JPH11125624A - 液体クロマトグラフ - Google Patents

液体クロマトグラフ

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JPH11125624A
JPH11125624A JP29071297A JP29071297A JPH11125624A JP H11125624 A JPH11125624 A JP H11125624A JP 29071297 A JP29071297 A JP 29071297A JP 29071297 A JP29071297 A JP 29071297A JP H11125624 A JPH11125624 A JP H11125624A
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JP
Japan
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separation
extraction column
sample
target component
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JP29071297A
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Inventor
Hitoshi Iwabuchi
等 岩渕
Kenichi Shizukuishi
賢一 雫石
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Hitachi Instruments Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Instruments Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、分解能の向上した固相抽出装
置を用いる液体クロマトグラフを提供することにある。 【解決手段】固相抽出カラム130には、オートサンプ
ラー20から試料50Aが導入され、試料中の目的成分
が吸着される。固相抽出カラム130に試料50Aを導
入する時の方向(X方向)と逆方向(Y方向)から、固
相抽出カラム130’に吸着された目的成分を溶解し得
る分離溶離液50B若しくは試料溶解溶媒50Cを流入
させて溶解した後、溶解した目的成分を分離カラム82
に導入して分離分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、液体クロマトグ
ラフに係り、特に、固相抽出のための前処理装置を備え
た液体クロマトグラフに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体クロマトグラフに用いられる
固相抽出装置においては、オートサンプラから溶媒に溶
かした試料を注入し、固相抽出カラムに目的成分を吸着
させ、不必要な夾雑物成分を廃棄するようにしている。
目的成分の吸着された固相抽出カラムは、液体クロマト
グラフの分離カラムの前段に新たに接続される。固相抽
出カラムの上流側から前処理用溶離液を流すことによ
り、固相抽出カラムに吸着された目的成分は溶離して、
分離カラムに導入され、その後、分離溶離液が、分離カ
ラムの上流から流されて、目的成分の分離分析が行われ
る。これによって、不要な夾雑物を取り除いて、目的と
する固相の成分についてのみの分離分析を行うことがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固相抽出装置を用いる液体クロマトグラフにおける分解
能が、一般の液体クロマトグラフ分析における分解能に
比べて低いという問題があった。
【0004】本発明者らは、その原因について検討を行
ったところ、固相抽出カラムに吸着された目的成分を溶
離して、分離カラムに導入するために固相抽出カラムの
上流側から流す前処理用溶離液によって、固相抽出カラ
ムから目的成分が溶離するとともに、固相カラム内で各
々の成分毎に分離し始めることが判明した。分離の開始
した成分が分離カラムに導入され、分離溶離液を用いて
分離カラム内で更に分離されることとなるため、分離の
程度が進み過ぎる結果、クロマトピークの半値幅が広が
り、分解能が低下するものである。
【0005】本発明の目的は、分解能の向上した固相抽
出装置を用いる液体クロマトグラフを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、試料中の
目的成分を吸着する固相抽出カラムと、この固相抽出カ
ラムに吸着された試料の目的成分が導入され、上記目的
成分を分離する分離カラムと、この分離カラムによって
分離された各成分を検出する検出器とを有する液体クロ
マトグラフにおいて、上記固相抽出カラムに上記試料を
導入する時の方向と逆方向から、固相抽出かラムに吸着
された上記目的成分を溶解し得る溶液を流入させて溶解
した後、溶解した目的成分を上記分離カラムに導入する
ようにしたものである。かかる構成により、固相抽出カ
ラムの中で分離を開始した目的成分に対して試料の導入
方向と逆方向から溶液を流すことにより、分離の開始し
た目的成分を押し戻して、一カ所に集めた後、分離カラ
ムで分離することとなるため、分解能を向上し得るもの
となる。
【0007】(2)上記(1)において、好ましくは、
上記目的成分を溶解し得る溶液は、上記分離カラムにお
いて各成分を分離する分離溶離液としたものである。か
かる構成により、分離分析に用いる分離溶離液をそのま
ま用いることができる。
【0008】(3)上記(1)において、好ましくは、
上記目的成分を溶解し得る溶液は、上記固相抽出カラム
に吸着された上記目的成分を溶解する試料溶解溶媒とし
たものである。かかる構成により、分離の開始した目的
成分をさらに集めやすくなり、分解能が向上し得るもの
となる。
【0009】(4)上記(1)において、好ましくは、
上記固相抽出カラムに流入する上記目的成分を溶解し得
る溶液の量は、上記固相抽出カラムに導入された上記試
料の量と同量としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を用いて、本発
明の一実施形態による液体クロマトグラフについて説明
する。最初に、図1を用いて、本実施形態による液体ク
ロマトグラフの全体構成について説明する。図1は、本
発明の一実施形態による液体クロマトグラフの全体構成
を示すブロック図である。
【0011】固相前処理装置100は、2つの6方バル
ブ110,120と、固相抽出カラム130とから構成
されている。6方バルブ110は、6個のバルブ口11
0a,110B,110C,110D,110E,11
0Fを有しており、第1の状態では、実線で示すよう
に、バルブ口110Aとバルブ口110Bが連通し、バ
ルブ口110Cとバルブ口110Dが連通し、バルブ口
110Eとバルブ口110Fが連通している。また、6
方バルブ110を切り替えて第2の状態とすると、図中
に破線で示すように、バルブ口110Aとバルブ口11
0Fが連通し、バルブ口110Bとバルブ口110Cが
連通し、バルブ口110Dとバルブ口110Eが連通す
る。同様にして、6方バルブ120は、6個のバルブ口
120a,120B,120C,120D,120E,
120Fを有しており、第1の状態では、実線で示すよ
うに、バルブ口120Aとバルブ口120Bが連通し、
バルブ口120Cとバルブ口120Dが連通し、バルブ
口120Eとバルブ口120Fが連通している。また、
6方バルブ120を切り替えて第2の状態とすると、図
中に破線で示すように、バルブ口120Aとバルブ口1
20Fが連通し、バルブ口120Bとバルブ口120C
が連通し、バルブ口120Dとバルブ口120Eが連通
する。
【0012】固相抽出カラム130は、図示しないター
ンテーブル上に複数個,例えば、72個載置されてい
る。固相抽出カラム130の両端の開口は、クランプ機
構により、6方バルブ110,120に接続された配管
に対して、自在に着脱可能となっている。例えば、図示
の状態では、固相抽出カラム130の上端は、バルブ口
110Bに接続された配管140Aに接続されており、
固相抽出カラム130の下端は、バルブ口110Eに接
続された配管140Bに接続されている。クランプ機構
を解除することにより、固相抽出カラム130の両端
は、配管140A,140Bから開放されるので、その
後、図示しないターンテーブルを1ステップ回転させる
ことにより、6方バルブ120に近接した位置に固相カ
ラム130’として、移動することができる。ここで言
う1ステップとは、ターンテーブル上に72個の固相抽
出カラムが載置されている場合には、5゜(=360゜
/72)である。6方バルブ120側にもクランプ機構
を備えており、例えば、図示の状態では、固相抽出カラ
ム130’の上端は、バルブ口120Eに接続された配
管150Aに接続され、固相抽出カラム130’の下端
は、バルブ口120Bに接続された配管150Bに接続
することができる。
【0013】6方バルブ110のバルブ口110Aは、
固相前処理用に用いられるポンプ10及びオートサンプ
ラー20に接続されている。ポンプ10は、切替バルブ
30を切り替えることにより、緩衝液40A若しくは洗
浄液40Bを選択的に6方バルブ110に供給すること
ができる。ここで、緩衝液40Aとしては、例えば、
0.2モルの食塩水を用いる。また、洗浄液としては、
蒸留水80%とメタノール20%の混合物が用いられ
る。
【0014】オートサンプラー20は、分析対象の試料
50Aや、分離溶離液50Bや、試料溶解溶媒50Cを
定量サンプリングして、6方バルブ110方向に供給す
ることができる。ここで、分離溶離液50Bとしては、
例えば、蒸留水20%とアセトニトリル80%の混合物
を用いることができ、これは、後述するように、分離カ
ラムを用いた分離分析に用いる溶離液と同じものであ
る。また、これ以外にも、蒸留水20%とメタノール8
0%の混合物を用いることができる。さらに、試料溶解
溶媒50Cとしては、例えば、アセトニトリルを用いる
ことができる。また、これ以外にも、メタノールや、酢
酸エチルを用いることができる。分離溶離液50Bや試
料溶解溶媒50Cの作用については、後述する。
【0015】また、6方バルブ120のバルブ口120
Fは、分離分析用のポンプ60に接続されており、ポン
プ60は、溶離液70を所定の流量で6方バルブ120
の方向に供給することができる。さらに、6方バルブ1
20のバルブ口120Aは、カラムオーブン80内の分
離カラム82に接続されている。分離カラム82によっ
て分離された成分は、三次元検出器90によって検出さ
れる。検出器90によって検出された信号は、データ処
理器200に取り込まれ、クロマトグラムとして出力表
示される。
【0016】次に、本実施形態による液体クロマトグラ
フの前処理・分析動作について説明する。最初に、前処
理動作について説明する。
【0017】前処理の段階では、固相抽出カラム130
は、6方バルブ110の配管140A,140Bに対し
て、図示するように、クランプ機構を用いて接続されて
いる。6方バルブ110は、図中に実線で示す第1の状
態に切り替えられている。この状態において、ポンプ1
0は、緩衝液40Aを所定の流量で6方バルブ110の
方向に供給する。バルブ口110Aとバルブ口110B
が接続されているため、緩衝液40Aは、配管140A
を介して、固相抽出バルブ130の上端側から下端側に
流れ、さらに、バルブ口110Eとバルブ口110Fが
接続されているため、固相抽出カラム130から流出す
る緩衝液40Aは、配管140Bを介して、固相抽出バ
ルブ130の下端側から6方バルブ120のバルブ口1
20Cに流れる。また、このとき、6方バルブ120
は、図中に実線で示す第1の状態に切り替えられている
ため、バルブ口120Cとバルブ口120Dは接続され
ており、バルブ口120Cから流入した緩衝液40A
は、バルブ口120Dを介して、廃液として流出する。
この状態では、固相抽出カラム130及びそれに接続さ
れた流路は、緩衝液40Aで満たされており、固相抽出
カラム130はウオーミングアップされている。
【0018】固相抽出カラム130がウオーミングアッ
プされている状態において、オートサンプラー20は、
所定量,例えば、500μlの試料50Aをサンプリン
グする。試料50Aは、溶媒に溶解されている。サンプ
リングされた試料50Aは、固相抽出カラム130に矢
印X方向に導入される。固相抽出カラム130は、導入
された試料中の夾雑物を除去するためのものである。固
相抽出カラム130に試料50Aが導入されると、試料
50A中の成分は、固相抽出カラム130に吸着され、
それ以外の夾雑物は、固相抽出カラム130の外部に排
出される。
【0019】次に、切替バルブ30を切り替えて、ポン
プ10は、洗浄液40Bを6方バルブ110の方向に供
給する。洗浄液40Bは、固相抽出カラム130に少量
吸着されている夾雑物を溶解するために、メタノールを
含んでおり、洗浄液40Bを固相抽出カラム130に流
通することにより、夾雑物は溶解除去されて、配管14
0Bからバルブ口110E,110F,120C,12
0Dを経て廃液として廃液ビンに捨てられる。これによ
って、固相抽出カラム130中には、目的とする成分が
吸着された状態となっている。
【0020】しかしながら、ここで、洗浄液40B中に
は、少量のメタノールが含まれているため、固相抽出カ
ラム130に吸着された目的成分の分離が僅かに開始し
ていることが判明した。また、試料を溶解するために用
いる溶媒も、目的成分の分離を開始する作用を有してい
る。従って、このままの状態で、固相抽出カラム130
の中の目的成分を、分離分析用の分離カラムに導入する
と、さらに、分離が進むこととなり、検出されるクロマ
トグラムのピークの半値幅が広がり、分解能が低下する
ことになる。
【0021】そこで、本実施形態においては、目的成分
の吸着した固相抽出カラム130の両端をクランプ機構
を用いて、配管140A,140Bから切り離した後、
図示しないターンテーブルを所定角度回転させて、固相
抽出カラム130を、6方バルブ120の近傍に移動す
る。その後、6方バルブ120側のクランプ機構によ
り、配管150A,150Bを固相抽出カラム130’
の両端に接続する。
【0022】次に、6方バルブ110,120を切り替
えて、第2の状態に設定する。即ち、図中において、破
線で示されるように、6方バルブ110のバルブ口11
0Aとバルブ口110Fが接続される。また、6方バル
ブ120のバルブ口120Cとバルブ口120Bが接続
される。固相抽出カラム130’の下端側に接続されて
いる配管150Bは、バルブ口120Bに接続されてい
るため、オートサンプラー20から、6方バルブ110
を経て、固相抽出カラム130’の下端側に接続された
流路が確保される。固相抽出カラム130’の上端は、
配管150A及び、バルブ口120Eとバルブ口120
Dを介して、廃液側に接続される。
【0023】この状態において、オートサンプラー20
は、所定量,例えば、導入された試料50Aと同量の5
00μlの分離溶離液50Bをサンプリングする。サン
プリングされた分離溶離液50Bは、6方バルブ110
のバルブ口110A,110Fと、6方バルブ120の
バルブ口120C,120Bを経て、固相抽出カラム1
30’に矢印Y方向に導入される。即ち、分離溶離液5
0Bを流す方向は、試料50Aを固相抽出カラム130
に導入した時の方向(X方向)と逆方向になるようにし
ている。
【0024】ここで、図2を用いて、分離溶離液の作用
について説明する。図2は、本発明の一実施形態による
液体クロマトグラフにおける分離溶離液の作用の説明図
である。
【0025】図2(A)に示すように、オートサンプラ
ー20は、固相抽出カラム130に、試料50Aを導入
する。試料50Aは、溶媒に溶解されており、目的成分
と溶媒が混合した状態となっている。サンプリングされ
た試料50A中の成分(図中の黒い部分)は、固相抽出
カラム130に吸着され、それ以外の夾雑物は、固相抽
出カラム130の外部に排出される。
【0026】次に、図2(B)に示すように、洗浄液4
0Bが固相抽出カラム130に導入され、夾雑物が除去
される。ここで、洗浄液40B中のメタノールの影響
や、溶媒の影響で、固相抽出カラム130に吸着された
目的成分の分離が僅かに開始する(図中の縞模様の状態
となる)。
【0027】それに対して、図2(C)に示すように、
試料50Aの導入方向(X方向)と逆のY方向から、オ
ートサンプラー20を用いて、試料50Aと同量の分離
溶離液50Bを導入する。分離溶離液50Bは、多量の
アセトニトリルを含んでおり、固相抽出カラム130’
に吸着した目的成分を溶解するとともに、一旦分離を開
始した目的成分を逆方向に押し戻すことになる。
【0028】その結果、図2(D)に示すように、目的
成分は、固相抽出カラム130’の上端側に押し戻され
て一ヶ所に集まることになる。
【0029】次に、分析動作について説明する。図1に
破線で示したように、6方バルブ120が第2の状態に
切り替えられている状態では、バルブ口120Fとバル
ブ口120Aが連通している。そこで、ポンプ60を用
いて、分離溶離液70を、分離カラム82に供給するこ
とにより、分離カラム82は、ウオーミングアップ状態
となっている。
【0030】次に、6方バルブ120を、実線で示す第
1の状態に切り替えると、バルブ口120Fとバルブ口
120Eが連通して、分離溶離液70が固相抽出カラム
130’の上端から流入する。固相抽出カラム130’
の下端は、配管150Bと、バルブ口120B,120
Aを介して、分離カラム82に連通しているため、固相
抽出カラム130’中の目的成分は、分離カラム82に
導入され、分離される。分離された各成分は、検出器9
0によって検出され、データ処理器200によって、ク
ロマトグラムが出力表示される。
【0031】ここで、図3を用いて、本実施形態によっ
て得られたクロマトグラムについて説明する。図3は、
本発明の一実施形態による液体クロマトグラフによって
得られたクロマトグラムの説明図である。
【0032】図3(A)は、従来の方法によって得られ
たクロマトグラムを示しており、図1に示した例におけ
る固相抽出カラム130’に対してY方向から分離溶離
液を流すことは行っていないものである。クロマトグラ
ムの最後のピークであるスルファジメトシキンの理論段
数を求めると、9400段である。理論段数Nは、ピー
クの現れた保持時間をtとして、そのピークの半値幅を
wとすると、以下の(1)式で求めることができる。
【0033】 N=5.54×(t/w)2 …… (1) 一方、図3(B)は、上述した本実施形態による方法に
よって求めたクロマトグラムを示している。本例におけ
る理論段数は、15200段となっており、従来の方法
に比べて、約50%理論段数が向上している。理論段数
が向上するということは、最後のピークの半値幅が小さ
くなり、鋭いピークが得られることになる。その結果、
隣合うピークとの分離がよくなり、両者の区別が可能と
なるため、分解能が向上することになる。
【0034】次に、理論段数を更に向上させる方法につ
いて説明する。上述の方法では、固相抽出カラム中に吸
着した目的成分を溶解し得る溶液として、分離分析にも
用いる分離溶離液を用いている。分離溶離液は、アセト
ニトリルのような吸着した目的成分を溶解し得る溶液以
外にも、少量の蒸留水を含んでいる。この蒸留水の存在
によって、導入した試料と同量の分離溶離液を逆方向か
ら導入すると、必ずしも、完全には、目的成分が一ヶ所
に集まらない場合がある。分離溶離液の流す量を増加す
ると、今度は、逆方向への成分の分離が開始する恐れが
ある。
【0035】そこで、本例では、図1に示した試料溶解
溶液50Cを用いている。試料溶解溶液50Cは、例え
ば、アセトニトリルである。上述したような蒸留水のよ
うな成分は含まないため、試料と同量の試料溶解溶液5
0Cを固相抽出カラム130’に対して、試料の導入方
向(X方向)と逆のY方向から導入することにより、目
的成分を一ヶ所に集めることが可能となる。
【0036】その結果について、図3(C)により説明
すると、試料溶解溶液を用いて得られたクロマトグラム
の理論段数は、19100段となっている。これは、従
来に対して理論段数が約100%向上しており、また、
上述の分離溶離液を用いる方法に対しても、約25%向
上することができた。
【0037】以上説明したように、固相抽出カラム中に
吸着した目的成分を溶解し得る溶液を、固相抽出カラム
に対する試料の導入時と逆方向から導入する事により、
固相抽出カラム中に吸着し、分離を開始した成分を一ヶ
所に集めた後、分離カラムに導入する事により、理論段
数を向上して、分解能を向上することができる。
【0038】溶液として、分離溶離液を用いることによ
り、新たな溶液を用いることなく、通常の分離分析用の
分離溶離液をそのまま使用することができる。
【0039】また、溶液として、試料溶解溶媒を用いる
ことにより、更に、理論段数を向上して、分解能を向上
する事ができる。
【0040】本発明によれば、固相抽出装置を用いる液
体クロマトグラフの分解能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による液体クロマトグラフ
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による液体クロマトグラフ
における分離溶離液の作用の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による液体クロマトグラフ
によって得られたクロマトグラムの説明図である。
【符号の説明】
10,60…ポンプ 20…オートサンプラ 30…切替バルブ 40A…緩衝液 40B…洗浄液 50A…試料 50B,70…分離溶離液 50C…試料溶解溶離液 80…カラムオーブン 82…分離カラム 90…検出器 100…固相前処理装置 110,120…6方バルブ 130,130’…固相カラム 200…データ処理器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の目的成分を吸着する固相抽出カラ
    ムと、この固相抽出カラムに吸着された試料の目的成分
    が導入され、上記目的成分を分離する分離カラムと、こ
    の分離カラムによって分離された各成分を検出する検出
    器とを有する液体クロマトグラフにおいて、 上記固相抽出カラムに上記試料を導入する時の方向と逆
    方向から、固相抽出かラムに吸着された上記目的成分を
    溶解し得る溶液を流入させて溶解した後、溶解した目的
    成分を上記分離カラムに導入することを特徴とする液体
    クロマトグラフ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液体クロマトグラフにおい
    て、 上記目的成分を溶解し得る溶液は、上記分離カラムにお
    いて各成分を分離する分離溶離液であることを特徴とす
    る液体クロマトグラフ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液体クロマトグラフにおい
    て、 上記目的成分を溶解し得る溶液は、上記固相抽出カラム
    に吸着された上記目的成分を溶解する試料溶解溶媒であ
    ることを特徴とする液体クロマトグラフ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の液体クロマトグラフにおい
    て、 上記固相抽出カラムに流入する上記目的成分を溶解し得
    る溶液の量は、上記固相抽出カラムに導入された上記試
    料の量と同量であることを特徴とする液体クロマトグラ
    フ。
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Cited By (10)

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