JPH10201631A - 食品用保温器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱調理された食品を保温する食品用保温器
において、食品を収容した容器をケースに安全に出し入
れできるようにする。 【解決手段】 触媒燃焼加熱装置１５で発生した熱を容
器１４に伝える伝熱板１８を、前記容器１４を収容する
ケース１１内の底部に設けるとともに、上面側に樹脂製
フィルムを設けた保護シート２１で前記伝熱板１８を覆
うようにし、手が直に伝熱板１８に触れないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱調理された食
品を保温する食品用保温器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の食品用保温器は、図６に
示すように構成していた。以下、その構成について説明
する。

【０００３】図に示すように、容器１は、加熱調理され
た食品（図示せず）を収容するもので、厚紙又は段ボー
ル等で形成している。触媒燃焼加熱装置２は、燃料ガス
と空気の混合ガスを触媒燃焼させて熱を発生させる。伝
熱板３は、容器１の上面に接触させて前記触媒燃焼加熱
装置２で発生した熱を容器１に伝えるもので、例えばア
ルミニウム等のような良熱伝導性材料で形成しており、
容器１内に収容した食品を保温する。

【０００４】ケース４は、その大部分に断熱材５を内蔵
した断熱性を有する構造に作られているもので、このケ
ース４内に容器１を収容し、ケース４の開放部を蓋６に
より閉じてケース４内の容器１を保温し、加熱調理され
た食品をおいしく食べられる温度に保つようにしてい
た。

【０００５】また、容器１の保温効果を高めるために容
器１を下方から加熱して保温することも考えられてお
り、この場合は、図７に示すような構成としていた。す
なわち、伝熱板７は容器１の下面に当接するように略コ
字状に形成するとともに、伝熱板７の下部をケース４の
底面から上方へ折り曲げて空間部８を形成し、この空間
部８に樹脂製カバー９で覆われた媒燃焼加熱装置を配設
し、ケース４の底面が平らになるようにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、ケース４より容器１を取り出すときに、
使用者が誤って容器１を加熱している伝熱板３に手を触
れるという問題を有していた。

【０００７】また、触媒燃焼加熱装置２をケース４の下
部に配設したものでは、ケース４の底面を平らにするた
めに、触媒燃焼加熱装置２をケース４内に設けているた
め、触媒燃焼に必要な空気はケース４内から取り込まれ
る。その結果、空気と触媒燃焼で排出した排気ガスが混
合されるため、良好な触媒燃焼を継続させることができ
なくなるという問題を有していた。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、使用
者が安全に使用できる食品用保温器を得ることを第１の
目的としている。

【０００９】また、触媒燃焼加熱装置の触媒燃焼を良好
に継続させることにより、加熱調理された食品を食する
ときまで、おいしく食べられる温度に保つことを第２の
目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記第１の目
的を達成するために、触媒燃焼加熱装置で発生した熱を
容器に伝える伝熱板を設けるとともに、この伝熱板の上
面側を保護シートで覆うようにしたものである。

【００１１】これにより、使用者がケースから容器を取
り出すときや、容器をケースへ入れるときに、誤って高
温の伝熱板に直に触れることがなくなり、安全に取り扱
うことができる。

【００１２】また、上記第２の目的を達成するために、
ケースの外底部に脚を突設して同ケースの下方に空間部
を形成するとともに、この空間部に樹脂製カバーで覆わ
れた触媒燃焼加熱装置を配設したものである。

【００１３】これにより、触媒燃焼加熱装置がケースの
外に配置されることから、触媒燃焼に必要な空気を外部
から取り入れることができ、良好に触媒燃焼を継続する
ことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容器と、この
容器の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生し
た熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記容器を伝熱板上
に載置して収容するケースと、前記伝熱板の上面を覆う
保護シートとを具備したものであり、使用者がケースよ
り容器を取り出すときに、誤って高温の伝熱板に直に触
れることがなくなり、安全に取り扱うことができる。

【００１５】請求項２に記載の発明は、上記請求項１記
載の発明において、保護シートは、伝熱板と当接する面
に良熱伝導性金属層を形成した樹脂製フィルムで構成し
たものであり、伝熱板を覆う保護シートの表面を樹脂製
フィルムで構成しているため、使用者が容器を取り出す
ときに触れても安全であり、しかも、伝熱板側に設けた
良熱伝導性金属層により、触媒燃焼加熱装置で発生した
熱を均一に容器に伝達することができる。

【００１６】請求項３に記載の発明は、上記請求項１ま
たは２記載の発明において、保護シートは、蓋を設けて
開閉自在にしたケースの開放側にその一端を固定したも
のであり、保護シートおよび伝熱板の清掃を行う際は、
これらをケースから容易に取り出すことができ、ケース
内を衛生的に保つことができるとともに、触媒燃焼加熱
装置の修理時は、ケースから取り出して容易に行うこと
ができる。

【００１７】請求項４に記載の発明は、上記請求項１記
載の発明において、保護シートは、伝熱板の上面に樹脂
層を形成して構成したものであり、伝熱板の表面に樹脂
製フィルムを直接設けることができ、構成を簡単にする
ことができる。

【００１８】請求項５に記載の発明は、触媒燃焼加熱装
置と、食品を収容する容器と、この容器の下方に配置さ
れ、前記触媒燃焼加熱装置で発生した熱を前記容器に伝
える伝熱板と、前記容器を伝熱板上に載置して収容する
ケースと、このケースの外底部に突設して同ケースの下
方に空間部を形成する脚とを具備し、前記空間部に樹脂
製カバーで覆った触媒燃焼加熱装置を配設したものであ
り、触媒燃焼加熱装置をケースの外に配置することがで
き、触媒燃焼に必要な空気を外部から取り入れて、良好
な触媒燃焼が得られる。

【００１９】請求項６に記載の発明は、上記請求項５記
載の発明において、ケースの外底部に持ち手を設けると
ともに、触媒燃焼加熱装置を覆った樹脂製カバーと前記
持ち手との間に保護体を形成したものであり、使用者が
ケースを持ち運ぶとき、使用者の腕等が触媒燃焼加熱装
置を覆っている樹脂製カバーに触れるのを防止して、安
全にケースを持ち運ぶことができる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００２１】（実施例１）図１〜図４に示すように、ケ
ース１１は、内部に断熱材を入れて保温効果を備えると
ともに、開閉自在な蓋１２を設けてその一側面を開放可
能に構成してあり、この蓋１２は閉じた状態に保持でき
るように、蓋１２とケース１１の双方の相対向する位置
に取着部１３を設けて脱着自在に係止することができ
る。そして、この蓋１２を開いて食品（図示せず）を収
容する容器１４を収容するように構成してあり、容器１
４は厚紙又は段ボール等で形成している。

【００２２】触媒燃焼加熱装置１５は、触媒燃焼部１６
で例えばブタンガス等の燃料ガスと空気を酸化反応させ
て触媒燃焼させることにより高温の熱を発生させるもの
で、高温となる触媒燃焼部１６は耐熱性を有する樹脂製
カバー１７で覆うように構成してあり、手等が直接触れ
ないようにするとともに、外部からの機械的な衝撃に対
しても保護するようにしている。

【００２３】ケース１１の内底部には、例えばアルミニ
ウムや銅等の良熱伝導性金属材料の薄板で形成した伝熱
板１８を配置している。この伝熱板１８の下面側には、
ねじ１９により樹脂製カバー１７を介して触媒燃焼加熱
装置１５をケース１１に着脱自在に固着するとともに、
伝熱板１８の略中央部に触媒燃焼部１６をねじ２０で取
り外し可能に固着している。

【００２４】保護シート２１は、ケース１１の内底部に
配設した伝熱板１８の上面を覆うようにケース１１に設
けてあり、伝熱板１８と当接する下面側に例えば１５ミ
クロン程度の薄いアルミニウム等の良熱伝導性金属層
と、例えば１２０ミクロン程度の薄いポリエチレンテレ
フタレート等の耐熱性を有する樹脂製フィルムで構成す
るとともに、その一端は蓋１２を設けて開閉自在にした
ケース１１の開放側に固着している。

【００２５】加熱調理された食品を収容した容器１４
は、伝熱板１８の上面を覆う保護シート２１上に載置し
てケース１１内に収容され、触媒燃焼部１６で発生した
熱を、伝熱板１８から保護シート２１を介して容器１４
に伝達して加熱し、容器１４内の食品を適温に保つ。

【００２６】ケース１１の外底部に複数突設した脚２２
は、同ケース１１を設置して容器１４の出し入れが容易
に行えるようにするとともに、ケース１１を設置した際
にケース１１の下方に空間部Ａを形成し、この空間部Ａ
に樹脂製カバー１７で覆った触媒燃焼加熱装置１５が突
出するように配設している。

【００２７】ケース１１の外底部のほぼ中央部分に設け
た持ち手２３は、運搬時に腕を通してケース１１を下方
からバランスよく支えるように把持するもので、この持
ち手２３と触媒燃焼加熱装置１５を覆った樹脂製カバー
１７との間には、ケース１１に固着した保護体２４を形
成し、持ち手２３に腕を通して把持したときに、触媒燃
焼加熱装置１５の熱で加熱されている樹脂製カバー１７
に手や腕等が触れないようにしている。

【００２８】上記構成において作用を説明すると、ま
ず、触媒燃焼加熱装置１５を動作させて、触媒燃焼部１
６で燃料ガスと空気を酸化反応させて触媒燃焼を行い、
触媒燃焼部１６の熱を伝熱板１８に伝達して加熱する。
加熱された伝熱板１８はケース１１内の底部に配置して
あり、その上面は保護シート２１で覆われている。

【００２９】加熱調理された食品を収容した容器１４を
ケース１１内に入れ、保護シート２１上に設置して蓋１
２を閉じた後、取着部１３により相互に係止する。伝熱
板１８の熱は容器１４を加熱し、加熱調理された食品が
適正な温度に保温される。

【００３０】したがって、ケース１１内に設けられて加
熱される伝熱板１８は、その上面側を樹脂製フィルムで
構成した保護シート２１で覆われているため、容器１４
をケース１１内へ収容するときや、ケース１１から取り
出す際に、誤って加熱された伝熱板１８に手が触れるこ
とがなく、保護シート２１に触れた場合でも安全に使用
することができる。

【００３１】また、ケース１１の外底部に脚２２を突設
して同ケース１１の下方に空間部Ａを形成し、この空間
部Ａに樹脂製カバー１７で覆った触媒燃焼加熱装置１５
を配設している。したがって、触媒燃焼加熱装置１５を
ケース１１の外に配置することができ、触媒燃焼に必要
な空気は樹脂製カバー１７に吸排気口２５を設けて外部
から取り入れることができるとともに、燃焼した排気ガ
スも外部へ排出することができ、排気ガスの混入がなく
良好な触媒燃焼が維持される。

【００３２】加熱調理された食品を収容した容器１４を
ケース１１内に入れて運搬するときは、ケース１１の外
底部のほぼ中央部分に設けた持ち手２３に腕を通してケ
ース１１を下方から支えるようにして把持することがで
きる。この際、持ち手２３と触媒燃焼加熱装置１５を覆
った樹脂製カバー１７との間に、保護体２４を設けてあ
るため、持ち手２３に腕を通して把持したときに、触媒
燃焼加熱装置１５の熱で加熱されている樹脂製カバー１
７に手や腕等が触れるのを防止することができる。

【００３３】保護シート２１は、伝熱板１８と当接する
面にアルミニウム等の良熱伝導性金属層を形成している
ので、触媒燃焼加熱装置１５で発生した熱を均一に容器
１４へ伝達することができ、容器１４内に収容されてい
る食品をムラなく加熱できる。

【００３４】また、保護シート２１は、ケース１１の開
放側にその一端を固定したため、保護シート２１をケー
ス１１外へ取り出すことができ、保護シート２１と伝熱
板１８が容易に清掃でき、ケース１１内を衛生的に保つ
ことができるるとともに、触媒燃焼加熱装置１５を修理
する時も、ケース１１から取り出して容易に修理するこ
とができる。

【００３５】（実施例２）図５に示すように、伝熱板２
６は、その上面に樹脂製フィルム２７を接着等により形
成したものである。他の構成は上記実施例１と同じであ
る。

【００３６】上記構成において作用を説明すると、伝熱
板２６の表面を樹脂製フィルム２７で覆っているため、
手等が加熱されている伝熱板２６に直に触れるのを簡単
な構成で防止することができる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
器と、この容器の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装
置で発生した熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記容器
を伝熱板上に載置して収容するケースと、前記伝熱板の
上面を覆う保護シートとを具備したから、使用者がケー
スより容器を取り出すときや、容器を収容するときに、
誤って高温に加熱されている伝熱板に手等が直に触れる
のを防止することができ、安全に取り扱うことができ
る。

【００３８】また、請求項２に記載の発明によれば、保
護シートは、伝熱板と当接する面に良熱伝導性金属層を
形成した樹脂製フィルムで構成したから、使用者がケー
スより容器を取り出すときや、容器を収容するときに、
手等が触れても安全であるとともに、伝熱板側に良熱伝
導性金属層を設けているため、触媒燃焼加熱装置で発生
した熱を均一に容器に伝達し、食品をムラなく保温する
ことができる。

【００３９】また、請求項３に記載の発明によれば、保
護シートは、蓋を設けて開閉自在にしたケースの開放側
にその一端を固定したから、保護シートをケース外へ取
り出すことができ、保護シートと伝熱板が容易に清掃で
き、ケース内を衛生的に保つことができるるとともに、
触媒燃焼加熱装置の修理時も、ケースから取り出して容
易に修理することができる。

【００４０】また、請求項４に記載の発明によれば、保
護シートは、伝熱板の上面に樹脂層を形成して構成した
から、使用者がケースより容器を取り出すときや、容器
を収容するときに、手等が加熱されている伝熱板に直に
触れるのを簡単な構成で防止することができる。

【００４１】また、請求項５に記載の発明によれば、触
媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容器と、この容器の
下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装置で発生した熱を
前記容器に伝える伝熱板と、前記容器を伝熱板上に載置
して収容するケースと、このケースの外底部に突設して
同ケースの下方に空間部を形成する脚とを具備し、前記
空間部に樹脂製カバーで覆った触媒燃焼加熱装置を配設
したから、触媒燃焼加熱装置をケースの外に配置するこ
とができ、触媒燃焼に必要な空気は樹脂製カバーに吸排
気口を設けて外部から取り入れることができるととも
に、燃焼した排気ガスも外部へ排出することができ、排
気ガスの混入がなく良好な触媒燃焼が維持され、加熱調
理された食品を食するときまで、おいしく食べられる温
度に保つことができる。

【００４２】また、請求項６に記載の発明によれば、ケ
ースの外底部に持ち手を設けるとともに、触媒燃焼加熱
装置を覆った樹脂製カバーと前記持ち手との間に保護体
を形成したから、持ち手に腕を通してケースを下方から
支えるようにして把持することができるとともに、持ち
手に通した腕や手等が触媒燃焼加熱装置の熱で加熱され
ている樹脂製カバーに触れるのを防止して、安全にケー
スを持ち運ぶことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の食品用保温器の分解斜
視図

【図２】同食品用保温器の断面図

【図３】同食品用保温器の要部拡大断面図

【図４】同食品用保温器の裏面図

【図５】本発明の第２の実施例の食品用保温器の要部断
面図

【図６】従来の食品用保温器の断面図

【図７】同食品用保温器の他の例の断面図

【符号の説明】

１１ ケース １４ 容器 １５ 触媒燃焼加熱装置 １８ 伝熱板 ２１ 保護シート

フロントページの続き (72)発明者 北野 智章 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
   器と、この容器の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装
   置で発生した熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記容器
   を伝熱板上に載置して収容するケースと、前記伝熱板の
   上面を覆う保護シートとを具備した食品用保温器。
2. 【請求項２】 保護シートは、伝熱板と当接する面に良
   熱伝導性金属層を形成した樹脂製フィルムで構成した請
   求項１記載の食品用保温器。
3. 【請求項３】 保護シートは、蓋を設けて開閉自在にし
   たケースの開放側にその一端を固定した請求項１または
   ２記載の食品用保温器。
4. 【請求項４】 保護シートは、伝熱板の上面に樹脂層を
   形成して構成した請求項１記載の食品用保温器。
5. 【請求項５】 触媒燃焼加熱装置と、食品を収容する容
   器と、この容器の下方に配置され、前記触媒燃焼加熱装
   置で発生した熱を前記容器に伝える伝熱板と、前記容器
   を伝熱板上に載置して収容するケースと、このケースの
   外底部に突設して同ケースの下方に空間部を形成する脚
   とを具備し、前記空間部に樹脂製カバーで覆った触媒燃
   焼加熱装置を配設した食品用保温器。
6. 【請求項６】 ケースの外底部に持ち手を設けるととも
   に、触媒燃焼加熱装置を覆った樹脂製カバーと前記持ち
   手との間に保護体を形成した請求項５記載の食品用保温
   器。