JPH1112060A - セメント系製品の製造方法 - Google Patents

セメント系製品の製造方法

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JPH1112060A
JPH1112060A JP16401497A JP16401497A JPH1112060A JP H1112060 A JPH1112060 A JP H1112060A JP 16401497 A JP16401497 A JP 16401497A JP 16401497 A JP16401497 A JP 16401497A JP H1112060 A JPH1112060 A JP H1112060A
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cement
curing
steam
pressure
time
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JP16401497A
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English (en)
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Tomohiro Nitta
智博 新田
Shiyuu Miyakoshi
執 宮越
Akihiko Kodama
明彦 児玉
Jun Mitani
潤 美谷
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TEIHIYUU KK
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
TEIHIYUU KK
Chichibu Onoda Cement Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/02Selection of the hardening environment
    • C04B40/024Steam hardening, e.g. in an autoclave

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流し込みによるコンクリート製品において、
高品質を保ちつつ、生産性が高いコンクリート製品の製
造方法を提供することである。 【解決手段】 セメントを含むセメント系製品の材料を
型枠内に流し込む工程と、前記型枠に流し込まれたもの
を蒸気養生する養生工程とを具備してなり、養生工程時
において型枠には蓋がされていて、流し込まれたものが
3軸拘束状態にあるセメント系製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にコンクリート
製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンクリート製品の製造は、型枠
内にセメント、骨材、水などの所定の材料を流し込み、
その後、蒸気養生を行うのが一般的である。尚、これま
での蒸気養生の条件は、一般的には、前置き時間が3時
間以上、蒸気養生に際しての昇温速度が10〜15℃/
時間程度、最高温度が60〜70℃程度、最高温度での
保持時間が3〜5時間程度であり、打設から脱型に至る
までの時間は約半日である。
【0003】この製造工程において、時間的な割合は蒸
気養生がその大半を占めている。従って、蒸気養生に要
する時間を短縮できれば、生産性が向上する。このよう
な観点から、蒸気養生の為の前置き時間の短縮、蒸気養
生に際しての昇温速度を大きくする、最高温度を高める
等が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前置き時間の
短縮、蒸気養生に際しての昇温速度や最高温度を高める
ことは、無理な蒸気養生を強いることになり、コンクリ
ート製品の品質低下をもたらしている。因みに、前置き
時間の短縮、蒸気養生に際しての昇温速度や最高温度を
高め、無理な蒸気養生を強いると、所謂、「ふけ」が発
生し、強度が低下している。
【0005】すなわち、現在、コンクリート製品の製造
に際して、蒸気養生時間の短縮を図り、生産性の向上を
図ろうとすると、コンクリート製品の品質低下を招き、
逆に、コンクリート製品の品質を第1にすると、生産性
が悪い。従って、本発明が解決しようとする課題は、流
し込みによるコンクリート製品において、高品質を保ち
つつ、生産性が高いコンクリート製品の製造方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、セメント
を含むセメント系製品の材料を型枠内に流し込む工程
と、前記型枠に流し込まれたものを蒸気養生する養生工
程とを具備してなり、養生工程時において型枠には蓋が
されていて、流し込まれたものが3軸拘束状態にあるこ
とを特徴とするセメント系製品の製造方法によって解決
される。
【0007】特に、セメントを含むセメント系製品の材
料を型枠内に流し込む工程と、前記型枠に流し込まれた
ものを蒸気養生する養生工程とを具備してなり、養生開
始前の段階において、型枠に蓋がされ、かつ、加圧され
てなり、その時の加圧力が0.01〜1N/mm2 であ
ることを特徴とするセメント系製品の製造方法によって
解決される。
【0008】すなわち、蒸気養生前から型枠内に流し込
まれている材料が3軸拘束状態にあり、加圧状態に置か
れていると、厳しい条件での蒸気養生を行っても、高品
質なものが得られた。そして、厳しい条件での蒸気養生
を行うことによって、生産性が高まった。尚、養生開始
前の段階において型枠内に流し込まれたものに対して加
圧が行われ、その時の加圧力が0.01〜1N/m
2 、特に0.1〜0.8N/mm2であるのが一層好
ましい。更には、養生開始前の段階において型枠内に流
し込まれたものに作用している圧力が0.01〜1N/
mm2 、特に0.1〜0.8N/mm2 であるよう加圧
されてなり、蒸気養生開始の時点において作用している
圧力(内部圧力)は前記加圧時の圧力より低下してお
り、この低下した圧力(内部圧力)が0.001〜0.
1N/mm2 、特に0.01〜0.1N/mm2 の範囲
内にあるのが一層好ましい。更には、養生開始前の段階
において型枠内に流し込まれたものに作用している圧力
が0.01〜1N/mm2 、特に0.1〜0.8N/m
2 であるよう加圧されてなり、蒸気養生開始の時点に
おいて作用している圧力(内部圧力)は前記加圧時の圧
力より低下しており、この低下した圧力(内部圧力)が
0.001〜0.1N/mm2 、特に0.01〜0.1
N/mm2 の範囲内にあり、その後蒸気養生が進むにつ
れて作用している圧力(内部圧力)は前記低下した圧力
(内部圧力)よりも増加し、この後、蒸気養生が進むに
つれて作用している圧力(内部圧力)は、再度、低下し
ているようになるのが好ましい。すなわち、蒸気養生に
際しての加圧条件をこのように設定しておくことによっ
て、より高品質な製品が生産性良く得られる。
【0009】蒸気養生条件は、その昇温速度が15℃/
時間以上、特に20〜30℃/時間である。或いは、最
初から養生室内が蒸気養生に際しての最高温度に設定さ
れている。養生に際しての最高温度は50〜100℃、
更には60〜100℃である。より好ましい下限温度は
75℃、更には80℃である。より好ましい上限温度は
90℃である。養生の為の前置き時間は0〜5時間であ
る。このようにすることにより、高品質な製品が生産性
良く得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセメント系製品の製造方
法は、セメントを含むセメント系製品の材料を型枠内に
流し込む工程と、前記型枠に流し込まれたものを蒸気養
生する養生工程とを具備してなり、養生工程時において
型枠には蓋がされていて、流し込まれたものが3軸拘束
状態にある。特に、セメントを含むセメント系製品の材
料を型枠内に流し込む工程と、前記型枠に流し込まれた
ものを蒸気養生する養生工程とを具備してなり、養生開
始前の段階において、型枠に蓋がされ、かつ、加圧され
てなり、その時の加圧力が0.01〜1N/mm2 、特
に0.1〜0.8N/mm2 である。更には、養生開始
前の段階において型枠内に流し込まれたものに作用して
いる圧力が0.01〜1N/mm2 、特に0.1〜0.
8N/mm2 であるよう加圧されてなり、蒸気養生開始
の時点において作用している圧力(内部圧力)は前記加
圧時の圧力より低下しており、この低下した圧力(内部
圧力)が0.001〜0.1N/mm2 、特に0.01
〜0.1N/mm2 の範囲内にある。更には、養生開始
前の段階において型枠内に流し込まれたものに作用して
いる圧力が0.01〜1N/mm2 、特に0.1〜0.
8N/mm2 であるよう加圧されてなり、蒸気養生開始
の時点において作用している圧力(内部圧力)は前記加
圧時の圧力より低下しており、この低下した圧力(内部
圧力)が0.001〜0.1N/mm2 、特に0.01
〜0.1N/mm2 の範囲内にあり、その後蒸気養生が
進むにつれて作用している圧力(内部圧力)は前記低下
した圧力(内部圧力)よりも増加し、この後、蒸気養生
が進むにつれて作用している圧力(内部圧力)は、再
度、低下しているようになる。蒸気養生条件は、その昇
温速度が15℃/時間以上、特に20〜30℃/時間で
ある。或いは、最初から養生室内が蒸気養生に際しての
最高温度に設定されている。養生に際しての最高温度は
50〜100℃、更には60〜100℃である。より好
ましい下限温度は75℃、更には80℃である。より好
ましい上限温度は90℃である。養生の為の前置き時間
は0〜5時間である。
【0011】以下、更に詳しく説明する。本発明はセメ
ント系製品、特にコンクリート製品を対象とする。従っ
て、セメントを必須材料とする。セメントは如何なるも
のでも良い。例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、耐
硫酸塩などの各種ポルトランドセメントが用いられる。
勿論、これらに限られない。又、水も用いられる。又、
骨材も使用される。骨材は、目的とする製品によって適
宜選択される。その他、減水剤なども適宜用いられる。
【0012】以下に、その一実施形態を示す。用いた普
通ポルトランドセメントは、比重が3.16、ブレーン
値が3330cm2 /g、凝結の始発が2時間22分、
終結が3時間19分、圧縮強さが材齢3日で15.8N
/mm2 、7日で26.0N/mm2 、28日で42.
2N/mm2 を示すものである。
【0013】粗骨材は、茨城県岩瀬町産6号砕石で、そ
の表乾比重は2.64、吸水率(%)は0.38、粗粒
率(FM)は5.97である。15メッシュの篩を通過
したものが100%、10メッシュの篩を通過したもの
が99%、5メッシュの篩を通過したものが4%、2.
5メッシュの篩を通過したものが0%である。細骨材
は、静岡県小笠町産の陸砂で、その表乾比重は2.6
0、吸水率(%)は1.45、粗粒率(FM)は2.7
2である。10メッシュの篩を通過したものが100
%、5メッシュの篩を通過したものが98%、2.5メ
ッシュの篩を通過したものが86%、1.2メッシュの
篩を通過したものが64%、0.6メッシュの篩を通過
したものが43%、0.3メッシュの篩を通過したもの
が28%、0.15メッシュの篩を通過したものが9%
である。
【0014】又、コンクリート用化学混和剤としてアル
キルカルボン酸化合物系AE剤を用いた。配合は下記の
表−1,表−2に示す通りである。 表−1 配合No 骨材最大寸法 目標スランプ値 目標空気量 W/C 細骨材率 (mm) (cm) (%) (%) (%) 1 10 4.0 4.0 45.0 55.0 2 10 0.0 4.0 45.0 55.0 3 10 8.0 4.0 45.0 55.0 4 10 4.0 2.0 45.0 55.0 5 10 4.0 6.0 45.0 55.0 表−2 配合No 単 位 量(kg/m3 W C S G AD 1 180 400 934 776 1.20 2 163 362 976 768 1.16 3 190 422 910 756 1.16 4 185 411 951 790 1.23 5 173 384 923 767 1.15 *W=水 C=セメント S=細骨材 G=粗骨材 AD=化学混和剤 上記表−1,表−2に示す配合の材料を上部が開放され
た型枠内に流し込み、そして蒸気養生を行った。この
時、図1に示す装置を用いた。すなわち、十分な剛性を
有する型枠内にテーブルバイブレータを用いて材料を均
一に注型し、この型枠を図1の装置にセットし、加圧力
に対して変形が生じないよう補強した鉄板を加圧板
(蓋)として型枠の上部開口面の上に載せ(閉蓋し)、
ロードセルで確認しながら油圧ジャッキで所定の加圧力
を加圧板(蓋)に掛ける。この後、供試体がその形状を
保つようボルトで固定し、蒸気養生を行う。この蒸気養
生条件が表−3に示される。
【0015】 表−3 養生No 前置き時間(hr) 昇温速度(℃/min) 最高温度(℃) 保持時間(hr) 1 0 6 75 3 2 1 6 75 3 3 3 6 75 3 4 0 6 60 3 5 0 6 90 3 300mm×600mm×60mmの平板となる供試体
の中央部に土圧計(2n/mm2 −φ50×11.
t )及び熱電対を埋設しておき、養生時間の経過によ
る供試体中央部における圧力変化および温度変化をデジ
タル式静歪測定器によって計測した。その結果を、図2
に示す。縦軸には供試体中央部における圧力および温度
を、横軸に時間を示す。
【0016】これによれば、加圧時は、成形装置のロー
ドセルが示す値よりも若干低い圧力が供試体内部に発生
し(例えば、ロードセルが0.2N/mm2 を示す加圧
力を作用させた時、土圧計が示す内部圧力は0.1 N
/mm2 であった。)、蒸気養生開始時(加圧開始から
約10分)には、自由水の脱水に伴って内部圧力は0.
01〜0.05N/mm2 まで減少した。しかし、コン
クリート温度の上昇に伴い、加圧なしのものを除いて
(型枠の開口面に蓋がされていないものを除いて)、蒸
気養生中、供試体は3軸拘束状態にある為、再度、内部
圧力が大きく増加し、養生開始から約80分後に内部圧
力は0.14〜0.18N/mm2 とピークを有するも
のとなる。そして、この後、コンクリートの硬化が進む
ことに起因すると考えられるが、内部圧力は減少する。
【0017】すなわち、定性的には、養生開始前の時点
において、一度、高い内部圧力を示し、この後、養生開
始時に至るまで内部圧力は減少し、この後、養生が進む
につれて内部圧力は増加し、この後、再度、内部圧力は
減少するパターンを示す。特に、養生開始前の時点にお
いて、一度、0.05〜1N/mm2 の内部圧力を示
し、この後、養生開始時において内部圧力が0.01〜
0.05N/mm2 を示すように減少し、この後、養生
が進むにつれて内部圧力は増加し、約80分前後の時点
で内部圧力が0.14〜0.18N/mm2 を示すピー
クを迎え、この後、再度、内部圧力は減少するパターン
を示している。
【0018】これに対して、型枠の開口面が閉蓋されて
おらず、加圧なしのものは、当然、養生開始時において
圧力は認められず、この後、養生の進行につれて内部圧
力は増加の一途を辿っており、加圧ありの場合と全く異
なる挙動を示している。次に、JIS A 1106
「コンクリートの曲げ強度試験方法」、及びJIS A
1114「はりの切片によるコンクリートの圧縮強度
試験方法」に準じて曲げ強度試験、及び圧縮強度試験を
行った。その結果を、図3以下に示す。
【0019】図3は、加圧力(ロードセルが示す圧力)
と曲げ強度との関係を示すグラフであり、縦軸に材齢1
日の曲げ強度、横軸に加圧力をとった。図2中の数値
は、加圧力が0.2N/mm2 の強度を100とした指
数である。加圧なしのものは、0.2N/mm2 の加圧
の場合に比べて、曲げ強度が64%程度である。加圧力
が0.8N/mm2 の場合には、0.2N/mm2 の加
圧の場合に比べて、曲げ強度が119%と増加してい
る。すなわち、加圧力の増加に伴って曲げ強度は大きく
なっている。これは、加圧によって自由水を強制的に絞
り出したこと、及び養生中のプレス効果がコンクリート
の組織を緻密にした為であると考えた。
【0020】図4は、加圧力(ロードセルが示す圧力)
が0.2N/mm2 と一定の場合におけるスランプ値
(単位水量)と曲げ強度との関係を示すグラフであり、
縦軸に材齢1日の曲げ強度、横軸にスランプ値(単位水
量)をとった。加圧有りの本発明の場合、スランプ値の
違いが強度に与える影響は小さいものと判断できる。こ
れは、単位水量の多少に関わらず、加圧によって同程度
の割合で自由水が絞り出され、水セメント比がほぼ同一
になった為であると考えた。
【0021】図5は、加圧なし、及び加圧力(ロードセ
ルが示す圧力)が0.2N/mm2の場合における空気
量と曲げ強度との関係を示すグラフであり、縦軸に材齢
1日の曲げ強度、横軸に空気量をとった。一般的に、A
Eコンクリートは、厳しい条件の蒸気養生を行うと、硬
化過程中に組織が緩み、所謂、「ふけ」の状態になる。
しかし、3軸拘束状態では、エントレインドエアーの膨
張圧力によってプレス効果が増大し、逆に、若干ながら
強度増強の傾向が認められた。
【0022】図6は、加圧力(ロードセルが示す圧力)
が0.2N/mm2 と一定の場合において、蒸気養生条
件の前置き時間によって曲げ強度が如何なる傾向を示す
かのグラフであり、縦軸に材齢1日の曲げ強度、横軸に
前置き時間をとった。従来、蒸気養生に際しては、前置
き時間を3時間は確保していた。そして、前置き時間を
短縮すると、コンクリートの品質が大幅に低下してい
た。因みに、前置き時間をとらず、かつ、3軸拘束なし
の蒸気養生を行った場合には、材齢1日の曲げ強度は
2.55N/mm2 である。しかし、3軸拘束の場合、
つまり本発明の場合、前置き時間をとらなくても、材齢
1日の曲げ強度は3.90N/mm2 であり、大幅な向
上が得られている。3軸拘束の場合、つまり本発明の場
合、前置き時間が3時間の場合には、材齢1日の曲げ強
度は4.80N/mm2 である。従って、前置き時間を
長くすることによって曲げ強度は増加するが、前置き時
間をとらなくても、そもそも、曲げ強度は大きい。この
為、前置き時間を全くとらないことも可能になる。前置
き時間をとるにしても、大幅な短縮が可能になることが
判る。
【0023】図7は、加圧力(ロードセルが示す圧力)
が0.2N/mm2 と一定の場合において、蒸気養生条
件の最高温度によって曲げ強度が如何なる傾向を示すか
のグラフであり、縦軸に材齢1日の曲げ強度、横軸に蒸
気養生時の最高温度をとった。ここでも、「ふけ」の状
態は認められず、3軸拘束の加圧条件下では、90℃と
言う高い温度条件下でも強度の増進傾向が認められた。
【0024】図8は、加圧力(ロードセルが示す圧力)
が0.2N/mm2 で成形したコンクリートの脱型時
(材料注型時から4時間後)から材齢14日までの曲げ
強度を示すものである。材齢1日の曲げ強度を100と
した場合の各材齢における強度比は、脱型時で70、材
齢14日で112となった。蒸気養生後は気中養生の
為、材齢1日から14日までの強度の増加は少ないもの
の、材料注型から4時間で3.34N/mm2 に達して
いると言うことは、型枠の回転率を向上させる大きな要
因であり、効率的な製造が可能になる。
【0025】図9は、成形後の加圧力を変化させた場合
の曲げ強度と圧縮強度を示すグラフである。尚、曲げ強
度は300mm×600mm×60mmの平板で行った
ものであるが、圧縮強度は100mm×100mm×4
00mmのはり及びはり切片を用いて行ったものであ
る。縦軸には材齢1日の曲げ強度と圧縮強度を、横軸に
は加圧力(ロードセルが示す圧力)を示す。曲げ強度と
圧縮強度とは、殆ど同様な傾向を示していることが判
る。又、これらの比率はほぼ1/7である。
【0026】以上のことから、次のことが判る。 供試体の内部圧力は、加圧後、自由水の脱水に伴っ
て減少する。しかし、供試体が3軸拘束状態にある為、
内部温度の上昇に伴って、再度、圧力は上昇する。そし
て、例えば0.1〜0.2N/mm2 程度の極大値を示
した後、再度、減少する。 0.2N/mm2 程度の比較的低い加圧力でも、加
圧しない場合に比べて、曲げ強度及び圧縮強度が大幅に
増加した。 空気量の増加に伴って曲げ強度が若干ながら増大す
る傾向が認められた。これは、通常の流し込み成形コン
クリートと異なり、3軸拘束状態にある為、蒸気養生中
にエントレインドエアーが膨張し、加圧力が供試体に作
用した為と思われる。 加圧した場合、前置き時間なしでも、かつ、蒸気養
生時の最高温度を90℃に上昇させても、加圧なしの場
合に認められた「ふけ」の状態には陥ることなく、又、
強度も高いものであった。 材料注型から4時間で約3.34N/mm2 程度の
曲げ強度のものが得られる。従って、脱型を早めること
が出来、型枠回転率を向上させることが出来、効率的な
生産が可能になる。
【0027】
【発明の効果】高強度で高品質なセメント系製品が生産
性良く得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる成形装置の概略図
【図2】供試体の内部圧力および温度の経時変化を示す
グラフ
【図3】加圧力と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図4】スランプ値と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図5】空気量と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図6】前置き時間と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図7】養生最高温度と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図8】材齢と曲げ強度との関係を示すグラフ
【図9】加圧力と曲げ強度並びに圧縮強度との関係を示
すグラフ
フロントページの続き (72)発明者 児玉 明彦 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 美谷 潤 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントを含むセメント系製品の材料を
    型枠内に流し込む工程と、 前記型枠に流し込まれたものを蒸気養生する養生工程と
    を具備してなり、 養生工程時において型枠には蓋がされていて、流し込ま
    れたものが3軸拘束状態にあることを特徴とするセメン
    ト系製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 セメントを含むセメント系製品の材料を
    型枠内に流し込む工程と、 前記型枠に流し込まれたものを蒸気養生する養生工程と
    を具備してなり、 養生開始前の段階において、型枠に蓋がされ、かつ、加
    圧されてなり、その時の加圧力が0.01〜1N/mm
    2 であることを特徴とするセメント系製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸気養生に際しての昇温速度が15℃/
    時間以上であるか、予め養生室内が蒸気養生に際しての
    最高温度に設定されていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2のセメント系製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸気養生に際しての最高温度が50〜1
    00℃であることを特徴とする請求項1〜請求項3いず
    れかのセメント系製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 養生の為の前置き時間が0〜5時間であ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかのセメ
    ント系製品の製造方法。
JP16401497A 1997-06-20 1997-06-20 セメント系製品の製造方法 Pending JPH1112060A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018001756A (ja) * 2016-06-24 2018-01-11 花王株式会社 水硬性組成物の硬化体の製造方法
CN113125686A (zh) * 2021-04-20 2021-07-16 洛阳理工学院 一种水泥膨胀性能测定方法

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