JPH11117731A - 排気ガス浄化用触媒コンバータ - Google Patents

排気ガス浄化用触媒コンバータ

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JPH11117731A
JPH11117731A JP28665497A JP28665497A JPH11117731A JP H11117731 A JPH11117731 A JP H11117731A JP 28665497 A JP28665497 A JP 28665497A JP 28665497 A JP28665497 A JP 28665497A JP H11117731 A JPH11117731 A JP H11117731A
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啓二 山田
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敬一 阪下
Seiji Kuroda
政治 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属シェルの変形を防止して、無機シール材の
耐久性を向上させることにより、耐熱性および耐久性に
優れた排ガス浄化用触媒コンバータを提供すること。 【解決手段】柱状の触媒保持体4と、この触媒保持体の
外側に被せる円筒状の金属シェル21、22およびこれらの
間に介装狭持した無機シート層からなるシール層3によ
って構成された触媒コンバータ1において、該触媒コン
バータの軸方向の両端部近傍の金属シェル内周面に、金
属製ネット8を介して無機質断熱材7を取付けた排気ガ
ス浄化用触媒コンバータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排気ガス
浄化用触媒コンバータに関し、特に無機断熱材および無
機シート材を併用した断熱構造を特徴とする触媒コンバ
ータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載する排気ガス浄化用触媒コン
バータは、図1に示すクラムシェル型、および図2に示
す圧入型に主として分けられる。前者のものは、触媒保
持体4とその外側に被せる半割り状態の金属製シェル2
1、22と、これらの間に介装する無機シート3および金
属ネット5を軸方向に並べて巻き付けたシール層により
構成されている。一方、後者のものは、前記触媒保持体
4の外側に無機シート3および金属ネット5からなるシ
ール層を予め巻き付けてからこれを金属製シェル23の中
に圧入したものである。
【0003】一般に、前記無機シート3は、シリカ、ア
ルミナ系のセラミックファイバー、未膨張バーミキュラ
イト、無機結合材および有機弾性物質の混合物をシート
状に成形したものであり、前記金属シェル2と触媒保持
体4との間から排気ガスがリークするのを防ぐために用
いられているシール層である。
【0004】ところで、近年、自動車の高性能化および
各種法規制により排気ガスの温度が著しく上昇してお
り、図1および図2に示した従来の触媒コンバータで
は、上記無機シートの耐熱性が不足し十分なシール性を
確保することが困難になってきている。その理由は、高
温排気ガスの熱により無機シート内の未膨張バーミキュ
ライトの膨張特性が劣化し、そのために排気ガスの脈圧
で無機シートが風蝕されるためと考えられている。
【0005】従来技術が抱えている上述した問題点を解
決する手段としては、クラムシェル型の触媒コンバータ
については、触媒保持体4の前後に、図3に示すような
金属製プレス部品61、62(以下、これをコーンという)
を設置すると共に、これを金属シェル21、22にて包囲
し、必要に応じ該金属シェル21、22とコーン61、62との
隙間に無機断熱材7を介在させることにより、金属シェ
ルに伝播される排気ガスの熱を遮断することにより、該
金属シェル21、22の熱変形を抑制し、無機シート製シー
ル層の耐久性を確保することを目的とした2重コーン型
触媒コンバータも開発されている。このような構造(2
重コーン構造)にすることにより、排気ガスの熱は金属
シェルに伝播されることなく、従来よりも高温の状態で
触媒保持体へ流入するようになるので、エンジン始動直
後の排気ガス浄化性能の向上が期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この2
重コーン構造の触媒コンバータは、コーン61、62がステ
ンレス鋼板を用いたプレス部品であるため、金属シェル
同様、排気ガスの熱により熱膨張し、触媒保持体4との
相互干渉により触媒保持体4が損傷するおそれがあっ
た。その干渉を防止する対策としては、コーン61、62と
触媒保持体4との間に隙間を確保する必要があった。
【0007】ところが、上記のような隙間を設けると、
排気ガスの熱は、金属シェル、および無機シートにアタ
ックするため、金属シェルの熱変形あるいは無機シート
の熱劣化が起きるため、無機シートの飛散を完全に抑制
することは困難であった。また、コーン61、62と金属シ
ェル21、22との隙間に、無機断熱材を介在させた場合に
も、上述したと同様にコーン61、62と触媒保持体4との
隙間から排気ガスのアタックを受けるため、無機断熱材
が著しく飛散しやすくなるという問題点があり、かかる
問題点を解決する手段として、ステンレス製メッシュの
成形体あるいはシリカファイバー等の無機繊維クロスを
用いてコーンと触媒保持体の隙間をふさぐ構造が知られ
ているが、いずれも部品点数の増加ならびにコストアッ
プとなってしまう。
【0008】そこで、本発明は、従来技術が抱えている
こうした問題点に鑑み、金属シェルに伝播される排気ガ
スの熱を抑制することにより、金属シェルの変形を防止
して前記無機シール材の耐久性を向上させることにあ
る。また、本発明の他の目的は、耐熱性、耐久性に優れ
た排ガス浄化用触媒コンバータを低コストにて提供しよ
うとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するべ
く鋭意研究した結果、本発明者らは、柱状の触媒保持体
と、この触媒保持体の外側に被せる円筒もしくは半割り
状の金属シェルおよびこれらの間に介装狭持した無機シ
ートからなるシール層によって構成された触媒コンバー
タにおいて、該触媒コンバータの軸方向の両端部近傍の
金属シェル内周面に、金属製ネットを介して無機質断熱
材を取付けたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コン
バータを開発したのである。
【0010】上記無機質断熱材の金属シェル内周面への
取付けは、触媒コンバータの軸方向の両端部から触媒保
持体の外周部に巻き付けられたシール層の両端部にかけ
ての領域とすることが好ましい。また、上記無機質断熱
材の金属シェル内周面への取付けは、触媒コンバータの
軸方向の両端部から触媒保持体およびシール層の各端部
に接する領域とすることが好ましい。さらに、上記無機
断熱材およびシール層に使う無機シートは、アルミナ、
シリカ、アルミナ・シリカおよびガラスから選ばれるい
ずれか1種また2種以上からなる無機繊維材料とし、厚
みが2〜6mm、充填密度が0.10〜0.50g/cm3 のものを用
いることガ好ましい。さらにまた、上記金属製ネット
は、線径:50〜 300μm で、目開き:♯20〜 150メッシ
ュのステンレス鋼であり、金属シェル内周面にスポット
溶接により固定して無機断熱材を保持するようにするこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、コンバータの軸
方向両端部近傍の金属シェル内周面、すなわちその両端
部から内装した触媒保持体の両端部にかけての領域に当
たるガスの導入・排出側に、無機断熱材をステンレス製
ネットを介して取付けた点にある。この領域に無機断熱
材を取付けた理由の第一は、金属シェルや無機シート材
からなるシール層への排気ガス侵入が防げるため、該金
属シェルやシール層の耐久性を著しく高めることができ
ることにある。第二の理由は、無機断熱材およびステン
レス製ネットの端部が触媒保持体の各端部に接すること
により、該触媒保持体が軸方向で”ずれ”ることを無く
すことにある。このことにより、従来構造では保持性能
の面から使用ができなかった、低充填密度(0.10〜0.50
g/cm3 )の無機シートをシール層として採用することが
可能となり、低コスト化が実現できるようになる。
【0012】本発明においてシール層に用いる無機シー
ト(材)および無機断熱材としては、アルミナ、シリ
カ、アルミナ・シリカおよびガラスから選ばれる1種以
上の無機繊維材料を使用することができる。これらの材
料に着目した理由は、従来の膨張性シール材に比べる
と、排気ガスの熱による劣化が起こりにくいため、使用
限界温度を飛躍的に向上させることができるからであ
る。
【0013】本発明において、無機シート(材)からな
るシール層において、その厚みを2〜6mmに限定した理
由は、2mmより小さいと、断熱性が不足し、排気ガスの
熱が金属シェルに伝播するため、金属シェルが熱変形し
てしまうからである。一方、6mmよりも大きいと、触媒
コンバータ自体の径が大きくなり、実質上、自動車に搭
載することが困難になるからである。
【0014】本発明において、無機シート(材)からな
るシール層において、その充填密度を0.10〜0.50g/cm3
に限定した理由は、0.10g/cm3 より小さいと、所定の保
持力が得られず排気ガスの脈圧により飛散するおそれが
あり、一方、0.50g/cm3 より大きくすると、無機繊維が
折損するおそれがあるからである。なお、このシール層
の充填密度は、0.20〜0.40g/cm3 の範囲内することがよ
り好適である。
【0015】本発明において無機断熱材を金属シェル内
周面に取付けるために溶接固定するのに用いるステンレ
ス製ネットについて、その線径を50〜 300μm に限定し
た理由は、50μm より細いと耐久性が不足し、ネットが
破断し断熱材が飛散してしまうし、 300μm より太いと
ネット自体の剛性が高くなり、触媒保持体を破壊してし
まうからである。また、目開き寸法を♯20〜♯150 の範
囲内に限定した理由は、♯20より小さいと、開口部より
断熱材が飛散し、♯150 より多いと、ネット自体の剛性
が高くなり、触媒保持体を破壊してしまうからである。
【0016】なお、無機断熱材およびステンレス製ネッ
トの金属シェル内周面への取付け領域については、触媒
コンバータの軸方向両端部から触媒保持体の外周部に巻
き付けられたシール層の両端部にかけての領域を全てカ
バーするように取付ける。この領域に限定して取付ける
理由は、無機断熱材が触媒保持体の端部と接していない
と、隙間から高温排気ガスが流入し金属シェルにその熱
を伝播させるため、該金属シェルが熱変形するばかりで
なく、シール層にアタックしてこれを劣化させ、飛散の
原因につながるからである。
【0017】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる排気ガス浄化用触媒コンバータ
につき、図4を用いて説明する。本発明にかかるコンバ
ータは、図4に示すように、柱状の触媒保持体4と該触
媒保持体の外側に被せる半割り状の金属シェル21、22及
びこれらの間に介装挟持した無機シートからなるシール
層3によって構成された触媒コンバータ1において、該
触媒コンバータの軸方向の両端部近傍の金属シェル内周
面にステンレス製ネット8を介して無機質断熱材7を設
置した構成となっている。
【0018】ここで、前記シール層3および無機質断熱
材7は、アルミナファイバーのマット状物であり、充填
密度は0.30g/cm3 となるように設定されている。なお、
上記無機質断熱材7の金属シェル21、22内周面への取り
付け範囲は、触媒コンバータ1の軸方向の両端部から前
記シール層3の両端部にかけての領域とした。
【0019】次に、ステンレス製ネット8は、線径 150
μm 、目開き50メッシュのステンレス金網を用い、金属
シェル21、22内周面に配設されている前記無機質断熱材
をスポット溶接により固定保持している。なお、上記ス
テンレス製ネットの金属シェル内周面への取り付け範囲
は、触媒コンバータの軸方向の両端部から前記触媒保持
体4およびシール層3の各端部に接する領域とする。
【0020】比較例1 本発明の比較例としての排気ガス浄化用触媒コンバータ
につき、図3を用いて説明する。図3に示すごとく、こ
の比較例の排気ガス浄化用触媒コンバータ1は、熱膨張
性シール層3が巻き付けられた柱状の触媒保持体4と、
該触媒保持体の前後に少なくとも 0.5mm以上の隙間を設
けてコーン61、62を設置すると共に、これを金属シェル
21、22で包囲した構成であり、その金属シェル21、22と
コーン61、62の隙間にはセラミックファイバーのマット
状物が介挿してある。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高耐熱、高耐久性を有する排ガス浄化用触媒コンバータ
を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラムシェル型の触媒コンバータの分解斜視図
である。
【図2】圧入型の触媒コンバータの分解斜視図である。
【図3】2重コーン型の触媒コンバータの分解斜視図で
ある。
【図4】本発明にかかる触媒コンバータの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 触媒コンバータ 21、22 金属シェル 3 シール層 4 触媒保持体 7 無機質断熱材 8 ステンレス製ネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 政治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状の触媒保持体と、この触媒保持体の
    外側に被せる円筒もしくは半割り状の金属シェルおよび
    これらの間に介装狭持した無機シートからなるシール層
    によって構成された触媒コンバータにおいて、該触媒コ
    ンバータの軸方向の両端部近傍の金属シェル内周面に、
    金属製ネットを介して無機質断熱材を取付けたことを特
    徴とする排気ガス浄化用触媒コンバータ。
  2. 【請求項2】 上記無機質断熱材の金属シェル内周面へ
    の取付けは、触媒コンバータの軸方向の両端部から触媒
    保持体の外周部に巻き付けられたシール層の両端部にか
    けての領域とすることを特徴とする請求項1に記載の触
    媒コンバータ。
  3. 【請求項3】 上記無機質断熱材の金属シェル内周面へ
    の取付けは、触媒コンバータの軸方向の両端部から触媒
    保持体およびシール層の各端部に接する領域とすること
    を特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータ。
  4. 【請求項4】 上記無機質断熱材およびシール層に使う
    無機シートは、アルミナ、シリカ、アルミナ・シリカお
    よびガラスから選ばれるいずれか1種また2種以上から
    なる無機繊維材料とし、厚みが2〜6mm、充填密度が0.
    10〜0.50g/cm 3 のものを用いることを特徴とする請求項
    1 に記載の触媒コンバータ。
  5. 【請求項5】 上記金属製ネットは、線径:50〜 300μ
    m で、目開き:♯20〜 150メッシュのステンレス鋼であ
    り、金属シェル内周面にスポット溶接により固定して無
    機断熱材をここに保持するようにしたものである請求項
    1に記載の触媒コンバータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1696110A1 (en) 2005-01-25 2006-08-30 Ibiden Co., Ltd. Heat insulating member for end cone portion of exhaust gas conversion apparatus
US8652599B2 (en) 2003-01-22 2014-02-18 3M Innovative Properties Company Molded three-dimensional insulator

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