JPH11120561A - トラッキング情報以外の情報を含んだ状態の光ディスクにおける案内溝情報の記録方法及び記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスクの案内溝の記録方法と装置を提供
する。 【解決手段】 案内溝情報記録用の１本のレーザビーム
を放射させるレーザ光源２を、対物レンズ３で光ディス
クＤの記録面に集束させる。レーザビームの集束状態を
トラッキング情報以外の情報に応じてアクチュエータ４
で変化させるとともに、レーザビームをトラッキング情
報以外の情報によって光ディスクの径方向に光偏向装置
５で変位させる。それで、前記したトラッキング情報以
外の情報により、溝の片方の側壁だけを径方向に変形さ
せた渦巻状あるいは同心円状の案内溝部と非溝部とを順
次交互に配列してある光ディスクの案内溝を形成できる
ようにするための記録を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトラッキング情報以
外の情報を含んだ状態の光ディスクにおける案内溝情報
の記録方法及び記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】記録媒体に対する情報信号の高密度記録
化の要請により、近年来、色々な構成原理や動作原理に
基づいて作られた記録媒体、例えば、記録媒体における
強磁性体の記録層に情報信号に応じた磁気記録を行なっ
たり、または例えば光磁気記録媒体を用いて記録再生を
行なったり、あるいは例えば、記録媒体の信号面に、情
報信号に応じた凹凸を形成させて情報信号の記録を行な
い、前記の記録された情報信号を光学的な手段によって
再生することが既に実用化されている。

【０００３】近年来、安定な動作を行なう半導体レーザ
が、容易に得られるようになったのに伴って、レーザ光
を用いて高密度記録再生を行なうようにした各種の光学
的記録媒体（以下、光ディスクと記載されることもあ
る）が、非接触状態での記録再生が可能であることか
ら、傷や塵埃に強く、また、高密度記録により大きな記
憶容量が得られる等の利点を有するために、既に実用化
されたり、あるいは実用化のための研究開発が行なわれ
ている現状にあることは周知のとおりである。すなわ
ち、近年になって、幾何学的な凹部、あるいは凸部とし
て形成されているピットによって、情報信号が記録され
た原盤から大量に複製された記録済み光ディスク(再生
専用の光ディスク)として、例えばコンパクト・ディス
クが普及している他、書換え可能な光ディスクとして
も、例えば光磁気ディスク、相変化ディスク、その他の
光ディスクが、例えばオフィス用ファイルメモリ、その
他の用途で実用化されている。

【０００４】ところで、高密度記録が行なわれる光ディ
スク、例えば、前記した光磁気ディスク、相変化ディス
ク、その他の光ディスクでは、トラッキング情報、アド
レス情報、時間情報、線速度情報、その他の情報の内
で、必要な情報をディスクに記録しておいて、ディスク
に記録しておいた情報を記録，再生動作時に利用するこ
とにより、良好な記録再生動作が行なわれるようにして
いる。そして、ＭＤ、ＭＯ、ＰＣ等として知られている
光ディスクでは、記録動作時にもトラッキング情報が得
られるように、渦巻状あるいは同心円状の案内溝部と非
溝部とを順次交互に配列された状態のものとして構成さ
れており、また、前記した案内溝部の両側壁または片方
の側壁を、トラッキング情報以外の情報（例えば、アド
レス情報）によって変位（またはウォブリング）させ
て、案内溝の両側壁または片方の側壁が、トラッキング
情報以外の情報によって蛇行しているような状態にさせ
ることも行なわれて来ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、トラッキン
グ情報以外の情報によって案内溝部の両側壁を蛇行させ
た状態となるようにしてある光ディスクの記録再生の場
合は、前記した案内溝の側壁の蛇行状態と対応して得ら
れるべきトラッキング情報以外の情報が良好なＳ／Ｎの
信号として得難いという問題点がある。それで、案内溝
部の片方の側壁だけをトラッキング情報以外の情報によ
って蛇行させた状態にした光ディスクが着目され、従
来、例えば特開平５ー３１４５３８号公報、特開平７ー
２９６４２６号公報等に、前記のように案内溝部の片方
の側壁だけをトラッキング情報以外の情報によって蛇行
させた状態にした光ディスクの製造方法が開示されてい
る。

【０００６】しかし、前記した公知の光ディスクの製造
方法においては、蛇行溝のマスタリング工程に２本のレ
ーザビームを使用しているので、２本のレーザビームの
位置関係の事前の調節が容易でなく、また、前記した蛇
行溝のマスタリング工程中に関連する諸装置の安定性を
確保して、常に理想的な光量分布を示す状態で正しい位
置に保持することが非常に困難であり、コスト高になる
ということが問題になった。それで、前記のような問題
点を生じない光ディスクの製造方法及び装置が求められ
た。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明はトラッキング情
報以外の情報により、溝の片方の側壁だけを径方向に変
形させた渦巻状あるいは同心円状の案内溝部と非溝部と
を順次交互に配列してある光ディスクにおける案内溝情
報の記録方法であって、案内溝情報記録用の１本のレー
ザビームを、トラッキング情報以外の情報に応じて光デ
ィスクの径方向に変位させるとともに、前記のレーザビ
ームの集束状態を変化させることにより、トラッキング
情報以外の情報により溝の片方の側壁だけを径方向に変
形させた渦巻状あるいは同心円状の案内溝が得られるよ
うに、トラッキング情報以外の情報を含んだ状態の案内
溝情報を記録するようにしたトラッキング情報以外の情
報を含んだ状態の光ディスクにおける案内溝情報の記録
方法、及びトラッキング情報以外の情報により、溝の片
方の側壁だけを径方向に変形させた渦巻状あるいは同心
円状の案内溝部と非溝部とを順次交互に配列してある光
ディスクにおける案内溝情報の記録装置であって、案内
溝情報記録用の１本のレーザビームを放射させる手段
と、前記したレーザビームを光ディスクの記録面に集束
させるレーザビーム集束手段と、前記のレーザビームの
集束状態をトラッキング情報以外の情報に応じて変化さ
せる手段と、前記のレーザビームをトラッキング情報以
外の情報によって光ディスクの径方向に変位させる手段
とを備えて構成した光ディスクの案内溝情報の記録装置
を提供する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
のトラッキング情報以外の情報を含んだ状態の光ディス
クにおける案内溝情報の記録方法及び記録装置の具体的
な内容を詳細に説明する。図１は本発明のトラッキング
情報以外の情報を含んだ状態の光ディスクにおける案内
溝情報の記録方法を適用して、光ディスクにトラッキン
グ情報以外の情報（例えば、アドレス情報）を含んだ状
態の案内溝情報を記録させる記録装置の概略構成を示す
ブロック図である。図１において１は記録光学ヘッド部
であり、２はレーザ光源、３は対物レンズ、４は前記し
た対物レンズ３を図中の矢印Ｙ方向に変位させるアクチ
ュエータ（例えば、電歪型、動電型、電磁型、その他の
動作原理による電気ー機械変換器）、５は光偏向装置
（例えば、音響光学的素子による光偏向装置）である。

【０００９】前記した記録光学ヘッド部１は走査駆動部
６によって、光ディスクＤの径方向に所定の移動態様で
移動する。前記の走査駆動部６の移動態様は、制御部１
２から供給される制御信号によって定められる。光ディ
スクＤはモータ７の回転軸に取付けられているターンテ
ーブル６上に載置され、デイスククランパ９によってタ
ーンテーブル８に固着される。前記の光ディスクＤは、
光ディスクの基板上に所定の厚さのフォトレジスト層を
被着させてある。１０は前記したモータ７の回転数及び
回転位相を示す信号（光ディスクＤの回転数及び回転位
相を示す信号）を発生する信号発生器であり、また、１
１はモータ回転制御部である。前記の信号発生器１０か
ら発生されたモータ７の回転数及び回転位相を示す信号
は、モータ回転制御部１１と制御部１２とに供給されて
いる。

【００１０】前記のモータ回転制御部１１は、制御部１
２から供給される制御信号による制御の下に、前記した
信号発生器１０から供給されるモータ７の回転数及び回
転位相を示す信号を用いて、モータ７を所定の回転状態
で駆動回転させる。前記の制御部１２としては、例え
ば、マイクロプロセッサとランダムアクセスメモり（Ｒ
ＡＭ）、リードオンリーメモリ（ＲＯＭ）等を含んで構
成されているものを使用することができる。

【００１１】次に、前記した図１に示す記録装置を用い
て、光ディスクＤのフォトレジスト層に、トラッキング
情報以外の情報（例えば、アドレス情報）を含んだ状態
の案内溝情報を記録する動作について説明する。図示さ
れていない操作部（例えば、キーボードを備えている）
に記録動作の開始情報が与えられて、前記の記録動作の
開始情報が制御部１２に供給されると、制御部１２では
モータ回転制御部１１に制御信号を供給して、モータ７
がモータ回転制御部１１の制御の下に、モータ７によっ
て駆動回転される光ディスクＤは、必要とされる所定の
回転態様（ＣＬＶ，ＣＡＶ）で回転される。

【００１２】記録動作の開始前にホームポジションに同
かれていた記録光学ヘッド部１は、制御部１２から走査
駆動部６に記録動作の開始時に供給される制御信号によ
って、記録用レーザビームによる光スポットを、光ディ
スクＤにおける記録始開始位置と対応する径上に位置さ
せ得るような位置にまで移動して、その位置で待機状態
にされる。記録動作が開始されると前記した走査駆動部
６は、光ディスクＤに記録させるべき案内溝（案内溝
部）が渦巻状のものであった場合には、制御部１２から
供給される制御信号によって、その光ディスクＤに規定
されている所定の記録跡間隔（トラックピッチ）で記録
跡が形成できるような時間軸上で一定の移動速度で、光
ディスクＤの径方向に移動するような動作を行なう。

【００１３】また、光ディスクＤに記録させるべき案内
溝（案内溝部）が同心円状のものであった場合には、制
御部１２から供給される制御信号によって前記した走査
駆動部６は、その光ディスクＤに規定されている所定の
記録跡間隔（トラックピッチ）で記録跡が形成できるよ
うに時間軸上で間欠的に、光ディスクＤの径方向に移動
するような動作を行なう。レーザ光源２は、制御部１２
から供給される制御信号により、記録動作の開始時から
光ディスクＤのフォトレジスト層をレーザビームの集光
点によって必要な露光量で露光させうるような一定強度
のレーザビームの放射を開始する。

【００１４】レーザ光源２から放射したレーザビーム
は、前記したレーザ光源２に設けられているコリメータ
によって所定のビーム径のレーザビームとされている。
そして前記のレーザ光源２から射出したレーザビーム
は、光偏向装置５によって、後述されているような偏向
態様で図中の矢印Ｘ方向に偏向された後に、後述されて
いるような変位態様でアクチュエータ４により図中の矢
印Ｙ方向に変位動作を行なっている対物レンズ３によっ
て集束されて、光ディスクＤのフォトレジスト層に集光
点を生じる。

【００１５】まず、前記した光偏向装置５がレーザビー
ムに対する偏向動作を行なっておらず、また前記したア
クチュエータ４が、図示を省略してある通常の自動フォ
ーカス制御系の制御動作によって図中の矢印Ｙ方向に変
位動作を行なっている状態について考えると、前記のよ
うな状態において前記した対物レンズ３によって光ディ
スクＤのフォトレジスト層を照射する光スポットは、常
に同一の径を有している状態になっているから、その場
合に光ディスクＤのフォトレジスト層に記録される案内
溝情報は、それの縁部が蛇行していない状態のものとな
る。

【００１６】それで、前記の場合に光ディスクＤの基板
（例えば、ガラス基板）上のフォトレジスト層に対する
レーザビームの光スポットによる案内溝情報の記録動作
が終了した後に、前記したフォトレジスト層に対して現
像処理を行なうと、光ディスクＤの基板上にはフォトレ
ジスト層によって、側壁が蛇行していない状態の案内溝
部と非溝部とが順次交互に配列されているパターンのフ
ォトレジスト層が形成されることになる。そして、前記
のようなパターニングが行なわれたフォトレジスト層に
基づいて、周知の諸工程を経て作られる光ディスクの基
板は、平面図が図３の（ｃ）で示されるとともに、図３
の（ｃ）中のＢ−Ｂ線位置の断面図が図３の（ｄ）で示
される構成態様のもの、すなわち、側壁が蛇行していな
い状態の案内溝部と非溝部とが順次交互に配列されてい
る構成態様のものとなる。

【００１７】しかし、本発明のトラッキング情報以外の
情報を含んだ状態の光ディスクにおける案内溝情報の記
録方法では、案内溝情報記録用の１本のレーザビーム
を、トラッキング情報以外の情報に応じて光ディスクの
径方向に変位させるとともに、前記のレーザビームの集
束状態を変化させることにより、トラッキング情報以外
の情報により溝の片方の側壁だけを径方向に変形させた
渦巻状あるいは同心円状の案内溝が得られるようにして
いるのであり、本発明の記録方法を適用して案内溝が作
られた光ディスクの基板は、平面図が図３の（ａ）で示
されるとともに、図３の（ａ）中のＡ−Ａ線位置の断面
図が図３の（ｂ）で示される構成態様のもの、すなわ
ち、片方の側壁が蛇行している状態の案内溝部と非溝部
とが順次交互に配列されている構成態様のものとなる。

【００１８】図２は、レーザ光源２から射出した１本の
ビームを、トラッキング情報以外の情報（例えば、アド
レス情報）に応じて光ディスクの径方向（図１中の矢印
Ｙ方向）に変位させるために光偏向装置５に供給する変
位制御信号Ｓｘの振幅と、前記のレーザビームの集束状
態を変化させるために、アクチュエータ４を図１中の矢
印Ｙ方向に変位させる変位制御信号Ｓｙの振幅とを例示
している図である。図３中の横軸に示してあるＴｗは、
案内溝の側壁の蛇行の周期［トラッキング情報以外の情
報（例えば、アドレス情報）の周期］である。

【００１９】図１に示してある記録装置において、既述
のように図示されていない通常の自動フォーカス制御系
の制御動作によって、図中の矢印Ｙ方向に変位動作を行
なうアクチュエータ４に固着されている対物レンズ３
は、常に光ディスクＤのフォトレジストの記録面が対物
レンズ３の合焦面位置となるようにされている他に、制
御部１２からアクチュエータ４に供給されている変位制
御信号Ｓｙによって図１中の矢印Ｙ方向に駆動変位され
ている。それで、前記した変位制御信号Ｓｙによってア
クチュエータ４が図１中の矢印Ｙ方向に変位することに
より、前記した対物レンズ３の集束状態が時間軸上で変
化されて、対物レンズ３によって光ディスクＤに集光さ
れるレーザビームの光スポットの径は、図４の（ａ）の
ように時間軸上で変化する。

【００２０】そして、前記したレーザビームの光のスポ
ットの径の時間軸上での変化態様に応じて、光ディスク
Ｄの基板上に設けられているフォトレジスト層には、前
記したレーザビームの光のスポットの径の時間軸上での
変化態様に応じた露光が行なわれることになる。そこ
で、前記したレーザビームの光のスポットの径の時間軸
上での変化態様を、トラッキング情報以外の情報（例え
ば、アドレス情報）の時間軸上での変化態様とし、ま
た、記録動作に使用される前記したレーザビームの光強
度、及び光ディスクＤに使用されるフォトレジストの感
光特性、ならびに現像特性等が適切に設定して、前記の
露光動作が行なわれた後に現像処理を行なうと、光ディ
スクＤのフォトレジスト層は、トラッキング情報以外の
情報（例えば、アドレス情報）の時間軸上での変化態様
に従って両側壁が逆位相の状態に変位している状態で蛇
行している図４の（ｂ）に例示してあるようなパターン
のものとなる。

【００２１】前記のように、レーザビームの光のスポッ
トの径の時間軸上での変化態様を、トラッキング情報以
外の情報（例えば、アドレス情報）の時間軸上での変化
態様としてフォトレジストを露光しても、片側の側壁だ
けがトラッキング情報以外の情報（例えば、アドレス情
報）の時間軸上での変化態様に従って変位している状態
で蛇行している状態の案内溝は得られない。それで、本
発明では、レーザビームの光のスポットの径の時間軸上
での変化態様を、トラッキング情報以外の情報（例え
ば、アドレス情報）の時間軸上での変化態様としてフォ
トレジストを露光させるとともに、トラッキング情報以
外の情報（例えば、アドレス情報）の時間軸上での変化
態様に従って、光偏向装置５でレーザビームを偏向し
て、レーザビームの光のスポットの位置を、図４の
（ｃ）に例示するように光ディスクＤの径方向に変位さ
せることにより、図４の（ｄ）に示してあるように片側
の側壁だけがトラッキング情報以外の情報（例えば、ア
ドレス情報）の時間軸上での変化態様に従って変位して
いる状態で蛇行している状態の案内溝が得られるように
しているのである。前記した光偏向装置５における光偏
向動作は、制御部１２から光偏向装置５に供給される変
位制御信号Ｓｘによって行なわれる。

【００２２】ところで、光ディスクＤに渦巻状あるいは
同心円状にトラッキング情報を得るために設けられてい
る案内溝の両側壁を、トラッキング情報以外の情報（例
えば、アドレス情報）によって光ディスクの径方向に変
位（蛇行）させて、案内溝にトラッキング情報以外の情
報(例えば、アドレス情報)を含ませる際に、前記した案
内溝部や非溝部の幅が０.７４ミクロンに対して、案内
溝の側壁の変位量（蛇行量）を前記した案内溝幅の２.
７％に相当する０.０２ミクロン（０ ｔｏ ｐｅａ
ｋ）にすると、前記したトラッキング情報以外の情報
（例えば、アドレス情報）を良好に検出できることが知
られている。

【００２３】そして、光ディスクＤに渦巻状あるいは同
心円状にトラッキング情報を得るために設けられている
案内溝の片方の側壁だけを、トラッキング情報以外の情
報（例えば、アドレス情報）によって光ディスクの径方
向に変位（蛇行）させて、案内溝にトラッキング情報以
外の情報（例えば、アドレス情報）も含ませる場合に、
案内溝の両側壁を変位させた場合と同じ検出結果が得ら
れるようらするためには、案内溝の片方の側壁の変位量
（蛇行量）として、案内溝の両側壁を変位させる場合の
側壁の変位量（蛇行量）の２倍、すなわち、案内溝幅の
５.４％に相当する変位量にする必要がある。

【００２４】本発明の記録装置では、例えば直径が０.
８ミクロンのレーザビームの光のスポットを、変位制御
信号Ｓｙによってアクチュエータ４を図１中の矢印Ｙ方
向に変位することにより、前記した対物レンズ３の集束
状態を変化（デフォーカス）させて、対物レンズ３によ
って光ディスクＤに集光されるレーザビームの光スポッ
トの径を、０.０１ミクロンだけ大きくさせればよい。
今、無限光学系が使用されている場合に、対物レンズ３
として開口数（ＮＡ）が０.５のものを用いたとする
と、レーザビームの光のスポットの位置の変位量は、光
軸上で約９ｎｍとなる。前記のようにレーザビームの光
のスポットをデフォーカスさせた場合には、厳密にいう
と、フォトレジスト上における前記した光のスポットの
光量分布が変化（密度が小さく）するので、その補正の
ために、対物レンズ３の集束状態を変化（デフォーカ
ス）状態と対応させてレーザの光量を変化させるように
することは望ましい実施の態様である。また、レーザビ
ームは周知のようにガウシャン分布をしているから、レ
ーザの光量の増加に伴ってビーム径が僅かに大きくな
る。それで、前記のように対物レンズ３の集束状態を変
化（デフォーカス）状態と対応させてレーザの光量を変
化させた場合には、レーザの光量の変化を考慮に入れて
蛇行量が定められるようにすることが有効な手段である
ことはいうまでもない。

【００２５】

【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明では、案内溝情報記録用の１本のレーザ
ビームを、トラッキング情報以外の情報に応じて光ディ
スクの径方向に変位させるとともに、前記のレーザビー
ムの集束状態を変化させることにより、トラッキング情
報以外の情報により溝の片方の側壁だけを径方向に変形
させた渦巻状あるいは同心円状の案内溝が得られるよう
に、トラッキング情報以外の情報を含んだ状態の案内溝
情報を記録できるので、従来技術でトラッキング情報以
外の情報により溝の片方の側壁だけを径方向に変形させ
た渦巻状あるいは同心円状の案内溝を得るのに複数本の
レーザビームを用いていた場合における既述した問題点
を良好に解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ディスクの記録方法及び再生方法に
よって情報信号が記録，再生される本発明の光ディスク
を説明するための図である。

【図２】変位制御信号の説明図である。

【図３】光ディスクの案内溝の説明図である。

【図４】光ディスクの案内溝の説明図である。

【符号の説明】

Ｄ…光ディスク、１…記録光学ヘッド部、２…レーザ光
源、３…対物レンズ、４…対物レンズを変位させるアク
チュエータ、５…光偏向装置、６…走査駆動部、７…モ
ータ、８…ターンテーブル、９…デイスククランパ、１
０…信号発生器、１１…モータ回転制御部、１２…制御
部、

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラッキング情報以外の情報により、溝
   の片方の側壁だけを径方向に変形させた渦巻状あるいは
   同心円状の案内溝部と非溝部とを順次交互に配列してあ
   る光ディスクにおける案内溝情報の記録方法であって、
   案内溝情報記録用の１本のレーザビームを、トラッキン
   グ情報以外の情報に応じて光ディスクの径方向に変位さ
   せるとともに、前記のレーザビームの集束状態を変化さ
   せることにより、トラッキング情報以外の情報により溝
   の片方の側壁だけを径方向に変形させた渦巻状あるいは
   同心円状の案内溝が得られるように、トラッキング情報
   以外の情報を含んだ状態の案内溝情報を記録することを
   特徴とするトラッキング情報以外の情報を含んだ状態の
   光ディスクにおける案内溝情報の記録方法。
2. 【請求項２】 トラッキング情報以外の情報により、溝
   の片方の側壁だけを径方向に変形させた渦巻状あるいは
   同心円状の案内溝部と非溝部とを順次交互に配列してあ
   る光ディスクにおける案内溝情報の記録装置であって、
   案内溝情報記録用の１本のレーザビームを放射させる手
   段と、前記したレーザビームを光ディスクの記録面に集
   束させるレーザビーム集束手段と、前記のレーザビーム
   の集束状態をトラッキング情報以外の情報に応じて変化
   させる手段と、前記のレーザビームをトラッキング情報
   以外の情報によって光ディスクの径方向に変位させる手
   段とを備えてなる光ディスクの案内溝情報の記録装置。