JP3349088B2 - 超音波伝搬特性の測定方法 - Google Patents
超音波伝搬特性の測定方法Info
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Description
検査物中での超音波伝搬特性を非破壊的に測定し得る方
法に関する。
あるいはその他の原因により劣化し、劣化の進行と共に
その超音波伝搬特性が変化することが知られている。例
えば、劣化の進行と共に有機高分子の破断伸び率が低下
し、劣化した有機高分子中での超音波の伝搬特性が変化
する。この現象を利用して、有機高分子の劣化度を超音
波の伝搬特性の変化から診断する方法が周知である。一
方、電力ケーブル、通信ケーブル、屋内配電線などの各
種絶縁電線は、その電気絶縁層やシースなどの被覆層の
劣化により停電や火災事故が生じる可能性があるので、
稼働中におけるその被覆層の劣化度は定期的な測定によ
り監視する必要がある。しかもその監視は、電線が稼働
中である故にその被覆層を破壊することなく行う必要が
あるために上記の超音波診断法を絶縁電線の非破壊劣化
診断に適用することが提案されている。
は、診断対象の電力ケーブルの被覆層の外表面上から超
音波をケーブルの半径方向に入射し、被覆層中での超音
波伝搬特性Vを下式(1)にて求める方法が提案されて
いる。 V=2a/t (1) 式(1)において、aは被覆層の厚みであり、tは超音
波の入射から該被覆層の下層(例えば、導体)の表面で
反射して再び入射位置まで帰還するに要した時間であ
る。
正しい値が既知である場合には有用であるが、実際上多
くの場合においてその値は既知でない。そこで被覆層の
厚みaとして絶縁電線の設計基準寸法を採用することが
考えられるが、絶縁電線の製造の際には設計基準寸法に
対して±15%もの製造公差が許容されているために、
該寸法を用いて算出された伝搬特性は正確さに劣る問題
がある。
り、被覆層の厚みが未知であっても超音波伝搬特性の測
定が可能な新規な方法が開発された。その新規方法にお
いては、超音波発振手段と超音波受信手段とを被検査物
の表面に一定間隔Lをおいて設置し、超音波発振手段か
ら発振された超音波が被検査物中を伝搬して超音波受信
手段にて受信される迄に要する伝搬時間tを測定し、そ
の伝搬時間と上記両手段の設置間隔とから超音波伝搬特
性を測定する。一般的に超音波発振手段から発振された
超音波は、絶縁電線の被覆層に入射すると大部分の成分
は図2に基づいて後記するように屈折に関するスネルの
法則に従って屈折し、一部の成分は分散して絶縁電線の
半径方向など種々の方向に進む。上記の方法では、大部
分の成分が、最短の伝搬路たる表層またはその近傍を進
むように超音波を入射するので、かかる表層を伝搬する
超音波成分が測定対象となる。
音波のパルス波形の一例を示し、横軸は時間であり、縦
軸はパルス波形中に含まれている各ピークの利得であ
る。このパルス波形例は、オシロスコープなどでは第1
番目のピークW1から第9番目のピークW9までの明確
な9つのピークが観察され、第1番目のピークW1から
第9番目のピークW9までがその順で伝搬してその順で
超音波受信手段に到達し受信される。各ピークの伝搬速
度は互いに同じであるので、9つのピークのうちの任意
のピークの任意の点に着目して、その着目点の伝搬時間
を測定して超音波伝搬特性を算出することができる。9
つのピークのうち第4番目のピークW4の頂点Mは、最
も利得が大きいので伝搬時間tを精度よく検出するのに
適している。
波発振手段から発振された超音波のパルス波形は、絶縁
電線の被覆層などを伝搬する間に漸次変形し、かく変形
したパルス波形が超音波受信手段にて受信されることが
判明した。上記の変形は、次に述べる理由により生じ
る。即ち前記した通り、超音波発振手段から発振された
超音波の一部の成分は、絶縁電線の被覆層に入射後に種
々の方向に進む。それらの成分のうちで絶縁電線の半径
方向に進んだ成分は、やがて中心導体の表面に至ってそ
こで反射して表層方向に向かい、表層またはその近傍を
進む成分に重畳する。この重畳により被覆層の表層を進
む超音波成分のパルス波形が変形する。パルス波形が変
形すると、上記した着目点にシフトが生じることになる
ので超音波の伝搬時間の測定に誤差が生じ、かくして超
音波伝搬特性の正確な測定ができなくなる。上記の着目
点のシフトおよびシフトによる伝搬時間の測定誤差に関
しては、後記する図3に基づいて一層詳細に説明する。
解決しようとする課題は、波形の重畳により被検査物の
表層を進む超音波成分のパルス波形に変形が生じても、
被検査物の超音波伝搬特性を誤差少なく測定する方法を
提供することにある。
す測定方法にて解決される。 1.超音波発振手段(1) と超音波受信手段(2) とを被検
査物の表面に一定間隔Lをおいて設置し、超音波発振手
段(1) から発振された超音波が被検査物中を伝搬して超
音波受信手段(2) にて受信される迄に要する伝搬時間t
を測定するにあたり、超音波発振手段(1) から発振され
た超音波のパルス波形に含まれる多数のピークのうちで
伝搬中に生じるピーク形の変形の程度が小さい先頭部分
のピークの任意点の伝搬時間を測定することを特徴とす
る超音波伝搬特性の測定方法。 2.先頭部分のピークが、第1番目または第2番目のピ
ークである上記1記載の超音波伝搬特性の測定方法。 3.超音波発振手段(1) を設置手段(11)を介し、且つ超
音波受信手段(2) を設置手段(21)を介してそれぞれ被検
査物の表面に設置し、超音波発振手段(1) と超音波受信
手段(2) との設置間隔がL1 とL2 とであるとき、超音
波発振手段(1) から発振された超音波が被検査物中を伝
搬して超音波受信手段(2) にて受信される迄に要する伝
搬時間t1 とt2 とをそれぞれ測定する上記1または2
記載の超音波伝搬特性の測定方法。 4.下式(2)から被検査物の超音波伝搬特性Vを得る
上記3記載の超音波伝搬特性の測定方法。 V=(L2 −L1 )/(t2 −t1 ) (2) 5.被検査物の劣化度の診断のために、被検査物の超音
波伝搬特性Vの経時的変化を、または設置間隔L1 とL
2 との差(L2 −L1 )を常に一定として測定した際に
得られる被検査物の(t2 −t1 )または1/(t2 −
t1 )の経時的変化を測定する上記3または4記載の超
音波伝搬特性の測定方法。 6.被検査物が、絶縁電線の被覆層である上記2〜5の
いずれかに記載の超音波伝搬特性の測定方法。
(1) から発振された超音波のパルス波形に含まれる多数
のピーク中において、前記した波形の重畳による被検査
物の表層を進む超音波成分のパルス波形に変形が生じて
も、パルス波形のうちの先頭部分のピーク、例えば図4
に示すパルス波形例であればその第1番目のピークW
1、第2番目のピークW2など、就中第1番目のピーク
W1の変形の程度が小さいことが判明した。よって本発
明では、かかる先頭部分のピークの任意点の伝搬時間を
測定することにより誤差少なく超音波伝搬特性を測定す
ることができる。
説明する。図1は本発明において用いられる測定装置の
説明図であり、図2は図1で使用する設置手段(11)と被
検査物との界面における超音波の屈折の様子を説明する
説明図であり、図3は超音波パルス波形のうちの主とし
て先頭部分についての拡大図例である。
る絶縁電線Cの被覆層C1の超音波伝搬特性を測定する
ために用いられており、それは超音波発振手段(1) 、超
音波発振制御手段(12)、超音波受信手段(2) 、超音波受
信制御手段(22)、伝搬時間測定手段(3) 、演算手段(4)
、距離入力手段(5) 、判定手段(6) 、および表示手段
(7) とからなる。
(図示せず)にて超音波を発生し発振し得る機能をな
し、また設置手段(11)を有していて設置手段(11)により
絶縁電線Cの被覆層C1の表面上に設置されている。超
音波発振手段(1) から発振された超音波は、設置手段(1
1)中を通過して被覆層C1に入射される。超音波発振制
御手段(12)は、超音波発振手段(1) から発振した超音波
の発振時刻や発振パルス波形などを電気信号にて伝搬時
間測定手段(3) に入力する機能をなす。超音波受信手段
(2) は、設置手段(21)を有していて設置手段(21)により
被覆層C1の表面上で超音波発振手段(1) から距離L1
だけ離れた位置に設置されており、被覆層C1内を伝搬
する超音波を設置手段(21)を介して受信する機能をな
す。設置手段(11)や設置手段(21)として、有機高分子、
例えば、ポリ四フッ化エチレンからなる斜角型ディレー
チップを使用することができる。
段(2) からの超音波の受信時刻、受信パルス波形などを
電気信号にて伝搬時間測定手段(3) に入力する機能をな
す。伝搬時間測定手段(3) は、超音波発振制御手段(12)
と超音波受信制御手段(22)とからの各入力を基に、超音
波発振手段(1) から発振された超音波が被検査物中を伝
搬して超音波受信手段(2) にて受信される迄に要する伝
搬時間t1 を測定する機能をなす。かくして距離L1 と
伝搬時間t1 とから超音波伝搬特性(あるいは速度)を
算出することができる。
ルスの波形を示し、破線DCは前記した反射波などの重
畳がある場合の典型的な受信パルスの波形を示す。いず
れも、伝搬時間測定手段(3) に入力されたものである。
受信パルスDCは、上記の距離L1 を伝搬するに要した
時間t1 後に受信されたパルス波形であるが、反射波な
どの成分の重畳によるパルス波形の変形の様子や程度を
分かり易くするために、各超音波パルスの先頭の発振時
刻と受信時刻との時間軸(横軸)を一致させて示す。図
3においては、発受信パルスの両波形共に第1番目のピ
ークW1、W1’〜第4番目のピークW4、W4’まで
の4ピークまでを示す。よって、発振パルスの波形はピ
ークW1、ピークW2、ピークW3、ピークW4・・・
を含み、受信パルスの波形はピークW1’、ピークW
2’、ピークW3’、ピークW4’・・・を含む。本発
明においては第n番目のピークとは、その谷−谷間に存
在する波を言う。例えば第2番目のピークW2は点BC
間に存在する波を指し、第2番目のピークW2’は点
B’C’間に存在する波を指す。以下同様である。
1の前に点SA間に小さな前駆利得PG(図3ではマイ
ナスの利得)が存在するが、かかる前駆利得は使用する
超音波発振手段(1) の発振特性によってその形状や利得
の大きさが異なり、場合によっては生じないこともあ
る。前駆利得PGが存在する場合、それも第1番目のピ
ークW1などと同様に且つ同速度で伝搬し受信され得る
ので、前駆利得PGの任意の点に着目して超音波伝搬特
性を測定することもできる。よって本発明においては前
駆利得PGが生じる場合には、それは第1番目のピーク
W1内に含めることとする。したがって第1番目のピー
クW1は、前駆利得PGが存在しない場合には点AB間
に存在する波を指し、前駆利得PGが存在する場合には
点SB間に存在する波を指すことになる。
のピークW1’は、対応する発振パルス波形の第1番目
のピークW1からの変形が極めて小さく、そのピーク頂
点P1’の位置はピークW1のピーク頂点P1の位置と
変わらず、第2番目のピークW2’に移行するあたりか
ら極く僅かに変形が始まっているに過ぎない。これに対
して、第2番目のピーク2’、第3番目のピーク3’・
・と進むにしたがって変形が漸次大きくなって、しかも
各ピーク頂点P2’、P3’・・の対応するピーク頂点
P2、P3・・からの各シフト量が増大している。いま
第1番目のピーク頂点P1、P1’間の時間差をΔ1、
第2番目のピークP2、P2’間の時間差をΔ2・・・
・とすると、Δ1は略0であり、Δ2は未だ小さいが、
Δ3あたりから急増大していることがわかる。かかるピ
ークのシフトが、伝搬時間t1 の測定の誤差原因とな
る。
は増大特性は、被検査物の構造や材質などにより左右さ
れるが、Δnの大きさが第1番目のピークW1の着目点
(例えばピーク頂点P1)の伝搬時間t11(上記の距
離L1 を伝搬するに要する時間)の1/50以下、特に
1/100以下である先頭部分のピークの任意の着目点
の伝搬時間を測定することが好ましい。かかる先頭部分
のピークとしては、第1番目のピークW1から第3番目
のピークW3まで、特に第1番目のピークW1から第2
番目のピークW2まで、さらには第1番目のピークW1
が好ましい。また上記の任意の着目点としては、第1番
目のピークW1を例にとると、S点、A点、B点、ある
いはP1点などである。
する超音波は、一般的に極めて減衰し易い。したがって
上記の距離L1 は、数百μm〜数十mm程度とすること
が好ましい。しかしその大きさは、実用的な設置手段(1
1)や設置手段(21)、例えば後記するポリ四フッ化エチレ
ン製斜角型ディレーチップが有する寸法(超音波伝搬距
離)L11やL12のせいぜい0.5〜5倍程度に過ぎない
ので、かかる場合は必要に応じて適当な方法にて設置手
段(11)や設置手段(21)での超音波伝搬時間を考慮した補
正を行うことになるが、つぎに述べる測定方法によれば
かかる補正が不要である。
(1) から発振された超音波は、図1中に点線で示す経
路、即ち設置手段(11)、被覆層C1、設置手段(21)を順
次経由して超音波受信手段(2) に到るのであるが、いま
設置手段(11)内での超音波伝搬特性をV1 、伝搬距離を
L11、伝搬時間をt11とし、被覆層C1内での超音波伝
搬特性をV、伝搬距離をL1 、伝搬時間をtxとし、ま
た設置手段(21)内での超音波伝搬特性をV2 、伝搬距離
をL12、伝搬時間をt12とすると、下式(3)が成立す
る。 t1 =t11+tx +t12 =(L11/V1 )+(L1 /V)+(L12/V2 ) (3)
段(2) との設置間隔をL2 に変更して、上記と同様の方
法で設置間隔L2 に対する超音波の伝搬時間t2 を測定
する。その場合、式(3)に対応して下式(4)が成立
する。さらに、式(4)と式(3)の差から前記の式
(2)が得られる。 t2 =(L11/V1 )+(L2 /V)+(L12/V2 ) (4)
を測定する際に使用した設置手段(11)と設置手段(21)と
をL2 に対するt2 を測定する際にも使用するならば、
超音波伝搬特性の測定は、原理的にそれら設置手段の形
状、寸法、さらには形成材料などに左右されないことが
判る。
び式(4)の成立を理解し易いように、設置手段(11)と
設置手段(21)が被覆層C1と接する各底面内で超音波の
伝搬密度が最高となる辺りをそれぞれ黒丸で示し、各黒
丸の位置をもって仮に超音波発振手段(1) と超音波受信
手段(2) の設置位置としている。しかし式(2)による
方法においては超音波発振手段(1) と超音波受信手段
(2) の各設置位置は、該黒丸の位置に限る必要はなく、
例えば超音波発振手段(1) であれば設置手段(11)の底面
の最先端、最後端、あるいはその中間点など任意の位置
に決定すればよい。同様のことが超音波受信手段(2) に
ついても該当する。その理由は、上記式(3)と(4)
から式(2)を誘導する過程から容易に理解されよう。
搬特性Vは(t2 −t1 )に逆比例し、1/(t2 −t
1 )に比例する。換言すると、それらの値は超音波伝搬
特性Vと相対関係にある。よって被検査物の多くの劣化
度診断時のように、劣化度の経時的な相対変化だけで十
分である場合には、本発明において超音波伝搬特性の測
定を常に(L2 −L1 )を一定として行って(t2 −t
1 )や1/(t2 −t1 )を算出し、それらの数値にて
劣化度診断を行うことができる。
は、距離入力手段(5) にて記憶され、また伝搬時間測定
手段(3) にて伝搬時間t1 とt2 とが測定される。その
後、距離入力手段(5) から設置間隔L1 とL2 とが、一
方、伝搬時間測定手段(3) から伝搬時間t1 とt2 とが
それぞれ演算手段(4) に入力され、演算手段(4) により
伝搬時間差(t2 −t1)や1/(t2 −t1)、あるいは上
記式(2)により超音波伝搬特性Vが算出される。判定
手段(6) は、被覆層C1を形成する有機高分子について
の種々の劣化度における物性、例えば、破断伸び率、引
張強度、100%モジュラスなどの機械的特性、あるい
は誘電率、誘電正接、体積抵抗率などの電気的特性、な
どと超音波伝搬特性Vあるいは該Vとの上記相対関係値
との相関関係データを保持しており、演算手段(4) から
入力されるそれらの値を基に劣化度を判定し、その結果
を表示手段(7) に送って劣化度を種々の表示方法、例え
ば絶縁電線の稼働日数−劣化度の関係グラフなどにて表
示せしめる。これらのことから本発明の超音波伝搬特性
の測定方法が、実用上からすこぶる有用なることが明ら
かであろう。
をL1 、L2 の二点とする場合、設置手段は、上記の説
明から原理的に種々の材料、例えば金属、有機高分子、
木材などにて形成してよいことがわかる。しかしそれら
設置手段は、可及的に超音波伝搬特性の遅い材料、就
中、被検査物の超音波伝搬特性V値の1.1倍以下、特
に該V値以下、さらには該V値の0.97倍以下のもの
にて形成することが好ましい。その理由を図2により以
下に説明する。
査物の超音波伝搬特性V値より小さい超音波伝搬特性を
有する材料にて形成されている場合を考える。この場
合、図2に示す通り被覆層C1の表面の法線Aに対して
角度θで発振された超音波は、屈折に関するスネルの法
則により設置手段(11)と被覆層C1との界面で大きい角
度φにて被覆層C1内に屈折して入射し、かく入射した
超音波の多くの部分が被覆層C1の外表面に近い層中を
進む。また設置手段(21)(図示せず)も被覆層C1のV
値より小さい超音波伝搬特性を有する材料にて形成され
ているので、被覆層C1の外表面に近い層中を進む高密
度の超音波部分は、スネルの法則により設置手段(21)に
入り易く、かくして超音波受信手段(2) は、高密度の超
音波部分を受信することができる。したがってかかる場
合には、超音波発振手段(1) として超音波発振出力が低
い安価品を用いることができ、あるいは超音波受信手段
(2)としては超音波受信感度の低いやはり安価品を用い
得る利点がある。なお本発明において、超音波発振手段
(1) から発振された超音波の被覆層C1の表面の法線A
に対する上記の角度θは、20〜85°程度が好まし
い。
における有機高分子について紹介すると、ポリエチレ
ン:約1800m/s、ポリ塩化ビニル:約1800m
/s、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM):約
1350m/s、ポリ四フッ化エチレン:約1300m
/s、シリコーンゴム:約1000m/sなどである。
したがって、被検査物がポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)からな
る場合、設置手段(11)や設置手段(21)としては、ポリ四
フッ化エチレンやシリコーンゴム製のものがスネルの法
則上から好適である。
面などであってよいが、設置手段(11)や設置手段(21)の
底面と被検査物の表面との間の接触性が悪くて空気層が
存在すると、接触面間で超音波の反射が生じて被検査物
内への入射率が低下することがある。かかる場合には、
グリスや油剤など、就中低極性の、したがって超音波伝
搬特性の遅い材料からなるものを使用して両接触面間に
空気層が存在しないようにすることが好ましい。
は、一般的には制限はない。なおポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)
などの絶縁電線の被覆層の構成材として多用される有機
高分子は、概して超音波の減衰が大きいので、減衰が比
較的少ない0.1〜5MHz程度、特に0.5〜2MH
z程度の超音波の使用が好ましい。
ルシースを有する製造直後の電力ケーブルを被検査物と
し、超音波発振手段(1) と超音波受信手段(2)とをいず
れもポリ四フッ化エチレン製斜角型ディレーチップ(傾
斜角度:40°)を使用して両者間の設置間隔L1 およ
びL2 をそれぞれ1mmと10mmとして上記の軟質ポ
リ塩化ビニルシースの表面上に設置し、周波数1.0M
Hzの超音波を使用して該シース中の伝搬時間差(t2
−t1 )を測定した。その際、伝搬時間t1 とt2 の測
定では、第1番目ピークW1〜第6番目ピークW6の各
頂点を着目点とし、頂点P1の発振時刻と頂点P1’の
受信時刻その差、頂点P2の発振時刻と頂点P2’の受
信時刻その差、頂点P3の発振時刻と頂点P3’の受信
時刻その差・・・・・を測定した。その結果を表1に示
す。なお同表に示す(t2 −t1 )の値は、試料数10
の平均値である。
厚みを測定し、正しいシース厚みは2.48mmである
ことを確認した。ついで超音波を電力ケーブルの半径方
向に入射する方法並びに前記の式(1)にて該軟質ポリ
塩化ビニルシース中の超音波伝搬特性を測定したとこ
ろ、10個の測定データの平均値は1852m/秒であ
って、上記のピーク番号1と2、特に実験例1の測定結
果と良く一致していることがわかる。
従来方法では該厚みの正しい値の把握が必須であった。
これに対して本発明ではその必要がなく、しかも種々の
被検査物につきそれらの超音波伝搬特性を非破壊的に正
しく測定することができる。よって本発明は、非破壊診
断が要求される稼働中にある絶縁電線の被覆層の劣化度
診断にすこぶる好適である。
ある。
面における超音波の屈折の様子を説明する説明図であ
る。
形および超音波受信手段にて受信された超音波パルス波
形のうちで、主として先頭部分についての拡大図例であ
る。
波形の一例を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 超音波発振手段(1)と超音波受信手段
(2)とを、ポリ四フッ化エチレンからなる斜角型ディ
レーチップを介してそれぞれ被検査物の表面に一定間隔
Lをおいて設置し、超音波発振手段(1)から発振され
た超音波が被検査物中の表層またはその近傍を伝搬して
超音波受信手段(2)にて受信される迄に要する伝搬時
間tを測定するにあたり、超音波発振手段(1)から発
振された超音波のパルス波形に含まれる多数のピークの
うちで伝搬中に生じるピーク形の変形の程度が小さい先
頭部分のピークの任意点の伝搬時間を測定することを特
徴とする超音波伝搬特性の測定方法。 - 【請求項2】 先頭部分のピークが、第1番目または第
2番目のピークである請求項1記載の超音波伝搬特性の
測定方法。 - 【請求項3】 超音波発振手段(1)と超音波受信手段
(2)との設置間隔がL1とL2とであるとき、超音波
発振手段(1)から発振された超音波が被検査物中を伝
搬して超音波受信手段(2)にて受信される迄に要する
伝搬時間t1とt2とをそれぞれ測定する請求項1また
は2記載の超音波伝搬特性の測定方法。 - 【請求項4】 下式から被検査物の超音波伝搬特性Vを
得る請求項3記載の超音波伝搬特性の測定方法。 V=(L2−L1)/(t2−t1) - 【請求項5】 被検査物の劣化度の診断のために、被検
査物の超音波伝搬特性Vの経時的変化を、または設置間
隔L1とL2との差(L2−L1)を常に一定として測
定した際に得られる被検査物の(t2−t1)または1
/(t2−t1)の経時的変化を測定する請求項3また
は4記載の超音波伝搬特性の測定方法。 - 【請求項6】 被検査物が、絶縁電線の被覆層である請
求項2〜5のいずれかに記載の超音波伝搬特性の測定方
法。
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---|---|---|---|
JP07744198A JP3349088B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 超音波伝搬特性の測定方法 |
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JP07744198A JP3349088B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 超音波伝搬特性の測定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11271283A JPH11271283A (ja) | 1999-10-05 |
JP3349088B2 true JP3349088B2 (ja) | 2002-11-20 |
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-
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