JPH11125491A - 連続式熱処理炉 - Google Patents

連続式熱処理炉

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JPH11125491A
JPH11125491A JP9306630A JP30663097A JPH11125491A JP H11125491 A JPH11125491 A JP H11125491A JP 9306630 A JP9306630 A JP 9306630A JP 30663097 A JP30663097 A JP 30663097A JP H11125491 A JPH11125491 A JP H11125491A
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muffle
tray
heat treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱ワックス室、搬送室がワックスによって汚
染されることなく、被処理物の脱ワックスを効果的に施
すことが可能であり、脱ワックス室を1室とした連続式
熱処理炉を提供すること。 【解決手段】 脱ワックス室11内のレフレクタ23で
囲われ電熱ヒータ26を備えた加熱区画21内に、更に
ワックス蒸気を透過させない金属板33で上端面を有し
下端を開放された筒状のマッフル31を設け、脱ワック
ス時にはエヤシリンダ59のロッド58の先端部に設け
た昇降蓋51の支持柱52によって被処理物Fを挿入
し、昇降蓋51と共に持ち上げられるトレイ受け用断熱
板43をパッキン部材として昇降蓋51によって密閉し
て加熱し、窒素ガスを流入させつつマッフル31内の圧
力を最も低くして真空排気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属やセラミックス
の微粒子を燒結するための連続式熱処理炉に関するもの
であり、更に詳しくは、脱ワックス室を1室として製造
コストを低減させた連続式熱処理炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えばタンタル電解コンデンサやアルニ
コ磁石などの焼結製品は原料微粉末をワックス(バイン
ダとも称する)と共に所定の形状に加圧成形し、得られ
る成形体を真空下に加熱して脱ワックスした後に、原料
微粒子を焼結する工程を経て製造される。当初は脱ワッ
クスと燒結とを同一の真空炉内で行なうバッチ式真空熱
処理炉が実用され、現在でも小規模にはバッチ式真空熱
処理炉が使用されているが、ワックス蒸気が真空熱処理
炉内に付着して残り、これが燒結中に気化して焼結品の
品質を低下させるという欠点を有している。
【0003】勿論、上記の欠点を改善することは行なわ
れており、例えば特開昭61ー295303号公報に
は、被処理物を収容してワックス除去するためのタイト
ボックスを炉内に設けたバッチ式真空熱処理炉が開示さ
れ、特開昭62ー233679公報には、専用の排気系
を備え被処理物を密閉する脱脂用のインナーケースを設
けたバッチ式真空熱処理炉が開示されている。これらは
何れも脱ワックス時におけるワックス蒸気がバッチ式真
空熱処理炉内に充満することによる炉内の汚染を防いだ
ものであるが、性能的に限界がありバッチ式真空熱処理
炉であるために処理能力も小さい。
【0004】(従来例1)バッチ式真空熱処理炉の欠点
を克服するものとして連続式真空熱処理炉が開発された
が、ワックスの影響をなくするために複数の脱ワックス
室を設けたものが多い。例えば図7は特公平2ー337
62号公報に係る「燒結装置」に開示されている燒結装
置210の平面図であり、第1脱ワックス室2111
第2脱ワックス室2112 、第1焼結室2121 、第2
焼結室2122 、第1冷却室2131 、第2冷却室21
2 、後室214の7室から構成され、各室は開閉自在
な仕切弁で隔離されている。そして、第1脱ワックス室
2111 は温度500〜600℃、真空度1〜10-3
orr程度の雰囲気下に成形体からワックスの除去が行
われ、第2脱ワックス室2112 は、脱ワックスを更に
進めるべく第1脱ワックス室2111 よりも高温度、高
真空度の雰囲気として脱ワックスする。第1焼結室21
1 は温度1200〜1600℃、真空度10-5Tor
r程度の雰囲気に保持されて脱ワックス後の成形体を燒
結し、第2焼結室2122 は第1焼結室2121 よりも
高温、低圧に保持される。なお、図5において、符号2
21〜224は拡散ポンプ、符号231〜237はルー
ツブロアポンプ、符号241〜247は油回転ポンプで
ある。この焼結装置210は脱ワックス室を2室設けた
例であるが、脱ワックス室を3室を設ける場合もある。
【0005】このように複数の脱ワックス室を設ける第
1義的な意味は脱ワックスを完全に行なうことにある
が、第2義的には第1焼結室が汚染を受けない期間を可
及的に長引かせるという意味合いもある。ともあれ、こ
のように複数の脱ワックス室を設けることは、炉材に高
価な耐熱性金属を多用するので、装置コストを増大させ
る。
【0006】(従来例2)一方、局部加熱室を設けた連
続式熱処理炉が特公平5−17472号、特公平6−3
3940号の各公報に開示されている。例えば、特公平
6−33940号公報に係る「局部加熱室を有する真空
炉」に開示されている実施例の連続式真空炉310は、
図8の縦断面図に示すような脱ワックス室304を備え
ており、図示していないが、接続されている燒結室も同
様に構成されている。真空容器302内に画成されてい
る脱ワックス室304には、局部加熱室330がフェル
ト状の黒鉛等の断熱材料355で通気可能に形成されて
おり、下面は開放され、内部には電熱線332が取り付
けられている。更に、局部加熱室330の内部には、ガ
スの流通を実質上阻止する材料、例えば金属材料製の区
画容器333が設けられている。そして、区画容器33
3は局部加熱室330の下方へ延出されて下面は開放さ
れており、取付片334で真空容器302の受片335
に固定されている。
【0007】局部加熱室330の下方には上昇手段が設
けられており、そのピストンロッド338の先端に受座
341が固定されている。ピストンロッド338は搬送
ローラ320上を搬送されてきた台350を被処理物3
56と共に上昇させ下降させる。台350にはガスの流
通を実質上阻止する材料で形成された区画蓋351が取
り付けられており、その面積は区画容器333の下面の
開放部を塞ぐに充分な大きさである。
【0008】台350と共に昇降される区画蓋351の
上面には耐熱材料製の支柱352が立設されており、上
端には被処理物356を支えるための受桟353が備わ
っている。支柱352の中間部には通気性のある耐熱材
料製の閉塞板354が取り付けられており、その上面に
は局部加熱室330と同様の断熱材355が備えられて
いる。上記の断熱材355付き閉塞板354は局部加熱
室330を熱的に密閉できるように、閉塞板354の周
縁上面が区画容器333内の受部材336の下面に当接
できるようになっている。
【0009】この従来例2の脱ワックス室304の区画
容器333内に挿入される被処理物356は温度600
℃程度まで加熱されて、ワックス蒸気を発生するが、区
画容器333に取り付けられた図8では示されていない
真空排気用のダクトを経て排出され途中のトラップで除
去される。すなわち、ワックスガスが区画容器333か
ら漏れ出ることはないので、局部加熱室330の断熱材
や真空容器302はワックス蒸気で汚染されず、また逆
に、局部加熱室330の断熱材や真空容器302から水
分などのガスが発生しても区画容器333内の被処理物
356に接触することはないとされているが、なお、ワ
ックスによる汚染と熱処理に障害となる水分等の発生に
問題を残している。
【0010】すなわち、脱ワックス室304、その下方
の搬送路は特に真空排気されていないので、区画容器3
33が開放された時などにおいて漏出するワックス蒸気
はそのまま脱ワックス室304、搬送路を汚染する。ま
た、被処理物356のキャリヤを構成する台350、支
柱352、受桟353、閉塞板354は耐熱材料として
カーボン系材料で形成されることが多い。また、断熱材
料355は局部加熱室330と同じ黒鉛のフェルト状物
が使用されている。これらキャリヤは連続式真空炉31
0での燒結が完了すると大気中へ搬出されるがその時に
大量の水分を吸着し、再度の使用時に脱ワックス室30
4、燒結室で大量のガスを放出するので、大容量の真空
排気系を必要とする。特に、区画容器333内へ挿入さ
れる断熱材料355、受桟353、および支柱352は
真空下に加熱されるので、ガスを容易に放出し被処理物
356の品質を低下させる。
【0011】(従来例3)これに対してガス放出量を可
及的に抑えて脱ワックス室を1室とした連続式熱処理炉
が本願出願人の出願による特開平9ー126659号、
特開平9ー126660号の各公報に開示されている。
図4は上記の各公報の技術的思想に基づいて作製された
連続式熱処理炉を構成する脱ワックス部101について
の被処理物Fの搬送方向に平行な縦断面図であり、図5
は搬送方向に直角な縦断面図、図6は図4における
[6]−[6]線方向の矢視図である。なお、断面の向
きによって、図4には図5に示す排気ライン110、窒
素ガス配管173、177や電極127は示されていな
い。また、図5においてはチェインベルト192等の搬
送手段は簡略化して示している。図4、図5、図6を参
照して、脱ワックス部101は脱ワックス室111と搬
送室161とからなるが、脱ワックス時には脱ワックス
室111を閉空間として排気すると共に搬送室161も
排気するようにしてワックスによる汚染が防がれるてい
る。また、一連の脱ワックス、燒結、冷却の操作の後に
連続式熱処理炉から大気中へ取り出されることにより水
分等を吸着し、再び脱ワックス室111内へ挿入されて
真空下に加熱される部品は被処理物Fを載置するトレイ
144のみとし、脱ワックス時における水分の放出を極
小化させている。
【0012】すなわち、脱ワックス室111は搬送室1
61の天井板の開口の周囲に固定された底板114と側
壁113、天井鏡板112とに囲われて形成されてお
り、底板114に設けられた挿入用開口115を介して
搬送室161と連通している。天井鏡板112と側壁1
13とは断熱材116で覆われており、側壁113の温
度を測定するための温度測定端子113tが埋め込まれ
ている。また、側壁113には排気管117が設けられ
ており、排気管117にはバルブ110V、ワックス補
集用トラップ118、およびメカニカルブースタポンプ
119、油回転ポンプ120を備えた排気ライン110
が接続されている。
【0013】脱ワックス室111の内部には、複数枚の
熱線反射板から形成されているリフレクタ123によっ
て加熱区画121が通気可能に画成されており、図示せ
ずとも側壁112の内面に固定されている。そして加熱
区画121の底面部には開口125が形成されている。
リフレクタ123の内周側には電熱ヒータ126が設置
されており(図4では左右に示されているが、実際には
全内周面に設けられている)、脱ワックス室111の側
壁113に設けられた電極127に接続されている。ま
た、途中に流量計171と可変流量バルブ172を備え
た窒素ガス配管173が、脱ワックス室111の外部か
ら断熱材116と側壁113とを貫通して、加熱区画1
21の天井面のレフレクタ123の下側に導入されてお
り、その先端部には吹出しノズル174が取り付けられ
ている。
【0014】搬送室161は、図4を参照して、左端に
搬入扉106、右端に焼結部との仕切扉107がそれぞ
れ開閉可能に取り付けられ、密閉可能とされている。ま
た搬送室161内には、図6も参照して、2本のチェイ
ンベルト192が駆動スプロケット193と従動スプロ
ケット194に巻装して設置されており、電動機195
で駆動されて、搬送台142上の被処理物Fを矢印の方
向へ搬送する。すなわち、チェインベルト192に係合
される搬送台142の中央部に設けた円形開口の外周部
の座ぐりに炭素系材料のトレイ受け用断熱板143が置
かれ、トレイ受け用断熱板143の中央部に設けた円形
開口の外周部の座ぐりにトレイ144が重ねて置かれ、
更に被処理物Fはトレイ144上に載置されて搬送され
る。また搬送台142は脱ワックス室111の直下に停
止されるが、その停止位置を固定させるためのストッパ
197a、197bが停止された搬送台142の前後と
なる位置に設けられており、それぞれの駆動源198
a、198bによって回動されて作動する。また搬入扉
106、仕切扉107の内側には、搬送台142の搬入
と搬出を介助するロール196a、196bが設けられ
ており、それぞれ駆動スプロケット193の軸、従動ス
プロケット194の軸によってチェインで駆動される。
更にはチェインベルト192の両側にはガイド板199
が取り付けられている。
【0015】また、搬送室161の下方の外部に設置さ
れているエヤシリンダ159のロッド158が搬送室1
61内へ挿通されており、チェインベルト192で搬送
されてくる搬送台142上の被処理物Fを脱ワックス室
111内へ挿入するようになっている。すなわち、ロッ
ド158の先端部には4本の支持柱152を立設した昇
降蓋151が固定されており、支持柱152の中程に
は、加熱区画121を画成しているリフレクタ123と
同様な、多数枚の熱反射板からなるリフレクタ153が
取り付けられている。
【0016】そして、ロッド158が昇降蓋151と共
に一点鎖線で示す位置から上昇されて4本の支持柱15
2の先端がトレイ144の下面を支持して持ち上げ、続
いて昇降蓋151がトレイ受け用断熱板143を持ち上
げる。ロッド158が更に上昇されて被処理物Fを脱ワ
ックス室111の加熱区画121内へ挿入し、トレイ受
け用断熱板143が脱ワックス室111の底板114に
当接して昇降蓋151と共に脱ワックス室111を閉じ
て閉空間を形成すると同時に、リフレクタ153が加熱
区画121のリフレクタ123と一体となって被処理物
Fの周囲を取り囲むようになっている。
【0017】被処理物Fの脱ワックスに際しては、被処
理物Fは搬送台142上のトレイ受け用断熱板143に
重ねたトレイ144に載置されて搬入扉106から搬送
室161内へ搬入され、搬送台142はチェインベルト
192によって搬送される。そして、搬入扉106が閉
じられると同時に、油回転ポンプ120、メカニカルブ
ースターポンプ119が起動され排気が開始される。搬
送台142は図示しない機構によって被処理物Fを脱ワ
ックス室111の直下まで搬送して停止され、ストッパ
197a、197bによってその位置に固定される。次
いで、エヤシリンダ159のロッド158と共に昇降蓋
151が一点鎖線で示す位置から上昇され、昇降蓋15
1の支持柱152の先端がトレイ144の下面を支持し
て持ち上げ、続いて昇降蓋151がトレイ受け用断熱板
143を持ち上げる。そして、更にロッド158が上昇
されて被処理物Fが脱ワックス室111の加熱区画12
1内へ挿入される。
【0018】すなわち、被処理物Fが脱ワックス室11
1の底板114の挿入用開口115を経て実線で示すよ
うに脱ワックス室111の加熱区画121内へ挿入さ
れ、昇降蓋151がトレイ受け用断熱板143を脱ワッ
クス室111の底板114の下面に当接させてロッド1
58の上昇が停止され、被処理物Fは脱ワックス室11
1内に収容されると共に、支持柱152に取り付けられ
ているリフレクタ153がリフレクタ123と一体的に
被処理物Fを取り囲む。また、窒素ガス配管173から
の窒素ガスが吹出しノズル174から加熱区画121内
の天井部分へ流入され、窒素ガス配管177からの窒素
ガスが吹出しノズル178から搬送室161内へ流入さ
れる。そして脱ワックス室111の圧力P2 が搬送室1
61内の圧力P3 よりも低くなるように維持される。被
処理物Fが減圧下に加熱区画121内の電熱ヒータ12
6の輻射熱によって加熱されることにより、被処理物F
に含まれているワックスは気化しワックス蒸気となって
メカニカルブースタポンプ119および油回転ポンプ1
20で排気ライン110中を排気され、途中に設けられ
たワックス捕集用トラップ118に捕集される。また、
脱ワックス室111とその排気管117は断熱材116
によって温度120℃程度に保温されるので、ワックス
蒸気の凝着が防がれる。
【0019】このような操作によって、ワックス蒸気が
搬送室161内へ流れ込むことが防がれ、搬送室161
の汚染が防がれる。また、一連の脱ワックス、燒結、冷
却の操作の後、再び脱ワックス室111内へ挿入されて
真空下に加熱される部品はトレイ144のみとしている
ので、脱ワックス室111内でのガス(特に水分)の発
生量は極めて少なくなっており、被処理物Fの焼結品の
品質低下が防がれている。なお、所定の脱ワックス操作
が完了すると、ロッド158が下降され、トレイ144
とその上の被処理物Fは搬送室161内の搬送台142
上にトレイ受け用断熱板143と共に戻されて、チェイ
ンベルト192により続く燒結部へ送り込まれる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例3の連続
式熱処理炉においては、脱ワックス時に、脱ワックス室
111の底板114の挿入用開口115を昇降蓋151
とトレイ受け用断熱板143とで塞いで脱ワックス室1
11内を閉空間とし、かつ脱ワックス室111の圧力P
2 を搬送室161の圧力P3 よりも低くしているので、
ワックス蒸気が搬送室161内へ流れ込むことはない
が、脱ワックス室111内において、電熱ヒータ126
に直面しない構成部品や内壁のコーナー部の表面にワッ
クス蒸気が接触し液化して付着することによって、脱ワ
ックス室111が汚染され、昇降蓋151が下降されて
脱ワックス室111と搬送室161とが連通された時
に、付着ワックスが何らかの原因によって流下したり、
気化されて流れ込み搬送室161を汚染する場合があ
る。
【0021】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、脱ワ
ックス室、搬送室がワックスによって汚染されることな
く、被処理物の脱ワックスを効果的に施すことができ、
脱ワックス室を1室とした低装置コストの連続式熱処理
炉を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題は請求項1の
構成によって解決されるが、その解決手段を実施の形態
によって例示すれば、図3は連続式熱処理炉100の脱
ワックス部1の縦断面図であり、従来例3の図5に対応
する図である。脱ワックス部1は脱ワックス室11と搬
送室61とからなり、脱ワックス室11の底板14の挿
入用開口15を介して搬送室61と連通している。
【0023】脱ワックス室11の内部にはレフレクタ2
3で囲われて加熱区画21が通気可能に画成されてお
り、その内周側には電熱ヒータ26が設置されている。
また、加熱区画21の内部には、ワックス蒸気を透過さ
せない材料、例えば耐熱性の金属板33によって上端面
を有する筒状に形成され下方を開放されたマッフル31
が設けられている。マッフル31の下端部は加熱区画2
1の底面部の開口に挿入されて下方へ延在し、その下端
は底板14の挿入用開口15の周縁部に固定されてい
る。そして、マッフル31はその枝管36を介して脱ワ
ックス室11の側壁13の排気管37に連結され、排気
管37にはバルブ30V、ワックス捕集用トラップ3
8、およびメカニカルブースタポンプ39、油回転ポン
プ40を備えた排気ライン30が接続されている。ま
た、脱ワックス室11を排気するための側壁13に設け
られた排気管17には脱ワックス室11の排気ライン1
0が設けられ、バルブ10Vを介してマッフル31の排
気ライン30に接続されている。
【0024】搬送室61には、被処理物Fの搬入時の断
面図である図2を参照して、炭素系材料からなるトレイ
受け用断熱板43、耐熱金属製のトレイ44、および被
処理物Fを重ねて載置したステンレス鋼製の搬送台42
が簡略化して示したチェインベルト92によって搬送さ
れてくる。また搬送室61には下方の外部に設置されて
いるエヤシリンダ59のロッド58が挿通されており、
ロッド58の先端部には挿入用開口15を開閉する昇降
蓋15が固定されている。昇降蓋51の中央部にはトレ
イ44を支持して持ち上げる支持柱52が立設され、支
持柱52の中程には、レフレクタ53が取り付けられて
いる。そして、ロッド58が昇降蓋51と共に上昇され
ると、支持柱52の先端がトレイ44の下面を支持して
持ち上げ、続いて昇降蓋51がトレイ受け用断熱板43
を持ち上げる。ロッド58が更に上昇されて被処理物F
を脱ワックス室11の加熱区画21内に設けたマッフル
31内へ挿入し、トレイ受け用断熱板43が脱ワックス
室11の底板14に当接して昇降蓋51と共に脱ワック
ス室11を閉じて閉空間が形成される。この時、トレイ
受け用断熱板43は断熱部材として、かつパッキン部材
として作用する。
【0025】更には、マッフル31内へは流量可変バル
ブ82を備えた窒素ガス配管83によって、脱ワックス
室11の加熱区画21内へは流量可変バルブ72を備え
た窒素配管73によって、搬送室61内へは流量可変バ
ルブ76を備えた窒素ガス配管77によって窒素ガスが
流量調整されて導入されるようになっている。
【0026】脱ワックス時においては、被処理物Fを搬
入する搬送台42が搬送室61内へ搬入され、搬入扉が
閉じられると、油回転ポンプ40、メカニカルブースタ
ポンプ39が駆動されて、マッフル31内、脱ワックス
室11内、搬送室61内が排気され、ロッド58が上昇
されて被処理物Fがトレイ44と共にマッフル31内へ
挿入される。この時、トレイ受け用断熱板43が脱ワッ
クス室11の底板14に当接して昇降蓋51と共に脱ワ
ックス室11を断熱的に密閉し、被処理物Fは、レフレ
クタ23からなる加熱区画21のマッフル31内におい
て、レフレクタ23とレフレクタ53とに囲まれた状態
となる。そして、窒素ガス配管83、73、77からマ
ッフル31内、脱ワックス室11内、搬送室61内へそ
れぞれ流量調整されて窒素ガスが流入され、マッフル3
1内の圧力P1 、脱ワックス室11内の圧力P2 、搬送
室61内の圧力P3 が次式 P2 >P1 <P3 で示される関係に維持され、マッフル31内の被処理物
Fは電熱ヒータ26からの幅射熱によって加熱されて脱
ワックスされる。また、脱ワックス室11の外壁とワッ
クス蒸気が排出される排気ライン10、30の外周は断
熱材で覆われており、ワックス蒸気の液化が防がれてい
る。
【0027】このような脱ワックス操作が行われること
により、被処理物Fから発生するワックス蒸気はマッフ
ル31から外部へ漏出することなくメカニカルブースタ
ポンプ39、油回転ポンプ40によって排気ライン30
中を排気され、途中に設けられたワックス捕集用トラッ
プ18において捕集される。従って、脱ワックス室11
内および搬送室61内がワックス蒸気によって汚染され
ることはない。
【0028】更には、使用されている部品のうち連続式
熱処理炉100から大気中へ取り出されて水分等を吸着
した後、繰り返してマッフル31内で真空下に加熱され
る部品は被処理物Fを載置する金属製のトレイ44のみ
であり、脱ワックス時に発生する水分等のガスは極度に
抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
連続式熱処理炉について、図面を参照して具体的に説明
する。
【0030】図1は実施の形態による連続式熱処理炉1
00の全体を示す概略断面図である。上流側から順に脱
ワックス部1、焼結部2、冷却部3が連結されており、
左端に搬入扉6、右端に搬出扉9が設けられ、脱ワック
ス部1と焼結部2とは仕切扉7によって、焼結部2と冷
却部3とは仕切扉8によって画成されている。
【0031】脱ワックス部1は上方の脱ワックス室11
と下方の搬送室61とからなり、脱ワックス室11内に
は加熱区画21が形成され、更にその内部にはマッフル
31が設けられてメカニカルブースタポンプ39、油回
転ポンプ40が接続されており、被処理物Fを真空下に
加熱するようになっている。
【0032】搬送室61内には搬送手段としてのチェイ
ンベルト92が設けられており、被処理物Fは、これを
載置するトレイ44と共に脱ワックス室11の直下で停
止される。搬送室61の下方の外部には昇降手段として
のエヤシリンダ59が設置されており、そのロッド58
が搬送室61内へ挿通されている。そして、ロッド58
の先端部には脱ワックス室11を開閉する昇降蓋51が
固定されており、その表面に立設された支持柱52でト
レイ44を持ち上げるようになっている。
【0033】焼結部2は脱ワックス操作の完了した被処
理物Fを脱ワックス部1よりも高真空度で高温度に加熱
して焼結させる箇所であり、細部は異なるものの脱ワッ
クス部1と同様な構造を有している。また、冷却部3で
は内部の加圧ガスが電動機で駆動されるファン4によっ
て循環され、熱交換器5によって冷却されて、焼結操作
の完了した高温度の被処理物Fに吹き付けられ、これを
冷却するようになっている。
【0034】上記の連続式処理炉100において、ワッ
クス蒸気による汚染を可及的に防ぐように構成されてお
り、本発明の要部を占める脱ワックス部1について以下
に説明する。
【0035】図2は図1における[2]−[2]線方向
の断面図であり、被処理物Fの搬入時を示す。なお、図
2と従来例3の図5とは同様な破断方向の断面図であ
る。また図3は図2に続く断面図であり、被処理物Fが
マッフル31内に挿入された脱ワックス時を示す。従来
例3の図5と比較して明らかなように、本実施の形態に
よる連続式熱処理炉100の脱ワックス部1は従来例3
の脱ワックス部101と全体的には同様に構成されてい
るが、大きく異なっているところは脱ワックス室11の
加熱区画21内にワックス蒸気を透過させないマッフル
31が設けられていることにある。従って、従来例3の
脱ワックス室111に対して、実施の形態の連続式熱処
理炉100においては脱ワックス室11とした如く、実
施の形態の各要素の符号には対応する従来例3の要素の
符号から100を減じた数字を付して、両者に共通する
要素についての説明は省略し、異なる要素についてのみ
説明する。
【0036】上述したように、脱ワックス室11内の加
熱区画21内には、ワックス蒸気を透過させない金属板
33で作製され上端面を有する筒状のマッフル31が設
けられており、マッフル31の下端は開放されている。
その下端は加熱区画21の底面部の開口挿入されて下方
へ延在しており、その下端は脱ワックス室11の底板1
4の挿入用開口15の周縁部上に固定されている。そし
てマッフル31の内周面の下端部には加熱区画21のレ
フレクタ23のレベルに整合させてレフレクタ23’が
環状に取り付けられている。
【0037】マッフル31の側壁には枝管36が取り付
けられ、脱ワックス室11の側壁13に設けられた排気
管37と連結されている。排気管37にはバルブ30
V、ワックス捕集用トラップ38、およびメカニカルブ
ースタポンプ39、油回転ポンプ40を備えた排気ライ
ン30が接続されている。また脱ワックス室11の排気
管17には脱ワックス室11の排気ライン10が設けら
れ、バルブ10Vを介してマッフル31の排気ライン3
0に接続されており、搬送室61の排気管67には搬送
室61の排気ライン60が設けられ、バルブ60Vを介
して脱ワックス室11の排気ライン10に接続されてい
る。更には、途中に流量計81と制御バルブ82を備え
た窒素ガス配管83が脱ワックス室11の外部から、断
熱材16、側壁13、レフレクタ23、金属板33を貫
通してマッフル31内へ導入されている。そのほか、窒
素ガス配管73によって脱ワックス室11内へ窒素ガス
が流入され、窒素ガス配管77によって搬送室61内へ
窒素ガスが流入されていることは従来例3の場合と同様
である。
【0038】更には、必要に応じてエヤシリンダ59の
ロッド58の軸心部および昇降蓋51の中心部に貫通孔
57が穿設される。そのような場合の一例は使用されて
いるワックスの種類によってはワックスが完全に気化せ
ずに液状化する場合であり、貫通孔57の下端側に、バ
ルブ55を介してワックス回収槽56が連結されて、そ
のようなワックスの排除や、メンテナンス時のクリーニ
ングに使用される。上述したように、マッフル31に関
連するもの以外の構成要素は従来例3の脱ワックス部1
01と全く同様に構成されている。
【0039】次に、脱ワックス部1の作用を説明する。
図1、図2を参照して、被処理物F、トレイ44、トレ
イ受け用断熱板43を重ねて載置した搬送台42がチェ
インベルト92によって搬送室61内に搬入され搬送室
61の搬入扉6が閉じられると油回転ポンプ40、メカ
ニカルブースタポンプ39が起動されて、マッフル31
内、脱ワックス室11内、搬送室61内の排気が開始さ
れる。搬送台42は被処理物Fを載置したまま脱ワック
ス室11の直下まで搬送され、停止、固定される。続い
て搬送台42の下方からエヤシリンダ59のロッド58
が昇降蓋51と共に上昇されて、昇降蓋51に立設され
ている支持柱52の先端がトレイ44の下面を支持して
持ち上げ、更に昇降蓋51がトレイ受け用断熱板43を
持ち上げる。そして、更にロッド58が上昇されて被処
理物Fがトレイ44と共に脱ワックス室11の加熱区画
21内に設けられているマッフル31内へ挿入される。
【0040】図3を参照して、被処理物Fがマッフル3
1内へ挿入されると同時に、昇降蓋51に伴われたトレ
イ受け用断熱板43が脱ワックス室11の底板14に当
接してロッド58の上昇が停止され、マッフル31は脱
ワックス室11と共に密閉される。すなわち、トレイ受
け用断熱板43が断熱部材として、かつパキン部材とし
て働いて脱ワックス室11を断熱的に密閉する。同時に
窒素ガスが窒素ガス配管83からマッフル31内へ、窒
素ガス配管73から脱ワックス室11の加熱区画21内
へ、窒素ガス配管77から搬送室61内へそれぞれ流量
制御されて流入され、マッフル31内の圧力P1 、脱ワ
ックス室11内の圧力P2 、搬送室61内の圧力P3
次式 P2 >P1 <P3 で示される関係に維持される。
【0041】そして電熱ヒータ26に通電され輻射熱に
よってマッフル31の金属板33が加熱され、マッフル
31内の被処理物Fが真空下に加熱されることにより、
被処理物Fに含まれているワックスは気化されワックス
蒸気となるが、メカニカルブースタポンプ39、油回転
ポンプ40によって排気ライン30中を排気され、途中
に設けられたワックス捕集用トラップ38において捕集
される。
【0042】この時、マッフル31内へ流入されている
窒素ガスは被処理物Fの脱ワックスが気化されることを
介助し、更には排気ライン30への強制的な流れを作る
のでワックス蒸気がマッフル31の内壁に付着せず脱ワ
ックス効率が向上する。また上述したように、マッフル
31内の圧力P1 を脱ワックス室11内の圧力P2 、搬
送室内への圧力P3 よりも低くしているので、脱ワック
ス室11、搬送室61からマッフル31内へ気体が流入
することはあっても、ワックス蒸気がマッフル31から
外へは漏出せず、従って、従来例3で見られたような脱
ワックス室11、搬送室61のワックスによる汚染は生
じない。
【0043】また、脱ワックス操作が完了し、ロッド5
8と共に昇降蓋51の下降が開始されてマッフル31が
脱ワックス室11と共に搬送室61と連通される時、搬
送室61の圧力P3 はマッフル31内の圧力P1 よりも
高いので、窒素ガスは搬送室61からマッフル31内へ
の流れを生じマッフル31の排気ライン30で排気され
る。
【0044】更には、一連の脱ワックス、焼結、冷却の
操作の操作の後に、連続式処理炉100から大気中へ取
り出されて水分等を吸着した後、マッフル31内で繰り
返して真空下に加熱される部品は金属製のトレイ44の
みとして吸着する水分等の抑制が図られているので、脱
ワックス時における水分等のガスの発生が極度に抑えら
れ焼結品の品質の低下が防がれている。
【0045】本発明の実施の形態による連続式熱処理炉
100、特にその脱ワックス部1は以上の様に構成され
作用するが、勿論、本発明はこれに限定されることな
く、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能であ
る。
【0046】例えば本実施の形態においては、マッフル
31内への窒素ガスの吹出しノズル84を天井面に設
け、マッフル31内の排気用の枝管36を側面に取り付
けたが窒素ガス配管83をマッフル31の下端部内へ導
入し、排気用の枝管36をマッフル31の天井面に取り
付けて、窒素ガスを下方から上方へ流すようにして、温
度の高いワックス蒸気の排気の効率を高めるようにして
もよい。
【0047】また本実施の形態においては、マッフル3
1を耐熱性の金属板で形成したが、ワックス蒸気が透過
しない耐熱材料であればよく金属に限られない。例え
ば、カーボンやセラミックスによってマッフル31を作
製してもよい。
【0048】また本実施の形態においては、マッフル3
1、脱ワックス室11、搬送室61の排気を一系列のメ
カニカルブースタポンプ39、油回転ポンプ40で行う
ようにしたが、2系列以上使用してもよい。
【0049】また本実施の形態においては、不活性ガス
として窒素ガスを採用したが、これをアルゴンガス等の
希ガスとしてもよく、また脱ワックス、焼結の操作に悪
影響を及ぼさないガスである限りにおいてガスの種類は
問わない。
【0050】また本実施の形態においては、昇降蓋51
と脱ワックス室11と底板14とのシールに炭素系材料
からなるトレイ受け用断熱板43を採用したが金属エッ
ヂによるメタルコンタクトとしてもよい。
【0051】また本実施の形態においては必要あれば穿
設するとしたエヤシリンダ59のロッド58の軸心部お
よび昇降蓋51の中心部の貫通孔57をマッフル31か
らの排気ラインとすることもできる。
【0052】また本実施の形態においては、被処理物F
を載置するトレイ44を耐熱金属製としたが、トレイ4
4の連続式熱処理炉10から取り出し後に水分等を吸着
させないような管理が可能であれば、これを炭素系材料
で作製してもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0054】本発明の連続式熱処理炉は脱ワックス室の
加熱区画内に形成したワックス蒸気を透過させない材料
によるマッフル内に被処理物を挿入し、マッフル内の圧
力を最も高真空度にして脱ワックスするようにしたの
で、脱ワックス室とその下方の搬送室の汚染を効果的に
防ぐことができ、連続式熱処理炉のメンテナンスの間隔
を延長させ、操業時間を延長し得る。
【0055】また、脱ワックス室、搬送室を含む脱ワッ
クス部の汚染が効果的に防がれて、続く焼結部の汚染も
防がれることから、脱ワックス室を1室のみとしても十
分な脱ワックスが可能であり、結果的に連続式熱処理炉
の製造コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の連続式熱処理炉の全体を示す概略
縦断面図である。
【図2】図1における[2]−[2]線方向の断面図で
あり、被処理物の搬入時を示す。
【図3】図2に続く縦断面図であり、被処理物の脱ワッ
クス時を示す。
【図4】従来例3の連続式熱処理炉の脱ワックス部の搬
送方向に平行な縦断面図である。
【図5】従来例3の連続式熱処理炉の脱ワックス部の搬
送方向に直角な縦断面図である。
【図6】図4における[6]−[6]線方向の矢視図で
ある。
【図7】従来例1の燒結装置の平面図である。
【図8】従来例2の連続式真空炉の脱ワックス室の縦断
面図である。
【符号の説明】
10 連続式熱処理炉 11 脱ワックス室 21 加熱区画 26 電熱ヒータ 31 マッフル 38 トラップ 39 メカニカルブ−スタポンプ 43 トレイ受け用断熱板 44 トレイ 51 昇降蓋 58 ロッド 59 エヤシリンダ 73 窒素ガス配管 77 窒素ガス配管 83 窒素ガス配管 F 被処理物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側から被処理物の脱ワックス部、焼
    結部、冷却部が設けられた連続式処理炉において、 前記脱ワックス部は脱ワックス室と搬送室とからなり、
    前記脱ワックス室は底板の挿入用開口を介して前記搬送
    室と連通しており、 前記脱ワックス室の内部にはリフレクタで囲われて底面
    部に開口を有し加熱手段を備えた加熱区画が設けられ、
    更にその内部にワックス蒸気を透過させない材料によっ
    て上端面を有する筒状に形成され下端が開放されたマッ
    フルが設けられ、該マッフルの下端部は前記加熱区画の
    前記底面部の開口に挿入されて下方へ延在し、その下端
    は前記挿入用開口の周縁部上に固定されており、かつ前
    記マッフル内は第1真空排気ラインに接続され、前記脱
    ワックス室は第2真空排気ラインに接続されており、 前記搬送室は上流端に被処理物の搬入口、下流端に搬出
    口を備え、それぞれ仕切扉によって開閉可能に密閉さ
    れ、その内部には前記被処理物の搬送手段、および該搬
    送手段によって搬送されてくるトレイ上の前記被処理物
    を前記トレイと共に昇降させる昇降手段が配置され、更
    には前記搬送室内は第3真空排気ラインに接続されてお
    り、 前記昇降手段はそのロッドの先端に前記挿入用開口を開
    閉する昇降蓋が固定され、該昇降蓋の中央部に立設され
    た支持柱の途中には底面リフレクタが取り付けられてお
    り、 前記ロッドが上昇されると前記支持柱が前記トレイを支
    持して前記被処理物を前記マッフル内へ挿入すると共
    に、前記底面リフレクタが前記加熱区画の前記底面部の
    開口を塞ぎ、かつ前記昇降蓋が前記マッフルの下端およ
    び前記脱ワックス室の前記挿入用開口を密閉するように
    なっており、 脱ワックス時には前記第1真空排気ライン、前記第2真
    空排気ラインおよび前記第3真空排気ラインが駆動さ
    れ、前記昇降手段によって前記被処理物が前記トレイと
    共に前記マッフル内に挿入されて、前記マッフル内が最
    も高い真空度とされ、かつ前記加熱手段によって加熱さ
    れて、 前記被処理物から発生するワックス蒸気は前記マッフル
    内から漏出することなく前記第1真空排気ラインによっ
    て排出されることにより、前記脱ワックス室内および前
    記搬送室内のワックス蒸気による汚染が防がれているこ
    とを特徴とする連続式熱処理炉。
  2. 【請求項2】 前記搬送手段が前記昇降蓋を挿通可能に
    形成された比較的大きい開口を有する搬送台、該搬送台
    の前記比較的大きい開口上に重ねて置かれ前記支持柱を
    挿通可能に形成された比較的小さい開口を有するトレイ
    受け用断熱板、および前記トレイ受け用断熱板の前記比
    較的小さい開口に重ねて置かれる前記トレイからなる載
    置搬送系と、これを前記搬入口から前記搬出口へ搬送す
    る駆動系とからなり、 前記被処理物が前記脱ワックス室の直下となる位置で停
    止される前記載置搬送系に対して、前記昇降蓋が上昇さ
    れ前記支持柱が前記トレイを前記被処理物と共に前記マ
    ッフル内に挿入する時に、前記昇降蓋に伴われて上昇す
    る前記トレイ受け用断熱板をパッキン部材として、前記
    脱ワックス室の前記底板の前記挿入用開口が前記昇降蓋
    によって断熱的に密閉される請求項1に記載の連続式熱
    処理炉。
  3. 【請求項3】 前記マッフルに不活性ガスの第1導入管
    が取り付けられており、 脱ワックス時には前記マッフル内へ不活性ガスが流入さ
    れて脱ワックス効果が高められる請求項1または請求項
    2に記載の連続式熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記マッフルの前記第1導入管に加え
    て、前記脱ワックス室に不活性ガスの第2導入管が取り
    付けられ、前記搬送室に同じく第3導入管が取り付けら
    れており、 脱ワックス時には、前記マッフル内、前記脱ワックス室
    内、および前記搬送室内へ不活性ガスが流入されて、前
    記マッフル内の圧力P1 、前記脱ワックス室内の圧力P
    2 、前記搬送室内の圧力P3 が次式 P2 >P1 <P3 で示される関係に維持されることにより、 前記脱ワックス室内および前記搬送室内のワックス蒸気
    による汚染が更に高度に防がれている請求項1から請求
    項3までの何れかに記載の連続式熱処理炉。
  5. 【請求項5】 前記脱ワックス室の外壁が断熱材で覆わ
    れており、 脱ワックス時には前記加熱手段によって加熱されて温度
    上昇し、ワックス蒸気の凝着が防がれている請求項1か
    ら請求項4までの何れかに記載の連続式熱処理炉。
  6. 【請求項6】 前記ロッドの軸心部および前記ロッドの
    先端の昇降蓋の中央部を上下に貫通する孔が穿設され、
    前記孔の前記ロッドの下端側はバルブを介してワックス
    回収槽に連結されており、液状化されるワックスの排出
    路とされている請求項1から請求項5までの何れかに記
    載の連続式熱処理炉。
  7. 【請求項7】 一連の脱ワックス、焼結、冷却の操作の
    完了した前記被処理物と共に前記連続式熱処理炉から大
    気中へ取り出された後、再び未処理の前記被処理物と共
    に前記連続式熱処理炉内へ搬入され、前記脱ワックス室
    の前記マッフル内へ挿入されて真空下に加熱される部品
    は前記トレイのみとされており、 大気中での吸着水分等による脱ワックス時におけるガス
    放出が極少量となるようにされている請求項1から請求
    項6までの何れかに記載の連続式熱処理炉。
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