JPH07318525A - 感湿素子及びその製造方法 - Google Patents

感湿素子及びその製造方法

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JPH07318525A
JPH07318525A JP10938694A JP10938694A JPH07318525A JP H07318525 A JPH07318525 A JP H07318525A JP 10938694 A JP10938694 A JP 10938694A JP 10938694 A JP10938694 A JP 10938694A JP H07318525 A JPH07318525 A JP H07318525A
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茂雄 生田
Sanemori Soga
眞守 曽我
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板11の表面に、−Si−結合を含む共有結合
を介して高分子電解質15を固定して感湿膜16を形成する
ことにより、耐水性に優れた感湿素子を得る。 【構成】活性水素12を含むアルミナ基板11を、テトラク
ロロシラン (SiCl4 )を1wt%含むシクロヘキサン溶液に3
0分間浸漬し、脱塩化水素反応により基板表面にSiCl基1
4を有するシラン化合物単分子膜層13を形成する。次に
この基板を高分子電解質であるポリ−2−ヒドロキシ−
3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライドに1時間浸漬して、基板表面に析出したSiCl
基14と高分子電解質分子中の水酸基との間で脱塩化水素
反応させ、シラン化合物単分子に共有結合により固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿度管理を要する美術
館、博物館などの建物や、食品工業、薬品工業、ビニー
ルハウスなどで使われる空調機器、衣類乾燥機、食器乾
燥機など各種機器において湿度センサとして有用される
感湿素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感湿素子については、感湿応答速度が速
く、湿度が上昇するときと、低下するときとで検出値の
差が少ないという、いわゆるヒステリシスが小さいとい
う利点から、感湿部に高分子電解質を用いたものが従来
より開発されている。高分子電解質は、周囲の雰囲気の
湿度に対応して、水分子を吸収する。この水分子により
高分子電解質は電離し、吸収した水の量に応じて電気抵
抗が低下する。すなわち、この電気抵抗の変化を測定す
れば湿度に換算することができる。
【0003】しかし、この高分子電解質を用いた感湿素
子は高湿度領域、特に結露時において、高分子電解質が
水に溶解流出し、感湿特性が劣化するという欠点があっ
た。これらの欠点を改良するために、不水溶性であるオ
ルガノポリシロキサン膜を感湿部に用いるものも提案さ
れている(例えば特開平3-72253 号公報、特開平3-2525
50号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものはオルガノポリシロキサン膜の密度が低く、不均
一であるため感湿精度が低かったり、あるいは長時間水
に接触したときの耐久性が不十分であるという欠点があ
った。
【0005】本発明は前記従来技術の問題点を解決する
ために、感湿精度にすぐれ、かつ長時間水と接触しても
特性と耐水性を損なわない感湿素子を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明の感湿素子は、基板上に感湿膜を具備した感
湿素子において、前記感湿膜は前記基板表面に少なくと
も−Si−結合を含む共有結合を介して、高分子電解質
からなる感湿分子が固定されて構成されていることを特
徴とする。
【0007】前記構成においては、感湿膜を構成する分
子に、−Si−結合を含む共有結合を介してフッ化アル
キル基を有する分子が結合されていることが好ましい。
また前記構成においては、高分子電解質分子が第4級ア
ンモニウム基と水酸基とを有するカチオン系高分子であ
ることが好ましい。
【0008】次に本発明の感湿素子の第1番目の製造方
法は、活性水素を有する基板表面に、ハライド基を複数
個含むシラン化合物分子を接触させ、前記基板表面の活
性水素と前記シラン化合物分子の一部のハライド基との
間で脱ハロゲン化水素反応させて前記基板表面に前記シ
ラン化合物分子を共有結合させ、次に前記シラン化合物
分子に活性水素を有する高分子電解質分子を接触させ、
前記高分子電解質分子の活性水素と前記シラン化合物分
子の残余のハライド基との間で脱ハロゲン化水素反応さ
せて前記シラン化合物分子に前記高分子電解質分子を共
有結合させることを特徴とする。
【0009】次に本発明の感湿素子の第2番目の製造方
法は、活性水素を有する高分子電解質分子に、ハライド
基を複数個含むシラン化合物分子を接触させ、前記高分
子電解質分子の活性水素と前記シラン化合物分子の一部
のハライド基との間で脱ハロゲン化水素反応させて前記
高分子電解質分子に前記シラン化合物分子を共有結合さ
せ、次に活性水素を有する基板表面に前記シラン化合物
分子が結合された高分子電解質分子を接触させ、前記基
板表面の活性水素と前記シラン化合物分子の残余のハラ
イド基との間で脱ハロゲン化水素反応させて前記基板表
面に前記シラン化合物分子が結合された高分子電解質分
子を共有結合させることを特徴とする。
【0010】前記構成においては高分子電解質分子が、
第4級アンモニウム基と水酸基とを有するカチオン系高
分子であることが好ましい。また前記構成においては、
活性水素を有する高分子電解質分子にフッ化アルキル基
を有するハロゲン化シラン化合物分子を接触させ、前記
高分子電解質分子の活性水素と前記シラン化合物分子の
一部のハライド基との間で脱ハロゲン化水素反応させて
前記高分子電解質分子にフッ化アルキル基を有するシラ
ン化合物分子を共有結合させることもできる。
【0011】
【作用】前記本発明の構成によれば、感湿素子は、基板
表面に−Si−結合を含む共有結合を介して高分子電解
質が固定されて、薄い感湿膜を形成している。すなわ
ち、高分子電解質と基板表面とが強固に結合しているの
で、水と接触しても高分子電解質が溶け出すことがな
く、素子の感湿特性には何ら変化がない。さらに、感湿
膜は薄く均一なので感湿精度が高く、かつ応答速度が速
くてヒステリシスが小さい感湿素子となる。
【0012】また、感湿膜の表面に少なくとも−Si−
結合を含む共有結合を介してフッ化アルキル基を有する
化学吸着膜が設けられたという好ましい構成によれば、
化学吸着膜の表層に存在するフッ化アルキル基の表面エ
ネルギーが低いため感湿膜表面が撥水性になり、水に濡
れにくいか、もしくは濡れてもすぐに水をはじくので高
湿度領域での感湿精度が高く、結露後の応答性が速くな
る。
【0013】また前記において、高分子電解質分子が第
4級アンモニウム基と水酸基とを有するカチオン系高分
子であるという好ましい構成によれば、素子の感湿特性
を高く保つことができる。
【0014】次に前記本発明の第1〜2番目の製造方法
の構成によれば、本発明の感湿素子を効率よく合理的に
製造することができる。
【0015】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明の感湿素子は第1には、活性水素を有
する基板表面に、SiCl基を複数個含むシラン化合物
を化学吸着させて前記シラン化合物のSiCl基を基材
表面に析出させたのち、この基材表面に析出したSiC
l基に活性水素を有する高分子電解質を結合させ、基材
表面に前記高分子電解質からなる感湿膜を形成させるこ
とによって製造される。
【0016】図1(C) は本発明の一実施例における感湿
素子表面の拡大図である。基板11の表面に、−Si−
結合を含む共有結合を介して高分子電解質15を固定し
て、感湿膜16を形成することにより、耐水性に優れた
感湿素子とする。感湿膜16を固定させる基板として
は、例えばアルミナ、石英ガラス等のような、その表面
にSiCl基と反応させるための活性水素を有している
絶縁性の基板であればよい。活性水素の好ましい具体例
は、−OH基,−CHO基,−COOH基,>NH基,
−NH2 基などに含まれる水素である。なお、このよう
に活性水素を有していなかったり、あるいは濃度が低い
基板の場合には、表面を酸化処理(例えば酸素プラズマ
処理、水蒸気プラズマ処理、コロナ処理、もしくはクロ
ム酸混液処理等)することによって、活性水素を付与す
ることが可能である。
【0017】この基板の表面に化学吸着させるシラン化
合物は、例えばSiCl4 、SiHCl3 、SiH2
2 、Cl−(SiCl2 O)n −SiCl3 (但し、
式中nは自然数)、Clm (CH3 3-m Si−(CH
2 p −SiClm (CH33-m (但し、式中mは1
〜3の整数、pは自然数)等のようなハライド基(とく
にクロロ基が好ましい)を複数個含むものである。なお
このハライド基を複数個含むシラン化合物の中でも、テ
トラクロロシラン(SiCl4 )は分子量が小さく反応
性が高いため好ましい。
【0018】これらのシラン化合物を非水系の有機溶媒
に溶解させ、その溶液中に基板を浸漬させると、シラン
化合物のSiCl基が基板表面の水酸基と脱塩化水素反
応して−Si−結合を生成する。次いで、有機溶媒で洗
浄して基板上に残る未反応のシラン化合物を除去する
と、基板の表面にはSiCl基を含んだシラン化合物の
単分子膜層が形成される。
【0019】なお、非水系溶媒としては、基板を侵さ
ず、かつSiCl基と反応する活性水素を持たない有機
溶媒であればよい。例えば1,1−ジクロロ,1−フル
オロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフル
オロエタン等のフッ素系溶媒、例えばオクタン、ヘキサ
デカン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジ
ブチルエーテル、ジベンジルエーテル等のエーテル系溶
媒、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル
等のエステル系溶媒の何れかが好ましい。
【0020】上記のようにしてSiCl基を析出させた
基板の表面に、活性水素基を有する高分子電解質を接触
させると、SiCl基と活性水素基とで脱塩酸反応を生
じ、高分子電解質が化学結合で基板に感湿膜として固定
されて、本発明の感湿素子が製造される。
【0021】活性水素基を有する高分子電解質として
は、例えば(化1)、(化2)に示すような第4級アン
モニウム基及び水酸基を有するカチオン系高分子、例え
ば(化3)に示す構造のようなスルフォン酸基またはそ
の塩を有する高分子電解質、例えば(化4)に示す構造
のようなカルボキシル基またはその塩を有する高分子電
解質、例えばキトサン等の水酸基を有する高分子電解質
等が用いられる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】なお、これらの活性水素基を有する高分子
電解質の中でも、第4級アンモニウム基及び水酸基を有
するカチオン系高分子を用いると、その水酸基がSiC
l基と反応しやすく高密度な感湿膜を得ることができ、
かつ第4級アンモニウム基の水の収着による電気抵抗変
化が精度良く検出できるので好ましい。
【0027】なお、前記高分子電解質及び前記高分子は
液体状ならばそのまま用いても、あるいは非水系溶媒に
溶解させて用いてもよく、固体状ならば非水系溶媒に溶
解させて使用する。
【0028】なお、本発明の感湿素子の第1の製造方法
においては、前記のシラン化合物層を形成させる工程と
感湿膜を形成させる工程を交互に繰り返しおこなっても
よく、その場合にはシラン化合物層と感湿膜の累積膜が
形成されるため、より優れた耐水性と感湿精度を得るこ
とができる。
【0029】本発明の感湿素子は第2には、活性水素を
有する高分子電解質にSiCl基を複数個含むシラン化
合物を反応させて前記高分子電解質にSiCl基を付与
したのち、活性水素を有する基板表面に前記SiCl基
を付与した高分子電解質を結合させ、基材表面に前記高
分子電解質からなる感湿膜を形成させることによって製
造される。
【0030】SiCl基を複数個含むシラン化合物を非
水系の有機溶媒に溶解させ、その溶液に水酸基等の活性
水素を有する高分子電解質を混入すると、シラン化合物
のSiCl基が高分子電解質の活性水素と反応して−S
i−結合を生成し、高分子電解質にはSiCl基を含ん
だシラン化合物が付与される。このようにしてSiCl
基を付与した高分子電解質を、活性水素基を有する基板
の表面に接触させると、SiCl基と活性水素基とで脱
塩酸反応を生じ、高分子電解質が化学結合で基板に感湿
膜として固定されて、本発明の感湿素子が製造される。
【0031】本発明の感湿素子は第3には、前記第1及
び第2の製造方法によって形成された感湿膜の表面に、
フッ化アルキル基を含むクロロシラン系界面活性剤を反
応させて前記感湿膜の表面にフッ化アルキル基を含む化
学吸着膜を形成させることによって製造される。 (1)フッ化アルキル基を有するクロロシラン系界面活
性剤としては、例えば下記のトリクロロシラン系化合物
がある。CF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3
CF3 (CF2 2 Si(CH3 2 (CH2 15Si
Cl3 ,CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (C
2 15SiCl3 ,CF3 (CF2 3 (CH2 2
Si(CH3 2 (CH2 9 SiCl3 ,CF3 (C
2 7 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 9
iCl3 ,CF3 COO(CH2 15SiCl3 ,CF
3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl3 , (2)モノ−,またはジクロロシラン系化合物またはそ
の低級アルキル基置換化合物としては例えば下記のもの
がある。CF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl
n (CH3 3-n ,CF3 (CF2 7 (CH2 2
iCln (C2 5 3-n ,CF3 CH2 O(CH2
15SiCln (C2 5 3-n ,CF3 (CH2 2
i(CH3 2 (CH2 15SiCln (C
3 3-n ,CF3 (CF2 3 (CH2 2 Si(C
3 2 (CH2 9 SiCln (C 2 5 3-n ,C
3 (CF2 7 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH
2 9 SiCln (CH3 3-n ,CF3 COO(CH
2 15SiCln (CH3 3-n ,CF3 (CF2 5
(CH2 2 SiCln (CH3 3-n ,(但し前記式
中のnは何れも1又は2) これらの中でも特にトリクロロシラン系界面活性剤の親
水性基と結合したクロロシリル結合以外のクロロシリル
結合が、隣合うクロロシラン基とシロキサン結合で分子
間結合を形成するため、より強固な化学吸着膜となり好
ましい。また、CF3 (CF2 n (CH2 2 SiC
3 (但し、式中のnは整数であり、1〜25程度が最
も扱いやすい)が、溶剤溶解性、化学吸着性と溌水性と
の釣合が取れているため好ましい。
【0032】これらのクロロシラン系界面活性剤を非水
系の有機溶媒に溶解させ、その溶液中に感湿膜を形成さ
せた基板を浸漬させると、クロロシラン系界面活性剤の
SiCl基と感湿膜表面の活性水素基とが脱塩化水素反
応して−Si−結合を生成する。次いで、有機溶媒で洗
浄して感湿膜上に残る未反応のクロロシラン系界面活性
剤を除去すると、感湿膜の表面にはフッ化アルキル基を
有する化学吸着膜が形成される。
【0033】次に、具体的実施例を用いて本発明を説明
する。 (実施例1)よく乾燥させたアルミナ基板11を用意し
(図1(a) )、テトラクロロシラン(SiCl4 )を1
wt%含むシクロヘキサン溶液に30分間浸漬すると、
テトラクロロシランのSiCl基の何れかと基板表面の
水酸基12とが反応して脱塩化水素反応が生じ、基板表
面全体にわたって、下記式(化5)で示されるシラン化
合物の単分子膜層13が形成され、基板表面にSiCl
基14が析出した(図1(b) )。
【0034】
【化5】
【0035】次に、この基板を(化6)で示されるポリ
−2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド(分子量300〜80
0)に1時間浸漬すると、基板表面に析出したSiCl
基14と(化6)中の水酸基とが反応して脱塩酸反応が
生じ、下記式(化7)で示される結合が生成した。これ
により高分子電解質15からなる感湿膜16が基板11
に固定された状態で形成された(図1(c) )。
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】(実施例2)実施例1において製造した感
湿素子(図2(a) )を、さらにテトラクロロシランの1
wt%シクロヘキサン溶液に30分間浸漬すると、基板
21に固定された感湿膜22に含まれる水酸基23とテ
トラクロロシランのSiCl基とが脱塩酸反応を生じ
て、シラン化合物の単分子膜層24が形成され、表層に
SiCl基25が析出した(図2(b) )。
【0039】次に、この基板を(化6)で示されるポリ
−2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライドに1時間浸漬すると、再
び(化7)で示される結合が生成した。これにより2層
の高分子電解質26からなる感湿膜27が基板21の表
面に形成された(図2(c) )。
【0040】(実施例3)テトラクロロシラン(SiC
4 )1重量部と下記式(化8)の高分子電解質99重
量部を混合すると、テトラクロロシランのSiCl基の
何れかと下記式(化8)の高分子電解質に含まれる水酸
基とが脱塩化水素反応して、下記式(化9)のように結
合し、高分子電解質にSiCl基が付与された。
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】次に、よく乾燥させたアルミナ基板31
(図3(a) )を、(化9)の溶液中に1時間浸漬する
と、基板表面の水酸基32と前記式(化9)のSiCl
基とが脱塩化水素反応を生じ、基板全面にわたって下記
式(化10)で示される結合が生成した。これにより高
分子電解質33からなる感湿膜34が基板31に固定さ
れた状態で形成された(図3(b) )。
【0044】
【化10】
【0045】(実施例4)実施例1において製造した感
湿素子を用意する(図4(a) )。フッ化アルキル基を有
するクロロシラン系界面活性剤として、1wt%のCF
3 (CH2 7 (CH2 2 SiCl3 をパーフルオロ
オクタンに溶かした溶液を調製し、この溶液中に図4
(a) の感湿素子を1時間浸漬すると、基板41に固定さ
れた感湿膜42表面に存在する水酸基43とCF3 (C
2 7 (CH2 2 SiCl3 のSiCl基とが脱塩
化水素反応を生じて、下記式(化11)で示される結合
が生成した。これによりフッ化アルキル基を有する化学
吸着膜44が、少なくとも−Si−結合を含む共有結合
を介して感湿膜42表面に形成された(図4(b) )。
【0046】
【化11】
【0047】(実施例5)前記実施例で得られた感湿素
子の湿度特性を調べるため、以下の実験を行なった。ま
ず、初期特性として温度25℃において、電極間に1.
0V、1kHzの交流電圧を印加し、相対湿度20%〜
90%の範囲でインピーダンスの変化を求めた。
【0048】次に、感湿素子の耐水性を調べるために、
25℃の蒸留水中に1時間浸漬した後に上記と同様の試
験を行なった。以上の2つの実験結果を図5、図6、図
7及び図8に示す。図5は実施例1の感湿素子の特性、
図6は実施例2の感湿素子の特性、図7は実施例3の感
湿素子の特性、図8は実施例4の感湿素子の特性であ
る。
【0049】図5〜8から明らかな通り、本実施例1〜
4の感湿素子はいずれも相対湿度に対応したインピーダ
ンス変化を示し、優れた感湿特性を有していることが確
認できた。また、蒸留水浸漬後においても、その感湿特
性を保持しており、耐水性に優れていた。
【0050】さらに、実施例4の感湿素子では感湿膜表
面に設けられたフッ化アルキル基を有する化学吸着膜が
撥水性を示すため、蒸留水浸漬後も感湿膜表面に水が付
着せず、図8に示す感湿特性をすぐに測定することがで
きた。このことから、結露後や高湿度領域での応答速度
が速くなることが確認できた。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の感湿素子は、基
板表面に少なくとも−Si−結合を含む共有結合を介し
て高分子電解質からなる感湿膜が固定されているので、
感湿膜は水に溶け出さず、耐水性に優れたものになる。
さらに、感湿膜は薄く均一なので感湿精度が高く、かつ
応答速度が速くてヒステリシスが小さい感湿素子が得ら
れる。
【0052】さらに、感湿膜の表面にフッ化アルキル基
を有する化学吸着膜を設けることによって、感湿膜表面
が撥水性になるので、水が付着しにくく、結露後の応答
速度が速い感湿素子を得ることができる。
【0053】また、本発明の感湿素子の第1番目の製造
方法は、活性水素を有する基板表面にクロロシリル基を
複数個含むシラン化合物を化学吸着させて基板表面にク
ロロシリル基を析出させ、このクロロシリル基に活性水
素を有する高分子電解質を反応させ感湿膜を形成させる
ものである。
【0054】また本発明の感湿素子の第2番目の製造方
法は、活性水素を有する高分子電解質にクロロシリル基
を複数個含むシラン化合物を作用させてクロロシリル基
を付与したのち、この高分子電解質を活性水素を有する
基板表面に化学吸着させて感湿膜を形成させるものであ
る。これらによれば感湿特性を有する高分子電解質を変
性させずに目的とする感湿素子を容易に得ることができ
る。
【0055】また、感湿膜表面にフッ化アルキル基を有
するクロロシラン系界面活性剤を反応させて、前記感湿
膜表面にフッ化アルキル基を有する化学吸着膜を設ける
ものである。これによれば、感湿特性に影響を及ぼさず
に感湿膜表面に高い撥水性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感湿素子の第1の実施例における製造
方法を説明するために用いた工程概念図である。
【図2】本発明の感湿素子の第2の実施例における製造
方法を説明するために用いた工程概念図である。
【図3】本発明の感湿素子の第3の実施例における製造
方法を説明するために用いた工程概念図である。
【図4】本発明の感湿素子の第4の実施例における製造
方法を説明するために用いた工程概念図である。
【図5】本発明の感湿素子の第1の実施例における感湿
特性を示すグラフである。
【図6】本発明の感湿素子の第2の実施例における感湿
特性を示すグラフである。
【図7】本発明の感湿素子の第3の実施例における感湿
特性を示すグラフである。
【図8】本発明の感湿素子の第4の実施例における感湿
特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11、21、31、41 基板 12、23、32、43 水酸基 13、24 シラン化合物の単分子
膜層 14、25 SiCl基 15、26、33 高分子電解質 16、22、27、34、42 感湿膜 44 フッ化アルキル基を有
する化学吸着膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に感湿膜を具備した感湿素子にお
    いて、前記感湿膜は前記基板表面に少なくとも−Si−
    結合を含む共有結合を介して、高分子電解質からなる感
    湿分子が固定されて構成されていることを特徴とする感
    湿素子。
  2. 【請求項2】 感湿膜を構成する分子に、−Si−結合
    を含む共有結合を介してフッ化アルキル基を有する分子
    が結合されている請求項1に記載の感湿素子。
  3. 【請求項3】 高分子電解質分子が、第4級アンモニウ
    ム基と水酸基とを有するカチオン系高分子である請求項
    1または2に記載の感湿素子。
  4. 【請求項4】 活性水素を有する基板表面に、ハライド
    基を複数個含むシラン化合物分子を接触させ、前記基板
    表面の活性水素と前記シラン化合物分子の一部のハライ
    ド基との間で脱ハロゲン化水素反応させて前記基板表面
    に前記シラン化合物分子を共有結合させ、次に前記シラ
    ン化合物分子に活性水素を有する高分子電解質分子を接
    触させ、前記高分子電解質分子の活性水素と前記シラン
    化合物分子の残余のハライド基との間で脱ハロゲン化水
    素反応させて前記シラン化合物分子に前記高分子電解質
    分子を共有結合させることを特徴とする感湿素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 活性水素を有する高分子電解質分子に、
    ハライド基を複数個含むシラン化合物分子を接触させ、
    前記高分子電解質分子の活性水素と前記シラン化合物分
    子の一部のハライド基との間で脱ハロゲン化水素反応さ
    せて前記高分子電解質分子に前記シラン化合物分子を共
    有結合させ、次に活性水素を有する基板表面に前記シラ
    ン化合物分子が結合された高分子電解質分子を接触さ
    せ、前記基板表面の活性水素と前記シラン化合物分子の
    残余のハライド基との間で脱ハロゲン化水素反応させて
    前記基板表面に前記シラン化合物分子が結合された高分
    子電解質分子を共有結合させることを特徴とする感湿素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 高分子電解質分子が、第4級アンモニウ
    ム基と水酸基とを有するカチオン系高分子である請求項
    4または5に記載の感湿素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 活性水素を有する高分子電解質分子にフ
    ッ化アルキル基を有するハロゲン化シラン化合物分子を
    接触させ、前記高分子電解質分子の活性水素と前記シラ
    ン化合物分子の一部のハライド基との間で脱ハロゲン化
    水素反応させて前記高分子電解質分子にフッ化アルキル
    基を有するシラン化合物分子を共有結合させる請求項4
    または5に記載の感湿素子の製造方法。
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