JPH1112412A - 光重合性組成物、その接着剤及び積層体 - Google Patents

光重合性組成物、その接着剤及び積層体

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JPH1112412A
JPH1112412A JP19182497A JP19182497A JPH1112412A JP H1112412 A JPH1112412 A JP H1112412A JP 19182497 A JP19182497 A JP 19182497A JP 19182497 A JP19182497 A JP 19182497A JP H1112412 A JPH1112412 A JP H1112412A
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JP
Japan
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group
compound
photopolymerizable composition
polyolefin
weight
Prior art date
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Application number
JP19182497A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kimura
義生 木村
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TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK
Showa Denko KK
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Publication date
Application filed by TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK, Showa Denko KK filed Critical TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK
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Publication of JPH1112412A publication Critical patent/JPH1112412A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックの表面処理をせずに、特にポリ
オレフィン成形部材に対してはプライマー処理などがな
くても、樹脂表面に直接塗布することができ、重合前の
被着体の位置ずれを防ぎ、短時間の光照射により接着が
可能な光重合性組成物を提供することにある。 【解決手段】 塩素化ポリオレフィンと、一般式
(1): D+ ・M- (式中、D+ は有機カチオン性色素であり、M- は有機
または無機のアニオンである)で表される可視光または
近赤外光領域に吸収を有する有機カチオン性色素化合物
と、ラジカル開始剤と、重合可能な官能基を1つ以上有
する化合物と、エラストマー及び/またはタッキファイ
ヤーよりなる光重合性組成物及びその接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物に
関するものであり、さらに詳しくは接着剤、充填剤、塗
料、インクなどに利用可能な光重合性組成物、その接着
剤及び積層体に関するものである。特にその接着剤は光
重合前の粘着性及び光重合後の接着性に優れたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は、高生産性で安
価であり、デザインの自由度が大きく、軽量、防錆、耐
薬品性、耐水性、耐熱性、耐衝撃性、良好な電気特性な
どの多くの優れた特性を有しており、自動車分野、家庭
電気製品分野、コンテナー分野、包装分野、雑貨分野な
どで広く使用されている汎用樹脂である。特に、自動車
分野では、軽量化、高級化志向などのニーズにより、例
えばポリウレタンバンパーからポリプロピレンバンパー
への転換、衝撃吸収体として発泡ポリプロピレンの使
用、内装部材、例えばドアトリム類やインストルメント
パネルなどのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂からポリプロピレンへの転換などが進んでおり、家
庭電気製品分野では、洗濯機用洗濯槽、冷蔵庫のトレー
部材、テレビジョンのバックカバー、スピーカーのハウ
ジング、クーラーのハウジング、コンピュータのハウジ
ングなどにポリプロピレンが多用されるようになってき
ている。
【0003】しかし、ポリオレフィン系樹脂は他のプラ
スチック(ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂など)に比べ結晶化
率が高く、非極性であるため接着、塗装、印刷が困難で
あるという欠点を有していた。従来、ポリオレフィン系
樹脂を接着、塗装、印刷しようとすると、通常その樹脂
表面を予めコロナ放電、プラズマ処理、ガス炎処理及び
薬品処理などを施して樹脂表面を活性化し、またはプラ
イマーを塗布し加熱乾燥して樹脂表面を活性化し、次い
でこの活性化された樹脂表面に接着、塗装、印刷が行わ
れている。また、プライマーを必要としない特殊な接着
剤として粘着付与樹脂に塩素化ポリプロピレン溶液とア
クリルエマルジョンを配合した接着剤が提案されている
(特開平4−320474)。この接着剤は使用に当っ
ては100℃程度に加熱している。その他 塩素化ポリ
オレフィンを主成分とする2液タイプの組成物が提案さ
れている。それらの組成物は、水酸基含有アクリル酸エ
ステルまたは水酸基含有メタクリル酸エステルまたはそ
の混合物を塩素化ポリオレフィンにグラフト重合させた
変性塩素化ポリオレフィンと硬化剤としてイソシアネー
トを使用する2液タイプである(特開昭58−1717
4、特開昭58−194959、特開昭62−9537
2、特公平2−36617)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の接着、塗装、印
刷の通常の方法では、ポリオレフィン系樹脂表面を改
善するために予めコロナ放電、プラズマ処理、ガス炎処
理及び薬品処理などの物理的、化学的表面処理が必要な
こと、プライマーを塗布し加熱乾燥させる必要があ
り、工程数が増すこと、重合終了まで時間が長くかか
ること、などの問題があった。プライマーなしの前記の
特許(特開平4−320474)の接着剤も塗布後加熱
する必要があった。また2液タイプのものは使用前の組
成物と硬化剤の調整が必要であること、使用後のライン
の洗浄が必要であること、使用残の調整物が無駄になる
ことなどの欠点があった。さらに接着剤は硬化前の接着
部位の位置ずれを防ぐため充分な粘着性が要求される。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので
あって、その目的は、コロナ放電、プラズマ処理、ガス
炎処理及び薬品処理などの物理的、化学的処理、プライ
マー処理などの樹脂の表面処理及び長時間を要する加熱
重合を廃し、樹脂表面に直接接着剤、インクを塗布する
ことが可能であり、しかも短時間の光照射を行うだけで
ポリオレフィン系樹脂に接着、印刷を行うことができ、
また添加した有機カチオン性色素が消色し重合物が透明
になる光重合性組成物を提供することにある。さらに他
の目的は硬化前の接着部位の位置ずれを防ぐことができ
る接着剤を提供することにある。また、塩素化ポリオレ
フィンを含んでいるためポリ塩化ビニル樹脂(塩素原子
が規則的に配列したポリオレフィン樹脂)やその他アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等にも適用可
能な光重合性組成物を提供することにある。さらに、紫
外線が使用できない材料にも適用可能な光重合性組成物
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明者は鋭意研究の結果、特定の光重合性組成物に
より加熱工程を要することなく、従来直接接着等が困難
であったポリオレフィン系等の樹脂にも直接接着が可能
であることを見出し本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は塩素化ポリオレフィンと、一般式D+ ・M
- (式中、D+は有機カチオン性色素であり、M- は有
機または無機のアニオンである)で表される可視光また
は近赤外光領域に吸収を有する有機カチオン性色素化合
物と、ラジカル開始剤と、重合可能な官能基を1つ以上
有する化合物と、エラストマー及び/またはタッキファ
イヤーからなる光重合性組成物およびその光重合性組成
物を用いた接着剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の組成物は、基本的に塩素
化ポリオレフィンと可視あるいは近赤外領域に吸収を有
する上記の有機カチオン性色素化合物とラジカル開始剤
と、重合可能な官能基を1つ以上有する化合物と、エラ
ストマー及び/またはタッキファイヤーを含んでいる。
本発明の組成物は、ポリオレフィン系樹脂成形物、ポリ
塩化ビニル樹脂成形物及びアクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂成形物の表面に直接塗布し、塗布面に
可視光または近赤外線領域の光を照射することにより、
塗布層が消色し、重合することにより、接着、塗装、印
刷を行うことができる。本発明の組成物は、コロナ放
電、プラズマ処理、ガス炎処理及び薬品処理などの物理
的、化学的処理、プライマー処理などの前処理がなくて
も、また可視光または近赤外線領域の光によって重合す
るので、例えば紫外線吸収剤を含むポリオレフィン系樹
脂成形部材及びポリ塩化ビニル樹脂成形部材であって
も、あるいは顔料を添加して着色した半透明のポリオレ
フィン系樹脂成形部材及びポリ塩化ビニル樹脂成形部材
であっても、これらの紫外線吸収剤や顔料に阻害される
ことなく、またポリオレフィン系樹脂成形部材の色調を
乱すことなく容易にかつ効果的に接着、塗装、印刷でき
る利点がある。これによってポリオレフィン系樹脂成形
物の良好な積層体を得ることができる。
【0007】以下、本発明の組成物を構成する成分につ
いて詳しく説明する。本発明の組成物に用いることので
きる塩素化ポリオレフィンは、組成物に接着性、密着性
等を付与するものであり、基本的には塩素化ポリオレフ
ィンであればいずれのものも使用できる。この塩素化ポ
リオレフィンはアクリル変性、カルボン酸変性、ウレタ
ンアクリル変性等であっても構わない。その他低分子量
のポリ塩化ビニル及びそれらの変性物も本発明の塩素化
ポリオレフィンに含めるものとする。
【0008】塩素化ポリオレフィンは一般的にはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン−α
−オレフィン共重合物(α−オレフィンとはエチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、ブタジエン、ペンタジエン、イソプレ
ン、シクロヘキセン、シクロペンテンまたは酢酸ビニル
である)、エチレン−ブタジエン−プロピレン共重合
物、エチレン−酢酸ビニル共重合物を水性懸濁状態ある
いは四塩化炭素、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤に溶
解した状態で、無触媒あるいは触媒存在下または紫外線
照射下、常圧下あるいは加圧下において常温〜120℃
で分子状塩素と接触させることにより得られる。特に好
適に使用できるものは、塩素化率が1.5〜50重量%
の範囲内にある塩素化ポリオレフィンである。
【0009】また、アクリル変性塩素化ポリオレフィン
は塩素化率が好ましくは1.5〜50重量%の上記塩素
化ポリオレフィン(2種類以上の塩素化ポリオレフィン
を含んでいても構わない)を芳香族系、アルコール系、
ケトン系などの溶剤で適当に希釈し、過酸化物系などの
重合開始剤の存在下にアクリル系モノマーあるいはメタ
クリル系モノマーをグラフト共重合させるか、あるいは
ポリエチレン、ポリプロピレンなどをアクリル系モノマ
ーあるいはメタクリル系モノマーと上記の方法に準じて
グラフト重合しアクリル変性ポリオレフィンを得た後、
上記の方法に準じて塩素化することによって得られる。
特に好適に使用できるものは、塩素化率が1.5〜50
重量%、アクリル変性化率が5〜60重量%の範囲内に
あるアクリル変性塩素化ポリオレフィンである。
【0010】カルボン酸変性塩素化ポリオレフィンは塩
素化率が好ましくは1.5〜50重量%の上記塩素化ポ
リオレフィン(2種類以上の塩素化ポリオレフィンを含
んでいても構わない。またアクリル変性した塩素化ポリ
オレフィンでも構わない。)を上記溶剤で適当に希釈
し、過酸化物系などの重合開始剤の存在下にアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カ
ルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト共重合させる
か、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンなどを上記
α,β−不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物と上記
の方法に準じてグラフト重合しカルボン酸変性ポリオレ
フィンを得た後、上記の方法に準じて塩素化することに
よって得られる。特に好適に使用できるものは、塩素化
率が1.5〜50重量%、カルボン酸変性化率が0.2
〜20重量%の範囲内にあるカルボン酸変性塩素化ポリ
オレフィンである。
【0011】ウレタンアクリル変性塩素化ポリオレフィ
ンは上記のアクリル系あるいはメタクリル系モノマーに
水酸基を有する化合物を使用して塩素化ポリオレフィン
(2種類以上の塩素化ポリオレフィンを含んでいても構
わない)とグラフト共重合させた後、1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートな
どの有機イソシアネートで硬化させることにより得られ
る。特に好適に使用できるものは、塩素化率が1.5〜
50重量%、アクリル変性化率が5〜60重量%、ウレ
タン化率が5〜50重量%の範囲内にある塩素化ポリオ
レフィンである。
【0012】前記の塩素化ポリオレフィン、アクリル変
性塩素化ポリオレフィン、カルボン酸変性塩素化ポリオ
レフィンの市販品の例としては以下の商品名のものなど
がある。 無変性塩素化ポリプロピレン スーパークロン773H、スーパークロン803L、ス
ーパークロンL、スーパークロン814H、スーパーク
ロン803MW、ハードレン14−LLB、ハードレン
17−L、ハードレン35−A 無変性塩素化ポリエチレン スーパークロンS−309、エラスレン303A、エラ
スレン303B、エラスレン352F、エラスレン40
4B、エラスレン402NA、エラスレン303C、エ
ラスレン452NA 無変性塩素化ポリエチレン−酢酸ビニル共重合物 スーパークロンB アクリル変性塩素化ポリプロピレン スーパークロン214、スーパークロン224H、スー
パークロンS−699、ハードレンB−13、ハードレ
ンB−2000、ハードレンB−4000 カルボン酸変性塩素化ポリプロピレン スーパークロン822(マレイン酸変性)、スーパーク
ロン892L(マレイン酸変性)、スーパークロン84
2LM(マレイン酸変性)、ハードレン13−MLJ、
ハードレン14−MLJ、ハードレンCY−9122P 上記において、スーパークロンは日本製紙社製、ハード
レンは東洋化成工業社製、エラスレンは昭和電工社製で
ある。
【0013】本発明の組成物に用いることのできる可視
あるいは近赤外領域に吸収を有する前記有機カチオン性
色素化合物は、代表的なものはポリメチン系色素化合
物、ジフェニルメタン系色素化合物またはトリフェニル
メタン系色素化合物である。これらの群から適宜選択し
たものを、単独でも、または2種類以上を組合せても用
いることができる。有機カチオン性色素化合物は光を吸
収し、次いでラジカル開始剤と作用し、ラジカル開始剤
をラジカル化するものである。本発明の目的に使用し得
る前記の有機カチオン性色素の例は、例えば大河原編
「色素ハンドブック」、講談社、345〜417頁など
に記載されている。本発明の目的に特に好適な有機カチ
オン性色素の例を、その最大吸収波長(λmax)と共
に表1に挙げる。ただし、本発明がこれらの色素に限定
されるものではないことはいうまでもない。
【0014】
【表1】
【0015】本発明の組成物に用いることのできるラジ
カル開始剤は基本的には前記有機カチオン性色素化合物
が光を吸収して賦活し、それがラジカル開始剤と作用し
てラジカル開始剤がラジカル化するものであればよい
が、最も好ましいラジカル開始剤は次の一般式(2)で
示す有機ホウ素化合物である。一般式(2): [式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルカリール基、アルケニル基、
アルキニル基、アリサイクリック基、ヘテロサイクリッ
ク基、またはアリル基から選ばれる基であり、それぞれ
同じであっても異なっていてもよく、また2個以上が結
合して環状構造を形成してもよく、Z+ はアルカリ金属
イオン、アルカリ土類金属イオンまたは 一般式(3): (式中、R5 ,R6 ,R7 ,R8 は水素、アルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリサイクリック基、ヘテロサイ
クリック基、またはアリル基から選ばれる基であり、そ
れぞれ同じであっても異なっていてもよく、また2個以
上が結合して環状構造を形成してもよい)で表されるア
ンモニウムイオンである]。
【0016】本発明に好適に用いることのできる有機ホ
ウ素化合物の例としては、テトラメチルアンモニウム
n−ブチルトリアニシルホウ素、テトラメチルアンモニ
ウム n−ブチルトリフェニルホウ素、テトラメチルア
ンモニウム n−オクチルトリアニシルホウ素、テトラ
メチルアンモニウム n−オクチルトリフェニルホウ
素、テトラメチルアンモニウム n−ブチルトリトリル
ホウ素、テトラメチルアンモニウム n−ブチルトリフ
ェニルシリルホウ素、テトラエチルアンモニウム n−
ブチルトリアニシルホウ素、テトラエチルアンモニウム
n−ブチルトリフェニルホウ素、テトラエチルアンモ
ニウム n−オクチルトリアニシルホウ素、テトラエチ
ルアンモニウム n−オクチルトリフェニルホウ素、テ
トラエチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルシリ
ルホウ素、テトラエチルアンモニウム n−ブチルトリ
トリルホウ素、テトラエチルアンモニウム テトラn−
ブチルホウ素、トリメチル水素アンモニウム n−ブチ
ルトリアニシルホウ素、トリメチル水素アンモニウム
n−ブチルトリフェニルホウ素、トリエチル水素アンモ
ニウム n−ブチルトリアニシルホウ素、トリエチル水
素アンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素、テト
ラ水素アンモニウム n−ブチルトリアニシルホウ素、
テトラ水素アンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラ水素アンモニウム テトラフェニルホウ素、
テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリアニシ
ルホウ素、テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチル
トリフェニルホウ素、テトラn−ブチルアンモニウム
n−ブチルトリトリルホウ素、テトラn−ブチルアンモ
ニウム n−ブチルトリフェニルシリルホウ素、ナトリ
ウム n−ブチルトリフェニルホウ素、ナトリウム n
−ブチルトリトリルホウ素、ナトリウム テトラフェニ
ルホウ素、カリウム n−ブチルトリフェニルホウ素、
カリウム n−ブチルトリトリルホウ素、カリウム テ
トラフェニルホウ素などを挙げることができる。
【0017】本発明に用いることのできる重合可能な官
能基を1つ以上有する化合物は基本的には前記ラジカル
開始剤によりラジカル重合できる化合物であればいずれ
のものも使用できるが、その中でエチレン性不飽和結合
を有する化合物が好ましく、とりわけ分子中に少なくと
も1個のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有す
る化合物が好ましい。本発明に好適に用いることのでき
る分子中に少なくとも1個のアクリロイル基またはメタ
クリロイル基を有する化合物の例としては、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、イソアミルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボ
ルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリ
ロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチ
ルフタル酸、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、フェノキシエ
チルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ノニ
ルフェノキシエチルアクリレート、テトラエチレングリ
コール−4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、デ
カエチレングリコール−4−ノニルフェニルエーテルア
クリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシク
ロペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロ
[5.2.1.02.6 ]デカニルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、イソアミルメタクリレー
ト、イソオクチルメタクリレート、イソデシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリ
レート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソ
ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、ノニルフェノキシエチルメタクリレー
ト、テトラエチレングリコール−4−ノニルフェニルエ
ーテルメタクリレート、デカエチレングリコール−4−
ノニルフェニルエーテルメタクリレート、トリシクロ
[5.2.1.02.6 ]デカニルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−メタクリロイルエチルイソ
シアネート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジア
クリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、2−
ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクロキシプロ
パン、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブ
タンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロパ
ントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ウレタンオリゴマー[例えば商品名:U
−4HA、U−6HA、U−200AX、U−340A
X、U−324A、U−108A、U−15HA、U−
6LPA(新中村化学社製)、EB220、EB129
0K(ダイセル・ユーシービー社製)]などを挙げるこ
とができる。
【0018】本発明に用いることのできるエラストマー
は、組成物に粘着性を付与するものであり、塩素化ポリ
オレフィン及び前記重合可能な官能基を1つ以上有する
化合物と相溶性があり、組成物塗布後に粘着性があり、
光重合後接着力が低下しないものであればよく、具体的
には以下のようなものが用いられる。(エラストマー) クロロプレンゴム 商品名としては次のようなものがある。ネオプレンGR
T、ネオプレンGS、ネオプレンWRT、ネオプレンS
ND−8、ネオプレンAF、ネオプレンAG、ネオプレ
ンAD、ネオプレンWHV、ネオプレンADG−10、
ネオプレンADG−20、ネオプレンADG−30、ネ
オプレンWD(以上、昭和電工デュポン社製) スチレン−イソプレン共重合物 商品名としては次のようなものがある。クインタック3
530、クインタック3433、クインタックBM−3
02(以上、日本ゼオン社製)、SIS5002(日本
合成ゴム社製) スチレン−ブタジエン共重合物 商品名としては次のようなものがある。ZEOFIT1
000P(日本ゼオン社製)、TR2000、TR28
27(以上、日本合成ゴム社製)、タフプレン125、
ソルプレンT−414、アサプレンT−420(以上、
旭化成社製) アクリロニトリル−ブタジエン共重合物 商品名としては次のようなものがある。Nipol10
42(日本ゼオン社製) アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合
物 商品名としては次のようなものがある。Nipol10
72(日本ゼオン社製) 本発明に用いることができるタッキファイヤーは上記エ
ラストマーと同様な作用をするもので、具体的には以下
のようなものがある。(タッキファイヤー) クマロン−インデン−スチレン共重合物 商品名としては次のようなものがある。エスクロンG−
90、エスクロンGN−100、エスクロンGV−12
0(以上、新日鐵化学社製) テルペン樹脂 商品名としては次のようなものがある。YSレジンPX
1250(ヤスハラケミカル社製) テルペン系水素添加樹脂 商品名としては次のようなものがある。クリアロンP−
125(ヤスハラケミカル社製) テルペン−フェノール樹脂 商品名としては次のようなものがある。YSホリスター
2115(ヤスハラケミカル社製)、タマノル803L
(荒川化学工業社製) テルペン−スチレン樹脂 商品名としては次のようなものがある。YSレジンTO
−125(ヤスハラケミカル社製) アルキルフェノール樹脂 商品名としては次のようなものがある。タマノル520
S、タマノル586、タマノル572S(以上、荒川化
学工業社製)、スーパーベッカーサイト、フェノライト
TD−773、フェノライトTD−2625、フェノラ
イトTD−2645(以上、大日本インキ化学工業社
製)
【0019】本発明の光重合性組成物において、前記の
塩素化ポリオレフィンと可視あるいは近赤外領域に吸収
を有する有機カチオン性色素化合物とラジカル開始剤と
重合可能な官能基を1つ以上有する化合物とエラストマ
ー及び/またはタッキファイヤーとの配合割合は、特に
限定されるものではないが、塩素化ポリオレフィン40
重量%をトルエン等の溶剤に溶解した溶液100重量部
当り、即ち、塩素化ポリオレフィン固形分40重量部当
り、有機カチオン性色素化合物が0.05〜5重量部の
範囲内、さらに好ましくは0.1〜2重量部の範囲内、
ラジカル開始剤が0.1〜10重量部の範囲内、さらに
好ましくは0.2〜5重量部の範囲内、重合可能な官能
基を1つ以上有する化合物が5〜100重量部の範囲
内、さらに好ましくは10〜70重量部の範囲内、エラ
ストマーはその20重量%をトルエン等の溶剤に溶解し
た溶液5〜400重量部(エラストマー固形分1〜80
重量部)の範囲、さらに好ましくは10〜200重量部
(エラストマー固形分2〜40重量部)の範囲である。
タッキファイヤーはその20重量%をトルエン等の溶解
した溶液5〜400重量部(タッキファイヤー固形分1
〜80重量部)の範囲、さらに好ましくは10〜200
重量部(タッキファイヤー固形分2〜40重量部)の範
囲である。有機カチオン性色素及びラジカル開始剤が前
記の範囲より少ないと、光活性が不十分となり重合不足
になったり重合時間が長くなって不都合である。また、
前記の範囲を越えて配合しても接着力、塗膜強度、印字
安定性はあまり向上せず、コストが嵩む要因となる。重
合可能な官能基を1つ以上有する化合物は本発明の組成
物の塗布時の粘度を調整すると共に重合後の接着力、塗
膜強度、印字安定性を向上させるために用いられるもの
である。この化合物が5重量部未満ではこれらの特性が
不十分である。また100重量部を越えると塩素化ポリ
オレフィンの含有率が低くなり、接着力が下がる。エラ
ストマー及び/またはタッキファイヤーは本組成物の塗
布後被着体の位置ずれを防ぐため用いられるものであ
る。その使用量は、重合前に本組成物に要求される粘着
性と重合後の接着力に応じて適宜調整されるべきであ
る。エラストマー及び/またはタッキファイヤーの適度
の添加は重合後の接着力を向上させるが、過剰の添加は
接着力を低下させ、過少の添加は必要とされる粘着性を
得ることはできない。
【0020】本発明の光重合性組成物には必要に応じて
染料、顔料、紫外線吸収剤、増粘剤、チキソトロピー
剤、沈殿防止剤、ツヤ消し剤、軟化剤、溶剤などを添加
することができる。その他本発明の目的を損なわない範
囲で、酸化防止剤、金属塩などの添加物を含んでいても
よい。一般にエラストマーはフィラー、酸化防止剤、金
属塩等、タッキファイヤーは金属塩、水などを添加して
使用するが、これらの添加物が含まれていてもかまわな
い。特にポリプロピレンには紫外線による劣化を防止す
るために紫外線吸収剤を配合することが多いが、本発明
の組成物を重合するには可視光または赤外線を用いるの
で、紫外線吸収剤が配合されていてもこれによって重合
が阻害されることはない。上記の成分を混合、撹拌して
組成物とする。これを保存するには日光等を遮断した状
態にしておけばよい。
【0021】本発明の光重合性組成物は、スクリーン印
刷、平板印刷、凸版印刷、金属表面加工、インク、塗
料、接着剤、パテなどの充填剤(封孔剤)などの用途に
使用できる。これらの用途が適用される材料、製品とし
ては合成樹脂成形物、鋼等の金属、ガラス等のセラミッ
クス、その他特に制限はなく、またこれらがガラス繊
維、金属繊維、炭素繊維などによって強化されていても
よい。合成樹脂成形物にはその他フィラー(タルク、シ
リカゲル、アルミナ、炭酸カルシウムなど)、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、軟化剤、帯電防止剤、色素、顔料な
どの添加剤を含んでいてもよい。これらの材料、製品の
形状としては板、フィルム、シート、テープ、クロス等
各種の形状のものが使用できる。本発明の組成物は上記
のように各種の成形物等に適用できるが、なかでも従来
直接接着等が困難であったポリオレフィン系樹脂成形物
や塩素化ポリオレフィンと親和性が高い塩化ビニル樹脂
成形物に好適に用いられ、例えば接着剤としてはこれら
の樹脂成形物が少なくとも一方に有する材料の接着剤と
して特に有効である。
【0022】本発明の光重合性組成物は、可視光または
近赤外線領域の光を照射すれば高感度に重合するため、
光源としては、白熱球、ハロゲン球、キセノン球、クリ
プトン球、蛍光灯、LED、太陽光などがいずれも使用
可能である。光強度や照射時間は、組成物塗布部の光透
過度、光感度、厚みなどを考慮して実験的に決定され
る。本組成物は、コロナ放電、プラズマ処理、ガス炎処
理及び薬品処理などの物理的、化学的表面処理やプライ
マー処理を必要とせず、また重合に際して光重合反応に
多く用いられる紫外線を用いないので、工数・設備及び
保安対策が軽微ですむ利点を有する。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。下記の実施例で用いる成分の名称
(化合物名及び商品名)と内容を以下に示す。 塩素化ポリオレフィン: スーパークロン214(塩素化率12.8%、固形分4
0重量%のトルエン溶液) スーパークロン224H(塩素化率12.8%、固形分
40重量%のトルエン溶液) スーパークロン803L(塩素化率26%、固形分30
重量%のトルエン溶液) スーパークロン892L(塩素化率22%、固形分20
重量%のトルエン溶液) ハードレンCY−9122P(塩素化率21%、固形) 固形分25重量%のトルエン溶液に調整した。 エラスレン404B(塩素化率40%、固形) 固形分10重量%のトルエン溶液に調整した。
【0024】エラストマー: ネオプレンWRT(ムーニー粘度42〜51ML1+4
(100℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 ネオプレンSND−8(ムーニー粘度32〜37ML
1+4 (100℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 ネオプレンAF(10%トルエン溶液粘度45〜85c
ps(25℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 ネオプレンADG−10(5%トルエン溶液粘度25〜
31cps(25℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 ネオプレンADG−20(5%トルエン溶液粘度32〜
53cps(25℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 ネオプレンWD(ムーニー粘度109〜130ML1+4
(100℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 クインタック3530(25%トルエン溶液粘度250
0cps(25℃)固形) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 タッキファイヤー: タマノル586(軟化点118〜125℃) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。 フェノライトTD−773(融点85〜95℃) 固形分20重量%のトルエン溶液に調整した。
【0025】有機カチオン性色素: ベーシックブルー9(メチレンブルー);構造式は表1
のD7を参照 ベーシックバイオレット10(ローダミンB);構造式
は表1のD9を参照 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)ペンタジエニリウムパラトルエンスルホン酸;
構造式は表1のD11を参照 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)ペンタジエニリウムn−ブチルトリフェニルホ
ウ素;構造式は表1のD12を参照 ベーシックバイオレット3(クリスタルバイオレッ
ト);構造式は表1のD14のX=N(CH32 を参
照 ベーシックオレンジ21(アストラゾンオレンジG);
構造式は表1のD4を参照
【0026】プラスチック成形物: プロピレンホモポリマーのポリプロピレン樹脂(日本ポ
リオレフィン社製、MA410、以下「MA410」と
記す) プロピレンランダムポリマーのポリプロピレン樹脂(日
本ポリオレフィン社製、MG410、以下「MG41
0」と記す) プロピレンブロックコポリマーのポリプロピレン樹脂
(日本ポリオレフィン社製、MK−459B、以下「M
K459B」と記す) 高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製、S
4002、以下「S4002」と記す) 低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製、M
14、以下「M14」と記す) ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、テイジンパンラ
イトPC111、以下「PC111」と記す) アクリル樹脂(住友化学社製、スミペック300、以下
「スミペック」と記す) 硬質ポリ塩化ビニル樹脂(タキロン社製、S−604、
以下「S−604」と記す) 片側ポリ塩化ビニルコーティング発泡ポリプロピレン
(東レ社製、ポリプロピレンペフ、以下「PPF」と記
す」) 鋼板: ボンデ鋼板(新日本製鐵社製、以下「ボンデ鋼板」と記
す」 光源: 赤外線ランプ(IR100V375WH、東芝ライテッ
ク社製、以下「IRランプ」と記す)
【0027】粘着性及び接着性評価 前記の各成分を混合し、以下に示す実施例1〜7の接
着剤組成物を製造した。各実施例の組成物を用い、前記
PPF成形物に他の前記プラスチック成形物を接着し
(PPFの発泡ポリプロプレン側を接着)、組成物硬化
前の粘着性試験と光硬化後の接着剤としての試験を行っ
た。各組成物0.08gを長さ12.5cm、幅2.5
cm、厚さ2mmの前記プラスチック成形物(PPFを
除く)の試験片の一端から4cm×2.5cmの部分に
塗布し、80℃で2分間加熱後5分間室温に放置した。
これに上記試験片と同じ長さ及び幅で、厚さが3mmの
PPF試験片を130℃で10分間加熱して重ね、0.
5kg/cm2 の圧力で10秒間圧着した。圧着後3分
間室温に放置して、これを粘着性試験片に供した。別に
上記と同様に試験片を圧着、放置後PPFと反対側の各
プラスチック成形物側から10cmの距離でIRランプ
の光を3分間照射し、組成物を光重合させ、接着性の試
験片に供した。粘着性試験は上記の試験片の接着剤が塗
布されていない部分のPPF片を90°に折り曲げ(他
方のプラスチック成形物に対し垂直方向)、折り曲げ片
に50gの荷重を温度60℃で5分間かけたときの剥れ
の程度を測定した。その結果を表2に示す。
【0028】接着性の試験は同様の方法で、200gの
荷重を温度80℃で24時間までかけたときの剥れの程
度を測定した。その結果を表3に示す。 PPF以外の前記プラスチック成形物及びボンデ鋼板
を実施例1、2、4、7の組成物を用いて表4に示す材
料を接着し、JIS K 6850に準じた(1cm/
minの引張り速度)方法により引張り剪断接着強度を
測定した。試験片の大きさ、組成物の塗布、光重合方法
は上記の接着性試験と同様である。但し、接着面は試験
片の端部1cm×2.5cmである。測定結果を表4に
示す。
【0029】 (実施例1) 成分 配合量(重量部) スーパークロン214(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.2 ニル)ペンタジエニリウム パラトルエンスルホン酸 (有機カチオン性色素) アストラゾンオレンジG(有機カチオン性色素) 0.1 テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.2 (ラジカル開始剤) 1,4−ブタンジオールジメタクリレート(重合性化合物) 10 テトラヒドロフルフリルアクリレート(重合性化合物) 15 ネオプレンWRT(エラストマー) 75 (配合量は前記溶剤を含む。以下同じ)
【0030】 (実施例2) 成分 配合量(重量部) スーパークロン224H(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.3 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) テトラエチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.2 (ラジカル開始剤) トリシクロ[5.2.1.02.6 ]デカニルアクリレート 20 (重合性化合物) アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 14 ネオプレンSND−8(エラストマー) 100
【0031】 (実施例3) 成分 配合量(重量部) スーパークロン803L(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.2 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) メチレンブルー(有機カチオン性色素) 0.2 テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリアニシルホウ素 1.7 (ラジカル開始剤) トリメチロールプロパントリアクリレート(重合性化合物) 5 ノニルフェノキシエチルメタクリレート(重合性化合物) 5 テトラヒドロフルフリルメタクリレート(重合性化合物) 13 クインタック3530(エラストマー) 100
【0032】 (実施例4) 成分 配合量(重量部) ハードレンCY−9122P(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.3 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリトリルホウ素 1.2 (ラジカル開始剤) トリシクロ[5.2.1.02.6 ]デカニルアクリレート 10 (重合性化合物) アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 14 U−200AX(重合性化合物) 5 ネオプレンAF(エラストマー) 75
【0033】 (実施例5) 成分 配合量(重量部) エラスレン404B(塩素化ポリオレフィン) 200 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.3 ニル)ペンタジエニリウム パラトルエンスルホン酸 (有機カチオン性色素) テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.2 (ラジカル開始剤) 1,3−ブタンジオールジメタクリレート(重合性化合物) 10 アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 14 ネオプレンAF(エラストマー) 75 実施例1の方法と同様に行った。
【0034】 (実施例6) 成分 配合量(重量部) スーパークロン224H(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.4 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) テトラエチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.6 (ラジカル開始剤) 酸化マグネシウム(金属塩) 1.6 酸化亜鉛(金属塩) 1.0 水 0.2 ジシクロペンテニルアクリレート(重合性化合物) 15 アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 18 ネオプレンWD(エラストマー) 100 フェノライトTD−773(タッキファイヤー) 45
【0035】 (実施例7) 成分 配合量(重量部) スーパークロン892L(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.4 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) テトラエチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.6 (ラジカル開始剤) 酸化マグネシウム(金属塩) 1.6 酸化亜鉛(金属塩) 1.0 水 0.2 ジシクロペンテニルアクリレート(重合性化合物) 5 アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 18 U−324A(重合性化合物) ネオプレンWD(エラストマー) 80 ネオプレンWRT(エラストマー) 20 タマノル586(タッキファイヤー) 45
【0036】 (比較例1) 成分 配合量(重量部) スーパークロン224H(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.3 ニル)ペンタジエニリウム n−ブチルトリフェニルホウ素 (有機カチオン性色素) テトラエチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.2 (有機ホウ素塩) トリシクロ[5.2.1.02.6 ]デカニルアクリレート 20 (重合性化合物) アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 14
【0037】 (比較例2) 成分 配合量(重量部) ハードレンCY−9122P(塩素化ポリオレフィン) 100 1,1,5,5−テトラキス−(4−ジエチルアミノフェ 0.3 ニル)ペンタジエニリウム パラトルエンスルホン酸 (有機カチオン性色素) テトラn−ブチルアンモニウム n−ブチルトリフェニルホウ素 1.2 (有機ホウ素塩) 1,3−ブタンジオールジメタクリレート(重合性化合物) 10 アクリロイルモルホリン(重合性化合物) 14
【0038】
【表2】 粘着性試験(剥れた部分の長さ) 実施例 MA410 MG410 MK459B S4002 1 8mm 6mm 7mm 7mm 2 4mm 5mm 4mm 6mm 3 3mm 4mm 4mm 3mm 4 6mm 5mm 7mm 7mm 5 6mm 8mm 6mm 7mm 6 2mm 2mm 3mm 2mm 7 3mm 2mm 3mm 4mm 比較例 1 落下 落下 落下 落下 2 落下 落下 落下 落下 実施例 M14 S−604 PC111 スミペック 1 7mm 6mm 7mm 6mm 2 5mm 5mm 6mm 5mm 3 3mm 4mm 5mm 4mm 4 5mm 6mm 5mm 7mm 5 6mm 7mm 7mm 5mm 6 3mm 3mm 4mm 3mm 7 4mm 3mm 4mm 2mm 比較例 1 落下 落下 落下 落下 2 落下 落下 落下 落下
【0039】
【表3】 接着性試験(落下せずは24時間で落下しなかったことを示す。) 実施例 MA410 MG410 MK459B S4002 1 18時間で落下 20時間で落下 22時間で落下 17時間で落下 2 23時間で落下 落下せず 22時間で落下 20時間で落下 3 16時間で落下 17時間で落下 16時間で落下 20時間で落下 4 落下せず 落下せず 落下せず 22時間で落下 5 17時間で落下 16時間で落下 16時間で落下 落下せず 6 落下せず 落下せず 落下せず 落下せず 7 落下せず 落下せず 落下せず 落下せず 比較例 1 20時間で落下 22時間で落下 19時間で落下 15時間で落下 2 落下せず 落下せず 落下せず 10時間で落下 実施例 M14 S−604 PC111 スミペック 1 17時間で落下 落下せず 13時間で落下 落下せず 2 18時間で落下 落下せず 19時間で落下 落下せず 3 22時間で落下 23時間で落下 19時間で落下 22時間で落下 4 落下せず 落下せず 20時間で落下 落下せず 5 落下せず 23時間で落下 20時間で落下 19時間で落下 6 落下せず 落下せず 23時間で落下 落下せず 7 落下せず 落下せず 22時間で落下 落下せず 比較例 1 14時間で落下 落下せず 16時間で落下 落下せず 2 13時間で落下 落下せず 15時間で落下 落下せず
【0040】
【表4】
【0041】実施例1〜7は、塩素化ポリオレフィン
と、重合可能な官能基を1つ以上有する化合物と、有機
カチオン性色素と、ラジカル開始剤と、エラストマー及
び/またはタッキファイヤーからなる光重合性組成物で
ある。表2は、これらいずれの実施例においてもプラス
チック成形部材に対して強い粘着性を有していることを
示している。表3及び表4は、短時間の光照射後プラス
チック成形部材に対して、表面処理をせずに、強い接着
力を有していることを示している。上記試験において、
粘着性は剥離の長さが10mm以内であれば実用上充分
と思われ、また接着性は10時間以上落下しなければ充
分な接着性を有していると思われる。試験の結果は両特
性ともこれらの条件を満たしている。
【0042】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、塩素化ポリ
オレフィン、エラストマー及び/またはタッキファイヤ
ー、重合可能な官能基を1つ以上有する化合物、有機カ
チオン性色素とラジカル開始剤を含むものであるので、
プラスチック成形部材に対して、表面処理せずに直接塗
布することができ(特にポリオレフィン系樹脂成形物に
対してはコロナ放電、プラズマ処理、ガス炎処理及び薬
品処理などの物理的、化学的処理、プライマー処理など
の樹脂の表面処理をせずに樹脂表面に直接塗布すること
ができ)、重合前の被着体の位置ずれを防ぎ、短時間の
光照射により接着することができる。また従来の2液タ
イプとは異なるため接着剤の調整の煩雑さ、ライン洗浄
の煩雑さを廃すこともできるため、作業の効率化と工程
の簡略化がはかれる。また、本発明の光重合性組成物
は、光重合性であっても紫外線を用いないのでプラスチ
ック成形部材に紫外線吸収剤が含まれていても、紫外線
重合が行えない材料に対しても適用できる。しかも本発
明の光重合性組成物は、光照射と共に有機カチオン性色
素化合物が消色し、重合物が透明になるためプラスチッ
ク成形部材の色調を乱すことなく容易にかつ効果的に重
合接着できる利点がある。本発明は、プラスチックに対
して表面処理なしで重合接着などが可能であるが、もち
ろん表面処理したプラスチックであっても良いことはい
うまでもない。
【表1】
【表1】
【表1】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化ポリオレフィンと、一般式
    (1): D+ ・M- (式中、D+ は有機カチオン性色素であり、M- は有機
    または無機のアニオンである)で表される可視光または
    近赤外光領域に吸収を有する有機カチオン性色素化合物
    と、ラジカル開始剤と、重合可能な官能基を1つ以上有
    する化合物と、エラストマー及び/またはタッキファイ
    ヤーからなる光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化ポリオレフィンの塩素化率が1.
    5〜50重量%である請求項1記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル開始剤が次の一般式(2): [式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はアルキル基、アリー
    ル基、アラルキル基、アルカリール基、アルケニル基、
    アルキニル基、アリサイクリック基、ヘテロサイクリッ
    ク基、またはアリル基から選ばれる基であり、それぞれ
    同じであっても異なっていてもよく、また2個以上が結
    合して環状構造を形成してもよく、Z+ はアルカリ金属
    イオン、アルカリ土類金属イオンまたは 一般式(3): (式中、R5 ,R6 ,R7 ,R8 は水素、アルキル基、
    アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アルケニ
    ル基、アルキニル基、アリサイクリック基、ヘテロサイ
    クリック基、またはアリル基から選ばれる基であり、そ
    れぞれ同じであっても異なっていてもよく、また2個以
    上が結合して環状構造を形成してもよい)で表されるア
    ンモニウムイオンである]で表される有機ホウ素化合物
    である請求項1〜2記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 重合可能な官能基を1つ以上有する化合
    物がエチレン性不飽和結合を有するものである請求項1
    〜3記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 可視光または近赤外光領域に吸収を有す
    る有機カチオン性色素がポリメチン系色素化合物、ジフ
    ェニルメタン系色素化合物及びトリフェニルメタン系色
    素化合物である請求項1〜4に記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 エチレン性不飽和結合を有する重合可能
    な官能基を1つ以上有する化合物がアクリロイル基、メ
    タクリロイル基またはその両方を有する化合物である請
    求項4または5に記載の光重合性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載の光重合性組成物か
    らなる接着剤。
  8. 【請求項8】 接着する材料の少なくとも一方がポリオ
    レフィン系樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂またはアクリ
    ロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂である請求項7
    記載の接着剤。
  9. 【請求項9】 請求項7からなる接着したポリオレフィ
    ン系積層体。
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JP (1) JPH1112412A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11199845A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd クロロプレン合成ゴム系接着剤組成物及びスピ−カの 製造方法
CN103402490A (zh) * 2010-12-24 2013-11-20 狮王株式会社 洁齿剂组合物
JP2018521148A (ja) * 2015-05-05 2018-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 官能化ハロゲン化オレフィン系接着剤、それを含有する物品、及びそれを使用するための方法

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JP2018521148A (ja) * 2015-05-05 2018-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 官能化ハロゲン化オレフィン系接着剤、それを含有する物品、及びそれを使用するための方法

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