JPH11123197A - 吸引生検具 - Google Patents

吸引生検具

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JPH11123197A
JPH11123197A JP9291084A JP29108497A JPH11123197A JP H11123197 A JPH11123197 A JP H11123197A JP 9291084 A JP9291084 A JP 9291084A JP 29108497 A JP29108497 A JP 29108497A JP H11123197 A JPH11123197 A JP H11123197A
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biopsy
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JP9291084A
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Inventor
Takuo Sasaki
琢男 佐々木
Tsuruo Hatori
鶴夫 羽鳥
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、内視鏡による直視下で確実に十分な
量の生体組織の標本を一回の生検作業で回収できる作業
性に優れた吸引生検具を提供することを最も主要な特徴
とする。 【解決手段】外シース2内に生体組織を吸引した状態
で、外シース2と内シース3との相対移動により生体組
織を切除し、内シース3の内部に挿入される光学視管1
6によって生検を行なうようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用内視鏡の直
視下において生体組織の標本を切除して採取する吸引生
検具に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の体内の生体組織を採取する方法と
しては、体内に挿入される円筒状の外套シース内に病変
部位の生体組織を導き、シース内に入り込んできた生体
組織を切除する手技が、一般的に知られている。
【0003】具体的な方法の一例としては、例えば実公
昭50−17277号公報に示されているものがある。
ここでは、内視鏡のチャンネル等に挿入される組織採取
具が設けられている。この組織採取具には鋭利に成形さ
れた組織採取筒と、この組織採取筒内に前後動可能に挿
入された一対の掴み刃とが設けられている。そして、こ
の組織採取具の使用時には、内視鏡のチャンネル等にこ
の組織採取具を挿入した状態で、鋭利な組織採取筒の先
端部を生体組織に食い込ませて切除したのち、一対の掴
み刃を組織採取筒に沿って前後動させることにより、掴
み刃が開閉し、両掴み刃間で生体組織を把持できるよう
になっている。
【0004】また、特願平8−301907号では、外
套シースの側面に開口部を設け、外套シースを生体組織
に押し当てながら吸引をかけてシース内を陰圧にするこ
とで、生体組織をシース内に引き込むとともに、カッタ
ー部材をシースに沿って滑らせて生体組織を切除する構
成の吸引生検具が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実公昭50−1727
7号公報で示されているような組織採取具では、内視鏡
の鉗子チャンネル等の中に挿通して使用されることを意
図して設計されている。そのため、組織採取具の外径寸
法には制限があるので、1回の組織採取の作業だけでは
確定診断するに十分な生検量が得られない問題がある。
【0006】ここで、1回の組織採取の作業時の生検量
を増やすためには組織採取具の外径寸法を大きくする必
要がある。そのため、この組織採取具が挿入される内視
鏡の挿入部自体の外径寸法も大きくする必要があるの
で、患者の苦痛・侵襲が、増大する問題がある。
【0007】また、特願平8−301907号で示され
ているような生検具では、病変部をシース内に吸引する
ことにより病変の深層部まで切除することで生検量を増
し、診断能を上げるという手段が提案されている。
【0008】しかしながら、特願平8−301907号
で示されているような生検具も、内視鏡の鉗子チャンネ
ル等の中に挿通して使用するという点では、実公昭50
−17277号公報の組織採取具と何ら変わりない。さ
らに、特願平8−301907号の生検具では生体組織
を吸引する分、生検量が増えるが、その生検量には限界
がある。
【0009】また、適用によって、生検具を乳管など内
径寸法が0.4mm程度、拡張時でも1〜2mm程度の
細径な管腔内に使用する症例がある。しかしながら、こ
の場合には、まず内視鏡の挿入部を管腔内に挿入し、こ
の内視鏡で管腔内を一度観察した後、内視鏡を抜去して
から、管腔内に盲目的に生検具を挿入させることにな
る。その結果、管腔内に盲目的に生検具を挿入させる作
業中に、生検具によって管腔の周壁面に穿孔させるおそ
れがある。さらに、この場合には生検作業中に、生検部
位を正確に特定できず、生検作業を複数回、繰り返す必
要があるので、その作業が煩雑なものとなる問題があ
る。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、内視鏡による直視下で確実に十分な量
の生体組織の標本を一回の生検作業で回収できる作業性
に優れた吸引生検具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、外シースと、
先端部に刃を有し、前記外シース内に前記外シースに対
して軸方向に相対移動可能に配設された内シースと、前
記外シースと前記内シースとの間の気密状態を確保する
シール手段と、前記外シースと前記内シースとの間及び
前記内シース内側の気密空間内を吸引する吸引手段と、
前記内シースの基端部側に配設され、前記内シースの内
部に挿入される内視鏡を気密状態で保持する内視鏡保持
手段と、前記外シース内に生体組織を吸引した状態で、
前記外シースと前記内シースとの相対移動により生体組
織を切除し、生検を行なう生検手段とを具備したことを
特徴とする吸引生検具である。そして、生検作業時には
外シース内に病変部の生体組織を吸引した状態で、外シ
ースに対して内シースを相対移動させ、生体組織を切除
する。さらに、内シースの内部に挿入される内視鏡によ
る直視下にて安全かつ確実に十分な量の生検を行なうよ
うにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図3(A),(B)を参照して説明する。図
1は本実施の形態の吸引生検具1のシステム全体の概略
構成を示すものである。この吸引生検具1には外シース
2と、この外シース2に内挿される内シース3とが設け
られている。
【0013】ここで、外シース2にはほぼ全長に渡って
内径寸法がD2 のシース本体2aが設けられている。こ
のシース本体2aの先端部には略先細状の先細部4が形
成されている。この先細部4の中心部にはシース本体2
aの内径寸法D2 より小径の内径寸法D3 の先端開口部
5が形成されている。
【0014】また、シース本体2aの先細部4の内周面
には緩やかに湾曲するテーパ状の内側湾曲面6が形成さ
れている。さらに、このシース本体2aの先細部4の外
周面にも同様に緩やかに湾曲する外側湾曲面7が形成さ
れている。
【0015】また、外シース2の基端部側外周面には、
ルアー口金9が外向きに突設されている。さらに、この
外シース2の基端部側の内周面には開口部近傍に略帯状
のOリング嵌合溝10が形成されている。なお、ルアー
口金9には、吸引用のシリンジ(吸引手段)11が取外
し可能に装着されている。
【0016】また、内シース3には弾性を有する、例え
ばステンレス等の細長い略円筒状のシース本体3aが設
けられている。この内シース3のシース本体3aの外径
寸法はD1 である。
【0017】さらに、内シース3の先端部には山切り形
状の先端刃部12が成形されている。この先端刃部12
には鋭利な三角刃12aが周方向に複数個並設されてい
る。また、各三角刃12aは内向きに弾性的に湾曲変形
可能になっている。そして、隣り合う三角刃12aは、
弾性変形時に互いに当接するように成形されている。
【0018】また、内シース3は外シース2内にこの外
シース2に対して軸方向に相対移動可能に配設されてい
る。ここで、外シース2と内シース3との間には外シー
ス2と内シース3との間の気密状態を確保するOリング
(シール手段)13が嵌装されている。このOリング1
3は外シース2のOリング嵌合溝10に嵌着されてい
る。
【0019】また、内シース3の手元側開口部の端縁部
14には、ゴムキャップ(内視鏡保持手段)15が装着
されている。このゴムキャップ15の中心部には内径寸
法D4 の中心穴15aが成形されている。この中心穴1
5aには後述する硬性鏡(内視鏡)である光学視管16
の挿入部17、または後述するマンドリン26のいずれ
か一方が選択的に気密状態で挿入可能になっている。
【0020】また、光学視管16には細長い外径寸法D
0 の硬性な挿入部17と、この挿入部17の基端部に連
結された手元側端部18とが設けられている。ここで、
この手元側端部18の端末部には接眼部19が設けられ
ている。さらに、この手元側端部18の外周面にはライ
トガイドケーブル口金20が外向きに突設されている。
【0021】また、光学視管16の挿入部17の内部に
は照明光を伝達する光ファイバー束21と、イメージを
伝達する棒状ガラス製のロッドレンズ22とが内装され
ている。ここで、光ファイバー束21およびロッドレン
ズ22の先端部は双方とも光学視管16の挿入部17の
先端部23まで延設されている。さらに、光ファイバー
束21の基端部は光学視管16の手元側のライトガイド
ケーブル口金20に連結され、また、ロッドレンズ22
の基端部は光学視管16の接眼部19に連結されてい
る。
【0022】また、光学視管16のライトガイドケーブ
ル口金20には照明光を伝達するライトガイドケーブル
24の一端部が着脱可能に連結されている。このライト
ガイドケーブル24の他端部は照明光を発生させる光源
装置25に着脱可能に連結されている。
【0023】そして、この光学視管16の挿入部17は
ゴムキャップ15の中心穴15aから吸引生検具1の内
シース3内に挿入されるようになっている。このとき、
ゴムキャップ15の弾力によって中心穴15aの周縁部
位が光学視管16の挿入部17に圧接され、内シース3
内が気密状態で保持されるようになっている。
【0024】また、吸引生検具1の内シース3内から光
学視管16が引き抜かれた状態で、この光学視管16に
代えて図2に示すようにマンドリン26が内シース3内
に挿入可能になっている。このマンドリン26の外径寸
法D5 は、外シース2の先端開口部5の内径寸法D3
ほぼ等しくなるように設定されている。
【0025】さらに、マンドリン26の先端部には、円
錐形状部27が形成されている。そして、このマンドリ
ン26が外シース2の先端開口部5内に挿入され、マン
ドリン26の先端の円錐形状部27が先端開口部5の外
側に突出された状態で、この円錐形状部27が外シース
2の外側湾曲面7と滑らかに連なるようになっている。
【0026】また、上記各部分の径寸法D0 〜D5 の関
係は、 D4 <D0 =D5 ≒D3 <D1 <D2 に設定されている。
【0027】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の吸引生検具1の使用時には、まず、図2
に示すように、吸引生検具1の内シース3内にマンドリ
ン26が挿入される。このとき、マンドリン26が外シ
ース2の先端開口部5内に挿入され、マンドリン26の
先端の円錐形状部27が先端開口部5の外側に突出され
た状態にセットされる。
【0028】続いて、この状態で、マンドリン26の先
端の円錐形状部27及び外シース2の先端の外側湾曲面
7とで形成されるテーパ形状部8により生体(人体)H
の管腔H1 の開口部H2 を徐々に拡張しながら図1に示
すように外シース2を管腔H1 内に挿入する。
【0029】また、拡張後にマンドリン26を吸引生検
具1の内シース3内から抜去し、代わりに図1に示すよ
うに光学視管16の挿入部17を吸引生検具1の内シー
ス3内に挿入する。ここで、ゴムキャップ15の中心穴
15aの内径寸法D4 は光学視管16の挿入部17の外
径寸法D0 より小さいため、光学視管16とゴムキャッ
プ15との間は気密状態が確保される。さらに、内シー
ス3と外シース2との間の気密状態は、Oリング13に
よって確保される。この状態で、挿入された光学視管1
6により患部H3 の観察が行われる。
【0030】また、光学視管16による患部H3 の観察
を行った後、この状態において、外シース2の先端開口
部5の周辺部位を患部H3 に押し当て、さらにシリンジ
11により吸引する。これにより、内シース3及び外シ
ース2の中が陰圧になるので、この陰圧によって図3
(A)に示すように患部H3 は外シース2の先端開口部
5から外シース2の中に引き込まれる。
【0031】ここで、光学視管16を挿入したままで、
患部H3 が外シース2の中に吸引される様子を常に監視
しながら、外シース2に対して内シース3を前方へ移動
させる。この内シース3の前方移動にともない図3
(B)に示すように内シース3の先端の先端刃部12の
各三角刃12aの先端側の部分が外シース2の先端内周
面のテーパ状の内側湾曲面6に沿って中心軸方向にそれ
ぞれ移動する。このとき、それぞれの三角刃12aの先
端側の部分は内側に弾性変形可能であり、隣り合う三角
刃12a同士が互いに当接するまでこの三角刃12aの
弾性変形が続く。
【0032】そして、隣り合う三角刃12aが当接する
まで内シース3が前方移動する動作の途中、或いは隣り
合う三角刃12aが当接する位置まで移動した時点で、
外シース2の中に引き込まれている患部H3 の根元部分
が鋭利に成形されている三角刃12aによって切断さ
れ、患部H3 が切除される。
【0033】その後、このままの状態で生体Hの管腔H
1 の外に吸引生検具1の外シース2ごと抜去すると、図
3(B)に示すように患部H3 が内シース3の内部に収
まったまま体外に採り出される。
【0034】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態の吸引生検具1の
使用時には外シース2内に患部H3 の生体組織を吸引し
た状態で、内シース3を前進移動させることにより、内
シース3の先端刃部12で患部H3 の生体組織を切除
し、内シース3の内部に挿入される内視鏡である光学視
管16の直視下で患部H3 を正確に観察して生検を行な
うようにしたものである。そのため、細径な管腔H1
においても内視鏡である光学視管16の直視下で患部H
3 を正確に観察することができる。
【0035】さらに、光学視管16の直視下で患部H3
を正確に観察しながら吸引用のシリンジ11の操作によ
って吸引をかけることで、病理診断するに十分な量の生
検を一回にして行える。そのため、生検手技がそれだけ
簡易になり、術者・患者の負担も軽減できる。
【0036】また、硬性鏡である光学視管16を使用し
ているため患部H3 への進達性が良く、かつ対象部位が
はっきりと観察できる。さらに、本実施の形態の吸引生
検具1のシステムで使用される内視鏡の光学視管16
や、吸引装置の吸引用のシリンジ11は共に安価であ
り、例えば開業医などの小規模な病院でも本実施の形態
の吸引生検具1のシステムを購入できる効果がある。
【0037】なお、本実施の形態では外シース2の基端
部側外周面にルアー口金9を外向きに突設した構成のも
のを示したが、ルアー口金9を設ける位置としては、内
シース3の基端部側外周面で、内シース3を進退させた
ときに外シース2に接触しない位置に変えても、同じ作
用、効果が得られる。
【0038】また、図4は本発明の第2の実施の形態を
示すものである。本実施の形態は、主に乳管内における
生検を行うフレキシブル吸引生検具31を設けたもので
ある。
【0039】本実施の形態のフレキシブル吸引生検具3
1には図4に示すように外シース32と、この外シース
32に内挿される内シース33とが設けられている。さ
らに、内シース33には、密巻きコイルより成る細長い
シャフト部33aと、このシャフト部33aの先端部に
連結された弾性を有する先端側円筒部材33bと、シャ
フト部33aの基端部に連結された基端側円筒部材33
cとが設けられている。ここで、先端側円筒部材33b
の基端部とシャフト部33aの先端部との間の接合部、
およびシャフト部33aの基端部と基端側円筒部材33
cとの間の接合部は、それぞれ半田付け等の手段により
接合されている。
【0040】また、外シース32には、可撓性樹脂製の
薄肉チューブより成る細長いシース部32aと、このシ
ース部32aの先端部に連結された先端側円筒部材32
bと、シース部32aの基端部に連結された基端側円筒
部材32cとが設けられている。ここで、先端側円筒部
材32bの基端部とシース部32aの先端部との間の接
合部、およびシース部32aの基端部と基端側円筒部材
32cとの間の接合部は、それぞれ半田付け等の手段に
より接合されている。
【0041】さらに、外シース32の基端側円筒部材3
2cの外周面にはルアー口金34が外向きに突設されて
いる。このルアー口金34には第1の実施の形態のシリ
ンジ11(図1参照)、或いは図示しない吸引器が着脱
可能に接続される。
【0042】また、内シース33の手元側開口部の端縁
部35には、第1の実施の形態と同様にゴムキャップ3
6が装着されれている。そして、このゴムキャップ36
の中心穴36aには細径軟性鏡(内視鏡)37の可撓性
挿入部38、または可撓性の高い樹脂材より成る図示し
ないマンドリンのいずれか一方が選択的に気密状態で挿
入可能になっている。
【0043】さらに、細径軟性鏡37の可撓性挿入部3
8の内部には、イメージ伝達用として可撓性を有するイ
メージガイドファイバー束39が内装されている。な
お、その他の構造は、すべて第1の実施の形態と同じで
ある。
【0044】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態のフレキシブル吸引生検具31の使用時に
は、まず、第1の実施の形態と同様に吸引生検具31の
内シース33内に可撓性マンドリンが挿入される。さら
に、このマンドリンの先端部が外シース32の先端開口
部の外側に突出された状態にセットされる。
【0045】この状態で、吸引生検具31が生体Hの管
腔H1 、本実施の形態では乳腺開口部H4 内に挿入さ
れ、分岐部H5 まで進達される。続いて、X線ガイド下
にて乳房を動かしながら、外シース32をさらに挿入し
ていく。このとき、マンドリン、内シース33のシャフ
ト部33a、外シース32のシース部32aがいずれも
可撓性を有しているため、乳腺形状に合わせて自在に屈
曲する。そのため、外シース32の先端部32aが患部
3 まで進達される。
【0046】その後、マンドリンを吸引生検具31の内
シース33内から抜去し、代わりに図4に示すように細
径軟性鏡37の可撓性挿入部38を挿入する。これによ
り、第1の実施の形態と同様の作用で細径軟性鏡37に
よって患部H3 の観察ができる。さらに、これ以降の作
用は、第1の実施の形態と同じで、細径軟性鏡37によ
って患部H3 を観察しながら吸引生検が行われる。
【0047】そこで、上記構成のものにあってはフレキ
シブル吸引生検具31を設け、この吸引生検具31の内
シース33内に細径軟性鏡37の可撓性挿入部38を挿
入させるようにしたので、内部で複雑に分岐していて入
り組んでいる管腔においても、細径軟性鏡37の直視下
で吸引生検が可能となる効果がある。
【0048】また、図5(A),(B)および図6は本
発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形
態は、第1の実施の形態(図1乃至図3(A),(B)
参照)の吸引生検具1の構成を次の通り変更したもので
ある。
【0049】すなわち、本実施の形態では外シース2
は、円筒状のシース本体41aの先端に中空半球状の先
端部材41bが接合された構造となっている。さらに、
中空半球状の先端部材41bの先端側には、図6に示す
ように長さがL1 の長円形の開口部41cが形成されて
いる。この長円形の開口部41cの周辺部位には鋭利な
外刃41dが成形されている。
【0050】また、内シース3には、弾性金属製の円筒
部42aが設けられている。この円筒部42aの先端部
には薄板状の先端薄板部42bが前方に向けて突設され
ている。この先端薄板部42bの先端部には鋭利なV字
状の内刃42cが成形されている。このV字状の内刃4
2cは長さがL2 で、幅寸法は外シース2の開口部41
cの幅寸法よりも大きくなるように設定されている。な
お、L1 とL2 との関係は、L2 =L1 〜2L1 の範囲
に設定されている。
【0051】また、外シース2及び内シース3の基端部
側外周面にはそれぞれ図5(B)に示すように中心軸方
向に伸びる直線状の指標41e及び42dが設けられて
いる。ここで、外シース2に対して内シース3が軸回り
方向に回転したときに、図5(B)に示すように開口部
41cの周辺部位の外刃41dの中心軸と、V字状の内
刃42cの中心軸とが合致した状態で一致する位置にこ
れらの指標41e及び42dが配置されている。なお、
その他の構成は、第1の実施の形態と同じなので、第1
の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここで
はその説明を省略する。
【0052】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の吸引生検具1の使用時には、まず、外シ
ース2に対して内シース3を前進方向に移動させる。こ
のとき、図5(B)に示すようにV字状の内刃42cに
より外刃41dの開口部41cを塞ぐ位置まで内シース
3を前進させた状態にセットする。
【0053】この状態で、鈍なる半球状の先端部材41
bにより生体(人体)Hの管腔H1の開口部H2 を拡張
しながら挿入し、第1の実施の形態と同様に、外シース
2の先端部材41bを患部H3 まで進達させる。
【0054】続いて、内シース3を手元側に引き、外シ
ース2の先端部材41bの開口部41cを開く。この状
態で、先端部材41bの開口部41cを通して光学視管
16により患部H3 を観察しながら吸引をかける。これ
により、患部H3 が外シース2の開口部41cの中に引
き込まれる。
【0055】さらに、この状態で再び内シース3を外シ
ース2に対して前進方向に押し込む。このとき、図5
(B)に示すようにV字状の内刃42cは中空半球状の
先端部材41bの内面形状に沿って円弧状に弾性変形し
ながら先端部材41bの開口部41cを塞ぐ位置まで移
動される。
【0056】そして、外シース2の開口部41cの中に
引き込まれた患部H3 はこの内シース3の前進移動中、
先端部材41bの開口部41cの周辺の鋭利な外刃41
dと、内シース3の先端の鋭利なV字状の内刃42cと
によって切除され、外シース2内に収められる。
【0057】また、内シース3を外シース2に対して前
進方向に押し込む際に、外シース2の指標41eと、内
シース3の指標42dとを一致させた状態で、内シース
3を外シース2に対して前後方向に進退させることによ
り、先端部材41bの開口部41cに対してV字状の内
刃42cが中心軸の軸回り方向に位置ずれすることを防
止できる。
【0058】そこで、上記構成のものにあっては吸引生
検具1の使用時には内シース3の内部に挿入された光学
視管16の直視下で患部H3 を正確に観察しながら外シ
ース2内に患部H3 の生体組織を吸引し、この状態で、
内シース3を前進移動させることにより、外シース2の
開口部41cの周縁の外刃41dと内シース3のV字状
の内刃42cとによって患部H3 の生体組織を切除し
て、生検を行なうことができる。そのため、第1の実施
の形態と同様に細径な管腔H1 内においても内視鏡であ
る光学視管16の直視下で患部H3 を正確に観察し、生
検を行うことができる。
【0059】また、光学視管16の直視下で患部H3
正確に観察しながら吸引用のシリンジ11の操作によっ
て吸引をかけることで、病理診断するに十分な量の生検
を一回にして行える。そのため、生検手技がそれだけ簡
易になり、術者・患者の負担も軽減できる。
【0060】さらに、本実施の形態では内シース3のV
字状の内刃42cの幅寸法が大きく形成されているため
に力を伝達しやすく、筋腫等のように生体組織が多少硬
くても確実に患部H3 の生体組織を切除できる効果があ
る。
【0061】また、図7(A),(B)は本発明の第4
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第3
の実施の形態(図5(A),(B)および図6参照)の
吸引生検具1の構成を次の通り変更したものである。
【0062】すなわち、本実施の形態では外シース2の
内周面に全長に渡って中心軸方向に沿って幅寸法がWの
キー溝51が形成されている。さらに、内シース3の円
筒部42aの外周面には、同じく全長に渡って中心軸方
向に沿ってキー溝51の幅寸法Wとほぼ同寸法の帯状凸
部52が突設されている。
【0063】ここで、キー溝51と帯状凸部52との位
置関係は、外シース2に対して内シース3が軸回り方向
に回転したときに、図7(A)に示すように開口部41
cの周辺部位の外刃41dの中心軸と、V字状の内刃4
2cの中心軸とが合致した状態で一致する位置にキー溝
51と帯状凸部52とがそれぞれ配置されている。な
お、その他の構成は、第3の実施の形態と同じなので、
第3の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してこ
こではその説明を省略する。
【0064】そして、本実施の形態では外シース2内に
内シース3を挿入させて装着する際に、内シース3の帯
状凸部52を、外シース2のキー溝51に嵌め合わせる
ように位置決めした状態で挿入する。これにより、外シ
ース2の開口部41cの周辺部位の外刃41dと、内シ
ース3のV字状の内刃42cとの中心軸の軸回り方向の
ずれはないので、常に一致した状態が保持されたまま内
シース3を前後方向に進退移動させることができる。そ
のため、確実に患部H3 の生体組織を切除できる効果が
ある。
【0065】そこで、上記構成のものにあっても第3の
実施の形態と同様に吸引生検具1の使用時には内シース
3の内部に挿入された光学視管16の直視下で患部H3
を正確に観察しながら外シース2内に患部H3 の生体組
織を吸引し、この状態で、内シース3を前進移動させる
ことにより、外シース2の開口部41cの周縁の外刃4
1dと内シース3のV字状の内刃42cとによって患部
3 の生体組織を切除して、生検を行なうことができ
る。そのため、細径な管腔H1 内においても内視鏡であ
る光学視管16の直視下で患部H3 を正確に観察し、生
検を行うことができる。
【0066】また、光学視管16の直視下で患部H3
正確に観察しながら吸引用のシリンジ11の操作によっ
て吸引をかけることで、病理診断するに十分な量の生検
を一回にして行える。そのため、生検手技がそれだけ簡
易になり、術者・患者の負担も軽減できる。
【0067】さらに、本実施の形態では特に術者が格別
に留意しなくても外シース2の開口部41cの周辺部位
の外刃41dと、内シース3のV字状の内刃42cとの
中心軸の軸回り方向のずれはないので、術中に外シース
2の外刃41dと、内シース3の内刃42cとの位置合
わせを気にする必要もなく、生検がスムーズに行える効
果がある。
【0068】また、図8および図9は本発明の第5の実
施の形態を示すものである。本実施の形態は、第3の実
施の形態(図5(A),(B)および図6参照)の吸引
生検具1の構成を次の通り変更したものである。
【0069】すなわち、本実施の形態では外シース2の
円筒状のシース本体41aの先端部外周面に図9に示す
ように長さがL3 の長円形の開口部61が形成されてい
る。この長円形の開口部61の周辺部位には鋭利な外刃
62が成形されている。そして、本実施の形態の外シー
ス2の先端部材41bには第3の実施の形態の長円形の
開口部41cが設けられていない点が第3の実施の形態
と異なる。なお、本実施の形態の外シース2の先端部材
41bは透明な材料で形成される構成にしてもよい。
【0070】さらに、本実施の形態の外シース2の長円
形の開口部61の長さL3 と、内シース3の先端のV字
状の内刃42cの長さL4 との関係は、L4 ≧L3 に設
定されている。なお、その他の構成は、第3の実施の形
態と同じなので、第3の実施の形態と同一部分には同一
の符号を付してここではその説明を省略する。
【0071】そして、本実施の形態では生体Hの管腔H
1 の内壁面に発症した患部H6 を外シース2の外周面の
開口部61を通して光学視管16の視野内に捉えた状態
にて吸引をかけ、図9に示すように患部H6 を外シース
2の外周面の開口部61の中に引き込む。
【0072】さらに、このように光学視管16で患部H
6 を観察しながら吸引をかけた状態で内シース3を外シ
ース2に対して前進方向に押し込む。このとき、図8に
示すように内シース3の先端の鋭利なV字状の内刃42
cと、外シース2の開口部61の周辺の鋭利な外刃62
とによって患部H6 の茎部が切除される。そして、内シ
ース3の先端の内刃42cによって外シース2の開口部
61を塞ぐ位置まで内シース3が前進されることによ
り、切除された患部H6 が外シース2内に収められる。
【0073】そこで、上記構成のものにあっても第3の
実施の形態と同様に吸引生検具1の使用時には内シース
3の内部に挿入された光学視管16の直視下で患部H6
を正確に観察しながら外シース2の開口部61内に患部
6 の生体組織を吸引し、この状態で、内シース3を前
進移動させることにより、外シース2の開口部61の周
縁の外刃62と内シース3のV字状の内刃42cとによ
って患部H6 の生体組織を切除して、生検を行なうこと
ができる。そのため、細径な管腔H1 内においても内視
鏡である光学視管16の直視下で患部H6 を正確に観察
し、生検を行うことができる。
【0074】また、光学視管16の直視下で患部H6
正確に観察しながら吸引用のシリンジ11の操作によっ
て吸引をかけることで、病理診断するに十分な量の生検
を一回にして行える。そのため、生検手技がそれだけ簡
易になり、術者・患者の負担も軽減できる。
【0075】さらに、本実施の形態では特に外シース2
の円筒状のシース本体41aの先端部外周面に長円形の
開口部61を形成したので、生体Hの管腔H1 の内壁面
に発症した筋腫などの病変部位の患部H6 に対しても吸
引生検が可能となる。
【0076】なお、本実施の形態で用いる光学視管16
としては、直視型のものでも良いが、斜視型のものを用
いた場合には生体Hの管腔H1 の内壁面に発症した筋腫
などの病変部位の患部H6 がさらに確実に観察できる効
果がある。
【0077】また、図10は内視鏡71の要部構成を示
すものである。図10の内視鏡71には細長い軟性挿入
部72の基端部に手元側操作部73が連結されている。
さらに、操作部73と軟性挿入部72との移行部には、
この移行部での挿入部72の折れを防ぐ折れ止め用のゴ
ムブーツ74が設けられている。
【0078】ここで、操作部73の内部には図11に示
すように本体部75が配設されている。この本体部75
における挿入部72との連結端部側の外周面には雄ねじ
部75aが形成されている。そして、この本体部75は
雄ねじ部75aに螺挿される口金77によってケーシン
グ76と結合されている。
【0079】さらに、軟性挿入部72の基端部には挿入
部口金78が固定されている。この挿入部口金78の外
周面には雄ねじ部78aが形成されている。そして、こ
の挿入部口金78の雄ねじ部78aに口金79を螺合す
ることで軟性挿入部72の挿入部口金78が操作部73
の本体部75と結合されている。
【0080】また、ゴムブーツ74の基端部内周面には
締結部材80が固定されている。この締結部材80の基
端部内周面にはねじ穴80aが形成されている。そし
て、締結部材80のねじ穴80aと本体部75の雄ねじ
部75aとを螺合させることで、ゴムブーツ74の端面
を操作部73のケーシング76に当接させた状態で、こ
のゴムブーツ74が操作部73側に固定されている。
【0081】さらに、ケーシング76におけるゴムブー
ツ74との接合端面には、円環状の突起81が突設され
ている。そして、ゴムブーツ74の端面に対してこのケ
ーシング76の突起81が円環状に押圧され、水密なシ
ール構造になっている。
【0082】そこで、上記構成のものにあってはケーシ
ング76とゴムブーツ74との接合端面ではケーシング
76の円環状の突起81がゴムブーツ74の端面に円環
状に押圧されて水密にシールされ、パッキンの役目を果
たすので、汚水が操作部73と軟性挿入部72との移行
部にかかった時に、ゴムブーツ74の内部に汚水が入る
ことを防ぐことができる効果がある。
【0083】なお、挿入部72とゴムブーツ74との間
に汚水が浸入することを防ぐ技術として、特開平5−2
28097号公報がある。これは、図13(A)に示す
通り、ゴムブーツ74の基端側外表面と操作部73のケ
ーシング76の内周面との間にOリング91を介設した
り、或いは図13(B)に示す通り、ゴムブーツ74の
基端側外表面と操作部73のケーシング76の内周面と
の間にゴムブーツ74の突起92を圧接させることによ
り、挿入部72とゴムブーツ74との間に汚水が浸入す
ることを防ぐ構成にしたものである。しかしながら、こ
の場合には毛細管現象によって、ゴムブーツ74の基端
側外表面と操作部73のケーシング76の内周面との間
に汚水wが入り込んで洗滌しにくい問題がある。
【0084】これに対して、上述した図11の内視鏡7
1のシール構造では操作部73のケーシング76とゴム
ブーツ74との間に汚水が入らなくなったので、確実に
洗滌できるようになった。さらに、汚水が入らないと同
時に、消毒液が確実にすすぎ落とせることから、患者へ
の予期せぬ消毒液の接触や、消毒液の長時間の滞留によ
る内視鏡部材の劣化が無い。
【0085】また、図12は図10の内視鏡71の変形
例を示すものである。すなわち、図10の内視鏡71で
は操作部73のケーシング76におけるゴムブーツ74
との接合端面に突起81を突設した構成を示したが、本
変形例では逆にゴムブーツ74における操作部73のケ
ーシング76との接合端面に突起81を突設したもので
ある。
【0086】そして、この場合にはケーシング76とゴ
ムブーツ74との接合端面ではゴムブーツ74の円環状
の突起81がケーシング76の端面に円環状に押圧され
て水密にシールされ、パッキンの役目を果たすので、汚
水が操作部73と軟性挿入部72との移行部にかかった
時に、ゴムブーツ74の内部に汚水が入ることを防ぐこ
とができる効果がある。
【0087】さらに、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他
の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 外シースと、該外シース内に配設された
先端に刃を有していて該外シースに対し軸方向に相対移
動可能な内シースと、該外シースとの該内シースとの間
に配設され気密状態を確保できる樹脂部材と、該外シー
スと該内シースの少なくとも一方の基端側に設けられた
吸引口金とから成り、生体組織を該外シース内に吸引し
た状態で、該内シースを移動させることにより生検を行
う吸引生検具において、該内シースの基端側に気密手段
を介して内視鏡を挿入可能としたことを特徴とする内視
鏡直視下吸引生検具。
【0088】(付記項2) 付記項1において、前記気
密手段は、前記外シース基端側の開口部に設けられたシ
ール手段であることを特徴とする内視鏡直視下吸引生検
具。 (付記項3) 付記項2において、前記シール手段は、
パッキンからなることを特徴とする内視鏡直視下吸引生
検具。
【0089】(付記項1〜3の従来技術) 組織を採取
する方法としては、円筒状の外套シース内に病変部位の
組織を導き、シース内に入り込んできた組織を切除する
手技が、一般的に知られている。具体的な方法として
は、実公昭50−17277号公報に示されるように、
組織採取具を内視鏡のチャンネル等に挿入して使用し、
鋭利に成形された組織採取筒の先端部を組織に食い込ま
せて切除し、一対の掴み刃を組織採取筒に沿って前後動
させると、掴み刃が開閉し組織を把持できる方式があ
る。また、特願平8−301907号では、外套シール
側面に開口部を設け、組織に押し当てながら吸引をかけ
てシース内を陰圧にすることで、組織をシース内に引き
込み、カッター部材をシースに沿って滑らせて組織を切
除する方式も示されている。
【0090】(付記項1〜3が解決しようとする課題)
実公昭50−17277号公報で示されているような
組織採取具は、内視鏡の鉗子チャンネル等の中に挿通し
て使用されることを意図して設計されている。そのた
め、採取具の外径には制限があり、確定診断するに十分
な生検量が得られない、という欠点がある。生検量を増
やすためには採取具の外径を大きくするほかなく、それ
に伴い処置具を内視鏡自体の外径も大きくする必要があ
り、患者の苦痛・侵襲が、増大する。特願平8−301
907号で示されているような生検具では、上記発明の
欠点に鑑みて、病変部をシース内に吸引することにより
病変の深層部まで切除することで生検量を増し、診断能
を上げるという手段が提案されている。しかし、特願平
8−301907号で示されている生検具も、内視鏡の
鉗子チャンネル等の中に挿通して使用するという点で
は、上記の従来技術実公昭50−17277号公報と何
ら変わりなく、組織を吸引する分生検量が増えると言え
どもその生検量には限界がある。また、適用によって、
この生検具を乳管など内径が0.4mm程度、拡張時で
も1〜2mm程度の細径な管腔内に使用する症例がある
が、この場合においては、まず内視鏡で管腔内を一度観
察した後に内視鏡を抜去してから、管腔に盲目的に生検
具を挿入せざるを得なくなる。その結果として、管腔内
での穿孔といった危険性、あるいは、生検部位を正確に
特定できず複数回の生検を試みなくてはならない、とい
った煩雑性の問題が生じる。
【0091】(付記項1〜3の目的) 本発明は、上述
の従来技術の問題点に鑑みて、内視鏡直視下で確実に十
分な量の組織標本を一回で回収できる吸引生検具を提供
することを目的とする。
【0092】(付記項1〜3の課題を解決するための手
段) この発明は上記目的を達成するためになされたも
ので、その要旨は、外シースと、該外シース内に配設さ
れ先端に刃を有していて該外シースに対し軸方向に相対
移動可能な内シースと、該外シースと該内シースとの間
に配設され気密状態を確保できる樹脂部材と、該外シー
スと該内シースの少なくとも一方の基端側に設けられた
吸引口金とから成り、生体組織を該外シース内に吸引し
た状態で、該内シースを移動させることにより生検を行
う吸引生検具において、該内シースの基端側に気密状態
で内視鏡が挿入可能な開口部を設けたことを特徴とす
る。
【0093】(付記項1〜3の作用) 外シース内に病
変部組織を吸引し、外シースに対して内シースを相対移
動させると内シース先端の刃により組織生検が行えて、
このとき内シースの中に挿入された内視鏡により直視下
にて安全かつ確実に十分な量の生検が可能となる。
【0094】(付記項1〜3の効果) 以上説明したよ
うに、この発明によれば、細径管腔内においても内視鏡
直視下で患部を正確に特定した上で吸引をかけること
で、観察しながら正確、かつ病理診断するに十分な量の
生検を一回にして行えるため生検手技がそれだけ簡易に
なり、術者・患者の負担も軽減できる。
【0095】(付記項4) 軟性挿入部と操作部との移
行部に、弾性部材からなるゴムブーツを設けた内視鏡に
おいて、操作部ケーシングの端面とゴムブーツ端面との
間に、全周に水密手段を設けたことを特徴とする内視
鏡。
【0096】(付記項5) 付記項4において、水密手
段は、操作部ケーシング端面に設けた全周状の突起が、
ゴムブーツ端面に食い込むことによって構成されること
を特徴とする内視鏡。
【0097】(付記項6) 付記項4において、水密手
段は、ゴムブーツ端面に設けた全周状の突起が、操作部
ケーシング端面に食い込むことによって構成されること
を特徴とする内視鏡。
【0098】(付記項4〜6の従来技術) 挿入部とゴ
ムブーツとの間に汚水が浸入するのを防ぐ技術として、
特開平5−228097号公報があった。 (付記項4〜6が解決しようとする課題) しかし、図
13(A),(B)に示す通り、毛細管現象によって、
ゴムブーツの基端側外表面と操作部のケーシング内周面
との間に汚水が入り込んで洗滌しにくいという問題があ
った。
【0099】(付記項4〜6の目的) 上記の空間に汚
水が入り込むのを防止し、洗滌しやすい内視鏡を実現す
る。 (付記項4〜6の効果) 操作部のケーシングとゴムブ
ーツとの間に汚水が入らなくなったので、確実に洗滌で
きるようになった。汚水が入らないと同時に、消毒液が
確実にすすぎ落とせることから、患者への予期せぬ消毒
液の接触や、消毒液の長時間の滞留による内視鏡部材の
劣化が無い。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば外シース内に生体組織を
吸引した状態で、外シースと内シースとの相対移動によ
り生体組織を切除し、生検を行なうようにしたので、内
視鏡による直視下で確実に十分な量の生体組織の標本を
一回の生検作業で回収でき、作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の吸引生検具全体
の概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態の吸引生検具の要部構成を
示す縦断面図。
【図3】 (A)は第1の実施の形態の吸引生検具によ
る生体組織の吸引状態を示す要部の縦断面図、(B)は
第1の実施の形態の吸引生検具による生体組織の切除状
態を示す要部の縦断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の吸引生検具全体
の概略構成図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示すもので、
(A)は吸引生検具の一部を破断して示した要部の斜視
図、(B)は吸引生検具による生体組織の切除状態を示
す要部の斜視図。
【図6】 第3の実施の形態の吸引生検具の要部の縦断
面図。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、
(A)は吸引生検具の一部を破断して示した要部の斜視
図、(B)は吸引生検具の要部の横断面図。
【図8】 本発明の第5の実施の形態の吸引生検具の一
部を破断して示した要部の斜視図。
【図9】 第5の実施の形態の吸引生検具による生体組
織の吸引状態を示す要部の縦断面図。
【図10】 内視鏡の手元側操作部を示す側面図。
【図11】 図10のA部分を拡大して示す縦断面図。
【図12】 図11の内視鏡の手元側操作部の変形例を
示す縦断面図。
【図13】 (A)は従来の内視鏡の手元側操作部の要
部の縦断面図、(B)は(A)とは別の従来の内視鏡の
手元側操作部の要部の縦断面図。
【符号の説明】
2 外シース 3 内シース 11 シリンジ(吸引手段) 12 先端刃部 13 Oリング(シール手段) 15 ゴムキャップ(内視鏡保持手段) 16 光学視管(内視鏡)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外シースと、 先端部に刃を有し、前記外シース内に前記外シースに対
    して軸方向に相対移動可能に配設された内シースと、 前記外シースと前記内シースとの間の気密状態を確保す
    るシール手段と、 前記外シースと前記内シースとの間及び前記内シース内
    側の気密空間内を吸引する吸引手段と、 前記内シースの基端部側に配設され、前記内シースの内
    部に挿入される内視鏡を気密状態で保持する内視鏡保持
    手段と、 前記外シース内に生体組織を吸引した状態で、前記外シ
    ースと前記内シースとの相対移動により生体組織を切除
    し、生検を行なう生検手段とを具備したことを特徴とす
    る吸引生検具。
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