JPH11124373A - チアゾリン類、その製造法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造法 - Google Patents

チアゾリン類、その製造法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造法

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JPH11124373A
JPH11124373A JP28952697A JP28952697A JPH11124373A JP H11124373 A JPH11124373 A JP H11124373A JP 28952697 A JP28952697 A JP 28952697A JP 28952697 A JP28952697 A JP 28952697A JP H11124373 A JPH11124373 A JP H11124373A
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thiazoline
hydroxy
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JP28952697A
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English (en)
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Hideyuki Ikehira
秀行 池平
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不斉配位子として有用なチアゾリン類を提供
すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Xは、一般式(2) または、一般式(3) )で示されるチアゾリン類、その製造法およびその用
途。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チアゾリン類、そ
の製造法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボ
ン酸類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉シクロプロパンカルボン酸類は、医
薬、農薬などの合成中間体として有用でありオレフィン
類とジアゾ酢酸エステル類とを、銅塩と不斉配位子との
存在下に反応させて製造されることが知られている。従
来よりかかる不斉配位子として、光学活性メチレンビス
オキサゾリン類が提案されている(Tetrahedron Letter
s, Vol.32,No.50,p.p.7373−7376,1991)。しかしなが
ら、メチレンビスオキサゾリン類は、不安定で分解しや
すいばかりか、マロノニトリルを原料とする数工程を経
て製造されるが低収率であるため(Helvetica Chimica A
cta, Vol.74,p.2,1991)、不斉配位子としてかかるメチ
レンビスオキサゾリン類を用いる不斉シクロプロパンカ
ルボン酸類の製造法は、必ずしも工業的に有利であると
は言い難いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
安価な原料から比較的短い工程で収率よく製造でき、安
定な化合物であり、オレフィン類とジアゾ酢酸エステル
類とを銅塩の存在下に反応させて不斉シクロプロパンカ
ルボン酸類を製造する際の不斉配位子として用いること
のできる新たな化合物を開発すべく鋭意検討した結果、
本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(1) (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または相異なり、
水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい鎖
状もしくは環状アルキル基、置換基を有していてもよい
アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、
置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有してい
てもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい鎖
状もしくは環状アルケニル基、置換基を有していてもよ
いアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいア
ルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキ
シ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカ
ルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオ
キシカルボニル基を示す。Xは、一般式(2) (式中、R5およびR6は同一または相異なり、置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
アラルキル基または置換基を有していてもよいアリール
基を示す。また、R5とR6とが結合して環を形成していて
もよい。)で示される基または、一般式(3) (式中、R7はヒドロキシル基またはアミノ基を示し、R8
は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有し
ていてもよいアリールチオ基または置換基を有していて
もよい複素環基を示す。)で示される基を示す。)で示
されるチアゾリン類の光学活性体またはラセミ体、その
製造法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン
酸類の製造法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においてチアゾリン類
(1)の置換基R1、R2、R3、R4において、ハロゲン原子
としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子な
どが、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、n−アミル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−ノ
ニル基、2,3,4−トリメチル−3−ペンチル基、2,4−ジ
メチル−3−ペンチル基などが、アラルキル基としては
ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル
基、ジフェニルメチル基などが、アリール基としてはフ
ェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、複素環基として
はフリル基などが、アリールチオ基としてはチオフェニ
ル基などが、アルケニル基としては2−メチル−1−プロ
ペニル基、2−ブテニル基などが、アリールアルケニル
基としてはトランスβスチリル基、3−フェニル−1−プ
ロペニル基などが、環状アルケニル基としては1−シク
ロヘキセニル基などが、アルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基など
が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチル
オキシ基、ジフェニルオキシ基などが、アルキルオキシ
カルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、アラル
キルオキシカルボニル基としてはベンジルオキシカルボ
ニル基などが、アリールオキシカルボニル基としては、
フェニルオキシカルボニル基などがそれぞれ例示され
る。また、上記の置換基は、たとえば、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子などのハロゲン原子、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基
などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキ
シ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n
−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの低
級アルキル基、n−プロピルチオ基、t−ブチルチオ基な
どの低級アルキルチオ基、フェニルチオ基などのアリー
ルチオ基、ニトロ基、水酸基などで置換されていてもよ
い。
【0006】一般式(2)で示される基におけるR5およ
びR6の具体例は、置換基R1、R2、R3、R4において例示し
たものと同様なアルキル基、アラルキル基もしくはアリ
ール基が例示できる。
【0007】一般式(3)で示される基におけるR8の具
体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基、フリル基、チオフェニル基、2,6−ジ−t−ブチル−
p−トリル基などのアリール基、複素環基、アリールチ
オ基が例示され、さらにこれらは、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基などの低級アルキル基、または、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などのハロゲ
ン原子、または、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基などの低級アルコキシ基、フェ
ノキシ基などのアリールオキシ基、または、n−プロピ
ルチオ基、t−ブチルチオ基などの低級アルキルチオ
基、または、フェニルチオ基などのアリールチオ基、ニ
トロ基、水酸基などで置換されていてもよい。
【0008】本発明のチアゾリン類(1)において、一
般式(1)における置換基Xが一般式(2)で示される
置換基に相当する化合物は、一般式(4) (式中、R1、R2、R3およびR4は、前記と同じ意味を表わ
す。)で示される2−メチルチアゾリン類と一般式
(5) R5−CO−R6 (5) (式中、R5およびR6は前記と同じ意味を表わす。)で示
されるケトン類とを、塩基の存在下に反応させることに
より得られる。また、一般式(1)における置換基Xが
一般式(3)で示される置換基に相当する化合物は、一
般式(4)で示される2−メチルチアゾリン類と一般式
(6) R8COOR9 (6) (式中、R8は前記と同じ意味を表わし、R9はアルキル
基、アラルキル基またはアリール基を示す。)で示され
るアリールカルボン酸エステル類または、一般式(7) R8CN (7) (式中、R8は前記と同じ意味を表わす。)で示されるア
リールニトリル類とを、塩基の存在下に反応させること
により得られる。
【0009】一般式(5)で示されるケトン類の具体的
な例としては、例えばアセトン、ジプロピルケトン、シ
クロヘキサノンなどのアルキルケトン類、および、ベン
ゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−
ジクロルベンゾフェノンなどのジアリールケトン類など
が例示される。
【0010】一般式(6)で示されるアリールカルボン
酸エステル類における置換基R9としては、置換基R1
R2、R3、R4において例示したものと同様なアルキル基、
アラルキル基もしくはアリール基が例示でき、かかるア
リールカルボン酸エステル類としては、例えば安息香酸
メチルエステル、パラメトキシ安息香酸メチルエステ
ル、メタクロル安息香酸エチルエステルなどが例示され
る。
【0011】一般式(7)で示されるアリールニトリル
類の具体的な例としては、例えばベンゾニトリル、パラ
メトキシベンゾニトリル、メタクロルベンゾニトリル、
などが例示される。
【0012】一般式(4)で示される2−メチルチアゾ
リン類の具体的な例としては、例えば2−メチル−4−フ
ェニルチアゾリン、2−メチル−4−t−ブチルチアゾリ
ン、2−メチル−4−ベンジルチアゾリン、2−メチル−4
−(2,6−ジ−t−ブチル−p−トリル)チアゾリン、2−メ
チル−4−メトキシカルボニルチアゾリン、2−メチル−
4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)チアゾリン、な
どが例示される。これらの2−メチルチアゾリン類は、
光学活性体であってもよいし、ラセミ体であってもよ
い。
【0013】2−メチルチアゾリン類とケトン類
(5)、アリールカルボン酸エステル類(6)またはア
リールニトリル類(7)との反応において、2−メチル
チアゾリン類の使用量は上記ケトン類(5)、アリール
カルボン酸エステル類(6)またはアリールニトリル類
(7)1モルに対して0.5〜10モル程度、好ましくは0.9
〜3モル程度である。
【0014】かかる2−メチルチアゾリン類(4)の製
造法は特に限定されないが、例えば、2−アミノチオー
ル類とアセトニトリルもしくはオルソ酢酸エステル類と
をルイス酸の存在下に反応させる方法によって容易に製
造することができる。2−アミノチオール類としては、
例えば、2−アミノ−3,3−ジメチル−1−ブタンチオー
ル、2−アミノ−2−フェニルエタンチオール、2−アミ
ノ−3−フェニル−1−プロパンチオール、エリスロ−α
−(1−アミノエチル)ベンジルチオール、システインエ
チルエステル、システインメチルエステルなどが挙げら
れる。これらの2−アミノチオール類は光学活性体であ
ってもよいし、ラセミ体であってもよく、用いた2−ア
ミノチオール類の立体配置に対応する立体配置のチアゾ
リン類を得ることができる。
【0015】ルイス酸としては、例えば三塩化アルミニ
ウム、ボロントリフルオライド、塩化亜鉛、塩化鉄、臭
化鉄、塩化錫、アルミニウムトリイソプロポキシド、酢
酸亜鉛などが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2
種以上を混合して用いられ、その使用量は2−アミノチ
オール類に対して、通常は0.01〜10モル倍の範囲であ
る。
【0016】上記反応は、用いるアセトニトリルもしく
はオルソ酢酸エステル類の種類によっては無溶媒つまり
これらを溶媒として用いてもよい。また、他の溶媒中で
行ってもよい。この場合溶媒としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、オクタン、クロルベンゼンな
どのルイス酸を用いる反応に対して不活性な溶媒が用い
られ、その使用量は2−アミノチオール類に対して通常2
〜100重量倍の範囲である。
【0017】反応に際してモレキュラーシーブなどを共
存させてもよく、かかるモレキュラーシーブとしてはビ
ーズ状もしくはペレット状の3A、4A、5Aなどが挙げられ
その使用量は、2アミノチオール類に対して通常0.01〜1
00重量倍、好ましくは0.5〜10重量倍の範囲である。反
応に際しては、例えば溶媒中で2−アミノチオール類と
アセトニトリルもしくはオルソ酢酸エステル類とルイス
酸とを混合すればよく、反応温度は通常50〜250℃の範
囲である。反応後、得られた反応混合物に炭酸水素ナト
リウム水溶液などのアルカリ水溶液を加えた後、析出し
た固体を除去し、次いで通常の方法、例えば、濃縮後、
水を加え、次いでトルエン、酢酸エチル、ジエチルエー
テル、ジクロルメタンなどの水と不溶の有機溶媒を用い
て抽出処理し、得られた有機層を濃縮する方法によって
チアゾリン類を容易に得ることができる。
【0018】さらに、2−メチル−4−(1−ヒドロキシ−
1−メチルエチル)チアゾリンを合成する場合には、通
常エステルから3級アルコールに変換する反応において
行われるように、例えば2−メチル−4−メトキシカルボ
ニルチアゾリンに2当量のメチルマグネシウムハライド
を付加反応させることにより製造できる。
【0019】一般式(4)で示される2−メチルオキサ
ゾリン類を一般式(5)、(6)、および(7)で示さ
れる各々の化合物と付加反応させ一般式(1)で示され
るチアゾリン類を合成する際に、用いられる強塩基類と
しては、t−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、n
−ブチルリチウムなどのアルキル金属、リチウムジイソ
プロピルアミド、リチウムアミド、ナトリウムアミドな
どの金属アミド、ナトリウムメチラート、カリウムt−
ブトキシドなどの金属アルコラートが例示される。これ
ら強塩基類の使用量は2−メチルオキサゾリン類1モル
に対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.0〜1.5モル
の範囲である。
【0020】上記反応は、通常溶媒中で行われ、かかる
溶媒としては、エチルエーテル、ジエトキシメタン、テ
トラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンなど
のエーテル系溶媒やヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素系
溶媒などの反応に不活性な溶媒が使用され、その使用量
は、特に制限されないが、通常、2−メチルチアゾリン
類(4)に対して重量比で10〜500倍である。
【0021】反応温度は、通常、−100℃〜10℃、好ま
しくは、−80℃〜0℃の範囲である。得られた反応混合
物から一般的な方法、例えば、塩化アンモニウム水と混
合後、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジク
ロルメタンなどの有機溶媒によって抽出処理し、得られ
た有機層を濃縮などにより、目的とするチアゾリン類
(1)を得ることができる。また、必要によりカラムク
ロマトグラフィーや蒸留により精製してもよい。
【0022】かくして得られるチアゾリン類(1)にお
いて不斉炭素原子を中心とする立体配置は、用いた2−
アミノチオール類における場合と同様である。また、得
られたチアゾリン類がラセミ体である場合、通常の方
法、例えば光学活性カラムクロマトグラフ処理などによ
ってこれを容易に光学活性体に分離することができる。
【0023】かくして得られるチアゾリン類(1)にお
いて、Xが一般式(2)で示される場合の具体的な例と
しては、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルエ
チル)−4−フェニルチアゾリン、(4R,5S)−2−(2−ヒド
ロキシ−2,2−ジフェニルエチル)−4−メチル−5−フェ
ニルチアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフ
ェニルエチル)−4−ベンジルチアゾリン、(4R)−2−(2
−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルエチル)−4−t−ブチル
チアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピル)−4−t−ブチルチアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロ
キシ−2−プロピルペンチル)−4−t−ブチルチアゾリ
ン、(4R)−2−(2ヒドロキシ−2−プロピルペンチル)−4
−フェニルチアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2,2
−ジフェニルエチル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル
エチル)チアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2,2−
シクロヘキシリデニルエチル)−4−(1−ヒドロキシ−1
−メチルエチル)チアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ
−2−プロピルペンチル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルエチル)チアゾリン、などを挙げることができる。
【0024】また、チアゾリン類(1)において、Xが
一般式(3)で示される場合の具体的な例としては、(4
R)−2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルビニル)−4−フェ
ニルチアゾリン、(4R,5S)−2−(2−ヒドロキシ−2−フ
ェニルビニル)−4−メチル−5−フェニルチアゾリン、
(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルビニル)−4−ベ
ンジルチアゾリン、(4R)−2−(2−ヒドロキシ−2−フェ
ニルビニル)−4−t−ブチルチアゾリン、(4R)2(2アミノ
2フェニルビニル)4フェニルチアゾリン、(4R,5S)−2−
(2−アミノ−2−フェニルビニル)−4−メチル−5−フェ
ニルチアゾリン、(4R)−2−(2−アミノ−2−フェニルビ
ニル)−4−ベンジルチアゾリン、(4R)−2−(2−アミノ
−2−フェニルビニル)−4−t−ブチルチアゾリン、(4R)
−2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルビニル)−4−(1−ヒ
ドロキシ−1−メチルエチル)チアゾリン、(4R)−2−(2
−アミノ−2−フェニルビニル)−4−(1−ヒドロキシ−1
−メチルエチル)チアゾリン、および上記各化合物にお
けるRがSに相当する化合物などを挙げることができる。
【0025】本発明のチアゾリン類(1)は、いずれも
安定で、取り扱いも容易であり、例えば、不斉シクロプ
ロパンカルボン酸の製造における不斉配位子として使用
することができる。例えば、一般式(8) (式中、R10、R11、R12およびR13は同一または相異な
り、水素原子、置換基を有していてもよいアルケニル
基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアラルキル基または置換基を有していて
もよいアリール基を示す。また、R10とR12またはR10とR
11とが結合して環を形成していてもよい。ただし、
R10、R11、R12およびR13が同時に同一であることはな
い。)で示されるオレフィン類と一般式(9) N2CHCOOR14 (9) (式中、R14は、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換
基を有していてもよいアリール基を示す。)で示される
ジアゾ酢酸エステル類とを、前記一般式(1)で示され
るチアゾリン類の光学活性体および銅塩との共存下に反
応させることを特徴とする一般式(10) (式中、R10、R11、R12、R13およびR14は前記と同じ意
味を表わす。ただし、R10、R11、R12およびR13が同時に
同一であることはない。また*は不斉炭素原子を示し、
(*)は不斉炭素原子でありえることを示す。)で示さ
れる不斉シクロプロパンカルボン酸類を製造することが
できる。
【0026】一般式(8)で示されるオレフィン類にお
けるR10、R11、R12、およびR13において置換基を有して
いてもよいアルケニル基、アルキル基、アラルキル基、
アリール基としてはR1、R2、R3およびR4で例示したもの
と同様なものが例示できる。さらにR10、R11、R12、お
よびR13は置換基としてクロル、ブロムなどのハロゲン
原子、またはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、t−ブトキシ基、などの低級アルコキシ基やフェノ
キシ基などのアリールオキシ基、またはn−プロピルチ
オ基、t−ブチルチオ基などの低級アルキルチオ基、ま
たはフェニルチオ基などのアリールチオ基、またはニト
ロ基、ヒドロキシル基などを有していてもよい。さら
に、R10、R11、R12、およびR13にアリール基が存在する
場合には、該アリール基が、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル
基、n−ヘキシル基などの低級アルキル基で置換されて
いてもよい。
【0027】オレフィン類(8)の具体例としては、2,
5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、イソブチレン、2−
メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメ
チル−1−ブテン、2−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、2−メチル−2ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘプテ
ン、イソブテン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、
1−メチル−1−シクロヘキセン、ビニルシクロペンタ
ン、スチレン、4−フェニル−1−ブテンなどが挙げられ
る。
【0028】一般式(9)で示されるジアゾ酢酸エステ
ル類のR14としては、R1、R2、R3およびR4で例示したも
のと同様なアルキル基、アラルキル基、アリール基が例
示できる。かかるジアゾ酢酸エステル類(9)として
は、例えば、ジアゾ酢酸エチルエステル、ジアゾ酢酸t
−ブチルエステル、ジアゾ酢酸シクロヘキシルエステ
ル、ジアゾ酢酸1−メンチルエステルなどが挙げられ
る。
【0029】銅塩としては、トリフルオロメタンスルホ
ン酸銅、酢酸銅、臭化銅、塩化銅、三フッ化銅、などの
1価もしくは2価の銅塩が例示され、その使用量はチア
ゾリン類(1)1モルに対して、通常、0.01〜2モル程
度、0.1〜1モル程度である。
【0030】チアゾリン類(1)の使用量はジアゾ酢酸
エステル類(9)1モルに対して0.001〜2モル程度、好
ましくは0.05〜1モル程度である。
【0031】上記反応に際しては、通常、溶媒が用いら
れ、かかる溶媒としては、例えば、エチルエーテル、ジ
エトキシメタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、または、ヘキサン
等の飽和脂肪族炭化水素系溶媒、または、クロロホル
ム、ジクロロメタン等の含ハロゲン化合物系溶媒、また
は、酢酸エステル等のエステル系溶媒等の、反応に不活
性な溶媒が使用され、その使用量は特に制限はないが、
ジアゾ酢酸エステル(9)1モルに対して5〜500モル程
度、好ましくは10〜300モル程度である。また、場合に
よっては原料オレフィン類(8)を溶媒として使用して
もよい。
【0032】オレフィン類(8)の使用量は、ジアゾ酢
酸エステル類(9)1モルに対して0.5モル程度以上で
あればよく、好ましくは0.5〜30モル程度、さらに好ま
しくは5〜10モル程度の範囲である。
【0033】反応に際しては、例えば、溶媒中でオレフ
ィン類(8)、チアゾリン類(1)および銅塩をあらか
じめ混合し、該混合物中にジアゾ酢酸エステル類(8)
を添加すればよい。
【0034】なお、2価の銅塩を使用する場合には、ジ
アゾ酢酸エステル類(8)を添加するまえに、フェニル
ヒドラジンなどのヒドラジン化合物を添加しておくこと
が反応が速くなり好ましい。この場合、ヒドラジン化合
物の使用量は、通常、銅塩に対して0.8〜1モル程度であ
る。
【0035】反応温度は、通常、−50℃〜200℃程度、
好ましくは0℃〜50℃程度の範囲である。反応終了後
は、例えば、得られた反応混合物をそのまま濃縮する
か、該反応混合物を塩化アンモニウム水中にあけ、トル
エン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロルメタン
などの有機溶媒を用いて抽出処理し、得られた有機層を
濃縮することにより、目的とする不斉シクロプロパンカ
ルボン酸類(10)を得ることができ、必要によりカラ
ムクロマトグラフィーや蒸留により精製することができ
る。
【0036】かくして、得られる不斉シクロプロパンカ
ルボン酸類(10)としては、例えば、1−S−エトキシ
カルボニル−2−S−フェニルシクロプロパン、1−R−エ
トキシカルボニル−2,2−ジメチルシクロプロパン、1−
R−エトキシカルボニル−2−R−(2−メチル−1−プロ
ペニル)シクロプロパン、1−S−エトキシカルボニル−2
−S−t−ブチルシクロプロパンなどが挙げられる。
【0037】
【発明の効果】本発明のチアゾリン類(1)は、安価な
原料から比較的短い工程で収率よく製造でき、得られた
化合物は安定であり、例えばオレフィン類とジアゾ酢酸
エステル類とを、銅塩の存在下に反応させる不斉シクロ
プロパンカルボン酸類の製造において、不斉配位子とし
て使用できる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものではな
い。
【0039】(参考例1)アセトニトリル500ml、L−シ
ステインメチルエステルの塩酸塩3g(17.5mmol)、塩化亜
鉛1.5g(11mmol)およびモレキュラーシーブ50gを混合
し、加熱環流下、10時間撹拌した。その後、反応混合
物に炭酸水素ナトリウムの粉末100gおよび飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液100gを加え、30分間撹拌した。析出
した固体を濾別したのち、濃縮し、次いで水100gを加え
た後クロロホルム(200g×3)で抽出処理して、得られた
有機層を水100gで水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮し、(4S)−2−メチル−4−メトキシカルボニル
チアゾリン2.56g(16.1mmol)を得た(収率92%)。1 H−NMR(CDCl3, TMS)δ2.30(d,3H),3.50〜3.70(m,2H),
3.85(s,3H),5.08(t,1H)
【0040】(参考例2)(4S)−2−メチル−4−メトキ
シカルボニルチアゾリン2.56g(16.1mmol)をジエチルエ
ーテル10mlに溶かし0℃に冷却し10分間撹拌した。撹
拌しながらこの溶液に、メチルマグネシウムブロマイド
のジエチルエーテル溶液(3.0mol/リットル)を21.5ml(6
4.4mmol)滴下した。滴下終了後0℃のまま30分間撹拌
を続けた。室温まで昇温した後、この反応混合液を0℃
に冷却した炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)の中へ撹
拌しながら投入した。10分間撹拌した後、クロロホル
ム(200g×3)で抽出処理して、得られた有機層を水100g
で水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、(4
S)−2−メチル−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)
チアゾリン2.30g(14.5mmol)を得た(収率90%)。1 HNMR(CDCl3, TMS)δ1.19(s,3H),1.35(s,3H),2.23(s,3
H),2.25(bs,1H),3.25(dd,2H),4.33(t,1H)
【0041】(実施例1)(4S)−2−(2−ヒドロキシ−
2,2−ジフェニルエチル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルエチル)チアゾリンの製造 ジイソプロピルアミン1.5g(14.82mmol)をテトラヒドロ
フラン20mlに溶解し、この溶液を−78℃に冷却し撹拌し
ながらノルマルブチルリチウム948mg(14.82mmol)のヘキ
サン溶液(9.27ml)を滴下した。5分間−78℃で撹拌後−
10℃まで昇温し、15分間撹拌した。再び−78℃に冷却
し、参考例2で得られた(4S)−2−メチル−4−(1−ヒド
ロキシ−1−メチルエチル)チアゾリン0.785g(4.94mmol)
のテトラヒドロフラン溶液(5ml)を滴下した。−78℃の
まま、30分間撹拌した後、同温度下、ベンゾフェノン
0.90g(4.94mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)を滴下
した。45分間、−78℃で撹拌した。反応終了後、−78
℃のまま反応混合液に飽和塩化アンモニウム水溶液10ml
を加え5分間撹拌した。この混合物を200mlの水にあけ
クロロホルム(200g×2)で抽出した。有機層を50gの水で
洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。残渣をク
ロロホルム−アセトン(50:1)にてシリカゲルクロマト精
製し、(4S)−2−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルエチ
ル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)チアゾリン
1.40g(4.10mmol)(収率83.0%)を得た。1 H−NMR(CDCl3, TMS)δ0.63(s,1H),1.00(s,3H),1.11(s,
3H),3.10−3.30(m,2H),3.20(d,1H),3.56(d,1H),4.33(t,
1H),6.27(s,1H),7.157.57(m,10H)
【0042】(実施例2)(4S)−2−(2−ヒドロキシ−2
−プロピルペンチル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル
エチル)チアゾリンの製造 実施例1において、ベンゾフェノン0.90g(4.94mmol)の
代わりにジプロピルケトン0.564g(4.94mmol)を用いた以
外は、実施例1と同様に操作し、(4S)−2−(2−ヒドロ
キシ−2−プロピルペンチル)−4−(1−ヒドロキシ−1−
メチルエチル)チアゾリン1.10g(4.02mmol)(収率81.4%)
を得た。1 H−NMR(CDCl3, TMS)δ0.93(t,6H),1.24(s,3H),1.25−
1.40(m,4H),1.36(s,3H)1.40−1.55 (m,4H), 2.59(s,1
H),2.65(s,2H), 3.24(d,2H), 3.80(s,1H),4.40(t,1H)
【0043】(実施例3)(4S)−2−(2−ヒドロキシ−
2,2−シクロヘキシリデニルエチル)−4−(1−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル)チアゾリンの製造 実施例1において、ベンゾフェノン0.90g(4.94mmol)の
代わりにシクロヘキサノン0.485g(4.94mmol)を用いた以
外は、実施例1と同様に操作し、(4S)−2−(2−ヒドロ
キシ−2,2−シクロヘキシリデニルエチル)−4−(1−ヒ
ドロキシ−1−メチルエチル)チアゾリン1.10g(4.28mmo
l)(収率86.6%)を得た。1 H−NMR(CDCl3, TMS)δ1.25(s,3H),1.37(s,3H),1.25−
1.40(m,2H),1.39−1.50(m,4H)1.55−1.78 (m,4H), 2.04
(s,1H),2.60(s,2H), 3.24(d,2H), 4.40(t,1H),4.45(s,1
H)
【0044】(実施例4)(4S)−2−(2−ヒドロキシ−2
−フェニルビニル)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエ
チル)チアゾリンの製造 実施例1において、ベンゾフェノン0.90g(4.94mmol)の
代わりに安息香酸メチルエステル0.673g (4.94mmol)を
用いた以外は、実施例1と同様に操作し、(4S)−2−(2
−ヒドロキシ−2−フェニルビニル)−4−(1−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル)チアゾリン1.08g(4.11mmol)(収率
83.2%)を得た。1 HNMR(CDCl3, TMS)δ1.30(s,3H),1.40(s,3H),2.32(bs,1
H)3.203.35 (m,2H),4.26(t,1H),5.95(s,1H),7.357.50
(m,3H),7.807.95(m,2H),10.95(bs, 1H)
【0045】(実施例5)(4S)2(2アミノ2フェニルビニ
ル)4(1ヒドロキシ−1−メチルエチル)チアゾリンの製造 実施例1において、ベンゾフェノン0.90g(4.94mmol)の
代わりにベンゾニトリル0.509g (4.94mmol)を用いた以
外は、実施例1と同様に操作し、(4S)2(2アミノ2フェニ
ルビニル) 4(1ヒドロキシ1メチルエチル)チアゾリン1.1
3g(4.31mmol)(収率87.3%)を得た。1 HNMR(CDCl3, TMS)δ1.24(s,3H),1.48(s,3H),1.852.20
(bs,1H)3.153.30 (m,2H),4.45(t,1H),5.15(s,1H),6.30
7.20(bs,2H),7.357.50(m,3H),7.507.63 (m,2H)
【0046】(実施例6)トリフルオロメタンスルホン
酸銅(II)18.0mg(0.05mmol)および実施例1で得られた(4
S)2(2ヒドロキシ2,2ジフェニルエチル)4(1ヒドロキシ1
メチルエチル)チアゾリン85.4mg(0.25mmol)をクロロホ
ルム3gに溶解させ15分間25℃で撹拌した。この溶液
に、フェニルヒドラジンを5マイクロリットル(0.05mmo
l)加え5分間撹拌した。さらに同温度下、2,5ジメチル
2,4ヘキサジエン1.102g(10mmol)を加え、10分間撹拌
した後、ジアゾ酢酸エチルエステル114mg(1mmol)のクロ
ロホルム溶液(1g)を2時間かけて滴下して加え、さらに
同温度下、3時間撹拌した後、溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ処理(ヘキサ
ン:酢酸エチル=30:1)して、トランス1Rエトキシカル
ボニル2R(2メチル1プロペニル)シクロプロパン102.3mg
(0.522mmol,21.7%ee,収率52.2%)とシス1Sエトキシカル
ボニル2R(2メチル1プロペニル)シクロプロパン53.7mg
(0.274mmol, 32.6%ee,収率27.4%)とを得た。
【0047】(実施例7)実施例6において、(4S)2(2
ヒドロキシ2,2ジフェニルエチル)4(1ヒドロキシ1メチル
エチル)チアゾリン85.4mg(0.25mmol)の代わりに、実施
例2で得られた、(4S)2(2ヒドロキシ2プロピルペンチ
ル)4(1ヒドロキシ1メチルエチル)チアゾリン68.3mg(0.2
5mmol)を使用すること以外は、実施例6と同様に操作
し、トランス1Rエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペ
ニル)シクロプロパン117.8mg(0.601mmol,29.2%ee,収率6
0.1%)とシス1Sエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペ
ニル)シクロプロパン42.7mg(0.218mmol,20.5%ee,収率2
1.8%)とを得た。
【0048】(実施例8)実施例6において、(4S)2(2
ヒドロキシ2,2ジフェニルエチル)4(1ヒドロキシ1メチル
エチル)チアゾリン85.4mg(0.25mmol)の代わりに、実施
例3で得られた、(4S)2(2ヒドロキシ2,2シクロヘキシリ
デニルエチル)4(1ヒドロキシ1メチルエチル)チアゾリン
64.3mg(0.25mmol)を使用すること以外は、実施例6と同
様に操作し、トランス1Rエトキシカルボニル2R(2メチル
1プロペニル)シクロプロパン121.5mg(0.620mmol,26.9%e
e,収率62.0%)とシス1Sエトキシカルボニル2R(2メチル1
プロペニル)シクロプロパン42.5mg(0.217mmol,23.0%ee,
収率21.7%)とを得た。
【0049】(実施例9)実施例6において、(4S)2(2
ヒドロキシ2,2ジフェニルエチル)4(1ヒドロキシ1メチル
エチル)チアゾリン85.4mg(0.25mmol)の代わりに、実施
例4で得られた、(4S)2(2ヒドロキシ2フェニルビニル)
4(1ヒドロキシ1メチルエチル)チアゾリン65.7mg(0.25mm
ol)を使用すること以外は、実施例6と同様に操作し、
トランス1Rエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペニル)
シクロプロパン105.8mg(0.540mmol,23.2%ee,収率54.0%)
とシス1Sエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペニル)
シクロプロパン62.7mg(0.320mmol,46.6%ee,収率32.0%)
とを得た。
【0050】(実施例10)実施例6において、(4S)2
(2ヒドロキシ2,2ジフェニルエチル)4(1ヒドロキシ1メチ
ルエチル)チアゾリン85.4mg(0.25mmol)の代わりに、実
施例5で得られた、(4S)2(2アミノ2フェニルビニル) 4
(1ヒドロキシ1メチルエチル)チアゾリン65.5g(0.25mmo
l)を使用すること以外は、実施例6と同様に操作し、ト
ランス1Rエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペニル)シ
クロプロパン111.5mg(0.569mmol,31.8%ee,収率56.9%)と
シス1Sエトキシカルボニル2R(2メチル1プロペニル)シ
クロプロパン54.7mg(0.279mmol,19.2%ee,収率27.9%)と
を得た。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または相異なり、
    水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい鎖
    状もしくは環状アルキル基、置換基を有していてもよい
    アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、
    置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有してい
    てもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい鎖
    状もしくは環状アルケニル基、置換基を有していてもよ
    いアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいア
    ルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキ
    シ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボ
    ニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカ
    ルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオ
    キシカルボニル基を示す。Xは、一般式(2) (式中、R5およびR6は同一または相異なり、置換基を有
    していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
    アラルキル基または置換基を有していてもよいアリール
    基を示す。また、R5とR6とが結合して環を形成していて
    もよい。)で示される基または、一般式(3) (式中、R7はヒドロキシル基またはアミノ基を示し、R8
    は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有し
    ていてもよいアリールチオ基または置換基を有していて
    もよい複素環基を示す。)で示される基を示す。)で示
    されるチアゾリン類の光学活性体またはラセミ体。
  2. 【請求項2】前記一般式(1)における置換基Xが一般
    式(2)で示される基である請求項1に記載のチアゾリ
    ン類の光学活性体またはラセミ体。
  3. 【請求項3】一般式(1)における置換基Xが一般式
    (3)で示される基である請求項1に記載のチアゾリン
    類の光学活性体またはラセミ体。
  4. 【請求項4】一般式(4) (式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味を表わ
    す。)で示される2−メチルチアゾリン類と一般式
    (5) R5−CO−R6 (5) (式中、R5およびR6は前記と同じ意味を表わす。)で示
    されるケトン類とを、塩基の存在下に反応させることを
    特徴とする請求項2に記載のチアゾリン類の光学活性体
    またはラセミ体の製造法。
  5. 【請求項5】前記一般式(4)で示される2−メチルチ
    アゾリン類と一般式(6) R8COOR9 (6) (式中、R8は前記と同じ意味を表わし、R9はアルキル
    基またはアリール基を示す。)で示されるアリールカル
    ボン酸エステル類または、一般式(7) R8CN (7) (式中、R8は前記と同じ意味を表わす。)で示されるア
    リールニトリル類とを、塩基の存在下に反応させること
    を特徴とする請求項3に記載のチアゾリン類の光学活性
    体またはラセミ体の製造法。
  6. 【請求項6】塩基がアルキル金属、金属アミドまたは金
    属アルコラートである請求項4または5に記載のチアゾ
    リン類の光学活性体またはラセミ体の製造法。
  7. 【請求項7】一般式(8) (式中、R10、R11、R12およびR13は同一または相異な
    り、水素原子、置換基を有していてもよいアルケニル
    基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
    していてもよいアラルキル基または置換基を有していて
    もよいアリール基を示す。また、R10とR12またはR10とR
    11とが結合して環を形成していてもよい。ただし、
    R10、R11、R12およびR13が同時に同一であることはな
    い。)で示されるオレフィン類と一般式(9) N2CHCOOR14 (9) (式中、R14は、置換基を有していてもよいアルキル
    基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換
    基を有していてもよいアリール基を示す。)で示される
    ジアゾ酢酸エステル類とを、前記一般式(1)で示され
    るチアゾリン類の光学活性体および銅塩との共存下に反
    応させることを特徴とする一般式(10) (式中、R10、R11、R12、R13およびR14は前記と同じ意
    味を表わす。ただし、R10、R11、R12およびR13が同時に
    同一であることはない。また*は不斉炭素原子を示し、
    (*)は不斉炭素原子でありえることを示す。)で示さ
    れる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造法。
  8. 【請求項8】銅塩が2価の銅塩である請求項7に記載の
    不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造法。
  9. 【請求項9】2価の銅塩がトリフルオロメタンスルホン
    酸銅(II)である請求項7に記載の不斉シクロプロパン
    カルボン酸類の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013118743A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 協和メデックス株式会社 アスコルビン酸の影響抑制方法
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