JP2003232606A - 角度検出システム、角度検出方法、及びレーザ加工装置 - Google Patents

角度検出システム、角度検出方法、及びレーザ加工装置

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JP2003232606A
JP2003232606A JP2002029274A JP2002029274A JP2003232606A JP 2003232606 A JP2003232606 A JP 2003232606A JP 2002029274 A JP2002029274 A JP 2002029274A JP 2002029274 A JP2002029274 A JP 2002029274A JP 2003232606 A JP2003232606 A JP 2003232606A
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laser
light
rotation
angle detection
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Hidekazu Tanaka
英一 田中
Yuji Takenaka
裕司 竹中
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物の回転角度・回転の向き検出を一
体の構成で行う角度検出システムを提供する。 【解決手段】 システム2は、レーザ光源8と、レーザ
光源から出射したレーザ光をレーザ光12a,12bに
分離するハーフミラー14と、2つのレーザ光をそれぞ
れ反射するために対象物6に設けた2つのコーナキュー
ブ16a,16bとを備える。ハーフミラーは、各コー
ナキューブで反射した2つのレーザ光を合成する。シス
テムはまた、合成されたレーザ光を受光する受光手段を
備え、受光した干渉光の強度変化に基づいて対象物の回
転角度を検出する。システムはさらに、2つのレーザ光
の一方に関し、P偏光とS偏光の光学距離に差を設ける
ための偏光ビームスプリッタ22、23を備える。受光
手段は、S偏光及びP偏光を受光するS偏光及びP偏光
受光素子36、38からなる。P偏光の強度変化とS偏
光の強度変化の位相差に基づいて対象物の回転の向きを
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、移動物体
の回転角度を検出するためのシステムに関する。本発明
は特に、分離した2つのレーザ光を移動物体に設けた2
つのコーナキューブで反射させ、反射した2つのレーザ
光を合成して干渉させることで、レーザ光の出射方向に
対して垂直な軸を回転中心とする移動物体の回転角度を
検出するシステムに関する。本発明はまた、上記角度検
出システムを用いて移動物体である走査ミラーの角度の
検出を行うレーザ加工装置に関する。本発明はさらに、
移動物体の回転角度を検出するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動物体の移動量や回転角度を測
定するための装置としてレーザ干渉計が知られている。
【0003】図8は、このようなレーザ干渉計のうち移
動物体の回転角度を測定する形態の従来例として、特開
平11−237207号に記載されたレーザ干渉計(角
度検出システム)を示す。この角度検出システム100
は、可干渉性の良好なレーザ光源102と、レーザ光源
102から出射したレーザ光を2つのレーザ光に分離さ
せるとともに、測定対象物104に設けた2つのコーナ
キューブ106a,106bでそれぞれ反射して戻った
2つのレーザ光を合成する光学ユニット108と、合成
されたレーザ光を受光する受光信号処理部110とを備
える。
【0004】光学ユニット108は、レーザ光源102
から出射したレーザ光を光ファイバ112を介して伝播
させ、光ファイバ112から発散角をもって出射したレ
ーザ光をレンズ113でコリメートする。光学ユニット
108は、コリメートされたレーザ光をビームスプリッ
タユニット114で2つのレーザ光116a,116b
に分離し、一方のレーザ光116aをそのまま出射し、
他方のレーザ光116bを反射面で反射させて、一方の
レーザ光116aと平行にして出射する。2つのレーザ
光116a,116bは、それぞれ測定対象物104の
コーナキューブ106a,106bに入射して逆方向に
反射する。反射された2つのレーザ光116a、116
bは、ビームスプリッタユニット114に入射して合成
され、光学ユニット108の光学系120、122を介
して光ファイバ124の端面に導光され、受光信号処理
部110に入射する。
【0005】測定対象物104がレーザ光の出射方向と
垂直な軸(紙面表裏方向に伸びる軸)を中心として回転
した場合、2つのレーザ光116a,116b間に光路
差が生じ、干渉が起きる。干渉による光の強度は、2つ
レーザ光116a,116bの光路差がレーザ光の波長
の整数倍の場合に最も大きくなり、(整数+1/2)倍
異なる場合に最も小さくなる。したがって、測定対象物
104が回転すると干渉による光の出力強度が周期的に
変化する。
【0006】受光信号処理部110は、入射した光を電
気信号に変換し、この電気信号の変化のサイクル数を計
測することで測定対象物104の回転角度を検出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の角度検出システ
ム100は、測定対象物104の回転角度を検出するこ
とは可能であるが、測定対象物104がどの向き(図面
上、時計回り方向又は反時計回り方向)に回転したかを
検出できない。したがって、この角度検出システム10
0を用いて測定対象物104の回転の向きを検出するに
は、例えば、コーナキューブ106a、106bとは別
に測定対象物104に平面ミラーを設け、このミラーに
対し参照光を入射させ、入射光と反射光の角度差により
生じる変位量をPSD(位置検出センサ)などで検出す
る必要がある。
【0008】しかしながら、上述の方法では、回転角度
の検出のためのユニットと回転の向きの検出のためのユ
ニットが別構成となっており、したがって装置が大型化
したり、コストが増大する。また、ゼロ点(2つのレー
ザ光116a,116bの光路差が0)付近における回
転の向き検出がノイズの影響により困難であるといった
問題が生じる。
【0009】そこで、本発明は、測定対象物の回転角度
の検出及び回転の向き検出ともに一体の構成で行い、し
たがってコンパクト且つ低コストの角度検出システムを
提供することを目的とする。
【0010】本発明はまた、高精度で測定対象物の回転
角度・向きを検出する角度検出方法を提供することを目
的とする。
【0011】本発明はさらに、上記角度検出システムを
用いて走査ミラーの回転角度・向きの検出を行うレーザ
加工装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る角度検出システムの第1の態様は、レ
ーザ光源と、レーザ光源から出射したレーザ光を第1及
び第2のレーザ光に分離する分離手段と、第1及び第2
のレーザ光をそれぞれ反射するために、所定の間隔をあ
けて測定対象物に設けられた第1及び第2のコーナキュ
ーブと、第1及び第2のコーナキューブで反射した第1
及び第2のレーザ光を合成する合成手段と、合成された
第1及び第2のレーザ光を受光する受光手段とを備え、
受光手段により受光した干渉光の強度変化に基づいて、
所定の軸を回転中心とする測定対象物の回転角度を検出
する角度検出システムにおいて、第1及び第2のレーザ
光の一方に関し、分離手段から合成手段までの光路中に
偏光分離手段をさらに備え、これによりP偏光とS偏光
の光学距離に差を設け、前記受光手段は、P偏光を受光
するP偏光用受光手段及びS偏光を受光するS偏光受光
手段を有し、P偏光の強度変化とS偏光の強度変化の位
相差に基づいて、前記軸を回転中心とする測定対象物の
回転の向きを検出することを特徴とするものである。
【0013】かかる角度検出システムでは、分離したレ
ーザ光の一方の関しP偏光とS偏光に光路差を設けるよ
う偏光分離手段を備えるとともに、受光手段で受光した
P偏光とS偏光の位相差を検出することで、軸周りに一
方向に回転した場合と別の方向に回転した場合の位相差
を判別でき、したがって軸周りに回転する測定対象物の
回転角度と回転の向きを同時に検出できる。
【0014】本発明に係る角度検出システムの第2の態
様は、第1及び第2の軸周りに回転自在な測定対象物の
回転角度を検出する角度検出システムにおいて、第1及
び第2の軸周りの回転角度をそれぞれ検出する第1及び
第2の検出部と、各検出部に対応して、所定の間隔をあ
けて測定対象物に設けられた一組のコーナキューブとを
備え、各検出部は、レーザ光源と、レーザ光源から出射
したレーザ光を対応する一組のコーナキューブに出射す
るために第1及び第2のレーザ光に分離する分離手段
と、前記対応する一組のコーナキューブで反射した第1
及び第2のレーザ光を合成する合成手段と、合成された
第1及び第2のレーザ光を受光する受光手段とを備え、
受光手段により受光した干渉光の強度変化に基づいて、
前記対応する軸を回転中心とする測定対象物の回転角度
を検出し、第1及び第2のレーザ光の一方に関し、分離
手段から合成手段までの光路中に偏光分離手段をさらに
備え、これによりP偏光とS偏光の光学距離に差を設
け、前記受光手段は、P偏光を受光するP偏光用受光手
段及びS偏光を受光するS偏光受光手段を有し、P偏光
の強度変化とS偏光の強度変化の位相差に基づいて、前
記対応する軸を回転中心とする測定対象物の回転の向き
を検出することを特徴とするものである。
【0015】かかる角度検出システムでは、各検出部に
関して、分離したレーザ光の一方の関しP偏光とS偏光
に光路差を設けるよう偏光分離手段を備えるとともに、
受光手段で受光したP偏光とS偏光の位相差を検出する
ことで、各軸周りに一方向に回転した場合と別の方向に
回転した場合の位相差を判別できる。その結果、2軸周
りに回転する測定対象物の回転角度と回転の向きを同時
に検出できる。
【0016】第2の態様において、2つの軸は互いに直
交するように構成してもよい。この場合、各軸周りに測
定対象物を回転させる駆動機構を互いに独立させること
ができ、測定対象物の姿勢制御が容易になる。
【0017】第2の態様においてさらに、各検出ユニッ
トは共通のレーザ光源を有し、該レーザ光源から出射し
たレーザ光を第2の分離手段で分離し、分離された2つ
のレーザ光を各検出部の分離手段に入射させるようにし
てもよい。したがってシステムの構成要素を減らすこと
ができ、したがってシステムを簡素化しコストを下げる
ことができる。
【0018】本発明に係る角度検出方法は、所定の間隔
をあけて第1及び第2の反射部を設けた測定対象物を用
意し、レーザ光源から出射したレーザ光を第1及び第2
のレーザ光に分離し、それぞれ第1及び第2の反射部で
反射させ、戻ってきた第1及び第2のレーザ光を合成
し、合成された第1及び第2のレーザ光を受光し、受光
した干渉光の強度変化に基づいて、所定の軸を回転中心
とする測定対象物の回転角度を検出する角度検出方法に
おいて、第1及び第2のレーザ光の一方に関してP偏光
とS偏光の光学距離に差を設け、受光したP偏光の強度
変化とS偏光の強度変化の位相差に基づいて、前記軸を
回転中心とする測定対象物の回転の向きを検出すること
を特徴とするものである。
【0019】かかる角度検出方法では、分離したレーザ
光の一方の関しP偏光とS偏光に光路差を設けて、P偏
光とS偏光の位相差を検出することで、軸周りに一方向
に回転した場合と別の方向に回転した場合の位相差を判
別でき、したがって軸周りに回転する測定対象物の回転
角度と回転の向きを同時に検出できる。
【0020】本発明に係るレーザ加工装置は、上記角度
検出システムを用いて測定対象物である走査ミラーの回
転角度・向きを検出することを特徴とするものである。
【0021】かかるレーザ加工装置では、高精度で走査
ミラーの姿勢を検出できる。したがって、この検出値に
基づいて走査ミラーを駆動することで被加工物(ワー
ク)の高精度の加工を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、
方向を表す用語(「上方向」、「下方向」、「右方
向」、「左方向」)を適宜用いるが、これは説明のため
のものであって、これらの用語は本発明を限定するもの
でない。
【0023】実施の形態1.図1は、本発明に係る角度
検出システムの実施の形態1を示す概略断面図である。
この角度検出システム2は、支点4を中心として(紙面
表裏方向に伸びる軸を回転中心として)時計回り方向又
は反時計回り方向に回転可能な測定対象物6の回転角度
及び回転の向きを検出するためのものである。
【0024】具体的に、角度検出システム2は、レーザ
光源8と、レーザ光源8から右方向に出射したレーザ光
をコリメートするレンズ10と、コリメートされたレー
ザ光を2つのレーザ光12a,12bに分離するハーフ
ミラー(広義には分離手段)14とを有する。一方の光
12aは、ハーフミラー14から上方向に出射し、測定
対象物6に設けたコーナキューブ16aに入射し、逆方
向に反射する。他方の光12bは、ハーフミラー14か
ら入射方向と同じ右方向に出射し、ミラー18で上方向
に偏向され、測定対象物6に設けたコーナキューブ16
bに入射し、逆方向に反射する。なお、図の例では、コ
ーナキューブ16a,16としてミラー型のものが用い
られているが、プリズム型を用いてもよい。コーナキュ
ーブ16a、16bでそれぞれ反射した光12a,12
bは、ハーフミラー14(広義には合成手段)で合成さ
れ、下方向に出射されるようになっている。図に示すよ
うに、レンズ10とハーフミラー14との間にはアイソ
レータ20が設けてあり、これにより、コーナキューブ
16aで反射した光12aのうちハーフミラー14で左
方向に反射する成分と、コーナキューブ16bで反射し
た光12bのうちハーフミラー14を透過して左方向に
出射する成分とが、レーザ光源8に戻らないようにして
ある。
【0025】ハーフミラー14からミラー18に向かう
レーザ光12bの光路に沿って、2つの偏光ビームスプ
リッタ(広義には偏光分離手段)22、23が順に配置
されている。偏光ビームスプリッタ22は、右方向に向
かう光12bのうちS偏光24sを透過しP偏光24p
を下方向に反射する。偏光ビームスプリッタ22、23
の下側にはミラー26が配置されており、偏光ビームス
プリッタ22から下方向に出射したP偏光24pを上方
向に反射し、偏光ビームスプリッタ23に入射させるよ
うになっている。偏光ビームスプリッタ23は、右方向
に向かうS偏光24sを透過しP偏光24pを右方向に
反射して、S偏光24sとP偏光24pを合成させるよ
うになっている。コーナキューブ16bで反射した光1
2bに関しても同様に、S偏光24sは偏光ビームスプ
リッタ23、22の順に進み、P偏光24pは偏光ビー
ムスプリッタ23、ミラー26、偏光ビームスプリッタ
22の順に進む。
【0026】このように、レーザ光12bに関して、ハ
ーフミラー14とコーナキューブ16bとの光路中にお
いて、S偏光24sとP偏光24pとで光学距離が異な
るように構成されている。両偏光のハーフミラー14か
らコーナキューブ16bまでの光路中における光路差
は、レーザ光源8の光の波長の(整数+1/8)倍に設
定するのが好ましい。この理由は後述する。光路差は、
例えばミラー26に圧電素子28を設け、ミラー26を
上下方向に移動できるようにすることで設定する。
【0027】なお、アイソレータ20を偏光依存型と
し、両偏光における偏光方向に対し、アイソレータ20
の偏光方向が45°をなすようにレーザ光源8を配置す
ることで、両偏光における光量を等しくすることが可能
である。また、レーザ光源8として、分離された両偏光
における光量が時間的に安定するよう直線偏光で発振す
る直線偏光型が好ましい。
【0028】ハーフミラー14の下側には偏光ビームス
プリッタ30が配置され、ハーフミラー14で合成され
下方向に出射された光32に関し、S偏光成分34sを
透過し、P偏光成分34pを右方向に反射するようにな
っている。S偏光34sは受光素子36で受光され、P
偏光34pは、ミラー37で反射して受光素子38で受
光される。偏光ビームスプリッタ30から受光素子3
6、38までの光学距離は等しく設定されている。
【0029】受光素子36、38にそれぞれ受光される
S偏光34s、P偏光34pはアナログ電気信号に変換
される。図2に示すように、これら電気信号の位相差
は、位相差判別回路40により判別するようにしてあ
る。一方の受光素子(図では受光素子36)で得られた
アナログ信号は、A/Dコンバータ42でデジタル信号
に変換され、この信号の変化のサイクル数をカウンタ回
路44で計測するようにしてある。
【0030】以下、上記のように構成された角度検出シ
ステム(レーザ干渉計)2における干渉条件について説
明する。コーナキューブ16aと16b間の距離をR、
測定対象物6の水平時(レーザの出射方向とコーナキュ
ーブ16a、16bの配列方向とが平行)からの傾斜角
をθ(時計回り方向を正)として、生じる位相差Ψは、 で与えられる。ここで、λはレーザ光の波長である。
【0031】S偏光に関し電界振幅ベクトルをEs0
光の角振動数をω(=C(2π/λ);C光速)とし
て、コーナキューブ16bから受光部36に向かう光の
電界ベクトルを、 とすると、コーナキューブ16aから受光部36に向か
う光の電界ベクトルは、 となる。
【0032】ハーフミラー14から受光部36までの光
路中において2つの光は進行方向が一致するため、合成
された光の電界ベクトルは、 となる。
【0033】受光部36において検出される光強度Is
は電界振幅ベクトルの大きさの2乗に比例するため、 と表される。この式と式(1)を考慮すれば、干渉によ
り測定対象物の傾斜角θにより光強度Isが変化するこ
とがわかる。
【0034】ここで、ハーフミラー14からコーナキュ
ーブ16bに向かう光路中でのP偏光の光学距離をS偏
光の光路距離に比べて例えば、 L=(m+1/8)λ...(6) (但し、L=(m+n×1/4)λ...(7)を除
く。) だけ長く設定すると(m、nは0以上の整数)、ハーフ
ミラー14とコーナキューブ16bとの間での両偏光の
光路差は往復分で2Lとなり、位相差は、Ψに2L(2
π/λ)=2π(2m+1/4)だけ位相差が加わるた
め、受光部38で検出される光の強度Ipは、電界振幅
ベクトルをEp0として、 で表される。
【0035】例えばsinθ=θで近似される領域にお
いて測定対象物6が等角速度で運動する場合、受光素子
36、38からの電気信号の位相差は、図3に示すよう
になり、測定対象物6が時計回り方向に回転する場合
[図(a)]と、反時計回り方向に回転する場合[図
(b)]とで異なる。したがって、位相差判別回路40
により2つの信号の位相差を判別することで測定対象物
6の回転の向きが検出できる。ここで、式(6)で表さ
れるようにP偏光とS偏光の光路差Lを設定したのは、
式(8)に示すように両偏光の位相差をπ/2とするた
めで(図3(a)の場合、測定対象物6は時計回り方向
に回転し、θしたがってΨは正で、S偏光はP偏光に比
べて位相がπ/2進んでいるのに対し、図3(b)の場
合、測定対象物6は反時計回り方向に回転し、θしたが
ってΨは負で、S偏光はP偏光に比べて位相がπ/2遅
れている。)、このとき位相差判別回路40による位相
差の判別が最も容易である。しかしながら、両偏光の光
路差Lは式(6)に限らず、式(7)以外の値であれば
よい。式(7)は、両偏光の位相差がπの場合を意味
し、このとき位相差判別回路40は位相差を判別できな
い。
【0036】このように構成された角度検出システム2
は、回転の向きを検出する素子として光学素子22、2
3、26を用いているため、応答速度が極めて速く、向
き検出の誤動作が極めて少なく、したがって、高速に所
定方向又は逆方向に回転する測定対象物6に対し、本角
度検出システム2が適用できる。
【0037】一方、測定対象物6の回転角度の絶対値
は、一方の受光素子例えば受光素子36が受光した干渉
光をアナログ信号に変換し、このアナログ信号をA/D
コンバータ42でデジタル変換し、このデジタル信号の
変化のサイクル数をカウンタ回路44で計測することで
検出が可能である。図3の例では、A/Dコンバータ4
2に入力されたアナログ信号は、明点(強度最大)と暗
点(強度最小)の中点を閾値として、2値信号として出
力される。このように、A/Dコンバータ42及びカウ
ンタ回路44を用いて高分解能で測定対象物6の回転角
度を検出できる。また、回転角度の検出に光学素子を用
いているため、応答速度が極めて速く、高精度で誤作動
が極めて少ない角度検出が可能であり、したがって、高
速に所定方向又は逆方向に回転する測定対象物6に対
し、本角度検出システム2が適用できる。例えば、2つ
のコーナキューブ間の距離が30mm程度の小型の測定
対象物であっても、10−5(ラジアン)程度の高分解
能で回転角度の絶対値検出が可能である。
【0038】なお、本実施形態は、測定対象物6に設け
る反射部としてコーナキューブ16a,16bに限定さ
れるものではない。但し、システム2の構成をできる限
り簡易化する点及び光路調整を容易にする点で、入射方
向と同一の方向に反射する機能を備えた反射部、すなわ
ちコーナキューブを用いるのが好ましい。
【0039】また、レーザ光の進行方向と一組のコーナ
キューブ16a,16bの配列方向は、同一平面内に限
るものでもなく、また、測定対象物6の回転軸と、レー
ザ光の進行方向及び/又は一組のコーナキューブ16
a,16bの配列方向は直交する必要はない。但し、シ
ステム2の構成をできる限り簡易化する点及び光路調整
を容易にする点で、レーザ光の進行方向と一組のコーナ
キューブ16a,16bの配列方向は、同一平面内に設
定され、且つ、これらの方向は測定対象物6の回転軸と
直交するのが好ましい。
【0040】実施の形態2.図4は、本発明に係る角度
検出システムの実施の形態2を示す概略断面図である。
以下、実施の形態1と同一の構成要素に対しては同一の
符号又は同一の符号に適当な添字を付したものを用い
る。本実施形態に係る角度検出システム50では、分離
した一方のレーザ光のP偏光とS偏光とで光学距離を異
ならせるために、図1の角度検出システム2の光学素子
22、23、26の代わりに、一方の結晶軸方向に対し
それと直交するもう一方の結晶軸方向の光学距離を例え
ば1/8波長だけ余分に長くしたλ/8板などの波長板
52が設けたものである。波長板52の配置位置は、偏
光ビームスプリッタ30で分離するP偏光、S偏光の偏
光方向と波長板52の結晶軸方向が一致するように設定
されている。
【0041】本実施形態は、実施の形態1に比べてP偏
光とS偏光の光学距離を異ならせるために使用する光学
素子が少なく、したがって光路調整が容易になる利点を
有する。
【0042】実施の形態3.図5は、本発明に係る角度
検出システムの実施の形態3を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る角度検出システム60は、図1の角度
検出システム2の光学素子14、18、22、23、3
0の代わりに、これら光学素子の機能(全反射、半透
過、偏光分離機能)を有する光学膜14’、18’、2
2’、23’、30’が実装された一体型プリズム62
を用いたものである。
【0043】このように各光学素子の機能を備えた一体
型プリズム62を用いることで、装置のコンパクトを図
るとともに光路調整を容易に行うことができる。また、
一体型プリズム62を用いることは、大気雰囲気中にお
ける屈折率の揺らぎによる光線屈折を低減させる効果を
有する。
【0044】なお、光学膜22’,23’、及び電気素
子28の代わりに、波長板52(図4)の機能を有する
光学膜を一体型プリズム内に実装してもよい。
【0045】実施の形態4.図6は、本発明に係る角度
検出システムの実施の形態4を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る角度検出システム70は、支点4”を
中心として互いに直交するX、Y軸周りに回転可能な測
定対象物6”の回転角度及び回転の向きを検出するため
のものである。
【0046】具体的に、角度検出システム70は、X方
向に沿って測定対象物6”に設けたコーナキューブ16
aX,16bXに対応して、図5に示すのと同様の構成
(X方向に沿って設けた一体型プリズム62X、ミラー
26X、圧電素子28X、及び受光素子36X、38
X)を有するとともに、Y方向に沿って測定対象物6”
に設けたコーナキューブ16aY,16bYに対応し
て、図5に示すのと同様の構成(Y方向に沿って設けた
一体型プリズム62Y、ミラー26Y、圧電素子28
Y、及び受光素子36Y、38Y)を有する。アイソレ
ータ20から出射した光は、ハーフミラー(広義には分
離手段)72により、X方向及びY方向に分離され、そ
れぞれ一体型プリズム62X、62Yに入射されるよう
にしてある。
【0047】上記のような構成を備えた角度検出システ
ム70によれば、2軸周りに回転する測定対象物6”の
回転角度とともに回転の向きを検出することができる。
【0048】図7は、図6に示す角度検出システム70
を備えたレーザ加工装置の一実施形態の構成を示す概略
斜視図である。この装置80は、レーザ発振器(図示せ
ず)、及びこのレーザ発振器で発振されたレーザ光を必
要なビーム形状及びエネルギ密度を有するように整形す
る光学系(図示せず)とからなるレーザ照射装置82
と、出射したレーザ光84を走査し、ワーク86(XY
平面上に載置されているとする。)上の所望の位置に集
光させ、これによりワーク86を加工するための照射位
置制御ユニット87を備える。照射位置制御ユニット8
7は、図6に示す測定対象物6”に相当し2軸(X、Y
軸)周りに回転自在に構成される走査ミラー88と、該
ミラー88の各軸周りの回転角度及び回転の向きを検出
するための角度検出システム70と、角度検出システム
70からの検出信号に基づいて走査ミラー88を駆動す
る駆動部90とを有する。
【0049】このようなレーザ加工装置80によれば、
高精度で走査ミラー88の姿勢を検出でき、この検出値
に基づいて走査ミラー88を駆動できる。したがってワ
ーク86の高精度の加工を行うことができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、測定対象物の回転角度
及び回転の向きの検出を一体の構成で行うことができ、
したがって角度検出システムのコンパクト化及び低コス
ト化を実現できる。また、高精度で誤作動の少ない回転
角度・向き検出を行うことができる。さらに、高精度の
加工を行うことのできるレーザ加工装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る角度検出システムの実施の形態
1を示す概略断面図。
【図2】 図1の角度検出システムの回転角度及び回転
の向きを検出するための機能構成を示すブロック図。
【図3】 測定対象物の回転の向きに応じて図1の2つ
の受光素子から出力される電気信号の位相差が異なるこ
とを示す図。
【図4】 本発明に係る角度検出システムの実施の形態
2を示す概略断面図。
【図5】 本発明に係る角度検出システムの実施の形態
3を示す概略断面図。
【図6】 本発明に係る角度検出システムの実施の形態
4を示す概略断面図。
【図7】 本発明に係る角度検出システムを適用したレ
ーザ加工装置の一実施形態を示す概略斜視図。
【図8】 角度検出システムの従来例を示す概略断面
図。
【符号の説明】
2:角度検出システム 6:測定対象物 8:レーザ光源 14:ハーフミラー 16a,16b:コーナキューブ 22、23、30:偏光ビームスプリッタ 36:S偏光用受光素子 38:P偏光用受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA06 BB03 CC10 EE01 FF01 FF05 GG00 GG12 GG13 GG16 GG22 GG23 GG44 GG52 HH01 HH06 JJ01 JJ11 2F065 AA37 AA39 BB16 CC21 DD02 FF49 FF52 GG04 JJ01 JJ05 LL12 LL17 LL37 LL46 QQ00 QQ03 QQ51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、 レーザ光源から出射したレーザ光を第1及び第2のレー
    ザ光に分離する分離手段と、 第1及び第2のレーザ光をそれぞれ反射するために、所
    定の間隔をあけて測定対象物に設けられた第1及び第2
    のコーナキューブと、 第1及び第2のコーナキューブで反射した第1及び第2
    のレーザ光を合成する合成手段と、 合成された第1及び第2のレーザ光を受光する受光手段
    とを備え、 受光手段により受光した干渉光の強度変化に基づいて、
    所定の軸を回転中心とする測定対象物の回転角度を検出
    する角度検出システムにおいて、 第1及び第2のレーザ光の一方に関し、分離手段から合
    成手段までの光路中に偏光分離手段をさらに備え、これ
    によりP偏光とS偏光の光学距離に差を設け、 前記受光手段は、P偏光を受光するP偏光用受光手段及
    びS偏光を受光するS偏光受光手段を有し、 P偏光の強度変化とS偏光の強度変化の位相差に基づい
    て、前記軸を回転中心とする測定対象物の回転の向きを
    検出することを特徴とする角度検出システム。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の軸周りに回転自在な測定
    対象物の回転角度を検出する角度検出システムにおい
    て、 第1及び第2の軸周りの回転角度をそれぞれ検出する第
    1及び第2の検出部と、 各検出部に対応して、所定の間隔をあけて測定対象物に
    設けられた一組のコーナキューブとを備え、 各検出部は、 レーザ光源と、 レーザ光源から出射したレーザ光を対応する一組のコー
    ナキューブに出射するために第1及び第2のレーザ光に
    分離する分離手段と、 前記対応する一組のコーナキューブで反射した第1及び
    第2のレーザ光を合成する合成手段と、 合成された第1及び第2のレーザ光を受光する受光手段
    とを備え、 受光手段により受光した干渉光の強度変化に基づいて、
    前記対応する軸を回転中心とする測定対象物の回転角度
    を検出し、 第1及び第2のレーザ光の一方に関し、分離手段から合
    成手段までの光路中に偏光分離手段をさらに備え、これ
    によりP偏光とS偏光の光学距離に差を設け、 前記受光手段は、P偏光を受光するP偏光用受光手段及
    びS偏光を受光するS偏光受光手段を有し、 P偏光の強度変化とS偏光の強度変化の位相差に基づい
    て、前記対応する軸を回転中心とする測定対象物の回転
    の向きを検出することを特徴とする角度検出システム。
  3. 【請求項3】 前記第1の軸及び第2の軸は互いに直交
    することを特徴とする請求項2の角度検出システム。
  4. 【請求項4】 前記各検出ユニットは共通のレーザ光源
    を有し、該レーザ光源から出射したレーザ光を第2の分
    離手段で分離し、分離された2つのレーザ光を各検出部
    の分離手段に入射させることを特徴とする請求項2又は
    3の角度検出システム。
  5. 【請求項5】 所定の間隔をあけて第1及び第2の反射
    部を設けた測定対象物を用意し、 レーザ光源から出射したレーザ光を第1及び第2のレー
    ザ光に分離し、それぞれ第1及び第2の反射部で反射さ
    せ、戻ってきた第1及び第2のレーザ光を合成し、合成
    された第1及び第2のレーザ光を受光し、受光した干渉
    光の強度変化に基づいて、所定の軸を回転中心とする測
    定対象物の回転角度を検出する角度検出方法において、 第1及び第2のレーザ光の一方に関してP偏光とS偏光
    の光学距離に差を設け、受光したP偏光の強度変化とS
    偏光の強度変化の位相差に基づいて、前記軸を回転中心
    とする測定対象物の回転の向きを検出することを特徴と
    する角度検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の角度検
    出システムを用いて測定対象物である走査ミラーの回転
    角度・向きを検出するレーザ加工装置。
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