JPH11123460A - 折り曲げ機械におけるラム制御装置およびその制御方法 - Google Patents

折り曲げ機械におけるラム制御装置およびその制御方法

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JPH11123460A
JPH11123460A JP29103397A JP29103397A JPH11123460A JP H11123460 A JPH11123460 A JP H11123460A JP 29103397 A JP29103397 A JP 29103397A JP 29103397 A JP29103397 A JP 29103397A JP H11123460 A JPH11123460 A JP H11123460A
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ram
final target
bending
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drive shafts
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JP29103397A
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Shoichi Wakimoto
昭一 脇本
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Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
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Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの曲げ加工時の曲げ角度や製品形状に
応じてラムの最終目標到達位置を自動的に演算し、その
ラムの左右差がある場合の移動速度を変化させて、最終
目標到達位置への到達を左右を同時にして、ラムがワー
クの片側のみに加工することを防止して、加工不良ワー
クの発生を防止する。 【解決手段】 パンチとダイの間でワークの曲げ加工を
行う板折り曲げ機械において、パンチを取り付けたラム
4を左右独立のデプス位置決め軸17,17により制御
されるようにして、ラムの作動制御部には、曲げ製品情
報,加工情報,金型情報の記憶手段と、前記各情報によ
り左右各デプス位置決め軸17,17のラムの最終目標
到達位置を演算する最終目標到達位置演算手段と、前記
各情報より計算または入力された各行程のラムの最終目
標到達位置への到達遅速速度を左右個別に計算して、前
記各デプス位置決め軸17が同時に最終目標到達位置へ
到達するそれぞれの遅速速度を得る遅速速度演算手段お
よび、前記各デプス位置決め軸17を前記遅速速度で駆
動制御する制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレスブレーキ等
の板折り曲げ機械にて板材の折り曲げ加工する際、例え
ばテーパ曲げ加工のようなラムの左右追い込み量を異な
らせて加工を行う場合のラムの制御を合理的に行わせ得
る折り曲げ機械におけるラム制御装置およびその制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プレスブレーキによるワークの加
工時には、一般に、左右同時に平行に同一速度で目標位
置に向かってラムが移動することによって行われてい
る。このようなラムの移動を左右のシリンダを別個に操
作させて制御する手段としては、次のようなものが知ら
れている。例えば、特公平8−29357号公報に
は、左右のシリンダの変位量を検出するエンコーダと、
ラム付設の加工型が下型に当接した制御原点位置を検出
する検出手段と、各シリンダの動作領域を複数に分け
て、その動作領域ごとに定めた目標値,目標速度および
PID制御係数を記憶するメモリと、前記エンコーダか
らの出力信号を前記制御原点位置によって修正し、修正
された出力信号とメモリに記憶された動作領域ごとの目
標値,目標速度およびPID制御係数に基づいて所定の
数式により各シリンダの変位量の制御値を算出する演算
手段と、この演算手段からの制御値をD/A変換して制
御信号を各シリンダを制御する制御弁に出力するD/A
変換器を備え、各シリンダを独立して任意に動作できる
ようにされた、電気的制御方式により独立した左右シリ
ンダの作動制御手段が開示されている。
【0003】また、特開平5−269750号公報に
は、型締め装置における複数の型締めシリンダにて駆動
される可動金型が、各シリンダにおいて指令より遅れが
生じたときに、その遅れたシリンダの移動速度を変更し
て大きくし、可動金型が移動するように制御する手段が
開示されている。また、特公平4−45280号公報
には、プラスチックの成形プレス方法として、左右の加
圧シリンダによる加圧の際に、左右で加圧力に差があ
り、平行が保持されない場合に、加圧力が高い方のシリ
ンダを基準として他のシリンダを追従制御させる手段が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレス
ブレーキによるワークの曲げ加工時、そのワークの曲げ
角度、製品形状に応じてラムの左右移動を制御して、例
えばテーパ曲げ加工を行うようなラムの移動行程で左右
の移動差を生じさせ、最終到達位置では同時に移動させ
るようにする作業に際しては、前記特公平8−293
57号公報にて開示される方法では、ワークや金型のデ
ータから目標値,速度を演算する方法であるが、目標値
への速度を規定していないため、目標値へ先に到達した
シリンダ側が移動している他のシリンダ側に引かれて、
結果的に曲げ角度が不正確になるという問題点がある。
【0005】また、特開平5−269750号公報に
よって開示されているものでは、左右のシリンダの移動
差に大きい遅れが生じたならば、遅れの大きい側のシリ
ンダの移動を早めて平行移動させようとするもので、シ
リンダによって駆動されるラムが目標値の差に従って最
初から速度を変更することにより、平行ではないままに
移動させる、言い換えると、目標値に左右差がある場合
では採用できない方法である。また、特公平4−45
280号公報に開示されるものも、目標値に左右差があ
る場合には、採用できるものではない。
【0006】要するに、テーパ曲げ加工のようなワーク
を曲げ加工する過程で、先にワークの一部に押し曲げ力
を付加しておき、以後の曲げ操作に際しての左右押し曲
げ量を異ならせるような操作をして所望の形状に加工す
るには、ラムの左右最終目標到達位置までの行程で遅速
移動させる必要がある。このような曲げ加工を効果的に
行わせるには、従来のようなラム(複数のシリンダ)の
制御手段では、そのままワークを加工すると、ラムのシ
リンダと位置決めストッパの位置の差により、先に最終
目標到達位置に到達したラムが、遅れた反対側下方に引
かれて曲がりがきつくなる、という問題点がある。
【0007】本発明では、このような状況に鑑みてなさ
れたものであって、ワークの曲げ加工時の曲げ角度や製
品形状に応じてラムの最終目標到達位置を自動的に演算
し、そのラムの左右差がある場合の移動速度を変化させ
て、最終目標到達位置への到達を左右を同時にして、ラ
ムがワークの片側のみに加工することを防止して、加工
不良ワークの発生を防止できる、折り曲げ機械における
ラム制御装置およびその制御方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】このよ
うな目的を達成するためになされた第1発明の折り曲げ
機械におけるラム制御装置は、パンチとダイの間でワー
クの曲げ加工を行う板折り曲げ機械であって、作動先端
にパンチを取り付けたラムを左右独立のNC駆動軸によ
り制御されるようにして、ラムの作動制御部には、曲げ
製品情報,加工情報,金型情報の記憶手段と、前記各情
報により各行程の左右各NC駆動軸のラムの最終目標到
達位置を演算する最終目標到達位置演算手段と、前記各
情報より計算または入力された各行程のラムの最終目標
到達位置への到達遅速速度を左右個別に計算して、前記
各NC駆動軸が同時に最終目標到達位置へ到達するそれ
ぞれの遅速速度を得る遅速速度演算手段および、前記各
NC駆動軸を前記遅速速度で駆動制御する制御手段を有
することを特徴とするものである。
【0009】本発明によれば、ラムを移動させる駆動体
(ラム操作シリンダ)を左右独立して作動できるように
し、ラムの作動制御部においてそれら駆動体の作動を予
め入力される各種情報によりNC制御して左右別個に遅
速移動できるように構成することで、板の曲げ加工を行
うに際して、折り曲げ部を変則的に加工するような場
合、その一部を先に追い込み曲げするなどラムの左右の
移動を制御して、最終目標到達位置には最後に左右が揃
って同時に到達できる機能を所有させることにより、曲
げ加工時のワークの不良を防止できる効果を奏するもの
となし得たのである。
【0010】また、第2発明の折り曲げ機械におけるラ
ムの制御方法は、 a)パンチとダイの間でワークの曲げ加工を行う板折り
曲げ機械において、作動先端にパンチを取り付けたラム
を左右独立のNC駆動軸により制御されるようにして、 b)ラムの作動制御部にて、曲げ製品情報,加工情報,
金型情報の記憶手段からの情報を、 c)各行程の左右各NC駆動軸のラムの最終目標到達位
置を演算する最終目標到達位置演算手段にて演算し、 d)前記各情報より計算または入力された各行程のラム
の最終到達目標位置から左右各NC駆動軸の差を算出す
る駆動軸差演算手段で演算し、 e)前記各NC駆動軸の差より最終到達目標位置へ達す
るそれぞれの遅速速度を演算する遅速速度演算手段によ
り演算して、 f)前記各NC駆動軸を前記遅速速度で駆動制御するこ
とを特徴とするものである。
【0011】このように制御することで、作動制御部で
の情報により、先に追い込み移動されたラムの左右の移
動差から、計算されたデータによってラムを遅速移動さ
せ、最終目標到達位置には左右同時に、同速度で平行に
ラムを移動させてワークの加工ができる。そうすると、
目標の最終到達位置に正確に位置決めされて、左右の曲
げ角度が所望のようにできるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、第1発明の折り曲げ機械に
おけるラム制御装置を、第2発明のラムの制御方法とと
もに、その実施の形態について図面を参照しつつ説明す
る。
【0013】図1に本発明に係る折り曲げ機械における
ラム制御装置を備えるプレスブレーキの概要図が、図2
にポジションコントローラの概要を表す正面図が、図3
に図2の側面図が、それぞれ示される。
【0014】これらの図において示されるように、全体
構造が周知のプレスブレーキ1において、ベッド2の上
面に装着される下型(ダイ)3に対して先端にパンチ5
を装着されて前記ダイ3とでワークを挟んで曲げ加工す
るラム4は、その左右両側に設けられる油圧シリンダ6
A,6Bのロッド6’と連結されて、所要の距離昇降す
るように構成されている。そして、ラム4を上下動させ
てワークの曲げ加工するための作動を制御する手段とし
て本体の背面側に数値制御装置(NC装置)10が付設
されている。なお、図中符号7はサイドフレームであ
る。
【0015】数値制御装置10(ポジションコントロー
ラ)は、プレスブレーキ本体の左右のサイドフレーム
7,7にそれぞれ付設される支持部材11に取り付けら
れて一対配設されるサーボバルブ12と、デプス位置決
め機構16およびラム平行保持機構25とで構成されて
おり、その左右のデプス位置決め機構16はそれぞれサ
ーボモータ18bによって操作されるように関係付けら
れている。
【0016】前記サーボバルブ12は、内蔵される図示
されないスプリングにより常時下方へ突出されるスプー
ル12aの先端が、図3で示されるように、支持部材1
1の下部にピン15により枢支されるシーソーレバー1
4の一端に当接され、後述するサーボ駆動機構によって
ラム4を昇降動作させる油圧シリンダ6A(6B)の作
動を制御できるように油圧回路に組み込まれている。な
お、油圧シリンダ駆動の油圧回路については、公知の構
成であるから、その詳細な説明を省略する。
【0017】デプス位置決め機構16は、前記支持部材
11に支承されるデプスホルダ16aと、このデプスホ
ルダ16aに支持されるデプス位置決め軸17を制御す
るデプス位置決め軸操作機構18とで構成される。
【0018】前記デプスホルダ16aは、支持部材11
に対して上下方向に可動的に支承されて、下部において
被嵌するスプリング16cにより常時上向きに持ち上げ
られる状態で支持されており、その下端16bが前記支
持部材11の下部に設けられるシーソーレバー14の他
端に当接するようにされている。また、このデプスホル
ダ16aは、図示しないが中空に形成されて上向きに突
き出すネジ軸にてなるデプス位置決め軸17が挿入され
ている。
【0019】このデプス位置決め軸17は、デプスホル
ダ16aの上部で内部に組み込まれて設けられるウオー
ム歯車機構(図示省略)のウオームギアに螺合して、外
部から駆動されるデプス位置決めのための操作軸18a
に取り付くウオームの回転で上下に移動調節できるよう
にされている。その操作軸18aは左右で別個に設けら
れたサーボモータ18bによって駆動され、デプスホル
ダ16aのウオーム歯車機構をそれぞれに操作して前記
位置決め軸17を別個に上下調節してラム4の最終目標
到達位置が決められるようになっている。
【0020】このような左右両方のデプスホルダ16a
の上部には、それぞれ逆L字形の揺動レバー21がラム
4に取り付くブラケット22に基幹部でピン21’で支
持されて設けられ、これら揺動レバー21の短片突き出
し部の下面に付される押圧子23が前記デプスホルダ1
6aに支持されるデプス位置決め軸17の上端に対向し
ていて、ラム4が下死点(最終到達位置)に達するとそ
のデプス位置決め軸17と接してデプスホルダ16aを
下方へ押圧するようにされている。前記揺動レバー21
は、ラム4とともに上下動して下端部に平行度調整機構
の調整ネジ24が螺合され、ラム4の作業正面側でその
調整ネジ24を回動させることにより、支持ピン21’
を中心にしてその揺動レバー21が回動され、前記押圧
子23の位置調整ができるようになっている。
【0021】前記ラム平行保持機構25は、前記ラム4
の上部に取り付く左右の両ブラケット22,22間に駆
動軸26が架設され、この駆動軸26の両軸端部にはギ
ア27がそれぞれそのブラケット22内で取り付けら
れ、それら各ギア27と噛み合って上下に操作されるサ
ーボ駆動ラック28が上部をブラケット22にて摺動可
能に支持されて垂設され、モータ30により減速機31
を介して駆動軸26で駆動操作されるようになされてい
る。そして、このサーボ駆動ラック28の下端には、前
記支持部材11を貫通垂下して支持されるサーボ駆動軸
29の上端が常時当接するようにして配設され、このサ
ーボ駆動軸29の下端が前記シーソーレバー14の支点
よりデプスホルダ16a側に寄った位置にて当接するよ
うにされている。なお、そのサーボ駆動軸29の下端部
には戻し用のスプリング29’が係合されている。
【0022】このような構成の数値制御装置10は、別
途設けられる制御手段によって、プレスブレーキ1の油
圧駆動装置と関連させてワークの加工条件に応じてラム
4の作動を左右遅速移動させて、目的の曲げ加工が正常
に行えるように操作される。
【0023】まず、前記ラムの制御手段を作動させるた
めに、ワークの曲げ角度や製品形状に基づいて、ラム4
の遅速移動開始位置と最終目標到達位置を演算するに
は、例えば、図4にて示されるフローに従って制御デー
タを自動演算させる。その態様を説明すれば、 ステップS1:プレスブレーキ運転操作用のコントロー
ルパネルにおいて、ユーザが使用する金型のデータ、製
品形状などのデータを入力する。 ステップS2:数値制御装置が入力された情報(デー
タ)から各工程の曲げ加工のデータを作成する。 ステップS3:前記行程で作成された工程データにて曲
げを実施するなどして得られた詳細情報により、ラムの
最終目標到達位置データを補正する。
【0024】ステップS4:ラムの左右最終目標到達位
置データを比較して、左右各デプス位置決め軸の移動最
終目標値のデータに差があるか、判定する。NOの場
合、ラムの左右最終目標到達位置データに差はなく、ラ
ムの左右位置決め軸の速度は変更しない。 ステップS5:ステップS4でYESの場合、ラムの右
側のデプス位置決め軸17の最終到達目標位置データが
高いか、判定する。 ステップS6:ステップS5でYESの場合、ラム右側
の移動速度を演算させる。このラム右側の移動速度の演
算は、 ラム右側の移動速度 =ラムの移動速度×(遅送位置−右目標値)/(遅送位置−左目標値) =ラムの移動速度×(ラム右側移動距離/ラム左側移動距離) ステップS7:ステップS5でNOの場合、ラム左側の
移動速度を演算させる。 ラム左側の移動速度 =ラムの移動速度×(遅送位置−左目標値)/(遅送位置−右目標値) =ラムの移動速度×(ラム左側移動距離/ラム右側移動距離) ラム左右両側の移動速度の演算が終われば、演算操作が
それぞれ終了する。
【0025】このようにしてラムの作動制御データが設
定されると、図5に示されるようなフローに従って制御
される。その態様を説明すれば、 ステップ8:プレスブレーキ運転操作用のコントロール
パネルにおける作動スイッチ(図示省略)を押してラム
を下降指示する。指示が出されている(YES)と、次
のステップへ移る。指示が出ていないと(NO)もう一
度最初から起動させる。
【0026】ステップS9:下降指示を受けると、ラム
平行保持機構25のモータ30が起動して駆動軸26を
回転させ、この駆動軸26の軸端部に取り付くギア27
によってサーボ駆動ラック28が上昇し、それに伴いサ
ーボ駆動軸29がスプリング29’の推力で押し上げら
れる。すると、そのサーボ駆動軸29の下端によるシー
ソーレバー14に対する押し下げ平衡力が崩れて、その
シーソーレバー14の反対端部によって押し上げられて
いたサーボバルブ12のスプール12aが、そのサーボ
バルブ12内蔵のスプリング力によって押し下げられ、
このサーボバルブ12の切換により、油圧シリンダ6
A,6Bのピストン押し下げ側に圧油が供給されて、ラ
ム4が左右同時に、同じスピードで早送り下降される。
言い換えれば、このラム4の下降は、ラム4に付設され
るブラケット22を介して取り付く揺動レバー21の押
圧子23が、前記デプスホルダ16aに支持されるデプ
ス位置決め軸17の上端に接触するまで高速で降下す
る。
【0027】ステップS10:ラムが移動して遅送り下
降開始位置に到達したか、否かを判別する。NOの場合
はもう一度ラムの下降を指示し、下降させる。
【0028】ステップS11:ステップ10においてY
ESであれば、左側のデプス位置決め軸17をスピード
Aで始動させる。また、右側のデプス位置決め軸17を
スピードBで始動させる。ここで、前記スピードA,B
はラム4の起動前に演算されている左右の移動目標値差
入力により計算された値である。
【0029】また、ラムを傾けてワークを追い込み曲げ
する場合、例えば図6で例示されるように、左基準で右
のデプス(ストッパ)を追い込むと、どうしても僅かな
がらラムが左側でオーバーシュートする。この原因は、
ラムを操作している左右の油圧シリンダ6A,6Bの中
心軸線A,B間の距離Lに対してラムのデプス位置a,
b間の距離LDが小さくなることに関係する。この値を
一実施例装置で測定したデータを示すと、次の通りであ
った。
【0030】また、一般に、ワークを曲げ加工するに際
して、ワーク(板材)に対するパンチの追い込み量は、
図7によって示されるパンチ追い込み量の算出図を参照
して、次の式によって算出されている。追い込み量H
は、 H{L+Rd(1−sin θ1/2)}tan θ1/2 +(1 −cos θ1/2)(Rd−t/cos θ1/2)+Rp(1−t cos θ1/2) ただし、 θ1 =θ2 +∠θ (∠θ:スプリングバック角度) なお、符号 Rd はダイのコーナー部分のアール Rp はパンチの先端部アール t はワーク(板)の厚み θ1 は曲げ角度 θ2 は正味曲げ角度 をそれぞれ示している。
【0031】前述のように、ワークを曲げ加工するに際
して、パンチによる追い込みを付加すると、どうしても
遅れてワークに接する側でラムがオーバーシュートする
ことになる。そこで、遅速移動に移行してから、左右の
両デプス位置決め軸17,17が傾斜分を考慮して互い
の下死点へ同時に到達するように、常に移動速度を制御
することで、ラムがオーバーシュートするのを防止する
ことができ、正確な曲げ加工が行えることになる。
【0032】前記左右の各デプス位置決め軸17を作動
させるには、デプス位置決め軸操作機構18の左右各サ
ーボモータ18bにそれぞれ前記演算によって得られる
指示値を与えて、その指示値に従って駆動させ、駆動軸
18aを所要回転させることにより、前記左右のデプス
位置決め軸17がそれぞれ上下方向に移動変位される
と、デプスホルダ16aの下端16bによってシーソー
レバー14が押され、このシーソーレバー14の反対端
によりサーボバルブ12のスプール12aが押し上げら
れて、油圧回路が切り換えられ、ラム4を操作する油圧
シリンダ6A,6Bがそれぞれの油圧回路に属するサー
ボバルブ12による制御に応じて遅送り下降開始位置が
決められて、ラム4が左右で前記デプス位置決め軸17
の移動変位に応じて遅速移動(遅送り下降)されるので
ある。なお、ラム4が遅送り下降を開始するときは、サ
ーボ駆動ラック28は停止し、サーボ駆動軸29はシー
ソーレバー14に関与しない。
【0033】ステップS12:ラムが移動して最終目標
到達位置に到達したか、判別する。NOの場合は、ステ
ップ11に戻して再度左右の各デプス位置決め軸17を
作動させる。YESの場合は、ラムは左右同時に最終目
標到達位置に到達して、下降を終了する。
【0034】以上の説明は、ラムが下降する場合につい
て述べたが、曲げ加工が終わってラムを上昇させるに
は、前記ラム平行保持機構25のモータ30を逆回転さ
せることにより、左右のサーボ駆動ラック28を前述の
下降操作時と逆に作動させてサーボバルブ12を操作す
ると、油圧回路が切り換えられて油圧シリンダ6A,6
Bのピストンロッド6’,6’を引き上げ、ラム4は高
速で所定のストローク上昇され、図示されない上部に設
けられるリミットスイッチによって停止され、次の作業
まで待機する。
【0035】上述の実施例では、ラム下降式の場合につ
いて記載したが、ダイ昇降式においては、前記要領でダ
イ装着側に逆の構成で駆動手段(油圧シリンダなど)を
制御する手段を設けるようにすればよい。また、本発明
の要旨に則すれば、ACサーボモータを使用して制御す
ることも可能である。
【0036】本実施例におけるデプス位置決め軸は、本
発明のNC駆動軸に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る折り曲げ機械におけるラ
ム制御装置を備えるプレスブレーキの概要図である。
【図2】図2は、ポジションコントローラの概要を表す
正面図である。
【図3】図3は、図2の側面図である。
【図4】図4は、本発明に係る折り曲げ機械におけるラ
ムの制御データを演算させる手段のフローシートであ
る。
【図5】図5は、本発明に係る折り曲げ機械におけるラ
ムの作動制御手段のフローシートである。
【図6】図6は、ラムを傾けて追い込み操作した場合に
ラムがオーバーシュートする態様の説明図である。
【図7】図7は、パンチ追い込み量の算出図である。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ 4 ラム 6A,6B 油圧シリンダ 10 数値制御装置 11 支持部材 12 サーボバルブ 12a サーボバルブのスプール 14 シーソーレバー 15 シーソーレバーの支持ピン 16 デプス位置決め機構 16a デプスホルダ 16b デプスホルダの下端 16c スプリング 17 デプス位置決め軸(NC駆動
軸) 18 デプス位置決め軸操作機構 18a 操作軸 18b サーボモータ 21 揺動レバー 22 ブラケット 23 押圧子 25 ラム平行保持機構 26 駆動軸 27 ギア 28 サーボ駆動ラック 29 サーボ駆動軸 30 モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パンチとダイの間でワークの曲げ加工を
    行う板折り曲げ機械であって、 作動先端にパンチを取り付けたラムを左右独立のNC駆
    動軸により制御されるようにして、ラムの作動制御部に
    は、曲げ製品情報,加工情報,金型情報の記憶手段と、
    前記各情報により各行程の左右各NC駆動軸のラムの最
    終目標到達位置を演算する最終目標到達位置演算手段
    と、前記各情報より計算または入力された各行程のラム
    の最終目標到達位置への到達遅速速度を左右個別に計算
    して、前記各NC駆動軸が同時に最終目標到達位置へ到
    達するそれぞれの遅速速度を得る遅速速度演算手段およ
    び、前記各NC駆動軸を前記遅速速度で駆動制御する制
    御手段を有することを特徴とする折り曲げ機械における
    ラム制御装置。
  2. 【請求項2】 a)パンチとダイの間でワークの曲げ加
    工を行う板折り曲げ機械において、作動先端にパンチを
    取り付けたラムを左右独立のNC駆動軸により制御され
    るようにして、 b)ラムの作動制御部にて、曲げ製品情報,加工情報,
    金型情報の記憶手段からの情報を、 c)各行程の左右各NC駆動軸のラムの最終目標到達位
    置を演算する最終目標到達位置演算手段にて演算し、 d)前記各情報より計算または入力された各行程のラム
    の最終到達目標位置から左右各NC駆動軸の差を算出す
    る駆動軸差演算手段で演算し、 e)前記各NC駆動軸の差より最終到達目標位置へ達す
    るそれぞれの遅速速度を演算する遅速速度演算手段によ
    り演算して、 f)前記各NC駆動軸を前記遅速速度で駆動制御するこ
    とを特徴とする折り曲げ機械におけるラムの制御方法。
JP29103397A 1997-10-23 1997-10-23 折り曲げ機械におけるラム制御装置およびその制御方法 Withdrawn JPH11123460A (ja)

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