JPH111283A - 青果物用抗菌鮮度保持段ボール及びその製造方法 - Google Patents
青果物用抗菌鮮度保持段ボール及びその製造方法Info
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- JPH111283A JPH111283A JP9153470A JP15347097A JPH111283A JP H111283 A JPH111283 A JP H111283A JP 9153470 A JP9153470 A JP 9153470A JP 15347097 A JP15347097 A JP 15347097A JP H111283 A JPH111283 A JP H111283A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リサイクル可能で、青果物の鮮度保持に必要な
ガスバリヤー性を有し、かつ安全性と抗菌防黴性を並立
させる段ボールを得ること。 【解決手段】ライナの少なくとも一方が重層紙から成る
段ボールにおいて、重層紙が合成樹脂エマルジョンと有
機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層
されていることを特徴とする青果物用抗菌鮮度保持段ボ
ール。
ガスバリヤー性を有し、かつ安全性と抗菌防黴性を並立
させる段ボールを得ること。 【解決手段】ライナの少なくとも一方が重層紙から成る
段ボールにおいて、重層紙が合成樹脂エマルジョンと有
機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層
されていることを特徴とする青果物用抗菌鮮度保持段ボ
ール。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、段ボールとして使
用後に、古紙としてリサイクル可能な抗菌鮮度保持段ボ
ール及びその製造方法に関するものである。
用後に、古紙としてリサイクル可能な抗菌鮮度保持段ボ
ール及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗菌防黴性を必要とする段ボール
には、特開平8−151037号のように、段ボールの
内容物と接するライナの最表面に無機系の抗菌防黴剤を
塗工するものがあった。しかしながら、この方式は、ライ
ナ最表面の抗菌防黴性は高いが、ライナ内部の抗菌防黴
性はほとんどないため、何らかの理由でライナ最表面の
抗菌防黴剤がなくなった場合に、その部分の抗菌防黴性
が全くなくなってしまいライナ内部に菌及び黴が繁殖す
る問題があった。更に、この従来技術は、内容物と接す
るライナの最表面に抗菌防黴剤の全量が存在するため、
内容物である青果物の種類によっては、青果物への転移
による毒性等の安全性の問題があった。
には、特開平8−151037号のように、段ボールの
内容物と接するライナの最表面に無機系の抗菌防黴剤を
塗工するものがあった。しかしながら、この方式は、ライ
ナ最表面の抗菌防黴性は高いが、ライナ内部の抗菌防黴
性はほとんどないため、何らかの理由でライナ最表面の
抗菌防黴剤がなくなった場合に、その部分の抗菌防黴性
が全くなくなってしまいライナ内部に菌及び黴が繁殖す
る問題があった。更に、この従来技術は、内容物と接す
るライナの最表面に抗菌防黴剤の全量が存在するため、
内容物である青果物の種類によっては、青果物への転移
による毒性等の安全性の問題があった。
【0003】また、段ボールではないがセパレートシー
トを製造する従来技術として、特開平8―324630
号の様に接着剤である糊剤に抗菌防黴剤を配合するもの
があった。この技術は、2枚の紙間の糊剤に抗菌防黴剤
を配合するため、原紙内部の抗菌防黴性がないという問
題と、原紙最表面の抗菌防黴剤がなくなった場合にその
部分の抗菌防黴性がなくなってしまいセパレート紙の内
部に菌及び黴が繁殖する問題は解消できていた。
トを製造する従来技術として、特開平8―324630
号の様に接着剤である糊剤に抗菌防黴剤を配合するもの
があった。この技術は、2枚の紙間の糊剤に抗菌防黴剤
を配合するため、原紙内部の抗菌防黴性がないという問
題と、原紙最表面の抗菌防黴剤がなくなった場合にその
部分の抗菌防黴性がなくなってしまいセパレート紙の内
部に菌及び黴が繁殖する問題は解消できていた。
【0004】しかしながら、この技術は、糊剤で合紙し
たセパレートシートを加熱せずに製造する技術であるた
めに、セパレートシートの表面に抗菌防黴剤の一部がブ
リードアウトして表面が抗菌防黴性を有するまでに長期
の時間を要する問題があった。 更に、これらの従来技
術は、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を有す
るものではなかった。
たセパレートシートを加熱せずに製造する技術であるた
めに、セパレートシートの表面に抗菌防黴剤の一部がブ
リードアウトして表面が抗菌防黴性を有するまでに長期
の時間を要する問題があった。 更に、これらの従来技
術は、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を有す
るものではなかった。
【0005】また、青果物の鮮度保持に必要なガスバリ
ヤー性を有する従来技術として、特開平3―10832
があった。しかしながら、この技術はライナを抗菌防黴性
にするものではなく、かつガスバリヤー層である樹脂層
中にワックスが5%以上存在するためにガスバリヤー性
が経時的に変化する問題、及び紙に再生した場合に紙表
面にワックスの斑点が析出する問題等があった。
ヤー性を有する従来技術として、特開平3―10832
があった。しかしながら、この技術はライナを抗菌防黴性
にするものではなく、かつガスバリヤー層である樹脂層
中にワックスが5%以上存在するためにガスバリヤー性
が経時的に変化する問題、及び紙に再生した場合に紙表
面にワックスの斑点が析出する問題等があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はライナ
の少なくとも一方を特定の重層紙とすることにより、リ
サイクル可能で、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤ
ー性を有し、かつ安全性と抗菌防黴性を並立させる段ボ
ールを提供することにある。
の少なくとも一方を特定の重層紙とすることにより、リ
サイクル可能で、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤ
ー性を有し、かつ安全性と抗菌防黴性を並立させる段ボ
ールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するため手段】すなわち本発明の第1の発
明は、ライナの少なくとも一方が重層紙から成る段ボー
ルにおいて、重層紙が合成樹脂エマルジョンと有機窒素
硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層されて
いることを特徴とする抗菌鮮度保持段ボールに関するも
のである。本発明の第2の発明は、抗菌防黴剤が60〜
100℃において液体であり、かつその沸点が200℃
以上である第1の発明に記載された段ボールに関するも
のである。本発明の第3の発明は、重層紙の透湿度が5
〜1,000g/m2/24時間、二酸化炭素透過度が1,
000〜1,000,000ml/m2/24時間atm、
酸素透過度が1,000〜1,000,000ml/m2/
24時間atmであり、かつ二酸化炭素透過度と酸素透
過度の比が1/10〜1/1である第1又は第2の発明
に記載された段ボールに関するものである。
明は、ライナの少なくとも一方が重層紙から成る段ボー
ルにおいて、重層紙が合成樹脂エマルジョンと有機窒素
硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層されて
いることを特徴とする抗菌鮮度保持段ボールに関するも
のである。本発明の第2の発明は、抗菌防黴剤が60〜
100℃において液体であり、かつその沸点が200℃
以上である第1の発明に記載された段ボールに関するも
のである。本発明の第3の発明は、重層紙の透湿度が5
〜1,000g/m2/24時間、二酸化炭素透過度が1,
000〜1,000,000ml/m2/24時間atm、
酸素透過度が1,000〜1,000,000ml/m2/
24時間atmであり、かつ二酸化炭素透過度と酸素透
過度の比が1/10〜1/1である第1又は第2の発明
に記載された段ボールに関するものである。
【0008】本発明の第4の発明は、重層紙の中間層の
重量が10g/m2以上である第1〜3のいずれかの発
明に記載された段ボールに関するものである。本発明の
第5の発明は、中間層の抗菌防黴剤の一部が重層紙の表
面にブリードアウトし、重層紙の表面に抗菌防黴剤が存
在する第1〜4のいずれかの発明に記載された段ボール
に関するものである。本発明の第6の発明は、中間層中
の抗菌防黴剤の不揮発分重量比率が0.5〜5%である
第1〜5のいずれかの発明に記載された段ボールに関す
るものである。
重量が10g/m2以上である第1〜3のいずれかの発
明に記載された段ボールに関するものである。本発明の
第5の発明は、中間層の抗菌防黴剤の一部が重層紙の表
面にブリードアウトし、重層紙の表面に抗菌防黴剤が存
在する第1〜4のいずれかの発明に記載された段ボール
に関するものである。本発明の第6の発明は、中間層中
の抗菌防黴剤の不揮発分重量比率が0.5〜5%である
第1〜5のいずれかの発明に記載された段ボールに関す
るものである。
【0009】さらに本発明の第7の発明は、ライナの少
なくとも一方に合成樹脂エマルジョンと有機窒素硫黄系
の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層されている重
層紙を用いて段ボールを製造するに際し、コルゲータの
熱により、中間層の抗菌防黴剤の一部を重層紙の表面に
ブリードアウトさせ、重層紙の表面を抗菌防黴性にする
ことを特徴とする青果物用抗菌鮮度保持段ボールの製造
方法に関するものである。
なくとも一方に合成樹脂エマルジョンと有機窒素硫黄系
の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層されている重
層紙を用いて段ボールを製造するに際し、コルゲータの
熱により、中間層の抗菌防黴剤の一部を重層紙の表面に
ブリードアウトさせ、重層紙の表面を抗菌防黴性にする
ことを特徴とする青果物用抗菌鮮度保持段ボールの製造
方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明においては、段ボールの少
なくとも一方のライナに使用する重層紙のガスバリヤー
性を青果物の鮮度保持に最も役立つ特性にし、かつ抗菌
防黴性にするために、重層される紙の一方又は両方に合
成樹脂エマルジョンと有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤から
なる塗料を合わせて10g/m2以上塗工し、塗工面を
内側にして貼着し、加熱乾燥する。
なくとも一方のライナに使用する重層紙のガスバリヤー
性を青果物の鮮度保持に最も役立つ特性にし、かつ抗菌
防黴性にするために、重層される紙の一方又は両方に合
成樹脂エマルジョンと有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤から
なる塗料を合わせて10g/m2以上塗工し、塗工面を
内側にして貼着し、加熱乾燥する。
【0011】この様にして製造すると、合成樹脂エマル
ジョンは2枚の紙間にて凹凸のある合成樹脂被膜とな
り、重層紙のガスバリヤー性は、透湿度=5〜1,00
0g/m2/24時間、二酸化炭素透過度=1,000〜
1,000,000ml/m2/24時間atm、酸素透過
=1,000〜1,000,000ml/m2/24時間a
tmとなり、かつ二酸化炭素透過度と酸素透過度の比が
1/10〜1/1になる。 特に、二酸化炭素透過度と
酸素透過度の比については、一般のプラスチックフィル
ムは3以上(最新機能包装実用事典;フジ・テクノシス
テム社刊)であるのに対し、本発明の段ボールは中間層
が部分的に微細孔の存在する凹凸のある合成樹脂被膜で
あるため、その比は1以下になる。
ジョンは2枚の紙間にて凹凸のある合成樹脂被膜とな
り、重層紙のガスバリヤー性は、透湿度=5〜1,00
0g/m2/24時間、二酸化炭素透過度=1,000〜
1,000,000ml/m2/24時間atm、酸素透過
=1,000〜1,000,000ml/m2/24時間a
tmとなり、かつ二酸化炭素透過度と酸素透過度の比が
1/10〜1/1になる。 特に、二酸化炭素透過度と
酸素透過度の比については、一般のプラスチックフィル
ムは3以上(最新機能包装実用事典;フジ・テクノシス
テム社刊)であるのに対し、本発明の段ボールは中間層
が部分的に微細孔の存在する凹凸のある合成樹脂被膜で
あるため、その比は1以下になる。
【0012】そしてこのことが青果物の鮮度保持に役立
つものである。すなわち、青果物の鮮度保持には容器内
の二酸化炭素濃度を高水準に維持することが必要である
が、一般のプラスチックフィルムで青果物を包装した場
合には、二酸化炭素の透過度が酸素透過度の3倍以上で
あるため、包装容器内の二酸化炭素濃度を高水準に維持
することが困難であり、結果として内容物である青果物
の鮮度保持が不十分であった。しかしながら、本発明の
段ボールで青果物を包装すると、二酸化炭素透過度と酸
素透過度の比が1/10〜1/1であるために、包装容
器内の二酸化炭素濃度を高水準に維持することが容易に
なり、青果物の鮮度保持効果が飛躍的に向上した。
つものである。すなわち、青果物の鮮度保持には容器内
の二酸化炭素濃度を高水準に維持することが必要である
が、一般のプラスチックフィルムで青果物を包装した場
合には、二酸化炭素の透過度が酸素透過度の3倍以上で
あるため、包装容器内の二酸化炭素濃度を高水準に維持
することが困難であり、結果として内容物である青果物
の鮮度保持が不十分であった。しかしながら、本発明の
段ボールで青果物を包装すると、二酸化炭素透過度と酸
素透過度の比が1/10〜1/1であるために、包装容
器内の二酸化炭素濃度を高水準に維持することが容易に
なり、青果物の鮮度保持効果が飛躍的に向上した。
【0013】更に本発明は、中間層が合成樹脂エマルジ
ョンと有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなるものである
ため、その凝集力は一般のプラスチックフィルムに比較
して弱く、古紙再生用の分散機であるパルパーにて容易
に分散し、紙へのリサイクルが可能になる。
ョンと有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなるものである
ため、その凝集力は一般のプラスチックフィルムに比較
して弱く、古紙再生用の分散機であるパルパーにて容易
に分散し、紙へのリサイクルが可能になる。
【0014】本発明において、中間層となる塗料の塗工
量は10g/m2以上が好ましい。中間層の塗工量が1
0g/m2に満たないと、二酸化炭素透過度及び酸素透
過度が1,000,000ml/m2/24時間atm以
上となり、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を
維持できない。
量は10g/m2以上が好ましい。中間層の塗工量が1
0g/m2に満たないと、二酸化炭素透過度及び酸素透
過度が1,000,000ml/m2/24時間atm以
上となり、青果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を
維持できない。
【0015】本発明に用いる有機窒素硫黄系の抗菌防黴
剤は、60〜100℃において液体であり、沸点が20
0℃以上のものである。60℃未満の温度では液体であ
っても固体であっても良い。本発明で使用可能な有機窒
素硫黄系の抗菌防黴剤を例示すると、2-(チオシアノ
メチルチオ)ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラム
ジスルフィド、3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチ
ルカルバメート、2−メトキシカルボニルアミノベンズ
イミダゾール等があげられる。塗料中の有機窒素硫黄系
の抗菌防黴剤の配合割合は、不揮発分重量比で塗料固形
分に対し、0.5〜5%配合される。
剤は、60〜100℃において液体であり、沸点が20
0℃以上のものである。60℃未満の温度では液体であ
っても固体であっても良い。本発明で使用可能な有機窒
素硫黄系の抗菌防黴剤を例示すると、2-(チオシアノ
メチルチオ)ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラム
ジスルフィド、3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチ
ルカルバメート、2−メトキシカルボニルアミノベンズ
イミダゾール等があげられる。塗料中の有機窒素硫黄系
の抗菌防黴剤の配合割合は、不揮発分重量比で塗料固形
分に対し、0.5〜5%配合される。
【0016】本発明に用いる合成樹脂エマルジョンを例
示するとSBR、アクリル、酢ビ等のエマルジョンがあ
げられる。これらのエマルジョンはワックスエマルジョ
ンと併用してもよい。しかしながら、本発明において
は、重層紙のガスバリヤー性が経時的に変化することを
防止するために、合成樹脂エマルジョン中に配合するワ
ックスの比率は0〜5重量%とする。なお本発明におい
て、中間層の接着剤は合成樹脂エマルジョンである必要
があり、例えばPVAや澱粉では水蒸気バリヤー性が合
成樹脂エマルジョンに比較して低いため、所期の目的を
達成することができない。
示するとSBR、アクリル、酢ビ等のエマルジョンがあ
げられる。これらのエマルジョンはワックスエマルジョ
ンと併用してもよい。しかしながら、本発明において
は、重層紙のガスバリヤー性が経時的に変化することを
防止するために、合成樹脂エマルジョン中に配合するワ
ックスの比率は0〜5重量%とする。なお本発明におい
て、中間層の接着剤は合成樹脂エマルジョンである必要
があり、例えばPVAや澱粉では水蒸気バリヤー性が合
成樹脂エマルジョンに比較して低いため、所期の目的を
達成することができない。
【0017】本発明の段ボールのフルート構成について
は、AフルートでもBフルートでも、両面段ボールでも復
両面段ボールでも良い。複両面段ボールの場合には、本
発明の「ライナの少なくとも一方が重層紙から成る段ボ
ール」の意味は、「少なくとも一枚のライナが重層紙か
ら成る段ボール」の意味に解すべきである。
は、AフルートでもBフルートでも、両面段ボールでも復
両面段ボールでも良い。複両面段ボールの場合には、本
発明の「ライナの少なくとも一方が重層紙から成る段ボ
ール」の意味は、「少なくとも一枚のライナが重層紙か
ら成る段ボール」の意味に解すべきである。
【0018】本発明においては重層紙を貼合する時と段
ボール貼合時の2回の加熱により、中間層の抗菌防黴剤
の一部を重層紙の表面にブリードアウトさせ、重層紙の
表面を抗菌防黴性にする。この操作により、抗菌防黴剤
の量を中間層が最も多く、重層紙表面を最も少なくする
ことができる。この結果重層紙表面に青果物が接した場
合の安全性を従来技術であるライナ表面に抗菌防黴剤を
塗工するものに比較して大幅に高め、かつ表面の抗菌防
黴剤が何らかの理由でなくなっても、重層紙内部に菌及
び黴が繁殖するのを防止するものである。中間層の抗菌
防黴剤がコルゲータの熱で重層紙の表面にスムーズにブ
リードアウトし、かつ空気中に飛散しないために、抗菌防
黴剤の形態は60〜100℃で液体であり、沸点は20
0℃以上あることが必要である。
ボール貼合時の2回の加熱により、中間層の抗菌防黴剤
の一部を重層紙の表面にブリードアウトさせ、重層紙の
表面を抗菌防黴性にする。この操作により、抗菌防黴剤
の量を中間層が最も多く、重層紙表面を最も少なくする
ことができる。この結果重層紙表面に青果物が接した場
合の安全性を従来技術であるライナ表面に抗菌防黴剤を
塗工するものに比較して大幅に高め、かつ表面の抗菌防
黴剤が何らかの理由でなくなっても、重層紙内部に菌及
び黴が繁殖するのを防止するものである。中間層の抗菌
防黴剤がコルゲータの熱で重層紙の表面にスムーズにブ
リードアウトし、かつ空気中に飛散しないために、抗菌防
黴剤の形態は60〜100℃で液体であり、沸点は20
0℃以上あることが必要である。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
説明する。
【0020】実施例1 王子RK160g/m2ライナの片側表面に、SBRエ
マルジョン96%(重量%以下同じ)と 2-(チオシア
ノメチルチオ)ベンゾチアゾール4%の混合液を固形分
換算15g/m2塗工し、次に三興S120g/m2中芯を
貼り合わせ、熱乾燥にて坪量295g/m2の重層紙を
得た。この重層紙について、リサイクル性、バリアー
性、抗菌防黴性を評価、測定した。結果を表1に示す。
マルジョン96%(重量%以下同じ)と 2-(チオシア
ノメチルチオ)ベンゾチアゾール4%の混合液を固形分
換算15g/m2塗工し、次に三興S120g/m2中芯を
貼り合わせ、熱乾燥にて坪量295g/m2の重層紙を
得た。この重層紙について、リサイクル性、バリアー
性、抗菌防黴性を評価、測定した。結果を表1に示す。
【0021】実施例2 王子RK160g/m2ライナの片側表面に、酢ビエマ
ルジョン96%と 2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾ
チアゾール40%の混合液を固形分換算15g/m2塗
工し、次に三興S120g/m2中芯を貼り合わせ、熱
乾燥することなく室温放置により坪量295g/m2の
重層紙を得た。この重層紙について、実施例1と同様の
評価、測定した。結果を表1に示す。
ルジョン96%と 2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾ
チアゾール40%の混合液を固形分換算15g/m2塗
工し、次に三興S120g/m2中芯を貼り合わせ、熱
乾燥することなく室温放置により坪量295g/m2の
重層紙を得た。この重層紙について、実施例1と同様の
評価、測定した。結果を表1に示す。
【0022】比較例1 王子RK280g/m2ライナについて、実施例1と同
様の評価、測定した。結果を表1に示す。
様の評価、測定した。結果を表1に示す。
【0023】比較例2 王子RK280g/m2ライナの表面に、銀系抗菌剤を
固形分換算15g/m2塗工したものについて、実施例
1と同様の評価、測定した。結果を表1に示す。
固形分換算15g/m2塗工したものについて、実施例
1と同様の評価、測定した。結果を表1に示す。
【0024】比較例3 王子RK160g/m2ライナの片側表面に、SBRエ
マルジョン90%とワックスエマルジョン10%の混合
液を固形分換算15g/m2塗工し、次に三興S120g/
m2中芯を貼り合わせ、熱乾燥にて坪量295g/m2の
重層紙を得た。この重層紙について、実施例1と同様の
評価、測定した。結果を表1に示す。
マルジョン90%とワックスエマルジョン10%の混合
液を固形分換算15g/m2塗工し、次に三興S120g/
m2中芯を貼り合わせ、熱乾燥にて坪量295g/m2の
重層紙を得た。この重層紙について、実施例1と同様の
評価、測定した。結果を表1に示す。
【0025】実施例3 コルゲータにて、実施例1の重層紙を両面のライナに使
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱にブロッコリーを
7kg入れ、密封して15℃で3日間放置し、その後鮮
度の状況を目視で観察し、評価した。結果を表2に示
す。
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱にブロッコリーを
7kg入れ、密封して15℃で3日間放置し、その後鮮
度の状況を目視で観察し、評価した。結果を表2に示
す。
【0026】実施例4 コルゲータにて、実施例2の重層紙を両面のライナに使
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の箱を得た。この箱について、実施例3と同様の評価を
した。結果を表2に示す。
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の箱を得た。この箱について、実施例3と同様の評価を
した。結果を表2に示す。
【0027】比較例4 コルゲータにて、比較例1の重層紙を両面のライナに使
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
【0028】比較例5 コルゲータにて、比較例2の重層紙を両面のライナに使
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
【0029】比較例6 コルゲータにて、比較例3の重層紙を両面のライナに使
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
用し、中芯に北陽MM200を使用する組み合わせで貼
合し、次に製函機にて内寸400*350*200mm
の段ボール箱を得た。この段ボール箱について、実施例
3と同様の評価をした。結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクル可能で、青
果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を有し、かつ安
全性と抗菌防黴性を並立させる段ボールを得ることがで
きる。
果物の鮮度保持に必要なガスバリヤー性を有し、かつ安
全性と抗菌防黴性を並立させる段ボールを得ることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/24 B65D 81/24 H
Claims (7)
- 【請求項1】ライナの少なくとも一方が重層紙から成る
段ボールにおいて、重層紙が合成樹脂エマルジョンと有
機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層を介して重層
されていることを特徴とする青果物用抗菌鮮度保持段ボ
ール。 - 【請求項2】抗菌防黴剤が60〜100℃において液体
であり、かつその沸点が200℃以上である請求項1に
記載の段ボール。 - 【請求項3】重層紙の透湿度が5〜1,000g/m2/
24時間、二酸化炭素透過度が1,000〜1,000,0
00ml/m2/24時間atm、酸素透過度が1,00
0〜1,000,000ml/m2/24時間atmであ
り、かつ二酸化炭素透過度と酸素透過度の比が1/10
〜1/1である請求項1又は2に記載の段ボール。 - 【請求項4】重層紙の中間の重量が10g/m2以上で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の段ボール。 - 【請求項5】中間層の抗菌防黴剤の一部が重層紙の表面
にブリードアウトし、重層紙の表面に抗菌防黴剤が存在
する請求項1〜4のいずれかに記載の段ボール。 - 【請求項6】中間層中の抗菌防黴剤の不揮発分重量が
0.5〜5%である請求項1〜5のいずれかに記載の段
ボール。 - 【請求項7】ライナの少なくとも一方に、合成樹脂エマ
ルジョンと有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤よりなる中間層
を介して重層されている重層紙を用いて段ボールを製造
するに際し、コルゲータの熱により、中間層中の抗菌防
黴剤の一部を重層紙の表面にブリードアウトさせ、重層
紙の表面を抗菌防黴性にすることを特徴とする青果物用
抗菌鮮度保持段ボール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9153470A JPH111283A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 青果物用抗菌鮮度保持段ボール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9153470A JPH111283A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 青果物用抗菌鮮度保持段ボール及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111283A true JPH111283A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15563281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9153470A Pending JPH111283A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 青果物用抗菌鮮度保持段ボール及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111283A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004011240A1 (ja) * | 2002-07-26 | 2004-02-05 | Nippon Daishowa Paperboard Co., Ltd. | 段ボールシート及びその製造方法 |
KR101135676B1 (ko) | 2009-06-22 | 2012-06-27 | 대한민국 | 유황패드 및 이를 이용하는 포장상자 |
JP2017039905A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 東京インキ株式会社 | 抗菌層形成用コーティング剤、抗菌性積層体、抗菌性積層体の製造方法、および抗菌性積層体を用いたフィルムまたはシート、包装容器、包装袋、蓋材 |
US11117637B2 (en) | 2018-07-25 | 2021-09-14 | Harley-Davidson Motor Company Group, LLC | Motorcycle frame |
-
1997
- 1997-06-11 JP JP9153470A patent/JPH111283A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004011240A1 (ja) * | 2002-07-26 | 2004-02-05 | Nippon Daishowa Paperboard Co., Ltd. | 段ボールシート及びその製造方法 |
KR101135676B1 (ko) | 2009-06-22 | 2012-06-27 | 대한민국 | 유황패드 및 이를 이용하는 포장상자 |
JP2017039905A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 東京インキ株式会社 | 抗菌層形成用コーティング剤、抗菌性積層体、抗菌性積層体の製造方法、および抗菌性積層体を用いたフィルムまたはシート、包装容器、包装袋、蓋材 |
JP2021038390A (ja) * | 2015-08-19 | 2021-03-11 | 東京インキ株式会社 | コーティング剤、抗菌性積層体、抗菌性積層体の製造方法、および抗菌性積層体を用いたフィルムまたはシート、包装容器、包装袋、蓋材 |
US11117637B2 (en) | 2018-07-25 | 2021-09-14 | Harley-Davidson Motor Company Group, LLC | Motorcycle frame |
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