JPH11211699A - 各種材料又は各種溶液の診断用測定センサ、診断装置及び診断方法 - Google Patents

各種材料又は各種溶液の診断用測定センサ、診断装置及び診断方法

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JPH11211699A
JPH11211699A JP10025105A JP2510598A JPH11211699A JP H11211699 A JPH11211699 A JP H11211699A JP 10025105 A JP10025105 A JP 10025105A JP 2510598 A JP2510598 A JP 2510598A JP H11211699 A JPH11211699 A JP H11211699A
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probe
diagnostic
various
angle
sensor
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JP10025105A
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Inventor
Mikio Fukuhara
幹夫 福原
Yoshiyuki Kuwano
芳行 桑野
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Tungaloy Corp
Original Assignee
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属、セラミックス、ポリマ−などの各種材
料の材質変化又は各種溶液の溶質変化を非破壊形式で精
度よく測定、診断する。 【解決手段】 診断測定用センサ1は、被測定物2に対
して一定圧力で密着配置され、SH波の超音波によって
非破壊形式で測定、診断する。送信プローブ4及び受信
プロ−ブ5は、シュ−部材6に送信子4a及び受信子5
aを備え、超音波を送受信する送受信角θ1が設定され
る。この送受信角θ1は、Sinθa/Va=Sinθ
b/Vbを与えるスネルの法則に準拠するが、屈折角θ
b=90°としたときの入射臨界角θ´aよりも僅かに
大きい増加変位量をもって設定される。センサ1には、
パルサ・レシ−バ部、A/D変換部及びディスプレイを
備えたCPUが接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、コンクリー
ト、ガラスを含むセラミックス、軟硬質ゴムを含むポリ
マー、粘着性媒体等の各種材料における表面劣化、硬
化、疲労等の材質変化、又は各種溶液の濃度、粘度、糖
度、化学溶存度(COD)、生物溶存度(BOD)、ア
ルコ−ル度、PH等の溶質変化を定量診断するのに好適
する各種材料又は各種溶液の診断用測定センサ、診断装
置及び診断方法に関し、特に、超音波利用による非破壊
形式により相対的な比較もしくは絶対的評価で、しかも
簡便に定量診断できるようにしたものである。殊に最近
の工業界では、超音波が比較的伝播しにくい物質、概し
て軟質物質の表面硬化、劣化、疲労等の材質変化又は各
種溶液の溶質変化を測定したいという要求が多くなって
きており、本発明はこの要求に応えるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種材料における表面部の疲労、
加工硬化、劣化等の材質変化などを測定する方法として
は、断面部の硬度測定や走査型電子顕微鏡による観察、
X線照射による応力測定、超音波の透過による波形変化
計測などが実用化されている。
【0003】一方、本発明者らは、特開平8−2939
8号公報、特開平9−236585号公報などで、横波
の剪断水平波(SH波)からなる超音波を利用した非破
壊形式の各種材料の診断用測定センサ及び診断装置並び
に診断方法を開示している。そして、これらの公報に開
示された各種材料の診断用測定センサ及び診断装置並び
に診断方法では、診断用測定センサの送受信プロ−ブが
スネルの法則に基いた臨界角で設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たスネルの法則に基いた理論的な臨界角の採用は、各種
材料の材質変化又は各種溶液の溶質変化がより精密な測
定、診断を必要とする場合には不充分であることが判明
した。
【0005】そこで、本発明者らは、新たな発想のもと
に鋭意研究を行った結果、スネルの法則による理論的な
臨界角よりも僅かに大きい送受信角の適用、センサの本
体部材をシュ−部材よりも減衰の大きい材料で構成する
ことなどの配慮によって、より精密な測定、診断に対処
できることを知見した。
【0006】この結果、各種材料では、平面形状、内側
に屈曲したL状又は湾曲したR状のコーナ形状、波形形
状等を有する被測定物における材質変化の診断に適用で
きるものである。この場合、各種材料としては、金属、
コンクリート、ガラスを含むセラミックス、硬軟質ゴム
を含むポリマー、粘着性媒体等をあげることができ、ま
た材質変化としては、表面硬化、劣化、疲労等をあげる
ことができる。また各種溶液からなる被測定物では、濃
度、粘度、糖度等の溶質変化の測定診断に適用できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の点に鑑み
なされたもので、各種材料又は各種溶液の診断用測定セ
ンサは、入射側の送受信プロ−ブにおける送受信角θ1
がSinθa/Va=Sinθb/Vbを与えるスネル
の法則(ただし、θa,Vaは入射側の入射角及び音
速、θb,Vbは屈折側の屈折角及び音速)において、
θb=90°となるときの入射臨界角θ´aよりも2°
以下(0°を含まず)の範囲内の増加変位量δをもって
設定されているものである。これは、被測定物中を伝播
する受信波が表層部分を伝播するようになり、また余分
な反射波も減少することから解析能が向上するからであ
る。
【0008】また、前記センサ本体は、送信プロ−ブ及
び受信プロ−ブを除く残りの部分が送信プロ−ブ及び受
信プロ−ブのシュ−部分よりも減衰の大きな材料で構成
され、0.02〜0.5kg/mm2の一定圧力で被測
定物に圧接されることが望ましい。また、前記センサ本
体は、送信プロ−ブ及び受信プロ−ブ間に減衰効率を高
めるための空間部分が形成されている場合、シュ−部材
の離間部分には、伝播効率をあげるための圧電体が配置
されている場合にも適用できる。後者の場合、圧電体
は、被測定物と接触する接触面を有するもので、SH波
からなる超音波の一部が被測定物に漏洩、回析されて得
られる受信波形に変化を起こすようにしたものである。
【0009】さらに、各種材料又は各種溶液の診断装置
は、前記測定センサの送信子及び受信子が超音波の発信
及び受信を制御するパルサー/レシーバ部に接続される
とともに、このパルサー/レシ一バ部には、前記受信子
側からの受信波をデジタル変換するA/D変換部及び波
形表示などに用いるディスプレイを備えた演算処理用の
CPUが接続されるようにしたものである。したがっ
て、このCPUでは、受信波形の変化を基に減衰係数、
周波数スペクトル、波形、伝播時間、受信感度、位相ス
ペクトルなどの測定要素が解析され、次いでそれらの解
析結果を演算処理することができる。なお、ディスプレ
イを備えたCPUは、パーソナルコンピュータとして構
成され、その集積回路のボードに、パルサー/レシーバ
部及びA/D変換部が組み込まれてもよい。
【0010】そして、各種材料又は各種溶液の診断方法
は、前記診断装置に組み込まれた前記診断用測定センサ
によって、SH波からなる超音波が標準試料の被測定物
に回析伝播され、次いでCPUにより演算、解析処理さ
れた減衰係数、周波数値、波形面積、伝播時間、受信感
度、位相値などの測定要素の実測値と、標準試料の表面
劣化、硬化、疲労等の材質変化又は各種溶液の溶質変化
における診断要素との間の検量線を作成しておくことが
好ましい。そして、診断要素が未知の被測定物の測定要
素を測定したときには、前記検量線を用いれば材質変
化、溶質変化が相対的にもしくは絶対値として診断でき
ることになる。したがって、被測定物の表面部は、非破
壊的に測定され、しかも、SH波が縦波などの他のモ一
ドに変換する現象もないことから、前記測定要素が精度
高く実測できる。さらには、前記検量線から定める判定
しきい値を基準にすれば、測定要素の値から材質変化や
溶質変化の合否を判定することもできる。
【0011】また、前記の各種測定要素を用いて重回帰
分析などの統計的計算をすることにより、各種材料の材
質変化又は各種溶液の溶質変化を定量判定し、もしくは
寿命判定することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明における各種材料又
は各種溶液の診断用測定センサ、診断装置及び診断方法
について、その一実施例につき図を参照しながら説明す
る。
【0013】図1(a)は、各種材料の表面劣化、硬
化、疲労等の材質変化を測定する診断用測定センサlを
示す説明図で、ブロック状をなす診断用測定センサ1
は、例えば、鋼材料からなる被測定物2の表面部分にお
ける材質変化を測定するものである。そして、センサ本
体3の内部には、対となった超音波の送信プロ−ブ4及
び受信プロ−ブ5が設置されている。これらの送信プロ
−ブ4及び受信プロ−ブ5は、被測定物2に接触するシ
ュ−部材6に発信子4a及び受信子5aを備えたもので
あり、被測定物2に対しては、横波の剪断水平波(SH
波)からなる超音波が送信プロ−ブ4側から被測定物2
の表層付近を通って受信プロ−ブ5側に伝播される。こ
の場合、センサ本体3の外郭ケース7には、端子8a,
8bが設けられ、この端子8a,8bには、リ一ド線9
a,9b及びケーブル10a,10bがそれぞれ接続さ
れるようになっている。そして、超音波の伝播にあたっ
ては、送信プロ−ブ4の送信角θ1及び受信プロ−ブ5
の受信角θ1が設定されるが、受信側では、受信角が送
信角と同様な考え方に基づき設定されることから、送信
角θ1=受信角θ1としている。そして、送信角θ1は、
送信プロ−ブ4の中心線11及び被測定物2の法線12
に対する角度であり、受信強度のピ−ク高さの関係か
ら、スネルの法則準拠の入射臨界角θ´aに対して増加
変位量を有するように設定される。この場合、前記法線
12は、送信プロ−ブ4の中心線11が被測定物4の表
面と交わる点からのものであり、この交点からは接線1
3が同様に引き出される。なお、スネルの法則は、図2
の模式図で示されるように以下の式 Sinθa/Va=Sinθb/Vb を充足するものであり、図2中のθ´aは、θb=90
°となるときの入射臨界角の値である。ここで、θa,
Vaは入射側(送受信側)の入射角及び音速であり、V
bは屈折側(被測定物側)の屈折角及び音速である。
【0014】図3は、送信角θ1を設定するため受信強
度のピ−ク高さ(dB)を求めた特性図であり、入射臨
界角θ´a=25.4°よりも送信角θ1=26.5°
付近の方がピ−ク高さが強く、感度が良好であって、適
切な増加変位量δが存在することを示している。この場
合、被測定物2は鉄鋼、シュ−部材6はアクリルとした
ものである。
【0015】なお、適切な増加変位量は、被測定物2及
びシュ−部材6における音速の違いにより異なるが、被
測定物2の材質を基準にすれば、増加変位量δがセラミ
ックス<金属<ポリマ−の順でおおよそ表1のように変
化する。
【0016】
【表1】 また、送信プロ−ブ4及び受信プロ−ブ5を除く部分の
センサ本体3は、前記シュ−部材6よりも減衰の大きな
材料で構成されることが好ましい。なお、シュ−部材6
は、被測定物2との間の音響インピーダンスの差が少な
く、超音波の伝播特性があり、かつ耐摩耗性の良好な材
料が好ましい。また、このシュ−部材6は、超音波の減
衰などから、横波を選択基準とすれば、鋼材料の被測定
物2では、一般的には500〜3000m/sの範囲の
減衰速度が好適する。これは、500m/s未満では横
波超音波の減衰が大きくなって不具合となり、3000
m/sよりも大きいと鋼材料からなる試験体に対する横
波入射角が得られないからである。このようなことか
ら、シュ−部材6は、例えば鉛等の金属、アクリル、ポ
リカーボネイト、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリア
ミド、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリエ
チレンテレフタレート、ABS樹脂、変性ポリフェニレ
ンエーテル等のポリマー、あるいはシリコンゴム、ウレ
タンゴム、ハイカー等のゴムが用いられる。
【0017】なお、シュ−部材6及びセンサ本体3は、
伝播効率を高める配慮から、前述したセンサ本体3がシ
ュ−部材6よりも減衰の大きな材料で構成されることが
好ましく、例えば、表2のような組合せの材料で構成さ
れる。
【0018】
【表2】 さらに、外郭ケ−ス7は、鋼材からなっているが、これ
は、自重をかけることによって被測定物2に対する密着
性による測定精度の向上を配慮したものである。一定圧
力としては、自重の場合や、重しのような一定荷重を機
械的に付加する場合などがあり、図4で示されるように
0.02〜0.5kg/mm2の範囲が好適することを
確認した。これは、0.02kg/mm2未満では、被
測定物2との伝播音圧が悪く、0.5kg/mm2を越
えると被測定物2に材質変化をあたえるからである。な
お、前記送信子4a及び受信子5aの背後には、鋭利な
パルス波形を得るため振動制動用のダンパ(図示せず)
を設けることが好ましい。
【0019】また、SH波からなる超音波を選択したの
は、任意の表面伝播領域が送受信角度θ1の選択によっ
て選べること及び縦波等の他のモードに変換して受信波
が複雑になる現象がないことからで、SH波の周波数
は、0.1〜100MHzのパルスが望ましい。これ
は、0.1MHzよりも小さいと波長が長くなりすぎる
ため測定精度が低下し、100MHzを越えると過度に
減衰しやすくなるからで、望ましくはl〜15MHzが
好適する。また、超音波の波形にパルス波を用いるの
は、複雑に干渉し合うことが少ないこと、受信波形の解
析がしやすく、被測定物を無限媒体の個体として取り扱
える性質があるからである。
【0020】図5及び図6は、診断用測定センサlをそ
れぞれ示す他の実施例を示す説明図であり、図5の場合
では、センサ本体3は、送信プローブ4及び受信プロ−
ブ5間に直接伝播の減衰効率を高めるための空間部分1
4を備えているものである。これに対し、図6は、送信
プローブ4及び受信プロ−ブ5間に伝播効率を高めるた
めの圧電体15を介在させているものである。圧電体1
5を設置した場合は、SH波の伝播効率の向上を配慮し
たものであり、圧電効果によって生じる圧電ポテンシャ
ルが接触面を介して密着した被測定物2中に侵入し、そ
の結果SH波の一部が被測定物2に漏洩、回折伝播され
て、得られる受信波形に変化を起こすようにしたもので
ある。
【0021】また、図7は、内側に湾曲したRコ−ナ部
分を有する被測定物2に適用した診断用測定センサ−1
を示したものであるが、角度をもって折れ曲がるような
被測定物2にも適用できる。そして、図示のような内側
に湾曲したコ−ナ部分を有する被測定物2の内角面は、
平面同士の場合、フランジの環状端面及び円柱面の場合
にも適用できるものであり、このためセンサ本体の内角
コーナ部分が非接触状態になるよう凹み勝手に構成され
ている。
【0022】さらに、図8は、円柱部材からなる被測定
物2に適用した診断用測定センサ−1を示した説明図で
あり、この被測定物2は、SH波からなる超音波が送信
プロ−ブ4側から被測定物2を周回り(図示の場合半時
計回り)で受信プロ−ブ5側に伝播する。
【0023】図9は、各種材料又は各種溶液の診断装置
における概念的なシステムを示した構成図であり、SH
波からなる超音波を伝播する前記診断用測定センサlを
装置に組み込むことによって、被測定物2の表面劣化、
硬化、疲労等の材質変化又は溶質変化が定量的に診断で
きるようになっている。要するに、この診断用測定セン
サlは、超音波の送受信を制御するパルサ/レシーバ2
1からのケーブルl0a,10bの信号によってSH波
からなる超音波が被測定物2に対して発信及び受信され
るものである。
【0024】そして、この受信波形は、A/D変換部2
2によってデジタル信号に変換され、表示用のディスプ
レイ23を備えたCPU24によって演算処理される。
この場合、CPU24では、測定結果から減衰係数、周
波数値、波形、伝播時間、受信感度、位相値などの実測
値が算出されるとともに、波形のパターン解析などが行
われる。なお、前記ディスプレイ23を備えたCPU2
4は、図10で示されるように、パーソナルコンピュー
タ25として構成され、その集積回路のボード(図示せ
ず)には、パルサ/レシーバ部21及びA/D変換部2
2が組み込まれる場合にも適用される。
【0025】このように構成された、本発明は、被測定
物2の標準試料を対象にして、SH波からなる超音波の
減衰係数、周波数値、伝搬時間、受信感度、位相値、波
形のパターン解析などの測定要素によって判断された判
定しきい値が決定される。この場合、判定しきい値は、
標準試料における表面劣化、硬化、疲労等の材質変化又
は溶液の溶質変化における診断要素に対して、寿命など
に対応した値を意味する。そして、診断要素は、固体材
料を被測定物2とした場合では、浸炭、窒化、硼化、
熱、放射線等による硬化、摺動、曲げ、回転、往復等に
よる疲労、熱、放射線、化学物質、水等による劣化、被
覆膜の厚さ及び剥離、金属中の水素量、2〜3相の組成
定量、ピ−ル力、タック力、ポリマ−の架橋量等による
材質変化が適用される。また各種溶液を被測定物2とし
た場合では、濃度、粘度、糖度、化学溶存度(CO
D)、生物溶存度(BOD)、アルコ−ル度、PH等の
溶質変化が適用される。
【0026】また、本発明は、精度高くしかも簡便に定
量診断するため、標準試料における診断要素及び減衰係
数、周波数値、伝播時間、位相値などの測定要素の基準
値をそれぞれ相関関係とした検量線が作成されていると
好都合である。これは、この検量線を基にして、前述し
た判定しきい値が容易に設定できるからである。また、
この検量線は、単に定量測定、診断をする際においても
役に立つ。
【0027】次いで、被測定物2に対して、同様な測定
作業を行い、得られた測定要素の実測値などを前記標準
試料における検量線を用いて判断し、被測定物2の表面
劣化、硬化、疲労等の材質変化又は溶質変化を定量的に
診断する。そして、測定要素の実測値がしきい値に至れ
ば、使用不可と診断される。
【0028】また、前記の各種測定要素を用いて重回帰
分析などの統計的計算をすることにより、各種材料の材
質変化又は各種溶液の溶質変化を定量判定し、もしくは
寿命判定することもできる。統計的計算を採用したの
は、測定値に関する信頼性をより高めるためである。
【0029】図11は、図10にみられる診断装置及び
図5のセンサを利用して、軟質ポリ塩化ビニルからなる
被測定物2の熱劣化(引張り伸びの低下)を判別する検
量線Aを示した特性図である。この場合、予め標準試料
で実測した0.6MHzにおける位相値(測定要素)の
検量線Aから、軟質ポリ塩化ビニルの引張り伸びの値
(診断要素)が相対的に判断され、非破壊で定量的に判
断される。なお、図11では、引張り伸びのしきい値を
150%と設定し、位相値が4.5rad以下になれば
使用不可と診断されることが示されている。
【0030】図12は、図10にみられる診断装置及び
図6を利用して、水の中の懸濁物質量を調べる検量線B
を示した特性図である。この場合、予め実測した伝播時
間の検量線Bから、懸濁物質量が相対的に判断され、非
抽出で定量的に検査される。
【0031】また、その他の表面劣化、疲労度合、硬さ
などの定量の場合も、診断要素及ぴ減衰係数、周波数
値、伝播時間、位相値などの測定要素をそれぞれ相関関
係とした検量線や重回帰分析によって、同様にして診断
ができる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、診断用
測定センサlは、送受信角を入射臨界角から増加変位量
を持たせた値にして精度良く測定できるようにしてお
り、また、金属、コンクリート、ガラスを含むセラミッ
クス、ゴムを含むポリマー等の各種材料又は各種溶液に
おいて、各種表面形状部分の表面劣化、硬化、疲労等の
材質変化又は溶質変化を比較的容易に定量診断できると
いう利点を有する。
【0033】また、この診断用測定センサlを応用した
各種材料及び各種溶液の診断装置及び診断方法では、被
測定物2から測定した減衰係数、周波数、伝播時間、受
信感度、位相、波形のパターン解析などの測定要素の実
測値が被測定物の標準試料から求めた判定しきい値と比
較判断されることにより、試験体の熱、放射線、化学物
質、水等による劣化、接着強度、引張伸び、硬さ、疲労
などの診断要素が相対的な関係で、しかも簡易に定量診
断ができるという利点を有する。
【0034】さらに、診断要素及び測定要素の基準値が
それぞれ相関関係となる検量線を作成し、この検量線を
基準にして測定要素の実測値を比較判断するようにした
り、測定要素に対して重回帰分析などの統計的計算を用
いれば、より簡便で、しかも精度の高い定量診断が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明各種材料及び各種溶液の診断用測定セン
サの一実施例を示す図であり、(a)は概念的な説明
図、(b)は部分的な拡大説明図。
【図2】スネルの法則を示した説明図。
【図3】送受信角及び入射臨界角から鋼における増加変
位量を求めた特性図。
【図4】被測定物に対する適切な密着圧力を荷重及び受
信強度から求めた特性図。
【図5】本発明各種材料及び各種溶液の診断用測定セン
サの他の実施例を示す概念的な説明図。
【図6】本発明各種材料及び各種溶液の診断用測定セン
サの別の実施例を示す概念的な説明図。
【図7】本発明各種材料及び各種溶液の診断用測定セン
サのさらに別の実施例を示す概念的な説明図。
【図8】本発明各種材料及び各種溶液の診断用測定セン
サのさらに他の実施例を示す概念的な説明図。
【図9】本発明各種材料及び各種溶液の診断装置の一実
施例を示す概念的な説明図。
【図10】本発明各種材料及び各種溶液の診断装置の他
の実施例を示す概念的な説明図。
【図11】軟質ポリ塩化ビニルの熱劣化(引張り伸びの
低下)を判別する検量線Aを示した特性図。
【図12】水の中の懸濁物質量を調べる検量線Bを示し
た特性図。
【符号の説明】 【符号の説明】
l 診断用測定センサ 2 被測定物 3 センサ本体 4 送信プロ−ブ 4a送信子 5 受信プロ−ブ 5a受信子 6 シュ−部材 7 外郭ケ−ス 8a,8b 端子 9a,9b リード線 10a,10b ケーブル 11 中心線 12 法線 13 接線 14 空間部分 15 圧電体 21 パルサ・レシーバ部 22 A/D変換部 23 ディスプレイ 24 CPU 25 パーソナルコンピュータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の表面に接触して配置されるブ
    ロック状をなすセンサ本体1には、一対の送信プロ−ブ
    4及び受信プロ−ブ5が離間した状態で組込まれ、しか
    もこの送信プロ−ブ4の送信子4a及び受信プロ−ブ5
    の受信子5aを利用して横波の剪断水平波(SH波)か
    らなる超音波が入射側の送信プロ−ブ4から屈折側の被
    測定物2の表層付近を通って受信プロ−ブ5に伝播され
    るようにした各種材料の材質変化又は各種溶液の溶質変
    化を非破壊で測定できるようにした診断用測定センサで
    あって、 前記送信プロ−ブ4及び受信プロ−ブ5における送受信
    角θ1は、Sinθa/Va=Sinθb/Vbを与え
    るスネルの法則(ただし、θa,Vaは入射側の入射角
    及び音速、θb,Vbは屈折側の屈折角及び音速)にお
    いて、θb=90°となるときの入射臨界角θ´aより
    も2°以下(0°を含まず)の範囲内で大きくなる増加
    変位量δをもって設定されていることを特徴とする各種
    材料又は各種溶液の診断用測定センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたセンサ本体1は、
    送信プロ−ブ4及び受信プロ−ブ5を除く残りの部分が
    送信プロ−ブ4及び受信プロ−ブ5のシュ−部材6より
    も減衰の大きな材料で構成されている請求項1記載の各
    種材料又は各種溶液の診断用測定センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたセンサ本体1は、
    0.02〜0.5kg/mm2の一定圧力で被測定物2
    に圧接される請求項1又は請求項2記載の各種材料又は
    各種溶液の診断用測定センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたセンサ本体1は、
    送信プロ−ブ4及び受信プロ−ブ5間には、直接伝播の
    減衰効率を高めるための空間部分14が形成されている
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の各種材料又は各
    種溶液の診断用測定センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された送信プロ−ブ4及
    び受信プロ−ブ5の離間部分には、伝播効率をあげるた
    めの圧電体15が配置されている請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の各種材料又は各種溶液の診断用測定セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5に記載された診断用
    センサ1の送信子4a及び受信子5aは、超音波の発信
    及び受信を制御するパルサ/レシ−バ部21に接続さ
    れ、またこのパルサ/レシ−バ部21には、受信子4a
    からの受信波をデジタル変換するA/D変換部22及び
    波形処理、波形表示、波形保存、検量線作成等に用いる
    演算処理用のCPU24がそれぞれ接続されるようにし
    た各種材料の材質変化又は各種溶液の溶質変化を非破壊
    で測定できるようにしたことを特徴とする各種材料又は
    各種溶液の診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された診断装置の診断用
    センサ1に適用されるSH波からなる超音波は、送信子
    4a側から被測定物2中を回折伝播し、受信子5a側で
    得られた受信波形をCPUにより演算処理することによ
    り各種材料の材質変化又は各種溶液の溶質変化が診断さ
    れることを特徴とする各種材料又は各種溶液の診断方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された受信波形からCP
    U24により演算処理して得られた測定要素の値を求
    め、診断要素の値との間の検量線を作成し、この検量線
    による相対的比較で、各種材料の材質変化又は各種溶液
    の溶質変化を定量判定し、もしくは寿命判定する請求項
    7記載の各種材料又は各種溶液の診断方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の検量線から定める測定
    要素の判定しきい値をもうけ、測定要素の値から各種材
    料の材質又は各種溶液の溶質の合否を判定する請求項7
    記載の各種材料又は各種溶液の診断方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載された受信波形からC
    PU24により演算処理して得られた測定要素の統計的
    計算により各種材料の材質変化又は各種溶液の溶質変化
    を定量判定し、もしくは寿命判定する請求項7記載の各
    種材料又は各種溶液の診断方法。
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