JP2008057509A - 触媒コンバータおよびその製造方法 - Google Patents

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宗和 木村
Shinichi Tosa
真一 土佐
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Abstract

【課題】耐熱性が高く振動に強い触媒コンバータを提供する。
【解決手段】触媒担体100を収めたケーシング105に入口側コーン部20を装着する際に、フランジ203によって金属メッシュリング103を押し、フランジ203と触媒担体100とに挟まれた金属メッシュリング103の密度を1.2〜1.4g/cmにする。この際、プレス装置31から加える荷重の管理を行うことで、上記密度の管理を行う。この構成によれば、金属メッシュリングによるシール性と振動を吸収する制振性とを得ることができ、高温の排気ガスによる断熱マット101や熱膨張性マット102のへたりを防止すると共に、エンジンから伝わる振動による触媒担体の破損を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の排気ガス浄化に使用する触媒コンバータのシール構造に関する。
自動車の排気ガス用の触媒コンバータは、触媒を担持させたセラミック担体に無機繊維を用いた断熱マットを巻き、さらにその外側に熱膨張性のマットを巻き、それをメタルケース内に収納させた構造を有している。この構造によれば、断熱マットによって、高温の排気ガスの流入に起因するメタルケースの昇温が抑えられ、メタルケースの変形や強度の低下が防止されている。また、断熱マットの柔軟性により、セラミック担体が柔軟に保持され、エンジンの振動や排気ガスの流入による振動が吸収される構造とされている。また、温度上昇によるメタルケースの熱膨張に対しては、熱膨張性マットが熱膨張することで、メタルケースの内側に隙間が生じないようにされている。このような触媒コンバータに関しては、例えば特許文献1に記載されている。
また、セラミック担体の保持方法として、金属細線を編網して低密度に圧縮成型したリング状のクッション材を用いる方法も提案されている。この構造は、金属細線を利用したクッション材によって、セラミック担体をケース内で軸方向に弾性的に保持するものである。この技術に関しては、例えば特許文献2に記載されている。
特許文献1に記載されているような基本構造において、断熱マットの端部には、シール部材が配置され、断熱マットの端部が排気ガスに直接曝されないようにされている。特に熱膨張性マットの耐熱性は高くないので、排気ガスが熱膨張性マットに触れないようにシールする構造とされている。なお、シール部材としては、例えば特許文献3に記載されたものが知られている。また、排気ガスの高温化に対応する技術として、メタルケースの入口側を2重にする構造が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2000−161050 実用新案第2577179 特許第3294036 特開平8−200050号
ところで、近年排気ガスの規制強化に伴い、排気ガス温度の高いエンジン直下の位置に触媒コンバータを配置し、高温状態を利用して触媒の活性を高める技術が採用される傾向にある。また、高速運転時における燃料消費を極力抑えるために、燃焼を理論空焼費に近づける努力がされている。燃焼を理論空焼費に近づけると、高速運転時における排気ガスの温度は高くなる。このような理由により、触媒コンバータに流入する排気ガスの温度は高くなる傾向がある。
しかしながら、触媒コンバータに流入する排気ガスの温度が高くなると、異常振動が発生し易くなる。これは、高温排気ガス環境下においてシール部材のシール性が低下し、侵入した排気ガスの高温によって断熱マットや熱膨張性マットに「へたり」が発生し、その柔軟性が低下するからである。また、断熱マットや熱膨張性マットの柔軟性が低下した状態で異常振動が発生すると、異常振動に触媒担体が追従できなくなり、触媒担体が触媒コンバータ内で遊動し、破損が発生する。この振動に起因する触媒コンバータの破損は、シール部材に「へたり」が発生することで、柔軟性が低下し、その結果、軸方向における触媒担体の柔軟な保持状態が損なわれることにも原因がある。
また、断熱マットや熱膨張性マットに「へたり」が生じると、断熱マットの断熱性の低下や隙間に侵入した排気ガスにより、ケーシングの温度が上昇する。このため、さらに触媒コンバータの利用を続けると、温度上昇によりケーシングの強度が低下し、異常振動によりケーシングの破損や変形が発生し易くなる。上述したメタルケースの入口側を2重にする構造は、外側ケースを直接排気ガスに接触させないことで、外側ケースの温度上昇を抑えるものであるが、内側のメタルケースは、シール部材またはその近辺に突き当たる構造となるので、その部分におけるシール部材の「へたり」の問題は解決されない。そこで本発明は、高温の排気ガスを扱う触媒コンバータにおける異常振動の防止、さらに異常振動に起因する触媒担体の破損の防止、さらに異常振動および温度上昇に起因するケーシングの破損防止を目的とする。
本発明は、触媒担体と、この触媒担体を収めたケース部と、前記触媒担体に排気ガスを導くコーン部と、前記触媒担体と前記コーン部との間に配置された金属メッシュリングとを備え、前記金属メッシュリングの前記触媒担体と前記コーン部との間に挟まれた部分の密度が1.2〜1.4g/cmであることを特徴とする。
本発明によれば、コーン部と触媒担体との間が、金属メッシュリングによってシールされる。そして、このシールした部分の金属メッシュリングの密度を1.2〜1.4g/cmとすることで、排気ガスを遮断し、且つ、振動を吸収する制振効果を得ることができる。また、金属メッシュ材料は、高い耐熱性および耐食性を示すので、排気ガスのシールに適したものとなる。この構成によれば、金属メッシュリングによるシール性と振動を吸収する制振性とを得ることができ、高温の排気ガスによる断熱マットや熱膨張性マットの「へたり」を防止すると共に、エンジンから伝わる振動による触媒担体の破損を防止することができる。また、断熱マットや熱膨張性マットの「へたり」を防止することができるので、ケーシングの温度上昇を抑えることができ、ケーシングの強度の低下を防止することができる。そして、異常振動が防止され、更にケーシングの強度低下が防止されるので、ケーシングの破損を防止することができる。以上の理由により、排気ガス温度の高いエンジン直下の位置に配置するのに適した触媒コンバータを得ることができる。
金属メッシュリングの密度が1.2g/cmを下回ると、ミクロに見た場合の隙間の影響が大きくなるので、排気ガスを遮断する効果が低下する。また、高温排気ガスに曝された際に金属メッシュリングの「へたり」が発生し、その柔軟性が低下し、やはり排気ガスを遮断する効果が低下する。金属メッシュリングの密度が1.4g/cmを上回ると、柔軟性が低下することによって振動を吸収する機能が低下する。排気ガスを遮断する効果が低下すると、侵入した排気ガスによって触媒担体を覆う断熱マットや熱膨張性マットが損傷する傾向が増大する。また、金属メッシュリングの振動を吸収する機能が低下すると、エンジンから伝わる振動による触媒担体の軸方向の遊動が発生し易くなり、それによる触媒担体の破損が発生し易くなる。
触媒担体としては、触媒材料を担持するハニカム構造のセラミックス体を挙げることができる。触媒材料としては、貴金属等を利用したものが使用される。これは通常の触媒コンバータと同じである。ケース部は、触媒コンバータの外観を構成する筒状のメタルケースであり、例えばステンレス製の円筒部材を挙げることができる。コーン部は、排気管からの排気ガスを触媒担体に導く、あるいは排出する略円錐形状(または多角錐形状)の金属部材である。通常、コーン部はケース部と同じ材質で構成される。
金属メッシュリングは、金属繊維を網状に形成して金属メッシュ材料を得、それを多層に重ねて圧縮した後に打ち抜いてリング形状に成形したものである。この金属メッシュ材料は、SUS310、SUS316、Fe−Cr−Al−Mo材、インコネル等の耐熱合金を素材とし、線径が100〜200μm、取り付け前の状態における密度が1.0〜1.2g/cm程度であることが望ましい。メッシュ素材の線径や金属メッシュリングの取り付け前の状態における密度が上記の範囲を外れると、金属メッシュリングを組み込んだ際における密度の限定によって得られる効果が得られなくなる。
本発明において、金属メッシュリングが、触媒担体とコーン部に挟まれた部分で部分的に押し潰されている構成とすることが好ましい。この態様によれば、金属メッシュリングの1.2〜1.4g/cmの密度に圧縮された部分がシール部材として効果的に機能する。そして、この圧縮部分に隣接する部分は、上記の範囲より低密度であるので、高い柔軟性および弾力性を示し、高い振動吸収性や衝撃吸収性を得ることができる。このため、耐熱性、シール性および制振性を兼ね備えたシール構造を得ることができる。
この構造は、触媒担体とコーン部との間に金属メッシュリングを位置させた状態において、触媒担体とコーン部とを相対的に押し付け、金属メッシュリングを圧縮することで得ることができる。そしてこの圧縮の際の荷重を管理することで、金属メッシュリングの密度を上記の範囲にすることができる。この製造方法によれば、構成部品の寸法に僅かな違いや変形(例えばコーン部やケース部の僅かな変形)があっても製造時にその差を吸収することができる。このため、一定品質の触媒コンバータを製造する際に有利となる。
本発明において、金属メッシュリングは、第1の厚み部と、それより厚み寸法の大きい第2の厚み部とを有し、第1の厚み部は、触媒担体とコーン部との間に挟まれた上述した密度が1.2〜1.4g/cmの部分であり、第2の厚み部は、1.2g/cmを下回る密度を有している構造とすることが望ましい。
この態様によれば、触媒コンバータに装着された状態において、金属メッシュリングは、2つの厚み部分を備え、第1の厚み部分が、上述した1.2〜1.4g/cmの密度とされた部分であり、第2の厚み部分がこの密度範囲未満の密度を有した部分となる。ここで、第1の厚み部分は、シール性と柔軟性を示す。そして、第2の厚み部分は主に柔軟性を有し、触媒担体をその軸方向(排気ガスの流通方向)において弾性的に保持する機能を示す。この態様によれば、第2の厚み部分が示す柔軟性により触媒担体がその軸方向において弾性的に保持されるので、エンジンから伝わる振動によって触媒担体がその軸方向に遊動することが防止される。これにより、触媒担体の破損を防ぐことができる。また、触媒担体の外側への排気ガスの漏れは、第1の部分のシール機能により防止することができる。そのため、触媒担体の外側に巻かれた断熱マットや熱膨張性マットが高温の排気ガスに曝されることがない構造を得ることができる。
本発明において、コーン部が外側コーンおよび内側コーンの2重構造を有し、内側コーンが金属メッシュリングに接触している構成とすることが好ましい。この態様によれば、外側コーンの昇温を抑えることができるので、コーンの外側に配置する断熱材が不要、あるいはその量を減らすことができる。このため、触媒コンバータを小型化することができる。
本発明は、上記触媒コンバータの製造方法として把握することもできる。すなわち、本発明の触媒コンバータの製造方法は、触媒担体と、この触媒担体を収めたケース部と、前記触媒担体に排気ガスを導くコーン部と、前記触媒担体と前記コーン部との間に配置された金属メッシュリングとを備えた触媒コンバータの製造方法であって、前記金属メッシュリングを前記コーン部と前記触媒担体との間に配置する工程と、前記コーン部と前記触媒担体とを相対的に圧縮し、前記金属メッシュリングの密度を1.2〜1.4g/cmにする工程とを備えることを特徴とする。
この製造方法の発明によれば、コーン部を触媒担体に押し付ける(あるいは逆に触媒担体をコーン部に押し付ける)際の荷重を管理することで、シールとして機能する部分の金属メッシュリングの密度を1.2〜1.4g/cmにすることができる。このため、所定のシール性能を確実に得ることができる。また、個体によるシール性のばらつきのないものを得ることができる。
本発明によれば、金属メッシュリングによるシール性と、振動を吸収する制振性とを得ることができる。このため、高温の排気ガスによる断熱マットや熱膨張性マットの「へたり」を防止すると共に、エンジンから伝わる振動による触媒担体の破損を防止することができる。また、断熱マットや熱膨張性マットの「へたり」を防止し、異常振動の発生を防止することができるので、ケーシングの温度上昇を抑え、その破損を防止することができる。
1.第1の実施形態
(1―1)第1の実施形態の組み立て手順
図1および図2は、発明を利用した触媒コンバータの組み立て工程の概略を示す工程断面図である。まず、図1(A)に示すセラミック製の触媒担体100を用意する。触媒担体100は、円筒形状であり、排気ガスが流れる方向に延在した細長い空間を有する蜂の巣構造を有し、その内面に触媒が担持されている。図示する構造においては、排気ガスが、触媒担体100を上から下に抜ける向きで利用される。
触媒担体100を用意したら、その周囲に断熱マット101を巻く。断熱マット101は、耐熱性の無機繊維材料をマット状に成型したものである。次いで断熱マット101の外側に熱膨張性マット102を巻く。熱膨張性マット102は、ひる石(バーミュキュライト)、無機繊維材料およびバインダーにより構成されたマットであり、温度上昇時にひる石の膨張性により体積が増加する熱膨張性を有している。これらマットは、触媒担体100に巻いた状態において、軸方向(排気ガスの流れる方向)の寸法が触媒担体100よりも少し短く設定され、上下端において、触媒担体100の端部が僅かに突出した状態とされる。
次いで、上述した軸方向両端における触媒担体100の端部が僅かに突出した部分の一方に金属メッシュリング103を嵌め込む。金属メッシュリング103は、直径が100〜200μmのステンレス細線をメッシュ状にし、それをプレス成形したものであり、内側に拡径部と縮径部を備えた段差構造を有した円環形状とされている。そしてこの段差構造を触媒担体100の端部に合わせることで、上述した嵌め込みが行われる。
装着前の状態において、金属メッシュリング103は、密度が1.0〜1.2g/cm程度とされている。金属メッシュリング103を構成する金属細線の材質は、排気ガスに対する腐食性を備えている金属材料であれば、ステンレスに限定されない。この金属細線の線径は、望ましくは100〜200μmである。この範囲より、線径が小さいとシール部材としての弾力性に欠けるものとなり、この範囲より線径が大きいと、ミクロに見た場合の隙間が大きくなりシール性に欠けるものとなる。
他方において、金属メッシュリング103の反対側の端部に、シールリング104を嵌め込む。シールリング104は、金属メッシュリング103と同じ形状を有し、耐熱性の無機繊維材料をバインダーと共に圧縮成型することで構成されている。シールリング104は、従来から利用されているシール部材と同じ材質のものを利用することができる。シールリング104として通常の材質のものを利用するのは、この部分が排気ガスの出口部分であるため排気ガスの風圧が問題とならず、また入口側に比較して温度環境が厳しくないからである。こうして、図1(A)に示す触媒コンバータ内部構造体10を得る。
次に図1(B)に示すような円筒構造のステンレス製のケーシング105を用意する。ケーシング105の材質は、ステンレスに限定されないが、強度、重量、耐食性の点で通常はステンレスが利用される。そして、ケーシング105に図1に示す触媒コンバータ内部構造体10を収納する。この際、触媒コンバータ内部構造体10の外径をケーシング105の内径よりやや大きくしておくことで、断熱マット101および熱膨張製マット102の柔軟性によって、触媒コンバータ内部構造体10をケーシング105内にしっかりとまた弾性的に保持することができる。こうして、図1(C)に示す触媒コンバータの本体11を得る。なお、断熱マット101および熱膨張製マット102を巻いた状態の触媒担体100をケーシング105に収め、その後に金属メッシュリング103とシールリング104を嵌め込み、触媒コンバータの本体11を得ても良い。
次に図1(D)に示すように、触媒コンバータの本体11の排気ガス入口側に入口側コーン部20を装着する。入口側コーン部20は、ステンレス製であり、触媒担体100の方向に漸次拡径した円錐形状の筒部201を備えている。また、入口側コーン部20は、筒部201のガス流入口部分に排気管に接続するためのフランジ202を備え、触媒担体100側にフランジ203を備えている。また、フランジ203の周縁部には、短い円筒部204が設けられ、この円筒部204の内径がケーシング105の外径に一致するようにされている。
入口側コーン部20の触媒コンバータの本体11への装着は、以下のようにして行う。まず、本体11を平面30上に配置し、入口側コーン部20の円筒部204の内側を排気ガス入口側のケーシング105の外側端部に嵌め込む。そしてこの状態において、図1(E)に示すように、プレス装置31により荷重を管理しながら圧を加え、フランジ203によって金属メッシュリング103を圧縮する。この際、フランジ203と触媒担体100とによって挟まれて圧縮される金属メッシュリング103の部分の密度が1.2〜1.4g/cmになるようにプレス装置31が加える荷重を制御する。この制御は、予めプレス装置31の荷重と金属メッシュリング103の密度変化との関係を調べておき、そのデータを利用して行われる。金属メッシュリング103の当該圧縮部分が上記範囲の密度になったら、プレス装置31の動作を停止する。そして、ケーシング105と円筒部204との境目を溶接により接合する。図では、この溶接部分が符号32によって示されている。この工程において、入口側コーン部20の内側から断熱マット101および熱膨張性マット102の端部に至る経路が、金属メッシュリング103の上述した密度に圧縮された円環形状の部分によってシールされる。
図2は、組み立て工程の概略を示す工程断面図であり、図1の組み立て工程の続きが示されている。図2(A)には、触媒コンバータの本体11に入口側コーン部20を装着した状態で、出口側コーン部40を装着する状態が示されている。
出口側コーン部40は、排気ガスの流出方向に漸次縮径した円錐形状の筒部401を備えている。この筒部401の触媒担体100側には、円筒部403が設けられている。円筒部403は、その内径がケーシング105の外径に一致する寸法とされている。また、筒部401の排気ガスの流出側には、排気管と接続するためのフランジ402が設けられている。
触媒コンバータの本体11への出口側コーン部40の装着は、ケーシング105の出口側に出口側コーン部40を嵌め、両者の境目を溶接によって接合することで行われる。こうして、図2(B)に示す触媒コンバータ50が組み立てられる。図では、出口側コーン部40とケーシング105との溶接部分が符号41によって示されている。
(1−2)実施形態の特徴
触媒コンバータ50において、入口側コーン部20の内側から断熱マット101および熱膨張性マット102の端部に至る経路が、金属メッシュリング103の1.2〜1.4g/cmの密度に圧縮された円環形状の部分によってシールされている。この部分は、密度が1.2〜1.4g/cmに設定されていることで、シール性と振動に追従する柔軟性とをバランス良く示す。さらに加えて、1.2〜1.4g/cmの密度に圧縮された円環形状の部分の外側の円環部分は、金属メッシュリング103の厚みがより厚いので、その部分の密度はより小さく、上記1.2〜1.4g/cmの密度に圧縮された円環形状部分より高い柔軟性を示す。このため、振動に追従する高い機能をこの部分において得ることができる。この部分は、高い柔軟性を示すので、振動による触媒担体100の損傷を抑えることができる。このように金属メッシュリングの圧縮の度合を部分的に異ならせることで、高温環境下におけるシール性と軸方向における柔軟性とを得ることができる。そして、触媒担体100の周囲を覆う断熱マット101や熱膨張性マット102の端部に高温の排気ガスが侵入することがなく、また触媒担体100が軸方向において弾性的に支持された構造を得ることができる。
触媒コンバータ50においては、入口側コーン部20から流入した排気ガスが、触媒担体100に導かれ、そこで担持された触媒による浄化が行われる。浄化された排気ガスは、出口側コーン部40から排出される。図2(B)に示す触媒コンバータ50において、出口側を入口側と同じシール構造としてもよい。この例においては、出口側の温度環境は入口側程厳しくなく、また排気ガスのシール性もそれ程厳しいものが要求されないので、通常のシール構造としている。
(1−3)耐久試験結果
以下、金属メッシュリング103の入口側コーン部20と触媒担体100との間に挟まれた部分の密度と、触媒コンバータ50の耐久性との関係について調べた結果を説明する。下記表1に結果を示す。まず下記表1における判定条件について説明する。項目1において、試験中に触媒担体100が使用不能になる程度に破損した場合(例えば、割れや大きな亀裂が発生した場合)を×とした。また、触媒担体100に、継続しての使用には問題は無いが、目視による検査で認識することができる程度の破損がある場合を△判定とした。破損という程ではないが、部分的な欠けや変形がある場合を○判定とした。また、触媒担体の外観に試験前と変化が見られない場合を◎判定とした。ここで、○判定が実用上問題のないレベルである。なお試験は、乗用車に触媒担体を取り付けた状態でエンジンを360時間連続稼働させることで行った。また高速運転時を想定し、理論空焼費に極力近い状態でエンジンを稼働させ、また、振動条件および温度条件を厳しくした状態で試験を行った。
表1の項目2において、試験後の断熱マット101または熱膨張性マット102に明らかな「へたり」が観察された場合を×判定とした。ここで、「へたり」は、繊維質マットとしての柔軟性が失われたり、破断状態にあることをいう。また、「へたり」には至らないが、繊維質マットとしての機能が劣化している場合を△判定とした。また、「へたり」は発生していないが、排気ガスの浸透による変質が見られる場合を○判定とした。また、試験前と何ら変化が見られなかった場合を◎判定とした。ここで、○が実用上問題のないレベルである。また、ケーシング温度は、試験中におけるケーシング105の最高温度であり、異音は、試験中に触媒コンバータ50から発生する振動音の有無である。
Figure 2008057509
表1の項目1には、金属メッシュリング103の密度が1.5g/cm以上になると、触媒担体100の破損の程度が増大する結果が示されている。これは、金属メッシュリング103の密度が1.5g/cm以上になると、繊維質多孔質としての構造が締まりすぎ、その柔軟性が低下するので、触媒担体100を柔軟に(つまり弾力的に)保持する機能が低下し、エンジンから伝わる振動により触媒担体がその軸方向に遊動し、破損し易くなることを示している。なお、金属メッシュリング103の密度が1.1〜1.4g/cmであれば、触媒担体100に問題となる破損は見られない。これは、金属メッシュリング103の柔軟性により触媒担体100が弾性的に支持され、エンジンから伝わる振動が十分に吸収されるからであると考えられる。なお、金属メッシュリング103の密度が1.0g/cmになると、稼働中の異音の発生が観察され、また触媒担体の破損が発生する。これは、振動を受けて金属メッシュリング103に「へたり」が生じ、部材間に隙間が発生するからであると考えられる。
また項目2には、金属メッシュリング103の密度が1.6g/cm以上になると、断熱マット101または熱膨張性マット102の変質が増大する傾向が示されている。これは、金属メッシュリング103のへたりによる柔軟性の低下に伴い、振動を受けた際に、金属メッシュリング103と入口側コーン部との間、さらに金属メッシュリング103と触媒担体100との間に隙間が発生し、そこから排気ガスが侵入し易くなるからであると考えられる。また項目2には、金属メッシュリング103の密度が1.1g/cm以下になると、断熱マット101または熱膨張性マット102の劣化(へたり)が発生することが示されている。これは、金属メッシュリング103の通気性の増大、およびへたりが生じ、部材間に隙間が発生したことにより、排気ガスの侵入が顕著になるからであると考えられる。
金属メッシュリング103の密度が1.1g/cm以下においてケーシング105の温度上昇が目立つのは、金属メッシュリング103を介してのケーシング105内面への排気ガスの侵入が顕著になるからであると考えられる。また、金属メッシュリング103の密度が1.6g/cm以上においてケーシング105の温度上昇が目立つのは、金属メッシュリング103の柔軟性が失われることに起因して隙間が発生し、そこからケーシング105内面への排気ガスの侵入が顕著になるからであると考えられる。また、金属メッシュリング103の密度が1.5g/cm以上になると、異常振動が発生する。これは、金属メッシュリング103、断熱マット101および熱膨張性マット102の振動吸収機能が低下するからであると考えられる。
表1から、入口側コーン部20と触媒担体100とに挟まれる部分における金属メッシュリング100の密度を1.2〜1.4g/cmの範囲とすることで、触媒担体100の破損防止と、断熱マット101または熱膨張性マット102のへたり防止とを両立することができることが分かる。またこの時、ケーシング105の温度を下げ、異常振動を抑えることができることが分かる。
2.第2の実施形態
図3は、本発明を利用した触媒コンバータの他の例を示す断面図である。図3には、入口側2重コーン部70を備えた触媒コンバータ60が示されている。触媒コンバータ60は、図2に示す触媒コンバータ50において入口側コーン部を2重コーン構造に変更した例である。なお、図1〜3と同じ符号の部分は、既に説明した内容と同じであるので、説明は省略する。また、組み立て手順も図1および図2に示す手順と同じである。
入口側2重コーン部70は、円錐状の筒部701を備えている。この筒部701のすぼまった側に、エンジンからの排気管に接続を行うためのフランジ702を備えている。筒部701の拡がった側の端部は、金属メッシュリング103に突き当てられている。円錐状の筒部701の外側には、略円錐形状の外側コーン部704が溶接によって固定されている。これら入口側2重コーン部70は、ステンレス材料によって構成されている。
入口側2重コーン部70の本体側への装着は、まず外側コーン部704の端部内側をケーシング105の端部に嵌め込む。その後、図1(E)に示すような図3には図示しないプレス装置を用いて外側コーン部704とケーシング105とに相対的に圧を加える。この際、図示しないプレス装置から加えられる荷重の管理を行い、円錐状の筒部701の拡径方向の端部703と触媒担体100とによって押し潰される金属メッシュリング103の部分の密度が1.2〜1.4g/cmとなるようにする。
金属メッシュリング103の円錐状の筒部701の拡径方向の端部703と触媒担体100とによって押し潰される部分の密度が、1.2〜1.4g/cmになったら、図示しないプレス装置を停止させる。そして、外側コーン部704とケーシング105とを符号71で示す部分で溶接し、ケーシング105に対して入口側2重コーン部70を固定する。なお、触媒コンバータ60において、出口側を入口側と同じ構成としてもよい。
図3に示す触媒コンバータ60は、円錐状の筒部701の拡径方向の端部703が、金属メッシュリング103に部分的に円環形状にめり込んでいる。このめり込んだ付近の密度が1.2〜1.4g/cmであり、その部分がシール部として機能する。そして、1.2〜1.4g/cmの密度になった部分の周辺は、その密度が1.2g/cm未満であり、主にクッション部材として機能することになる。これにより、高いシール性と触媒担体100をその軸方向に弾性的に保持する機能を得ることができ、断熱マット101や熱膨張性マット102の「へたり」が防止され、且つ振動に強い触媒コンバータを得ることができる。また、コーン部が2重になることで、ケーシング105の昇温を抑えることができる。このため、図2(B)に示す構造に比較して、熱によるケーシングの変形や傷みが発生し難い。
本発明は、自動車等の排気ガス浄化に使用する触媒コンバータに利用することができる。
発明を利用した触媒コンバータの組み立て工程を例示する工程断面図である。 発明を利用した触媒コンバータの組み立て工程を例示する工程断面図である。 発明を利用した他の触媒コンバータを示す断面図である。
符号の説明
10…触媒コンバータ内部構造体、11…触媒コンバータの本体、100…触媒担体、101…断熱マット、102…熱膨張性マット、103…金属メッシュリング、104…シールリング、105…ケーシング、20…入口側コーン部、201…円錐状の筒部、202…フランジ、203…フランジ、204…円筒部、31…プレス装置、40…出力側コーン部、401…円錐状の筒部、402…フランジ、403…円筒部、50…触媒コンバータ、70…入口側コーン部、701…円錐状の筒部、702…フランジ、703…円錐状の筒部の端部、704…外側コーン部。

Claims (5)

  1. 触媒担体と、
    この触媒担体を収めたケース部と、
    前記触媒担体に排気ガスを導くコーン部と、
    前記触媒担体と前記コーン部との間に配置された金属メッシュリングと
    を備え、
    前記金属メッシュリングの前記触媒担体と前記コーン部との間に挟まれた部分の密度が1.2〜1.4g/cmであることを特徴とする触媒コンバータ。
  2. 前記金属メッシュリングは、前記触媒担体と前記コーン部とによって挟まれた部分で部分的に押し潰されていることを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータ。
  3. 前記金属メッシュリングは、第1の厚み部と、それより厚み寸法の大きい第2の厚み部とを有し、
    前記第1の厚み部は、前記触媒担体と前記コーン部との間に挟まれた前記部分であり、
    前記第2の厚み部は、1.2g/cmを下回る密度を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒コンバータ。
  4. 前記コーン部が外側コーンおよび内側コーンの2重構造を有し、
    前記内側コーンが前記金属メッシュリングに接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒コンバータ。
  5. 触媒担体と、
    この触媒担体を収めたケース部と、
    前記触媒担体に排気ガスを導くコーン部と、
    前記触媒担体と前記コーン部との間に配置された金属メッシュリングと
    を備えた触媒コンバータの製造方法であって、
    前記金属メッシュリングを前記コーン部と前記触媒担体との間に配置する工程と、
    前記コーン部と前記触媒担体とを相対的に圧縮し、前記金属メッシュリングの密度を1.2〜1.4g/cmにする工程と
    を備えることを特徴とする触媒コンバータの製造方法。
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