JPH11125503A - ヘテロダイン干渉計 - Google Patents

ヘテロダイン干渉計

Info

Publication number
JPH11125503A
JPH11125503A JP9290031A JP29003197A JPH11125503A JP H11125503 A JPH11125503 A JP H11125503A JP 9290031 A JP9290031 A JP 9290031A JP 29003197 A JP29003197 A JP 29003197A JP H11125503 A JPH11125503 A JP H11125503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
reflected
axis
plate
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9290031A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiwa Sugiyama
喜和 杉山
Kenichi Kodama
賢一 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP9290031A priority Critical patent/JPH11125503A/ja
Publication of JPH11125503A publication Critical patent/JPH11125503A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーナーキューブによってビームの偏光状態
が変えられて生じた迷光による非線形誤差の発生を抑制
する。 【解決手段】 入射ビーム軸線に対して偏光分離面11
aが45度の角度を有して配設された偏光ビームスプリ
ッター11と、入射ビーム軸線上における偏光ビームス
プリッター11の後側に配設された第1(λ/4)板1
2と、この第1(λ/4)板12の後側に配設された移
動鏡13と、偏光分離面11aからの反射ビームの軸線
上に配設された第2(λ/4)板15と、反射ビーム軸
線上における第2(λ/4)板15の後側に配設された
固定鏡16と、反射ビーム軸線上において偏光ビームス
プリッター11を挟んで固定鏡16に対して反対側に配
設されたコーナーキューブ14とを備え、移動鏡13の
反射面を入射ビーム軸線に垂直な面に対して傾斜させて
ヘテロダイン干渉計が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常に高精度での
長さ測定等に用いられる干渉計に関し、特に、ヘテロダ
イン干渉計と称されているタイプの干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高精度な長さ測定を行うものとし
てヘテロダイン干渉計が用いられており、この干渉計に
おいて、更に測定精度を高めるために、固定鏡間光路及
び移動鏡間光路を二往復させるタイプの干渉計が用いら
れている。このタイプのヘテロダイン干渉計は、原理的
には図4に示すように構成されており、各偏光素子と光
の偏光方向とは図5に示すようになっている。これにつ
いて図を参照して以下に説明する。
【0003】まず、レーザー光源100から、偏光状態
が互いに直交し波長が僅かに異なる光E0,E1が偏光ビ
ームスプリッター101に入射される。ここでは、例え
ば、光E0 は偏光ビームスプリッター101に対してs
偏光であり、図において破線で示すように偏光分離面1
01aにおいて反射され、(λ/4)板105を通って
固定鏡106に入射し、固定鏡106で反射された後、
再び(λ/4)板105を通って偏光ビームスプリッタ
ー101に入射する。このとき、光E0 は(λ/4)板
105を二度通過しているため、偏光方向が90度回転
し、偏光ビームスプリッター101に対してp偏光とな
っている。したがって、光E0 は偏光分離面101aを
そのまま透過し、コーナーキューブ104に入射して、
これと平行で逆向き方向に射出され、再び偏光ビームス
プリッター101に入射する。この時の光E0 はp偏光
であるので、偏光分離面101aをそのまま透過し、
(λ/4)板105を通って固定鏡106に入射し、固
定鏡106で反射された後、再び(λ/4)板105を
通って偏光ビームスプリッター101に入射する。この
とき、光E0 は(λ/4)板105を二度通過して偏光
方向が90度回転し、偏光ビームスプリッター101に
対してs偏光となっている。このため、光E0は偏光分
離面101aで反射され、図示のように、偏光軸が偏光
ビームスプリッター101のs,p偏光の偏光方向と4
5度の方向をなす検光子107を通過して検出器108
に入る。
【0004】これと同様に、レーザー光源100が射出
される光E1 (光E0 に対して偏光方向が90度回転し
てp偏光である)は、図において実線で示すように、ビ
ームスプリッター100の偏光分離面101aをそのま
ま透過し、さらに、(λ/4)板102を通って移動鏡
103に入射し、ここで反射されて再び(λ/4)板1
02を通って偏光ビームスプリッター100に入射す
る。このとき、(λ/4)板102を二度通過するた
め、光E1 は偏光方向が90度回転してs偏光となり、
偏光分離面101aにおいて反射され、コーナーキュー
ブ104に入射してこれと平行で逆向き方向に射出さ
れ、再び偏光ビームスプリッター101に入射する。こ
の時の光E0 はs偏光であるので、偏光分離面101a
において反射され、(λ/4)板102を通って移動鏡
103に入射し、移動鏡103で反射された後、再び
(λ/4)板102を通って偏光ビームスプリッター1
01に入射する。このとき、光E1 は(λ/4)板10
2を二度通過して偏光方向が90度回転しており、偏光
ビームスプリッター101に対してp偏光となってい
る。このため、光E1 は偏光分離面101aをそのまま
透過し、検光子107を通過して検出器108に入る。
【0005】次に、上記のような構成のヘテロダイン干
渉計による測定原理について説明する。ここでは検出器
108に入る光E0 とE1 とが干渉した光の強度を計算
するが、まず、検出器108に入る直前の光E0 ,E1
は式(1),(2)のように表される。
【0006】
【数1】 E0=A0・exp{i(ω0t−k0x+ψ0+α)} ・・・(1) E1=A1・exp{i(ω1t−k1x+ψ1)} ・・・(2)
【0007】なお、A0,A1はそれぞれ、光E0,E1
振幅を表し、ω01は光E0,E1の角振動数を表し、
0,k1はそれぞれの波数を表す。また、tは時間を表
し、xは検出器の位置を表す。そして、ψ0,ψ1はそれ
ぞれ位相の遅れを表しており、図4に示す偏光ビームス
プリッター101と固定鏡106との間の光路長を
0 、偏光ビームスプリッター101と移動鏡103と
の間の光路長をd1 とすると、ψ0,ψ1は式(3),
(4)となる。また、αは、初期における光E0,E1
位相差である。なお、αは、偏光ビームスプリッター1
01を透過、反射する際の位相差も含むことにする。そ
して、光E0,E1が干渉して、検出器108が受ける光
量I(t,x)は式(5)で表される。
【0008】
【数2】 ψ0 =−4・k0・d0 ・・・(3) ψ1 =−4・k1・d1 ・・・(4)
【0009】
【数3】 I(t,x)=1/2(|E0+E1|)2 =A0 2+A1 2+A0・A1・cos(δω・t−δk・x+δψ+α) ・・・(5) ここで、 δω=ω1−ω0 ・・・(6) δk=k1−k0 ・・・(7) δψ=ψ1−ψ0=−4・(k1・d1−K0・d0) =−4・δk・d0−4・k1・Δd ・・・(8) (Δd=d1−d0
【0010】以上のように、光量I(t,x)は、時間に対
して、角速度δωで強度変化し、その位相は(−δk・
x+δψ+α)だけ遅れる。
【0011】また、式(8)の第1項の(−4・δk・
0)は定数項なので、式(5)の(δk・x)の項に
含めて考えることができ、式(9)のようになると考え
て良い。このように、光量変化の位相遅れ(δψ)と光
路長差(Δd)が線形の関係にあるため、位相遅れ(δ
ψ)を測定することにより、式(10)によって(Δ
d)が決まる。式(10)で、1/4が付くのは2往復
しているからであり、このため、(Δd)は、(δψ/
1 )の感度を持ち、1往復のときの2倍の精度が得ら
れることが分かる。
【0012】
【数4】δψ=−4・k1・Δd ・・・(9) Δd=−δψ/(4・k1) ・・・(10)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな干渉計においては、コーナーキューブで光が反射さ
れるときに偏光状態が変化し、このような変化により迷
光が生じるという問題がある。すなわち、図4に示す干
渉計において、レーザー光源100から射出される光E
0,E1がそれぞれ固定鏡106、移動鏡103によって
反射された後、コーナーキューブ104によって反射さ
れるときに、偏光状態が変化する(一般に、直線偏光か
ら楕円偏光に変わる)。このように偏光状態が変化した
光がコーナーキューブ104から偏光ビームスプリッタ
ー101に入射すると、本来であれば偏光分離面101
aにおいて反射されるべき光の一部が透過したり、本来
ならば偏光分離面101aを透過すべき光の一部が反射
したりして、本来の光路を通らない迷光が生じる。この
ような迷光が生じると、この迷光が本来の光路を通って
きた光E0,E1に混ざって非線形誤差を引き起こす原
因となる。
【0014】この様子を図6、図7を用いて詳しく説明
する。なお、図6は光E0 について、図7は光E1 につ
いてそれぞれ示し、各図において、本来の光を実線で、
迷光を破線で示している。まず光E0 の場合について、
図6を参照して説明する。本来の光E0 は前述のように
(すなわち、図4において破線で示したように)進み、
固定鏡106により反射され偏光ビームスプリッター1
01を通過した光は偏光ビームスプリッター104によ
り逆方向に反射され、再び偏光ビームスプリッター10
1に入射する。
【0015】このとき本来であれば、このように偏光ビ
ームスプリッター101に入射する光E0 はp偏光であ
り、そのまま偏光分離面101aを通過するはずであ
る。しかしながら、光E0 はコーナーキューブ104に
おいて数度にわたり傾斜面に当たって反射されるため、
偏光状態が変化(直線偏光から楕円偏光に変化)してs
偏光成分が生じる。このため、偏光ビームスプリッター
101に入射した光の一部が偏光分離面101aにおい
て反射され、図6において破線で示すように迷光となっ
て移動鏡103に向かい、ここで反射されて偏光ビーム
スプリッター101を通過して検出器108に入る。
【0016】同様に、光E1 についても、図7に示すよ
うに、コーナーキューブ104での反射に際して偏光状
態が変化する。このため、コーナーキューブ104から
反射されて偏光ビームスプリッター101に入射する光
1 は本来はs偏光であり、偏光分離面101aで反射
されて実線で示すように再び移動鏡103に向かうべき
であるが、偏光状態の変化によりp偏光成分が生じてい
るため、光E1 の一部が破線で示すように迷光となって
固定鏡106に向かい最終的に検出器108に入る。
【0017】次に、このときの検出器に入る光量を計算
する。まず、上述の本来の光E0 ,E1 のベクトル値
と、それぞれの迷光E0’,E1’のベクトル値は式(1
1)〜(14)で表される。
【0018】
【数5】
【0019】なお、es,epのベクトル値はそれぞれ、
偏光ビームスプリッター101のs偏光方向とp偏光方
向の単位ベクトルを表す。また、ψ0,ψ1は本来の光ビ
ームであるE0,E1のベクトル値の位相を表し、
ψ0’,ψ1’は迷光E0’,E1’のベクトル値の位相を
表す。そして、このとき、光量I(t,x)は式(15)の
ように計算できる。なお、uのベクトル値は、検光子1
07の偏光軸の方向を示す単位ベクトルである。
【0020】
【数6】
【0021】ここで、測定に関係するのは、時間変化す
るAC(交流)成分である。よってこれをDC(直流)
成分IDCとAC(交流)成分IACに分けると、これらは
それぞれ式(16),(17)となる。
【0022】
【数7】
【0023】そして、IACを整理すると、式(18)と
なる。なお、式(17)において、第1項が従来の信号
で、固定鏡二往復、移動鏡二往復光の干渉を表し、第
2、3項は、それぞれ固定鏡二往復光と移動鏡一往復
光、移動鏡二往復光と固定鏡一往復光の干渉を表し、第
4項は、固定鏡一往復光、移動鏡一往復光の二つの光の
干渉を表している。
【0024】
【数8】
【0025】上記式(18)は下記式(19)のように
表すことができる。
【0026】
【数9】 IAC=D・cos(δω・t−δk・x+ρ) ・・・(19) D2=B2+C2 tan(ρ)=−B/C
【0027】この式(19)のCOS の中の(δk・x)
のxは、固定鏡に入射したビームの検出器までの距離な
ので、今の場合定数であり、直接関係しない。すると、
このように位相の遅れρはもはやΔdに対して線形では
ない。従って、式(19)から式(10)に基づいて位
相の遅れからΔdを求めると、誤差を含んだ式(20)
を得る。
【0028】
【数10】 Δd’=−ρ/(4k1) ・・・(20)
【0029】以上のように、図4に示す構成の干渉計
は、ビームが測定光路間を二往復しているのでより高度
な測定ができるが、コーナーキューブによってビームの
偏光状態が変えられて迷光が生じると、非線形誤差が生
じることが分かる。このような状況の下、本発明は移動
鏡または固定鏡を入射ビームに対して傾けることによ
り、迷光の影響を除去し、精密な測定を可能にする干渉
計を提供することを目的とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、入射ビーム軸線に対して偏光分
離面が45度の角度を有して配設された偏光ビームスプ
リッターと、入射ビーム軸線上における偏光ビームスプ
リッターの後側に配設された第1(λ/4)板と、入射
ビーム軸線上における第1(λ/4)板の後側に配設さ
れた移動鏡と、偏光分離面からの反射ビームの軸線上に
配設された第2(λ/4)板と、反射ビーム軸線上にお
ける第2(λ/4)板の後側に配設された固定鏡と、反
射ビーム軸線上において偏光ビームスプリッターを挟ん
で固定鏡に対して反対側に配設されたコーナーキューブ
とを備え、さらに、移動鏡および固定鏡のいずれか一方
の反射面をビーム軸線に垂直な面に対して傾斜させてヘ
テロダイン干渉計を構成している。なお、移動鏡および
固定鏡の配置を逆にしても良い。
【0031】このような構成の干渉計の場合には、入射
ビームがコーナーキューブで反射されたときに偏光状態
が変化して偏光ビームスプリッターにおいて迷光が生じ
た場合でも、この迷光が上記傾斜角θを有した移動鏡も
しくは固定鏡により反射され、検出器への迷光の影響が
除去もしくは抑制される。
【0032】なお、この場合に、ビーム軸線に垂直な面
に対する移動鏡もしくは固定鏡の反射面の傾斜角θを次
式(21)および(22)を満足する範囲で設定するの
が望ましい。このように設定すれば、測定誤差を許容測
定精度内に抑えることができるとともに、迷光と本来の
光ビームとの干渉の影響を抑えて、正確な測定が可能と
なる。なお、この点の詳細は実施形態の説明において示
す。
【0033】
【数11】 cos(2θ)≧(1−δd/d) ・・・(21) θ≧λ/(2φ) ・・・(22) 但し、λ : 波長 d : 測定距離 δd: 測定精度 φ : ビーム径
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るヘテロダイン
干渉計の好ましい実施形態について図面を参照して説明
する。図1に好ましい実施形態の一例に係る干渉計の構
成を示している。この干渉計は、偏光状態が互いに直交
し、波長が僅かに異なる光E0,E1を射出するレーザー
光源10と、このレーザ光源10からの入射ビーム軸線
に対して偏光分離面11aが45度の角度を有して配設
された偏光ビームスプリッター11と、入射ビーム軸線
上における偏光ビームスプリッター11の後側に配設さ
れた第1(λ/4)板12と、入射ビーム軸線上におけ
る第1(λ/4)板12の後側に配設された移動鏡13
と、偏光分離面11aからの反射ビームの軸線上に配設
された第2(λ/4)板15と、反射ビーム軸線上にお
ける第2(λ/4)板15の後側に配設された固定鏡1
6と、反射ビーム軸線上において偏光ビームスプリッタ
ー11を挟んで固定鏡16に対して反対側に配設された
コーナーキューブ14とを備えて構成される。
【0035】上記の基本構成は、図4に示した従来の干
渉計と同一であるが、本実施形態の干渉計は、移動鏡1
3の反射面を入射ビーム軸線に垂直な面に対して角度θ
だけ傾斜させており、この構成が従来と異なる。なお、
固定鏡16の反射面は光軸に対して垂直であり、これは
従来と同じである。
【0036】このような構成の干渉計においては、レー
ザー光源10から射出されるs偏光の光E0 は、図1に
おいて実線で示すように、まず偏光ビームスプリッター
11の偏光分離面11aで反射された後、固定鏡16で
反射される。このとき第2(λ/4)板15を二度通過
してp偏光に変わった光E0 は偏光ビームスプリッター
11を通過してコーナーキューブ14で反射され、再び
偏光ビームスプリッター11を通過して固定鏡16で再
度反射される。このときも第2(λ/4)板15を二度
通過してs偏光に変わった光E0 は偏光ビームスプリッ
ター11で反射され、検光子17を通って検出器18に
入る。
【0037】この光の経路は移動鏡13を通らないた
め、従来の経路と同一である。しかしながら、この干渉
計で、コーナーキューブ14での反射により偏光状態が
変化してs偏光成分が生じると、図1において破線で示
すように、一部の光が偏光ビームスプリッター11の偏
光分離面11aにおいて反射されて迷光が生じ、この迷
光は移動鏡13に向かう。ところが、移動鏡13は角度
θだけ傾斜しているため、移動鏡13で反射された迷光
は斜めに反射され、角度2θだけずれた方向に反射され
る。
【0038】次に、レーザー光源10から射出されるp
偏光の光E1 について、図2を参照して説明する。この
光E1 は、偏光ビームスプリッター11を透過して移動
鏡13により反射され、角度2θだけ傾いて射出され
る。このとき、第1(λ/4)板12を二度通過するた
めs偏光の光となっているため、偏光ビームスプリッタ
ー11の偏光分離面11aにおいて反射されるが、この
反射角も角度2θだけ傾斜しており、コーナーキューブ
14にはこのように傾斜した光が入るため、コーナーキ
ューブ14からはこれと平行すなわち同一傾斜の光が偏
光ビームスプリッター11に向けて反射される。このた
め、偏光分離面11aで反射された光も角度2θだけ傾
斜しており、この光が移動鏡13に反射されると、レー
ザー光源10からの光軸と平行光となり、p偏光に変わ
った後、偏光ビームスプリッター11、検光子17を通
過して検出器18に入る。このことから分かるように、
検出器18に入射する光は移動鏡13の傾斜に拘わらず
常にレーザー光源からの光軸と平行であり、正しい光量
測定が行われる。
【0039】ここで、コーナーキューブ14での反射に
より偏光状態が変化してp偏光成分が生じると、図2に
おいて破線で示すように、一部の光が偏光ビームスプリ
ッター11の偏光分離面11aをそのまま通過して迷光
が生じ、この迷光は固定鏡16に向かう。上述のよう
に、この迷光は角度2θだけ傾斜した光であるため、こ
の迷光は固定鏡16で反射されさらに偏光分離面11a
で反射されたときに、レーザー光源10からの入射光軸
に対して角度2θだけ傾斜している。
【0040】以上説明したように、この干渉計では、本
来の光E0,E1はそのまま(すなわち、入射光軸と平行
に)検出器18に入るが、迷光のみが斜めに射出されて
検出器18に対してずれる、もしくは斜めになって入射
する。これにより検出器18による検出に際して迷光の
影響が無くなり、非線形誤差が無くなる。
【0041】具体的には、傾斜角θが大きいと迷光は検
出器18に入射しなくなるため、検出器18は本来の光
のみを検出するため、迷光の影響を受けない正確な測定
が可能となる。しかしながら、傾斜角θが大きくなると
コサインエラー(図2に示したように、本来の光E1
経路が途中で傾斜することにより、実際の経路より長く
なるために生じるエラー)が生じる。このため、このコ
サインエラーが測定に影響を及ぼさないようにする必要
があり、傾斜角θはこの範囲内に収める必要があり、こ
のことから傾斜角θの上限値が決まる。ここで、測定す
る長さをdとし、測定誤差をδdとし、移動鏡に入射す
るビーム方向と移動鏡の反射面の法線とのなす角をθと
すると、式(23)の関係が成立する。
【0042】
【数12】 δd={1−cos(2θ)}・d ・・・(23)
【0043】従って、δdを改めて測定精度の上限値と
すると、移動鏡13の傾斜角θは式(24)に規定する
条件を満足すれば、許容測定精度内での測定が可能とな
ることが分かる。
【0044】
【数13】 cos(2θ)≧(1−δd/d) ・・・(24)
【0045】次に、傾斜角θの下限値について考える。
迷光による非線形誤差を除くには、迷光が検出器18に
入らないようにするのが絶対条件ではなく、迷光が本来
の光と干渉しないようにすればよい。図3に本来の光
(実線)と迷光(破線)との波面の様子を示すが、光の
ビーム径をφとすると、本来の光と迷光の波面の傾き角
が2θのとき、式(25)の条件を満足するような角度
設定を行うと、少なくとも0〜2πまでの位相差の光が
混ざり合うため、全体として光の干渉は観察されにくく
なる。従って、傾斜角θの下限値は式(25)を満足す
る範囲に設定すれば、非線形誤差を抑えることができ
る。
【0046】
【数14】 θ≧λ/(2φ) ・・・(25)
【0047】なお、上記実施形態においては、光源10
に対して偏光ビームスプリッター11の後側に移動鏡1
3を配設しているが、移動鏡13と固定鏡16の位置関
係は逆でも良い。また、上記では移動鏡を傾斜させてい
るが、固定鏡16を傾斜させても良い。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
移動鏡および固定鏡のいずれか一方の反射面をビーム軸
線に垂直な面に対して傾斜させてヘテロダイン干渉計を
構成しているので、本来の光は少なくとも最終的には入
射ビームと平行にして検出器に入射させることができ、
一方、コーナーキューブでの反射により偏光状態が変わ
って偏光ビームスプリッターにおいて迷光が生じた場合
でも、この迷光が上記傾斜角θを有した移動鏡もしくは
固定鏡により反射され、傾斜して検出器の方に向かうた
め、検出器への迷光の影響が除去もしくは抑制され、正
確な測定が可能となる。
【0049】なお、この場合に、ビーム軸線に垂直な面
に対する移動鏡もしくは固定鏡の反射面の傾斜角θを前
述の式(21)および(22)を満足する範囲で設定す
るのが望ましい。このように設定すれば、測定誤差を許
容測定精度内に抑えることができるとともに、迷光と本
来の光ビームとの干渉の影響を抑えて、正確な測定が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘテロダイン干渉計の構成を示す
とともにs偏光の光E0 の本来の光および迷光の経路を
示す概略図である。
【図2】本発明に係るヘテロダイン干渉計の構成を示す
とともにp偏光の光E1 の本来の光および迷光の経路を
示す概略図である。
【図3】本発明に係る干渉計において検出器の方に入射
する本来の光と迷光との波面の様子を示す説明図であ
る。
【図4】従来のヘテロダイン干渉計の構成を示すととも
に迷光が無い場合におけるpおよびs偏光の光E0,E1
の経路を示す概略図である。
【図5】従来のヘテロダイン干渉計における各偏光素子
と光の偏光方向との関係を示すグラフである。
【図6】従来のヘテロダイン干渉計においてp偏光の光
0 およびその迷光の経路を示す概略図である。
【図7】従来のヘテロダイン干渉計においてs偏光の光
1 およびその迷光の経路を示す概略図である。
【符号の説明】
10 レーザー光源 11 偏光ビームスプリッター 12,15 (λ/4)板 13 移動鏡 14 コーナーキューブ 16 固定鏡 17 検光子 18 検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの入射ビーム軸線に対して偏光
    分離面が45度の角度を有して配設された偏光ビームス
    プリッターと、 前記入射ビーム軸線上において、前記光源に対して前記
    偏光ビームスプリッターの後側に配設された第1(λ/
    4)板と、 前記入射ビーム軸線上における前記第1(λ/4)板の
    後側に配設され、前記入射ビーム軸線上に反射面を有し
    た移動鏡と、 前記入射ビームのうちの前記偏光分離面において反射さ
    れる反射ビームの軸線上に配設された第2(λ/4)板
    と、 前記反射ビーム軸線上における前記第2(λ/4)板の
    後側に配設され、前記反射ビーム軸線上に反射面を有し
    た固定鏡と、 前記反射ビーム軸線上において、前記偏光ビームスプリ
    ッターを挟んで前記固定鏡に対して反対側に配設された
    コーナーキューブとを備えてなり、 前記移動鏡および前記固定鏡のいずれか一方の反射面
    が、ビーム軸線に垂直な面に対して傾斜していることを
    特徴とするヘテロダイン干渉計。
  2. 【請求項2】 前記ビーム軸線に垂直な面に対する前記
    移動鏡および前記固定鏡のいずれか一方の反射面の傾斜
    角θが、 cos(2θ)≧(1−δd/d) θ≧λ/(2φ) 但し、λ : 波長 d : 測定距離 δd: 測定精度 φ : ビーム径 を満足することを特徴とする請求項1に記載のヘテロダ
    イン干渉計。
  3. 【請求項3】 光源からの入射ビーム軸線に対して偏光
    分離面が45度の角度を有して配設された偏光ビームス
    プリッターと、 前記入射ビーム軸線上において、前記光源に対して前記
    偏光ビームスプリッターの後側に配設された第1(λ/
    4)板と、 前記入射ビーム軸線上における前記第1(λ/4)板の
    後側に配設され、前記入射ビーム軸線上に反射面を有し
    た固定鏡と、 前記入射ビームのうちの前記偏光分離面において反射さ
    れる反射ビームの軸線上に配設された第2(λ/4)板
    と、 前記反射ビーム軸線上における前記第2(λ/4)板の
    後側に配設され、前記反射ビーム軸線上に反射面を有し
    た移動鏡と、 前記反射ビーム軸線上において、前記偏光ビームスプリ
    ッターを挟んで前記固定鏡に対して反対側に配設された
    コーナーキューブとを備えてなり、 前記移動鏡および前記固定鏡のいずれか一方の反射面
    が、ビーム軸線に垂直な面に対して傾斜していることを
    特徴とするヘテロダイン干渉計。
  4. 【請求項4】 前記ビーム軸線に垂直な面に対する前記
    移動鏡および前記固定鏡のいずれか一方の反射面の傾斜
    角θが、 cos(2θ)≧(1−δd/d) θ≧λ/(2φ) 但し、λ : 波長 d : 測定距離 δd: 測定精度 φ : ビーム径 を満足することを特徴とする請求項3に記載のヘテロダ
    イン干渉計。
JP9290031A 1997-10-22 1997-10-22 ヘテロダイン干渉計 Pending JPH11125503A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9290031A JPH11125503A (ja) 1997-10-22 1997-10-22 ヘテロダイン干渉計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9290031A JPH11125503A (ja) 1997-10-22 1997-10-22 ヘテロダイン干渉計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11125503A true JPH11125503A (ja) 1999-05-11

Family

ID=17750898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9290031A Pending JPH11125503A (ja) 1997-10-22 1997-10-22 ヘテロダイン干渉計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11125503A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526450A (ja) * 2003-06-19 2007-09-13 ザイゴ コーポレーション 平面ミラー干渉計測定システムにおけるビーム・ミスアライメントの幾何学的な影響に対する補償
JP2007537436A (ja) * 2004-05-11 2007-12-20 レニショウ パブリック リミテッド カンパニー 偏光漏れによって生じるエラービームの除去または分離機能付きの偏光干渉計
US7349072B2 (en) 2003-10-09 2008-03-25 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2009276114A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Canon Inc 干渉計
JP2010237203A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Nikon Corp 光学ユニット、干渉装置、ステージ装置、パターン形成装置およびデバイス製造方法
JP2011158376A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Canon Inc 回転体位置測定方法
CN104748671A (zh) * 2015-03-05 2015-07-01 哈尔滨工业大学 角位移单频激光干涉仪非线性误差修正方法及装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526450A (ja) * 2003-06-19 2007-09-13 ザイゴ コーポレーション 平面ミラー干渉計測定システムにおけるビーム・ミスアライメントの幾何学的な影響に対する補償
US7349072B2 (en) 2003-10-09 2008-03-25 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2007537436A (ja) * 2004-05-11 2007-12-20 レニショウ パブリック リミテッド カンパニー 偏光漏れによって生じるエラービームの除去または分離機能付きの偏光干渉計
JP2009276114A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Canon Inc 干渉計
JP2010237203A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Nikon Corp 光学ユニット、干渉装置、ステージ装置、パターン形成装置およびデバイス製造方法
JP2011158376A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Canon Inc 回転体位置測定方法
CN104748671A (zh) * 2015-03-05 2015-07-01 哈尔滨工业大学 角位移单频激光干涉仪非线性误差修正方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6762845B2 (en) Multiple-pass interferometry
US6806961B2 (en) Interferometric cyclic error compensation
US7355719B2 (en) Interferometer for measuring perpendicular translations
JP2005338076A (ja) 偏光操作レトロリフレクタを使用するシステム
US7106452B2 (en) Measuring device and measuring method
US7362447B2 (en) Low walk-off interferometer
US20070064240A1 (en) Angle interferometers
JPH11125503A (ja) ヘテロダイン干渉計
JP3413945B2 (ja) 縞計数変位干渉計
JPH11183116A (ja) 光波干渉測定方法および装置
JPH11211417A (ja) 光波干渉測定方法および装置
JP2003232606A (ja) 角度検出システム、角度検出方法、及びレーザ加工装置
JPH1144503A (ja) 光波干渉測定装置
JPH11257915A (ja) 変位測定用干渉計
JPH04155260A (ja) 回転速度測定装置
JP3122687B2 (ja) 角度検出装置
JP3382644B2 (ja) 直交偏光ヘテロダイン干渉計
JPH06129812A (ja) ヘテロダイン干渉測長器
JP2723977B2 (ja) 回転速度測定方法
JPH10281718A (ja) 偏光光学素子及び偏光方位調整方法、及びそれを用いた光波干渉測定装置
JP2981927B2 (ja) 多相分割用光学系
JP3036951B2 (ja) 光波干渉計測装置
JPH04289401A (ja) 二波動干渉計
JPH02176512A (ja) 光ヘテロダイン干渉表面形状測定装置
JPH10227612A (ja) 光波干渉測定装置