JPH11125839A - 液晶表示装置、液晶パネル、lcdドライバ、並びにポリシリコン薄膜トランジスタの製造方法、およびレーザアニール装置 - Google Patents

液晶表示装置、液晶パネル、lcdドライバ、並びにポリシリコン薄膜トランジスタの製造方法、およびレーザアニール装置

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JPH11125839A
JPH11125839A JP29255297A JP29255297A JPH11125839A JP H11125839 A JPH11125839 A JP H11125839A JP 29255297 A JP29255297 A JP 29255297A JP 29255297 A JP29255297 A JP 29255297A JP H11125839 A JPH11125839 A JP H11125839A
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智広 笹川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面むらの少ない、動作不良の少ない液晶パ
ネルやドライバ、あるいは液晶表示装置を得る。さらに
これらデバイスを実現するに適した製造方法とレーザア
ニール装置を提供する。 【解決手段】 フーリエ変換型位相ホログラム11を用
いてレーザ発振器14から出射されるレーザビームの強
度分布を均一化し、かつ基板13上に照射される上記レ
ーザビームの位置を、ガルバノスキャナのミラー16に
よりビーム走査方向と直交する方向に揺動させながら走
査して基板13上のポリシリコン薄膜トランジスタ形成
個所をレーザアニールし、移動度あるいは閾値電圧のバ
ラツキを±10%以内に抑制したポリシリコン薄膜トラ
ンジスタを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶パネルとこ
の液晶パネルを駆動するLCDドライバとを備えた液晶
表示装置、および液晶パネル、およびLCDドライバ、
およびこれら液晶表示装置や液晶パネルやLCDドライ
バにおいて使用されるポリシリコン薄膜トランジスタの
製造方法、および上記ポリシリコン薄膜トランジスタの
製造にあたって用いられるレーザアニール装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体膜としてアモルファスシリコンを
用いた薄膜トランジスタをスイッチング素子とする液晶
ディスプレイが実用化されているが、高精細化に伴って
画素サイズが小さくなってきており、薄膜トランジスタ
部の占有面積を極力小さくする必要がある。また画素数
が増加するに従い、画素へ表示信号に応じた充電電圧を
充電するために許容される時間も短くなり、薄膜トラン
ジスタのオン抵抗を極力小さくする必要がある。このた
め、アモルファスシリコンをより動作速度の速いポリシ
リコンに置き換えようとする開発が進んでいる。さら
に、上記薄膜トランジスタを駆動する回路までも、ポリ
シリコンを用いた薄膜トランジスタを用いて形成してい
こうとしており、ポリシリコンが液晶表示装置における
キーマテリアルとなってきている。
【0003】ポリシリコン膜を得る手段としては固相成
長法とレーザアニール法が知られている。しかしなが
ら、固相成長法ではアニール温度を低温化することが困
難であるため、レーザアニール法が有用である。レーザ
アニール法は、ガラス基板等の基板上に形成されたアモ
ルファスシリコン層をレーザでアニーリングし、溶融再
結晶化する方法であり、全体を高温に加熱する必要がな
いため、安価なガラスを基板として用いることができ、
低温ポリシリコン薄膜トランジスタの製造法として期待
されている。図8は液晶パネルと駆動回路が一体となっ
た液晶表示装置を製造するための部材を示す斜視図であ
り、図において、100は駆動IC、200は画素を作
り込むディスプレイ部分である。
【0004】ところで、上記ディスプレイ部分200に
形成される薄膜トランジスタのアモルファスシリコン膜
全域を一度にレーザ照射するには、極めて大出力のレー
ザが必要となるため、通常はレーザビームを整形し、均
一強度分布をもつ細線状ビームに変換して、その細線状
ビームを一部重ねながらずらしていくことにより全域を
アニールする手法がとられている。図9は、レーザアニ
ール装置の一例を示すものであり、例えばレーザとして
エキシマレーザ101を用い、レーザビームをビームホ
モジナイザ103を含む光学系104を通し、真空チャ
ンバ105に導入する。チャンバは真空や一定の雰囲気
にコントロールするためのポンプ107やガス系106
を有する。ビーム走査は基板110を置くステージをス
テージコントローラ108により移動させて行なう。な
お、109はステージコントローラ108やレーザコン
トローラ102を制御するコンピュータである。
【0005】一般に、細線状レーザビームのような均一
な強度分布を作り出すビーム形成光学系としてはフライ
アイレンズとシリンドリカル状のコンデンサレンズが用
いられている。図10は、例えば「最新レーザ加工技術
総覧」(産業技術サービスセンター発行)の231〜2
33頁に示されたビームホモジナイザーである。図にお
いて、13は基板、14はレーザ発振器、51はフライ
アイレンズ、52はコンデンサレンズとして用いるシリ
ンドリカルレンズ、53は入射レーザビームの強度分布
である。
【0006】次に、このフライアイレンズ方式ビームホ
モジナイザの動作について説明する。レーザ発振器14
から出射されたレーザビームは、多数(図10ではA〜
Eの5個)の四角形あるいはシリンドリカルレンズが光
軸と直交する横断面に束ねられた、いわゆるフライアイ
レンズ51で波面が分割される。分割されたレーザビー
ムは上記フライアイレンズ51の焦点位置で集光された
後、上記フライアイレンズ51と共焦点になっているコ
ンデンサレンズ52に入射され、このコンデンサレンズ
52の像側の焦点に置かれた基板13上において、分割
された各レーザビームを再び重ね合せることにより均一
なレーザビームを形成する。図11にA〜Eに分割され
たレーザビームの基板上でのレーザビームの強度分布と
これらを重ねあわせた後のレーザビームの強度分布を示
す。本方式では、分割されたレーザビームのうち、図1
1のAとE、BとDのように光軸に対して対称なもの同
士では対称な強度分布をもつので、これらを各々重ねあ
わせることにより均一性を確保する。このため、入射レ
ーザビームが光軸に対し対称であること、および入射レ
ーザビームの光軸とフライアイレンズの中心軸が正確に
一致していることが必要である。これら条件が満たされ
たレーザアニール装置では、通常5分割〜11分割程度
にレーザビームを分割するフライアイレンズを用いて、
レーザビーム強度の均一度は約±5%が達成されてい
る。
【0007】一般にレーザアニールで良く用いられるエ
キシマレーザの場合、励起放電を生ぜしめるための放電
電極がレーザの運転とともに経時的に不均一に消耗し、
入射レーザビームの光軸に対する対称性が損なわれてし
まう。また光学系を構成するミラー、レンズなどが振
動、熱などにより変位した場合も、入射レーザビームの
光軸とフライアイレンズの中心軸の相対位置が変位して
しまい、結果として基板上でのレーザビーム強度分布が
経時的に不均一なものとなり、±5%以上の不均一性が
生じる。
【0008】すなわち、本方式によりレーザアニールを
行ない、ポリシリコン膜を形成して得られたポリシリコ
ン薄膜トランジスタを有する液晶パネルやドライバ、あ
るいはこれらを備えた液晶表示装置においては、経時的
なレーザビームの強度分布変化によりポリシリコンの結
晶粒径、移動度、および閾値電圧にバラツキが生じる。
図12にポリシリコン化のために照射されるレーザエネ
ルギー密度と、そのレーザビームを用いてn型薄膜トラ
ンジスタを形成したときの移動度との関係を示す。n型
ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度として通常必要
とされる100cm2/V・s 以上の範囲において、移
動度のバラツキは、±5%の照射強度のバラツキに対し
±16%以上と大きくなるため、特性にむらがある液晶
パネルやドライバ、あるいはこれらを備えた液晶表示装
置が製造されてしまうことになる。また、p型ポリシリ
コン薄膜トランジスタの場合においても、移動度として
通常必要とされる50cm2/V・s 以上の範囲で、±
5%の照射強度のバラツキに対し、同様の移動度のバラ
ツキが生じ、特性にむらがある液晶パネルやドライバ、
あるいはこれらを備えた液晶表示装置が製造されてしま
うことになる。
【0009】ところで、薄膜トランジスタを流れる電流
dは、 Id=μ・(W/L)・Cox・{(Vg−Vth)・Vd−Vd 2/2}・・・(1) で表される。ここでμ、Vthはポリシリコンあるいはア
モルファスシリコンの特性で決まる移動度および閾値電
圧であり、W、Lはそれぞれチャネル部の幅と長さ、C
oxはゲート酸化膜の静電容量、Vgはゲートに印加され
る電圧、Vdはドレインに印加される電圧である。今、
d=Vg−Vth(ピンチオフ領域)を仮定すると式
(1)は、 Id=μ・(W/L)・Cox・(Vg−Vth)・Vd/2・・・(2) となり、結局薄膜トランジスタの抵抗値R(=Id
d)は R=2・L/{μ・W・Cox・(Vg−Vth)} で表される。薄膜トランジスタに負荷容量Cが接続され
ている場合は、充電の時定数τは τ=C・R =(Cox・W・L)・(2L/{μ・W・Cox・(Vg−Vth)}) =2・L2/{μ・(Vg−Vth)}・・・(3) となるため、充電時定数τは移動度、閾値電圧のバラツ
キを反映することになる。
【0010】ここでアクティブマトリックス用スイッチ
として薄膜トランジスタを考えると、負荷容量は画素と
なり、典型的には1pF程度の静電容量をもつ。ポリシ
リコン薄膜トランジスタの抵抗値は数kΩであるので、
充電時定数τは式(3)より数ナノ秒となる。いわゆる
点順次駆動のXGA級液晶パネルの場合、1画素の充電
に許される時間は20ナノ秒程度であり、充電時定数の
数倍の時間しか許容されない。前述したように、従来の
上記液晶パネルにおいてはポリシリコン薄膜トランジス
タの移動度に±16%以上のバラツキがあるので、平均
充電時定数を5ナノ秒(すなわち抵抗値R=5kΩ)と
すれば、ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度のバラ
ツキにより抵抗値もばらつくため、最高、最低時定数は
式(3)よりそれぞれ4.2ナノ秒、5.8ナノ秒とな
る。許容充電時間20ナノ秒後の充電電圧は、V=V0
(1―exp(−τ/CR))で求められ、4.2ナノ
秒の場合、V=0.991V0、5.8ナノ秒の場合、
V=0.968V0であり、2.4%のバラツキが生じ
てしまうことになる(V0 はソース・ドレイン間に印加
される電圧)。これは、画素への充電電圧を最大4Vと
した時、少なくとも95mVの変動が存在することを意
味し、これによる画面むらが問題となっている。
【0011】一方、ビーム形成光学系を構成する重要な
要素としてフーリエ変換型位相ホログラムタイプのホロ
グラムを具備するものが提案されている。図13に例え
ば特開平8−148423号公報に示されたビーム形成
光学系を示す。図において、10はレンズ、11はフー
リエ変換型位相ホログラム(以下ホログラムと略す)、
12はレンズ10及びホログラム11から構成されるビ
ーム整形光学系である。即ち、レンズ10及びホログラ
ム11はアニーリング加工対象物13上で長手方向に均
一なレーザ強度分布を有する細線状レーザビームを得る
ためのビーム整形光学系12を構成している。
【0012】次に動作について説明する。レーザ発振器
14から発せられたレーザ光は、レンズ10及びホログ
ラム11から構成されるビーム整形光学系12を通る。
この際、レーザ光はレンズ10によって基板13上に照
射されるが、レンズ10と基板13との間に設けられた
ホログラム11によって基板13上に一直線に並んだい
くつもの重なり合った照射スポットを持つように空間変
調される。ホログラム11は、それぞれの照射スポット
を基板13上の任意の位置に、任意の強度で配置するこ
とができる。図14は図13のレーザビーム整形光学系
12で整形され、液晶パネルに照射されるレーザビーム
形状を示す図である。図14に示すように、一直線上に
照射スポットが並ぶようなホログラム11を用い、さら
に照射スポットの重なり合わせピッチを均等なピッチと
することにより(図14(b))、基板13上で長手方
向に均一になるようなレーザビーム(図14(a))を
得ることができる。通常のホログラム11ではレーザビ
ームは400〜800の照射スポットに分割され、レー
ザビームの照射強度のバラツキは±3〜5%に抑えられ
る。
【0013】上記のようなレーザビーム形成光学系にお
いては、励起放電を生ぜしめるための放電電極がレーザ
の運転とともに不均一に消耗し、入射レーザビームの光
軸に対する対称性が損なわれた場合には、各々の照射ス
ポット形状がそれに応じて変化するが、これら照射スポ
ットは多数重ね合わされているので、重ね合わされた結
果としての基板上のレーザビーム強度分布の均一性は変
化しない。同様に光学系を構成するミラー、レンズなど
が振動、熱などにより変位した時に生じる可能性のあ
る、ホログラムの中心軸と入射レーザビームの光軸がず
れた場合にも、レーザビームがホログラムからはずれな
い限り基板上のレーザビーム強度分布の均一性は経時的
に変化しない。
【0014】したがって、上記方式によりレーザアニー
ルを行なった液晶パネルやドライバ、あるいはこれらを
備えた液晶表示装置においては、フライアイレンズを用
いた方式に比べ、経時的な入射レーザビームの変化、あ
るいは光軸の変化によりレーザビームの強度分布は変化
せず、ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度および閾
値電圧はそのバラツキ度合いが変化せず、初期状態と同
様の均一な液晶パネルやドライバ、あるいはこれらを備
えた液晶表示装置を製造することができる。しかしなが
ら、このようなホログラムを用いたビーム形成光学系に
よりレーザアニールを行う場合にも、前述のようにレー
ザビームの照射強度のバラツキは±3〜5%であり、こ
のためn型ポリシリコン薄膜トランジスタの場合、移動
度として通常必要とされる100cm2/V・s 以上の
範囲で、上記移動度に±10%以上のバラツキが生じて
しまう。この結果、最大56mV程度の充電電圧のバラ
ツキが生じることになり、画面むらが依然問題となって
くる。p型ポリシリコン薄膜トランジスタの場合におい
ても、移動度として通常必要とされる50cm2/V・
s 以上の範囲で、±3〜5%の照射強度のバラツキに
対し、同様の移動度のバラツキが生じ、画面むらが依然
問題となってくる。
【0015】このように、ホログラムを用いたビーム形
成光学系によるレーザアニールを行なった液晶パネルや
ドライバ、あるいはこれらを備えた液晶表示装置におい
ては、初期状態と同様のバラツキをもつ均一なものが製
造できるが、ホログラムの製造工程に起因する±3〜5
%程度のレーザビーム強度分布はあるので、これによる
ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度および閾値電圧
のバラツキを解消することは極めて困難であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、フ
ライアイレンズを用いたビーム形成光学系によりレーザ
アニールを行なった液晶パネルやドライバ、あるいはこ
れらを備えた液晶表示装置においては、薄膜トランジス
タの移動度が、n型ポリシリコン薄膜トランジスタの場
合、通常必要とされる100cm2/V・s 以上の範囲
で、p型ポリシリコン薄膜トランジスタの場合、通常必
要とされる50cm2/V・s 以上の範囲で、または薄
膜トランジスタの閾値電圧が、n型ポリシリコン薄膜ト
ランジスタの場合、通常使用される0.5V〜2Vの範
囲で、p型ポリシリコン薄膜トランジスタの場合、通常
使用される−0.5V〜−2Vの範囲で、経時的なレー
ザビームの強度分布変化により上記ポリシリコン薄膜ト
ランジスタの移動度および閾値電圧に±16%以上のバ
ラツキが生じるので、そのバラツキによる画面むら、動
作不良がある液晶パネルやドライバ、あるいはこれらを
備えた液晶表示装置が製造されてしまう。また、この経
時変化を防ぐためにホログラムを用いたビーム形成光学
系によりレーザアニールを行なった液晶パネルやドライ
バ、あるいはこれらを備えた液晶表示装置においても、
ホログラムの製造工程に起因する±3〜5%程度のレー
ザビーム強度分布が生じるので、上記と同様、ポリシリ
コン薄膜トランジスタの移動度および閾値電圧に±10
%以上のバラツキが生じ、このバラツキによる画面む
ら、動作不良がある液晶パネルやドライバ、あるいはこ
れらを備えた液晶表示装置が製造されてしまうという問
題点があった。
【0017】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、画面むらの少ない液晶パネル、
動作不良の少ないドライバ、および液晶表示装置を得る
ことを目的としており、さらにこれらデバイスを実現す
るに適したポリシリコン薄膜トランジスタの製造方法お
よびレーザアニール装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶表示装
置は、アクティブマトリックス液晶パネルにおけるアク
ティブマトリックス用スイッチとして用いられるn型ポ
リシリコン薄膜トランジスタ、またはLCDドライバに
おけるデータ側ドライバもしくは走査側ドライバの少な
くとも一部分を構成するn型ポリシリコン薄膜トランジ
スタの移動度が、100cm2/V・s 以上の範囲で、
または上記n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電
圧が0.5V〜2Vの範囲で、上記移動度または上記閾
値電圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以内と
なるように構成したものである。
【0019】また、本発明に係る液晶表示装置は、アク
ティブマトリックス液晶パネルにおけるアクティブマト
リックス用スイッチとして用いられるp型ポリシリコン
薄膜トランジスタ、またはLCDドライバにおけるデー
タ側ドライバもしくは走査側ドライバの少なくとも一部
分を構成するp型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動
度が、50cm2/V・s 以上の範囲で、または上記p
型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が−0.5
V〜−2Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電圧の
バラツキが、これらの平均値の±10%以内となるよう
に構成したものである。
【0020】また、本発明に係る液晶パネルは、アクテ
ィブマトリックス液晶パネルにおけるアクティブマトリ
ックス用スイッチとして用いられるn型ポリシリコン薄
膜トランジスタの移動度が、100cm2/V・s 以上
の範囲で、または上記n型ポリシリコン薄膜トランジス
タの閾値電圧が0.5V〜2Vの範囲で、上記移動度ま
たは上記閾値電圧のバラツキが、これらの平均値の±1
0%以内となるように構成したものである。
【0021】また、本発明に係る液晶パネルは、アクテ
ィブマトリックス液晶パネルにおけるアクティブマトリ
ックス用スイッチとして用いられるp型ポリシリコン薄
膜トランジスタの移動度が、50cm2/V・s 以上の
範囲で、または上記p型ポリシリコン薄膜トランジスタ
の閾値電圧が−0.5V〜−2Vの範囲で、上記移動度
または上記閾値電圧のバラツキが、これらの平均値の±
10%以内となるように構成したものである。
【0022】また、本発明に係るLCDドライバは、デ
ータ側ドライバまたは走査側ドライバの少なくとも一部
分を構成するn型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動
度が、100cm2/V・s 以上の範囲で、または上記
n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が0.5
V〜2Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバ
ラツキが、これらの平均値の±10%以内となるように
構成したものである。
【0023】また、本発明に係るLCDドライバは、デ
ータ側ドライバまたは走査側ドライバの少なくとも一部
分を構成するp型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動
度が、50cm2/V・s 以上の範囲で、または上記p
型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が−0.5
V〜−2Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電圧の
バラツキが、これらの平均値の±10%以内となるよう
に構成したものである。
【0024】また、本発明に係るポリシリコン薄膜トラ
ンジスタの製造方法は、上記薄膜トランジスタをレーザ
照射による再結晶化プロセスにより製造する際に、少な
くとも一つのフーリエ変換型位相ホログラムを用いてレ
ーザビームの強度分布を均一化し、かつ基板上に照射さ
れる上記レーザビームの位置をビーム走査方向と直交す
る方向に揺動させながら走査してポリシリコン薄膜トラ
ンジスタ形成個所をレーザアニールするようにしたもの
である。
【0025】また、本発明に係るレーザアニール装置
は、少なくとも一つのフーリエ変換型位相ホログラムを
用いてレーザビームの強度分布を均一化するビーム均一
化手段と、均一化された上記レーザビームと基板を相対
的に走査してポリシリコン薄膜トランジスタ形成個所に
上記レーザビームを照射しレーザアニールする走査機構
と、基板上に照射される上記レーザビームの位置を走査
方向と直交する方向に揺動させる揺動機構とを備えたも
のである。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
液晶表示装置を示す図である。図1において、1は駆動
回路一体型液晶表示装置、2はアクティブマトリックス
液晶パネル、3はアクティブマトリックス用低温n型ポ
リシリコン薄膜トランジスタであり、移動度が100c
2/V・s 以上で、かつ移動度のバラツキが±10%
以下に抑えられたポリシリコン薄膜トランジスタであ
る。4は移動度のバラツキを±10%以下に抑えた上記
ポリシリコン薄膜トランジスタで構成されたデータ側ド
ライバ、5は移動度のバラツキを±10%以下に抑えた
上記ポリシリコン薄膜トランジスタで構成された走査側
ドライバ、6は液晶である。
【0027】低温ポリシリコン薄膜トランジスタの移動
度、あるいは閾値電圧が画素の充電特性に影響を与える
ことは既に述べた。またフーリエ変換型位相ホログラム
の使用により、経時的なバラツキ、変動は抑制され、画
面むら、動作不良も少なくできることも既に述べた。し
かしながら前述したようにフーリエ変換型位相ホログラ
ムの製造プロセスの誤差により、ホログラム方式を用い
た場合も、なおレーザビーム強度に±3〜5%のバラツ
キを生じてしまう。
【0028】図2は、この発明の実施の形態1に係わる
ビーム形成光学系を示す図であり、移動度のバラツキを
±10%以下に抑えたポリシリコン薄膜トランジスタを
形成するための光学系を示すものである。図において、
10はレンズ、11はフーリエ変換型位相ホログラム、
12はビーム整形光学系、13は基板、14はエキシマ
レーザ発振器、15はミラー、16はガルバノスキャナ
のミラーである。
【0029】次に動作について説明する。エキシマレー
ザ発振器14から出射されたレーザ光はミラー15によ
りガルバノスキャナのミラー16に導かれる。レーザビ
ームはガルバノスキャナのミラー16で反射され、フー
リエ変換型位相ホログラム11に入射され、細線状ビー
ムに整形された後、基板13上に照射される。照射され
たレーザビームは基板13上に成膜されたアモルファス
シリコンに吸収され、アモルファスシリコンを溶融した
のち、固化する際にポリシリコンとなる。ところが照射
レーザビームにはホログラムの製造プロセスの誤差によ
る照射強度のバラツキによりポリシリコン結晶粒径、移
動度、あるいは閾値電圧等にバラツキを生じる。次のパ
ルスが照射される時には、ガルバノスキャナによりミラ
ー16の角度がわずかに変わりホログラム11を通して
照射されるレーザビームの位置がスキャン方向とは垂直
方向にわずかに変化するため、前のショットで生じた結
晶粒径、移動度、あるいは閾値電圧等の分布もわずかに
変化する。これを繰り返すことにより基板全面にわたり
結晶粒径、移動度、あるいは閾値電圧等のバラツキは低
減される。
【0030】図3および図4により、本実施の形態に係
わるレーザアニール方法(図3)と従来のレーザアニー
ル方法(図4)との違いを説明する。図3、図4におい
て、201はホログラム方式により形成された細線状の
レーザビームを示し、202は上記レーザビーム201
においてレーザビーム強度が強い部分、203は上記レ
ーザビーム201においてレーザビーム強度が弱い部分
である。本実施の形態においては、レーザビーム201
の位置をショット毎にレーザビーム走査方向208と直
交する方向に揺動させているので、基板205上に照射
されたレーザビームの強度分布は、図3の204に示す
ように偏ることなく平均化された状態となる。その結
果、基板205上にある各アモルファスシリコン薄膜ト
ランジスタ206には種々の強度を有するレーザビーム
が照射され、移動度が平均化したポリシリコン薄膜トラ
ンジスタ207が形成され、移動度のバラツキが±10
%以下に抑えられることとなる。これに対して、従来の
方法では、レーザビーム201の位置が一定の状態で基
板205上をスキャンするので、基板205上に照射さ
れたレーザビームの強度分布は、図4の209に示すよ
うに偏った状態となる。その結果、基板205上にある
各アモルファスシリコン薄膜トランジスタ206には各
トランジスタ毎に異なる強度を有するレーザビームが照
射され、例えば移動度が相対的に高いポリシリコン薄膜
トランジスタ301と移動度が相対的に低いポリシリコ
ン薄膜トランジスタ302とが形成されることとなり、
形成されたポリシリコン薄膜トランジスタの特性にバラ
ツキが生じる結果となる。
【0031】図1に示した液晶表示装置は、図2のよう
なビーム形成光学系を用いたレーザアニール方法、およ
びレーザアニール装置により製造さた薄膜トランジスタ
を用いているので、形成されたポリシリコン薄膜トラン
ジスタの特性にバラツキがなく、画面むら、動作不良が
少ない液晶表示装置が得られることとなる。
【0032】なお、この実施の形態においてはアクティ
ブマトリックス液晶パネル、データ側ドライバ、および
走査側ドライバに、上記レーザアニール方法により製造
されたポリシリコン薄膜トランジスタを用い、かつ同一
ガラス基板上にこれらを形成したいわゆる駆動回路一体
型液晶表示装置を示したが、これらの一部分に上記レー
ザアニール方法により製造されたポリシリコン薄膜トラ
ンジスタを用いてもよい。また、少なくともその一部を
ポリシリコン薄膜トランジスタで形成したデータ側ドラ
イバ、走査側ドライバ、あるいは液晶パネル単体におい
ても同様に画面むらを起こしにくく、動作不良が少ない
LCDドライバや液晶パネルが実現できる。
【0033】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2に係わるビーム形成光学系を示す図である。図中、
17はポリゴンミラーである。次に動作について説明す
る。レーザ発振器14から出射されたレーザビームはポ
リゴンミラー17で反射され、フーリエ変換型位相ホロ
グラム11に入射され、細線状ビームに整形された後、
基板13上に照射される。照射されたレーザビームは基
板13上に成膜されたアモルファスシリコンに吸収さ
れ、アモルファスシリコンを溶融したのち、固化する際
にポリシリコンとなる。ところが照射レーザビームには
ホログラムの製造プロセスの誤差による照射強度のバラ
ツキによりポリシリコン結晶粒径、移動度、あるいは閾
値電圧等にバラツキを生じる。しかし次のパルスが照射
される時に、ポリゴンミラー17においてミラーの角度
がわずかに変わるようにしておけば、ホログラム11を
通して照射されるレーザビームの位置がスキャン方向と
は垂直方向にわずかに変化し、実施の形態1におけるガ
ルバノスキャナで得られたのと同様の効果が得られる。
すなわち、この実施の形態2に係るビーム形成光学系に
より製造された薄膜トランジスタを用いれば、画面む
ら、動作不良が少ない液晶パネルやLCDドライバ、あ
るいはこれらを備えた液晶表示装置が製造できる。
【0034】実施の形態3.図6は、この発明の実施の
形態3に係わるビーム形成光学系を示す図である。図
中、18は音響光学モジュレータである。次に動作につ
いて説明する。レーザ発振器14から出射されたレーザ
光は音響光学モジュレータ18を透過し、フーリエ変換
型位相ホログラム11に入射され、細線状ビームに整形
された後、基板13上に照射される。照射されたレーザ
ビームは基板13上に成膜されたアモルファスシリコン
に吸収され、アモルファスシリコンを溶融したのち、固
化する際にポリシリコンとなる。ところが照射レーザビ
ームにはホログラムの製造プロセスの誤差による照射強
度のバラツキによりポリシリコン結晶粒径、移動度、あ
るいは閾値電圧等にバラツキを生じる。しかし次のパル
スが照射される時には、音響光学モジュレータ18によ
る回折効果によりビームの光軸がわずかに傾き、ホログ
ラム11を通して照射されるレーザビームの位置がスキ
ャン方向とは垂直方向にわずかに変化し、実施の形態1
におけるガルバノスキャナで得られたのと同様の効果が
得られる。すなわち、この実施の形態3に係るビーム形
成光学系により製造された薄膜トランジスタを用いれ
ば、画面むら、動作不良が少ない液晶パネルやLCDド
ライバ、あるいはこれらを備えた液晶表示装置が製造で
きる。
【0035】実施の形態4.図7は、この発明の実施の
形態4に係わるビーム形成光学系を示す図である。図
中、19はアクチュエータである。次に動作について説
明する。レーザ発振器14から出射されたレーザ光はフ
ーリエ変換型位相ホログラム11に入射され、細線状ビ
ームに整形された後、基板13上に照射される。照射さ
れたレーザビームは基板13上に成膜されたアモルファ
スシリコンに吸収され、アモルファスシリコンを溶融し
たのち、固化する際にポリシリコンとなる。ところが照
射レーザビームにはホログラムの製造プロセスの誤差に
よる照射強度のバラツキによりポリシリコン結晶粒径、
移動度、あるいは閾値電圧等にバラツキを生じる。しか
しこの実施の形態4においては、ホログラム11はアク
チュエータ19によりわずかに光軸に対して傾くように
構成されている。したがって、次のパルスが照射される
時には、アクチュエータ19によりホログラム11は光
軸に対してわずかに傾き、ホログラム11を通して照射
されるレーザビームの位置がスキャン方向とは垂直方向
にわずかに変化し、実施の形態1におけるガルバノスキ
ャナで得られたのと同様の効果が得られる。すなわち、
この発明に係るビーム形成光学系により製造された薄膜
トランジスタを用いれば、画面むら、動作不良が少ない
液晶パネルやLCDドライバ、あるいはこれらを備えた
液晶表示装置が製造できる。
【0036】なお、上記各実施の形態においては、n型
ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度のバラツキにつ
いて述べたが、各実施の形態による光学系を用いてレー
ザアニールすることにより、p型ポリシリコン薄膜トラ
ンジスタの場合においても、通常使用される50cm2
/V・s 以上の範囲において、上記ポリシリコン薄膜
トランジスタの移動度のバラツキが、これらの平均値の
±10%以内となるように構成でき、画面むら、動作不
良が少ない液晶パネルやLCDドライバ、あるいはこれ
らを備えた液晶表示装置が製造できる。また、各実施の
形態による光学系を用いてレーザアニールすることによ
り、n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が
0.5V〜2Vの範囲において、上記n型ポリシリコン
薄膜トランジスタの閾値電圧のバラツキが、これらの平
均値の±10%以内となるように構成でき、画面むら、
動作不良が少ない液晶パネルやLCDドライバ、あるい
はこれらを備えた液晶表示装置が製造できる。さらに、
各実施の形態による光学系を用いてレーザアニールする
ことにより、p型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値
電圧が−0.5V〜−2Vの範囲において、上記p型ポ
リシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧のバラツキが、
これらの平均値の±10%以内となるように構成でき、
画面むら、動作不良が少ない液晶パネルやLCDドライ
バ、あるいはこれらを備えた液晶表示装置が製造でき
る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、アク
ティブマトリックス液晶パネルとこの液晶パネルを駆動
するLCDドライバとを備えた液晶表示装置において、
アクティブマトリックス液晶パネルにおけるアクティブ
マトリックス用スイッチとして用いられるn型ポリシリ
コン薄膜トランジスタ、またはLCDドライバにおける
データ側ドライバもしくは走査側ドライバの少なくとも
一部分を構成するn型ポリシリコン薄膜トランジスタの
移動度が、100cm2/V・s 以上の範囲で、または
上記n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が
0.5V〜2Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電
圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以内となる
ように構成したので、画面むら、動作不良が少ない液晶
表示装置が製造できる。
【0038】また、本発明によれば、アクティブマトリ
ックス液晶パネルとこの液晶パネルを駆動するLCDド
ライバとを備えた液晶表示装置において、アクティブマ
トリックス液晶パネルにおけるアクティブマトリックス
用スイッチとして用いられるp型ポリシリコン薄膜トラ
ンジスタ、またはLCDドライバにおけるデータ側ドラ
イバもしくは走査側ドライバの少なくとも一部分を構成
するp型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度が、5
0cm2/V・s 以上の範囲で、または上記p型ポリシ
リコン薄膜トランジスタの閾値電圧が−0.5V〜−2
Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキ
が、これらの平均値の±10%以内となるように構成し
たので、画面むら、動作不良が少ない液晶表示装置が製
造できる。
【0039】また、本発明によれば、アクティブマトリ
ックス液晶パネルにおいて、アクティブマトリックス用
スイッチとして用いられるn型ポリシリコン薄膜トラン
ジスタの移動度が、100cm2/V・s 以上の範囲
で、または上記n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾
値電圧が0.5V〜2Vの範囲で、上記移動度または上
記閾値電圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以
内となるように構成したので、画面むら、動作不良が少
ない液晶パネルが製造できる。
【0040】また、本発明によれば、アクティブマトリ
ックス液晶パネルにおいて、アクティブマトリックス用
スイッチとして用いられるp型ポリシリコン薄膜トラン
ジスタの移動度が、50cm2/V・s 以上の範囲で、
または上記p型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電
圧が−0.5V〜−2Vの範囲で、上記移動度または上
記閾値電圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以
内となるように構成したので、画面むら、動作不良が少
ない液晶パネルが製造できる。
【0041】また、本発明によれば、LCDドライバに
おいて、データ側ドライバまたは走査側ドライバの少な
くとも一部分を構成するn型ポリシリコン薄膜トランジ
スタの移動度が、100cm2/V・s 以上の範囲で、
または上記n型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電
圧が0.5V〜2Vの範囲で、上記移動度または上記閾
値電圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以内と
なるように構成したので、画面むら、動作不良が少ない
LCDドライバが製造できる。
【0042】また、本発明によれば、LCDドライバに
おいて、データ側ドライバまたは走査側ドライバの少な
くとも一部分を構成するp型ポリシリコン薄膜トランジ
スタの移動度が、50cm2/V・s 以上の範囲で、ま
たは上記p型ポリシリコン薄膜トランジスタの閾値電圧
が−0.5V〜−2Vの範囲で、上記移動度または上記
閾値電圧のバラツキが、これらの平均値の±10%以内
となるように構成したので、画面むら、動作不良が少な
いLCDドライバが製造できる。
【0043】また、本発明によれば、上記ポリシリコン
薄膜トランジスタをレーザ照射による再結晶化プロセス
により製造する際に、少なくとも一つのフーリエ変換型
位相ホログラムを用いてレーザビームの強度分布を均一
化し、かつ基板上に照射される上記レーザビームの位置
をビーム走査方向と直交する方向に揺動させながら走査
してポリシリコン薄膜トランジスタ形成個所をレーザア
ニールするようにしたので、移動度および閾値電圧が極
めて均一なポリシリコン薄膜トランジスタが形成でき
る。
【0044】また、本発明によれば、上記ポリシリコン
薄膜トランジスタをレーザ照射による再結晶化プロセス
により製造するレーザアニール装置において、少なくと
も一つのフーリエ変換型位相ホログラムを用いてレーザ
ビームの強度分布を均一化するビーム均一化手段と、均
一化された上記レーザビームと基板を相対的に走査して
ポリシリコン薄膜トランジスタ形成個所に上記レーザビ
ームを照射しレーザアニールする走査機構と、基板上に
照射される上記レーザビームの位置を走査方向と直交す
る方向に揺動させる揺動機構とを備えたので、基板上で
のレーザビーム強度分布に偏りがなくなり、基板上の複
数の薄膜トランジスタを均一なビーム強度で照射できる
ため、移動度および閾値電圧のバラツキの少ない薄膜ト
ランジスタが得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による駆動回路一体
型液晶表示装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係わるビーム形成
光学系を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係わるポリシリコ
ン薄膜トランジスタの製造方法を説明する説明図であ
る。
【図4】 従来のポリシリコン薄膜トランジスタの製造
方法を説明する説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係わるビーム形成
光学系を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係わるビーム形成
光学系を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態4に係わるビーム形成
光学系を示す構成図である。
【図8】 液晶パネルと駆動回路が一体となった液晶表
示装置を製造するための部材を示す斜視図である。
【図9】 従来のレーザアニール装置を示す構成図であ
る。
【図10】 従来のフライアイレンズを用いたビーム形
成光学系を示す構成図である。
【図11】 従来のフライアイレンズを用いたビーム形
成光学系におけるビーム強度分布の均一化の原理を示す
説明図である。
【図12】 レーザエネルギー密度とポリシリコンの移
動度との相関を示す図である。
【図13】 従来のフーリエ変換型位相ホログラムを用
いたビーム形成光学系を示す構成図である。
【図14】 従来のフーリエ変換型位相ホログラムを用
いたビーム形成光学系におけるビーム強度分布の均一化
の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置、2 アクティブマトリックス液晶パ
ネル、3 アクティブマトリックス用ポリシリコン薄膜
トランジスタ、4 データ側ドライバ、5 走査側ドラ
イバ、6 液晶、10 レンズ、11 フーリエ変換型
位相ホログラム、12 ビーム整形光学系、13 基
板、14 レーザ発振器、15 ミラー、16 ガルバ
ノスキャナのミラー、17 ポリゴンミラー、18 音
響光学モジュレータ、19 アクチュエータ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブマトリックス液晶パネルとこ
    の液晶パネルを駆動するLCDドライバとを備えた液晶
    表示装置において、上記アクティブマトリックス液晶パ
    ネルにおけるアクティブマトリックス用スイッチとして
    用いられるn型ポリシリコン薄膜トランジスタ、または
    上記LCDドライバにおけるデータ側ドライバもしくは
    走査側ドライバの少なくとも一部分を構成するn型ポリ
    シリコン薄膜トランジスタの移動度が、100cm2
    V・s 以上の範囲で、または上記n型ポリシリコン薄
    膜トランジスタの閾値電圧が0.5V〜2Vの範囲で、
    上記移動度または上記閾値電圧のバラツキが、これらの
    平均値の±10%以内となるように構成したことを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 アクティブマトリックス液晶パネルとこ
    の液晶パネルを駆動するLCDドライバとを備えた液晶
    表示装置において、上記アクティブマトリックス液晶パ
    ネルにおけるアクティブマトリックス用スイッチとして
    用いられるp型ポリシリコン薄膜トランジスタ、または
    上記LCDドライバにおけるデータ側ドライバもしくは
    走査側ドライバの少なくとも一部分を構成するp型ポリ
    シリコン薄膜トランジスタの移動度が、50cm2/V
    ・s 以上の範囲で、または上記p型ポリシリコン薄膜
    トランジスタの閾値電圧が−0.5V〜−2Vの範囲
    で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキが、これ
    らの平均値の±10%以内となるように構成したことを
    特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 アクティブマトリックス液晶パネルにお
    いて、アクティブマトリックス用スイッチとして用いら
    れるn型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度が、1
    00cm2/V・s 以上の範囲で、または上記n型ポリ
    シリコン薄膜トランジスタの閾値電圧が0.5V〜2V
    の範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキ
    が、これらの平均値の±10%以内となるように構成し
    たことを特徴とするアクティブマトリックス液晶パネ
    ル。
  4. 【請求項4】 アクティブマトリックス液晶パネルにお
    いて、アクティブマトリックス用スイッチとして用いら
    れるp型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度が、5
    0cm2/V・s 以上の範囲で、または上記p型ポリシ
    リコン薄膜トランジスタの閾値電圧が−0.5V〜−2
    Vの範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキ
    が、これらの平均値の±10%以内となるように構成し
    たことを特徴とするアクティブマトリックス液晶パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 LCDドライバにおいて、データ側ドラ
    イバまたは走査側ドライバの少なくとも一部分を構成す
    るn型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度が、10
    0cm2/V・s 以上の範囲で、または上記n型ポリシ
    リコン薄膜トランジスタの閾値電圧が0.5V〜2Vの
    範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキが、
    これらの平均値の±10%以内となるように構成したこ
    とを特徴とするLCDドライバ。
  6. 【請求項6】 LCDドライバにおいて、データ側ドラ
    イバまたは走査側ドライバの少なくとも一部分を構成す
    るp型ポリシリコン薄膜トランジスタの移動度が、50
    cm2/V・s 以上の範囲で、または上記p型ポリシリ
    コン薄膜トランジスタの閾値電圧が−0.5V〜−2V
    の範囲で、上記移動度または上記閾値電圧のバラツキ
    が、これらの平均値の±10%以内となるように構成し
    たことを特徴とするLCDドライバ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のポ
    リシリコン薄膜トランジスタをレーザ照射による再結晶
    化プロセスにより製造する際に、少なくとも一つのフー
    リエ変換型位相ホログラムを用いてレーザビームの強度
    分布を均一化し、かつ基板上に照射される上記レーザビ
    ームの位置をビーム走査方向と直交する方向に揺動させ
    ながら走査してポリシリコン薄膜トランジスタ形成個所
    をレーザアニールするようにしたことを特徴とするポリ
    シリコン薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載のポ
    リシリコン薄膜トランジスタをレーザ照射による再結晶
    化プロセスにより製造するレーザアニール装置におい
    て、少なくとも一つのフーリエ変換型位相ホログラムを
    用いてレーザビームの強度分布を均一化するビーム均一
    化手段と、均一化された上記レーザビームと基板を相対
    的に走査してポリシリコン薄膜トランジスタ形成個所に
    上記レーザビームを照射しレーザアニールする走査機構
    と、基板上に照射される上記レーザビームの位置を走査
    方向と直交する方向に揺動させる揺動機構とを備えたレ
    ーザアニール装置。
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