JPH10300731A - 超音波の伝搬速度の測定方法およびその装置 - Google Patents

超音波の伝搬速度の測定方法およびその装置

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JPH10300731A
JPH10300731A JP9112333A JP11233397A JPH10300731A JP H10300731 A JPH10300731 A JP H10300731A JP 9112333 A JP9112333 A JP 9112333A JP 11233397 A JP11233397 A JP 11233397A JP H10300731 A JPH10300731 A JP H10300731A
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JP9112333A
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Tetsuya Ashida
哲哉 芦田
Masanori Fujii
政徳 藤井
Junichiro Ikehara
潤一郎 池原
Hiroshi Ishibashi
博 石橋
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査物(特に電力ケーブル)の表層内を伝
搬する超音波の伝搬速度を、非破壊的に、より高精度に
測定する方法、およびそのための好ましい測定装置を提
供すること。 【解決手段】 下記の垂直法と斜角法とで得られるT、
t、Lからなる式L/(t2 −T2 1/2 の値を、表層
中における超音波の伝搬速度とする。垂直法では、超音
波Wを、表層A1表面の発信手段1から垂直内部方向に
発信し、表層A1と次層A2とによる互いに音響インピ
ーダンスの異なる界面で反射させて発信位置と同位置の
受信手段2にて受信し、発信から受信までの所要時間T
を得る。斜角法では、前記超音波を、表層表面の発信手
段3から斜め内部方向に発信し、表層と次層との界面で
反射させて、発信位置から距離Lだけ離れた表層表面上
の受信手段4にて受信し、発信から受信までの所要時間
tを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検査物の表層中
における超音波の伝搬速度を、非破壊で測定し得る方法
およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被検査物の表層中における超音波の伝搬
速度を、非破壊で測定しなければならない場合がある。
その一つの例として、布設されている電力ケーブルに対
する劣化診断が挙げられる。電力ケーブルにおけるシー
スや絶縁層などの表層(被覆層)に、有機材料(絶縁
体)が用いられている場合、その有機材料は、様々な要
因によって経年劣化し電気絶縁性が低下する。このよう
な劣化には、電力ケーブルの布設環境、雰囲気などが大
きく影響し、例えば、原子力発電所関連設備などに布設
された電力ケーブルでは、熱や放射線が劣化の要因にな
ることが多い。
【0003】従来、布設状態(活線状態)にある電力ケ
ーブルの表層の劣化診断を非破壊的に行なう方法とし
て、超音波を用いる方法(以下、「超音波法」という)
が知られている。例えば、特開平7−35733号公報
に記載の方法では、診断対象の電力ケーブルの被覆材に
外部から超音波を作用させ、該被覆材中の伝搬速度を求
める。有機材料中を伝搬する超音波の伝搬速度は、該材
料の劣化(=破断伸び率の変化)に伴って変化するとい
う現象が知られているので、求められた伝搬速度を破断
伸び率に対応させて被覆材の劣化を推定するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記方法で
は、超音波の伝搬速度は、実際には直接に計測されるも
のではない。実際に計測するのは超音波が表面から直下
に発信されてから次層との界面で反射され受信されるま
での所要時間である。超音波の伝搬速度は、この計測さ
れた所要時間を用い、表層の厚さを設計仕様書などから
得た既知数として、計算して求められる。従って、電力
ケーブルの表層中における超音波の伝搬速度を得るに
は、表層の厚さが既知であることが必須となる。
【0005】布設状態にある電力ケーブルの表層の厚さ
を、破壊することなく知るためには、例えばカタログ値
など、その電力ケーブルの設計寸法(呼称寸法)が利用
される。しかし、例えばシースなどに関しては、厚さは
設計寸法の基準値に対して±15%までが製造公差とし
て許容されているため、現物の表層の厚さと設計寸法と
は大きく異なる場合がある。従って、設計寸法を用いて
算出された伝搬速度は精度の低いものとなる。また、電
力ケーブルの製造メーカーが異なると電力ケーブルの設
計寸法も異なり、診断対象の電力ケーブルの種類(サイ
ズを含む)が明白でなければならない。このように、従
来の超音波法によって非破壊的に計測された超音波の伝
搬速度は精度の低いものであった。
【0006】本発明の目的は上記問題を解決し、被検査
物の表層内を伝搬する超音波の伝搬速度を、非破壊的
に、より高精度に測定する方法、およびそのための好ま
しい測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波の伝搬速
度の測定方法は、以下の特徴を有するものである。 (1)互いに音響インピーダンスの異なる表層と次層と
を有する被検査物に対して、(a) 表層の表面から、該表
面の法線に沿って内部方向に超音波を発信し、表層と次
層との界面で反射させて発信位置にて受信し、発信から
受信までの所要時間Tを計測し、(b) 表層の表面から、
該表面の法線と角度をなす直線に沿って内部方向に前記
超音波を発信し、表層と次層との界面で入射角と反射角
とが等しい反射をさせて、発信位置から距離Lだけ離れ
た表層の表面上の位置にて受信し、発信から受信までの
所要時間tを計測し、(c) L/(t2 −T2 1/2 の値
を表層中における超音波の伝搬速度とすることを特徴と
する超音波の伝搬速度の測定方法。
【0008】(2)被検査物が円筒状物であって、上記
(b) における、法線と角度をなす直線が、該円筒状物の
中心軸と交差する直線であり、受信位置が、発信位置か
ら該円筒状物の長手方向に距離Lだけ離れた位置である
上記(1)記載の測定方法。
【0009】(3)上記(b) における、法線と直線との
なす角度を先に決定し、発信された超音波を最も強く受
信し得る位置を受信位置とする上記(1)記載の測定方
法。
【0010】(4)表層の材料が有機材料である上記
(1)記載の測定方法。
【0011】(5)被検査物が、電力ケーブルであっ
て、表層が、有機材料からなる被覆層である上記(1)
記載の測定方法。
【0012】(6).被検査物の表層の表面から該表
面の法線に沿って内部方向に超音波を発信する第一の発
信手段と、表層と次層との界面で反射した該超音波を発
信位置にて受信する第一の受信手段と、.表層の表面
から該表面の法線と角度をなす直線に沿って内部方向に
前記と同じ超音波を発信する第二の発信手段と、表層
と次層との界面で入射角と反射角とが等しい反射をした
該超音波を発信位置から表層の表面に沿って距離Lだけ
離れた位置にて受信する第二の受信手段と、.前記
における発信から受信までの所要時間T、および前記
における発信から受信までの所要時間tを計測する時間
計測手段と、.前記L、T、tからL/(t2
2 1/2 の値を算出する計算手段とを有することを特
徴とする、被検査物の表層中における超音波の伝搬速度
を測定する装置。
【0013】(7)被検査物が電力ケーブルであって、
表層が、有機材料からなる被覆層である上記(6)記載
の装置。
【0014】
【発明の実施の形態】被検査物の一例として電力ケーブ
ルを挙げ、本発明の測定方法を装置の図を用いて説明す
る。図1に示すように、本発明の測定方法が、被検査物
(電力ケーブル)Aの表層A1に適用されている。表層
の厚さaは、設計仕様書から呼び寸法が参考程度に得ら
れるだけであり、実際に何程の寸法に仕上がっているの
かは不明である。本発明の測定方法は、図1(a)、
(b)に示す2つの計測と、該計測によって得た値を用
いた計算とを少なくとも行なう。
【0015】本発明では、被検査物の表層の表面は、曲
面、平面であってもよい。従って、本明細書でいう「法
線」は、「垂線」を例外とせず含むものである。
【0016】図1(a)に示す計測では、表層A1の表
面の法線に沿って内部方向に超音波Wを発信し、これを
表層A1と次層A2との界面に垂直に照射し、反射させ
て発信位置にて受信し、発信から受信までの所要時間T
を計測する。以下、本発明におけるこの計測を「垂直
法」とよぶ。
【0017】図1(b)に示す計測では、前記と同じ波
長の超音波Wを、表層A1の表面から斜めに内部方向
ヘ、即ち、該表面の法線と角度をなす直線に沿って内部
方向に発信し、表層A1と次層A2との界面で入射角と
反射角とが等しい反射をさせて、表層の表面に沿って発
信位置から距離Lだけ離れた位置にて受信し、発信から
受信までの所要時間tを計測する。以下、本発明におけ
るこの計測を「斜角法」とよぶ。距離Lの値は、後述す
るが、表層の表面上の2点間の距離であるから容易に計
測されるものである。
【0018】上記計測で得たT、tおよびLから、下式
(I)で表されるVの値を計算する。計算は、手動の計
算であってもよい。 V=L/(t2 −T2 1/2 (I) このVの値が表層A1中における超音波Wの伝搬速度で
ある。表層A1の厚さである未知数aを用いてVを表す
と、図1(a)の計測ではV=2a/Tであり、図1
(b)の計測ではV=2((L/2)2 +a2 1/2
tである。これら2つの式から上式(I)が得られる。
即ち、表層の表面から斜め内部方向に発信し受信すると
いう新たな手法(上記斜角法)が加えられたことによっ
て、計測不能な表層の厚さaの計測が回避できたのであ
る。
【0019】被検査物は、表層と次層とが互いに音響イ
ンピーダンスの異なるものであればどのようなものでも
よいが、表層が有機材料からなるものであれば、得られ
た超音波の伝搬速度からその表層の劣化の程度を推定す
ることができるので、本発明が有用なものとなる。有機
材料からなる表層を有する被検査物としては、電力ケー
ブルの他、パイプ、ホース、シート材、壁材・床材など
の表面材、などが例示される。特に、布設状態にある電
力ケーブルに対しては、上記従来技術の問題点を解消し
得るものとして、本発明の有用性は特に顕著なものとな
る。
【0020】本発明の測定方法では、表層と次層との界
面で超音波を反射させている。本発明でいう次層とは、
表層の下層側に隣接するスペースである。次層は、気
相、液相、固相のいずれの物質が充填されてなるもので
も、あるいは真空の空間であってもよく、この次層と表
層との界面が音響インピーダンスの変化の境目となるも
のであればよい。また、本発明でいう「次層」は、表層
に対して便宜上用いる呼称であって、「層」が示唆する
態様だけに限定されるものではない。例えば、塩化ビニ
ルの管材では、管を構成する塩化ビニルの部分が表層で
あり、「次層」は中空の内部空間となる。また、ゴムボ
ールの場合も同様に、「次層」は、表層であるゴム部分
に囲まれた内部の球状空間である。
【0021】被検査物を電力ケーブルとする場合、有機
材料からなる表層(被覆層)は、シース、絶縁層などで
ある。有機材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。
【0022】被検査物の表面が平面でない場合、特に被
検査物が円柱形である場合には、斜角法を図2のように
行なうのが好ましい。図2は、断面円形の電力ケーブル
を被検査物とした場合の斜角法の実施状態を示す模式図
である。同図に示すように、表層の表面の法線と角度を
なす直線(一点鎖線Yで示す直線)を、電力ケーブルの
中心軸Xと交差する直線とすることによって、反射時の
入射角と反射角とが容易に等しくなり、精度の高い計測
が可能となる。このとき受信位置は、発信位置から電力
ケーブルの表面を長手方向に沿って直線的に距離Lだけ
移動した位置となり、距離Lの計測も正確で容易とな
る。
【0023】斜角法における超音波の発信方向、例え
ば、図2において、表層の表面の法線と、直線Yとのな
す角度θは、発信可能な角度であれば特に限定されない
が、表層の厚さや、超音波の発信性、受信性などを考慮
して決定すればよく、20度〜70度程度が好ましい範
囲である。
【0024】斜角法における受信位置および距離Lは、
次のように決定するのが好ましい。即ち、超音波はある
程度の指向性をもって伝搬するから、先ず発信手段3に
おける発信角度(図2における角度θ)を決定し、受信
手段を可変にして連続的に移動させながら超音波の反射
を観測すれば、受信強度が最強となるピークの位置が見
つかる。そのときの位置が求める受信位置であり、発信
位置からの距離Lを計測すればよい。この受信位置およ
び距離Lが、従来において表層の厚さとして設計寸法を
用いていた場合に比べて、より高精度の値として決定で
きるために、得られた超音波の伝搬速度は信頼性の高い
ものとなる。
【0025】次に、本発明の測定方法を実施するのに好
ましい測定装置を説明する。図1に一例を示す測定装置
は、以上説明した本発明の測定方法を好ましく実施し得
るものである。図1(a)に示すように、垂直法を実施
し得る装置として、電力ケーブルAの表層A1の表面に
は、第一の発信手段1と第一の受信手段2とが設置され
ている。同図の例では、第一の発信手段1と第一の受信
手段2とは一体的に形成されたものであり、発信/受信
が同じ位置で行えるようになっている。この場合の同じ
位置とは、時間計測上、同じ位置とみなしても問題ない
ような近接した位置関係を含むものである。
【0026】また、図1(b)に示すように、斜角法を
実施し得る装置として、電力ケーブルAの表層A1の表
面には、前記と同じ波長の超音波Wを表層A1の表面か
ら斜め内部方向に発信する第二の発信手段3が設置さ
れ、また、反射された超音波を最も強く受信し得る位置
には第二の受信手段4が設置されている。
【0027】上記全ての発信手段と受信手段は、制御装
置5に接続され、発信、受信の動作を行なうようにコン
トロールされている。また、制御装置5は、時間計測手
段を内部に有し、垂直法、斜角法における発信から受信
までの所要時間Tおよびtを計測し得るものである。さ
らに、制御装置5は、計算手段を内部に有し、前記時間
計測手段によって得たT、tと、外部から入力される距
離Lとによって、L/(t2 −T2 1/2 の値を算出し
得るものとなっている。
【0028】図1の例では、説明のために垂直法の装置
と斜角法の装置とを、図1(a)、(b)に分けて描い
ているが、実際には互いに近傍に共存してもよく、ま
た、互いに制御装置5に対して交換可能に接続されるも
のでもよい。また、垂直法での発信手段1と斜角法での
発信手段3とを一体的に形成し、表層の表面から垂直内
部方向、および斜め内部方向のいずれにも発信し得る構
成として、装置のコンパクト化を図ってもよい。
【0029】図1(b)の斜角法において、受信手段4
の設置位置をマイクロメーターヘッドなどを用いて移動
させ得る構造とすれば、表層の表面上を微量に変位させ
ることが容易になり、しかも、距離Lが直読できるので
好ましい態様となる。
【0030】発信手段、受信手段としては、超音波を発
信し受信し得るものであれば、公知の超音波プローブな
ど、任意の超音波発振子、検出素子、およびこれらの付
帯装置を用いてよい。利用し得る超音波の周波数は限定
されないが、0.5MHz〜5MHz程度が好ましい。
【0031】斜角法において、表面の法線と角度をなす
直線に沿って内部方向に、発信手段から超音波を発信す
るための部材としては、図1(b)に示すディレーチッ
プ3a、4aが挙げられる。ディレーチップは、緩衝
材、シューとも呼ばれる公知の部材であって、例えば、
アクリル樹脂やポリイミド、ポリスチレンなどを用いた
クサビ形状の部材であって、図1(b)に示すように、
超音波発振子の発信面を表層の表面に対して角度をつけ
てセットすることができ、これによって超音波を表層内
に対して斜めに入射させることができる。
【0032】制御装置は、上記したように発信/受信の
ための駆動装置、時間計測手段、計算手段を有するもの
であるが、個別の制御機器を組合せたものであってよ
い。一例としては、発信/受信のための駆動装置とコン
ピュータとが接続されたものが挙げられる。この場合、
時間計測手段は、コンピュータ内蔵のカウンターを利用
したものでもよく、また、駆動装置からの発信/受信の
合図を受けて時間を計測する外部機器であってもよい。
【0033】
【実施例】本実施例では、電力ケーブルのサンプルを被
検査物とし、図1の装置を用いて表層中の超音波の伝搬
速度を測定した。また、被検査物となった電力ケーブル
を実際に破壊して表層の厚さを測定し、その表層中にお
ける真の伝搬速度に近い値(以下、単に「真の伝搬速
度」と省略する)を求め、本発明によって得られる伝搬
速度が、真の伝搬速度に対してどの程度ばらついている
かを調べた。
【0034】電力ケーブルの表層はシースであり、ケー
ブル外径21mm、カタログに記載のシースの厚さの呼
び寸法2.5mm、シース材料は軟質ポリ塩化ビニルで
あった。
【0035】〔垂直法〕周波数2MHzの超音波を発信
し、発信から受信までの所要時間Tを計測したところ、
T=2.55μsを得た。 〔斜角法〕同じ超音波を、法線に対して角度40度をな
すように内部方向に発信し、最強の受信位置を調べたと
ころ、発信位置からL=4.08mmの位置であること
がわかった。この位置関係において発信から受信までの
所要時間tを計測し、t=3.32μsを得た。 〔伝搬速度の算出〕これらの計測結果T、L、tおよ
び、式L/(t2 −T2 1/2 から、シース中の超音波
の伝搬速度1920m/secを得た。
【0036】〔破壊して実測した値との比較〕上記実験
で用いた電力ケーブルを実際に破壊して、シースの厚さ
の実測値2.41mmを得た。垂直法によって往復所要
時間として得られたTと、このシース中の厚さの実測値
とから、このシースにおける真の伝搬速度1890m/
secが計算され得る。
【0037】上記と同様の実験をサンプル数n=100
について各々行ったところ、本発明の測定方法で得られ
る伝搬速度が、各々の場合の真の伝搬速度に対して常に
±2%の以内の誤差に収まっていることを確認した。こ
れによって、本発明の測定方法が、非破壊的な測定であ
りながら精度の高いものであることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、非破壊では容易に計測
できない表層の厚さ寸法を、高い精度で計測可能な量に
ふり代わらせることができるようになった。これによっ
て、例えば、電力ケーブルを被検査物とする場合には、
カタログ値を参照していた従来の方法に比べて、破壊的
に調べた場合の値からのバラツキは小さくなり、超音波
の伝搬速度と破断伸び率との関係から得られる表層の劣
化(=破断伸び率の変化)の診断の精度をより向上させ
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置の一例を模式的に示す図であ
る。
【図2】本発明における斜角法の好ましい例を、模式的
に示す図である。
【符号の説明】
A 被検査物 A1 表層 A2 表層下の次層 W 超音波 L 距離 1、3 発信手段 2、4 受信手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 博 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに音響インピーダンスの異なる表層
    と次層とを有する被検査物に対して、(1) 表層の表面か
    ら、該表面の法線に沿って内部方向に超音波を発信し、
    表層と次層との界面で反射させて発信位置にて受信し、
    発信から受信までの所要時間Tを計測し、(2) 表層の表
    面から、該表面の法線と角度をなす直線に沿って内部方
    向に前記超音波を発信し、表層と次層との界面で入射角
    と反射角とが等しい反射をさせて、発信位置から距離L
    だけ離れた表層の表面上の位置にて受信し、発信から受
    信までの所要時間tを計測し、(3) L/(t2 −T2
    1/2 の値を表層中における超音波の伝搬速度とすること
    を特徴とする超音波の伝搬速度の測定方法。
  2. 【請求項2】 被検査物が円筒状物であって、上記(2)
    における、法線と角度をなす直線が、該円筒状物の中心
    軸と交差する直線であり、受信位置が、発信位置から該
    円筒状物の長手方向に距離Lだけ離れた位置である請求
    項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 上記(2) における、法線と直線とのなす
    角度を先に決定し、発信された超音波を最も強く受信し
    得る位置を受信位置とする請求項1記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 表層の材料が有機材料である請求項1記
    載の測定方法。
  5. 【請求項5】 被検査物が、電力ケーブルであって、表
    層が、有機材料からなる被覆層である請求項1記載の測
    定方法。
  6. 【請求項6】 .被検査物の表層の表面から該表面の
    法線に沿って内部方向に超音波を発信する第一の発信手
    段と、表層と次層との界面で反射した該超音波を発信位
    置にて受信する第一の受信手段と、.表層の表面から
    該表面の法線と角度をなす直線に沿って内部方向に前記
    と同じ超音波を発信する第二の発信手段と、表層と次
    層との界面で入射角と反射角とが等しい反射をした該超
    音波を発信位置から表層の表面に沿って距離Lだけ離れ
    た位置にて受信する第二の受信手段と、.前記にお
    ける発信から受信までの所要時間T、および前記にお
    ける発信から受信までの所要時間tを計測する時間計測
    手段と、.前記L、T、tからL/(t2 −T2
    1/2 の値を算出する計算手段と、を有することを特徴と
    する、被検査物の表層中における超音波の伝搬速度を測
    定する装置。
  7. 【請求項7】 被検査物が、電力ケーブルであって、表
    層が、有機材料からなる被覆層である請求項6記載の装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000343915A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd タイヤの断面構造測定方法及び測定装置

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JP2000343915A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd タイヤの断面構造測定方法及び測定装置

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