JPH11119523A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11119523A
JPH11119523A JP29496297A JP29496297A JPH11119523A JP H11119523 A JPH11119523 A JP H11119523A JP 29496297 A JP29496297 A JP 29496297A JP 29496297 A JP29496297 A JP 29496297A JP H11119523 A JPH11119523 A JP H11119523A
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electric field
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康史 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用環境、使用状況に応じて現像装置の現像
能力が変化しても、白地部がカブリがなく、きれいで白
く、適正な濃度の黒画像部を有する高品質な画像を、長
期にわたって安定して得ることができる画像形成装置に
ある。 【解決手段】 トナーにチタン酸ストロンチウムを0.
5重量部以上に外添して使用し、像担持体と現像スリー
ブとの間に一定の空隙を持って矩形波電圧を印加して現
像を行なう。その矩形波のピーク電圧のうちの、トナー
を現像スリーブ上から像担持体へ飛翔させる側のピーク
電圧V(-) と像担持体上の明部電位Vl 部との間の電界
を4.1V/μm以上、同じくピーク電圧V(-) と像担
持体上の暗部電位Vd 部との間の電界を3.5V/μm
以下とし、トナーを現像スリーブへ引き戻す側のピーク
電圧V(+) と暗部電位Vd 部との間の電界を2.9V/
μm以下とする。画像の濃度変更を、矩形波のデューテ
ィー比をピーク電圧V(-) 側で20〜50%の間で変更
することにより行なわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
し、特にその現像法を改良した画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真プロセス等を用いて画像
を形成する画像形成装置は、図7に示すように、像担持
体1、これを均一に帯電する帯電装置2、像担持体1上
に潜像を形成する露光装置9、像担持体1上の潜像をト
ナー7で現像して可視化する現像装置3、現像により得
られたトナー像を転写紙8上に転写する転写装置4、転
写紙8上のトナー像を定着する定着装置10、および像
担持体1上に残留した転写残りのトナーをクリーニング
するクリーニング装置5などからなっている。
【0003】トナー7は、たとえば磁性体100重量
部、スチレンアクリル樹脂100重量部、およびモノア
ゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤)2重量部を混練し、
粉砕して形成された負帯電性の磁性トナーである。この
トナー7は、トナー100重量部に1.2重量部のシリ
カを外添して、現像剤として使用される。
【0004】上記の電子写真プロセスの潜像工程では、
帯電装置2により像担持体1の表面が均一に帯電され、
表面の電位が暗部電位Vd となる。その後、露光装置9
により画像を露光され、露光された表面の電位が明部電
位Vl となり、像担持体1上の暗部Vd (暗部電位Vd
部)の領域内に明部V1(明部電位V1部)からなる静
電潜像が形成される。
【0005】現像工程では、帯電されたトナー7を担持
した現像スリーブ3aと像担持体1との間に、適当なギ
ャップを持たせた上で、所定のDC電圧+AC電圧の現
像バイアスを印加することにより、暗部Vd にトナーを
付着させることなく、明部Vl にのみトナーを付着させ
て、像担持体1上にトナーによる画像(トナー像)を形
成する。
【0006】上記の現像系におけるトナー7の挙動につ
いて詳述する。トナー7は、摩擦帯電により、そのほと
んどが本来の帯電極性を示す。ここでは、トナー7の帯
電極性はマイナスであり、像担持体1上の暗部Vd 、明
部Vl もマイナスの電位を示すように設定される。この
ような帯電−電位関係を有する画像形成での現像に使用
する現像バイアスは、従来は、図8に示すように、電位
VdcのDC電圧に、ピーク間電圧Vpp、デューティー比
50%の矩形波のAC電圧を重畳したものであった。
【0007】この現像バイアスでは、マイナス側の絶対
値が最大電圧V(-) を示す領域(マイナス側のピーク)
で、トナー7が現像スリーブ3a上から像担持体1上に
飛翔し、その反対のプラス側の絶対値が最大電圧V(+)
を示す領域(プラス側のピーク)では、この飛翔したト
ナー7が、像担持体1上から現像スリーブ3a上に引き
戻される。この飛翔、引き戻しの運動が繰り返されなが
ら、 |V(-) −Vl |>|V(+) −Vl | ・・・(1) の電位関係より、マイナスに帯電したトナー7は像担持
体1上の明部Vl に付着する。
【0008】一方、暗部Vd に対するマイナス側の最大
電圧V(-) 、プラス側の最大電圧V(+) の領域でも、領
域個々におけるトナー7の挙動は同様であるが、 |V(-) −Vd |<|V(+) −Vd | ・・・(2) の電位関係により、トナー7は像担持体1上の暗部Vd
にほとんど付着しない。
【0009】従って、式(1)および式(2)を満足す
るような電圧値をVd 、Vl 、V(-) 、V(+) に設定す
ることにより、像担持体1上でトナー7による画像の形
成を行うことができる。このため、このような条件を満
足するように、V(-) とV(+) の差、すなわちVppを大
きくして、Vd とVl とのコントラストを十分にとって
設定されている。
【0010】従来の設定例を示すと、V(-) =−120
0V、V(+) =+400V、Vd =−600V、Vl =
−150Vであり、像担持体1と現像スリーブ3a間の
ギャップは280μmである。図9に、この現像バイア
ス(周波数2000Hz(1周期/2=0.25msの
周期に相当)、デューティー比50%)、像担持体1上
の電位Vd 、Vl を示す。
【0011】上記の現像系におけるトナー7の帯電量
は、現像装置3の使用状態や使用環境によって変化する
ものであり、トナーの帯電量の変化に対して適正な濃度
の画像を得るには、Vd 、Vl に対するV(-) 、V(+)
の適正値が変化する。
【0012】そこで、現像スリーブ3aと像担持体1と
の間に印加する現像バイアスのDC電圧分を、Vd 、V
l に対して変化させることにより、その使用状況に応じ
て画像濃度を調整できるようにして、V(-) 、V(+) を
変えずに適正な濃度の画像を常に得ることができるよう
にしていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯電し
たトナー7の極性は全て同一ではなく、現像スリーブ3
a上に担持されたトナー7中には、トナー帯電極性の分
布を示す図10に斜線部で表示したように、主だったト
ナー(マイナス帯電)とは逆極性に帯電したいわゆる反
転トナー(プラス帯電)が僅かながら存在している。
【0014】従来の現像系において、十分な画像濃度を
得るためにVl とV(-) とのコントラストが大きくなる
ように設定すると、Vd とV(+) とのコントラストも大
きくなるので、上記の反転トナーは、本来、トナーが飛
翔しない暗部Vd の領域に飛翔し、これが画像の白地部
を汚すいわゆるカブリとなって、画像不良を生じてい
た。
【0015】また近年、トナー7の帯電付与力を大きく
すると同時に、像担持体1上に付着した、帯電不良の原
因となる窒素酸化物を研磨するための研磨剤として、ト
ナー7には、チタン酸ストロンチウムが外添されている
が、このチタン酸ストロンチウムの添加は、トナー7の
カブリのレベルを悪化させることがあった。
【0016】このため、カブリの発生がないようなVd
、Vl 、V(-) 、V(+) に設定しようとするが、設定
幅のラチチュードが狭いので、濃度変更を行なうために
現像バイアスのDC電圧分を変化させたときに、適正だ
ったVd 、Vl 、V(-) 、V(+) のバランスが崩れて、
依然としてカブリの発生を招く。
【0017】本発明の目的は、使用環境、使用状況に応
じて現像装置の現像能力が変化しても、カブリがなく、
きれいで白い白地部を有し、適正な濃度の黒画像部を有
する高品質な画像を、長期にわたって安定して得ること
ができる画像形成装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かる画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明
は、像担持体を暗部電位に帯電し、露光して前記暗部電
位部の領域内に明部電位部からなる潜像を形成し、前記
潜像を現像剤担持体上に保持した現像剤により静電的に
現像し、得られた可視像を基材上に転写して、基材に画
像を得る画像形成装置において、前記現像剤は、チタン
酸ストロンチウムが0.5重量部以上の添加量で外添さ
れており、前記現像を、像担持体と現像剤担持体との間
に一定の空隙を持って交流電圧を印加することにより行
ない、前記交流電圧のピーク電圧値のうちの、現像剤を
像担持体へ飛翔させる側のピーク電圧値と前記明部電位
部との間にかけられる電界が4.1V/μm以上であ
り、前記飛翔させる側のピーク電圧値と前記暗部電位部
との間にかけられる電界が3.5V/μm以下であり、
現像剤を像担持体から引き戻す側のピーク電圧値と前記
暗部電位部との間にかけられる電界が2.9V/μm以
下であり、前記交流電圧のデューティー比は、前記飛翔
させる側が20%から50%の間の値であることを特徴
とする画像形成装置である。
【0019】本発明によれば、画像形成装置は画像濃度
の変更システムを有し、前記変更システムは、前記交流
電圧のデューティー比を前記飛翔させる側が20%から
50%の間で変化させることより、画像濃度を変化させ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0021】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略断
面図である。本実施例は電子写真装置である。
【0022】本電子写真装置では、矢印a方向に回転駆
動される像担持体1、帯電ローラ(帯電装置)2、現像
装置3、転写ローラ4およびクリーニング装置5を、ハ
ウジング6内にコンパクトにまとめてプロセスカートリ
ッジに構成している。
【0023】現像装置3は、トナー7を収容した現像容
器3dに、トナーを搬送する現像スリーブ3aと、この
現像スリーブ3a上に担持したトナー7のコート厚を規
制する弾性ブレード3bを有し、現像スリーブ3a内に
はマグネットローラ3cが配設されている。またクリー
ニング装置5は、クリーニング容器5cにクリーニング
部材5aおよびスクイシート5bを備えてなっている。
【0024】帯電ローラ2は像担持体1に当接してお
り、像担持体1のa方向への回転に従動して、矢印b方
向に回転する。帯電ローラ2により像担持体1が帯電さ
れると、その像担持体1に対し露光装置9からのレーザ
光が照射され、これにより像露光がなされて像担持体1
上の表面上に静電潜像が形成される。像担持体1上に形
成された潜像は、現像装置3によりトナー7を用いて現
像され、トナー像として可視化される。得られたトナー
像は、像担持体1に搬送される転写用の基材、一般には
転写紙8上に転写ローラ4により転写される。このとき
転写紙8に完全に転写されず、像担持体1上に残留した
転写残りのトナーは、クリーニング装置5のクリーニン
グ部材5aにより除去され、クリーニング容器5c内に
貯められる。トナー像が転写された転写紙8は定着装置
10に搬送され、そこを通過する間にトナー像が定着さ
れる。かくして画像形成が終了する。
【0025】本発明では、トナー7はチタン酸ストロン
チウムを0.5重量部以上外添して使用する。チタン酸
ストロンチウムの添加量の上限は、トナー帯電性の向上
効果の飽和と、像担持体表面の研磨量の増大およびコス
ト増大等を勘案すると、実用上は3.0重量部である。
本実施例では、トナー7は、磁性体100重量部、スチ
レンアクリル樹脂100重量部、およびモノアゾ染料の
鉄錯体(負帯電性制御剤)2重量部を混練し、粉砕して
形成された負帯電性の磁性トナーである。そして、この
トナー7の100重量部に1.2重量部のシリカと、
0.5重量部のチタン酸ストロンチウムを外添して、ト
ナー7を現像剤として使用した。
【0026】上記のトナー7はマグネットローラ3cの
磁力により現像スリーブ3a上に付着し、現像スリーブ
3aの回転にともない、弾性ブレード3bに至って規制
されマイナスに帯電し、像担持体1と対向した現像領域
に搬送される。
【0027】本実施例では、現像スリーブ3aと像担持
体1とのギャップ(S−Dギャップ)を、現像スリーブ
3aの両端部に配設した現像コロにより、常に280μ
mに維持している。現像時、現像スリーブ3aと像担持
体1との間に現像バイアスを印加するが、本発明では、
この現像バイアスとしてAC電圧を印加する。
【0028】本実施例では、現像バイアスとして矩形波
のAC電圧を使用し、接地されている像担持体1に対
し、図2に示すように、トナー7を像担持体1へ飛翔さ
せるマイナス側のピーク値をV(-) =−1400V、ト
ナー7を像担持体1から引き戻す側のピーク値をV(+)
=0Vとし、その周波数を2000Hz、矩形波のデュ
ーティー比をV(-) で35%、V(+) で65%に設定し
た。
【0029】前記の潜像工程では、帯電ローラ2により
帯電された像担持体1の、レーザ光による像露光を受け
ない部分の暗部電位Vd が−600Vを示し、レーザ光
による像露光を受けた部分の明部電位Vl が−150V
を示すように設定している。これにより、本実施例で
は、飛翔側のピーク値V(-) と暗部Vd (暗部電位Vd
部)との間にかかる電界が2.86V/μm、引き戻し
側のピーク値V(+) と明部Vl (明部電位Vl 部)との
間にかかる電界が4.46V/μmとされ、また明部V
(+) と暗部Vd との間にかかる電界が2.14V/μm
とされた。
【0030】本発明では、画像の濃度変更を、現像バイ
アスのデューティー比を変更することによってのみ行な
うことが1つの特徴であり、その変更の幅はV(-) 側で
20〜50%の範囲である。本実施例では、V(-) 側の
変更幅を28〜41%の範囲とした。V(-) 側で28〜
41%のデューティー比の変更による画像濃度の変化
は、従来の現像システムでは現像バイアスのDC値を±
150Vの範囲で変化させるのに相当する。
【0031】本実施例および従来の濃度変更システムに
よる画像濃度とカブリの関係を図3に示す。画像濃度
は、600dpi画像における4ドットラインのライン
幅で示しており、カブリは、用紙に白画像を形成し、そ
の画像形成前の用紙をリファレンスとして、白画像の用
紙に対する反射濃度の差(%)で示してある。
【0032】図3において、点線Aは、従来例に示した
現像および潜像電位の設定において、現像バイアスのD
C値を変化させたときの画像濃度とカブリの関係であ
る。このとき、現像バイアスのDC値は−250Vから
−550Vまで変化し、ライン幅はDC値の絶対値を大
きくするのにともない単調に増加する。このライン幅の
変動に対して、反射濃度の差は極小値を持つような曲線
を描いている。
【0033】これは、ライン幅が大きい領域において
は、ライン幅を増加させるためにVl値とV(-) 値のコ
ントラストを大きくした場合、Vd 値とV(-) 値のコン
トラストも大きくなるため、暗部Vd に飛翔するトナー
の量が増加し、またライン幅が小さい領域においては、
ライン幅を減少させるためにVl 値とV(-) 値のコント
ラストを小さくした場合、Vd 値とV(+) 値のコントラ
ストが増加するため、暗部Vd に飛翔する反転トナーの
量が増加するという、これら2つの現象によるものであ
る。
【0034】点線Bは、従来例に示した現像および潜像
電位の設定において、現像バイアスのデューティー比を
変化させたときの画像濃度とカブリの関係である。この
とき、現像バイアスのデューティー比はV(-) 側で28
%から41%まで変化し、ライン幅はデューティー比を
大きくするのにともない単調に増加する。このライン幅
の変動に対して、反射濃度の差は極小値を持つような曲
線を描いている。
【0035】これは、ライン幅が大きい領域において
は、V(-) 側のデューティー比を大きくすることによ
り、Vl とV(-) の間でのトナーの飛翔時間が増加する
ため、ライン幅は増加し、Vd とV(-) との間でのトナ
ーの飛翔時間も増加するため、暗部Vd に飛翔するトナ
ーの量が増加するためである。しかしながら、このとき
のVd とV(-) との電位差は、トナーが飛翔するのにと
ってそれほど大きくないために、飛翔時間が増加しても
暗部Vd に飛翔する量はそれほど増えない。
【0036】これに対し、ライン幅が大きい領域におい
ては、V(+) 側のデューティー比を大きくすることによ
りライン幅は減少するが、Vd とV(+) との電位差は、
反転トナーが暗部Vd に飛翔するのにとって十分大きい
ために、この反転トナーは飛翔時間の増加にともない、
暗部Vd への飛翔量が急激に増加する。
【0037】実線Cは、本実施例の場合で、現像バイア
スのデューティー比を変化させたときの画像濃度とカブ
リの関係である。本実施例では、現像バイアスのデュー
ティー比を変化させ、ラインの太さを増加させていった
とき、前記の反射濃度の差(カブリ)はそれにともない
単調増加するが、その増加量は非常に小さい。
【0038】これは、V(-) 側のデューティー比を大き
くすることにより、Vl とV(-) との間でのトナーの飛
翔時間が増加するためライン幅は増加し、Vd とV(-)
との間の飛翔時間も増加するため、暗部Vd に飛翔する
トナーの量が増加するが、上記の点線Bで示した場合と
同様、このときのVd とV(-) の電位差は、トナーが飛
翔するのにとってそれほど大きくないために、飛翔時間
が増加しても暗部Vdに飛翔する量はそれほど増えな
い。
【0039】一方、V(+) 側のデューティー比を大きく
することによりライン幅は減少するが、Vd とV(+) と
の電位差は反転トナーが飛翔するのに十分小さいため
に、この反転トナーは飛翔時間が増加しても、暗部Vd
に飛翔するものはほとんどない。
【0040】従って、本実施例によれば、画像濃度の変
更に対しても、白地部上のカブリ量をほとんど変化させ
ることなく、白地部が常にきれいな画像を再現できるも
のである。
【0041】ここで、V(-) とVl の関係、V(-) とV
d lの関係、V(+) とVl の関係について、適正値を検
討した結果を述べる。
【0042】V(-) とVl の関係においては、その電界
強度が大きいほど黒画像部の再現性が高い。V(-) とV
l の間の電界強度をパラメータとしたときの、現像バイ
アスのV(-) 側のデューティー比と画像濃度の関係を図
4に示す。電界強度は、a1=4.46V/μm(前述
の本実施例の電界強度)、a2 =3.75V/μm(従
来例での電界強度:|−150−(−1200)|/2
80=3.75)、およびその中間値の電界強度a0 =
4.1V/μmである。画像濃度は、600dpi画像
における4ドットラインのライン濃度で示してある。
【0043】図4から、現像バイアスのV(-) 側でのデ
ューティー比が50%から20%の間で、十分なライン
濃度である1.4以上を得るためには、V(-) とVl 間
に4.1V/μm以上の電界強度が必要である。
【0044】V(-) とVd の関係においては、その電界
強度が小さいほどカブリのレベルが改善される。V(-)
とVd の間の電界強度をパラメータとしたときの、現像
バイアスのデューティー比とカブリ量の関係を図5に示
す。電界強度は、b1 =2.86V/μm(前述の本実
施例の電界強度)、電界強度b2 =3.8V/μm、電
界強度b0 =3.5V/μmである。なお、従来例での
電界強度は、|−600−(−1200)|/280=
2.14V/μmである。
【0045】図5から、現像バイアスのV(-) 側でのデ
ューティー比が50%から20%の間で、カブリを3%
以下の良好なレベルに保つには、V(-) とVd の間の電
界強度を3.5V/μm以下に設定する必要がある。
【0046】V(+) とVd の関係においては、その電界
強度が小さいほどカブリのレベルが良い。V(+) とVd
の間の電界強度をパラメータとしたときの、現像バイア
スのV(+) 側でのデューティー比とカブリ量の関係を図
6に示す。電界強度は、c1=2.14V/μm(前述
の本実施例の電界強度)、c2 =3.57V/μm(従
来例での電界強度:|400−(−600)|/280
=3.57)、およびその間の値c0 =2.9V/μm
である。
【0047】図6から、現像バイアスのV(-) 側でのデ
ューティー比が50%から20%(V(+) 側でのデュー
ティー比が50%から80%)の間で、カブリを3%以
下の良好なレベルに保つには、V(+) とVd 間の電界強
度を2.9V/μm以下にする必要がある。
【0048】以上から、本発明では、像担持体1へのト
ナー飛翔側のピーク電圧値V(-) と像担持体1の明部V
l との間にかけられる電界を4.1V/μm以上、V
(-) と像担持体1の暗部Vd との間にかけられる電界を
3.5V/μm以下、トナー引き戻し側の電圧値V(+)
と暗部電位Vd 部との間にかけられる電界を2.9V/
μm以下とする。
【0049】本発明は、以上のように構成されるので、
使用環境や使用枚数に関係なく、白地部では白く、黒画
像部では十分な濃度を有する画像を常に再現することが
でき、長期にわたって良好なプリント画像を得ることが
できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
像担持体を暗部電位Vd に帯電し、露光により明部電位
Vl 部からなる潜像を形成し、その潜像を現像装置の現
像スリーブ上に保持したトナーにより静電的に現像し、
得られた可視像を基材上に転写して、基材に画像を得る
画像形成装置において、トナーにチタン酸ストロンチウ
ムを0.5重量部以上に外添して使用し、像担持体と現
像スリーブとの間に一定の空隙を持って矩形波電圧を印
加して現像を行ない、そしてその矩形波のピーク電圧の
うちの、トナーを現像スリーブ上から像担持体へ飛翔さ
せる側のピーク電圧V(-) と明部電位Vl 部との間の電
界を4.1V/μm以上、同じくピーク電圧V(-) と暗
部電位Vd 部との間の電界を3.5V/μm以下とし、
トナーを像担持体から現像スリーブへ引き戻す側のピー
ク電圧V(+) と暗部電位Vd 部との間の電界を2.9V
/μm以下とし、また画像の濃度変更を、矩形波のデュ
ーティー比をピーク電圧V(-) 側で20〜50%の間で
変更させることにより行なったので、使用環境、使用状
況に応じて、現像装置の現像能力が変化しても、カブリ
がなく、きれいで白い白地部を有し、適正な濃度の黒画
像部を有する高品質な画像を、長期にわたって安定して
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の実施例で使用した現像バイアスの電圧
波形および暗部電位Vd 、明部電位Vl を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例および従来の濃度変更システム
による画像濃度とカブリの関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例で行なった画像の濃度変更にお
いて、V(-) とVl の間の電界強度をパラメータとした
ときの、現像バイアスのV(-) 側のデューティー比と画
像濃度の関係を図である。
【図5】本発明の実施例で行なった画像の濃度変更にお
いて、V(-) とVd の間の電界強度をパラメータとした
ときの、現像バイアスのデューティー比とカブリ量の関
係を示す図である。
【図6】本発明の実施例で行なった画像の濃度変更にお
いて、V(+) とVd の間の電界強度をパラメータとした
ときの、現像バイアスのV(+) 側でのデューティー比と
カブリ量の関係を示す図である。
【図7】従来の画像形成装置を示す概略断面図である。
【図8】従来例で使用した現像バイアスの電圧波形およ
び暗部電位Vd 、明部電位Vlの関係を示す図である。
【図9】従来例で使用した現像バイアスの電圧波形およ
び暗部電位Vd 、明部電位Vlを示す図である。
【図10】従来例におけるトナーの帯電極性の分布を示
す図である。
【符号の説明】
1 像担持体 2 帯電ローラ 3 現像装置 3a 現像スリーブ 3b 弾性ブレード 3c マグネットローラ 4 転写ローラ 5 クリーニング装置 7 トナー 9 露光装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体を暗部電位に帯電し、露光して
    前記暗部電位部の領域内に明部電位部からなる潜像を形
    成し、前記潜像を現像剤担持体上に保持した現像剤によ
    り静電的に現像し、得られた可視像を基材上に転写し
    て、基材に画像を得る画像形成装置において、 前記現像剤は、チタン酸ストロンチウムが0.5重量部
    以上の添加量で外添されており、前記現像を、像担持体
    と現像剤担持体との間に一定の空隙を持って交流電圧を
    印加することにより行ない、前記交流電圧のピーク電圧
    値のうちの、現像剤を像担持体へ飛翔させる側のピーク
    電圧値と前記明部電位部との間にかけられる電界が4.
    1V/μm以上であり、前記飛翔させる側のピーク電圧
    値と前記暗部電位部との間にかけられる電界が3.5V
    /μm以下であり、現像剤を像担持体から引き戻す側の
    ピーク電圧値と前記暗部電位部との間にかけられる電界
    が2.9V/μm以下であり、前記交流電圧のデューテ
    ィー比は、前記飛翔させる側が20%から50%の間の
    値であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 画像濃度の変更システムを有し、前記変
    更システムは、前記交流電圧のデューティー比を前記飛
    翔させる側が20%から50%の間で変化させることよ
    り、画像濃度を変化させる請求項1の画像形成装置。
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