JP2019157736A - 内燃機関 - Google Patents

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優貴 土橋
明寛 澤田
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Abstract

【課題】燃料の噴射タイミングと酸素富化空気の噴射タイミングとを最適化する。【解決手段】理論空燃比より高い空燃比で運転される内燃機関1が提供される。内燃機関は、吸気中の空気を窒素富化空気と酸素富化空気に分離する分離器20と、分離器により生成された窒素富化空気を燃焼室12に向かって送るように構成された吸気通路3と、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁13と、分離器により生成された酸素富化空気を燃焼室内に噴射する空気噴射弁14と、燃料噴射弁から燃料が噴射される直前に空気噴射弁から酸素富化空気が噴射されるよう、燃料噴射弁と空気噴射弁を制御するように構成された制御ユニット100と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、理論空燃比より高い空燃比で運転される内燃機関に関する。
この種の内燃機関、例えば車両用ディーゼルエンジンでは、厳しい排ガス規制に対処するため、複雑かつ高価な排気処理システムを採用している。そしてディーゼルエンジンの主要な排気成分であるNOx(窒素酸化物)を除去するため、比較的高価なNOx触媒、特に選択還元型NOx触媒を備えた排気処理システムを採用している。
特開平7−217502号公報 特開2004−190570号公報 特開2008−291822号公報
しかし、排ガス規制が今後さらに厳しくなることを考慮すると、排気処理システムが益々高価になることは否めない。そこで、比較的安価で高いNOx浄化性能を発揮する三元触媒をNOx触媒の代替品として使用することが考えられる。
三元触媒は、主に理論空燃比で運転されるガソリンエンジンに使用されるもので、空燃比が理論空燃比付近のとき、すなわち排気中酸素濃度が理論空燃比相当の値付近であるときに、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)およびNOxを同時に高効率で浄化する。言い換えれば、殆どの場合に理論空燃比より高い空燃比で運転されるディーゼルエンジンでは、三元触媒は通常、十分なNOx浄化性能を発揮し得ず、使用できないものである。
そこで、吸気中の空気を窒素富化空気と酸素富化空気に分離し、窒素富化空気を吸気としてエンジンの燃焼室内に導入し、噴射燃料と共に着火させることが考えられる(例えば特許文献1,2参照)。こうすると排気ガスの酸素濃度が低減されるため、三元触媒を使用できる可能性が高まる。
但しこれだけだと、燃焼室内の酸素濃度が低下した分、噴射燃料の着火性が悪化することが懸念される。そこで、分離した酸素富化空気を別途燃焼室内に噴射し、噴射燃料を酸素富化空気と共に着火させることが考えられる(例えば特許文献2,3参照)。これにより、噴射燃料の着火性を向上することが可能である。
しかしながら、燃料の噴射タイミングと酸素富化空気の噴射タイミングとに関しては、好ましい提案が特に存在せず、その最適化が望まれる。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、燃料の噴射タイミングと酸素富化空気の噴射タイミングとを最適化できる内燃機関を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
理論空燃比より高い空燃比で運転される内燃機関であって、
吸気中の空気を窒素富化空気と酸素富化空気に分離する分離器と、
前記分離器により生成された窒素富化空気を燃焼室に向かって送るように構成された吸気通路と、
前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記分離器により生成された酸素富化空気を前記燃焼室内に噴射する空気噴射弁と、
前記燃料噴射弁から燃料が噴射される直前に前記空気噴射弁から酸素富化空気が噴射されるよう、前記燃料噴射弁と前記空気噴射弁を制御するように構成された制御ユニットと、
を備えることを特徴とする内燃機関が提供される。
好ましくは、前記空気噴射弁は、前記燃焼室内のピストンに向かって酸素富化空気を噴射するよう配置され、
前記制御ユニットは、前記空気噴射弁から噴射された酸素富化空気が前記ピストンで反射して燃料噴射直前に前記燃料噴射弁の周囲に到達するよう、前記燃料噴射弁と前記空気噴射弁を制御する。
好ましくは、前記内燃機関は、排気通路に配置された三元触媒をさらに備える。
好ましくは、前記吸気通路は、主通路と、前記主通路をバイパスすると共に前記分離器が配置されるバイパス通路とを備え、
前記内燃機関は、
前記バイパス通路の流量を調節するための調節弁と、
前記排気通路における前記三元触媒の下流側に配置されたNOx触媒と、
をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記NOx触媒の未活性時には前記バイパス通路の流量が多くなり、前記NOx触媒の活性時には前記バイパス通路の流量が少なくなるよう、前記調節弁を制御する。
本開示によれば、燃料の噴射タイミングと酸素富化空気の噴射タイミングとを最適化できる。
内燃機関の概略構成図である。 酸素富化空気噴射時の燃焼室内の様子を示す縦断面図である。 燃料噴射時の燃焼室内の様子を示す縦断面図である。 燃焼室内のガスの組成を比較した模式図で、(A)は通常のディーゼルエンジンの場合、(B)は本実施形態のディーゼルエンジンの場合である。 第1変形例における酸素富化空気噴射時の燃焼室内の様子を示す縦断面図である。 第1変形例における燃料噴射時の燃焼室内の様子を示す縦断面図である。 第2変形例の内燃機関の概略構成図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
図1に、本実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。内燃機関(エンジン)1は車両用の圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼルエンジンである。但し本実施形態は、燃料と空気の混合比率である空燃比αが理論空燃比αs(例えばαs=14.6)より高いリーンな状態で運転されるエンジンを対象としている。よってエンジンは、所謂リーンバーン方式の火花点火式内燃機関すなわちガソリンエンジンであってもよい。エンジンの用途、シリンダ配置形式、気筒数等は任意である。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。図にはそのうちのシリンダヘッド5、シリンダブロック6、ピストン7、吸気弁8、排気弁9を示す。シリンダヘッド5には、吸気ポート10および排気ポート11が形成される。吸気ポート10および排気ポート11は、吸気通路3および排気通路4にそれぞれ連通され、吸気弁8および排気弁9によりそれぞれ開閉される。シリンダヘッド5、シリンダブロック6およびピストン7により燃焼室12が画成される。
シリンダヘッド5には、燃焼室12内に燃料を噴射する燃料噴射弁13が取り付けられる。また本実施形態のシリンダヘッド5には、燃焼室12内に後述する酸素富化空気を噴射する空気噴射弁14が取り付けられる。燃料噴射弁13は、燃料出口となる複数の噴孔を燃焼室12内に位置させた状態で下向きに、かつシリンダ軸Cと同軸に配置される。空気噴射弁14は、酸素富化空気の出口となる一乃至複数(本実施形態では単一)の噴孔を燃焼室12内に位置させた状態で下向きに、かつシリンダ軸Cと平行に配置され、燃料噴射弁13に近接して配置される。燃料噴射弁13および空気噴射弁14は、その内部に電磁ソレノイドを含み、電磁ソレノイドがオンされたときに燃料および酸素富化空気をそれぞれ噴射する。
吸気通路3は、主通路15と、主通路15をバイパスするバイパス通路16とを備える。主通路15の上流端にはエアクリーナ17が設けられ、主通路15の途中には吸気スロットルバルブ18が設けられる。バイパス通路16は、エアクリーナ17と吸気スロットルバルブ18の間の分岐位置B1で主通路15から分岐し、合流位置B2で主通路15に合流する。
分岐位置B1には、主通路15からバイパス通路16に分岐する吸気の流量、すなわちバイパス通路流量を調節するための切替弁19が設けられる。切替弁19は、主通路15とバイパス通路16を切替可能とするものであり、破線で示す全閉位置P1と全開位置P2の間で連続的に可変である。切替弁19が全閉位置P1にあるとき、切替弁19の開度は0(%)、バイパス通路16は全閉、主通路15は全開とされ、吸気はバイパス通路16に流されず、その全量が主通路15を流される。また切替弁19が全開位置P2にあるとき、切替弁19の開度は100(%)、バイパス通路16は全開、主通路15は全閉とされ、吸気は主通路15に流されず、その全量がバイパス通路16を流される。図示の如く切替弁19の開度が0(%)と100(%)の間の中間開度にあるとき、吸気はその開度に見合った分配比でバイパス通路16と主通路15に分配される。
バイパス通路16の途中には、吸気中の空気を窒素富化空気と酸素富化空気に分離する分離器20が設けられている。ここで空気は約80%の窒素(N2)と約20%の酸素(O2)を含むが、窒素富化空気とは、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い空気を意味し、酸素富化空気とは、空気よりも酸素濃度が高く窒素濃度が低い空気を意味する。分離器20は例えば、窒素より分子の小さい酸素を選択的に透過させる分離膜21を有する。分離膜21は例えばポリブタジエン、エチルセルロース、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド樹脂等の素材で作製されている。
バイパス通路16における分離器20の上流側に、吸気を分離器20に向けて圧送するポンプ22が設けられる。本実施形態のポンプ22は電動式であるが、ターボチャージャのコンプレッサをポンプ22として使用してもよい。エアクリーナ17から吸引されバイパス通路16に分岐した外気もしくは新気である空気を、ポンプ22により分離器20に圧送すると、酸素が分離膜21を透過し、分離膜21の後側に酸素富化空気が生成される。分離膜21の前側には窒素富化空気が生成され、この窒素富化空気は、バイパス通路16の下流側部分を通じて合流位置B2から主通路15に合流する。
バイパス通路16における分離器20の下流側には、通路を開閉する開閉弁23と、窒素富化空気の酸素濃度を検出するための第1濃度センサ24とが設けられる。
分離器20と空気噴射弁14は空気供給通路25により連結され、分離器20内の酸素富化空気は、空気供給通路25を通じて空気噴射弁14に供給される。空気供給通路25の途中には、酸素富化空気を貯留する貯留室26と、酸素富化空気の酸素濃度を検出するための第2濃度センサ27とが設けられる。
排気通路4には三元触媒30が配置されている。三元触媒30は、空燃比が理論空燃比付近のとき、すなわち排気中酸素濃度が理論空燃比相当の値付近であるときに、CO、HCおよびNOxを同時に高効率で浄化する。ディーゼルエンジンに三元触媒30を装備した点が特徴的である。排気通路4における三元触媒30の上流側には、排気ガスの酸素濃度を検出するための第3濃度センサ31が設けられる。
またエンジン1は、制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラをなす電子制御ユニット(以下、ECUという)100を備える。ECU100はCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。ECU100は、前述の燃料噴射弁13、空気噴射弁14、吸気スロットルバルブ18、切替弁19、ポンプ22、開閉弁23を制御するように構成されている。特に言及しない限り、吸気スロットルバルブ18は全開、開閉弁23は全開に制御されているものとする。また第1〜第3濃度センサ24,27,31の検出信号はECU100に送られる。
図2には、本実施形態の燃焼室12の構造を示す。ピストン7は、シリンダ軸Cと同軸に配置されたピストン軸に対し軸対称となるよう構成されている。特に断らない限り、ピストン軸を基準とした軸方向、半径方向および周方向を単に軸方向、半径方向および周方向という。ピストン7は、ピストン頂面35とピストン外周面36を有する。ピストン外周面36の複数(本実施形態では三つ)のリング溝にはそれぞれピストンリング37が嵌合されている。
ピストン7は、ピストン頂面35の中央部に凹設されたキャビティ38を有する。本実施形態のキャビティ38はリエントラント型キャビティであり、下方の底部側に対し上方の入口側が絞られた形状となっている。キャビティ38は、その入口部を形成すると共にピストン頂面35に連なって半径方向内側に突出するリップ部39と、リップ部39に連なってその下方でアンダーカット状に拡径する側面部40と、側面部40に連なる底面部41とを有する。底面部41は、半径方向内側に向かうほど高さが高くなるよう傾斜され、その底面部41の中心部には高さが最も高くなる底面頂面部42が形成される。底面頂面部42は、ピストン軸に垂直な平面である。
次に本実施形態の作動を述べる。図1に示すように、エンジン1の運転時には、切替弁19の開度が0(%)より大きく100(%)より小さい中間開度とされ、エアクリーナ17から吸引された空気の一部がバイパス通路16に分岐され、残部が主通路15を流される。
バイパス通路16に分岐した空気は、オンされたポンプ22により分離器20内に圧送される。これにより分離器20内では酸素が分離膜21を通して押し出され、その結果、分離膜21の前側には窒素富化空気が生成される。この窒素富化空気はバイパス通路16の下流側部分を流れ、開となっている開閉弁23を通過し、合流位置B2から、主通路15内の空気に合流される。
他方、分離膜21の後側には酸素富化空気が生成される。この酸素富化空気は、空気供給通路25を通じて貯留室26に貯留され、空気噴射弁14からの噴射のために準備される。
窒素富化空気が合流された後の主通路15内の空気も、通常の空気より酸素濃度が低く、窒素濃度が高い。従ってその空気は相変わらず窒素富化空気である。もし合流後の窒素富化空気の窒素濃度を高めたい場合には、切替弁19の開度を増大したり、ポンプ22の単位時間当たりの回転数を増大したりして、バイパス通路流量を増やせばよい。切替弁19の開度は最大100(%)まで、すなわち吸気の全量が分離器20を通過するようになるまで、増大し得る。
こうしてできた窒素富化空気は、吸気行程で燃焼室12内に吸入され、圧縮行程で圧縮される。このとき燃焼室12内は、通常のディーゼルエンジンより低酸素濃度の状態となっている。従って仮にこの状態で燃料噴射弁13から燃料を噴射し、燃料を着火、燃焼させた場合、理論空燃比またはその付近の排気ガスを得られ、三元触媒30によるNOx浄化を高効率で行うことができる。
しかしながら、燃焼室12内が低酸素濃度となっているため、噴射燃料の着火性が悪化する虞がある。そこで本実施形態では、着火性向上のため空気噴射弁14から燃焼室12内に酸素富化空気を噴射する。とりわけ本実施形態では、燃料噴射弁13から燃料が噴射される直前に空気噴射弁14から酸素富化空気が噴射されるよう、燃料噴射弁13と空気噴射弁14をECU100により制御する。
詳細には図2に示すように、ピストン7の位置が圧縮上死点付近に到達した時、まず空気噴射弁14がECU100によりオンされ、空気噴射弁14の噴孔45からピストン7に向かって酸素富化空気が噴射される。すると酸素富化空気は、図中矢示するように、キャビティ38の底面頂面部42に衝突し反射して上方に向かい、燃料噴射弁13の周囲に到達する。そして燃料噴射弁13の周囲に酸素富化空気層Rを形成する。このように、空気噴射弁14から噴射された酸素富化空気をピストン7で反射させるようにしたため、酸素富化空気層Rを燃料噴射弁13の周囲に好適に形成することができる。
その直後、図3に示すように、燃料噴射弁13がECU100によりオンされ、燃料噴射弁13における周方向等間隔の複数(本実施形態では五つ)の噴孔46から、燃料がリップ部39の下端部付近に向かって放射状に噴射される。Fは燃料噴霧を示し、Gは燃料噴霧の中心である噴霧軸を示す。
このとき、燃料噴霧Fの半径方向外側への拡散に従って、燃料が噴孔46に近い方から順次着火を開始する。燃料噴霧Fが、予め形成された噴孔46付近の酸素富化空気層Rを通過するため、噴射開始後の初期段階から燃料噴霧Fを高酸素濃度の酸素富化空気と混合させて着火させることができる。このため、良好な着火性を得られ、単に燃焼室12内に酸素富化空気を噴射する場合に比べ、着火性を著しく向上させることができる。そして燃料の噴射タイミングと酸素富化空気の噴射タイミングとを最適化することが可能となる。
なお特許文献1は、既に噴射された燃料に向かって酸素富化空気を噴射するため、本実施形態と順番が逆である。特許文献1だと、噴射開始後の初期段階から酸素富化空気を活用することは困難となるため、着火性が悪化することが予想される。
1燃焼当たりの酸素富化空気の噴射量は、それに含まれる酸素が全量燃焼に用い尽くされるような必要十分な量とされる。
他方、酸素富化空気層Rより外側のガスは窒素富化空気であるため、燃料噴射弁13から比較的離れ且つ燃焼に直接寄与しない余剰酸素を減らし、余剰酸素と窒素の結合により生成されるNOxの量を低減できる。これは、三元触媒30により処理するNOx量の低減に繋がるため、有利である。
図4は、燃焼室12内のガスの組成を比較した模式図で、(A)は通常のディーゼルエンジンの場合、(B)は本実施形態のディーゼルエンジンの場合である。前者の場合、燃焼室12内には、理論空燃比の混合気D1と通常の空気D2とが存在するとみなせる。燃焼室12内には、理論空燃比相当の酸素の他に、空気D2の約20(%)の酸素も存在する。しかし後者の場合だと、前者の空気D2を窒素D3に置き換えることができ、燃焼室12内に理論空燃比相当の酸素しか存在させないことができる。よって理論空燃比の排気ガスを得て三元触媒30をNOx浄化のため高効率で作動させることができる。
なお本実施形態において、シリンダ軸C回りに旋回するスワール流を燃焼室12内に生成するスワール生成手段を設けるのが好ましい。こうすると燃焼室12内の中心部のガスが淀んで燃料噴射弁13の周囲に酸素富化空気層Rを形成するのが容易になるからである。
本実施形態においては、三元触媒30に供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比に一致もしくは接近するよう、第3濃度センサ31の酸素濃度検出値に基づき、バイパス通路流量がフィードバック制御される。具体的にはECU100は、第3濃度センサ31の酸素濃度検出値を、理論空燃比相当の酸素濃度である所定の目標値(第3目標値)と比較する。酸素濃度検出値が目標値より高い場合、切替弁19の開度を増大し、バイパス通路流量を増大すると共に主通路流量を減少する。これにより、分離器20で生成される窒素富化空気の流量が増大すると共に、合流位置B2でこの窒素富化空気に混合される通常の空気の流量が減少する。結果的に、合流後の吸気である窒素富化空気の酸素濃度を減少し、三元触媒30に供給される排気ガスの空燃比を理論空燃比に一致もしくは接近させることができる。
逆に酸素濃度検出値が目標値より低い場合は、逆の操作となり、ECU100は、切替弁19の開度を減少し、バイパス通路流量を減少すると共に主通路流量を増大する。これにより、分離器20で生成される窒素富化空気の流量が減少すると共に、合流位置B2でこの窒素富化空気に混合される通常の空気の流量が増大する。結果的に、合流後の吸気である窒素富化空気の酸素濃度を増大し、三元触媒30に供給される排気ガスの空燃比を理論空燃比に一致もしくは接近させることができる。
なおバイパス通路流量の制御に際して、切替弁19の開度調節に加えまたはその代わりに、開閉弁23の開度調節を行ってもよい。但し、開閉弁23の開度調節だけだと、主通路15を絞って通常空気の流量を減少し、吸気中酸素濃度を著しく低減させるのが難しい。よって、切替弁19の開度調節のみか、切替弁19および開閉弁23の両方の開度調節を行うのが好ましい。このように切替弁19および開閉弁23の少なくとも一方は、バイパス通路16の流量を調節するための調節弁を構成する。
また、ポンプ22の回転数制御も併用してバイパス通路流量の制御を行ってもよい。
また、第3濃度センサ31に加え、第1および第2濃度センサ24,27の少なくとも一方の酸素濃度検出値にも基づいて、バイパス通路流量をフィードバック制御するのも好ましい。例えば第1濃度センサ24の酸素濃度検出値を用いる場合、その酸素濃度検出値が所定の目標値(第1目標値)に一致もしくは接近するよう、切替弁19の開度が制御される。酸素濃度検出値が目標値より高い場合、切替弁19の開度が増大される。また例えば第2濃度センサ27の酸素濃度検出値を用いる場合、その酸素濃度検出値が所定の目標値(第2目標値)に一致もしくは接近するよう、切替弁19の開度が制御される。酸素濃度検出値が目標値より高い場合、切替弁19の開度が減少される。このように第1および第2濃度センサ24,27の少なくとも一方を併用することにより、燃焼室12に供給される窒素富化空気の酸素濃度をより高精度で制御できる。
なお、排気再循環(EGR)ガスを通常の空気に混合して理論空燃比相当の酸素濃度を有する吸気を生成することも可能である。しかしこうした場合、三原子分子(CO2、H2O等)の割合が多くなり、比熱比が減少して、理論熱効率が低下する問題がある。他方、本実施形態のように窒素富化空気を混合した場合には、EGRガスを混合した場合に比べ、三原子分子の割合が多くならないため、高い熱効率の維持に有利である。
次に、変形例を説明する。なお上述の基本実施形態と同様の部分は説明を割愛し、以下、基本実施形態との相違点を主に説明する。
図5および図6に示す第1変形例は、ピストン7のキャビティ38の形状が異なり、キャビティ38が浅皿型となっている。キャビティ38の上端入口部は絞られておらず、その入口部にリップ部39は設けられていない。その代わりに、キャビティ38は、ピストン軸に平行な側面部50と、側面部50に連なりピストン軸に垂直かつ平坦な底面部51とを有する。
燃料噴射弁13と空気噴射弁14からそれぞれ噴射される燃料と酸素富化空気の挙動も略同様である。図5に示すように、ピストン7の位置が圧縮上死点付近に到達した時、まず空気噴射弁14がECU100によりオンされ、空気噴射弁14の噴孔45からピストン7に向かって酸素富化空気が噴射される。すると酸素富化空気は、図中矢示するように、キャビティ38の底面部51に衝突し、反射して上方に向かい、燃料噴射弁13の周囲に到達し、酸素富化空気層Rを形成する。
その直後、図6に示すように、燃料噴射弁13の複数の噴孔46から、燃料が側面部50に向かって放射状に噴射される。燃料噴霧Fが、予め形成された酸素富化空気層Rを通過するため、噴射開始後の初期段階から燃料噴霧Fを高酸素濃度の酸素富化空気と混合させて着火させることができる。このため、良好な着火性を得られ、着火性を著しく向上させることができる。
なお、キャビティ38の形状はトロイダル型等の他の形状であってもよい。
図7に示す第2変形例は、排気通路4における三元触媒30の下流側に配置され排気中のNOxを除去するNOx触媒55をさらに備える。NOx触媒55は、還元剤としてのアンモニアが供給されているときにNOxを連続的に還元浄化する選択還元型NOx触媒(所謂SCR)により形成される。なお代替的に、NOx触媒55は、吸蔵還元型NOx触媒(所謂LNT)により形成されてもよい。
三元触媒30の下流側かつNOx触媒55の上流側には、排気通路4内に尿素水を噴射する尿素水噴射弁56と、排気ガスの温度を検出する第1温度センサ57とが配置されている。尿素水噴射弁56から噴射された尿素水が加水分解してアンモニアが生成される。またNOx触媒55の下流側には、排気ガスの温度を検出する第2温度センサ58が配置されている。
ECU100は尿素水噴射弁56も制御する。またECU100は、第1および第2温度センサ57,58の少なくとも一方の温度検出値に基づき、NOx触媒55の触媒温度を推定する。推定方法は周知であるため説明を省略する。なお推定する代わりに、NOx触媒55に温度センサを設置して触媒温度を直接検出することも可能である。
この第2変形例では、NOx触媒55を主なNOx浄化用触媒として用い、三元触媒30を補助的なNOx浄化用触媒として用いる。すなわちNOx触媒55の活性時にはNOx触媒55によりNOx浄化を行い、NOx触媒55の未活性時には三元触媒30によりNOx浄化を行う。
三元触媒30の方がNOx触媒55より上流側に配置されているため、三元触媒30の方がより高温の排気ガスを供給され、暖まり易い。よって冷間始動後に三元触媒30の方が早く活性化するため、NOx触媒55の未活性時に三元触媒30によりNOx浄化を行うことで、冷間始動後のNOxエミッションを改善することが可能である。
ECU100は、推定したNOx触媒55の触媒温度を所定の活性開始温度と比較する。触媒温度が活性開始温度未満の場合、NOx触媒55が未活性と判断し、前述の基本実施形態と同様、窒素富化空気と酸素富化空気を生成すると共に、これらを燃焼室12に供給して燃焼を行い、三元触媒30によりNOx浄化を行う。
他方、ECU100は、触媒温度が活性開始温度以上の場合、NOx触媒55が活性と判断し、通常のディーゼルエンジンと同様に制御を行う。このときには窒素富化空気と酸素富化空気の生成を中止もしくは停止する。ECU100は、切替弁19の開度を0(%)すなわち全閉位置P1とし、バイパス通路流量をゼロとする。そしてポンプ22をオフし、空気噴射弁14をオフに維持し、開閉弁23を全閉とする。これにより通常のディーゼルエンジンの如く、通常の空気が燃焼室12内に送られ、三元触媒30によるNOx浄化は実質的に不可能となる。しかし、燃焼室12内で生成されたNOxはNOx触媒55により確実に浄化される。
このようにECU100は、NOx触媒55の未活性時にはバイパス通路16の流量が多くなり、NOx触媒55の活性時にはバイパス通路16の流量が少なくなる(本実施形態ではゼロとなる)よう、切替弁19を制御する。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は以下のような他の実施形態も可能である。
(1)例えば排気通路に、NOx以外の他の有害物質を除去もしくは低減する他の後処理部材を追加して設けてもよい。こうした他の後処理部材には、排気中の粒子状物質(PM: Particulate Matter)を捕集して除去するフィルタ、または排気ガス中の未燃成分(炭化水素HCおよび一酸化炭素CO)を酸化して除去する酸化触媒等が含まれる。
(2)調節弁は、切替弁19および開閉弁23以外の弁により構成することも可能である。例えば、分離器20より上流側のバイパス通路16の途中に開閉弁を配置し、この開閉弁により調節弁を構成してもよい。
(3)通常のディーゼルエンジンに装備されている他の構成要素、例えばターボチャージャ、コモンレール、EGR装置等を上記エンジン1に装備してもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
3 吸気通路
4 排気通路
7 ピストン
12 燃焼室
13 燃料噴射弁
14 空気噴射弁
15 主通路
16 バイパス通路
19 切替弁
20 分離器
23 開閉弁
30 三元触媒
55 NOx触媒
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (4)

  1. 理論空燃比より高い空燃比で運転される内燃機関であって、
    吸気中の空気を窒素富化空気と酸素富化空気に分離する分離器と、
    前記分離器により生成された窒素富化空気を燃焼室に向かって送るように構成された吸気通路と、
    前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記分離器により生成された酸素富化空気を前記燃焼室内に噴射する空気噴射弁と、
    前記燃料噴射弁から燃料が噴射される直前に前記空気噴射弁から酸素富化空気が噴射されるよう、前記燃料噴射弁と前記空気噴射弁を制御するように構成された制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記空気噴射弁は、前記燃焼室内のピストンに向かって酸素富化空気を噴射するよう配置され、
    前記制御ユニットは、前記空気噴射弁から噴射された酸素富化空気が前記ピストンで反射して燃料噴射直前に前記燃料噴射弁の周囲に到達するよう、前記燃料噴射弁と前記空気噴射弁を制御する
    請求項1に記載の内燃機関。
  3. 排気通路に配置された三元触媒をさらに備える
    請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記吸気通路は、主通路と、前記主通路をバイパスすると共に前記分離器が配置されるバイパス通路とを備え、
    前記内燃機関は、
    前記バイパス通路の流量を調節するための調節弁と、
    前記排気通路における前記三元触媒の下流側に配置されたNOx触媒と、
    をさらに備え、
    前記制御ユニットは、前記NOx触媒の未活性時には前記バイパス通路の流量が多くなり、前記NOx触媒の活性時には前記バイパス通路の流量が少なくなるよう、前記調節弁を制御する
    請求項3に記載の内燃機関。
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