JPH11118211A - 表面処理ライン用建造物およびこれに用いられる排熱供給装置 - Google Patents

表面処理ライン用建造物およびこれに用いられる排熱供給装置

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JPH11118211A
JPH11118211A JP9296159A JP29615997A JPH11118211A JP H11118211 A JPH11118211 A JP H11118211A JP 9296159 A JP9296159 A JP 9296159A JP 29615997 A JP29615997 A JP 29615997A JP H11118211 A JPH11118211 A JP H11118211A
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drying furnace
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air conditioner
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乾燥炉からの排熱を有効利用できる塗装ライン
用建造物およびこれに用いられる排熱供給装置を提供す
る。 【解決手段】自動車の塗装ラインに設けられた乾燥炉
3,5,7を一ヶ所に集約し、これらを間仕切り8で仕
切る。第1の排熱供給手段10により、間仕切り8で仕
切られた乾燥炉領域9の空気を塗装ブース2の空調室4
0に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車ボディや自
動車部品の下塗り、中塗り、上塗りその他の表面処理
(本明細書では下塗り〜上塗りを含めて広く表面処理と
称する。)を行うための建造物およびこれに用いられる
排熱供給装置に関し、特に乾燥炉の排熱を有効に活用で
きる自動車の表面処理ライン用建造物およびこれに用い
られる排熱供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ボディや自動車部品を塗装するラ
インには、塗装ブースや塗装乾燥炉が設置されている。
自動車ボディの塗装ラインの概要を工程順に説明する
と、溶接工程から搬入された未塗装ボディ(ホワイトボ
ディともいう)は、まず洗浄・前処理工程に送られ、洗
浄装置によってボディ表面に付着した油分やゴミが除去
されたのち、前処理装置によって電着塗装の下地となる
リン酸亜鉛被膜がボディ表面に形成される。次いで、電
着工程に送られ、電着塗装装置によりボディ表面に電着
塗膜が形成されたのち、電着乾燥炉にて170℃の温度
で当該電着塗膜が焼き付けられる。
【0003】次いで、ボディのパネル合わせ面に雨漏れ
防止および防錆を目的としたシーリング材が塗布され、
また室内のフロアパネル面に防振および遮音を目的とし
たヒュージブルインシュレータが貼着され、これらシー
リング材およびヒュージブルインシュレータが乾燥炉に
て約120℃の温度で焼き付けられる。
【0004】さらに、ボディは中塗り工程に搬送され、
中塗り塗装ブースにて中塗り塗料が吹き付けられたの
ち、中塗り乾燥炉にて140℃の温度で焼き付けられ
る。中塗りを終了したボディは研ぎ工程に搬送され、中
塗り塗膜表面を研磨および水洗いしたのち、水切り乾燥
炉にて約100℃の温度で乾燥される。
【0005】中塗り研ぎを終了するとボディは上塗り工
程へ搬送される。上塗り工程では、上塗りブースにて上
塗り塗料が吹き付けられたのち、上塗り乾燥炉で140
℃の温度で焼き付けられる。
【0006】こうして一般的な自動車の塗装処理が完了
するが、今見たように塗装ラインには多数の乾燥炉が設
置されており、各塗膜などの焼き付け温度が100℃〜
170℃ときわめて高温であるため、乾燥炉周辺の雰囲
気温度が著しく高くなる。このため、従来の塗装ライン
では、作業者等への環境を改善するために乾燥炉で生じ
た熱を換気扇などを用いて屋外へ廃棄している。
【0007】一方、上述した中塗りブースや上塗りブー
スでは中塗り塗料や上塗り塗料を取り扱うため、塗装条
件、特に塗料粘度を適切な値に維持することを目的とし
て、屋外よりフレッシュエアーを取り込み、これを適温
に温調したのちブース内へ給気している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗装ラインでは、乾燥炉周辺の熱が何ら再利用されるこ
となく屋外へ廃棄されているので、省エネルギーの観点
からは好ましくない。尤も、乾燥炉から生じる熱を抑制
するために乾燥炉の炉壁に断熱材を設けることも行われ
ているが、これによっても限界があり、また高性能の断
熱材は高価であるといった問題がある。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、乾燥炉からの排熱を有効利
用できる表面処理ライン用建造物およびこれに用いられ
る排熱供給装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明の第1の観点
による請求項1記載の表面処理ライン用建造物は、自動
車の表面処理ラインに設けられた乾燥炉を集約し、当該
乾燥炉とその他の表面処理装置とが間仕切りで仕切られ
た表面処理ライン用建造物において、前記間仕切りで仕
切られた乾燥炉領域の空気を前記その他の表面処理装置
の空調機に供給する第1の排熱供給手段を有することを
特徴とする。
【0011】この請求項1記載の表面処理ライン用建造
物では、熱源となる乾燥炉が集約されしかも間仕切りで
仕切られているので、乾燥炉からの排熱を集約すること
ができる。これを前提として、この請求項1記載の表面
処理ライン用建造物では、第1の排熱供給手段により、
乾燥炉領域の空気をその他の表面処理装置の空調機に供
給するので、特に温風が必要な冬季などにおいては、こ
の排熱が空調機に有効利用でき、表面処理ラインの省エ
ネルギーが達成される。
【0012】(2)上記請求項1記載の表面処理ライン
用建造物において、第1の排熱供給手段は少なくとも乾
燥炉領域の空気を空調機に供給するものであり、必要に
応じて動作させれば良いが、請求項2記載の表面処理ラ
イン用建造物は、前記第1の排熱供給手段は、前記乾燥
炉領域の空気の供給先を、前記空調機と屋外とに選択的
に切り替える切替手段をさらに有することを特徴とす
る。
【0013】この請求項2記載の表面処理ライン用建造
物では、必要に応じて、切替手段により乾燥炉領域の空
気の供給先を空調機と屋外とに切り替えることができる
ので、熱が必要なときは空調機に供給して省エネルギー
を達成するとともに、不要なときは屋外へ排気すること
で乾燥炉領域の環境を改善することができる。
【0014】(3)上記請求項1または2記載の表面処
理ライン用建造物において、乾燥炉領域の排熱の供給先
は特に限定されず、各種の表面処理装置または屋内環境
に供給することができるが、請求項3記載の表面処理ラ
イン用建造物は、前記第1の排熱供給手段による前記乾
燥炉領域の空気の供給先が、中塗りブースの空調機およ
び/または上塗りブースの空調機であることを特徴とす
る。
【0015】中塗りブースおよび上塗りブースでは、ブ
ース内に温調空気を常時供給するので、特に雰囲気温度
が低温となる季節には、これらの塗装ブースの空調機に
排熱を供給すると、加温に要するエネルギーがそのぶん
だけ減少することとなり、ランニングコストを低減する
ことができる。
【0016】(4)請求項4記載の表面処理ライン用建
造物は、前記乾燥炉領域に屋外の空気を導入するフレッ
シュエアー導入手段をさらに有することを特徴とする。
上記請求項1〜3記載の表面処理ライン用建造物におい
て第1の排熱供給手段により乾燥炉領域の空気を空調機
または屋外へ供給すると、乾燥炉領域が負圧になって間
仕切りを介して乾燥炉領域外の空気が流入し、当該乾燥
炉領域外の空調に悪影響を及ぼすおそれがあるが、この
請求項4記載の表面処理ライン用建造物では、フレッシ
ュエアー導入手段により乾燥炉領域に屋外の空気を導入
するので、乾燥炉領域を適正圧に維持することができ、
周囲への悪影響を防止することができる。
【0017】(5)請求項5記載の表面処理ライン用建
造物は、前記乾燥炉の熱風循環系の排気を前記表面処理
装置の空調機に供給する第2の排熱供給手段をさらに有
することを特徴とする。
【0018】乾燥炉領域には、炉内からの熱以外にも、
乾燥炉自体の熱風循環系の排気に含まれる熱が存在し従
来は屋外へ廃棄されていたが、この請求項5記載の表面
処理ライン用建造物では、この熱風循環系の排気熱も空
調機に供給するので、上述した排熱利用による省エネル
ギー効果がより顕著となる。
【0019】(6)この場合、請求項6記載の表面処理
ライン用建造物のように、前記第2の排熱供給手段は、
前記乾燥炉の熱風循環系の排気の供給先を、前記空調機
と屋外とに選択的に切り替える切替手段をさらに有する
ことが好ましい。こうすることで、熱が必要なときは空
調機に供給して省エネルギーを達成するとともに、不要
なときは屋外へ排気することで乾燥炉の熱風循環系を正
常に作動させることができる。
【0020】(7)上記請求項5または6記載の表面処
理ライン用建造物において、乾燥炉の熱風循環系の排熱
の供給先は特に限定されず、各種の表面処理装置または
屋内環境に供給することができるが、請求項7記載の表
面処理ライン用建造物は、前記第2の排熱供給手段によ
る前記乾燥炉の熱風循環系の排気の供給先が、中塗りブ
ースの空調機および/または上塗りブースの空調機であ
ることを特徴とする。
【0021】中塗りブースおよび上塗りブースでは、ブ
ース内に温調空気を常時供給するので、特に雰囲気温度
が低温となる季節には、これらの塗装ブースの空調機に
排熱を供給すると、加温に要するエネルギーがそのぶん
だけ減少することとなり、ランニングコストを低減する
ことができる。
【0022】(8)一方、上記目的を達成するために、
本発明の第2の観点による請求項8記載の排熱供給装置
は、自動車の表面処理ライン用乾燥炉が集約され、かつ
区画された乾燥炉領域とその他の領域の表面処理装置の
空調機との間に設けられた第1のエアーダクトと、前記
乾燥炉領域の空気を前記表面処理装置の空調機へ送風す
る第1の送風手段とを有することを特徴とする。
【0023】この請求項8記載の排熱供給装置では、設
置される建造物において熱源となる乾燥炉が集約されし
かも間仕切りで仕切られているので、乾燥炉からの排熱
を集約することができる。これを前提として、この請求
項8記載の排熱供給装置では、第1のエアーダクトを介
して第1の送風手段により乾燥炉領域の空気をその他の
表面処理装置の空調機に供給するので、特に温風が必要
な冬季などにおいては、この排熱が空調機に有効利用で
き、表面処理ラインの省エネルギーが達成される。
【0024】(9)上記請求項8記載の排熱供給装置に
おいて、第1の送風手段は少なくとも乾燥炉領域の空気
を空調機に供給するものであり、必要に応じて動作させ
れば良いが、請求項9記載の排熱供給装置は、前記乾燥
炉領域の空気の送風先を、前記空調機と屋外とに選択的
に切り替える切替手段をさらに有することを特徴とす
る。
【0025】この請求項9記載の排熱供給装置では、必
要に応じて、切替手段により乾燥炉領域の空気の供給先
を空調機と屋外とに切り替えることができるので、熱が
必要なときは空調機に供給して省エネルギーを達成する
とともに、不要なときは屋外へ排気することで乾燥炉領
域の環境を改善することができる。
【0026】(10)上記請求項8または9記載の排熱
供給装置において、乾燥炉領域の排熱の供給先は特に限
定されず、各種の表面処理装置または屋内環境に供給す
ることができるが、請求項10記載の排熱供給装置は、
前記乾燥炉領域の空気の送風先が、中塗りブースの空調
機および/または上塗りブースの空調機であることを特
徴とする。
【0027】中塗りブースおよび上塗りブースでは、ブ
ース内に温調空気を常時供給するので、特に雰囲気温度
が低温となる季節には、これらの塗装ブースの空調機に
排熱を供給すると、加温に要するエネルギーがそのぶん
だけ減少することとなり、ランニングコストを低減する
ことができる。
【0028】(11)請求項11記載の排熱供給装置
は、前記乾燥炉領域に屋外の空気を導入するフレッシュ
エアー導入手段をさらに有することを特徴とする。上記
請求項8〜10記載の排熱供給装置において第1の送風
手段により乾燥炉領域の空気を空調機または屋外へ供給
すると、乾燥炉領域が負圧になって間仕切りを介して乾
燥炉領域外の空気が流入し、当該乾燥炉領域外の空調に
悪影響を及ぼすおそれがあるが、この請求項11記載の
排熱供給装置では、フレッシュエアー導入手段により乾
燥炉領域に屋外の空気を導入するので、乾燥炉領域を適
正圧に維持することができ、周囲への悪影響を防止する
ことができる。
【0029】(12)請求項12記載の排熱供給装置
は、前記乾燥炉の排気口と前記表面処理装置の空調機と
の間に設けられた第2のエアーダクトと、前記乾燥炉の
排気を前記空調機へ送風する第2の送風手段とをさらに
有することを特徴とする。
【0030】乾燥炉領域には、炉内からの熱以外にも、
乾燥炉自体の熱風循環系の排気に含まれる熱が存在し従
来は屋外へ廃棄されていたが、この請求項12記載の排
熱供給装置では、この熱風循環系の排気熱も空調機に供
給するので、上述した排熱利用による省エネルギー効果
がより顕著となる。
【0031】(13)この場合、請求項13記載の排熱
供給装置のように、前記第2の送風手段は、前記乾燥炉
の排気の供給先を、前記空調機と屋外とに選択的に切り
替える切替手段をさらに有することが好ましい。こうす
ることで、熱が必要なときは空調機に供給して省エネル
ギーを達成するとともに、不要なときは屋外へ排気する
ことで乾燥炉の熱風循環系を正常に作動させることがで
きる。
【0032】(14)上記請求項12または13記載の
排熱供給装置において、乾燥炉の熱風循環系の排熱の供
給先は特に限定されず、各種の表面処理装置または屋内
環境に供給することができるが、請求項14記載の排熱
供給装置は、前記第2の送風手段による前記乾燥炉の熱
風循環系の排気の供給先が、中塗りブースの空調機およ
び/または上塗りブースの空調機であることを特徴とす
る。
【0033】中塗りブースおよび上塗りブースでは、ブ
ース内に温調空気を常時供給するので、特に雰囲気温度
が低温となる季節には、これらの塗装ブースの空調機に
排熱を供給すると、加温に要するエネルギーがそのぶん
だけ減少することとなり、ランニングコストを低減する
ことができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の表面処理ライン用建造物
および請求項8記載の排熱供給装置によれば、乾燥炉か
らの排熱を集約することができ、これを表面処理装置の
空調機に供給するので、特に温風が必要な冬季などにお
いては、この排熱が空調機に有効利用でき、表面処理ラ
インの省エネルギーが達成される。
【0035】請求項2記載の表面処理ライン用建造物お
よび請求項9記載の排熱供給装置によれば、熱が必要な
ときは空調機に供給して省エネルギーを達成するととも
に、不要なときは屋外へ排気することで乾燥炉領域の環
境を改善することができる。
【0036】請求項3記載の表面処理ライン用建造物お
よび請求項10記載の排熱供給装置によれば、中塗りブ
ースおよび/または上塗りブースの空調機に排熱を供給
するので、加温に要するエネルギーがそのぶんだけ減少
することとなり、ランニングコストを低減することがで
きる。特に雰囲気温度が低温となる季節に最適である。
【0037】請求項4記載の表面処理ライン用建造物お
よび請求項11記載の排熱供給装置によれば、乾燥炉領
域を適正圧に維持することができ、周囲への悪影響を防
止することができる。
【0038】請求項5および6記載の表面処理ライン用
建造物および請求項12および13記載の排熱供給装置
によれば、熱風循環系の排気熱も空調機に供給するの
で、上述した排熱利用による省エネルギー効果がより顕
著となる。
【0039】請求項7記載の表面処理ライン用建造物お
よび請求項14記載の排熱供給装置によれば、中塗りブ
ースおよび/または上塗りブースの空調機に排熱を供給
するので、加温に要するエネルギーがそのぶんだけ減少
することとなり、ランニングコストを低減することがで
きる。特に雰囲気温度が低温となる季節に最適である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の表面処理ライン用建
造物(以下、塗装工場とも言う)の実施形態を示す平面
図、図2は同実施形態の要部断面図である。
【0041】図1を参照して塗装ラインの概要を説明す
ると、本実施形態の塗装工場Pには、中塗り以降の塗装
工程を実施するための処理装置が設置されており、これ
より前工程である洗浄工程〜シーリング工程までの処理
装置は、本塗装工場Pの階下の塗装工場に設置されてい
る。
【0042】階下の塗装工場から搬送される自動車ボデ
ィは、リフタ1に搭載され、ここで当該塗装工場P内を
巡回する塗装台車(図示を省略する。)に移載される。
【0043】本実施形態の塗装工場Pには、リフタ1で
移載されたボディに中塗り塗料を吹き付けるための中塗
りブース2と、吹き付けた中塗り塗料を焼き付けるため
の中塗り乾燥炉3が設置されている。
【0044】また、中塗り乾燥炉3にて焼き付けられた
中塗り塗膜上に上塗り塗料を吹き付けるための第1の上
塗りブース4および第2の上塗りブース6と、吹き付け
た上塗り塗料を焼き付けるための第1の上塗り乾燥炉5
および第2の上塗り乾燥炉7とが設置されている。
【0045】ちなみに、中塗りブース2および中塗り乾
燥炉3が一対であるのに対して上塗りブース4,6およ
び上塗り乾燥炉5,7が二対であるのは、上塗り工程の
所要工数が、中塗り工程の所要工数に比べて大きいから
である。したがって、本発明ではかかる構成にのみ限定
されず、中塗りブースおよび中塗り乾燥炉の一対に対し
て上塗りブースおよび上塗り乾燥炉が一対でも、三対以
上であっても良い。
【0046】これら中塗りブース2、第1の上塗りブー
ス4および第2の上塗りブース6は、互いに並んで設置
されており、これにともなって中塗り乾燥炉3、第1上
塗り乾燥炉5および第2上塗り乾燥炉7も並んで設置さ
れている。
【0047】特に本実施形態の塗装工場Pでは、熱源と
なるこれら中塗り乾燥炉3、第1上塗り乾燥炉5および
第2上塗り乾燥炉7を隔離するように建屋内に間仕切り
8が設けられており、こうして形成された乾燥炉領域9
は、密閉はされないが乾燥炉3,5,7で発生した排熱
が充分に集約されることになる。
【0048】また、図2に示すように、乾燥炉領域9の
天井には、当該乾燥炉領域9内の空気を吸い込むための
吸込口11が開設され、ここに送風ファン12が設けら
れている。送風ファン12の吐出口にはダクト13が接
続されており、空調機ギャラリ18へ導かれる風路と排
気口17へ導かれる風路とに分岐されている。そして、
送風ファン12から送られる空気を、空調機ギャラリ1
8と排気口17とに切り替えるためのダンパ15,16
がそれぞれの風路に設けられている。したがって、乾燥
炉領域9内の空気を空調機ギャラリ18へ供給したい場
合には、ダンパ15を開き、ダンパ16を閉じる。逆
に、乾燥炉領域9内の空気を空調機ギャラリ18に供給
せずに排気したい場合には、ダンパ15を閉じ、ダンパ
16を開く。これらが本発明の第1の排熱供給手段10
を構成する。
【0049】空調機ギャラリ18は、ブース2の上部に
設置された空調室40に開設された吸込口14で連通し
ており、乾燥炉領域9内の空気または空調機ギャラリ1
8の吸込口からの外気が空調室40内に導入される。
【0050】空調室40内には、ブース2へ調和空気を
供給するための送風ファン41が設けられており、この
送風ファン41の上流側に加温用バーナー、除塵用フィ
ルタ、加湿用シャワーおよび調湿用バーナーなどの諸機
器が配置され、これらの機器を通過した調和空気は、ブ
ース2の上部に設けられたダクト43を介してブース2
上部から吹き出される。
【0051】ちなみに、ブース2内に吹き出された調和
空気は、ブース2内全体を下方に向かって流れ、図外の
排気ファンによって系外へ排出される。このブース2内
空調によって、当該ブース2内で吹き付けられた塗料の
温度が適温に維持され、塗装品質が保たれることにな
る。また、ブース2の天井から床に向かって一定速度の
風を送ることにより、霧化塗料の飛散を抑制し、隣接ボ
ディへの色飛び不具合等を防止することができる。
【0052】本実施形態の塗装工場Pでは、さらに乾燥
炉の熱風循環系の排気ダクト21に分岐ダクト22を設
け、この分岐ダクト22の他端を上述した空調室40に
連通する空調機ギャラリ18に接続している。また、排
気ダクト21の排気の供給先を、本来の排気口26と空
調室40とに切り替えるために、ダンパ24,25がそ
れぞれの風路に設けられている。したがって、排気ダク
ト21の排気を空調室40へ供給したい場合には、ダン
パ24を開き、ダンパ25を閉じる。逆に、排気ダクト
21の排気を空調室40へ供給せずに排気したい場合に
は、ダンパ24を閉じ、ダンパ25を開く。これらが本
発明の第2の排熱供給手段20を構成する。
【0053】さらに本実施形態の塗装工場Pでは、乾燥
炉領域9内に外気を導入するためのフレッシュエアー導
入手段30が設けられている。このフレッシュエアー導
入手段30は、フィルタ33で濾過しながら送風ファン
32により外気を吸い込み、これを乾燥炉領域9の天井
に開設された吐出口31から当該乾燥炉領域9内へ導入
する。これは、上述した第1の排熱供給手段10により
乾燥炉領域9内の空気が領域外へ供給されると、当該乾
燥炉領域9内がその他の領域に比べて負圧となり、これ
により間仕切り8の隙間から空気が流れ込み、その結
果、塗装工場P内の空気の流れが乱されるからである。
したがって、第1の排熱供給手段10を作動していると
きは特に、このフレッシュエアー導入手段30も作動さ
せ、乾燥炉領域9内の気圧をその他の領域と等しく維持
することが望ましい。
【0054】なお、図2に示す第1の排熱供給手段10
およびフレッシュエアー導入手段30は、各ブース2,
4,6および各乾燥炉3,5,7のそれぞれに設けても
良いし、一つあるいは二つ、またはそれ以上設置しても
良い。
【0055】次に作用を説明する。中塗りブース2およ
び上塗りブース4,6内は、一般的に18℃〜22℃程
度の常温に維持することが塗料粘度の安定性や作業環境
の点で望ましいとされるが、外気温度が低くなる冬季な
どではその差温が10度以上になる。このため、従来で
は、空調室40に加熱機を設けて空調機ギャラリー18
から吸い込んだ外気を上述した適温まで加熱し、これを
ブース内へ供給していた。この加熱機の熱源にはバーナ
ーやスチームなどが使用されるが、そのエネルギーはラ
ンニングコストに反映されることになる。
【0056】本実施形態では、複数ある乾燥炉から発せ
される熱を利用し、これら熱源となる乾燥炉を集約し、
しかも間仕切りで仕切すことで、まず第1に乾燥炉から
の排熱を一ヶ所に集約することができる。またこうして
集約された温風を第1の排熱供給手段10により、各ブ
ース2,4,6の空調室40へ供給する。これにより、
特に加温が必要な冬季などにおいては、この温風をその
ままあるいは若干加温するだけでブース内へ供給するこ
とができ、従来消費していたバーナーやスチームなどの
熱エネルギーを省エネすることができる。
【0057】また、さらに外気温が低い場合などには、
この第1の排熱供給手段10に加えて第2の排熱供給手
段20により熱風循環系の排気をも空調室40へ供給で
きるので、排熱利用による省エネルギー効果がより顕著
となる。
【0058】ちなみに、第1の排熱供給手段10により
乾燥炉領域9の空気を空調室40へ供給すると、乾燥炉
領域9が負圧になって間仕切り8を介して乾燥炉領域9
外の空気が流入し、当該乾燥炉領域9外の空調に悪影響
を及ぼすおそれがあるが、これは、フレッシュエアー導
入手段30を作動させて乾燥炉領域9に外気を導入する
ことにより防止することができる。
【0059】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0060】たとえば、上述した実施形態では、中塗り
工程以降の塗装装置が設置された塗装工場Pを例に挙げ
たが、本発明は洗浄工程から上塗り工程までの全ての塗
装装置が設置された塗装工場にも適用できることはいう
までもない。この場合には、電着乾燥炉その他の乾燥炉
も乾燥炉領域9に集約することが好ましい。
【0061】また、第1の排熱供給手段10と第2の排
熱供給手段20とは、上述した実施形態のように併用し
ても良いし、何れか一方のみを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理ライン用建造物の実施形態を
示す平面図である。
【図2】図1に示す実施形態の要部断面図である。
【符号の説明】
1…リフタ 2…中塗りブース 3…中塗り乾燥炉 4…第1の上塗りブース 5…第1の上塗り乾燥炉 6…第2の上塗りブース 7…第2の上塗り乾燥炉 8…間仕切り 9…乾燥炉領域 10…第1の排熱供給手段 11…吸込口 12…送風ファン(送風手段) 13…ダクト 14…吸込口 15,16…ダンパ 17…排気口 18…空調機ギャラリ 20…第2の排熱供給手段 21…排気ダクト 22…分岐ダクト 24,25…ダンパ 26…排気口 30…フレッシュエアー導入手段 31…吐出口 32…送風ファン 33…フィルタ P…塗装工場(表面処理ライン用建造物)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の表面処理ラインに設けられた乾燥
    炉を集約し、当該乾燥炉とその他の表面処理装置とが間
    仕切りで仕切られた表面処理ライン用建造物において、
    前記間仕切りで仕切られた乾燥炉領域の空気を前記その
    他の表面処理装置の空調機に供給する第1の排熱供給手
    段を有することを特徴とする表面処理ライン用建造物。
  2. 【請求項2】前記第1の排熱供給手段は、前記乾燥炉領
    域の空気の供給先を、前記空調機と屋外とに選択的に切
    り替える切替手段をさらに有することを特徴とする請求
    項1記載の表面処理ライン用建造物。
  3. 【請求項3】前記第1の排熱供給手段による前記乾燥炉
    領域の空気の供給先が、中塗りブースの空調機および/
    または上塗りブースの空調機であることを特徴とする請
    求項1または2記載の表面処理ライン用建造物。
  4. 【請求項4】前記乾燥炉領域に屋外の空気を導入するフ
    レッシュエアー導入手段をさらに有することを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかに記載の表面処理ライン用建造
    物。
  5. 【請求項5】前記乾燥炉の熱風循環系の排気を前記表面
    処理装置の空調機に供給する第2の排熱供給手段をさら
    に有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の表面処理ライン用建造物。
  6. 【請求項6】前記第2の排熱供給手段は、前記乾燥炉の
    熱風循環系の排気の供給先を、前記空調機と屋外とに選
    択的に切り替える切替手段をさらに有することを特徴と
    する請求項5記載の表面処理ライン用建造物。
  7. 【請求項7】前記第2の排熱供給手段による前記乾燥炉
    の熱風循環系の排気の供給先が、中塗りブースの空調機
    および/または上塗りブースの空調機であることを特徴
    とする請求項5または6記載の表面処理ライン用建造
    物。
  8. 【請求項8】自動車の表面処理ライン用乾燥炉が集約さ
    れ、かつ区画された乾燥炉領域とその他の領域の表面処
    理装置の空調機との間に設けられた第1のエアーダクト
    と、前記乾燥炉領域の空気を前記表面処理装置の空調機
    へ送風する第1の送風手段とを有することを特徴とする
    排熱供給装置。
  9. 【請求項9】前記乾燥炉領域の空気の送風先を、前記空
    調機と屋外とに選択的に切り替える切替手段をさらに有
    することを特徴とする請求項8記載の排熱供給装置。
  10. 【請求項10】前記乾燥炉領域の空気の送風先が、中塗
    りブースの空調機および/または上塗りブースの空調機
    であることを特徴とする請求項7または8記載の排熱供
    給装置。
  11. 【請求項11】前記乾燥炉領域に屋外の空気を導入する
    フレッシュエアー導入手段をさらに有することを特徴と
    する請求項7〜9の何れかに記載の排熱供給装置。
  12. 【請求項12】前記乾燥炉の排気口と前記表面処理装置
    の空調機との間に設けられた第2のエアーダクトと、前
    記乾燥炉の排気を前記空調機へ送風する第2の送風手段
    とをさらに有することを特徴とする請求項8〜11の何
    れかに記載の排熱供給装置。
  13. 【請求項13】前記第2の送風手段は、前記乾燥炉の排
    気の供給先を、前記空調機と屋外とに選択的に切り替え
    る切替手段をさらに有することを特徴とする請求項12
    記載の排熱供給装置。
  14. 【請求項14】前記第2の送風手段による前記乾燥炉の
    熱風循環系の排気の供給先が、中塗りブースの空調機お
    よび/または上塗りブースの空調機であることを特徴と
    する請求項12または13記載の排熱供給装置。
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