JPH11124895A - ストレ−ナおよび仕切板付合成樹脂製小口径桝 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕切板で封水部を形成した会所桝に、ストレ
−ナを付加してトラップ桝と兼用させ、狭小地に好都合
とする。 【解決手段】 一般の塩ビ製トラップ桝は、桝底にＵ型
管トラップの入口を接続し、その入口上に目皿を載置し
たものであり、かかるトラップ桝は、合流等の塩ビ製会
所桝と建屋との間に設けるので、狭小地には設置困難と
なる。そこで、仕切板６で封水部７を形成した塩ビ製会
所桝１を用い、仕切板６によって封水部７から溢流する
排水を受けるストレ−ナ１１を付加し、排水中の塵芥を
捕捉可能にすると、前記トラップ桝と会所桝とが兼用で
き、狭小地に好都合となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ストレ−ナおよび
仕切板付合成樹脂製小口径桝に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のごとく、宅内配管工事では２重ト
ラップが禁止されており、例えば、トラップ桝（本来の
ＰまたはＵ型の管トラップを設ける代りに、桝にトラッ
プ装置を備えたものをいう）を２つ以上連結して設けた
り、器具トラップを有する排水管にトラップ桝を接続し
たり、また、トイレからの排水をトラップ桝に流入させ
ること等は禁止されている。

【０００３】かかる２重トラップにおいて、例えば、器
具トラップは建屋内に配置しているから宅内配管工事の
とき予め、この器具トラップの有無を調査しにくいこと
があって、万一、宅内配管後、２重トラップの形成が判
明すると、トラップ桝の布設工事のやり直しとなる、と
いう問題があった。

【０００４】そのため本出願人は、流入口と流出口とを
略水平状にもつ本管流路と、該本管流路に合流し、か
つ、桝本体の側面より一体的に延設した支管流路と、こ
れらの本管流路と支管流路とを仕切り、かつ、桝本体に
上向きに設けた点検筒より出入れ自在の仕切板と、を備
えたことを特徴とする仕切板付合成樹脂製小口径桝を提
唱した（特開平９−１３４９０号公報、特開平９−１２
５５０８号公報参照）。

【０００５】この仕切板付合成樹脂製小口径桝によれ
ば、工事に先立った調査により、支管流路に接続された
排水管路系に、例えば、既設の器具トラップがあって２
重トラップを形成することが判っておれば、仕切板を外
してから、これを埋設する。また、万一、宅内配管工事
後に２重トラップの形成が判明すれば、仕切板を点検筒
から取出し、封水部を解消して２重トラップを回避す
る、という特長を発揮する。

【０００６】一方、宅内排水設備の清掃、その他の維持
管理は、一般的には、その土地の占有者が行うものとさ
れ、専門の施工業者や公共団体が無料で、かつ、定期的
に行うものではない。したがって、例えば、トラップ桝
を設置している場合は、年２回以上のトラップ装置の機
能を点検し、土砂等を取り除く清掃をするようにされて
おり、その清掃者は、極端な場合、家庭の主婦が当たっ
ている。

【０００７】そのため、一般のトラップ桝、例えば、桝
の底部にＵ型の管トラップが備えられている桝では、そ
のＵ字入口側に持ち手付の目皿（ストレ−ナ）を点検筒
（桝本体）から出入れ自在に設け、この目皿により、雑
排水中の塵芥（例えば、土砂、野菜屑、残飯、茶殼や、
タバコの吸殻、毛髪、ヘアピン等）を捕捉し、この捕捉
した塵芥を持ち手付の目皿と共に点検筒（桝本体）から
取出し、塵芥等をＵ字部に可及的に残させないようにし
て、封水部の形成を維持している（例えば、実開昭６０
−６２５９号公報、実公平３−２２３７３号公報等参
照）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる目皿
付のトラップ桝では、次のような問題があった。

【０００９】すなわち、本来、塩ビ製のＰ型管トラップ
（またはＵ型管トラップも同じ）は、雑排水自身の流水
によって管路を洗浄し、塵芥等が引っ掛からない、した
がって、フラッシングまたはフラッシュアウト（ｆｌｕ
ｓｈ ｏｕｔ、本来、高圧流体による洗浄をいうが、本
明細書では、流下する排水による自浄作用を指してい
る）効果が高い、とされているが、前記のように、Ｕ字
入口側に目皿を設けると、排水の流速が減殺され、フラ
ッシュアウト効果を低下させ、目皿を素通りした土砂を
トラップ底部に溜める、という問題があった（勿論、フ
ラッシュアウト効果がなくても目皿によって大型の塵芥
は捕捉される）。

【００１０】そこで、かかる目皿付のトラップ桝におい
て、Ｕ字出口側にストレ−ナを付設することが考えられ
るが、ストレ−ナをＵ字出口側に設けても、トラップ封
水破壊の対処には寄与しないので、かかる考えは採用で
きない。

【００１１】そのため、本発明者等は鋭意、試行錯誤を
試みたところ、前記仕切板付合成樹脂製小口径桝であれ
ば、Ｕ字出口の外側にストレ−ナを付設すればフラッシ
ュアウト効果を妨げず、しかも、封水部の破壊は容易に
対処できる、という着想に至ったのである。

【００１２】すなわち、本発明は、トラップ桝における
フラッシュアウト効果を妨げず、かつ、封水部の破壊に
対処することを主たる目的とするものであり、また、ト
ラップ桝の用途の多様化や、既存の仕切板付トラップ桝
にも適用可能とすることを副たる目的とするものであ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するため、１）本管流路と、該本管流路に合流し、
かつ、桝本体の側面より一体的に延設した支管流路と、
これらの本管流路と支管流路とを仕切り、かつ、桝本体
に設けた上向きの点検筒より出入れ自在の仕切板と、を
備えることにより、前記仕切板と支管流路とで封水部を
形成すると共に、該仕切板に封水部からの溢流部を形成
した仕切板付合成樹脂製小口径桝において、前記仕切板
の溢流部より本管流路側に流下する排水を受けるストレ
−ナを、本管流路上方に設けることにより、前記封水部
を流れる排水のフラッシュアウト効果の低下を防止した
ことを特徴とするストレ−ナおよび仕切板付合成樹脂製
小口径桝を要旨として採択するものであり、また、２）
請求項１のストレ−ナを仕切板の出入れとは無関係に出
入れ可能としたストレ−ナおよび仕切板付合成樹脂製小
口径桝にある。

【００１４】したがって、本発明には、次の実施の態様
が含まれるものである。 本管流路と、該本管流路に合流し、かつ、桝本体の側
面より一体的に延設した支管流路と、これらの本管流路
と支管流路とを仕切り、かつ、桝本体に設けた上向きの
点検筒より出入れ自在の仕切板と、を備えることによ
り、前記仕切板と支管流路とで封水部を形成すると共
に、該仕切板に封水部の溢流部を形成した仕切板付合成
樹脂製小口径桝において、

【００１５】前記仕切板の溢流部より本管流路側に流下
する排水を受ける、多孔をもつ籠または網籠を、前記仕
切板に一体的に設けることにより、宅内配管における目
皿付トラップ桝を省略すると共に、取扱を容易にした多
孔をもつ籠または網籠および仕切板付塩ビ製小口径桝。

【００１６】前記における仕切板を固定して設ける
と共に、籠に取っ手を設けることにより、該籠を単独で
出入れ自在として、トラップ桝の用途の多様化・拡大化
を図ると共に、清掃直後の封水部解消をなくした塩ビ製
小口径桝。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明を、添付図面に示す実施の
形態例により詳細に述べる。図１は本発明の実施の形態
例の分解断面図、図２は図１のＡ〜Ａ矢視図、図３は図
１の要部詳細図、図４は図２の要部断面図、図５は説明
図である。

【００１８】先ず、本発明の実施の形態例の、Ｐ型管ト
ラップ状態を形成する仕切板付合成樹脂製（塩ビ製）小
口径桝（塩ビ製小口径排水桝ともいう）１について概説
する。

【００１９】本実施の形態例は、複数、または１つの流
入口をもち、かつ、仕切板をもった合成樹脂製合流型小
口径桝、または、起点型小口径桝に適用され、この小口
径桝は２重トラップ防止のために用いられるものであ
り、これは、汎用されている射出成形による塩ビ製小口
径桝を基本にしている。したがって、宅内用の排水桝ま
たは汚水桝は勿論、小口径桝を略スケ−ルアップしたプ
ラスチックマンホ−ルにも適用可能である。

【００２０】因に、本実施の形態例は、宅内排水管の呼
び径が１００ｍｍφ、点検筒の呼び径が１５０ｍｍφ、
支管流路の呼び径が７５ｍｍφになった小口径桝（会所
桝ともいう）に適用される。

【００２１】さて、図１および図２において、桝本体１
ａには、流入口２と流出口３とを略水平状にもつ本管流
路４と、この本管流路４に直交して合流し、かつ、桝本
体１ａの側面より一体的に延設した、上向きＬ形支管流
路５と、これらの本管流路４と支管流路５とを仕切り、
かつ、桝本体１ａに設けた上向きの点検筒（不図示）よ
り矢印ｐのように出入れ自在の仕切板６とが、それぞれ
設けられ、この仕切板６の高さｈを流入・流出口２，３
の径Ｄや支管流路５の出口の径ｄより大にして、仕切板
６によって支管流路５および桝本体１ａの一部で封水部
７を形成して、本管流路４の下水ガスが支管流路５に接
続した排水管路系（図５中１８）に浸入することを防止
し、ひいては、下水ガスが建屋（図５中１６）の室内に
浸入することを防止している。

【００２２】そして、支管流路５の流入口の断面積を、
仕切板６と桝本体１ａの側壁で囲まれた部分の断面積に
対し、１対２／３または１対１の割合にして、合成樹脂
製Ｐ型管トラップの特徴である前記排水管路系（図５中
１８）における雑排水のｒ方向の流れを円滑にする（す
なわち、フラッシュアウト効果をもたせる）と共に、雑
排水の仕切板６上を矢印ｑのように流れる溢流部８とし
ている。

【００２３】そして、宅内配管時、その工事前に調査を
して支管流路５に接続された排水管路系（図５中１８）
に、２重トラップを形成する場合は、仕切板６を外して
これを埋設する。また、万一、宅内配管工事後に、当該
排水管路系（図５中１８）に２重トラップを形成するこ
とが判った場合は、仕切板６を点検筒から取出し、封水
部７を解消して２重トラップを回避する。

【００２４】したがって、本実施の形態例の仕切板付小
口径桝では、仕切板６を着脱するだけで、封水部７を形
成したり、２重トラップを回避することができ、きわめ
て至便であると共に、管布設工事の信頼性を向上する。

【００２５】勿論、桝本体１ａは、トラップ付およびト
ラップなしの桝に使用され、量産化して安価とする。そ
して、仕切板６なしの桝本体１ａを使用すれば、本管流
路４の排水が上向きＬ形支管流路５によって排水管路系
（図５中１８）へ逆流しない一般の会所桝にもすること
ができる。

【００２６】また、仕切板６によって封水部７を形成す
るので、従来の堰で仕切ったトラップ桝に比べ、コンパ
クトでかつ安価となり、狭小地に好都合となる。

【００２７】なお、桝本体１ａには、仕切板６をスライ
ドして装着するグル−ブ９を形成し、このグル−ブ９
は、仕切板６の全体形状がショベル状に形成されている
ので、支管流路５からみて上向きＵ字状に形成してい
る。

【００２８】このグル−ブ９の下方の弯曲部は、主管流
路４の管底と略同一面にして、仕切板６を取外した後、
封水部７による水溜りを残さないようにして、いわゆる
Ｐ型またはＵ型の管トラップのＵ字部の土砂等による詰
まりを直ちに解消できるようにしている。

【００２９】特に、毛髪等の塵芥は仕切板６の溢流部８
に引掛かるので、仕切板６と共に取出すことができ、更
に、土砂等の塵芥は仕切板６を取出した後、掬い出すこ
とができるので、封水部７の破壊は容易に解消できる。

【００３０】また、仕切板６は硬質塩ビ製で、パッキン
（不図示）を介して、グル−ブ９に挿入するもので、上
部を厚く下部を薄くした楔状の平板、または主管流路４
側に弯曲した曲板で形成し、上下方向略２／３以下をジ
スク部と、その上方に窓を開口して溢流部（ウエア）８
とし、更に、持ち手１０を設けている。

【００３１】ここにおいて、本実施の形態例の、Ｐ型管
トラップ状に形成した仕切板付合成樹脂製（塩ビ製）小
口径桝１には、その仕切板６の主管流路４側にストレ−
ナ（固形物を濾過し除去する装置をいう）１１を付設す
ることにより、ストレ−ナ１１および仕切板６付合成樹
脂製小口径桝１に構成している。

【００３２】すなわち、図３および図４において、仕切
板６の溢流部（中央に切欠堰を設けたものでもよい。こ
のようにすると籠１２が細くできる）８の下端で、か
つ、主管流路４側にストレ−ナ用籠（網目または多孔状
のもの）１２を設け、溢流した全ての雑排水がこの籠１
２に流入するようにして、雑排水中の塵芥（前記０００
７のもの）を捕捉できるようにしている。

【００３３】そして、仕切板６を取出せば、この籠１２
は一体として取出すか、または、仕切板６の出入れと無
関係（したがって、例えば仕切板６は桝本体１ａに固着
され、清掃直後も封水部７を解消しないので、下水ガス
が建屋１６の方へ逆流しない）に取出すことにより捕捉
した塵芥を取出すことができる。

【００３４】この仕切板６の設置位置は次のようになっ
ているので、この籠１２を設けても、仕切板６の出入れ
には支障がない。

【００３５】すなわち、桝本体１ａには、上向きに設け
た点検筒用受口１３を、本管流路５の管軸より支管流路
５側へ、例えば、４０ｍｍずらして開口しており、ま
た、グル−ブ９を、この点検筒用受口１３の中心より支
管流路５側へ若干ずらしているので、仕切板６を点検筒
から出入れするのは容易であるのは勿論、桝本体１ａで
は仕切板６における主管流路４側にデットスペ−スが形
成されるので、このデットスペ−スに、可及的大容量化
した籠１２を設けることができる。

【００３６】そして、このストレ−ナ用籠１２は、塩ビ
射出成形製の上方開口有底角形籠か、または、上方開口
有底半球形籠で構成され（勿論、ＳＵＳ製の金属籠でも
可）、その両側の仕切板６側に取付フランジ１４，１４
を一体的に延設している。

【００３７】この取付フランジ１４を仕切板６の弁板を
囲む隆起条１５の内側に接着接合して固着する。したが
って、既存の仕切板６にも容易に取付けることができ
る。

【００３８】勿論、この取付フランジ１４，１４を、仕
切板６に設けた上下方向に設けた、ストッパ−付のスラ
イドレ−ル（不図示）に挿入するようにして設けると、
取っ手付金属籠の場合は、仕切板６に無関係に出入れす
ることができ、ひいては、この小口径桝の用途を多様化
することができる。

【００３９】なお、このスライドレ−ルを止め、グル−
ブ９の上方に籠係止部（不図示）を形成すれば、桝本体
１ａに籠を吊下げることもできる。

【００４０】

【発明の効果】本発明によると、 仕切板付合成樹脂製小口径桝に、仕切板の溢流部より
流下する雑排水を受けるストレ−ナを設けたので、スト
レ−ナ付のトラップ桝でありながら、いわゆる管トラッ
プのフラッシュアウト効果の低下を防止して、トラップ
の詰まりを回避することができる。

【００４１】また、仕切板付合成樹脂製小口径桝に毛
髪等の塵芥が流入して封水部を破壊しても、仕切板を取
出す簡単な清掃作業により、直ちにトラップの詰まりを
解消でき、ひいては、主婦にとっても容易に行うことが
できる。

【００４２】本来、塩ビ製の目皿付トラップ桝は、前
掲の公報でも示されているように、点検筒の略中心底部
に目皿を設け、この目皿に続いて、Ｕ型管トラップを接
続しているので、高価（仕切板付塩ビ製桝を５５００円
／１個とすると、目皿付トラップ桝は７３００円／１
個）になりがちとなるが、本発明によると、この目皿付
トラップ桝を省略して、仕切板付合成樹脂製小口径桝に
単にストレ−ナを付設するだけとなり、設備費および施
工費を大巾に節約することができる。

【００４３】一般に目皿付トラップ桝１７は、図５
（Ａ）のように建屋１６と宅内排水管１９との間に設置
されるが、本発明のストレ−ナおよび仕切板付合成樹脂
製小口径桝を用いると、この目皿付トラップ桝１７が省
略でき、ひいては、狭小地にとって好都合となる。

【００４４】なお、図５中、２０は合流型小口径桝、２
１は起点型小口径桝を示す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態例の分解断面図である。

【図２】図１のＡ〜Ａ矢視図である。

【図３】図１の要部詳細図である。

【図４】図２の要部断面図である。

【図５】説明図である。

【符号の説明】 １…仕切板付合成樹脂製小口径桝、１ａ…桝本体、４…
本管流路、５…支管流路、６…仕切板、７…封水部、８
…溢流部、１１…ストレ−ナ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本管流路と、該本管流路に合流し、か
   つ、桝本体の側面より一体的に延設した支管流路と、こ
   れらの本管流路と支管流路とを仕切り、かつ、桝本体に
   設けた上向きの点検筒より出入れ自在の仕切板と、を備
   えることにより、前記仕切板と支管流路とで封水部を形
   成すると共に、該仕切板に封水部からの溢流部を形成し
   た仕切板付合成樹脂製小口径桝において、 前記仕切板の溢流部より本管流路側に流下する排水を受
   けるストレ−ナを、本管流路上方に設けることにより、
   前記封水部を流れる排水のフラッシュアウト効果の低下
   を防止したことを特徴とするストレ−ナおよび仕切板付
   合成樹脂製小口径桝。
2. 【請求項２】 請求項１のストレ−ナを仕切板の出入れ
   とは無関係に出入れ可能としたストレ−ナおよび仕切板
   付合成樹脂製小口径桝。