JPH11118286A - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents

水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

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JPH11118286A
JPH11118286A JP9281651A JP28165197A JPH11118286A JP H11118286 A JPH11118286 A JP H11118286A JP 9281651 A JP9281651 A JP 9281651A JP 28165197 A JP28165197 A JP 28165197A JP H11118286 A JPH11118286 A JP H11118286A
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵合金を用いた冷却装置では、複数の
熱交換器に供給される熱媒体の種類の切り替えに多数の
切替バルブを切り替えていたため、頻繁に切り替わる多
数の切替バルブによる騒音が大きい。また、切替バルブ
の切替時における熱媒体の圧力変化によるショックが生
じる。 【解決手段】 上、中、下段熱交換器N1 、N2 、N3
に加熱水、昇温水、放熱水、冷熱出力水、不問水を切り
替えて分配器10は、5つの入力ポートおよび縦方向に
3つづつで3列の出力ポートを備える固定筒12と、5
種類の熱媒体を常に受ける5つの外周溝および縦方向に
3種の熱媒体を出力する5つの傾斜溝を備える回転弁1
3とを備え、回転弁13が固定筒12内を回転すること
で上、中、下段熱交換器N1 、N2 、N3 に熱媒体が切
り替えられて供給されるため切替騒音がない。また、回
転弁13の回転で熱媒体が切り替えられるため、瞬時に
切り替わらず切替時における熱媒体の圧力変化が小さ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水
素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせて、水素の放出時
に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得る、あるいは水素
の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱を得る水素吸
蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を用いた従来の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムを、図12を用いて説明す
る。水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクルJ1
は、水素吸蔵合金J2 の加熱、放熱および冷熱出力を得
るためにシェル&チューブタイプの熱交換器を用いてい
た。この従来技術で示すヒートポンプサイクルJ1 は、
4つのシェル&チューブタイプの熱交換器J3 〜J6 を
用いたもので、各熱交換器J3 〜J6 は水素吸蔵合金J
2 と熱媒体とが熱交換可能に設けられている。第1、第
2熱交換器J3 、J4 の水素吸蔵合金J2 は水素通路を
介して連通し、第3、第4熱交換器J5 、J6 の水素吸
蔵合金J2 も水素通路を介して連通して設けられてい
る。
【0003】作動は、第1熱交換器J3 に加熱用の熱媒
体を供給するとともに、第2熱交換器J4 に放熱用の熱
媒体を供給する。すると、第1熱交換器J3 の水素が放
出されて第2熱交換器J4 に吸蔵される。つまり、水素
駆動が行われる。次に、第1熱交換器J3 に供給してい
た加熱用の熱媒体を、放熱用の熱媒体に切り替えて供給
するとともに、第2熱交換器J4 に供給していた放熱用
の熱媒体を、冷熱出力用の熱媒体に切り替えて供給す
る。すると、第1熱交換器J3 が水素を吸蔵し、第2熱
交換器J4 が水素を放出する。この第2熱交換器J4 が
水素を放出する時、冷熱出力用の熱媒体が冷却される。
つまり、冷熱出力が得られる。そして、上記のサイクル
を繰り返す。
【0004】一方、第2熱交換器J4 から冷熱出力を得
ている時は、第3熱交換器J5 に加熱用の熱媒体を供給
するとともに、第4熱交換器J6 に放熱用の熱媒体を供
給する。すると、第3熱交換器J5 の水素が放出されて
第4熱交換器J6 に吸蔵される。つまり、第1、第2熱
交換器J3 、J4 で冷熱出力を得ている時は、第3、第
4熱交換器J5 、J6 で水素駆動が行われる。次に、第
3熱交換器J5 に供給していた加熱用の熱媒体を、放熱
用の熱媒体に切り替えて供給するとともに、第4熱交換
器J6 に供給していた放熱用の熱媒体を、冷熱出力用の
熱媒体に切り替えて供給する。すると、第3熱交換器J
5 が水素を吸蔵し、第4熱交換器J6 が水素を放出す
る。この第4熱交換器J6 が水素を放出する時、冷熱出
力用の熱媒体が冷却される。つまり、第1、第2熱交換
器J3 、J4 で水素駆動が行われている時は、第3、第
4熱交換器J5 、J6 で冷熱出力が得られる。そして、
上記のサイクルを繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒートポンプサ
イクルJ1 では、各熱交換器J3 〜J6 に、加熱用の熱
媒体と放熱用の熱媒体、あるいは放熱用の熱媒体と冷熱
出力用の熱媒体を切り替えて供給するために、多数の切
替バルブJ7 〜J14が必要になる。この多数の切替バル
ブJ7 〜J14は、電磁弁であり、作動中比較的高頻度で
切り替わるため、作動音が目立ち作動騒音となってしま
う。また、切替バルブJ9〜J16は、電磁弁であるた
め、切替時における熱媒体の圧力変化によるショックが
大きく、特に家庭用等の小型のヒートポンプサイクルJ
1 には不向きであった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は熱媒体の切替時に生じる切替音の発
生を抑えるとともに、切替時における熱媒体の圧力変化
の小さい水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの提供
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金を
利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するため
に、次の技術的手段を採用した。 (請求項1の手段)水素吸蔵合金を利用した熱利用シス
テムは、水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数の熱
交換器と、温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に
切り替えて供給する熱媒体切替供給手段と、を備え、熱
媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを
行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵時
に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得る水素吸蔵
合金を利用した熱利用システムにおいて、熱媒体切替供
給手段は、複数の熱媒体の供給を受ける複数の入力ポー
トおよび複数の出力ポートを備える固定筒と、この固定
筒の内部で回転し、前記複数の入水ポートから供給され
たそれぞれの熱媒体を独立して受ける複数の環状外周
溝、およびこの外周溝と内部で連通して設けられ、前記
複数の出力ポートに同時に複数の熱媒体を供給する複数
の傾斜溝を備える回転弁と、この回転弁を前記固定筒の
内部で回転させる駆動装置と、を備えることを特徴とす
る。
【0008】(請求項2の手段)請求項1の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムにおいて、前記複数の熱交
換器は、水素吸蔵合金が封入された複数の室を水素通路
で連通したセルを複数用いてなり、前記熱媒体切替供給
手段は、前記複数のセルの各室と熱交換する熱媒体の供
給状態を、前記複数のセル毎においてそれぞれが異なっ
た室に水素移動するように切り替えることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の作用および効果】熱媒体切替供給手段は、固定
筒の内部で回転弁を回転させることで、複数の出力ポー
トと一致する複数の傾斜溝が変化し、結果的に複数の熱
媒体が複数の熱交換器へ切り替えて供給されるものであ
るため、従来の多数の切替バルブの作動音のような切替
騒音の発生がない。また、回転弁の回転によって複数の
熱媒体が切り替えられ、切り替えが瞬時に行われるもの
ではないため、切替時における熱媒体の圧力変化による
ショックが従来の切替バルブに比較して小さくできる。
このように、圧力変化によるショックが従来に比較して
小さいため、家庭用等の小型のヒートポンプサイクルに
用いても耐久性を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、実
施例および変形例に基づき説明する。 〔実施例の構成〕実施例は、本発明の水素吸蔵合金を利
用した熱利用システムを室内空調用の冷房装置に適用し
たもので、この実施例を図1ないし図8を用いて説明す
る。
【0011】(冷房装置1の概略説明)本実施例の冷房
装置1の概略構成を、図1を用いて説明する。本実施例
の適用される冷房装置1は、大別して、水素吸蔵合金を
用いたヒートポンプサイクル2と、水素吸蔵合金を加熱
する加熱水(加熱用の熱媒体に相当する、本実施例では
水)を作り出す燃焼装置3と、水素吸蔵合金を冷却する
放熱水(放熱用の熱媒体に相当する、本実施例では水)
を放熱によって冷却する放熱水冷却手段4と、水素吸蔵
合金の水素放出作用によって生じた吸熱によって冷却さ
れた冷熱出力水(冷熱出力用の熱媒体に相当する、本実
施例では水)で室内を空調する室内空調機5と、搭載さ
れた各電気機能部品を制御する制御装置6とから構成さ
れる。
【0012】なお、ヒートポンプサイクル2、燃焼装置
3、放熱水冷却手段4および制御装置6は、室外機7と
して室外に設置されるもので、室内には室内空調機5が
配置される。また、本実施例に示す冷房装置1は、1つ
の室外機7に対して、複数の室内空調機5が接続可能な
所謂マルチエアコンである。
【0013】(ヒートポンプサイクル2の説明)本実施
例のヒートポンプサイクル2は、1サイクルで2度の冷
熱出力を得る2段式サイクルを用いたもので、図2に示
すように、上段熱交換器N1 、中段熱交換器N2 、下段
熱交換器N3 を1モジュールとしたポンプユニットが3
つ用いられている。1つのモジュールは、水素吸蔵合金
が封入された上段室S1 、この上段室S1内に水素通路
S4 を介して連通し、水素吸蔵合金が封入された中段室
S2 、中段室S2 内に水素通路S4 を介して連通し、水
素吸蔵合金が封入された下段室S3を備えたセルSを備
える。また、上、中、下段室S1 、S2 、S3 は、それ
ぞれハウジング9によって覆われて、上、中、下段熱交
換器N1 、N2 、N3 を構成している。
【0014】水素吸蔵合金は、水素平衡圧力が異なる3
種を用いたもので、上段室S1 内には同一平衡水素圧で
水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金(以下、高
温合金HM)の粉末を封入し、中段室S2 内には中温度
水素吸蔵合金(以下、中温合金MM)の粉末を封入し、
下段室S3 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度が最も
低い低温度水素吸蔵合金(以下、低温合金LM)の粉末
を封入したものである。このことを図7のPT冷凍サイ
クルを用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性が、相対
的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金HM、低温
側にあるのが低温合金LM、両者の中間にあるのが中温
合金MMである。
【0015】1つのセルSは、図3ないし図5に示され
るもので、ステンレスあるいは銅など、水素透過の無い
金属を用いて偏平な上、中、下段室S1 、S2 、S3 を
最中状に形成し、上、中、下段室S1 、S2 、S3 の一
辺側を水素通路S4 が内部に形成された棒状の連結部S
5 で連結した形状を呈する。そして、各室の内部に粉末
状の水素吸蔵合金を充填し、真空引きを行ったのち、活
性化処理を施し、水素を高圧充填して開口部に金属蓋を
して溶接により密封したものである。なお、各室の偏平
方向の対向面は、図5に示すように、内部に挿入された
フィン8を介して接合されており、真空引き時の低圧
下、および水素充填時の高圧下においてもフィン8によ
る接合によって各室の変形が小さく抑えられている。
【0016】ハウジング9は、上、中、下段室S1 、S
2 、S3 を覆う略箱形状のものである。本実施例のハウ
ジング9は、図5に示すように2重構造を採用してお
り、各室を覆う樹脂製のデバイダー9aと、このデバイ
ダー9aを覆う樹脂製のケース9bとからなり、デバイ
ダー9aとケース9bの間には断熱材9cが配置されて
いる。デバイダー9aは、各室内の水素吸蔵合金と熱媒
体とを効率的に熱交換させるもので、各室とデバイダー
9aとの間には熱媒体が流れる複数の熱媒体通路9dが
形成されている。また、ハウジング9の両端には熱媒体
通路9dへの熱媒体の給排を行う給排口9eが設けられ
ている。
【0017】2段式サイクルのヒートポンプサイクル2
は、後述する熱媒体切替供給手段による熱媒体の切替供
給によって、図2に示すように、上段室S1 内の水素を
強制的に下段室S3 内に移動させる水素駆動αと、下段
室S3 内に移動した水素を中段室S2 に移動させる第1
冷熱出力βと、中段室S2 内に移動した水素を上段室S
1 に移動させる第2冷熱出力γとに切り替わる。
【0018】水素駆動αでは、上段熱交換器N1 に加熱
水(例えば80℃ほど)が供給され、中段熱交換器N2
に昇圧水(例えば56℃ほど)が供給され、下段熱交換
器N3 に放熱水(例えば28℃ほど)が供給される。第
1冷熱出力βでは、上段熱交換器N1 に昇圧水(例えば
58℃ほど)が供給され、中段熱交換器N2 に放熱水
(例えば28℃ほど)が供給され、下段熱交換器N3 に
冷熱出力水(例えば13℃ほど)が供給される。第2冷
熱出力γでは、上段熱交換器N1 に放熱水(例えば28
℃ほど)が供給され、中段熱交換器N2 に冷熱出力水
(例えば13℃ほど)が供給される。なお、下段熱交換
器N3 への熱媒体の温度は不問であり、この実施例では
単に循環する不問水を下段熱交換器N3 へ供給するが、
第2冷熱出力γでは下段熱交換器N3 へ何も供給しない
ように設けても良い。
【0019】つまり、後述する分配器10と収集器11
とからなる熱媒体の切替手段により、上段熱交換器N1
には加熱水→昇圧水→放熱水が順次切替供給されるもの
であり、中段熱交換器N2 には、昇圧水→放熱水→冷熱
出力水が順次切替供給されるものであり、下段熱交換器
N3 には、放熱水→冷熱出力水→不問水が順次切替供給
されるものである。
【0020】熱媒体の切替手段は、図1、図6に示すよ
うに、複数の熱媒体源から供給された熱媒体を分配して
複数の熱交換器へ供給する分配器10(熱媒体切替供給
手段に相当する)と、複数の熱交換器を通過した複数の
熱媒体を収集して再び複数の熱媒体源へ戻す収集器11
とからなる。なお、この分配器10と収集器11は、入
力方向と出力方向が逆になるだけで、他は同一構成のも
のであり、分配器10を例に説明する。分配器10は、
筒形状を呈した固定筒12と、この固定筒12の内部を
回転する回転弁13と、この回転弁13を回転駆動する
モータ等からなる駆動装置(図示しない)とからなる。
なお、この駆動装置は、回転弁13を120°づつ段階
的に回転させるものである(例えば、3分間毎に120
°づつの回転)。
【0021】固定筒12の上半部には、加熱水、昇圧
水、放熱水、冷熱出力水、不問水の供給を受ける5つの
入力ポート12aが設けられている。この5つの入力ポ
ート12aは水平方向に一致しないように上下方向(軸
方向)にずらして設けられている。また、固定筒12の
下半部には、120°間隔で、且つ縦方向に3つづつの
合計9つの出力ポート12bが設けられている。各縦列
の内の上段の出力ポート12bはそれぞれ同じ高さに設
けられ、中段の出力ポート12bもそれぞれ同じ高さに
設けられ、下段の出力ポート12bもそれぞれ同じ高さ
に設けられている。そして縦方向に3つづつ並ぶ3列の
出力ポート12bは、回転弁13の回転によって分配さ
れる加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱水−冷熱出
力水、放熱水−冷熱出力水−不問水の3組の熱媒体を、
3つのセルSに向けて出力するものである。
【0022】回転弁13は、5つの入力ポート12aに
合致して、5つの入力ポート12aから入力される5種
類の熱媒体を受ける5つの環状の外周溝13aを備え
る。また、回転弁13は、120°間隔で縦方向に3組
の熱媒体(加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱水−
冷熱出力水、放熱水−冷熱出力水−不問水)を同時に出
力するための5つの傾斜溝13bを備える。なお、各入
力ポート12aの上下および各傾斜溝13bの周囲には
図示しないシール用のパッキングが設けられている。外
周溝13aと傾斜溝13bとは回転弁13の内部で連通
している。具体的には、回転弁13の内部には上下方向
に伸びる5本の内部連通路が設けられており、5つの外
周溝13a内には対応する内部連通路に熱媒体を導く連
通穴がそれぞれ設けられている。また、傾斜溝13b内
にも対応する内部連通路から熱媒体を導く連通穴がそれ
ぞれ設けられており、各入力ポート12aから各外周溝
13aに供給された熱媒体が、各外周溝13a内の連通
穴→各内部連通路→各傾斜溝13b内の連通穴を通って
各傾斜溝13bに導かれ、合致する出力ポート12bを
介して熱交換器に供給されるように設けられている。
【0023】このように設けられた分配器10は、次の
ように作動する。まず、固定筒12に対して回転弁13
が0°の位置の場合を説明する。一番上の入力ポート1
2aに供給された加熱水は、一番上の外周溝13a→そ
の外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾斜溝13b
内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾斜溝13b
に合致する固定筒12の0°位置にある上段の出力ポー
ト12bから出力される。上から2番目の入力ポート1
2aに供給された昇圧水は、上から2番目の外周溝13
a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾斜溝
13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾斜溝
13bに合致する2つの出力ポート12b、すなわち固
定筒12の0°位置にある中段の出力ポート12bと、
固定筒12の120°位置にある上段の出力ポート12
bとから出力される。上から3番目の入力ポート12a
に供給された放熱水は、上から3番目の外周溝13a→
その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾斜溝13
b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾斜溝13
bに合致する3つの出力ポート12b、すなわち固定筒
12の0°位置にある下段の出力ポート12bと、固定
筒12の120°位置にある中段の出力ポート12b
と、固定筒12の240°位置にある上段の出力ポート
12bとから出力される。上から4番目の入力ポート1
2aに供給された冷熱出力水は、上から4番目の外周溝
13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾
斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾
斜溝13bに合致する2つの出力ポート12b、すなわ
ち固定筒12の120°位置にある下段の出力ポート1
2bと、固定筒12の240°位置にある中段の出力ポ
ート12bとから出力される。上から5番目の入力ポー
ト12aに供給された不問水は、上から5番目の外周溝
13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾
斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾
斜溝13bに合致する固定筒12の240°位置にある
下段の出力ポート12bから出力される。
【0024】次に、固定筒12に対して回転弁13が1
20°の位置へ移動した場合を説明する。一番上の入力
ポート12aに供給された加熱水は、一番上の外周溝1
3a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾斜
溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾斜
溝13bに合致する固定筒12の120°位置にある上
段の出力ポート12bから出力される。上から2番目の
入力ポート12aに供給された昇圧水は、上から2番目
の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連
通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介し
て、その傾斜溝13bに合致する2つの出力ポート12
b、すなわち固定筒12の120°位置にある中段の出
力ポート12bと、固定筒12の240°位置にある上
段の出力ポート12bとから出力される。上から3番目
の入力ポート12aに供給された放熱水は、上から3番
目の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内部
連通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介し
て、その傾斜溝13bに合致する3つの出力ポート12
b、すなわち固定筒12の120°位置にある下段の出
力ポート12bと、固定筒12の240°位置にある中
段の出力ポート12bと、固定筒12の0°位置にある
上段の出力ポート12bとから出力される。上から4番
目の入力ポート12aに供給された冷熱出力水は、上か
ら4番目の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴
→内部連通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13b
を介して、その傾斜溝13bに合致する2つの出力ポー
ト12b、すなわち固定筒12の240°位置にある下
段の出力ポート12bと、固定筒12の0°位置にある
中段の出力ポート12bとから出力される。上から5番
目の入力ポート12aに供給された不問水は、上から5
番目の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内
部連通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介
して、その傾斜溝13bに合致する固定筒12の0°位
置にある下段の出力ポート12bから出力される。
【0025】さらに、固定筒12に対して回転弁13が
240°の位置へ移動した場合を説明する。一番上の入
力ポート12aに供給された加熱水は、一番上の外周溝
13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通路→傾
斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、その傾
斜溝13bに合致する固定筒12の240°位置にある
上段の出力ポート12bから出力される。上から2番目
の入力ポート12aに供給された昇圧水は、上から2番
目の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内部
連通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介し
て、その傾斜溝13bに合致する2つの出力ポート12
b、すなわち固定筒12の240°位置にある中段の出
力ポート12bと、固定筒12の0°位置にある上段の
出力ポート12bとから出力される。上から3番目の入
力ポート12aに供給された放熱水は、上から3番目の
外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連通
路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介して、
その傾斜溝13bに合致する3つの出力ポート12b、
すなわち固定筒12の240°位置にある下段の出力ポ
ート12bと、固定筒12の0°位置にある中段の出力
ポート12bと、固定筒12の120°位置にある上段
の出力ポート12bとから出力される。上から4番目の
入力ポート12aに供給された冷熱出力水は、上から4
番目の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内
部連通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介
して、その傾斜溝13bに合致する2つの出力ポート1
2b、すなわち固定筒12の0°位置にある下段の出力
ポート12bと、固定筒12の120°位置にある中段
の出力ポート12bとから出力される。上から5番目の
入力ポート12aに供給された不問水は、上から5番目
の外周溝13a→その外周溝13a内の連通穴→内部連
通路→傾斜溝13b内の連通穴→傾斜溝13bを介し
て、その傾斜溝13bに合致する固定筒12の120°
位置にある下段の出力ポート12bから出力される。
【0026】このように、固定筒12内で回転弁13が
120°づつ回転することにより、分配器10と収集器
11が、複数のセルSの各室と熱交換する熱媒体の供給
状態を、複数のセル毎においてそれぞれが異なった室に
水素移動するように切り替える。つまり、固定筒12に
対して回転弁13が0°の位置の時、図8の上段に示す
ように、3つのセルSの内、1列目(図示左側)のセル
Sが水素駆動αになり、2列目(図示中央)のセルSが
第1冷熱出力βになり、3列目(図示右側)のセルSが
第2冷熱出力γになる。固定筒12に対して回転弁13
が120°の位置の時は、図8の中段に示すように、3
つのセルSの内、1列目のセルSが第1冷熱出力βにな
り、2列目のセルSが第2冷熱出力γになり、3列目の
セルSが水素駆動αになる。固定筒12に対して回転弁
13が240°の位置の時は、図8の下段に示すよう
に、3つのセルSの内、1列目のセルSが第2冷熱出力
γになり、2列目のセルSが水素駆動αになり、3列目
のセルSが第1冷熱出力βになる。さらに、回転弁13
が120°づつ回転することにより、上記が繰り返され
る。
【0027】(ヒートポンプサイクル2における上記以
外の構成部品の説明)図1に示す符号14は、水素駆動
αの中段熱交換器N2 および第1冷熱出力βの上段熱交
換器N1 へ供給される昇圧水を循環する昇圧水循環路
で、途中に設けられた昇圧水循環ポンプP1 ’によって
昇圧水が循環する。なお、昇圧水は、水素駆動αで温度
上昇した上段室S1 からの伝熱により温度上昇した水で
ある。また、図1に示す符号15は、第2冷熱出力γの
下段熱交換器N3 へ供給される不問水を循環する不問水
循環路で、途中に設けられた不問水循環ポンプP1 ”に
よって不問水が循環する。
【0028】(燃焼装置3の説明)本実施例の燃焼装置
3は、燃料であるガスを燃焼して熱を発生させ、発生し
た熱によって加熱水を加熱するガス燃焼装置を用いたも
ので、ガスの燃焼を行うガスバーナ16、このガスバー
ナ16へガスの供給を行うガス量調節弁17およびガス
開閉弁18を備えたガス供給回路19、ガスバーナ16
へ燃焼用の空気を供給する燃焼ファン20、ガスの燃焼
熱と加熱水とを熱交換する熱交換器21等から構成され
る。そして、ガスバーナ16のガス燃焼で得られた熱
で、加熱水を例えば80℃程に加熱し、加熱された加熱
水を加熱水循環ポンプP1 を備えた加熱水循環路22を
介して水素駆動αの上段熱交換器N1 に供給するもので
ある。なお、本実施例の加熱水循環ポンプP1 は、昇圧
水循環ポンプP1 ’および不問水循環ポンプP1 ”を駆
動する共通のモータによって駆動されるトリプルポンプ
である。このため、燃焼装置3から加熱水がヒートポン
プサイクル2に供給される際は、昇圧水と不問水も循環
作動するように設けられている。
【0029】(室内空調機5の説明)室内空調機5は、
上述のように室内に配置されるもので、内部に室内熱交
換器23、この室内熱交換器23に供給される冷熱出力
水と室内空気とを強制的に熱交換し、熱交換後の空気を
室内に吹き出させるための室内ファン24を備える。室
内熱交換器23には、第1冷熱出力βの下段熱交換器N
3 、第2冷熱出力γの中段熱交換器N2 から供給される
冷熱出力水を循環させる冷熱出力水循環路25が接続さ
れ、この冷熱出力水循環路25の途中(室外機7内)に
は、冷熱出力水を循環させる冷熱出力水ポンプP2 が設
けられている。
【0030】(放熱水冷却手段4の説明)放熱水冷却手
段4は、開放型の水冷式冷却塔であり、この放熱水冷却
手段4によって冷却された放熱水は、放熱水循環ポンプ
P3 を備えた放熱水循環路26、および熱媒体切替供給
手段によって水素駆動αの下段熱交換器N3 、第1冷熱
出力βの中段熱交換器N2 、第2冷熱出力γの上段熱交
換器N1 に供給される。また、放熱水冷却手段4は、水
素駆動αの下段熱交換器N3 、第1冷熱出力βの中段熱
交換器N2 、第2冷熱出力γの上段熱交換器N1 を通過
した放熱水を、上方から下方へ流し、流れている間に外
気と熱交換して放熱するとともに、流れている間に一部
蒸発させて、蒸発時に流れている放熱水から気化熱を奪
い、流れている放熱水を冷却するものである。また、こ
の放熱水冷却手段4は、図示しない放熱ファンを備え、
この放熱ファンの生じる空気流によって放熱水の蒸発お
よび冷却を促進するように設けられている。なお、この
実施例では、放熱水冷却手段4として開放型の水冷式冷
却塔を示したが、放熱水(放熱用の熱媒体)が空気に触
れずに熱交換する密閉型の水冷式または空冷式冷却手段
を用いても良い。
【0031】ここで、上記に示す昇圧水循環路14、不
問水循環路15、加熱水循環路22、冷熱出力水循環路
25および放熱水循環路26は、それぞれシスターンT
1 〜T5 を備えており、シスターンT1 〜T5 内の水位
が所定水位以下に低下すると、それぞれに設けられた給
水バルブT6 〜T10が開き、給水管27から供給される
水道水をシスターンT1 〜T5 内に補充するように設け
られている。また、ヒートポンプサイクル2の下部には
ドレンパンPが配置され、ヒートポンプサイクル2に発
生したドレン水を排水管28から排水するように設けら
れている。なお、放熱水冷却手段4で溢れた水も排水管
28から排水するように設けられている。
【0032】(制御装置6の説明)制御装置6は、室内
空調機5に設けられたコントローラ(図示しない)から
の操作指示や、複数設けられた各センサの入力信号に応
じて、上述の加熱水循環ポンプP1 (昇圧水循環ポンプ
P1 ’、不問水循環ポンプP1 ”)、冷熱出力水ポンプ
P2 、放熱水循環ポンプP3 、給水バルブT6 〜T10、
放熱水冷却手段4の放熱ファンなどの電気機能部品、お
よび燃焼装置3の電気機能部品(燃焼ファン20、ガス
量調節弁17、ガス開閉弁18、図示しない点火装置
等)を制御するとともに、室内空調機5に室内ファン2
4の作動指示を与えるものである。
【0033】(冷房運転の作動説明)上記の冷房装置1
による冷房運転の作動を、図7のPT冷凍サイクル線図
を参照して説明する。冷房運転が室内空調機5のコント
ローラによって指示されると、制御装置6によって、燃
焼装置3、分配器10および収集器11の駆動装置、放
熱ファンおよび加熱水循環ポンプP1 (昇圧水循環ポン
プP1 ’、不問水循環ポンプP1 ”)、冷熱出力水ポン
プP2 、放熱水循環ポンプP3 が作動するとともに、冷
房が指示された室内空調機5の室内ファン24をONす
る。
【0034】駆動装置によって、分配器10および収集
器11が同期して120°づつ回転移動する。これによ
って、3つのセルSが、水素駆動α→第1冷熱出力β→
第2冷熱出力γの順で移動する。水素駆動αのセルSで
は、上段室S1 が加熱水に触れ、中段室S2 が昇圧水に
触れ、下段室S3 が放熱水に触れる。上段室S1 が加熱
水(80℃)に触れることにより、上段室S1 の内圧が
上昇し、高温合金HMが水素を放出する。中段室S2 が
昇圧水(56℃)に触れることにより、中段室S2 の内
圧が中温合金MMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇す
る。下段室S3 が放熱水(28℃)に触れることによ
り、下段室S3 の内圧が下がり、低温合金LMが水素を
吸蔵する。
【0035】このように、上段室S1 が加熱水に触れ、
中段室S2 が昇圧水に触れ、下段室S3 が放熱水に触れ
ることにより、上段室S1 内が80℃;1.0MPa、
中段室S2 内が56℃;1.0MPa、下段室S3 内が
28℃;0.9MPaとなり、上段室S1 の高温合金H
Mが水素を放出し(図7の)、下段室S3 の低温合金
LMが水素を吸蔵する(図7の)。なお、中段室S2
は昇圧水によって加熱されて内圧が高く、中温合金MM
は水素の吸蔵は行わない。そして、水素駆動αが行われ
たセルSは、その後第1冷熱出力βへ移行する。
【0036】第1冷熱出力βのセルSでは、上段室S1
が昇圧水に触れ、中段室S2 が放熱水に触れ、下段室S
3 が冷熱出力水に触れる。上段室S1 が昇圧水(58
℃)に触れることにより、上段室S1 の内圧が高温合金
HMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇する。中段室S2
が放熱水(28℃)に触れることにより、中段室S2 の
内圧が下がり、中温合金MMが水素を吸蔵し、下段室S
3 の低温合金LMが水素を放出する。低温合金LMが水
素を放出するため、下段室S3 内で吸熱が生じ、下段室
S3に触れる冷熱出力水が例えば13℃に冷やされる。
【0037】このように、上段室S1 が昇圧水に触れ、
中段室S2 が放熱水に触れ、下段室S3 が冷熱出力水に
触れることにより、上段室S1 内が58℃;0.5MP
a、中段室S2 内が28℃;0.4MPa、下段室S3
内が13℃;0.5MPaとなり、下段室S3 の低温合
金LMが水素を放出し(図7の)、中段室S2 の中温
合金MMが水素を吸蔵する(図7の)。下段室S3 の
低温合金LMが水素を放出する際、吸熱作用により下段
室S3 に触れる冷熱出力水から熱を奪い冷熱出力水の温
度を低下させる。なお、上段室S1 は、昇圧水によって
加熱されて内圧が高く、高温合金HMは水素の吸蔵は行
わない。そして、第1冷熱出力βが行われたセルSは、
その後第2冷熱出力γへ移行する。
【0038】第2冷熱出力γのセルSでは、上段室S1
が放熱水に触れ、中段室S2 が冷熱出力水に触れ、下段
室S3 が不問水に触れる。上段室S1 が放熱水(28
℃)に触れることにより、上段室S1 の内圧が下がり、
高温合金HMが水素を吸蔵し、中段室S2 の中温合金M
Mが水素を放出する。中温合金MMが水素を放出するた
め、中段室S2 内で吸熱が生じ、中段室S2に触れる冷
熱出力水が例えば13℃に冷やされる。
【0039】このように、上段室S1 が放熱水に触れる
ことにより、上段室S1 内が28℃;0.1MPa、中
段室S2 内が13℃;0.2MPa、下段室S3 内は不
問状態となり、中段室S2 の中温合金MMが水素を放出
し(図7の)、上段室S1の高温合金HMが水素を吸
蔵する(図7の)。中段室S2 の中温合金MMが水素
を放出する際、吸熱作用により中段室S2 に触れる冷熱
出力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。な
お、下段室S3 の温度は無関係で、下段室S3の低温合
金LMは水素の吸蔵は行わない。そして、第2冷熱出力
γが行われたセルSは、その後水素駆動αへ移行する。
【0040】なお、ヒートポンプサイクル2の第1冷熱
出力βおよび第2冷熱出力γで熱を奪われた低温の冷熱
出力水は、冷熱出力水循環路25を介して室内空調機5
の室内熱交換器23に供給されて、室内に吹き出される
空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0041】〔実施例の効果〕分配器10および収集器
11は、固定筒12の内部で回転弁13を回転させるこ
とで、縦方向に3つづつ別れた9つの出力ポート12b
と一致する傾斜溝13bが変化し、結果的に上、中、下
段熱交換器N1 、N2 、N3 へそれぞれ適した熱媒体を
切り替えて供給することができる。このため、従来の多
数の切替バルブの作動音のような切替騒音の発生がな
く、室外機7の作動音を低く抑えることができる。ま
た、回転弁13の回転によって複数の熱媒体が切り替え
られ、切り替えは瞬時に行われないため、切替時におけ
る熱媒体の圧力変化によるショックを小さく抑えること
ができる。このように、圧力変化によるショックを抑え
ることができるため、本実施例で示した小型のヒートポ
ンプサイクルの耐久性を高めることができる。
【0042】上、中、下段熱交換器N1 、N2 、N3 よ
りなる1つのモジュールは、1サイクル(水素駆動α、
第1冷熱出力β、第2冷熱出力γ)において2度の冷熱
出力を得ることができる。そして、この実施例では、3
つのモジュールを用いることにより、連続的に安定した
冷熱出力を得ることができる。この1つのモジュール
は、薄型や小型化が可能であり、複数用いる場合は配置
の自由度が大きい。このため、従来のシェル&チューブ
タイプの熱交換器を用いたヒートポンプサイクルに比較
して、設置の自由度が大変大きい。つまり、この実施例
に示すように、3つのモジュールをブロック状に積層配
置してコンパクト化したり、あるいは複数のモジュール
を平らに並べて設置して、壁付けや壁埋込、あるいは床
埋込可能にしても良い。また、上、中、下段室S1 、S
2 、S3 を偏平形状に設けたため、高、中、低温合金H
M、MM、LMと熱交換しない熱媒体の割合が減り、ヒ
ートロスが小さくなるため、ヒートポンプサイクル2の
冷却効率が向上する。
【0043】〔変形例〕上記の実施例では、固定筒12
および回転弁13がそれぞれ一体化の例を示したが、図
9に示すように、分割された固定筒12を金具31で接
合したり、分割された回転弁13をトルクロッド32を
介して接合しても良い。図中の符号33は複数の外周溝
13aのシール用のOリングである。なお、傾斜溝13
bの周囲にも図示しないシール用のパッキングが設けら
れている。このように固定筒12および回転弁13を組
み立てて構成することにより、加工性が良い。また、高
温の熱媒体と低温の熱媒体とを分けることにより、高温
の熱媒体と低温の熱媒体が固定筒12および回転弁13
で熱交換することによるヒートロスを減らすことができ
る。なお、図10に示すように、不問水の循環を廃止し
ても良い。図11は図10に示す分配器10を用いて1
つのモジュールに熱媒体を切り替えて供給する例を示す
斜視図である。
【0044】上記の実施例では、分配器10(熱媒体切
替供給手段)と同構成の収集器11を採用した例を示し
たが、各熱交換器を通過した熱媒体を再利用しない場合
は収集器11を簡略化しても良い。つまり、例えば加熱
用熱媒体の熱源として排熱等を利用して熱交換器加熱後
に排出する場合は、複数の熱交換器に分配された加熱用
熱媒体を1つに収集する必要がないため、収集器11を
簡略化できる。
【0045】上記の実施例では、冷房運転のみ行う例を
示したが、燃焼装置3で加熱された加熱水を室内空調機
5の室内熱交換器23に導いて温風吹出による室内暖房
を行うように設けても良い。また、室内空調機5の他
に、床暖房マット、浴室乾燥機などに加熱水を供給可能
に設け、床暖房や浴室暖房などを行うように設けても良
い。
【0046】上記の実施例では、1つの室外機7に複数
の室内空調機5が接続可能なマルチエアコンを示した
が、1つの室外機7に1つの室内空調機5が接続される
エアコンに本発明を適用しても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2によって得られた冷熱出力
用の熱媒体(実施例中では冷熱出力水)で室内を冷房す
る例を示したが、冷熱出力用の熱媒体で冷蔵運転や冷凍
運転に用いるなど、本発明を他の冷却装置として用いて
も良い。
【0047】上記の実施例では、説明を容易化するため
に、図面の上下に上段熱交換器N1、中段熱交換器N2
、下段熱交換器N3 とした例を示したが、配置方向を
変えても良い。
【0048】上記の実施例では、昇圧用の熱媒体とし
て、加熱水によって温度上昇した上段熱交換器N1 の熱
を受けて昇温した熱媒体(実施例中では昇圧水)を用い
た例を示したが、加熱手段(例えば、燃焼装置による昇
温、電気ヒータによる昇温、排熱を利用した昇温など)
によって昇温した熱媒体を用いても良い。上記の実施例
では、ヒートポンプサイクル2の一例として、2段式サ
イクルを用いた例を示したが、1段式サイクルに用いて
も良いし、3段式以上のサイクルとして用いても良い。
【0049】上記の実施例では、3つのモジュールを組
み合わせたヒートポンプサイクル2を例に示したが、モ
ジュールの数を減らしたり、逆に数を増大させて冷却能
力を増大させ、ビル用空調システムなど大きな冷却能力
が要求される冷却装置に用いても良い。つまり、モジュ
ールの数によって、冷却能力を容易に可変することがで
きる。
【0050】上記の実施例では、加熱用の熱媒体(実施
例中では加熱水)を加熱する加熱手段として、ガスを燃
焼するガス燃焼装置を用いたが、石油を燃焼する石油燃
焼装置など、他の燃焼装置を用いても良いし、内燃機関
の排熱によって加熱用の熱媒体を加熱する加熱手段、ボ
イラーによる蒸気、電気ヒータを用いた加熱手段など、
他の加熱手段を用いても良い。なお、内燃機関の排熱を
利用する際は、車両用に用いることもできる。
【0051】上記の実施例では、各熱媒体の一例とし
て、水道水を用いたが、不凍液やオイルなど他の液体の
熱媒体を用いても良いし、空気など気体の熱媒体を用い
ても良い。上記の実施例では、回転式の熱媒体切替供給
手段を例に示したが、例えば従来技術で示したように、
複数の電磁弁を切り替えて熱媒体を切り替えるように設
けても良い。上記の実施例では、水素吸蔵合金の水素の
放出時に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得る例を示し
たが、水素吸蔵合金の水素の吸蔵時に生じる放熱作用を
利用して温熱を得る加熱装置(例えば暖房装置など)に
本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷房装置の概略構成図である(実施例)。
【図2】ヒートポンプサイクルの作動説明図である(実
施例)。
【図3】セルの斜視図である(実施例)。
【図4】ハウジングに覆われた室の側面図である(実施
例)。
【図5】図4のI−I線に沿う断面図である(実施
例)。
【図6】分配器および収集器の斜視図である(実施
例)。
【図7】PT冷凍サイクル線図である(実施例)。
【図8】作動説明図である(実施例)。
【図9】分配器の分解斜視図である(変形例)。
【図10】分配器の斜視図である(変形例)。
【図11】図10の分配器の使用例を示す斜視図である
(変形例)。
【図12】冷房装置の概略構成図である(従来例)。
【符号の説明】
HM 高温合金(水素吸蔵合金) MM 中温合金(水素吸蔵合金) LM 低温合金(水素吸蔵合金) S セル S1 上段室 S2 中段室 S3 下段室 S4 水素通路 N1 上段熱交換器 N2 中段熱交換器 N3 下段熱交換器 10 分配器(熱媒体切替供給手段) 12 固定筒 12a 入力ポート 12b 出力ポート 13 回転弁 13a 外周溝 13b 傾斜溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数
    の熱交換器と、 温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に切り替えて
    供給する熱媒体切替供給手段と、を備え、 熱媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出と
    を行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵
    時に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得る水素吸
    蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、 熱媒体切替供給手段は、 複数の熱媒体の供給を受ける複数の入力ポートおよび複
    数の出力ポートを備える固定筒と、 この固定筒の内部で回転し、前記複数の入水ポートから
    供給されたそれぞれの熱媒体を独立して受ける複数の環
    状外周溝、およびこの外周溝と内部で連通して設けら
    れ、前記複数の出力ポートに同時に複数の熱媒体を供給
    する複数の傾斜溝を備える回転弁と、 この回転弁を前記固定筒の内部で回転させる駆動装置
    と、を備えることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した
    熱利用システム。
  2. 【請求項2】請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用
    システムにおいて、 前記複数の熱交換器は、水素吸蔵合金が封入された複数
    の室を水素通路で連通したセルを複数用いてなり、 前記熱媒体切替供給手段は、前記複数のセルの各室と熱
    交換する熱媒体の供給状態を、前記複数のセル毎におい
    てそれぞれが異なった室に水素移動するように切り替え
    ることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用シス
    テム。
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