JPH11128086A - 食品用保温器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱調理された食品を保温する食品用保温器
において、安全かつ衛生的で、組立作業性をよくする。 【解決手段】 容器１４を収容する容器収容部１１と、
前記容器１４に触媒燃焼加熱装置１５で発生した熱を伝
える伝熱板２０と、前記伝熱板２０を収容する伝熱板収
容部１８とを設け、前記伝熱板収容部１８は、画成部２
２により容器収容部１１の下方に画成して配設したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱調理した食品
を保温する食品用保温器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の食品用保温器は、図４に
示すように構成していた。以下、その構成について説明
する。

【０００３】図に示すように、容器１は、加熱調理され
た食品（図示せず）を収容するもので、厚紙又は段ボー
ル等で形成している。触媒燃焼加熱装置２は、燃料ガス
と空気の混合ガスを触媒燃焼させて熱を発生させる。伝
熱板３は、容器１の下面に接触させて前記触媒燃焼加熱
装置２で発生した熱を容器１に伝えるもので、例えばア
ルミニウム等のような良熱伝導性金属材料で形成してお
り、容器１内に収容した食品を保温する。

【０００４】ケース４は、その大部分に断熱材５を内蔵
した断熱性を有する構造に作られているもので、このケ
ース４内に容器１を収容し、ケース４の開放部４ａを蓋
６により閉じてケース４内の容器１を保温し、加熱調理
された食品をおいしく食べられる温度に保つようにして
いた。

【０００５】脚７は、ケース４の下方に触媒燃焼加熱装
置２と、それを保護する樹脂製のカバー８を配置するた
めの空間部を設けるために、ケース４の下部に固着され
ている。また、ケース４から容器１を取り出すときに、
使用者が誤って容器１を加熱している伝熱板３に直に手
が触れることを防止するために、伝熱板３の上面側を保
護シート９で覆うようにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、伝熱板３の熱によって暖められているケ
ース４内に害虫等が侵入した場合、ケース４と保護シー
ト９の隙間に入り込んでいると発見することが難しいと
いう問題を有していた。

【０００７】そして、このような問題を解決するため
に、保護シート９の周囲をケース４の内面に貼付け、ま
たは縫製することが考えられるが、伝熱板３をケース４
に組み込んだ後に、貼付けまたは縫製をしなければなら
ず、非常に組立性が悪くなるという問題を有していた。

【０００８】また、保護シート９の全面をケース４に貼
付けまたは縫製した場合には、触媒燃焼加熱装置２が故
障した時、もしくは、伝熱板３の清掃が必要な時に、保
護シート９をケース４から取り外すのに手間がかかると
いう問題も有していた。

【０００９】また、脚７は、主に布や断熱材５等、機械
的強度の弱いもので構成されたケース４に取り付けられ
ていたため、触媒燃焼加熱装置２を保護している樹脂製
のカバー８とケース４を置いた時の床面との間に間隙が
作られるように、脚７の長さを設定した場合において
も、使用者がケース４を誤って落下させた時に、直にカ
バー８、ひいては触媒燃焼加熱装置２に衝撃が加わり、
故障の原因になるという問題を有していた。

【００１０】本発明は上記課題を解決するもので、安全
かつ衛生的で、組立作業性に優れた食品用保温器を得る
ことを第１の目的としている。

【００１１】また、落下等の衝撃に強く、故障の少ない
食品用保温器を得ることを第２の目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記第１の目
的を達成するために、容器を収容する容器収容部と、前
記容器に触媒燃焼加熱装置で発生した熱を伝える伝熱板
と、前記伝熱板を収容する伝熱板収容部とを設け、前記
伝熱板収容部を容器収容部の下方に画成して配設したも
のである。

【００１３】これにより、容器収容部内に侵入した害虫
等の発見を容易にし、かつ、容器収容部内の清掃も容易
にして、容器収容部内を衛生的に保つことができるとと
もに、使用者が容器収容部から容器を取り出すときや、
容器を容器収容部へ入れるときに、誤って高温の伝熱板
に手が触れることがなく、安全に取り扱うことができ
る。

【００１４】また、上記第２の目的を達成するために、
伝熱板収容部の外底部に脚を突設し、前記脚は、伝熱板
収容部の外底部に突設した触媒燃焼加熱装置を覆うカバ
ーより下方への突出量を大に設定し、同脚によって形成
される伝熱板収容部の下方空間に前記触媒燃焼加熱装置
を配設するとともに、前記脚を伝熱板に取り付けたもの
である。

【００１５】これにより、使用者が取り扱い中に誤って
食品用保温器を落下させた時でも、脚と樹脂製のカバー
は、同一の金属製の伝熱板に取り付けられているため、
脚が床面に当った際の衝撃を伝熱板によって分散吸収す
ることができ、樹脂製のカバーおよび触媒燃焼装置の破
損および故障を防止することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容器と、この
容器を収容する容器収容部と、この容器収容部の下方に
配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生した熱を前記容
器に伝える伝熱板と、前記伝熱板を収容する伝熱板収容
部とを具備し、前記伝熱板収容部は、前記容器収容部の
下方に画成して配設したものであり、容器収容部内に害
虫等が侵入した場合でも容易に発見して排除することが
できるとともに、容器収容部内の清掃を容易に行うこと
ができ、容器収容部内を衛生的に保つことができる。

【００１７】請求項２に記載の発明は、上記請求項１記
載の発明において、容器収容部と伝熱板収容部の画成部
は、良熱伝導性部材を基材とする繊維で構成したもので
あり、触媒燃焼装置で得られた熱を伝熱板を介して、容
器および容器内の食品に効率良く伝えることができると
ともに、使用者が容器収容部から容器を取り出すとき
や、容器を容器収容部内へ入れるときに、誤って高温の
伝熱板に手が触れるのを防止して、安全に取り扱うこと
ができる。

【００１８】請求項３に記載の発明は、触媒燃焼加熱装
置と、食品を収容する容器と、この容器を収容する容器
収容部と、この容器収容部の下方に配置され、前記触媒
燃焼加熱装置で発生した熱を前記容器に伝える伝熱板
と、前記伝熱板を収容する伝熱板収容部と、前記伝熱板
収容部の外底部に突設した脚とを具備し、前記脚は、伝
熱板収容部の外底部に突設した触媒燃焼加熱装置を覆う
カバーより下方への突出量を大に設定し、同脚によって
形成される伝熱板収容部の下方空間に前記触媒燃焼加熱
装置を配設するとともに、前記脚を伝熱板に取り付けた
ものであり、使用者が食品用保温器を取り扱い中に誤っ
て落下させた時でも、脚とカバーは、同一の金属製の伝
熱板に取り付けられているため、脚が床面に当った際の
衝撃を伝熱板によって分散吸収することができ、カバー
および触媒燃焼装置の破損および故障を防止することが
できる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００２０】図１〜図３に示すように、容器収容部１１
は、内部に断熱材を入れて保温効果を備えるとともに、
開閉自在な蓋１２を設けてその一側面を開放可能に構成
している。この蓋１２は閉じた状態に保持できるよう
に、蓋１２と容器収容部１１の双方の相対向する位置に
取着部１３を設けて脱着自在に係止することができるよ
うにしている。

【００２１】食品（図示せず）を収容する容器１４は、
厚紙又は段ボール等で形成しており、前記蓋１２を開い
て容器収容部１１内に収容し、取着部１３に係止するこ
とで蓋１２を閉じた状態に保持することができるように
構成している。

【００２２】触媒燃焼加熱装置１５は、触媒燃焼部１６
で例えばブタンガス等の燃料ガスと空気を酸化反応させ
て触媒燃焼させることにより高温の熱を発生させるもの
で、高温となる触媒燃焼部１６は耐熱性を有する樹脂製
のカバー１７で覆うように構成してあり、手等が直接触
れないようにするとともに、外部からの機械的な衝撃に
対しても保護するようにしている。

【００２３】容器収容部１１の外底部には、伝熱板収容
部１８が配置され、開閉自在な蓋１９を設けてその一側
面を開放可能に構成してあり、例えば、アルミニウムや
銅等の良熱伝導性金属材料の薄板で形成した伝熱板２０
を収容した後、前記蓋１９は閉じた状態に保持できるよ
うに、蓋１９と伝熱板収容部１８の双方の相対向する位
置に取着部２１を設けて脱着自在に係止することができ
るようにしている。

【００２４】容器収容部１１と伝熱板収容部１８を仕切
る画成部２２は、アルミニウム等の良熱伝導性部材を基
材とする繊維で構成されており、触媒燃焼装置１５で発
生した熱で伝熱板２０を加熱するとともに、この加熱さ
れた伝熱板２０の熱を画成部２２を介して容器収容部１
１内に収容した容器１４に伝達して加熱し、容器１４内
の加熱調理された食品を適温に保つことができる。

【００２５】伝熱板２０の下面側には、伝熱板２０の略
中央部に触媒燃焼部１６をねじ２３で取り外し可能に固
着している。伝熱板収容部１８の外底部に複数突設した
脚２４は、伝熱板収容部１８の下方に空間部Ａを形成
し、この空間部Ａに樹脂製のカバー１７で覆った触媒燃
焼加熱装置１５が突出するように配設している。

【００２６】上記脚２４は、ねじ２５により伝熱板２０
に下方から着脱自在に固着するとともに、脚２４の長さ
は、カバー１７と床面との間に一定の隙間Ｂが形成され
るように、カバー１７より下方への突出量を大に設定し
ている。

【００２７】上記構成において作用を説明すると、ま
ず、触媒燃焼加熱装置１５を動作させて、触媒燃焼部１
６で燃料ガスと空気を酸化反応させて触媒燃焼を行い、
触媒燃焼部１６の熱を伝熱板２０に伝達して加熱する。
加熱された伝熱板２０は、良熱伝導性部材を基材とする
繊維からなる画成部２２を介して容器収容部１１の下方
に画成して配置された伝熱板収容部１８内に収容されて
いる。

【００２８】加熱調理された食品を収容した容器１４を
容器収容部１１内に入れ、蓋１２を閉じた後、取着部１
３により相互に係止する。伝熱板２０の熱は画成部２２
を介して容器収容部１１内の容器１４を加熱し、加熱調
理された食品は適正な温度に保温される。

【００２９】したがって、伝熱板収容部１８内に設けら
れて加熱される伝熱板２０は、その上面側に良熱伝導性
部材を基材とする繊維からなる画成部２１を形成してい
るため、容器収容部１１内へ容器１４を収容するとき
や、容器収容部１１から容器１４を取り出す際に、誤っ
て加熱された伝熱板２０に手が触れることがなく、安全
に使用することができる。

【００３０】また、容器収容部１１内に万一害虫等が侵
入した場合でも、隠れる隙間がないため、使用者が容器
１４を容器収容部１１に収容するときに容易に発見する
ことができるとともに、容器収容部１１の底部を平滑な
単一面にすることができるので清掃等も容易にでき、容
器収容部１１内を衛生的に保つことができる。

【００３１】また、脚２４の長さをカバー１７と床面と
の間に一定の隙間Ｂが形成されるように設定し、触媒燃
焼部１６とカバー１７と脚２４を金属製の伝熱板２０に
ねじ２３，２５で固着することによって、使用者が食品
用保温器を誤って落下させた場合でも、脚２４が床面に
当った際の衝撃を伝熱板２０によって分散吸収すること
ができ、カバー１７および触媒燃焼装置１６の破損およ
び故障を防止することができる。

【００３２】なお、画成部２２は、布の裏面にアルミ箔
等の良熱伝導性部材を張り付けて構成したものを用いて
もよく、また、画成部２２と容器収容部１１を同じ材料
で一体に構成してもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
器と、この容器を収容する容器収容部と、この容器収容
部の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生した
熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記伝熱板を収容する
伝熱板収容部とを具備し、前記伝熱板収容部は、前記容
器収容部の下方に画成して配設したから、容器収容部と
伝熱板収容部を分離することができ、容器収容部内に害
虫等が侵入した場合でも容易に発見して排除することが
できるとともに、容器収容部内の清掃を容易に行うこと
ができ、容器収容部内を衛生的に保つことができる。

【００３４】また、請求項２に記載の発明によれば、容
器収容部と伝熱板収容部の画成部は、良熱伝導性部材を
基材とする繊維で構成したから、触媒燃焼装置で得られ
た熱を伝熱板を介して、容器および容器内の食品に効率
良く伝えることができるとともに、使用者が容器収容部
から容器を取り出すときや、容器を容器収容部内へ入れ
るときに、誤って高温の伝熱板に手が触れるのを防止し
て、安全に取り扱うことができる。

【００３５】また、請求項３に記載の発明によれば、触
媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容器と、この容器を
収容する容器収容部と、この容器収容部の下方に配置さ
れ、前記触媒燃焼加熱装置で発生した熱を前記容器に伝
える伝熱板と、前記伝熱板を収容する伝熱板収容部と、
前記伝熱板収容部の外底部に突設した脚とを具備し、前
記脚は、伝熱板収容部の外底部に突設した触媒燃焼加熱
装置を覆うカバーより下方への突出量を大に設定し、同
脚によって形成される伝熱板収容部の下方空間に前記触
媒燃焼加熱装置を配設するとともに、前記脚を伝熱板に
取り付けたから、使用者が取り扱い中に誤って食品用保
温器を落下させた時でも、脚と樹脂製のカバーは、同一
の金属製の伝熱板に取り付けられているため、脚が床面
に当った際の衝撃を伝熱板によって分散吸収することが
でき、樹脂製のカバーおよび触媒燃焼装置の破損および
故障を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の食品用保温器の断面図

【図２】同食品用保温器の蓋を開いた状態の断面図

【図３】同食品用保温器の要部拡大断面図

【図４】従来の食品用保温器の断面図

【符号の説明】

１１ 容器収容部 １４ 容器 １５ 触媒燃焼加熱装置 １８ 伝熱板収容部 ２０ 伝熱板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉津 龍夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
   器と、この容器を収容する容器収容部と、この容器収容
   部の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生した
   熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記伝熱板を収容する
   伝熱板収容部とを具備し、前記伝熱板収容部は、前記容
   器収容部の下方に画成して配設した食品用保温器。
2. 【請求項２】 容器収容部と伝熱板収容部の画成部は、
   良熱伝導性部材を基材とする繊維で構成した請求項１記
   載の食品用保温器。
3. 【請求項３】 触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
   器と、この容器を収容する容器収容部と、この容器収容
   部の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生した
   熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記伝熱板を収容する
   伝熱板収容部と、前記伝熱板収容部の外底部に突設した
   脚とを具備し、前記脚は、伝熱板収容部の外底部に突設
   した触媒燃焼加熱装置を覆うカバーより下方への突出量
   を大に設定し、同脚によって形成される伝熱板収容部の
   下方空間に前記触媒燃焼加熱装置を配設するとともに、
   前記脚を伝熱板に取り付けた食品用保温器。