JPH11128723A - 有機単分子薄膜の製造方法 - Google Patents

有機単分子薄膜の製造方法

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JPH11128723A
JPH11128723A JP29659697A JP29659697A JPH11128723A JP H11128723 A JPH11128723 A JP H11128723A JP 29659697 A JP29659697 A JP 29659697A JP 29659697 A JP29659697 A JP 29659697A JP H11128723 A JPH11128723 A JP H11128723A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、単分子薄膜を自己組織化の方法で作製
した場合には、シリコン基板上のOH基の密度が低いた
め、ピンホールやドメイン等膜の欠陥を多くもった単分
子薄膜しか得られなかった。また、従来の方法では、デ
バイスヘの応用範囲が狭くなったり、デバイスを構築す
るプロセスが複雑になるといった欠点も有していた。 【解決手段】 本発明の製造方法では、単結晶Si基板
表面をNH4F溶液に浸漬する工程と、次に前記単結晶
Si基板表面をH22溶液に浸漬する工程と、次に前記
単結晶Si基板上に、共有結合形成性基を有する直鎖状
の有機分子で単分子膜を形成する工程と、を含むことに
よって、欠陥の少ない良質な単分子膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Si基板上に2次
元的に規則正しく配列した有機単分子膜を形成する有機
単分子薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機単分子膜としては、従来より、ラン
グミュアー・ブロジェット(Langmuir Blo
dgett)膜(以下、LB膜と呼ぶ)と自己組織化単
分子膜(Self−assembled monola
yer)が知られている(Abraham Ulman
=An Introduction to Ultra
th in Organic Films From
Langmuir−Blodgett to Self
−Assembly Academic Press
1991)。
【0003】LB膜は、親水性の原子団と疎水性の原子
団を併せ持つ、両親媒性分子を水面上に単分子膜として
展開し(L膜)、それを固体基板に移し取って幾層にも
累積したもので、この手法を開発したLangmuir
とBlodgettの名前を冠してLB膜と称してい
る。
【0004】LB膜は、単分子膜の疎水性・親水性の違
いを利用して、水面上に展開した膜を基板上に移し取る
ので、単分子膜自体の結晶性は、単分子膜を展開しそれ
をパッキングした時点で決まる。そのため、単分子膜の
結晶性は、基板の種類に依存せず、あらゆる基板に膜を
形成することができる。しかしながら、LB膜の性質
上、基板に単分子が物理吸着しているだけで基板と単分
子膜間の相互作用は極めて弱く、複雑なデバイスを構築
する上で、耐酸アルカリ性、耐久性等に弱いという欠点
を有している。
【0005】一方、自己組織化単分子膜は、分子の末端
の官能基が基板構成原子と選択的に化学吸着することに
より得られる膜である。従って、その吸着機構の性質
上、単分子膜のみが自己組織化された状態で形成される
ことから、自己組織化単分子膜(Self−assem
bled monolayer)と呼ばれている。
【0006】また、できた自己組織化単分子膜の外側の
末端基の種類を選ぶことにより、累積膜も形成すること
が可能である。これら分子膜は、分子同士のファン・デ
ル・ワールス力により二次元的な分子集合体を形成して
おり、これらの方法を用いて分子のパッキングを規則的
な配列、即ち、二次元結晶を創製することができる。そ
して、この特徴を生かして種々の電子デバイス、光デバ
イス等を構築することができる。
【0007】自己組織化単分子膜は、LB膜のような基
板と単分子膜との相互作用が弱いことによる欠点は無い
が、分子の官能基と基板の化学吸着を利用するので、そ
の組み合わせに制約があり、これまで、酸化シリコン、
酸化アルミニウム、酸化銀、雲母、金、銅、GaAs等
の基板上で単分子膜が実現されている。
【0008】現在、デバイス材料において最も重要なシ
リコン基板上に限れば、シリコン酸化膜上のOH基と共
有結合形成性基を有する直鎖状の有機分子との共有結合
を利用した自己組織化単分子膜のみが得られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】シリコン基板上のOH
基は基板の表面を酸などを用いて処理することにより、
シリコン酸化膜を形成すると同時に容易に発生させるこ
とができる。しかしながら、表面におけるOH基は最密
でも20平方オングストローム当たりに1個という密度
で存在するにすぎないことが知られている(Z.ano
rg.allg.Chem.,389,92(197
2))。したがって、この方法によりシリコン酸化膜上
のOH基と有機分子の官能基とを反応させて自己組織化
単分子膜を形成させようとしても、パッキングが十分で
はないと考えられる。
【0010】実際、シリコン酸化膜上に形成された自己
組織化単分子膜は現状ではピンホールやドメイン等膜の
欠陥を多くもったものとなっている。即ち、膜質がLB
膜に比べ悪いという欠点を有している。この膜質の良否
は、その単分子膜に特徴的な機能性を発現する量子効率
に直接関係するので、デバイス作製上大きな影響を与え
ることになる。
【0011】さらに、シリコン表面に直接、自己組織化
単分子膜を形成するのではなく、シリコン表面を酸化し
たシリコン酸化膜上に自己組織化単分子膜を形成するた
め、デバイスヘの応用範囲が狭くなったり、デバイスを
構築するプロセスが複雑になるといった欠点も有してい
る。
【0012】本発明の目的はピンホールが発生し難く、
良質でかつ基板に強固に接着され、シリコンに直接単分
子膜が形成される有機単分子薄膜の製造方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の有機単分子膜の
製造方法は、単結晶Si基板表面をNH4Fを含む溶液
に浸漬する工程と、次に前記単結晶Si基板表面をH2
2を含む溶液に浸漬する工程と、次に前記単結晶Si
基板上に、共有結合形成性基を有する直鎖状の有機分子
で単分子膜を形成する工程と、を有する。
【0014】また、単結晶Si基板表面をNH4Fを含
む溶液に浸漬する工程と、次に前記単結晶Si基板をア
ルカリ溶液に浸漬する工程と、次に前記単結晶Si基板
上に、共有結合形成性基を有する直鎖状の有機分子で単
分子膜を形成する工程と、を含む方法でも構わない。
【0015】また、前記共有結合形成性基が、クロロシ
リル基あるいは低級アルコキシシリル基が好ましい。
【0016】このような本発明の方法によれば、シリコ
ン基板表面に非常に高密度かつ規則正しく存在するH基
をOH基に置換し、そのOH基と共有結合形成性基を有
する直鎖状の有機分子の官能基とを反応させて自己組織
化単分子膜を形成させるため、パッキングが十分とな
る。従って、シリコン上に形成された自己組織化単分子
膜はピンホールが発生し難いものとなり、良質でかつ基
板に強固に接着された単分子膜が形成され、膜の持つ機
能性を最大限に発現させることができ、かつ耐酸アルカ
リ性、耐久性、信頼性のある膜を作製することができ
る。
【0017】また、H終端シリコン表面はH終端を行う
と同時に原子レベルでの平坦化も行うことができるた
め、形成された自己組織化単分子膜表面も原子レベルで
の平坦性を有していること及びシリコン表面に直接自己
組織化単分子膜が形成されているので、様々な新機能デ
バイスヘの応用が期待でき、デバイスを構築するプロセ
スが簡易化される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる単分子膜を構
成する分子は、一端に共有結合形成性基を有する直鎖状
有機分子である。この共有結合形成性基としては、クロ
ロシリル基もしくは低級アルコキシシリル基が挙げられ
る。
【0019】即ち本発明に用いられる単分子膜を構成す
る分子は、 一般式(1) W−(CH2p−Z−(CH2q−SiCln3-n 又は、一般式(2) W−(CH2p−Z−(CH2q−Si(OR)n3-n (但し、式中nは1〜3の整数、p及びqは負を含まな
い整数でp+qは5〜17程度が最も扱いやすい。Wは
−CH3,−CH=CH2,−COOH,ハロゲン原子,
−CO2CH3,−SiCln3-n,−Si(OR)n
3-n,−CN等が挙げられる。ZはCH2,アルケニィレ
ン,アルキィニレン,フェニレン,アミノフェニレン,
アルキルフェニレン,フェニレンピニレン,フェニレン
エチニレン,ピリジェニレン,ピルジルピニレン,ピル
ジルエチニル,チェニレン,ピロニレン,アセン(即ち
重合多環)の骨格、ピリジノピリジェニレン等が挙げら
れる。Xは低級アルキル基で特にCH3またはC25
好ましい。Rは、低級アルキル基であり、例えばCH3
などが用いられる)で表される。
【0020】以下に、図を用いて本発明の実施例を具体
的に説明する。本実施例では単分子膜を構成する分子
が、上記の一般式(1)の内オクタデシルトリクロロシ
ラン[CH3(CH217SiCl3]及びオクタデシル
トリメトキシシラン[CH3(CH217Si(OC
33]を用いて説明するが、他のクロロシリル基もし
くは低級アルコキシシリル基を有する一般式(1)ある
いは一般式(2)で表される有機分子を用いて単分子膜
を形成する場合についても、本発明は適用することがで
きる。
【0021】[実施例1]図1に、本発明に係る単分子
膜の製造工程図を示す。Si基板1は(111)面を用
い、オフアングルは0.50以下であり、0.00に近
ければ近いほど好ましい。このSi基板1を水蒸気酸化
により、表面に約3000Åの酸化膜を形成させた。こ
れはSiO2/Siの界面をクリアな状態に保つための
保護膜として形成させたものである。このSi基板1を
有機溶剤により油脂類、H2SO4:H22=1:4の混
合溶液により有機物、金属類を除去した。続いてHF溶
液(10%)により浸漬させ、保護膜として形成したS
iO2膜を除去し、超純水によりリンスを行った。続い
てNH4F溶液(50%)に約30分浸漬させることに
より、表面の原子レベルでの平坦化とHの終端化を同時
に行い、Si基板1表面をH基2で高密度(1個/1
2.5平方オングストローム)に終端した。NH4F溶
液よりSi基板1を取り出し、超純水リンス、N2ブロ
ーを行った。以上までの工程を図1(a)に示す。
【0022】次に、上記のH終端したSi基板1を、す
ばやくあらかじめ用意しておいた、オクタデシルトリク
ロロシラン分子濃度が1mMのn−ヘキサデカン:70
ml,四塩化炭素:30mlの化学吸着剤溶液3に浸漬
した。この時点ではSi基板1とオクタデシルトリクロ
ロシラン分子とは反応しない。以上までの工程を図1
(b)に示す。
【0023】次に、H終端したSi基板1が浸漬されて
いる化学吸着剤溶液3にH22酸化反応液を加えてH2
2酸化反応を行った後、クロロホルムで洗浄、窒素ブ
ロー乾燥を順次行うことにより、Si基板1上に単分子
膜を形成させた。なおH22酸化反応液はクロロホル
ム:0.5ml,四塩化炭素:0.5ml,H22
0.01mlの混合溶液を用いた。以上までの工程を図
1(c)に示す。
【0024】以下に単分子が形成されるまでの過程を化
学反応式を用いて順次説明する。まず、H22酸化反応
液により、H終端したSi基板1表面のSi−H基2が
切断され、Si−OH基が形成される。この反応式を下
記式(化1)に示す。
【0025】
【化1】
【0026】次に下記式(化2)に示すように、形成さ
れたSi−OH基とオクタデシルトリクロロシラン分子
の−SiCl基とが脱塩酸反応してSiOなる共有結合
が形成され、基板表面にはCH3(CH217−Si−O
−の単分子膜が形成されていく。
【0027】
【化2】
【0028】Si−Clの結合エネルギーはSi−Hの
結合エネルギーよりも大きいため上記の反応(化1,
2)より遅れて、下記式(化3)に示すようにH22
化反応液により、まだ未反応のオクタデシルトリクロロ
シラン分子の−SiCl基が切断され、SiOH基が形
成される。
【0029】
【化3】
【0030】次に24時間程度浸漬後、溶液からSi基
板1を取り出し、クロロホルムで10分間洗浄した上で
窒素ブローにより乾燥させる。この乾燥により、Si−
OH基同士が脱水縮合を起こし、下記式(化4)に示す
ようにシロキサン結合(SiO−)が形成される。
【0031】
【化4】
【0032】得られたSi基板1について高感度反射赤
外分光法で分光した結果を図4に示す。図4に示すよう
に2923cm-1及び2854cm-1におけるアルキル
鎖のCH2の対称・非対称の伸縮振動の吸収と2956
cm-1及び2871cm-1におけるCH3の対称・非対
称の伸縮振動の吸収が見られた。これによって、得られ
たSi基板1上に、オクタデシルトリクロロシラン分子
からなる単分子膜4が形成されていることが明らかにな
った。
【0033】次に、形成された単分子膜4の膜質をAF
Mを用いて検討した。図5に、形成された単分子膜4表
面の観察領域が1.5×1.5μmでのAFM像(原子
間力顕微鏡像)を示す。X軸、Y軸は観察領域を表して
おり、Z軸は高さを表している。X軸の左右で高さの異
なる原子レベルで平坦な単原子ステップが存在すること
が分かる。つまり、ピンホールや突起物などの欠陥が全
くない原子レベルで平坦なテラスとSi基板の単原子ス
テップを反映したステップが縦に走っているのが観察さ
れ、Si基板同様に単分子膜表面も原子レベルでの平坦
性も保っていることが分かる。このことは、H終端した
Si基板1を用いて形成した自己組織化単分子膜はピン
ホール等の膜の欠陥が全くなく良質な膜が形成されてい
ることを示している。
【0034】[実施例2]実施例1で述べたように、H
終端したSi基板1をオクタデシルトリクロロシラン分
子濃度が1mMのn−ヘキサデカン(C1635):70
ml,CCl4:30mlの化学吸着剤溶液3に浸漬さ
せた。次に、H終端したSi基板1が浸漬されている化
学吸着剤溶液3にアルカリ処理反応液を加えてアルカリ
処理反応を行った後、クロロホルムで洗浄、窒素ブロー
乾燥を順次行うことにより、図3に示すようにSi基板
1上に単分子膜4を形成させた。なおアルカリ処理反応
液は0.1%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、
水酸化ナトリウム代わりに水酸化カリウム、水酸化テト
ラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラブチルアンモニウムのいずれを用いて
も良い。
【0035】以下に単分子が形成されるまでの過程を化
学反応式を用いて順次説明する。まず、アルカリ処理反
応液により、H終端したSi基板1表面のSi−H基2
が切断され、Si−OH基が形成される。この反応式を
下記式(化5)に示す。
【0036】
【化5】
【0037】次に、下記式(化6)に示すように、形成
されたSiOH基5とオクタデシルトリクロロシラン分
子の−Si−Cl基とが脱塩酸反応してSiOなる共有
結合が形成され、基板表面にはCH3(CH217−Si
−O−の単分子膜が形成されていく。
【0038】
【化6】
【0039】SiCl結合エネルギーはSiHの結合エ
ネルギーよりも大きいため上記の反応(化5,6)より
遅れて、下記式(化7)に示すようにアルカリ処理反応
液により、まだ未反応のオクタデシルトリクロロシラン
分子の−Si−Cl基が切断され、Si−OH基が形成
される。
【0040】
【化7】
【0041】次に24時間程度浸漬後、溶液からSi基
板1を取り出し、クロロホルムで10分間洗浄した上で
窒素ブローにより乾燥させる。この乾燥により、SiO
H基同士が脱水縮合を起こし、下記式(化8)に示すよ
うにシロキサン結合(SiO−)が形成される。
【0042】
【化8】
【0043】得られたSi基板1について高感度反射赤
外分光法で分光した結果を図6に示す。図6に示すよう
に、2923cm-1汲び2854cm-1におけるアルキ
ル鎖のCH2の対称・非対称の伸縮振動の吸収と295
6cm-1汲び2871cm-1におけるCH3の対称・非
対称の伸縮振動の吸収が見られた。これによって、得ら
れたSi基板1上に、オクタデシルトリクロロシラン分
子からなる単分子膜4が形成されていることが明らかに
なった。
【0044】次に、形成された単分子膜4の膜質をAF
Mを用いて検討した。図7に形成された単分子膜4表面
の観察領域が1.5×1.5μmでのAFM像(原子間
力顕微鏡像)を示す。図5と同様にピンホールや突起物
などの欠陥は全く観察されず、Si基板の単原子ステッ
プを反映したステップが、縦に走っているのが見られ、
Si基板同様単分子膜表面も原子レベルでの平坦性も保
っていることが分かる。このことは、H終端したSi基
板1を用いて形成した自己組織化単分子膜はピンホール
等の膜の欠陥が全くなく良質な膜が形成されていること
を示している。
【0045】[実施例3]実施例1においてオクタデシ
ルトリクロロシラン分子をオクタデシルトリメトキシシ
ラン分子に変えて同様の実験を行った。実施例1の脱塩
酸反応が脱エタノール反応に変わる以外は前記化学反応
式(化1〜4)と同様に進行し、次に示す化学式(化
9)のように反応し単分子膜4が形成されていく。
【0046】
【化9】
【0047】得られたSi基板1について高感度反射赤
外分光法で分光した結果、実施例1同様2923cm-1
及び2854cm-1におけるアルキル鎖のCH2の対称
・非対称の伸縮振動の吸収と2956cm-1及び287
1cm-1におけるCH3の対称・非対称の伸縮振動の吸
収が見られた。これによって、得られたSi基仮1上
に、オクタデシルトリエトキシシラン分子からなる単分
子膜4が形成されていることが明らかになった。
【0048】次に、形成された単分子膜4の膜質をAF
Mを用いて検討したところ実施例1同様ピンホールや突
起物などの欠陥は全く観察されず、Si基板の単原子ス
テップを反映したステップが、縦に走っているのが見ら
れ、Si基板同様単分子膜表面も原子レベルでの平坦性
も保っていることが分かる。このことは、H終端したS
i基板1を用いて形成した自己組織化単分子膜はピンホ
ール等の膜の欠陥が全くなく良質な膜が形成されている
ことを示している。
【0049】[実施例4]実施例2においてオクタデシ
ルトリクロロシラン分子をオクタデシルトリメトキシシ
ラン分子に変えて同様の実験を行った。実施例2の脱塩
酸反応が脱メタノール反応に変わる以外は前記化学反応
式(化5〜8)と同様に進行し、次に示す化学式(化1
0)のように反応し単分子膜が形成されていく。
【0050】
【化10】
【0051】得られたSi基板1について高感度反射赤
外分光法で分光した結果、実施例2同様2923cm-1
及び2854cm-1におけるアルキル鎖のCH2の対称
・非対称の伸縮振動の吸収と2956cm-1及び287
1cm-1におけるCH3の対称・非対称の伸縮振動の吸
収が見られた。これによって、得られたSi基板1上
に、オクタデシルトリクロロシラン分子からなる単分子
膜4が形成されていることが明らかになった。
【0052】次に、形成された単分子膜4の膜質をAF
Mを用いて検討したところ実施例2と同様ピンホールや
突起物などの欠陥は全く観察されず、Si基板の単原子
ステップを反映したステップが、縦に走っているのが見
られ、Si基板同様単分子膜表面も原子レベルでの平坦
性も保っていることが分かる。このことは、H終端した
Si基板1を用いて形成した自己組織化単分子膜はピン
ホール等の膜の欠陥が全くなく良質な膜が形成されてい
ることを示している。
【0053】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の単分子薄膜製造
方法によれば、Si基板上に、結晶性が極めて良質で基
板との密着性の良好な二次元単分子薄膜が作製できうる
ことから、極薄保護膜、絶縁膜としてのみならず、超微
細加工用単分子レジスト、センサーヘの利用が可能とな
る。また、形成された自己組織化単分子膜表面が原子レ
ベルで平坦であること及びSi表面に直接自己組織化単
分子膜が形成されているため、様々な新機能デバイスへ
の応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いたH終端したSi基板の
横断面図である。
【図2】本発明の実施例の化学吸着工程を説明する横断
面図である。
【図3】本発明の実施例の化学吸着単分子膜形成後の横
断面図である。
【図4】本発明の実施例1より得られた単分子膜の赤外
吸収スペクトルを示す線図である。
【図5】本発明の実施例1より得られた単分子膜表面の
AFM像の概略図である。
【図6】本発明の実施例2より得られた単分子膜の赤外
吸収スペクトルを示す線図である。
【図7】本発明の実施例2より得られた単分子膜表面の
AFM像の概略図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 Si−H基 3 化学吸着剤溶液 4 単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 幹宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶Si基板表面をNH4Fを含む溶
    液に浸漬する工程と、 次に前記単結晶Si基板表面をH22を含む溶液に浸漬
    する工程と、 次に前記単結晶Si基板上に、共有結合形成性基を有す
    る直鎖状の有機分子で単分子膜を形成する工程と、を含
    むことを特徴とする有機単分子薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 単結晶Si基板表面をNH4Fを含む溶
    液に浸漬する工程と、 次に前記単結晶Si基板をアルカリ溶液に浸漬する工程
    と、 次に前記単結晶Si基板上に、共有結合形成性基を有す
    る直鎖状の有機分子で単分子膜を形成する工程と、を含
    むことを特徴とする有機単分子薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記共有結合形成性基が、クロロシリル
    基であることを特徴とする請求1又は2に記載の有機単
    分子薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記共有結合形成性基が、低級アルコキ
    シシリル基であることを特徴とする請求1又は2に記載
    の有機単分子薄膜の製造方法。
JP29659697A 1997-10-29 1997-10-29 有機単分子薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3929142B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006517463A (ja) * 2003-02-11 2006-07-27 プリンストン ユニヴァーシティ 表面に結合した、有機酸を用いた単分子層
WO2006112408A1 (ja) * 2005-04-15 2006-10-26 National University Corporation Nagoya University 自己組織化単分子膜の作製方法とその利用

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