JPH11118773A - トリー劣化診断方法 - Google Patents
トリー劣化診断方法Info
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- JPH11118773A JPH11118773A JP29355397A JP29355397A JPH11118773A JP H11118773 A JPH11118773 A JP H11118773A JP 29355397 A JP29355397 A JP 29355397A JP 29355397 A JP29355397 A JP 29355397A JP H11118773 A JPH11118773 A JP H11118773A
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- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N29/00—Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
- G01N29/04—Analysing solids
- G01N29/07—Analysing solids by measuring propagation velocity or propagation time of acoustic waves
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2291/00—Indexing codes associated with group G01N29/00
- G01N2291/04—Wave modes and trajectories
- G01N2291/044—Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2291/00—Indexing codes associated with group G01N29/00
- G01N2291/26—Scanned objects
- G01N2291/269—Various geometry objects
- G01N2291/2697—Wafer or (micro)electronic parts
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- Pathology (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ケーブルを解体することなく、ケーブル運転
中においても非破壊的にトリーの発生の有無および発生
状況を調査できるトリー劣化診断方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明のトリー劣化診断方法は、導体を
電気絶縁層を含む被覆層にて被覆してなるケーブルにお
いて電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する方法であ
って、(1)ケーブル外周表面からケーブル中心方向へ
超音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置
との関係を予め求めておき、(2)診断対象となるケー
ブルにおける超音波反射時間を測定し、その値と(1)
で求められた関係とからトリーの位置を求めて、電気絶
縁層のトリー劣化の状態を診断するものである。
中においても非破壊的にトリーの発生の有無および発生
状況を調査できるトリー劣化診断方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明のトリー劣化診断方法は、導体を
電気絶縁層を含む被覆層にて被覆してなるケーブルにお
いて電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する方法であ
って、(1)ケーブル外周表面からケーブル中心方向へ
超音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置
との関係を予め求めておき、(2)診断対象となるケー
ブルにおける超音波反射時間を測定し、その値と(1)
で求められた関係とからトリーの位置を求めて、電気絶
縁層のトリー劣化の状態を診断するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーブルの絶縁層にお
けるトリー劣化の状況を診断することができるトリー劣
化診断方法に関するものである。
けるトリー劣化の状況を診断することができるトリー劣
化診断方法に関するものである。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】ケーブ
ルの電気絶縁層においては、樹木状の劣化形態(以下ト
リーともいう)が発生することが知られている。このト
リーとしては、電気絶縁層の局部的欠陥部に高電界が集
中して生じる電気トリー、または、電気絶縁層に侵入し
た水分に電界が集中して生じる水トリー、または、電気
絶縁層に侵入した硫化水素と導体の銅とが反応して生じ
る化学トリーが一般的に知られている。
ルの電気絶縁層においては、樹木状の劣化形態(以下ト
リーともいう)が発生することが知られている。このト
リーとしては、電気絶縁層の局部的欠陥部に高電界が集
中して生じる電気トリー、または、電気絶縁層に侵入し
た水分に電界が集中して生じる水トリー、または、電気
絶縁層に侵入した硫化水素と導体の銅とが反応して生じ
る化学トリーが一般的に知られている。
【0003】上記トリーが発生した場合、電気絶縁層に
おける電気特性、特に絶縁破壊電圧特性が著しく低下
し、その結果ケーブルの寿命を低下させるという問題が
生じる。そのため、ケーブルの電気絶縁層に発生したト
リーを早期に発見することはケーブル寿命を予測する上
で重要である。
おける電気特性、特に絶縁破壊電圧特性が著しく低下
し、その結果ケーブルの寿命を低下させるという問題が
生じる。そのため、ケーブルの電気絶縁層に発生したト
リーを早期に発見することはケーブル寿命を予測する上
で重要である。
【0004】ところで、上記トリーは、主に電気絶縁層
と導体との界面部分又は電気絶縁層中の局所的欠陥部を
起点としてケーブル外周方向に向かって放射状に発生、
成長していくことが多い。このようなトリーをケーブル
外部から観察することは困難であり、さらに絶縁体が着
色されているなどの理由からケーブルが不透明な場合に
はケーブル外部からの観察は不可能である。よって、現
状では、トリーを観察するにはケーブルを解体しなけれ
ばならず、実稼働中のケーブルについては絶縁体のトリ
ー発生の有無及び発生状況を観察することは不可能であ
った。
と導体との界面部分又は電気絶縁層中の局所的欠陥部を
起点としてケーブル外周方向に向かって放射状に発生、
成長していくことが多い。このようなトリーをケーブル
外部から観察することは困難であり、さらに絶縁体が着
色されているなどの理由からケーブルが不透明な場合に
はケーブル外部からの観察は不可能である。よって、現
状では、トリーを観察するにはケーブルを解体しなけれ
ばならず、実稼働中のケーブルについては絶縁体のトリ
ー発生の有無及び発生状況を観察することは不可能であ
った。
【0005】本発明は、上記課題を解消するためになさ
れたものであり、ケーブルを解体することなく、ケーブ
ル運転中においても非破壊的にトリーの発生の有無およ
び発生状況を調査できるトリー劣化診断方法を提供する
ものである。
れたものであり、ケーブルを解体することなく、ケーブ
ル運転中においても非破壊的にトリーの発生の有無およ
び発生状況を調査できるトリー劣化診断方法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以下に示す方法
によって上記課題を解消するものである。即ち、本発明
の方法とは、導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆し
てなるケーブルにおいて電気絶縁層のトリー劣化の状態
を診断する方法であって、(1)ケーブル外周表面から
ケーブル中心方向へ超音波を照射した場合の超音波反射
時間とトリーの位置との関係を予め求めておき、(2)
診断対象となるケーブルにおける超音波反射時間を測定
し、その値と(1)で求められた関係とからトリーの位
置を求めて、電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する
ことを特徴とするトリー劣化診断方法である。
によって上記課題を解消するものである。即ち、本発明
の方法とは、導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆し
てなるケーブルにおいて電気絶縁層のトリー劣化の状態
を診断する方法であって、(1)ケーブル外周表面から
ケーブル中心方向へ超音波を照射した場合の超音波反射
時間とトリーの位置との関係を予め求めておき、(2)
診断対象となるケーブルにおける超音波反射時間を測定
し、その値と(1)で求められた関係とからトリーの位
置を求めて、電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する
ことを特徴とするトリー劣化診断方法である。
【0007】即ち、本発明では超音波を用いるが、超音
波は照射開始点の物質中を伝播する間にそれと異なる物
質面に当たるとその界面で反射される性質を有してい
る。本発明は、超音波の上記の性質を利用してトリー発
生の有無およびその発生状況を調査するものである。
波は照射開始点の物質中を伝播する間にそれと異なる物
質面に当たるとその界面で反射される性質を有してい
る。本発明は、超音波の上記の性質を利用してトリー発
生の有無およびその発生状況を調査するものである。
【0008】更に詳しく説明すると、診断対象となるケ
ーブルにおいて被覆層はほぼ一定の厚さを有しているの
で、ケーブル外周からケーブル中心(導体)方向へ超音
波を照射した場合に超音波が反射して戻ってくるまでの
時間はほぼ一定である。ところが、被覆層の電気絶縁層
中にトリーが発生した場合、ケーブル外周から照射した
超音波はトリーで反射して戻ってくるため、その時間が
短縮する。この時間からケーブル外周からトリーまでの
距離がわかるので、この距離と被覆層厚さとからトリー
の位置を算出することができる。このように、本発明者
らは、ケーブルの被覆層がポリエチレンなどの有機高分
子からなるのに対し、一方、トリーは上記のように有機
高分子とは異なる物質から形成されていることに着目し
て本発明に示す非破壊的なトリー劣化診断方法を開発
し、上記課題を解消したのである。
ーブルにおいて被覆層はほぼ一定の厚さを有しているの
で、ケーブル外周からケーブル中心(導体)方向へ超音
波を照射した場合に超音波が反射して戻ってくるまでの
時間はほぼ一定である。ところが、被覆層の電気絶縁層
中にトリーが発生した場合、ケーブル外周から照射した
超音波はトリーで反射して戻ってくるため、その時間が
短縮する。この時間からケーブル外周からトリーまでの
距離がわかるので、この距離と被覆層厚さとからトリー
の位置を算出することができる。このように、本発明者
らは、ケーブルの被覆層がポリエチレンなどの有機高分
子からなるのに対し、一方、トリーは上記のように有機
高分子とは異なる物質から形成されていることに着目し
て本発明に示す非破壊的なトリー劣化診断方法を開発
し、上記課題を解消したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の診断方法の診断対象とな
るケーブルは、導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆
してなるケーブルであれば特に制限はなく、導体は単線
導体、または撚線導体であってもよい。被覆層は電気絶
縁層を含むのであれば特に制限はなく、電気絶縁層のほ
かに内部半導電層、外部半導電層、シース層を有するも
のであってもよいが、診断の精度の点から特に、被覆層
の最外層即ちケーブルの最外層が電気絶縁層であること
が好ましい。
るケーブルは、導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆
してなるケーブルであれば特に制限はなく、導体は単線
導体、または撚線導体であってもよい。被覆層は電気絶
縁層を含むのであれば特に制限はなく、電気絶縁層のほ
かに内部半導電層、外部半導電層、シース層を有するも
のであってもよいが、診断の精度の点から特に、被覆層
の最外層即ちケーブルの最外層が電気絶縁層であること
が好ましい。
【0010】本発明においては上記ケーブルのトリー劣
化の状況を診断する。その診断方法を以下に詳細に説明
する。本発明においては、まず、ケーブル外周表面から
ケーブル中心方向へ超音波を照射した場合の超音波反射
時間とトリーの位置との関係を予め求めておく。超音波
反射時間はケーブルの被覆層材料によって変わるので、
本発明においては、超音波反射時間はケーブルの被覆層
材料と同じ材料を用いた試料にて測定するのが好まし
く、例えば、ケーブルの被覆層材料と同じ材料を用いて
シート状の試料を作製し、この試料について超音波反射
時間を測定することが好ましい。
化の状況を診断する。その診断方法を以下に詳細に説明
する。本発明においては、まず、ケーブル外周表面から
ケーブル中心方向へ超音波を照射した場合の超音波反射
時間とトリーの位置との関係を予め求めておく。超音波
反射時間はケーブルの被覆層材料によって変わるので、
本発明においては、超音波反射時間はケーブルの被覆層
材料と同じ材料を用いた試料にて測定するのが好まし
く、例えば、ケーブルの被覆層材料と同じ材料を用いて
シート状の試料を作製し、この試料について超音波反射
時間を測定することが好ましい。
【0011】本発明においては、例えば、上記のシート
状の試料であってシートの厚さを被覆層と同じ厚さにし
た試料に実際にトリーを発生させ、トリーを成長させて
いくことによってトリーの位置と超音波反射時間との関
係を求めてもよい。また、上記シート状試料において、
その厚さを被覆層の厚さより少なくなるよう変えたもの
を幾つか作製し、これら試料について超音波反射時間を
測定することによって、トリーの位置と超音波反射時間
との関係を求めてもよい。この場合、試料の厚さと被覆
層の厚さとの差をトリー位置とみなしている。なお、ト
リー位置は、トリーの形状及び発生の起点がどのような
ものであれ、トリーが最も被覆層の外周表面に近い部分
を示し、例えば導体と電気絶縁層との界面を起点として
発生して被覆層表面に向かって成長したようなトリーの
場合には、トリー位置はトリー上端部から被覆層外周表
面までの距離となる。
状の試料であってシートの厚さを被覆層と同じ厚さにし
た試料に実際にトリーを発生させ、トリーを成長させて
いくことによってトリーの位置と超音波反射時間との関
係を求めてもよい。また、上記シート状試料において、
その厚さを被覆層の厚さより少なくなるよう変えたもの
を幾つか作製し、これら試料について超音波反射時間を
測定することによって、トリーの位置と超音波反射時間
との関係を求めてもよい。この場合、試料の厚さと被覆
層の厚さとの差をトリー位置とみなしている。なお、ト
リー位置は、トリーの形状及び発生の起点がどのような
ものであれ、トリーが最も被覆層の外周表面に近い部分
を示し、例えば導体と電気絶縁層との界面を起点として
発生して被覆層表面に向かって成長したようなトリーの
場合には、トリー位置はトリー上端部から被覆層外周表
面までの距離となる。
【0012】上記各種試料における超音波反射時間は、
市販の超音波探触子等を用いて測定すればよく、例え
ば、上記シート状の試料を平板上に配置して該試料の表
面に超音波探触子の超音波発信子及び受信子を押し当
て、超音波が発信されてから受信されるまでの時間を測
定する。なお、上記測定の際、超音波の周波数は超音波
の周波数は診断の精度の点から特に1〜50MHz程度
が好ましい。
市販の超音波探触子等を用いて測定すればよく、例え
ば、上記シート状の試料を平板上に配置して該試料の表
面に超音波探触子の超音波発信子及び受信子を押し当
て、超音波が発信されてから受信されるまでの時間を測
定する。なお、上記測定の際、超音波の周波数は超音波
の周波数は診断の精度の点から特に1〜50MHz程度
が好ましい。
【0013】上記のようにトリーの位置と超音波反射時
間との関係を求めた後、次に、トリー劣化の診断対象と
なるケーブルにおける超音波反射時間を測定する。この
測定においても市販の超音波探触子等を用いてもよい
が、超音波発信子及び受信子、または、超音波発信子及
び受信子を一体化させた測定端子は、ケーブルとの接着
性を高めるため直径5〜20mm程度の小型のものを用
いることが好ましい。また、超音波の周波数は診断の精
度の点から特に1〜50MHz程度が好ましく、診断の
精度の点から特に上記試料における測定の周波数と同様
の値にすることが好ましい。
間との関係を求めた後、次に、トリー劣化の診断対象と
なるケーブルにおける超音波反射時間を測定する。この
測定においても市販の超音波探触子等を用いてもよい
が、超音波発信子及び受信子、または、超音波発信子及
び受信子を一体化させた測定端子は、ケーブルとの接着
性を高めるため直径5〜20mm程度の小型のものを用
いることが好ましい。また、超音波の周波数は診断の精
度の点から特に1〜50MHz程度が好ましく、診断の
精度の点から特に上記試料における測定の周波数と同様
の値にすることが好ましい。
【0014】ケーブルにおける超音波反射時間の測定
は、超音波発信子及び受信子を一体化させた測定端子を
ケーブルの外周表面に接触させ、ケーブル中心部に向け
て超音波を発信し、超音波が発信されてから受信される
までの時間を測定する。そして、上記診断対象となるケ
ーブルにおける超音波反射時間の値、及び、先に求めら
れた超音波反射時間とトリー位置との関係の両者を比較
することによって、ケーブルにおけるトリーの位置を求
めることができる。そして、ケーブルの円周方向及び/
又は長手方向の適宜の箇所において、上記と同様の測定
にてトリー位置を求めていくことによって、ケーブルの
電気絶縁層におけるトリーの分布状況を把握でき、ま
た、上記トリー位置から電気絶縁層の電気絶縁可能な厚
さを把握することもでき、電気絶縁層のトリー劣化の状
態を診断することができる。
は、超音波発信子及び受信子を一体化させた測定端子を
ケーブルの外周表面に接触させ、ケーブル中心部に向け
て超音波を発信し、超音波が発信されてから受信される
までの時間を測定する。そして、上記診断対象となるケ
ーブルにおける超音波反射時間の値、及び、先に求めら
れた超音波反射時間とトリー位置との関係の両者を比較
することによって、ケーブルにおけるトリーの位置を求
めることができる。そして、ケーブルの円周方向及び/
又は長手方向の適宜の箇所において、上記と同様の測定
にてトリー位置を求めていくことによって、ケーブルの
電気絶縁層におけるトリーの分布状況を把握でき、ま
た、上記トリー位置から電気絶縁層の電気絶縁可能な厚
さを把握することもでき、電気絶縁層のトリー劣化の状
態を診断することができる。
【0015】上記測定において、超音波は異種材料との
界面で反射するので、被覆層の電気絶縁層中にトリーが
発生している場合には超音波はトリーで反射して戻り、
トリーが発生していない場合には、超音波は被覆層の内
周界面即ち導体で反射して戻るのだが、超音波の周波数
によっては被覆層において電気絶縁層と例えば内部半導
電層などの他の層との界面で反射する場合もある。しか
し、このような場合にも試料をケーブル被覆層と同じ条
件で作製し、該試料についてケーブルにおける測定と同
じ周波数で超音波反射時間を測定すれば、試料における
超音波反射時間とトリー位置との関係から、ケーブルに
おけるトリー劣化の状況を診断することができる。
界面で反射するので、被覆層の電気絶縁層中にトリーが
発生している場合には超音波はトリーで反射して戻り、
トリーが発生していない場合には、超音波は被覆層の内
周界面即ち導体で反射して戻るのだが、超音波の周波数
によっては被覆層において電気絶縁層と例えば内部半導
電層などの他の層との界面で反射する場合もある。しか
し、このような場合にも試料をケーブル被覆層と同じ条
件で作製し、該試料についてケーブルにおける測定と同
じ周波数で超音波反射時間を測定すれば、試料における
超音波反射時間とトリー位置との関係から、ケーブルに
おけるトリー劣化の状況を診断することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明のトリー劣化の診断方法の一例
を挙げて具体的に説明する。本実施例において診断対象
となるケーブルは、導体を電気絶縁層のみにて被覆して
なるケーブルであって、導体は直径7.3mmの導線で
あり、該電気絶縁層はポリエチレンからなり、その厚さ
は1.2mmである。
を挙げて具体的に説明する。本実施例において診断対象
となるケーブルは、導体を電気絶縁層のみにて被覆して
なるケーブルであって、導体は直径7.3mmの導線で
あり、該電気絶縁層はポリエチレンからなり、その厚さ
は1.2mmである。
【0017】本実施例においては、上記診断対象となる
ケーブルのケーブル外周表面からケーブル中心方向へ超
音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置と
の関係を予め求めるに際し、上記ケーブルの電気絶縁層
と同じ材料を用い、同じ厚さとしたシート状の試料を作
製し、該試料に実際にトリーを発生させ、トリーを成長
させていくことによってトリーの位置と超音波反射時間
との関係を求めた。なお、上記試料において超音波反射
時間を測定する際の超音波の周波数は10MHzとし
た。
ケーブルのケーブル外周表面からケーブル中心方向へ超
音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置と
の関係を予め求めるに際し、上記ケーブルの電気絶縁層
と同じ材料を用い、同じ厚さとしたシート状の試料を作
製し、該試料に実際にトリーを発生させ、トリーを成長
させていくことによってトリーの位置と超音波反射時間
との関係を求めた。なお、上記試料において超音波反射
時間を測定する際の超音波の周波数は10MHzとし
た。
【0018】上記試料に発生させたトリーは、シート状
試料の下部界面から発生した樹木状の水トリーであっ
た。図1に、この試料における樹木状トリーの長さと超
音波反射時間との関係について図示する。図1からトリ
ーの長さが長いほど超音波反射時間は小さくなってお
り、トリー長と超音波反射時間とは明確な反比例の関係
を示していることがわかる。上記の場合、トリー位置は
樹木状トリーの上端位置となるので、トリー位置と超音
波反射時間との関係も図1から明らかである。
試料の下部界面から発生した樹木状の水トリーであっ
た。図1に、この試料における樹木状トリーの長さと超
音波反射時間との関係について図示する。図1からトリ
ーの長さが長いほど超音波反射時間は小さくなってお
り、トリー長と超音波反射時間とは明確な反比例の関係
を示していることがわかる。上記の場合、トリー位置は
樹木状トリーの上端位置となるので、トリー位置と超音
波反射時間との関係も図1から明らかである。
【0019】また、上記のことから、ケーブルの被覆層
材料と同じ材料を用いて作製した試料については、わざ
わざトリーを発生成長させずとも、試料の厚さを変えて
超音波反射時間を測定すれば、試料の厚さを被覆層の外
周表面からトリー位置までの距離とみなすことができる
ので、トリー位置と超音波反射時間との関係を簡単に求
めることができる。
材料と同じ材料を用いて作製した試料については、わざ
わざトリーを発生成長させずとも、試料の厚さを変えて
超音波反射時間を測定すれば、試料の厚さを被覆層の外
周表面からトリー位置までの距離とみなすことができる
ので、トリー位置と超音波反射時間との関係を簡単に求
めることができる。
【0020】本実施例においては、上記トリー位置と超
音波反射時間との関係を予め求めた後、診断対象となる
ケーブルにおける超音波反射時間を超音波の周波数10
MHzで測定した。その結果、ケーブルにおける超音波
反射時間は120nsであり、この値と、図1に示され
たトリー位置と超音波反射時間との関係とから、ケーブ
ルの電気絶縁層におけるトリー位置が導体から0.6m
mの所であることが分かった。該トリー位置と電気絶縁
層の厚さ1.2mmとから、このケーブルは今すぐ取り
替える必要はないが、今後注意が必要であると考えられ
る。
音波反射時間との関係を予め求めた後、診断対象となる
ケーブルにおける超音波反射時間を超音波の周波数10
MHzで測定した。その結果、ケーブルにおける超音波
反射時間は120nsであり、この値と、図1に示され
たトリー位置と超音波反射時間との関係とから、ケーブ
ルの電気絶縁層におけるトリー位置が導体から0.6m
mの所であることが分かった。該トリー位置と電気絶縁
層の厚さ1.2mmとから、このケーブルは今すぐ取り
替える必要はないが、今後注意が必要であると考えられ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明のトリー劣化診断方法は、導体を
電気絶縁層を含む被覆層にて被覆してなるケーブルにお
いて電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する方法であ
って、(1)ケーブル外周表面からケーブル中心方向へ
超音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置
との関係を予め求めておき、(2)診断対象となるケー
ブルにおける超音波反射時間を測定し、その値と(1)
で求められた関係とからトリーの位置を求めて、電気絶
縁層のトリー劣化の状態を診断することによって、ケー
ブルを解体することなく、ケーブル運転中においても非
破壊的にトリーの発生の有無および発生状況を調査する
ことができる。また、導体を電気絶縁層を含む被覆層に
て被覆してなるケーブルにおいて、電気絶縁層はケーブ
ル最外層であることによって、トリー劣化診断の精度に
優れる。また、超音波の周波数が1〜50MHzである
ことによって、トリー劣化診断の精度に優れる。
電気絶縁層を含む被覆層にて被覆してなるケーブルにお
いて電気絶縁層のトリー劣化の状態を診断する方法であ
って、(1)ケーブル外周表面からケーブル中心方向へ
超音波を照射した場合の超音波反射時間とトリーの位置
との関係を予め求めておき、(2)診断対象となるケー
ブルにおける超音波反射時間を測定し、その値と(1)
で求められた関係とからトリーの位置を求めて、電気絶
縁層のトリー劣化の状態を診断することによって、ケー
ブルを解体することなく、ケーブル運転中においても非
破壊的にトリーの発生の有無および発生状況を調査する
ことができる。また、導体を電気絶縁層を含む被覆層に
て被覆してなるケーブルにおいて、電気絶縁層はケーブ
ル最外層であることによって、トリー劣化診断の精度に
優れる。また、超音波の周波数が1〜50MHzである
ことによって、トリー劣化診断の精度に優れる。
【図1】超音波反射時間とトリー位置との関係の一例を
示した図である。
示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆
してなるケーブルにおいて電気絶縁層のトリー劣化の状
態を診断する方法であって、(1)ケーブル外周表面か
らケーブル中心方向へ超音波を照射した場合の超音波反
射時間とトリーの位置との関係を予め求めておき、
(2)診断対象となるケーブルにおける超音波反射時間
を測定し、その値と(1)で求められた関係とからトリ
ーの位置を求めて、電気絶縁層のトリー劣化の状態を診
断することを特徴とするトリー劣化診断方法。 - 【請求項2】 導体を電気絶縁層を含む被覆層にて被覆
してなるケーブルにおいて、電気絶縁層はケーブル最外
層である請求項1記載のトリー劣化診断方法。 - 【請求項3】 超音波の周波数が1〜50MHzである
請求項1または請求項2記載のトリー劣化診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29355397A JPH11118773A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | トリー劣化診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29355397A JPH11118773A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | トリー劣化診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11118773A true JPH11118773A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17796251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29355397A Pending JPH11118773A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | トリー劣化診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11118773A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6852992B2 (en) * | 2001-06-29 | 2005-02-08 | Hitachi, Ltd. | Method and apparatus of diagnosing deterioration of an article |
US6993202B2 (en) | 2001-02-28 | 2006-01-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Decoding apparatus, method, and storage medium for inputting and decoding variable-length coded data |
-
1997
- 1997-10-08 JP JP29355397A patent/JPH11118773A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6993202B2 (en) | 2001-02-28 | 2006-01-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Decoding apparatus, method, and storage medium for inputting and decoding variable-length coded data |
US6852992B2 (en) * | 2001-06-29 | 2005-02-08 | Hitachi, Ltd. | Method and apparatus of diagnosing deterioration of an article |
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