JPH11125132A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH11125132A
JPH11125132A JP9290804A JP29080497A JPH11125132A JP H11125132 A JPH11125132 A JP H11125132A JP 9290804 A JP9290804 A JP 9290804A JP 29080497 A JP29080497 A JP 29080497A JP H11125132 A JPH11125132 A JP H11125132A
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JP
Japan
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air
fuel
fuel ratio
rich
combustion
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Application number
JP9290804A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Yamashita
山下  幸宏
Shigenori Isomura
磯村  重則
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リーン燃焼の途中に一時的にリッチ燃焼を行わ
せる空燃比制御装置において、リッチ時間の短縮を図
り、燃費の改善やトルク変動の抑制を実現する。 【解決手段】エンジン排気管3には、リーン空燃比の状
態下でNOx を吸蔵すると共に、リッチ空燃比の状態下
で前記吸蔵したNOx をCOやHCで還元し放出するN
Ox 触媒19が配設されている。ECU30内のCPU
31は、リーン側の目標空燃比に基づいてリーン燃焼を
行わせる。また、CPU31は、エンジン1の吸気バル
ブ14の開弁に伴う吸気行程期間に対応させてインジェ
クタ18による燃料噴射を実施する、いわゆる「吸気行
程同期噴射」を実施し、それによりインジェクタ18に
よる1回の噴射燃料がその都度、燃焼行程で燃焼される
よう燃焼を制御する。この吸気行程同期噴射の実施時に
は、吸気行程外噴射の実施時よりもリッチ時間を短縮し
て設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空燃比リーン領域
でのリーン燃焼を行わせる内燃機関の空燃比制御装置で
あって、リーン燃焼時に発生する排ガス中の窒素酸化物
(NOx )を浄化するためのNOx 吸蔵還元型触媒を有
する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における内燃機関の空燃比制御装置
では、燃費改善を図るべく理論空燃比よりもリーン側で
燃料を燃焼させる、いわゆるリーンバーン制御を実施す
る技術が多用化されつつある。こうしたリーン燃焼を行
わせる場合、内燃機関から排出される排ガスにはNOx
が多く含まれ、このNOx を浄化するためのリーンNO
x 触媒が必要となる。例えば特許番号第2600492
号公報の「内燃機関の排気浄化装置」には、排ガスの空
燃比がリーンである時にNOx を吸収すると共に、排ガ
スの酸素濃度が低下された時に、すなわちリッチ化され
た時に前記吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤(N
Ox 吸蔵還元型触媒)が開示されている。
【0003】また一方、リーン燃焼時に発生するNOx
をNOx 触媒にて吸収するシステムでは、NOx 触媒で
NOx が飽和状態になるとNOx 浄化能力が限界に達す
る。そのため、NOx 触媒の浄化能力を回復させてNO
x の排出を抑制すべく一時的にリッチ燃焼を行わせるよ
うにした技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来技術
では、リーン燃焼からリッチ燃焼に切り換える際におい
て、触媒付近の空燃比が直ぐにはリッチに切り換わらな
い。そのため、リッチ時間を長めに設定し、排気通路内
の雰囲気がリーンからリッチに移行する時間をも見込ん
だ時間でリッチ燃焼を継続させる必要があった。かかる
場合、リッチ燃焼が継続されると、過多に噴射量が増量
されてしまい燃費の悪化が懸念される。また、リッチ燃
焼時には、リーン燃焼時に比べてエンジン発生トルクが
増大する。そのため、リッチ時間が長引くと回転変動が
大きくなり、ドライバビリティが悪化するという問題が
生じる。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、リーン燃焼を実
施すると共にNOx 触媒の浄化能力を回復させるべく一
時的にリッチ燃焼を行わせる空燃比制御装置において、
リッチ時間の短縮を図り、燃費の改善やトルク変動の抑
制を実現することができる内燃機関の空燃比制御装置を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における内燃機関
の空燃比制御装置ではその前提として、内燃機関に供給
する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に
設定してその目標空燃比に基づきリーン燃焼を行わせ
る。また、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOx
をリーンNOx 触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的に
リッチに制御して前記吸蔵したNOx をリーンNOx 触
媒から放出する。
【0007】そして、請求項1に記載の発明ではその特
徴として、インジェクタによる1回の噴射燃料がその都
度、燃焼行程で燃焼されるよう燃焼を制御する燃焼制御
手段と、前記燃焼制御手段により燃焼が制御されない時
に、リッチ燃焼のためのリッチ時間を所定時間に設定す
る第1のリッチ時間設定手段と、前記燃焼制御手段によ
り燃焼が制御される時に、リッチ時間を前記第1のリッ
チ時間設定手段により設定される所定時間よりも短縮し
て設定する第2のリッチ時間設定手段とを備える。
【0008】要するに、インジェクタによる1回の噴射
燃料がその都度、燃焼行程で燃焼されれば、リーン燃焼
からリッチ燃焼への切り換え時において、排ガスがいち
早くリッチ化できる(所望のリッチ雰囲気に切り換わ
る)。従って、こうした燃焼制御の実施の下では、従来
一般の設定時間(第1のリッチ時間設定手段による設定
時間)よりもリッチ時間を短縮することが可能となる。
その結果、リッチ時間の短縮を図り、燃費の改善やトル
ク変動の抑制を実現することができる。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記燃焼制御
手段は、内燃機関の吸気バルブの開弁に伴う吸気行程期
間に対応させてインジェクタによる燃料噴射を実施する
手段よりなる。つまり、一般に「吸気行程同期噴射」と
呼ばれる上記の燃焼制御を実施することにより、排気行
程で燃料噴射を行い吸気ポート内で均一混合気を形成し
た後その混合気を気筒内に流入させる、いわゆる「吸気
行程外噴射」を実施する場合と比較して、噴射燃料のポ
ートウエット量やバルブウエット量が低減できる。その
ため、リーン燃焼からリッチ燃焼への切り換え時におい
て、排ガスがいち早くリッチ化できるようになる。
【0010】請求項3に記載の発明では、前記インジェ
クタによる噴射燃料を微粒化するための噴射燃料微粒化
手段を備える。この噴射燃料微粒化手段としては、 ・エアアシスト式のインジェクタを用い、当該インジェ
クタに給送されるエア圧力を調整すること、 ・インジェクタによる燃料噴霧を高温の吸気バルブの傘
部に向けて噴射すること、 ・多孔タイプ(例えば12孔タイプ)のインジェクタを
使用すること、 といった構成が採用される。
【0011】かかる場合には、噴射燃料を微粒化するこ
とで、気筒内における燃料の気化が促進され、上記の燃
焼制御が適切に実施されるようになる。請求項4に記載
の発明では、前記インジェクタによる噴射燃料が微粒化
できない場合に、前記第2のリッチ時間設定手段による
リッチ時間の短縮化を禁止する。つまり、燃料微粒化が
実施できないと、リーン燃焼とリッチ燃焼との切り換え
時に排ガスのリッチ化が遅れ、前記短縮化したリッチ時
間では当該リッチ時間が不足するおそれがある。そこ
で、NOx 触媒付近での排ガス雰囲気を確実にリッチ化
させるために、リッチ時間の短縮化を禁止する。これに
より、リッチ時間が不足して吸蔵NOx の還元・放出が
不十分になるといった問題が回避できる。
【0012】具体的には、エアアシスト式のインジェク
タを採用する場合において、同インジェクタのエアアシ
スト機能が故障した時や、インジェクタに燃料を圧送す
るための燃料圧送系が故障した時に、リッチ時間の短縮
が禁止されることとなる。
【0013】請求項5に記載の空燃比制御装置は、イン
ジェクタから燃焼室に燃料を直接噴射する筒内直噴式内
燃機関に適用される。この場合、リッチ燃焼のためのリ
ッチ時間を、前記リーンNOx 触媒付近で排ガスがリッ
チ化される最短時間で設定する。
【0014】筒内直噴式内燃機関では、ポートウエット
やバルブウエットなどにより燃料量が不用意に変動分す
ることがないため、インジェクタによる1回の噴射燃料
の略全てがその都度、燃焼行程で燃焼される。つまり、
リーン燃焼からリッチ燃焼への切り換え時において、排
ガス雰囲気がいち早くリッチ化できる(所望のリッチ雰
囲気の切り換わる)。従って、何ら支障無くリッチ時間
の短縮が可能となる。その結果、リッチ時間の短縮を図
り、燃費の改善やトルク変動の抑制を実現することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態について説明する。本実施の形態における空
燃比制御システムでは、内燃機関に供給する混合気の目
標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定し、その目
標空燃比に基づいてリーン燃焼を行わせる、いわゆるリ
ーンバーン制御を実施する。同システムの主たる構成と
して、内燃機関の排気通路の途中にはNOx 吸蔵還元型
触媒(以下、NOx 触媒という)が設けられ、そのNO
x 触媒の上流側には限界電流式空燃比センサ(A/Fセ
ンサ)が配設されている。そして、マイクロコンピュー
タを主体とする電子制御装置(以下、ECUという)
は、前記空燃比センサによる検出結果を取り込み、その
センサ検出結果に基づいてリーン空燃比でのフィードバ
ック制御を実施する。以下、図面を用いてその詳細な構
成を説明する。
【0016】図1は、本実施の形態における空燃比制御
システムの概要を示す全体構成図である。図1におい
て、内燃機関は4気筒4サイクルの火花点火式エンジン
(以下、単にエンジン1という)として構成されてお
り、エンジン1には吸気管2と排気管3とが接続されて
いる。吸気管2には、アクセルペダル4に連動するスロ
ットル弁5が設けられており、同スロットル弁5の開度
はスロットル開度センサ6により検出される。また、吸
気管2のサージタンク7には吸気圧センサ8が配設され
ている。
【0017】エンジン1の気筒を構成するシリンダ9内
には図の上下方向に往復動するピストン10が配設され
ており、同ピストン10はコンロッド11を介して図示
しないクランク軸に連結されている。ピストン10の上
方にはシリンダ9及びシリンダヘッド12にて区画され
た燃焼室13が形成されており、燃焼室13は、吸気バ
ルブ14及び排気バルブ15を介して前記吸気管2及び
排気管3に連通している。
【0018】排気管3には、排ガス中の酸素濃度(或い
は、未燃ガス中の一酸化炭素などの濃度)に比例して広
域で且つリニアな空燃比信号を出力する、限界電流式空
燃比センサからなるA/Fセンサ16が設けられてい
る。また、排気管3においてA/Fセンサ16の下流側
には、NOx 浄化機能を有するNOx 触媒19が配設さ
れている。このNOx 触媒19は、NOx 吸蔵還元型触
媒として知られており、リーン空燃比の状態下でNOx
を吸蔵し、リッチ空燃比の状態下で前記吸蔵したNOx
をCOやHCで還元し放出する。
【0019】エンジン1の吸気ポート17には電磁駆動
式のインジェクタ18が設けられており、このインジェ
クタ18には燃料タンク19から燃料(ガソリン)が供
給される。本実施の形態では、吸気マニホールドの各分
岐管毎に1つずつインジェクタ18を有するマルチポイ
ントインジェクション(MPI)システムが構成されて
おり、各気筒のインジェクタ18はデリバリパイプ25
により連結されている。なお、本実施の形態では、4孔
タイプのエアアシスト式インジェクタ18を採用してお
り、その詳細な構成については後述する。燃料タンク1
9とインジェクタ18との間には、燃料圧力(燃圧)を
調整しつつ燃料をデリバリパイプ25に供給する燃料ポ
ンプ26が配設されている。この場合、吸気管上流から
供給される新気とインジェクタ18による噴射燃料とが
吸気ポート17にて混合され、その混合気が吸気バルブ
14の開弁動作に伴い燃焼室13内(シリンダ9内)に
流入する。
【0020】シリンダヘッド12に配設された点火プラ
グ27は、イグナイタ28からの点火用高電圧により発
火する。イグナイタ28には、点火用高電圧を各気筒の
点火プラグ27に分配するためのディストリビュータ2
0が接続され、同ディストリビュータ20にはクランク
軸の回転状態に応じて720°CA毎にパルス信号を出
力する基準位置センサ21と、より細かなクランク角毎
(例えば、30°CA毎)にパルス信号を出力する回転
角センサ22とが配設されている。
【0021】また、シリンダ9(ウォータジャケット)
には、冷却水温を検出するための水温センサ23が配設
されている。ECU30は、周知のマイクロコンピュー
タシステムを中心に構成され、CPU31、ROM3
2、RAM33、バックアップRAM34、A/D変換
器35、入出力インターフェース(I/O)36等を備
える。前記スロットル開度センサ6、吸気圧センサ8、
A/Fセンサ16及び水温センサ23の各検出信号は、
A/D変換器35に入力され、A/D変換された後にバ
ス37を介してCPU31に取り込まれる。また、前記
基準位置センサ21及び回転角センサ22のパルス信号
は、入出力インターフェース36及びバス37を介して
CPU31に取り込まれる。
【0022】CPU31は、前記各センサの検出信号に
基づいてスロットル開度TH、吸気圧PM、空燃比(A
/F)、冷却水温Tw、基準クランク位置(G信号)及
びエンジン回転数Neなどのエンジン運転状態を検知す
る。また、CPU31は、エンジン運転状態に基づいて
燃料噴射量や点火時期等の制御信号を演算し、その制御
信号をインジェクタ18やイグナイタ28に出力する。
【0023】燃料噴射制御に際し、CPU31は、
(1)エンジン1が排気行程から吸気行程に移行する所
定期間内で燃料を吸気ポート17に噴射し、この噴射燃
料を吸気行程での吸気バルブ14の開弁に伴い気筒内
(燃焼室13内)に流入させる、いわゆる「吸気行程同
期噴射」と、(2)エンジン1の排気行程で燃料を噴射
し、吸気ポート17内で一旦、均一混合気を形成した
後、その混合気を気筒内に流入させる、いわゆる「吸気
行程外噴射」と、を選択的に実施する。
【0024】上記(1)の吸気行程同期噴射によれば、
上記(2)の吸気行程外噴射に比べて噴射燃料のポート
ウエット量やバルブウエット量が低減できる。またこの
とき、インジェクタ18による1回分の噴射燃料が次の
燃焼行程で略完全に燃焼され、燃焼後に排ガスとして排
気管3に排出される。そのため、例えばリーン燃焼から
リッチ燃焼への切り換え時において、リーンの排ガス雰
囲気が所望のリッチ雰囲気にいち早く切り換わるように
なる。
【0025】因みに、上記(1)の吸気行程同期噴射で
は、排気TDC付近にてインジェクタ18の燃料噴射が
開始され、上記(2)の吸気行程外噴射では、排気TD
C前、90°CA付近にてインジェクタ18の燃料噴射
が開始されるようになっている。
【0026】次に、図2を用いてインジェクタ18の詳
細な構成を説明する。なお本実施の形態のインジェクタ
18は、電磁式の常閉弁として構成されるものである。
図2において、インジェクタ18の主要部は、バルブボ
ディ41、弁体42、電磁アクチュエータ43及びエア
アシストアダプタ44に大別される。略筒状をなすバル
ブボディ41において、その一端(図の下端面)には燃
料を吸気管2内に噴射するための噴射口45が形成さ
れ、バルブボディ41内部には弁体42を摺動可能に収
容する摺動孔46が形成されている。バルブボディ41
の噴射口45と摺動孔46との間には、円錐面からなる
弁座47が形成されている。
【0027】エアアシストアダプタ44は、バルブボデ
ィ41の噴射口45側に装着されており、噴射口45よ
り噴射される燃料を吸気管2内に案内する役割をなす。
当該アダプタ44には、燃料噴霧を促進するための補助
空気を導入するエア導入孔48が複数箇所に設けられる
と共に、前記噴射口45から噴射される燃料とエア導入
孔48から導入される補助空気との混合気を所定角度に
て複数方向に分岐して噴射させる分岐通路49が設けら
れている。かかる場合、分岐通路49は、各気筒2個ず
つの吸気バルブ14の傘部中心を向くよう構成されてい
る。なお因みに、本実施の形態のインジェクタ18で
は、エアアシストアダプタ44の分岐通路49が4方向
に分岐されており、その下端面に4つの噴射孔が形成さ
れることから前記インジェクタ18を「4孔タイプイン
ジェクタ」と称する。
【0028】エアアシストアダプタ44のエア導入孔4
8には、この孔48に供給するエアの圧力を調整するた
めのプレッシャレギュレータ71が接続されており、エ
アの供給圧は吸気管2のスロットル弁下流の圧力に対し
て一定の差圧が生じるよう調整される。プレッシャレギ
ュレータ71には、IGキーのオン操作に伴い駆動され
るモータ駆動式のエア供給ポンプ72が接続されてい
る。よって、スロットル弁下流の吸気負圧に対して所定
の差圧を有するエアがエア導入孔48から導入されるこ
とで、前記噴射口45から噴射される燃料噴霧の微粒化
が促進されるようになる。本実施の形態では、前記プレ
ッシャレギュレータ71及びエア供給ポンプ72により
エア導入孔48に3kg/cm^2程度の加圧エアが連続
的に給送されるよう構成されている。加圧エアの供給方
法としては、燃料噴射のタイミングに同期させてエア供
給ポンプ72によるエア加圧を行うようにしてもよく、
かかる場合には例えば噴射開始直前からエア加圧を開始
し、噴射終了と共に加圧を停止すればよい。こうした方
法によっても、燃料の微粒化には十分な効果が得られ
る。
【0029】ニードル形状の弁体42にはその軸方向の
二位置に摺接部51a,51bが形成されており、この
摺接部51a,51bが摺動孔46の内周面に当接する
ことで、弁体42が摺動孔46内を摺動する。また、こ
の弁体42において、摺接部51a,51bに周方向に
隣接する部位には平坦部52a,52bが形成されてお
り、平坦部52a,52bと摺動孔46の内周面との間
に形成される隙間を燃料が流通するようになっている。
【0030】弁体42には、バルブボディ41の弁座4
7に当接する当接部53が形成されており、弁体42
は、その当接部53が弁座47に当接して噴射口45を
閉鎖する閉弁位置(図示する位置)と、当接部53が弁
座47から所定量だけ離れて噴射口45を開放する開弁
位置との間で移動可能となっている。
【0031】一方、バルブボディ41の図の上端面には
リング状をなすストッパ54が配設されており、弁体4
2はこのストッパ54に挿通されてケーシング55側に
突出している。ここで、弁体42には周方向に張り出し
たフランジ56が形成されており、弁体42が電磁アク
チュエータ43の駆動により引き上げられた時には、フ
ランジ56がストッパ54に当たり弁体42の開弁位置
が規制される。
【0032】ケーシング55内に収容された電磁アクチ
ュエータ43は、大別してコア(アーマチュア)57、
ステータ58及び電磁コイル59から構成されている。
コア57は、弁体42に一体移動可能に連結され、リタ
ーンスプリング60によって常に弁体42の閉弁側(図
2の下側)に付勢されている。筒状の磁性体からなるス
テータ58は、コア57と同軸上に配設され、そのフラ
ンジ部58aがケーシング55の端部によりカシメ着さ
れることによりケーシング55に対して固定されてい
る。ステータ58内には円管状の筒体61が配設されて
いる。筒体61の上流部には燃料を流入するための流入
口62が形成され、同流入口62にはフィルタ63が配
設されている。
【0033】電磁コイル59には、外部(ECU30)
からの制御信号を取り込むための端子64が接続されて
いる。この端子64はコネクタ65内に支持されるもの
であって、同コネクタ65はケーシング55端部に配設
されたモールド樹脂66により形成されている。
【0034】このように構成されたインジェクタ18で
は、燃料が流入口62から流入すると、同燃料はフィル
タ63、筒体61、コア57、さらにストッパ54と弁
体42との間の間隙を介して摺動孔46内に導かれる。
そして、電磁コイル59がECU30によって通電され
ると、磁力が発生しコア57がリターンスプリング60
の付勢力に抗して図2の上方へ引き上げられる。これに
より、弁座47と当接部53との隙間が開放され、噴射
口45並びにエアアシストアダプタ44の分岐通路49
を介して燃料が吸気管2内に噴射されることになる。
【0035】要するに本実施の形態では、上述したよう
にエアアシスト式のインジェクタ18を用い、同インジ
ェクタ18に給送される加圧エアを調整することで、燃
料粒径(ザウタ平均粒径SMD:Sauter's mean diamet
er)を例えば50μm程度に微粒化している。なおここ
で、燃料粒径SMDは、インジェクタ18の加圧エア圧
力に対して図8に示す関係を有し、加圧エア圧力が大き
くなるほど、燃料粒径SMDは小さくなり微粒化される
ようになる。
【0036】次に、上記の如く構成される空燃比制御シ
ステムの作用を説明する。図3は、CPU31により実
行される燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャートで
あり、本ルーチンは各気筒の燃料噴射毎(本実施の形態
では180°CA毎)に実行される。
【0037】さて、図3のルーチンがスタートすると、
CPU31は、先ずステップ101でエンジン運転状態
を表すセンサ検出結果(エンジン回転数Ne、吸気圧P
M、冷却水温Tw等)を読み込み、続くステップ102
でROM32内に予め格納されている基本噴射マップを
用いてその時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに
応じた基本噴射量Tpを算出する。また、CPU31
は、ステップ103で周知の空燃比F/B条件が成立し
ているか否かを判別する。ここで、空燃比F/B条件と
は、冷却水温Twが所定温度以上であること、高回転・
高負荷状態でないこと、A/Fセンサ16が活性状態に
あることなどを含む。
【0038】ステップ103が否定判別されれば(F/
B条件不成立の場合)、CPU31は、ステップ104
に進んで空燃比補正係数FAFを「1.0」とする。F
AF=1.0とすることは、空燃比がオープン制御され
ることを意味する。また、ステップ103が肯定判別さ
れれば(F/B条件成立の場合)、CPU31は、ステ
ップ200に進んで目標空燃比λTGの設定処理を実施
する。目標空燃比λTGの設定処理は後述する図4のル
ーチンに従い行われる。
【0039】その後、CPU31は、ステップ105で
その時々の実際の空燃比λ(センサ計測値)と目標空燃
比λTGとの偏差に基づいて空燃比補正係数FAFを設
定する。本実施の形態では、現代制御理論に基づく空燃
比F/B制御を実施することとしており、そのF/B制
御に際し、A/Fセンサ16の検出結果を目標空燃比に
一致させるための空燃比補正係数FAFを次の(1),
(2)式を用いて算出する。なお、このFAF値の設定
手順については特開平1−110853号公報に詳細に
開示されている。
【0040】 FAF=K1 ・λ+K2 ・FAF1 + ・・・+Kn+1 ・FAFn +ZI …(1) ZI=ZI1 +Ka・(λTG−λ) …(2) 上記(1),(2)式において、λはA/Fセンサ16
による限界電流の空燃比変換値を、K1 〜Kn+1 はF/
B定数を、ZIは積分項を、Kaは積分定数をそれぞれ
表す。また、添字1〜n+1はサンプリング開始からの
制御回数を示す変数である。
【0041】FAF値の設定後、CPU31は、ステッ
プ106で次の(3)式を用い、基本噴射量Tp、空燃
比補正係数FAF及びその他の補正係数FALL(水
温、エアコン負荷等の各種補正係数)から最終の燃料噴
射量TAUを算出する。
【0042】 TAU=Tp・FAF・FALL …(3) 燃料噴射量TAUの算出後、CPU31は、そのTAU
値に相当する制御信号をインジェクタ18に出力して本
ルーチンを一旦終了する。
【0043】次に、上記ステップ200の処理に相当す
るλTG設定ルーチンについて、図4を用いて説明す
る。なお当該ルーチンでは、リーン燃焼の実施途中にお
いて一時的にリッチ燃焼が行われるよう、目標空燃比λ
TGが適宜設定される。すなわち、燃料噴射毎に計数さ
れる周期カウンタの値を基に、所定の時間比となるよう
にリーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとが設定さ
れ、それら各噴射回数TL,TRに応じてリーン燃焼と
リッチ燃焼とが交互に実施される。
【0044】図4において、CPU31は、先ずステッ
プ201でリーンカウンタ及びリッチカウンタが共に
「0」であるか否かを判別し、当該ステップが肯定判別
されることを条件に、ステップ202に進む。そしてC
PU31は、ステップ202で今現在、吸気行程同期噴
射が実施されているか否かを判別する。例えばエンジン
1の定常運転時においては「吸気行程同期噴射」が実施
されるため、CPU31はステップ202を肯定判別し
てステップ203に進み、エンジン1の低温始動時など
においては「吸気行程外噴射」が実施されるため、ステ
ップ202を否定判別してステップ204に進む。
【0045】ステップ203,204では、CPU31
は図5の関係に従い、リッチ噴射回数TRを決定する。
すなわち、ステップ203では(吸気行程同期噴射の場
合)、図5の実線の特性を用いその時の吸入空気量Qa
に応じてリッチ噴射回数TRを決定する。また、ステッ
プ204では(吸気行程外噴射の場合)、図5の一点鎖
線の特性を用いその時の吸入空気量Qaに応じてリッチ
噴射回数TRを決定する。なお、吸入空気量Qaはその
時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに基づき演算
される。
【0046】このとき、一点鎖線で示す吸気行程外噴射
の特性は、従来既存の装置(例えば特許番号第2600
492号公報の装置など)に準ずるものであるのに対
し、実線で示す吸気行程同期噴射の特性は、前記一点鎖
線の特性よりもリッチ噴射回数が小さくなるように設定
されている。これは、吸気行程同期噴射の場合、噴射燃
料が吸気の流れに乗って気筒内に吸入され、燃料のポー
トウエット量やバルブウエット量が減って制御空燃比の
変化がいち早く排ガス雰囲気に反映されることを理由
に、リッチ時間が短縮できることを意味する。
【0047】またここで、下記の(A),(B)の場合
には、燃料の微粒化が阻害されるとして吸気行程同期噴
射が中断され、吸気行程外噴射が実施される。すなわ
ち、(A)前記図2のエア供給ポンプ72によるエアア
シスト機能が故障した場合、(B)前記インジェクタ1
8に燃料を圧送するための燃料圧送系が故障した場合、
などにおいて、その旨が検出されると、前記図5の一点
鎖線の特性を用いてリッチ噴射回数が設定されるように
なる。換言すれば、上記(A),(B)の場合には、リ
ッチ時間の短縮が禁止される。
【0048】因みに、上記(A)の異常は、例えばエア
供給ポンプ72の動作不良やエア通路詰まりが生じた際
にその旨が判定される。この異常時には図8からも分か
るように、加圧エア圧力が低下することで燃料粒径SM
Dが不用意に大きくなってしまう。
【0049】具体的には、前記図2のプレッシャレギュ
レータ71においてエア圧が所定圧力に調節できない時
に、上記(A)の異常発生の旨を判定する。また、過渡
運転時における空燃比の変動幅を検出すると共に、その
変動幅がエアアシスト量に見合ったものか否かを判定
し、当該判定結果から上記(A)の異常を検知すること
も可能である。この場合、例えば車両の加速時にはエア
アシスト量の増大に伴いリーン化度合が大きくなるが、
そのリーン化度合がエアアシスト量に見合ったものでな
い時に異常発生の旨を判定する。その他、エア供給ポン
プ72の駆動源となるモータの発電状態を監視し、その
発電状態とエアアシストの実施状態とを対比させつつ上
記(A)の異常を判定してもよい。
【0050】一方、上記(B)の異常は、燃圧と経過時
間とを用いて得られる燃圧の時間変化率に基づいて判定
する。具体的には、前記図1の燃料ポンプ26とデリバ
リパイプ25(インジェクタ18)との間の燃料配管に
燃圧センサを設け、当該センサの検出結果に基づく燃圧
の時間変化率が所定値よりも小さければ燃料ポンプ26
の吐出量不足と判定し、燃圧の時間変化率が所定値より
も大きければ配管系が詰まっていると判定する。
【0051】その後、CPU31は、ステップ205で
前記設定したリッチ噴射回数TRを基に、リーン噴射回
数TLを算出する。このとき、図6の関係により求めら
れる係数αを用い、 TL=α・TR としてリーン噴射回数TLを算出する。図6の関係によ
れば、吸入空気量Qaが低中負荷レベルにある場合、リ
ーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとが「100:
1」程度に設定され、吸入空気量Qaが低中負荷レベル
よりも高くなると、リーン噴射回数TLがリッチ噴射回
数TRに対して徐々に短くなるように設定される。
【0052】上記ステップ202〜205の処理後、C
PU31はステップ206に進む。一方、前記ステップ
201がNOの場合(リーン,リッチカウンタ≠0の場
合)、CPU31はステップ202〜205の処理を読
み飛ばし、そのままステップ206に進む。
【0053】そしてステップ206では、CPU31は
今現在、リーン制御中であるか否か、すなわち目標空燃
比λTGがリーン制御値であるか否かを判別する。リー
ン制御中であれば、CPU31はステップ207に進
み、リーンカウンタを「1」インクリメントする。
【0054】また、CPU31は、続くステップ208
でリーンカウンタの値が前記設定したリーン噴射回数T
L未満であるか否かを判別する。リーン噴射回数TL未
満であれば(ステップ208がYESの場合)、CPU
31は、ステップ209でリーン制御値を目標空燃比λ
TGとして設定し元の図3のルーチンに戻る。このと
き、リーン制御値は、例えば図7に示す目標空燃比マッ
プを検索して求められ、λTG値として例えばA/F=
20〜23に相当する値が設定される(但し、定常運転
時でないなどリーン燃焼の実施条件が不成立の場合には
ストイキ近傍でλTG値が設定される)。
【0055】かかる場合、上述のステップ209で設定
したλTG値が前記図3のステップ105でFAF値の
演算に用いられ、このFAF値により空燃比がリーン制
御される。
【0056】リーンカウンタの値がリーン噴射回数TL
に達すると(ステップ208がNOの場合)、CPU3
1は、ステップ210でリッチ制御値を目標空燃比λT
Gとして設定し、続くステップ211でリーンカウンタ
を「0」にクリアする。なおこのとき、リッチ制御値
は、リッチ燃焼を行うべくリッチ空燃比領域での固定値
としてもよいし、エンジン回転数Neや吸気圧PMに基
づきマップ検索して可変に設定するようにしてもよい。
マップ検索を行う場合、エンジン回転数Neが高いほど
又は吸気圧PMが高いほど、そのリッチ度合が強くなる
ようリッチ制御値が設定される。
【0057】かかる場合、上述のステップ210で設定
したλTG値が前記図3のステップ105でFAF値の
演算に用いられ、このFAF値により空燃比がリッチ制
御される。
【0058】一方、前記ステップ210で目標空燃比λ
TGがリーン制御値からリッチ制御値に切り換えられ、
それによりステップ206が否定判別されると、CPU
31はステップ212に進み、リッチカウンタを「1」
インクリメントする。また、CPU31は、続くステッ
プ213でリッチカウンタの値が前記設定したリッチ噴
射回数TR未満であるか否かを判別する。リッチ噴射回
数TR未満であれば(ステップ213がYESの場
合)、CPU31は、ステップ214でリッチ制御値を
目標空燃比λTGとして設定し元の図3のルーチンに戻
る。すなわち、今現在のリッチ制御を継続する。
【0059】リッチカウンタの値がリッチ噴射回数TR
に達すると(ステップ213がNOの場合)、CPU3
1は、ステップ215でリーン制御値を目標空燃比λT
Gとして設定し、続くステップ216でリッチカウンタ
を「0」にクリアする。すなわち、空燃比制御をリッチ
制御から元のリーン制御に切り換える。
【0060】図9は、上記図3及び図4のルーチンによ
る制御動作を説明するためのタイムチャートである。図
9では、リーンカウンタ及びリッチカウンタが共に
「0」となるタイミング(例えば図の時刻t1)でリー
ン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとが設定される。
TL,TRは、「吸気行程同期噴射」が実施されている
か、若しくは「吸気行程外噴射」が実施されているかに
よって異なる値となる。つまり、前記図5から分かるよ
うに、吸気行程同期噴射が実施されていれば、TL,T
Rが短縮化されることになる。
【0061】リーンカウンタ=0〜TLの期間(例えば
時刻t1〜t2の期間)では、空燃比がリーン制御され
る。このとき、排ガス中のNOx がNOx 触媒19に吸
蔵される。また、リーンカウンタ=TLとなる時刻t2
では、空燃比のリーン制御がリッチ制御に切り換えら
れ、リッチカウンタ=0〜TRの期間(例えば時刻t2
〜t3の期間)では、空燃比がリッチ制御される。この
とき、排ガス中の未燃ガス成分(HC,CO)により触
媒19の吸蔵NOx が還元されて放出される。こうし
て、空燃比のリーン制御とリッチ制御とがリーン噴射回
数TLとリッチ噴射回数TRとに応じて繰り返し実施さ
れる。
【0062】なお本実施の形態では、吸気行程同期噴射
を実施するCPU31が請求項記載の燃焼制御手段に相
当する。また、前記図4のステップ204が第1のリッ
チ時間設定手段に相当し、同ステップ205が第2のリ
ッチ時間設定手段に相当する。
【0063】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、吸気行程同期噴射を実施し、
それによりインジェクタ18による1回の噴射燃料がそ
の都度、燃焼行程で燃焼されるよう燃焼を制御するよう
にした。そして、この吸気行程同期噴射の実施時には、
吸気行程外噴射の実施時よりもリッチ時間(リッチ噴射
回数TR)を短縮することとした。かかる場合、吸気行
程同期噴射では、吸気行程外噴射と比較して、噴射燃料
のポートウエット量やバルブウエット量が低減でき、リ
ーン燃焼からリッチ燃焼への切り換え時において排ガス
がいち早くリッチ化できる(所望のリッチ雰囲気に切り
換わる)。従って、吸気行程同期噴射の実施時には、同
噴射の非実施時よりもリッチ時間が短縮でき、ひいては
燃費の改善やトルク変動の抑制を実現することができ
る。
【0064】図10は、1回当たりのリッチ時間とその
時々のトルク変動との関係を示す実験データである。同
図によれば、リッチ時間が短いほどルク変動が抑制され
ることが分かる。
【0065】(b)また、リッチ時間(リッチ噴射回数
TR)と(リーン噴射回数TL)リーン時間とが所定の
比率で設定される場合において、リッチ時間が短縮され
ることでリーン時間も短縮されるようになる。従って、
触媒劣化時や触媒温度の変動時といったNOx 触媒19
におけるNOx 吸蔵能力の低下時にも高いNOx 浄化率
が維持できる。
【0066】(c)エアアシスト式のインジェクタ18
を用いて当該インジェクタ18に給送されるエア圧力を
調整することや、燃料噴霧を高温の吸気バルブ14の傘
部に向けて噴射することにより、噴射燃料を微粒化する
ようにした。かかる場合には、噴射燃料を微粒化するこ
とで、気筒内での燃料の気化が促進され、上記の燃焼制
御が適切に実施されるようになる。
【0067】(d)インジェクタ18による噴射燃料が
微粒化できない場合に、リッチ時間の短縮化を禁止する
ようにした。つまり、燃料微粒化が実施できないと、リ
ーン燃焼とリッチ燃焼との切り換え時に排ガスのリッチ
化が遅れ、前記短縮化したリッチ時間では当該リッチ時
間が不足するおそれがある。そこで、NOx 触媒19付
近での排ガス雰囲気を確実にリッチ化させるために、リ
ッチ時間の短縮化を禁止する。これにより、リッチ時間
が不足して吸蔵NOx の還元・放出が不十分になるとい
った問題が回避できる。
【0068】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態を説明する。但し、第2の実施の形
態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等で
あるものについては図面に同一の記号を付すと共にその
説明を簡略化する。
【0069】上記第1の実施の形態では、吸気行程同期
噴射を実施することによりインジェクタの1回の噴射燃
料をその都度、燃焼行程で燃焼させるようにしたが、第
2の実施の形態ではこれを変更する。インジェクタから
燃焼室に燃料を直接噴射する、いわゆる筒内直噴式エン
ジンに本発明を具体化する。図11は、筒内直噴式エン
ジン81の構成図であり、前記図1との相違点としてイ
ンジェクタ82が筒内噴射タイプのものに変更されてい
る。
【0070】かかる場合、前記CPU31は、NOx 触
媒19付近で排ガスが確実にリッチ化される最短時間で
リッチ時間を設定する。CPU31による処理として
は、前記図4のルーチンを流用し、同ルーチンのステッ
プ202,204を削除した形で実現できる。同図のス
テップ203では、例えば前記図5の実線の特性(吸気
行程同期噴射の特性)を用いてリッチ噴射回数(リッチ
時間)が設定される。
【0071】筒内直噴式エンジンでは、ポートウエット
やバルブウエットなどにより燃料量が不用意に変動分す
ることがないため、インジェクタ82による1回の噴射
燃料の略全てがその都度、燃焼行程で燃焼される。つま
り、リーン燃焼からリッチ燃焼への切り換え時におい
て、排ガス雰囲気がいち早くリッチ化できる(所望のリ
ッチ雰囲気に切り換わる)。従って、何ら支障無くリッ
チ時間の短縮が可能となる。その結果、上記実施の形態
と同様に、リッチ時間の短縮を図り、燃費の改善やトル
ク変動の抑制を実現することができる。
【0072】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記各実施の形態では、吸入
空気量Qaに応じてリッチ噴射回数TR(リッチ時間)
を設定し、その後、「TL=α・TR」として、リーン
噴射回数TL(リーン時間)を設定したが(前記図4の
ステップ203〜205)、これを変更する。例えばT
R,TLをマップ検索により個々に設定する。
【0073】上記第1の実施の形態では、エア供給ポン
プ72を用いたエアアシストインジェクタ18により噴
射燃料微粒化手段を構成したが、これを変更する。例え
ば差圧式のエアアシストインジェクタにより噴射燃料微
粒化手段を構成する。当該インジェクタの場合、スロッ
トル弁5の上流側と下流側との吸気圧の差圧を利用して
噴射燃料を微粒化する。そして、この差圧エアアシスト
による燃料微粒化が実施される状態下においてリッチ時
間を短縮する。但し、エンジンの高負荷領域では差圧が
なくなるため、リッチ時間の短縮を禁止する。
【0074】噴射燃料微粒化手段として、既述の手法以
外に次のように具体化する。多孔タイプ(例えば12孔
タイプ)のインジェクタを使用する。すなわち、既述の
4孔タイプのインジェクタよりも噴射孔の径(具体的に
は、前記図2の分岐通路49の開口部の径)を微小化す
ると共に、孔数を12個、或いはそれ以上に増やす。か
かる場合、エア圧が比較的低くても燃料微粒化の効果が
得られるため、エア加圧により燃料流速が過剰に大きく
なってシリンダウエット量が増加するといった不都合も
回避できる。インジェクタの多孔化に伴い、前記図2の
エア供給ポンプ72によるエア加圧を省略することも可
能である。
【0075】上記各実施の形態では、目標空燃比λTG
をリーン制御値とリッチ制御値とで切り換えることによ
り、リーン燃焼とリッチ燃焼とを行わせるようにしてい
たが、これを変更する。例えば空燃比補正係数FAFを
リーン補正側とリッチ補正側とで切り換え、それにより
リーン燃焼とリッチ燃焼とを行わせるようにしてもよ
い。
【0076】上記各実施の形態における空燃比制御シス
テムでは、現代制御理論を用い、目標空燃比と実際に検
出した空燃比(実空燃比)との偏差に応じて空燃比をフ
ィードバック制御していたが、この構成を変更する。例
えばPI制御により空燃比をフィードバック制御した
り、空燃比をオープン制御したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジンの空燃比制
御システムの概要を示す全体構成図。
【図2】インジェクタの構成を示す断面図。
【図3】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図4】λTG設定ルーチンを示すフローチャート。
【図5】吸入空気量とリッチ噴射回数との関係を示すグ
ラフ。
【図6】吸入空気量と係数αとの関係を示すグラフ。
【図7】エンジン回転数及び吸気圧に応じたリーン目標
空燃比を設定するためのマップ。
【図8】加圧エア圧力と燃料粒径SMDとの関係を示す
グラフ。
【図9】実施の形態における作用を説明するためのタイ
ムチャート。
【図10】リッチ時間とその時のトルク変動との関係を
示すグラフ。
【図11】筒内直噴式エンジンの構成図。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、18…噴射燃料微粒化手段
を構成するインジェクタ、19…NOx 触媒(NOx 吸
蔵還元型触媒)、30…ECU(電子制御装置)、31
…燃焼制御手段,第1のリッチ時間設定手段,第2のリ
ッチ時間設定手段を構成するCPU、81…筒内直噴式
エンジン、82…インジェクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/02 325 F02D 41/02 325H 41/14 310 41/14 310A 41/34 41/34 E F02M 61/18 340 F02M 61/18 340E 69/00 310 69/00 310A 310Q 69/04 69/04 L P

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関に供給する混合気の目標空燃比を
    理論空燃比よりもリーン側に設定してその目標空燃比に
    基づきリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排
    出される排ガス中のNOx をリーンNOx 触媒で吸蔵
    し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵
    したNOx をリーンNOx 触媒から放出するようにした
    内燃機関の空燃比制御装置であって、 インジェクタによる1回の噴射燃料がその都度、燃焼行
    程で燃焼されるよう燃焼を制御する燃焼制御手段と、 前記燃焼制御手段により燃焼が制御されない時に、リッ
    チ燃焼のためのリッチ時間を所定時間に設定する第1の
    リッチ時間設定手段と、 前記燃焼制御手段により燃焼が制御される時に、リッチ
    時間を前記第1のリッチ時間設定手段により設定される
    所定時間よりも短縮して設定する第2のリッチ時間設定
    手段とを備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記燃焼制御手段は、内燃機関の吸気バル
    ブの開弁に伴う吸気行程期間に対応させてインジェクタ
    による燃料噴射を実施する手段よりなる請求項1に記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の空燃比制御装置におい
    て、 前記インジェクタによる噴射燃料を微粒化するための噴
    射燃料微粒化手段を備える内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の空燃比制御装置におい
    て、 前記インジェクタによる噴射燃料が微粒化できない場合
    に、前記第2のリッチ時間設定手段によるリッチ時間の
    短縮化を禁止する内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】インジェクタから燃焼室に燃料を直接噴射
    する筒内直噴式内燃機関に適用され、前記内燃機関に供
    給する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側
    に設定してその目標空燃比に基づきリーン燃焼を行わせ
    ると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOx
    をリーンNOx 触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的に
    リッチに制御して前記吸蔵したNOx をリーンNOx 触
    媒から放出するようにした内燃機関の空燃比制御装置で
    あって、 リッチ燃焼のためのリッチ時間を、前記リーンNOx 触
    媒付近で排ガスがリッチ化される最短時間で設定するこ
    とを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6978603B2 (en) 2002-01-16 2005-12-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas control device-equipped internal combustion engine and exhaust gas control method
JP2006340276A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Takenaka Komuten Co Ltd 音響調整設備及び音響調整方法
JP2011174412A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Denso Corp 燃料噴射弁
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