JPH11126679A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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Publication number
JPH11126679A
JPH11126679A JP28876497A JP28876497A JPH11126679A JP H11126679 A JPH11126679 A JP H11126679A JP 28876497 A JP28876497 A JP 28876497A JP 28876497 A JP28876497 A JP 28876497A JP H11126679 A JPH11126679 A JP H11126679A
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JP
Japan
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wire
litz wire
heating coil
stage
twisted
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Application number
JP28876497A
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English (en)
Inventor
Teruya Tanaka
照也 田中
Toshio Kakizawa
俊夫 柿沢
Koji Murakami
浩二 村上
Teruo Kobuna
照男 小鮒
Shojiro Sato
正二郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、占積率を大にして十分な電磁的結
合を得ることにより、加熱効率を向上させることを目的
とする。 【解決手段】 加熱コイル2を構成するリッツ線5aは
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とする
とともに、リッツ線5aにおける絶縁層で被覆された素
線の体積は加熱コイル2全体の体積に対し40%以上と
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱コイルに高周
波電流を流して被加熱体を誘導加熱する電磁調理器、電
気釜等を含む誘導加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導加熱調理器としては、例え
ば、特許第2566940号公報に開示されたものがあ
る。この誘導加熱調理器では、加熱コイルに巻回するコ
イル導線を、撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚
り構造とするとともに、その多段階重ね撚り構造をなす
ための全ての段階の撚り線を形成する線数を2としてい
る。そして、コイル導線に高周波電流が流れるときに生
じる撚り線間の近接効果を抑制して、加熱コイルの高周
波電流に対する抵抗増加を抑えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の誘導加熱調理器
では、多段階重ね撚り構造における各段階の撚り線を形
成する線数のみに着目して、加熱コイルの高周波電流に
対する抵抗増加を抑え、加熱コイル損失を低減するよう
にしている。ところで、特に、アルミや銅の鍋など、非
磁性の被加熱体を加熱するとき、さらに加熱コイルと被
加熱体との電磁的結合を考慮し、この電磁的結合を上げ
ると、一層効率よく、これらの被加熱体を加熱すること
ができると考えられる。
【0004】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
加熱コイルの全体積に対する素線の占める割合、即ち占
積率を大にして十分な電磁的結合を得ることにより、加
熱効率を向上させ、また加熱コイルの絶縁破壊を防止す
ることができる誘導加熱調理器を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、リッツ線を巻回してなる加
熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する
誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り線をさら
に撚り合わせる多段階重ね撚り構造とするとともに、前
記リッツ線における絶縁層で被覆された素線の体積は、
前記加熱コイル全体の体積に対し40%以上としてなる
ことを要旨とする。この構成により、加熱コイル全体積
に対し、素線の体積の占める割合、即ち占積率を増やす
と、素線同士の結合が密になってインダクタンスが大き
くなり、被加熱体との電磁的結合が増加する。占積率を
40%以上とすることで、十分な電磁的結合が得られて
略一定の高加熱効率とすることが可能となる。
【0006】請求項2記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、前記
加熱コイルはその多段階重ね撚り構造のリッツ線をコイ
ル状に巻回した後、これに外部より力を加えてコイル形
状を縮小させ、前記加熱コイル全体の体積に対し前記リ
ッツ線における絶縁層で被覆された素線の体積の割合を
上げるように構成してなることを要旨とする。この構成
により、多段階重ね撚り構造のリッツ線をコイル状に巻
回し、これに外部より力を加えてコイル形状を縮小させ
ることで、加熱コイル内の空気層部分が少なくなって占
積率を向上させることが可能となる。
【0007】請求項3記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、前記
加熱コイルはその多段階重ね撚り構造のリッツ線に外部
より力を加えて扁平状にした後コイル状に巻回し、前記
加熱コイル全体の体積に対し前記リッツ線における絶縁
層で被覆された素線の体積の割合を上げるように構成し
てなることを要旨とする。この構成により、多段階重ね
撚り構造のリッツ線の段階で、これに外部より力を加え
て扁平状にし、この扁平形状のリッツ線をコイル状に巻
回しても、加熱コイル内の空気層部分が少なくなって占
積率を向上させることが可能となる。
【0008】請求項4記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とするとと
もに、その多段階重ね撚り構造における最終段階の撚り
ピッチと前記多段階重ね撚り構造におけるリッツ線を構
成する素線の総本数とその素線の直径の2乗との積を3
0以上としてなることを要旨とする。この構成により、
多段階重ね撚り構造のリッツ線で加熱コイルを構成した
とき、最終段階の撚りピッチが粗い方がリッツ線の形状
が崩れて加熱コイル内の空気層部分が少なくなる。この
最終段階の撚りピッチは、素線の総本数とその素線の断
面積に関係する。最終段階の撚りピッチと素線の総本数
とその素線の直径の2乗との積を30以上とすること
で、占積率が十分に向上して略一定の高加熱効率とする
ことが可能となる。
【0009】請求項5記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、その
多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に被覆
された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ50
%以下にしてなることを要旨とする。この構成により、
素線を構成する導体線とその絶縁層に関しては、素線全
体の体積に対し絶縁層の体積の割合が下がると実質的に
占積率が向上する。絶縁層の断面積を導体線の断面積に
比べ50%以下にすることで、実質的に占積率が十分に
向上して高加熱効率とすることが可能となる。
【0010】請求項6記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、その
多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に被覆
された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ50
%以下にするとともに、前記加熱コイル全体をモールド
してなることを要旨とする。この構成により、絶縁層の
厚さを薄くすると、加熱効率は向上するが、絶縁層が破
損し易くなってリッツ線間でショート故障の起きるおそ
れがある。加熱コイル全体をモールドすることで、絶縁
層の厚さを薄くしてもリッツ線間の絶縁破壊を防止する
ことが可能となる。
【0011】請求項7記載の発明は、リッツ線を巻回し
てなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導
加熱する誘導加熱調理器において、前記リッツ線は撚り
線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、その
多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に被覆
された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ50
%以下にするとともに、前記加熱コイル全体をエポキシ
樹脂で真空注形モールドしてなることを要旨とする。こ
の構成により、素線の間に、より確実にエポキシ樹脂が
入り込み、絶縁層の厚さを薄くしてもリッツ線間の絶縁
破壊を一層確実に防止することが可能となる。また、エ
ポキシ樹脂は熱伝導率が高いので加熱コイルの温度を下
げることが可能となる。
【0012】請求項8記載の発明は、上記請求項1乃至
7の何れかに記載の誘導加熱調理器において、前記多段
階重ね撚り構造を構成する各段階の撚りは全て同方向に
撚り合わせるように構成してなることを要旨とする。こ
の構成により、多段階重ね撚り構造のリッツ線で加熱コ
イルを構成したとき、各段階の撚りを全て同方向に撚り
合わせることで、リッツ線の形状が崩れ易くなり、加熱
コイル内の空気層部分が少なくなって占積率を向上させ
ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0014】図1及び図2は、本発明の第1の実施の形
態を示す図である。まず、図1を用いて誘導加熱調理器
の全体構成を説明する。図1(a)に示すように、被加
熱体である鍋1の下側に、図示省略のトッププレートを
挟んで、リッツ線をスパイラル状に巻回した加熱コイル
2が配設されている。加熱コイル2に図示省略の高周波
インバータ等から高周波電流を流すと、加熱コイル2か
ら高周波磁界3が発生し、その高周波磁界3により鍋1
の底に誘導電流4が流れ、そのジュール熱により鍋1が
加熱されるようになっている。図1(b),(c)は、
加熱コイル2の断面図でリッツ線5が並んでいる様子を
示している。また、図1(d)は、そのリッツ線5の多
段階重ね撚り構造を示しており、リッツ線5は、40本
の素線を一度に束ねて撚り合わせて一次撚りとし、この
一次撚りを2束づつ撚り合わせて二次撚りとし、この二
次撚りをさらに4束撚り合わせて三次撚りとして構成さ
れている。このようなリッツ線5を巻回して構成された
加熱コイル2は、加熱コイル2の全体寸法に対し、素線
(含む絶縁層)の体積の占める割合、即ち占積率を増や
すと、素線同士がまず密に結合してインダクタンスが大
きくなり、鍋1との電磁的結合が増加する。加熱コイル
2と鍋1間の距離は、トッププレートがあるので必要以
上に近付けることはできないが、占積率の大きな加熱コ
イル2は、高周波電流と鍋1間が近付くことになり、電
磁的結合が上がって加熱効率が向上する。特にアルミや
銅などの鍋1は非磁性体のため、電磁的結合を上げるこ
とで、加熱コイル2に流れる高周波電流と鍋1間の距離
を狭めると、加熱効率を向上させることが可能となる。
この占積率を向上させるには、リッツ線5の形状を図1
(b)のように、円形を保っているのではなく、図1
(c)のように、リッツ線5aの形状が円形から崩れ、
4角形状で、加熱コイル2内に空気層が入らないように
することが必要である。これには、リッツ線がばらけ易
く、ある程度の力をかけてリッツ線をスパイラル状に巻
回する。
【0015】図2は、アルミ鍋を加熱した場合の占積率
に対する加熱効率の関係を示している。占積率を40%
以上にすると、ほぼ一定値で、高加熱効率とすることが
できる。占積率が40%程度以下になると加熱効率は極
端に悪化する。これは、結合係数が小さくなったためで
ある。
【0016】図3には、本発明の第2の実施の形態を示
す。本実施の形態では、占積率を上げるため、リッツ線
5をスパイラル状に巻いた後(図3(a))、その加熱
コイル2を、外側から力をかけてコイル形状を縮小し
(図3(b))、加熱コイル2内の空気層部分を少なく
して素線の占積率を向上させている。
【0017】図4及び図5には、本発明の第3の実施の
形態を示す。本実施の形態では、占積率を上げるため、
まずリッツ線5をローラ6等で扁平に形状を変えた後、
それを図5のように、スパイラル状に巻回している。こ
の扁平形状のリッツ線5bを用いて、(図3(b))の
ように2層構造に巻回することで、加熱コイル2内の空
気層部分を少なくし、占積率を上げることができる。
【0018】図6には、本発明の第4の実施の形態を示
す。占積率を向上させるには、リッツ線を巻回して加熱
コイル2を構成したとき、リッツ線の形状を崩れさせ
て、リッツ線が前記図1(c)のように加熱コイル2内
の空気層を埋める必要がある。そのとき、多段階重ね撚
り構造における最終段階の撚りピッチが粗いほうが、リ
ッツ線が崩れやすい。この最終段階の撚りピッチは、撚
り合わせの素線の総本数とその素線の断面積に関係す
る。図6は、最終段階の撚りピッチ(mm)×素線の総本
数(本)×(素線の直径(mm))2 とアルミ鍋の加熱効
率との関係を示している。この図より、最終段階の撚り
ピッチ(mm)×素線の総本数(本)×(素線の直径(m
m))2 が30以上の場合、加熱効率は75%以上でほ
ぼ一定となり、高加熱効率とすることができる。30以
下になると、加熱効率は極端に低下する。
【0019】図7乃至図9には、本発明の第5の実施の
形態を示す。リッツ線を構成する素線7は、図7に示す
ように、電流が流れる銅製の導体線8部分の上に絶縁層
9が被覆されている。多段階重ね撚り構造のリッツ線
で、素線7全体の体積に対し、絶縁層9の体積の割合を
下げれば占積率を上げることができる。図8は、素線全
体の体積に対する絶縁層の体積の割合とアルミ鍋加熱等
の加熱効率との関係を示したものである。この関係か
ら、素線全体の体積に対する絶縁層の体積を50%以下
にすると占積率が上がって75%以上の高加熱効率とす
ることができる。
【0020】素線7全体の体積に対する絶縁層9の体積
を50%以下にして、絶縁層9の厚さを薄くすると、加
熱効率は向上するが、リッツ線にしたときやそのリッツ
線を加熱コイル2にしたとき、絶縁層9に傷が付き、そ
こから絶縁層9が破れ易くなって、加熱コイル2のリッ
ツ線間でショートし、故障が起きるおそれがある。そこ
で、図9に示すように、エポキシ、シリコン、プラスチ
ック等のモールド材10で加熱コイル2の全体をモール
ドすることで、絶縁層9の厚さを薄くしてもリッツ線間
の絶縁破壊を防止することができる。このとき、モール
ド材10をエポキシ樹脂とし、これを真空注形すると、
素線7の間により確実にエポキシ樹脂が入り込み、絶縁
破壊を一層確実に防止することができる。また、一般に
エポキシ樹脂は熱伝導率が高いため、加熱コイル2の温
度を下げることが可能となる。
【0021】本発明の第6の実施の形態を説明する。前
述したように、占積率を向上させるには、リッツ線で加
熱コイル2を構成したとき、リッツ線の形状を崩れさせ
て、リッツ線が前記図1(c)のように加熱コイル2内
の空気層を埋める必要がある。このとき、多段階重ね撚
り構造を構成する各段階の撚りは、全て同方向に撚る方
が、リッツ線の形状が崩れやすい。素線径0.1mm×3
20本撚りのリッツ線で、加熱コイル70Tのコイルを
製作した場合の結果を述べる。素線径0.1mmの素線を
まず第1段階として40本撚り、第2段階としてこれを
2束撚り80本として、最終段階として第2段階で撚っ
たものを4束撚った。このとき、第1段階、第2段階、
第3段階と同方向に撚ったものの素線の加熱コイル全体
に対し素線の占積率52%に対し、第1段階を右、第2
段階を左、第3段階を右に撚った場合の素線の占積率は
22%と大幅に低下した。これは、後者は、逆向きの撚
りが入ったため、リッツ線内の素線が固くバインドされ
て撚り崩れず占積率が小さくなったものである。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせる多
段階重ね撚り構造とするとともに、前記リッツ線におけ
る絶縁層で被覆された素線の体積は、加熱コイル全体の
体積に対し40%以上としたため、占積率が大きく、十
分な電磁的結合が得られて略一定の高加熱効率とするこ
とができる。
【0023】請求項2記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、
加熱コイルはその多段階重ね撚り構造のリッツ線をコイ
ル状に巻回した後、これに外部より力を加えてコイル形
状を縮小させ、前記加熱コイル全体の体積に対し前記リ
ッツ線における絶縁層で被覆された素線の体積の割合を
上げるようにしたため、コイル形状を縮小させること
で、加熱コイル内の空気層部分が少なくなり、占積率が
向上して高加熱効率とすることができる。
【0024】請求項3記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、
加熱コイルはその多段階重ね撚り構造のリッツ線に外部
より力を加えて扁平状にした後コイル状に巻回し、前記
加熱コイル全体の体積に対し前記リッツ線における絶縁
層で被覆された素線の体積の割合を上げるようにしたた
め、扁平形状のリッツ線を巻回することで、加熱コイル
内の空気層部分が少なくなり、占積率が向上して高加熱
効率とすることができる。
【0025】請求項4記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とする
とともに、その多段階重ね撚り構造における最終段階の
撚りピッチと前記多段階重ね撚り構造におけるリッツ線
を構成する素線の総本数とその素線の直径の2乗との積
を30以上としたため、リッツ線の形状が崩れて加熱コ
イル内の空気層部分が少なくなり、占積率が十分に向上
して略一定の高加熱効率とすることができる。
【0026】請求項5記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、
その多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に
被覆された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ
50%以下としたため、実質的に占積率が十分に向上し
て高加熱効率とすることができる。
【0027】請求項6記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、
その多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に
被覆された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ
50%以下にするとともに、加熱コイル全体をモールド
したため、絶縁層の厚さを薄くして占積率の向上を図っ
てもリッツ線間の絶縁破壊を防止することができる。
【0028】請求項7記載の発明によれば、リッツ線は
撚り線をさらに撚り合わせる多段階重ね撚り構造とし、
その多段階重ね撚り構造のリッツ線を構成する導体線に
被覆された絶縁層の断面積をその導体線の断面積に比べ
50%以下にするとともに、加熱コイル全体をエポキシ
樹脂で真空注形モールドしたため、素線の間に、より確
実にエポキシ樹脂が入り込み、絶縁層の厚さを薄くして
占積率の向上を図ってもリッツ線間の絶縁破壊を一層確
実に防止することができる。
【0029】請求項8記載の発明によれば、前記多段階
重ね撚り構造を構成する各段階の撚りは全て同方向に撚
り合わせるようにしたため、リッツ線の形状が崩れ易く
なり、加熱コイル内の空気層部分が少なくなって占積率
が向上し、高加熱効率とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導加熱調理器の第1の実施の形
態を示す構成図である。
【図2】上記第1の実施の形態において占積率と加熱効
率の関係を示す特性図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における加熱コイル
の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態において多段階重ね
撚り構造のリッツ線に外部より力を加えて扁平状にする
様子を説明するための図である。
【図5】上記第3の実施の形態において扁平状のリッツ
線をスパイラル状に巻回した状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態において最終段階の
撚りピッチ×素線の総本数×(素線の直径)2 と加熱効
率の関係を示す特性図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態における素線の構成
を示す斜視図である。
【図8】上記第5の実施の形態において素線全体の体積
に対する絶縁層の体積の割合と加熱効率の関係を示す特
性図である。
【図9】上記第5の実施の形態において加熱コイルの全
体をモールドした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鍋(被加熱体) 2 加熱コイル 5,5a,5b リッツ線 7 素線 8 導体線 9 絶縁層 10 モールド材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 浩二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 小鮒 照男 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (72)発明者 佐藤 正二郎 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とするとともに、前記リッツ線に
    おける絶縁層で被覆された素線の体積は、前記加熱コイ
    ル全体の体積に対し40%以上としてなることを特徴と
    する誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とし、前記加熱コイルはその多段
    階重ね撚り構造のリッツ線をコイル状に巻回した後、こ
    れに外部より力を加えてコイル形状を縮小させ、前記加
    熱コイル全体の体積に対し前記リッツ線における絶縁層
    で被覆された素線の体積の割合を上げるように構成して
    なることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 【請求項3】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とし、前記加熱コイルはその多段
    階重ね撚り構造のリッツ線に外部より力を加えて扁平状
    にした後コイル状に巻回し、前記加熱コイル全体の体積
    に対し前記リッツ線における絶縁層で被覆された素線の
    体積の割合を上げるように構成してなることを特徴とす
    る誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とするとともに、その多段階重ね
    撚り構造における最終段階の撚りピッチと前記多段階重
    ね撚り構造におけるリッツ線を構成する素線の総本数と
    その素線の直径の2乗との積を30以上としてなること
    を特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とし、その多段階重ね撚り構造の
    リッツ線を構成する導体線に被覆された絶縁層の断面積
    をその導体線の断面積に比べ50%以下にしてなること
    を特徴とする誘導加熱調理器。
  6. 【請求項6】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とし、その多段階重ね撚り構造の
    リッツ線を構成する導体線に被覆された絶縁層の断面積
    をその導体線の断面積に比べ50%以下にするととも
    に、前記加熱コイル全体をモールドしてなることを特徴
    とする誘導加熱調理器。
  7. 【請求項7】 リッツ線を巻回してなる加熱コイルに高
    周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理
    器において、前記リッツ線は撚り線をさらに撚り合わせ
    る多段階重ね撚り構造とし、その多段階重ね撚り構造の
    リッツ線を構成する導体線に被覆された絶縁層の断面積
    をその導体線の断面積に比べ50%以下にするととも
    に、前記加熱コイル全体をエポキシ樹脂で真空注形モー
    ルドしてなることを特徴とする誘導加熱調理器。
  8. 【請求項8】 前記多段階重ね撚り構造を構成する各段
    階の撚りは全て同方向に撚り合わせるように構成してな
    ることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の誘
    導加熱調理器。
JP28876497A 1997-10-21 1997-10-21 誘導加熱調理器 Pending JPH11126679A (ja)

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