JP3284241B2 - 有機薄膜の製造方法 - Google Patents

有機薄膜の製造方法

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JP3284241B2 JP28278197A JP28278197A JP3284241B2 JP 3284241 B2 JP3284241 B2 JP 3284241B2 JP 28278197 A JP28278197 A JP 28278197A JP 28278197 A JP28278197 A JP 28278197A JP 3284241 B2 JP3284241 B2 JP 3284241B2
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一志 藤岡
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郷子 御手洗
洋志 徳本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化 III−V族化
合物半導体基板上に2次元的に規則正しく配列した単分
子及び有機累積膜を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機単分子膜あるいは有機累積膜として
は、従来より、ラングミュアー・ブロジェット(Langmu
ir Blodgett)膜(以下、LB膜と呼ぶ。)とセルフアセ
ンブル膜(self-assembled monolayer)が知られている(A
braham Ulman:An Intorductionto Ultrarhin Organic F
ilms From Langmuir-Blodgett to Self-Assembly,Acade
mic Press 1991)。LB膜は、親水性の原子団と疎水性
の原子団を併せ持つ、両親媒性分子を水面上に単分子膜
として展開し(L膜)、それを固体基板に移し取って幾
層にも累積したもので、この手法を開発したLangmuirと
Blodgettの名前を冠してLB膜と称している。LB膜
は、膜と基板の疎水性・親水性の違いを利用して、水面
上に展開した膜を基板上に移し取るので、膜自体の結晶
性は、膜を展開しそれを圧縮した時点で決まる。そのた
め、膜の結晶性は、基板の種類に依存せず、あらゆる基
板に膜を形成することができる。しかしながら、LB膜
の性質上、基板と単分子膜間の相互作用は極めて弱く、
複雑なデバイスを構築する上で、耐酸アルカリ性、耐久
性等に弱いという欠点を有している。また、LB膜を作
製するためには、両親媒性分子を溶液表面に展開し、そ
の分子を面内で圧縮し、その後基板上に写し取るための
専用装置が必要である。
【0003】一方、セルフアセンブル膜は、分子の末端
の官能基が基板構成原子と選択的に化学吸着することに
より得られる膜である。従って、その吸着機構の性質
上、単分子膜のみが自己組織化された状態で形成される
ことから、セルフアセンブル膜(self-assembled monol
ayer) と呼ばれている。基板を分子を含む溶媒中に浸漬
するだけで膜を形成できるので大きな複雑な装置を必要
とせず、出来たセルフアセンブル膜の外側の末端基の種
類を選ぶことにより、累積膜を形成することも原理的に
は可能である。これら分子膜は、分子同士のファン・デ
ル・ワールス力により二次元的な分子集合体を形成して
おり、これらの方法を用いて分子のパッキングを規則的
な配列、即ち、二次元結晶を創製することができる。そ
して、この特徴を生かして種々の電子デバイス、光デバ
イス等を構築することができる。
【0004】このセルフアセンブル膜は、LB膜のよう
に上記の欠点は無いが、分子の官能基と基板との化学吸
着を利用するので、その組み合わせに制約があり、これ
まで、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化銀、雲母、
金、銅、GaAs等の基板上で単分子膜が実現されてい
る。GaAs基板上に限れば、GaAs基板を塩酸処理
でAs終端化した後、窒素雰囲気中でSH基を含む有機
分子の溶融液を表面に塗布し、約100℃で5時間保持
する方法でのみセルフアセンブル膜が得られているのが
現状である。
【0005】このようにセルフアセンブル膜はLB膜に
比べ多くの利点を備えながら、 III−V族化合物半導体
上のセルフアセンブル膜やその多層膜の例は、今までに
極めて少ないのが現状である。セルフアセンブル膜の多
くの利点を引き継いだ状態でかつ多層膜を形成すること
は、より複雑な単分子膜では実現できない特性を発現で
き、また多層膜化することで機能性の増幅作用が期待さ
れるので、極めて重要な技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、これまで前例がない酸化 III−V族化合物半導体基
板上に膜作製用分子を選択的に化学吸着させることによ
り、欠陥の少ない良質でかつ強固な有機単分子膜を作製
し、さらにその単分子膜上に化学吸着を利用して異なる
種類の有機分子を累積することにより、膜厚の制御を分
子長単位で可能にし、原子レベルで平坦、緻密で、ピン
ホールのない極めて良質な有機薄膜の製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の有機薄膜の製造方法は、基本的には、酸化し
た III−V族化合物半導体基板を、末端基にPH
基誘導体をもつ両親媒性有機分子を含む溶液に浸漬
して、基板表面上に有機分子を化学吸着させることによ
り、第1の有機単分子膜を形成することにある。この第
1の有機単分子膜は、金属イオンを含む溶液中に浸漬し
て単分子膜表面に金属イオンを吸着させ、あるいは化学
処理により表面官能基をOH基に変成せしめた後、その
金属イオンあるいはOH基に選択的に化学吸着する官能
基を持つ有機分子を含む溶液中に浸漬することにより、
上記第1の有機単分子膜上にさらに有機単分子膜を累積
することができる。
【0008】また、上記方法においては、第1の有機単
分子膜上にさらに有機単分子膜を累積形成する工程を繰
り返すことにより、膜厚を有機分子長単位で制御しなが
ら、有機膜間の結合力の強い、しかも膜の面内方向が規
則正しく配列した累積膜を形成することができる。この
ような本発明の方法によれば、 III−V族化合物半導体
基板を用い、末端にPH 基を有する分子との選
択的な化学吸着現象を利用するので、良質でかつ基板に
強固に接着された、ラテラル方向及び垂直方向の両方向
に規則正しく配列した単分子膜並びに累積多層膜が形成
される。従って、膜の持つ機能性を最大限に発現させる
ことが出来、かつ耐酸アルカリ性、耐久性、信頼性を有
し、絶縁特性の良好な膜を作製することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る有機薄膜の製造方法
において、酸化した III−V族化合物半導体基板上に有
機単分子膜(第1の有機単分子膜)を形成するに際して
は、上述したように、まず、末端基にPH 基誘
導体をもつ両親媒性有機分子を希釈した有機溶媒中に、
III−V族化合物半導体基板酸化表面を露出させること
により、基板上に有機分子を化学吸着させ、その分子の
単分子膜を形成する。さらに具体的に説明すると、上記
第1の有機単分子膜を形成する両親媒性有機分子として
は、他端にCOOH基やPH 基を有する有機分
子を用いることができ、これによって形成した第1の有
機単分子膜上にさらに有機単分子膜を累積するに際して
は、上記基板を金属イオンを含む溶液中に浸漬した後、
一端にSH基を有し他端にCOOH基を有する両親媒性
分子を含む溶液、あるいは両端にPH 基を有す
る両親媒性分子を含む溶液に浸漬し、有機単分子膜を累
積させる。さらに多層に累積させるには、この工程を繰
り返せばよい。
【0010】また、上記酸化した III−V族化合物半導
体基板を、一端にPH 基誘導体を持ち他端にC
OOCH 基またはCH =CH基を持つ両親媒性有
機分子を含む溶液に浸漬して、表面上に有機分子を化学
吸着させることにより、第1の有機単分子膜を形成する
ことができ、この場合には、さらに有機単分子膜を累積
させるに際し、その基板を有機溶媒に溶かし込んだLi
AlH 溶液及び希塩酸で処理し、あるいは、有機溶
媒に溶かし込んだB 溶液及び水酸化ナトリウム
と過酸化水素の混合溶液で処理することにより、表面官
能基をOH基に変成せしめた後、一端にCOOCH
基またはCH =CH基を有し他端にSiCl 基を
有する両親媒性分子を含む溶液に浸漬し、第1の有機単
分子膜上にさらに有機単分子膜を累積させる。
【0011】末端基にPH 基誘導体を持つ両親
媒性有機分子として、ヘキサデシルビスフォスフォン酸
[H P(CH15PO ]を使っ
て有機薄膜を形成する場合に、例えば、純エタノールで
10mMに希釈したヘキサデシルビスフォスフォン酸溶
液中で III−V族化合物半導体基板を清浄化し、自然酸
化後、そのまま浸漬するときは、一般的にその浸漬時間
は1時間〜10日間とすることができるが、1時間〜3
日間とするのが好ましく、1時間〜12時間とするのが
より好ましい。なお、ここでは、16−ヘキサデシルフ
ォスフォン酸を用いて単分子膜を得る場合について述べ
ているが、他のPH 基を有する分子の膜を形成
する場合についても、一般的に上述したところを適用す
ることができる。
【0012】上記第1の単分子膜を形成した後、有機多
層膜を III−V族化合物半導体表面上に作製した該セル
フアセンブル膜上に累積するに際し、例えば、純エタノ
ールで1mMに希釈した銅アセテート[(CH CO
O) Cu]溶液に III−V族化合物半導体基板を浸
漬する場合、一般的にその浸漬時間は1秒〜30分とす
ることができるが、10秒〜10分間とするのが好まし
く、30秒〜5分間とするのがより好ましい。基板を取
り出して純エタノールで超音波洗浄したのち、第2層目
の有機分子膜を累積するに際し、例えば純エタノールで
10mMに希釈した15−メルカプトヘキサデシルカル
ボン酸溶液にCuイオンで処理したセルフアセンブル膜
GaAs基板を浸漬する場合、一般的にその浸漬時間は
30分〜10日間とすることができるが、40分〜1日
間とするのが好ましく、1〜4時間とするのがより好ま
しい。第2層目以降も同様な条件で基板を銅アセテート
溶液と15−メルカプトヘキサデシルカルボン酸溶液に
交互に浸漬することにより、所定の厚さの累積膜を得る
ことができる。
【0013】なお、ここでは、15−メルカプトヘキサ
デシルカルボン酸を用いて多層膜を累積する場合につい
て述べているが、他の有機分子累積膜を形成する場合に
ついても、一般的に上述したところを適用することがで
きる。また、上記の例では、いずれも溶液濃度を10m
Mに限定した場合について述べたが、上記のような有機
分子膜を得るためには、濃度に応じて浸漬時間を調節す
る必要がある。以下に、本発明の実施例と共に、さらに
具体的な好ましい実施の形態を例示する。
【0014】[実施の形態1] 図1は、本発明に基づいて有機多層薄膜を製造する実施
の形態の一例を説明するためのものである。同図におい
て、第1槽1は、エタノール溶媒1mMオクタデシルビ
スフォスフォン酸[H P(CH18PO
]溶液を満たした容器であり、有機薄膜の製造
に際しては、まず、H とHSO の混合溶
液で表面清浄化した後、純水で洗浄し乾燥させたGaA
s基板2をこの第1槽の溶液中に浸漬する。オクタデシ
ルビスフォスフォン酸を化学吸着するときの溶液の温度
は、室温でもよいし、加熱されたものでもよい。溶媒
は、エタノール溶液以外の有機溶媒を用いてもよいし、
純水であってもよいが、有機溶媒が好ましい。GaAs
基板2は、前記第1槽1の溶液中に浸漬後、そのまま該
溶液中に数時間(例えば4時間)浸漬した後に溶液中か
ら取り出し、第2槽3に満たした純エタノールで洗浄し
て、表面に付着した過剰なオクタデシルビスフォスフォ
ン酸分子を除去する(以上、ステップ1)。
【0015】次に、この基板を、第3槽4に入ったエタ
ノール希釈1mMオキシ塩化ジルコニウム[ZrOCl
・8H O]溶液に5分間程度浸漬する。オキシ塩
化ジルコニウムとしては、粉体状のものを用いてもよい
し、液状のものを用いてもよい。Zrイオンを化学吸着
するときの溶液の温度は、室温でもよいし、加熱された
ものでもよい。溶媒は、エタノール溶液以外の有機溶媒
を用いてもよいし、純水であってもよいが、有機溶媒が
好ましい。次に、上記GaAs基板2を第3槽4の溶液
中から取り出し、第2槽5の純エタノール中に移して超
音波洗浄し、Zrクラスター等の表面に付着した過剰な
Zrイオンを除去する(以上、ステップ2)。次に、G
aAs基板2を第4槽6のエタノール溶媒1mMオクタ
デシルビスフォスフォン酸溶液に戻し、約2時間浸漬
し、表面がZrイオンで覆われたGaAs基板2の上
に、さらにオクタデシルビスフォスフォン酸分子の1層
を均一に吸着させる。その後、このGaAs基板2に対
し、第2槽→第3槽→第2槽→第4槽とサイクリックに
上述の工程を繰り返すことにより、オクタデシルビスフ
ォスフォン酸分子を1層ずつ累積することができる。
【0016】図2は、上記の工程により積層した1層か
ら5層までのエリプソメトリーによる膜厚変化を表した
グラフである。繰り返し回数を増やすに従い、膜厚が同
じ厚さだけ増加していき、オクタデシルビスフォスフォ
ン酸分子が1層ずつ積層していく様子が分かる。また、
得られた5層累積膜を原子間力顕微鏡で観察したとこ
ろ、緻密でかつピンホールのない原子レベルで平坦なも
のであることが分かった。なお、本実施の形態では、G
aAs基板を使う場合について説明したが、他のIII−
V族化合物半導体基板、GaP、GaSb、InP、I
nAs、InSb等の基板でも、同様な方法を適用する
ことによって、劈開面上に緻密でピンホールのない極め
て均一な多層膜を積層することができる。
【0017】[実施の形態] 図は、本発明に基づいて有機多層薄膜を製造する実施
の形態の他の一例を説明するためのものである。同図に
おいて、第1槽14は、17−アセトキシヘプタデシル
フォスフォン酸[H CO C(CH17PO
]溶液を満たした容器であり、有機薄膜の製造
に際しては、まず、InSb基板13をこの第1槽14
の溶液中で劈開する。基板13の表面は、実施の形態1
の場合と同様にして行うことができる。17−アセトキ
シヘプタデシルフォスフォン酸としては、粉体状のもの
を用いてもよいし、液状のものを用いてもよい。17−
アセトキシヘプタデシルフォスフォン酸を化学吸着する
ときの溶液の温度は、室温でもよいし、加熱されたもの
でもよい。溶媒は、エタノール溶液以外の有機溶媒を用
いてもよいし、純水であってもよいが、有機溶媒が好ま
しい。InSb基板13は、第1槽14の溶液中に数時
間浸漬した後に該溶液中から取り出し、第2槽15の純
エタノールで洗浄して、表面に付着した過剰な17−ア
セトキシヘプタデシルフォスフォン酸分子を除去する
(以上、ステップ1)。
【0018】次に、この基板13を、第3槽16に入っ
たテトラヒドロフランに溶かし込んだ1MのLiAlH
溶液に10分程度浸漬後、さらに第4槽17に入っ
た20%希塩酸溶液に浸漬することにより、表面に露出
しているCOOCH 基をOH基に変成する。COO
CH 基をOH基に変成するときの溶液の温度は、室
温でもよいし、加熱されていてもよい。溶媒は、テトラ
ヒドロフラン溶液以外の有機溶媒を用いてもよいし、純
水であってもよい。その後、上記InSb基板13を溶
液中から取り出し、第5槽18の純水で洗浄する。次
に、InSb基板13を第6槽19に入れたヘキサデカ
ン:四塩化炭素=4:1の混合比の溶媒に溶かし込んだ
1mM22−アセトキシドコサニルトリクロロシラン
[CH COO(CH22SiCl ]溶液に
投入して、約4時間浸漬し、表面がOH基で覆われたセ
ルフアセンブル膜が形成されているInSb基板13の
上に、さらに23−トリクロロシルトリデカノエイトの
1層を吸着させる(以上、ステップ2)。
【0019】この後、第2槽20における洗浄を経て上
記ステップ2の工程を繰り返すことにより、23−トリ
クロロシルトリデカノエイトを1層ずつ累積することが
できる。上記の工程を10回繰り返し、エリプソメトリ
ーによってその膜厚を測定したところ、約32nmとな
り、確かに1層のメルカプトヘキサデシルアセテートと
23−トリクロロシルトリデカノエイトが9層形成され
ていることが確かめられた。なお、本実施の形態では、
InSb基板を使った場合について説明したが、他の I
II−V族化合物半導体基板、GaP、GaAs、GaS
b、InP、InAs等の基板でも、同様な方法を適用
することによって、劈開面上に多層膜を積層することが
できる。
【0020】[実施の形態] 図は、本発明に基づいて有機多層薄膜を製造する実施
の形態のさらに他の一例を説明するためのものである。
同図において、第1槽22は、エタノール溶媒1mM1
6−ヘキサデセニルフォスフォン酸[CH =CH
(CH14PO ]溶液を満たした容器で
あり、有機薄膜の製造に際しては、まず、InAs基板
21をこの第1槽22の溶液に浸漬する。基板21の表
面は、実施の形態1の場合と同様にして作製することが
できる。16−ヘキサデセニルフォスフォン酸を化学吸
着するときの溶液の温度は、室温でもよいし、加熱され
たものでもよい。溶媒は、エタノール溶液以外の有機溶
媒を用いてもよいし、純水であってもよいが、有機溶媒
が好ましい。InAs基板21は、前記第1槽22の溶
液中に数時間浸漬した後に該溶液中から取り出し、第2
槽23の純エタノールで洗浄して、表面に付着した過剰
な16−ヘキサデセニルフォスフォン酸分子を除去する
(以上、ステップ1)。
【0021】次に、この基板21を、第3槽24に入っ
たテトラヒドロフランに溶かし込んだ1MのB
溶液に1分程度浸漬後、さらに第4槽25に入った過酸
化水素30%の0.1M水酸化ナトリウム混合溶液に浸
漬することにより、表面に露出しているCH =CH
基をOH基に変成する。CH =CH基をOH基に変
成するときの溶液の温度は、室温でもよいし、加熱され
ていてもよい。溶媒は、テトラヒドロフラン溶液以外の
有機溶媒を用いてもよいし、純水であってもよいが、有
機溶媒が好ましい。上記InAs基板21を前記溶液中
に浸漬した後には、それを溶液中から取り出し、第5槽
26の純水で洗浄する。次に、InAs基板21を第6
槽27に入ったヘキサデカン:四塩化炭素=4:1の混
合比の溶媒に溶かし込んだ1mM16−ビニルテトラデ
シルトリクロロシラン[CH =CH(CH14
SiCl ]溶液に投入して、約5時間浸漬し、表面
がOH基で覆われたセルフアセンブル膜が形成されたI
nAs基板21の上にさらに16−ヘキサデセニルトリ
クロロシランを1層吸着させる(以上、ステップ2)。
【0022】この後、第2槽28における洗浄を経て上
記ステップ2の工程を繰り返すことにより、16−ヘキ
サデセニルトリクロロシランを1層ずつ累積することが
できる。上記の工程を20回繰り返し、エリプソメトリ
ーによってその膜厚を測定したところ、約39nmとな
り、確かに1層の16−ヘキサデセニルフォスフォン酸
と16−ヘキサデセニルトリクロロシランの19層が形
成されていることが確かめられた。なお、本実施の形態
では、InAs、GaAs、GaSb、InP、InS
b等の基板でも、同様な方法を適用することによって、
劈開面上に多層膜を積層することができる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1として説明した有機積層
薄膜の製造方法の概略説明図である。
【図2】本発明の実施例において得られた有機積層薄膜
のエリプソメトリーによる積層回数による膜厚変化を示
すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態2として説明した有機積層
薄膜の製造方法の概略説明図である。
【図4】本発明の実施の形態3として説明した有機積層
薄膜の製造方法の概略説明図である。
【符号の説明】
1 1mMオクタデシルビスフォスフォン酸溶液を満
たした槽 2 GaAs基板 3,5,9,11,15,23 純エタノール溶液を
満たした槽 4 1mMオキシ塩化ジルコニウム溶液の槽 6 1mMオクタデシルビスフォスフォン酸溶液の槽 13 InSb基板 14 1mM17−アセトキシヘプタデシルフォスフ
ォン酸の槽 16 1MのLiAlH 溶液の槽 17 20%希塩酸溶液の槽 19 1mM22−アセトキシドコサニルトリクロロ
シラン溶液の槽 18,20,26,28 純水の槽 21 InAs基板 22 1mM17−アセトキシヘプタデシルフォスフ
ォン酸の槽 24 1MのB 溶液の槽 25 過酸化水素30%の0.1M水酸化ナトリウム
混合溶液の槽 27 1mM16−ビニルテトラデシルトリクロロシ
ラン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 幹宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 御手洗 郷子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 徳本 洋志 茨城県つくば市東1−1−4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 審査官 恩田 春香 (56)参考文献 特開 平10−84147(JP,A) 特開 平9−237926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 51/00 H01L 21/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化した III−V族化合物半導体基板を、
    末端基にPH 基誘導体をもつ両親媒性有機分子
    を含む溶液または融液に浸漬して、上記基板上に有機分
    子を化学吸着させることにより、有機単分子膜を形成す
    ることを特徴とする有機単分子薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、有機単分
    子膜を形成する両親媒性有機分子として、他端にPH
    基を有する有機分子を用い、第1の有機単分子膜
    を形成した後、これを遷移金属イオンを含む溶液中に浸
    漬し、その後、一端にPH 基を有し他端にPH
    基を有する両親媒性分子を含む溶液に浸漬し、
    上記第1の有機単分子膜上にさらに有機単分子膜を累積
    することを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、有機単分
    子膜を形成する両親媒性有機分子として、他端にCH
    =CH基を持つ両親媒性有機分子を含む溶液を用い、
    それに基板を浸漬して、基板上に有機分子を化学吸着さ
    せることにより、第1の有機単分子膜を形成し、これを
    有機溶媒に溶かし込んだB 溶液及び水酸化ナト
    リウムと過酸化水素の混合溶液で処理した後、一端にC
    =CH基を有し他端にSiCl 基を有する両親
    媒性分子を含む溶液に浸漬し、上記第1の有機単分子膜
    上にさらに有機単分子膜を累積することを特徴とする有
    機薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、有機単分
    子膜を形成する両親媒性有機分子として、他端にCOO
    CH 基を持つ両親媒性有機分子を含む溶液に浸漬し
    て、基板上に有機分子を化学吸着させることにより、第
    1の有機単分子膜を形成し、これを有機溶媒に溶かし込
    んだLiAlH 溶液及び希塩酸で処理した後、一端
    にCOOCH 基を有し他端にSiCl 基を有する
    両親媒性分子を含む溶液に浸漬し、上記第1の有機単分
    子膜上にさらに有機単分子膜を累積することを特徴とす
    る有機薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2ないしのいずれかに記載の方法
    において、第1の有機単分子膜上にさらに有機単分子膜
    を累積形成する工程を繰り返すことにより、有機膜を順
    次累積することを特徴とする有機薄膜の製造方法。
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