解決手段】重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5
〜12%を含有する低合金鋼からなる基材と、その表面
に備えた下記のスケール層とからなり、内外層の合計厚
さが50〜500μmである継目無鋼管製造用プラグと
その製造方法。 外層:FeSを含むスケール層 内層:Fe3O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)
Sを含むスケール層
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた継
目無鋼管製造用プラグおよびその製造方法に係わり、特
に変形抵抗の大きい13%以上のCrを含有する高Cr
含有鋼の継目無鋼管を製造するのに使用できるプラグと
その製造方法に関する。
目無鋼管製造用プラグおよびその製造方法に係わり、特
に変形抵抗の大きい13%以上のCrを含有する高Cr
含有鋼の継目無鋼管を製造するのに使用できるプラグと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管の製造方法の一つにマンネス
マン方式がある。その製管工程の最初の工程に、丸ビレ
ットを高温下で穿孔圧延機(ピアサー)により穿孔して
母管となる中空管を製造する工程がある。この工程で
は、傾斜圧延ロールでビレットを回転させつつその軸方
向に移動させながら、ビレットの端面にプラグを押し当
てて穿孔する。
マン方式がある。その製管工程の最初の工程に、丸ビレ
ットを高温下で穿孔圧延機(ピアサー)により穿孔して
母管となる中空管を製造する工程がある。この工程で
は、傾斜圧延ロールでビレットを回転させつつその軸方
向に移動させながら、ビレットの端面にプラグを押し当
てて穿孔する。
【0003】従来、プラグには3%Cr−1%Niベ−
スの低合金鋼が広く使用されている。しかし、13%以
上のCrを含有する高Cr含有鋼、あるいはNi合金の
ような変形抵抗の大きい鋼から継目無鋼管をマンネスマ
ン方式で製造する場合には、穿孔中に温度が上昇するこ
とに加えプラグ表面の面圧が高いためプラグの寿命が著
しく短くなる。
スの低合金鋼が広く使用されている。しかし、13%以
上のCrを含有する高Cr含有鋼、あるいはNi合金の
ような変形抵抗の大きい鋼から継目無鋼管をマンネスマ
ン方式で製造する場合には、穿孔中に温度が上昇するこ
とに加えプラグ表面の面圧が高いためプラグの寿命が著
しく短くなる。
【0004】たとえば、穿孔する材料がオーステナイト
系ステンレス鋼、SUS304である場合は、1パスで
プラグの変形が生じる。したがって、1パス毎にプラグ
を取り替えなくてはならない。
系ステンレス鋼、SUS304である場合は、1パスで
プラグの変形が生じる。したがって、1パス毎にプラグ
を取り替えなくてはならない。
【0005】特開平4−26739号公報には、熱間製
管工具用鋼および熱間製管工具に係わる発明が開示され
ている。この工具鋼は、Wを多量添加したこと、プラグ
表面に密着性に優れた酸化スケ−ルを生成させるために
Niを0.5〜7%添加したことを特徴としている。ス
テンレス鋼やNi基合金のような変形抵抗が高い材料の
製管における工具の寿命を改善したものである。
管工具用鋼および熱間製管工具に係わる発明が開示され
ている。この工具鋼は、Wを多量添加したこと、プラグ
表面に密着性に優れた酸化スケ−ルを生成させるために
Niを0.5〜7%添加したことを特徴としている。ス
テンレス鋼やNi基合金のような変形抵抗が高い材料の
製管における工具の寿命を改善したものである。
【0006】しかし、上記ピアサーのプラグも、最も面
圧が高く、温度が上昇するプラグ先端部では製管中に先
端スケ−ルが溶融し、断熱効果および耐摩耗性が消失
し、先端溶損が発生するという問題がある。
圧が高く、温度が上昇するプラグ先端部では製管中に先
端スケ−ルが溶融し、断熱効果および耐摩耗性が消失
し、先端溶損が発生するという問題がある。
【0007】さらに、プラグ表面にスケールが存在して
いてもスケールの潤滑性が劣るため、穿孔時の被穿孔材
とプラグとの摩擦により中空材の内面にカブレ疵が発生
し、最終製品では管内面をグラインダ等で研磨する手入
れ作業が必要となり、製造コストの大きな増加をまねい
ている。
いてもスケールの潤滑性が劣るため、穿孔時の被穿孔材
とプラグとの摩擦により中空材の内面にカブレ疵が発生
し、最終製品では管内面をグラインダ等で研磨する手入
れ作業が必要となり、製造コストの大きな増加をまねい
ている。
【0008】また、特開平4−147706号公報に
は、プラグ形状とプラグ材質とを規定することによりプ
ラグ寿命を改善した5%以上のCrを含む高Cr含有鋼
の継目無鋼管を製造するのに適したプラグが開示されて
いる。プラグの材質として、スケール付着処理によりF
eO主体の酸化スケールを生成させるためにCr含有量
を0.95%以下と低減したことを特徴としている。
は、プラグ形状とプラグ材質とを規定することによりプ
ラグ寿命を改善した5%以上のCrを含む高Cr含有鋼
の継目無鋼管を製造するのに適したプラグが開示されて
いる。プラグの材質として、スケール付着処理によりF
eO主体の酸化スケールを生成させるためにCr含有量
を0.95%以下と低減したことを特徴としている。
【0009】しかし、従来のプラグは特開平4−147
706号公報に開示されているように、FeO、Fe2
O3、Fe2O4の混合スケールがよいと考えられていた
が、13%以上のCr含有するステンレス鋼のような変
形抵抗の大きい材料の穿孔に使用する場合においては、
耐摩耗性および潤滑性が充分でなかった。
706号公報に開示されているように、FeO、Fe2
O3、Fe2O4の混合スケールがよいと考えられていた
が、13%以上のCr含有するステンレス鋼のような変
形抵抗の大きい材料の穿孔に使用する場合においては、
耐摩耗性および潤滑性が充分でなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しょうと
する課題は、13%以上の高rを含有するステンレス鋼
あるいはNi基合金のように変形抵抗が大きくて、プラ
グの焼き付きが発生しやすい材料の穿孔に用いても、長
寿命でかつ焼き付きが発生しにくい継目無鋼管製造用プ
ラグおよびその製造方法を提供することにある。
する課題は、13%以上の高rを含有するステンレス鋼
あるいはNi基合金のように変形抵抗が大きくて、プラ
グの焼き付きが発生しやすい材料の穿孔に用いても、長
寿命でかつ焼き付きが発生しにくい継目無鋼管製造用プ
ラグおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
継目無鋼管製造用プラグおよびその製造方法にある。
継目無鋼管製造用プラグおよびその製造方法にある。
【0012】(1)重量%で、Ni:1〜5%、Cr:
0.5〜12%を含有する低合金鋼からなる表面にスケ
ール層を備えた継目無鋼管製造用プラグであって、スケ
ール層は下記する外層と内層からなり、内外層の合計厚
さが50〜500μmであることを特徴とする継目無鋼
管製造用プラグ。
0.5〜12%を含有する低合金鋼からなる表面にスケ
ール層を備えた継目無鋼管製造用プラグであって、スケ
ール層は下記する外層と内層からなり、内外層の合計厚
さが50〜500μmであることを特徴とする継目無鋼
管製造用プラグ。
【0013】 外層:FeSを含むスケール層 内層:Fe3O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)
Sを含む酸化物スケール層 (2)重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5〜12
%を含有する低合金鋼を継目無鋼管製造用プラグに成形
加工し、このプラグを体積%で0.1〜1%のH2Sお
よび1〜5%H2Oを含有する雰囲気ガス中で700℃
〜1100℃の温度範囲に加熱し、プラグ表面に厚さ5
0μm〜500μmのスケール層を生成させることを特
徴とする継目無鋼管製造用プラグの製造方法。
Sを含む酸化物スケール層 (2)重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5〜12
%を含有する低合金鋼を継目無鋼管製造用プラグに成形
加工し、このプラグを体積%で0.1〜1%のH2Sお
よび1〜5%H2Oを含有する雰囲気ガス中で700℃
〜1100℃の温度範囲に加熱し、プラグ表面に厚さ5
0μm〜500μmのスケール層を生成させることを特
徴とする継目無鋼管製造用プラグの製造方法。
【0014】本発明者らは、プラグ表面のスケールに着
目し、プラグの寿命を改善すべく鋭意研究した結果、以
下のような知見を得ることができた。
目し、プラグの寿命を改善すべく鋭意研究した結果、以
下のような知見を得ることができた。
【0015】a)プラグ表面の酸化スケ−ルは、製管中
には断熱効果により地金(プラグ基体)の温度上昇を抑
制するとともに、潤滑効果を呈し、これらの効果により
プラグ損傷が防止されている。したがって、スケ−ルの
断熱性能を確保した状態で、スケ−ルの潤滑性能を向上
させることによりプラグ寿命が延びる。 c)スケ−ルの高温での潤滑特性は、プラグ基体表面に
形成されるスケ−ルの種類により異なり、通常のスケ−
ル処理(酸化雰囲気)で形成されるFe系あるいは(F
e、Cr)系の酸化物単体のスケ−ルよりも、硫化物が
含まれる複合化合物の方が、高潤滑性能を示す。
には断熱効果により地金(プラグ基体)の温度上昇を抑
制するとともに、潤滑効果を呈し、これらの効果により
プラグ損傷が防止されている。したがって、スケ−ルの
断熱性能を確保した状態で、スケ−ルの潤滑性能を向上
させることによりプラグ寿命が延びる。 c)スケ−ルの高温での潤滑特性は、プラグ基体表面に
形成されるスケ−ルの種類により異なり、通常のスケ−
ル処理(酸化雰囲気)で形成されるFe系あるいは(F
e、Cr)系の酸化物単体のスケ−ルよりも、硫化物が
含まれる複合化合物の方が、高潤滑性能を示す。
【0016】d)スケ−ル付け雰囲気を通常の酸化性雰
囲気から、H2S を含有する弱還元性雰囲気にすること
により、硫化物を含有する複合酸化物が形成され、その
複合酸化物層は2層からなり、外層はFeSを含む層、
内層はFe3O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)
Sを含む層となる。
囲気から、H2S を含有する弱還元性雰囲気にすること
により、硫化物を含有する複合酸化物が形成され、その
複合酸化物層は2層からなり、外層はFeSを含む層、
内層はFe3O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)
Sを含む層となる。
【0017】e)この外層は、摩擦抵抗を下げる効果が
あり、内層は断熱効果があり地金の温度上昇を抑制する
効果がある。
あり、内層は断熱効果があり地金の温度上昇を抑制する
効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の継目無鋼管製造用
プラグとその製造方法の実施の形態について詳述する。
プラグとその製造方法の実施の形態について詳述する。
【0019】1.プラグa)基材[Ni:1〜5%、Cr:0.5〜12%(重
量%)] Niは、スケールを生成させる際にNiSを形成させる
のに必要であり、1%未満ではNiSが形成されにく
く、一方5%を超えると耐酸化性が向上し過ぎ、硫化物
が形成されないので上限を5%とした。
量%)] Niは、スケールを生成させる際にNiSを形成させる
のに必要であり、1%未満ではNiSが形成されにく
く、一方5%を超えると耐酸化性が向上し過ぎ、硫化物
が形成されないので上限を5%とした。
【0020】Crは、スケールを生成させる際に(F
e、Cr)3Or4を形成させるのに必要で、0.5%未
満であると(Fe、Cr)3Or4が形成されなく、一方
12%を超えると耐酸化性が向上しCrO3となり、
(Fe、Cr)3Or4 が形成されないので、上限を1
2%とした。
e、Cr)3Or4を形成させるのに必要で、0.5%未
満であると(Fe、Cr)3Or4が形成されなく、一方
12%を超えると耐酸化性が向上しCrO3となり、
(Fe、Cr)3Or4 が形成されないので、上限を1
2%とした。
【0021】プラグ基材の材質は、上記Ni、Crを含
有する低合金であればよく、他の成分は限定するもので
なく、通常使用されているプラグの化学成分でよい。例
えば、Ni、Cr以外にC:0.1〜1%、Si:0.
1〜1%、Mn:0.1〜1%、Mo:0.5〜5%、
必要によりW:0.5〜5%、Ti:0.5%以下を含
み残部Feからなる低合金鋼が好適である。b)スケール層 外層:穿孔時のプラグと高温の被穿孔材との摩擦抵抗を
下げるために外層はFeSを含んだ層とする。このFe
S以外は、硫化物生成時に不可避的に生成する酸化物で
ある。
有する低合金であればよく、他の成分は限定するもので
なく、通常使用されているプラグの化学成分でよい。例
えば、Ni、Cr以外にC:0.1〜1%、Si:0.
1〜1%、Mn:0.1〜1%、Mo:0.5〜5%、
必要によりW:0.5〜5%、Ti:0.5%以下を含
み残部Feからなる低合金鋼が好適である。b)スケール層 外層:穿孔時のプラグと高温の被穿孔材との摩擦抵抗を
下げるために外層はFeSを含んだ層とする。このFe
S以外は、硫化物生成時に不可避的に生成する酸化物で
ある。
【0022】内層:穿孔時にプラグは被穿孔材からの熱
伝達により温度が上昇するが、内層のスケールをFe3
O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)Sを含んだ
スケールとすることにより、内層のスケール層は断熱性
を備え、プラグの地金の温度上昇を抑制する。また、内
層のスケールは外層のスケールが摩滅した場合には焼き
付きを防止する。
伝達により温度が上昇するが、内層のスケールをFe3
O4、(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)Sを含んだ
スケールとすることにより、内層のスケール層は断熱性
を備え、プラグの地金の温度上昇を抑制する。また、内
層のスケールは外層のスケールが摩滅した場合には焼き
付きを防止する。
【0023】これらの効果は、スケール中にFe3O4、
(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)Sを含んいれば得
られ、その他は酸化物でFe2SiO4、Fe−Cr−M
o−O系等で、硫化物スケール生成処理時に不可避的に
生成する。これらの酸化スケールが存在しているのでス
ケール層とプラグ地金との密着性がよくなる。c)スケ−ル層の厚さ スケ−ル層は、上記したように断熱被膜としてプラグの
温度上昇を抑制すると共に、被圧延材との潤滑性を付与
するのに有効である。内外層の酸化スケ−ル層の合計厚
さが50μm未満では断熱効果が不十分でありプラグ温
度上昇によるプラグ先端の溶損や、潤滑効果も不十分な
ため焼き付きが発生してしまう。一方スケ−ル厚みが5
00μmを超えるとスケ−ル層内部に多数の空隙が発生
しスケ−ル層が剥離しやすくなる。従って、プラグ表面
のスケ−ル層の厚みは50〜500μmとした。また、
硫化物を生成させる処理をおこなうと、内層と外層との
厚さの比は1:1程度となる。
(Fe、Cr)3O4、(Fe、Ni)Sを含んいれば得
られ、その他は酸化物でFe2SiO4、Fe−Cr−M
o−O系等で、硫化物スケール生成処理時に不可避的に
生成する。これらの酸化スケールが存在しているのでス
ケール層とプラグ地金との密着性がよくなる。c)スケ−ル層の厚さ スケ−ル層は、上記したように断熱被膜としてプラグの
温度上昇を抑制すると共に、被圧延材との潤滑性を付与
するのに有効である。内外層の酸化スケ−ル層の合計厚
さが50μm未満では断熱効果が不十分でありプラグ温
度上昇によるプラグ先端の溶損や、潤滑効果も不十分な
ため焼き付きが発生してしまう。一方スケ−ル厚みが5
00μmを超えるとスケ−ル層内部に多数の空隙が発生
しスケ−ル層が剥離しやすくなる。従って、プラグ表面
のスケ−ル層の厚みは50〜500μmとした。また、
硫化物を生成させる処理をおこなうと、内層と外層との
厚さの比は1:1程度となる。
【0024】2.プラグの製造方法a)ガス雰囲気、H 2SおよびH 2Oの濃度(体積%) プラグ表面にスケ−ルを生成させるには、プラグを70
0〜1100℃の温度範囲内で保持する。このとき上記
の硫化物スケールを生成させるためには、高温処理にお
ける雰囲気としてH2SおよびH2Oを含んだガス雰囲気
中とする必要がある。
0〜1100℃の温度範囲内で保持する。このとき上記
の硫化物スケールを生成させるためには、高温処理にお
ける雰囲気としてH2SおよびH2Oを含んだガス雰囲気
中とする必要がある。
【0025】雰囲気ガスは、H2S、H2O以外にCO2
を5〜30%残部N2ガスが好適である。
を5〜30%残部N2ガスが好適である。
【0026】雰囲気中のH2S 濃度が0.1%未満なら
ば安定して、硫化物が形成されず、酸化スケ−ル単独と
なる。一方、雰囲気中のH2S 濃度が1%を超えると形
成されるスケ−ルは、硫化物スケ−ルのみとなり、酸化
物スケ−ルは形成されにくい。従って、雰囲気中のH2
S濃度は0.1〜1%とした。
ば安定して、硫化物が形成されず、酸化スケ−ル単独と
なる。一方、雰囲気中のH2S 濃度が1%を超えると形
成されるスケ−ルは、硫化物スケ−ルのみとなり、酸化
物スケ−ルは形成されにくい。従って、雰囲気中のH2
S濃度は0.1〜1%とした。
【0027】次に、H2O濃度であるが、処理雰囲気中
にH2Oが存在することにより酸化物スケ−ルがプラグ
基体表面に形成される。しかし雰囲気中のH2O 濃度が
1%未満ならば安定して酸化物スケ−ルが形成されず、
硫化物スケ−ル単独となる。一方雰囲気中のH2O 濃度
が5%を超える場合には形成されるスケ−ルは、酸化物
スケ−ルのみとなり、硫化物スケ−ルは形成されない。
したがって、雰囲気中のH2O濃度は1〜5%とした。
にH2Oが存在することにより酸化物スケ−ルがプラグ
基体表面に形成される。しかし雰囲気中のH2O 濃度が
1%未満ならば安定して酸化物スケ−ルが形成されず、
硫化物スケ−ル単独となる。一方雰囲気中のH2O 濃度
が5%を超える場合には形成されるスケ−ルは、酸化物
スケ−ルのみとなり、硫化物スケ−ルは形成されない。
したがって、雰囲気中のH2O濃度は1〜5%とした。
【0028】c)製造方法における雰囲気温度 プラグ基体表面に形成されるスケ−ル層の厚みは、雰囲
気温度と時間の組み合わせによって決定される。しか
し、スケ−ル層形成温度が700℃未満ではスケ−ルの
成長速度が著しく遅いため、下限を700℃とした。一
方、1100℃を超えると形成されるスケ−ル層中には
多量の空隙が形成されるようになるので、スケ−ルがも
ろくなり穿孔中に剥離するため上限を1100℃とし
た。
気温度と時間の組み合わせによって決定される。しか
し、スケ−ル層形成温度が700℃未満ではスケ−ルの
成長速度が著しく遅いため、下限を700℃とした。一
方、1100℃を超えると形成されるスケ−ル層中には
多量の空隙が形成されるようになるので、スケ−ルがも
ろくなり穿孔中に剥離するため上限を1100℃とし
た。
【0029】
【実施例】表1に示す3種の化学組成の鋼を、真空溶解
により溶製し、その後鍛造して鍛造材から下記寸法のマ
ンネスマン製管用プラグの基材を切削加工により32本
製作した。
により溶製し、その後鍛造して鍛造材から下記寸法のマ
ンネスマン製管用プラグの基材を切削加工により32本
製作した。
【0030】図1は、本実施例で使用したプラグの側面
図である。図中、D:78mm,L:122mmおよび
R:5mmであった。
図である。図中、D:78mm,L:122mmおよび
R:5mmであった。
【0031】
【表1】
【0032】表2に示すNo.1〜16の各種の処理条
件で、上記プラグ基材各2本ずつにスケ−ル生成処理を
施した。スケ−ル生成処理方法は、鋼製のボックス内に
にプラグを収納してボックスを加熱炉に入れて加熱する
方法とした。なお、加熱前から加熱処理が完了し、ボッ
クスが常温になるまでボックス内は表2に示すガスを通
気した。
件で、上記プラグ基材各2本ずつにスケ−ル生成処理を
施した。スケ−ル生成処理方法は、鋼製のボックス内に
にプラグを収納してボックスを加熱炉に入れて加熱する
方法とした。なお、加熱前から加熱処理が完了し、ボッ
クスが常温になるまでボックス内は表2に示すガスを通
気した。
【0033】
【表2】
【0034】このようにして得られた各プラグ表面に生
成したスケ−ルの構造をX線回折法により解析し、また
スケ−ル厚みを 光学顕微鏡により測定した。
成したスケ−ルの構造をX線回折法により解析し、また
スケ−ル厚みを 光学顕微鏡により測定した。
【0035】次に、上記各プラグを用いて、SUS42
0J1(13Cr)およびSUS304(18Cr−8
Ni)のステンレス鋼丸ビレット(外形:110mm、
長さ2700mm)を下記温度で加工した後穿孔圧延し
た。
0J1(13Cr)およびSUS304(18Cr−8
Ni)のステンレス鋼丸ビレット(外形:110mm、
長さ2700mm)を下記温度で加工した後穿孔圧延し
た。
【0036】ビレット加熱温度 13Crステンレス鋼 :1200℃ 18Cr−8Niステンレス鋼 :1250℃ 上記穿孔条件でプラグの寿命がくるまで穿孔を繰り返
し、鋼管を製造した。寿命まで何本の鋼管を製造するこ
とができたかを調べた。なお、プラグ寿命はプラグ先端
が変形した時点とした。結果を表2にあわせて示す。
し、鋼管を製造した。寿命まで何本の鋼管を製造するこ
とができたかを調べた。なお、プラグ寿命はプラグ先端
が変形した時点とした。結果を表2にあわせて示す。
【0037】同表から明らかなように、本発明で規定す
る条件を満たしていないスケール層を有するプラグを使
用した場合、13Crフェライト系ステンレス鋼で2〜
3本のビレットの穿孔、18Cr−8Niオーステナイ
ト系ステンレス鋼では1本のビレットの穿孔しかできな
かった。
る条件を満たしていないスケール層を有するプラグを使
用した場合、13Crフェライト系ステンレス鋼で2〜
3本のビレットの穿孔、18Cr−8Niオーステナイ
ト系ステンレス鋼では1本のビレットの穿孔しかできな
かった。
【0038】それに対し、本発明のプラグを使用した場
合、13Crフェライト系ステンレス鋼では8〜10本
のビレットの穿孔を、18Cr−8Niオーステナイト
系ステンレス鋼では5〜6本のビレットの穿孔をするこ
とができた。
合、13Crフェライト系ステンレス鋼では8〜10本
のビレットの穿孔を、18Cr−8Niオーステナイト
系ステンレス鋼では5〜6本のビレットの穿孔をするこ
とができた。
【0039】
【発明の効果】本発明のプラグは、高合金鋼、ステンレ
ス鋼、Ni基合金等の変形抵抗が高く焼き付き易い材料
のマンネスマン製管において、優れた耐久性を発揮し、
継目無鋼管の製造コストを下げることができ産業上極め
て有効である。
ス鋼、Ni基合金等の変形抵抗が高く焼き付き易い材料
のマンネスマン製管において、優れた耐久性を発揮し、
継目無鋼管の製造コストを下げることができ産業上極め
て有効である。
【図1】本実施例で使用したプラグの側面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5
〜12%を含有する低合金鋼からなるプラグ基体と、そ
の表面に生成させたスケール層とからなる継目無鋼管製
造用プラグであって、スケール層は下記する外層と内層
からなり、内外層の合計厚さが50〜500μmである
ことを特徴とする継目無鋼管製造用プラグ。 外層:FeSを含むスケール層 内層:Fe3O4、(Fe、Cr)3O4および(Fe、N
i)Sを含むスケール層 - 【請求項2】重量%で、Ni:1〜5%、Cr:0.5
〜12%を含有する低合金鋼をプラグ基体に成形加工
し、このプラグ基体を体積%で0.1〜1%のH2S お
よび1〜5%のH2O を含有する雰囲気ガス中で700
℃〜1100℃の温度範囲に加熱し、プラグ基体表面に
厚さ50μm〜500μmのスケール層を生成させるこ
とを特徴とする継目無鋼管製造用プラグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29847197A JPH11129008A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 継目無鋼管製造用プラグとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29847197A JPH11129008A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 継目無鋼管製造用プラグとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11129008A true JPH11129008A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17860141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29847197A Pending JPH11129008A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 継目無鋼管製造用プラグとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11129008A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004020685A1 (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-11 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | 有層鋼材製部材およびその製造方法 |
CN114561596A (zh) * | 2022-01-20 | 2022-05-31 | 长沙市萨普新材料有限公司 | 一种通过金属间化合物强硬化的无碳高速钢穿孔顶头及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP29847197A patent/JPH11129008A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004020685A1 (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-11 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | 有層鋼材製部材およびその製造方法 |
CN114561596A (zh) * | 2022-01-20 | 2022-05-31 | 长沙市萨普新材料有限公司 | 一种通过金属间化合物强硬化的无碳高速钢穿孔顶头及其制备方法 |
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