JP4381518B2 - 触媒コンバータ用保持シール材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の排気ガス浄化用コンバータとして用いられる触媒コンバータ用保持シール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、主として車両に搭載される排気ガス浄化用コンバータは、触媒保持体と、その触媒保持体の外周を覆う筒状の金属製パイプと、それらのギャップ間に配置される保持シール材とによって構成されている。
【0003】
保持シール材は、車両の走行中等における触媒保持体と金属製パイプとの当接による破損を防ぎつつ、金属製パイプと触媒保持体との隙間からのガスのリークを防ぐために用いられている。また、触媒活性は温度に依存するので、使用開始初期からの反応性の向上を図るため、保持シール材には断熱性能を要求されている。これらの要件を満たす材料としては、アルミナファイバー等の無機繊維からなるマット状物がある。
【0004】
この保持シール材は、触媒保持体の外周面に巻き付けられ、テーピング等によって巻き付け状態が固定される。そして、同シール材は、触媒保持体とともに金属製パイプ内に圧入されることによって組み付けられる。
【0005】
なお、無機繊維のマット状物は嵩高いものであるため、保持シール材を金属製パイプ内に圧入させる際の組み付け性を改善する必要がある。
こうした実情から、例えば、特開平7−197811号公報の排気ガス浄化用コンバータには、有機繊維とともにニードリング処理が施された保持シール材が開示されている。保持シール材にニードリング処理を施すと、繊維がマット状物の厚さ方向に交絡して、保持シール材が肉薄になるからである。そして、このように肉薄となった保持シール材を金属製パイプと触媒保持体との間に介在させることにより、当該コンバータの組み付け性を改善せんとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のニードリング処理では、処理条件が未だ詳細に検討されていなったことから、保持シール材の肉薄化が不充分になりやすく、保持シール材の組み付け性を確実に向上できないことがしばしばあった。
【0007】
ここでニードリング処理を多数回施して交絡点の密度を上げれば、保持シール材が充分に肉薄化され、金属製パイプへの保持シール材の組み付け性が確実に向上するものと考えられる。しかし、このような対策を闇雲に講じたとすれば、保持シール材の触媒保持体に対する保持性能が低下してしまうことが予想される。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、組付け性を向上することのできる触媒コンバータ用保持シール材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、触媒保持体に対する保持性能を低下を防止することのできる触媒コンバータ用保持シール材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、触媒保持体と、その触媒保持体の外周を覆う筒状の金属製パイプとのギャップ間に圧入されることにより配置される触媒コンバータ用保持シール材において、前記保持シール材は繊維材料からなるニードリング処理されたマット状物を焼成することによって構成され、その少なくとも前記金属製パイプへの圧入始端近辺には、圧入終端側に向かって列状をなす複数の交絡点からなる交絡点群が、前記金属製パイプへの圧入方向に対して0゜〜45゜の角度で複数箇所に設けられていることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記各交絡点群は、前記保持シール材の圧入始端から圧入終端にわたって全体的に設けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、同じ交絡点群を構成する各交絡点間の距離は、隣り合う前記交絡点群間の距離よりも小さく設定されていることを要旨とする。
【0012】
請求項4請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記各交絡点群は、等間隔かつ互いに平行となるように設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記交絡点は、100cm内に500〜2500個の密度で設けられていることを要旨とする。
【0015】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、少なくとも保持シール材における金属製パイプへの圧入始端近辺には、ニードリング処理によって列状をなす複数の交絡点からなる交絡点群が設けられているため、保持シール材全体が肉薄となる。また、交絡点群は、金属製パイプへの圧入方向に対して0゜〜45゜の角度で複数箇所に設けられている。このため、保持シール材を金属製パイプ内に容易に圧入できる。したがって、保持シール材の組み付け性が向上する。
【0016】
請求項2に記載の発明によると、各交絡点群は、前記保持シール材の圧入始端から圧入終端にわたって全体的に設けられている。このため、保持シール材を、圧入開始時から圧入終了時まで容易に金属製パイプ内に圧入することができる。したがって、保持シール材の組み付け性が確実に向上する。
【0017】
請求項3に記載の発明によると、交絡点は圧入方向に沿って密となる。このため、保持シール材における金属製パイプへの圧入方向と直交する断面形状の変化が小さくなり、保持シール材を金属製パイプに確実かつ容易に圧入することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によると、例えば一つの交絡点群を形成可能なニードリング装置を用いた際に、同装置を等間隔に平行移動させることで各交絡点群を形成することができる。したがって、各交絡点群を容易に形成することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によると、請求項1〜4の作用に加えて、交絡点の密度を500〜2500個/100cm2の範囲内とすることにより、触媒保持体に対する保持性能をも確実に維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、触媒コンバータ1は、本体2とその本体2を収容する金属製パイプ3とから構成されている。
金属製パイプ3は円筒形状をなし、例えばステンレススチールなどの耐食性に優れた材料を用いて形成されている。また、この金属製パイプ3の内径L2は、本体2の直径L1よりも数mm〜十数mm程度大きく設定されている。
【0023】
本体2は、円柱状をなす触媒保持体11と、同保持体11の外周面に巻き付けられた保持シール材12とから構成されている。
触媒保持体11には白金等の触媒が担持されている。触媒保持体11としては、例えばハニカム状に成形したコージェライトやアルミナ等の多孔質体が用いられている。なお、本実施形態において触媒保持体11は略真円状の断面形状を有している。また、同保持体11の壁の厚さは、熱容量の低減及び背圧低減の観点に鑑みて、50μm程度に設定されている。
【0024】
保持シール材12は、図2に併せ示すように、結晶質アルミナ繊維やシリカ−アルミナ繊維等の無機繊維材料からなるマット状物である。同保持シール材12の一端には凸部12aが形成され、他端には凸部12aと対応する凹部12bが形成されている。また、保持シール材12には、金属製パイプ3への圧入方向(図1に示す矢印方向)に対して平行列状をなす複数の交絡点群13が形成されている。これら各交絡点群14は、凸部12aから凹部12bにわたって全体的に所定間隔T1毎に形成されている。各交絡点群13は、金属製パイプ3への圧入始端から圧入終端にわたって全体的に所定間隔T2毎に形成された複数の交絡点14によって構成されている。
【0025】
なお、各交絡点群13が保持シール材12の圧入方向に対してなす角度は、0〜45゜の範囲内であることが望ましい。また、この角度は、0〜20゜の範囲内がより望ましく、前述した0゜(圧入方向と平行)であることが最も望ましい。
【0026】
ここで、保持シール材12の製造方法について説明する。
まず、前述したように、結晶質アルミナ繊維やシリカ−アルミナ繊維等の無機繊維材料によってマット状物を形成する。
【0027】
次に、図示しないニードリング装置によってこのマット状物をニードリング処理する。詳しくは、例えば金属材料からなるニードルが間隔T2毎に一列に整然と並んで配置されたニードリング装置を用い、マット状物に各ニードルをさし込む。これにより、マット状物は、各ニードルが刺された箇所の繊維が交絡して全体的に肉薄となる。このとき、各ニードルは間隔T2毎に一列に整然と並んで配置されているため、一回のニードリング処理によって1つの交絡点群13がマット状物に形成される。
【0028】
その後、マット状物上においてニードリング装置を間隔T1ずつずらし、順次マット状物を刺していく。これにより、マット状物には複数の交絡点群13が形成される。なお、前記所定間隔T1と前記所定間隔T2との関係は、T1≧T2となるように設定されている。さらに、間隔T1は1〜6mmの範囲内、間隔T2は1〜3mmの範囲内に設定されている。また、各交絡点14は、マット状物上の任意の10cm四方の領域内に500〜2500個の密度を満たすように形成されている。この交絡点14の密度は、好ましくは500〜1500個、さらに好ましくは600〜700個の範囲内にあることが望ましい。
【0029】
最後にニードリング処理されたマット状物を焼成することにより、保持シール材12を形成する。
続いて、このように構成された触媒コンバータ1の組付方法を簡単に説明する。
【0030】
まず、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けた後、凸部12aと凹部12bとを合わせて両端をテープ15で固定する。
続いて、図1に矢印で示すように、本体2を金属製パイプ3内に圧入する。これにより、本体2は、金属製パイプ3内に挿着されることとなる。すなわち、保持シール材12は、金属製パイプ3と触媒保持体11とのギャップ間に隙間なく配置される。このため、排気ガスがこの触媒コンバータ1を通過する際に、同排気ガスが触媒保持体11と金属製パイプ3との間から流出してしまうことが防止される。
【0031】
そして、こうした触媒コンバータ1は、車両の排気ガス流路の途上に接続され、エンジンから送り込まれた排気ガスを浄化して車外に排出する。
【0032】
【実施例及び比較例】
以下の実施例及び比較例においては、金属製パイプ3として、SUS409製且つ板厚1.5mm、内径φ138mmの断面真円状の中空パイプを用いた。触媒保持体11としては、外径φ130mm、長さ100mmのコージェライトモノリスを用いた。マット状の保持シール材12としては、元々の厚みが25mm
のマット状物に、金属材料からなるニードルによってニードリング処理を施したものを用いた。テープ15としては有機テープを用いた。
【0033】
また、各実施例及び各比較例の詳細を以下の表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004381518
【0035】
なお、「交絡点の密度[個/100cm2]」とは、保持シール材12上の任意の10cm四方の領域内に存在する交絡点14の個数を示す。
[実施例1]では、図2に示したように、金属製パイプ3への圧入方向と平行に各交絡点群14が形成された保持シール材12を用いた。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0036】
その結果、本体2に所定の押圧力を加えることによって、本体2を金属製パイプ3内の所定箇所に挿着することができた。また、保持シール材12の挿着後、触媒保持体11のガタツキや、同保持体11と金属製パイプ3との間に隙間も確認されなかった。
【0037】
[実施例2]では、図3に示すように、金属製パイプ3への圧入方向に対して直交する方向に交絡点群14が形成された保持シール材12を用いた。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0038】
その結果、本体2を金属製パイプ3内の所定箇所に挿着することができたものの、実施例1よりも強い押圧力を本体2に加える必要があった。また、保持シール材12の挿着後、触媒保持体11のガタツキや、同保持体11と金属製パイプ3との間の隙間も確認されなかった。ちなみに、この実施例2における保持シール材12と金属製パイプ3との間に作用する平均面圧は、実施例1とほぼ同等の測定値となった。
【0039】
[実施例3]では、前記実施例1と同様に金属製パイプ3への圧入方向と平行に各交絡点群14が形成された保持シール材12を用い、交絡点14の密度のみを減らした。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0040】
その結果、本体2を金属製パイプ3内の所定箇所に挿着することができたものの、実施例1よりも強い押圧力を本体2に加える必要があった。また、保持シール材12の挿着後、触媒保持体11のガタツキや、同保持体11と金属製パイプ3との間の隙間も確認されなかった。ちなみに、この実施例3における保持シール材12と金属製パイプ3との間に作用する平均面圧は、実施例1よりも高い測定値となった。
【0041】
[実施例4]では、前記実施例2と同様に金属製パイプ3への圧入方向に対して直交する方向に交絡点群14が形成された保持シール材12を用い、交絡点14の密度を実施例3と同等とした。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0042】
その結果、本体2を金属製パイプ3内の所定箇所に一応は挿着することができたものの、かなり強い押圧力を本体2に加える必要があった。したがって、組み付け時には、細心の注意を払わないと、触媒保持体11の破損や組み付け不良が生じるおそれがあるものと予想される。なお、保持シール材12の挿着後、触媒保持体11のガタツキや、同保持体11と金属製パイプ3との間の隙間も確認されなかった。ちなみに、この実施例4における保持シール材12と金属製パイプ3との間に作用する平均面圧は、実施例3とほぼ同等の測定値となった。
【0043】
[比較例1]では、各交絡点14がアトランダムに形成された保持シール材12を用い、交絡点14の密度を約3000[個/100cm2]とした。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0044】
その結果、本体2を金属製パイプ3内の所定箇所に容易に挿着することができたものの、触媒保持体11のガタツキや、同保持体11と金属製パイプ3との間の隙間が生じた。したがって、触媒保持体11を保持する保持性能の観点から適したものとは言えないことが確認された。
【0045】
[比較例2]では、前記比較例1と同様に各交絡点14がアトランダムに形成された保持シール材12を用い、交絡点14の密度を約400[個/100cm2]とした。そして、保持シール材12を触媒保持体11に巻き付けて本体2とした後、その本体2を金属製パイプ3内に圧入した。
【0046】
その結果、本体2を金属製パイプ3内に圧入することができなかった。
これら各実施例及び各比較例の結果から、実施例1〜4については、触媒保持体11をガタツキなく保持しつつ、本体2を金属製パイプ3内に圧入できることが確認された。また、実施例1が最も組み付けやすく、実施例4が最も組み付けにくいことが確認された。
【0047】
また、このほかに、前記実施例3,4のように、交絡点14の密度を変更して組み付けを行った結果、交絡点14の密度は500[個/100cm2]以上であれば、交絡点14の形成態様にかかわらず、金属製パイプ3内への圧入が可能であった。また、交絡点14の密度が2500[個/100cm2]以内であれば、交絡点14の形成態様にかかわらず、触媒保持体11はガタつくことなく金属製パイプ3内に保持された。したがって、交絡点14の密度は、500〜2500[個/100cm2]の範囲内であることが望ましい。但し、こうした交絡点14の密度は、組み付けやすさと触媒保持体11の保持性能の維持とをより確実に両立させるためには、600〜700[個/100cm2]の範囲内にあることがより望ましいと予測できた。
【0048】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)保持シール材12に複数の交絡点群13を形成することにより、同シール材12を肉薄にすることができる。また、各交絡点群13は、保持シール材12の金属製パイプ3への圧入方向に沿って列状をなす複数の交絡点14によって構成されている。このため、保持シール材12は、圧入方向に沿った状態で肉薄となる。したがって、保持シール材12を金属製パイプ3内に容易に圧入でき、保持シール材12の組み付け性を向上させることができる。
【0049】
(2)各交絡点群13は、保持シール材12の圧入始端から圧入終端にわたって全体的に設けられている。このため、保持シール材を、圧入開始時から圧入終了時まで容易に金属製パイプ内に圧入することができる。したがって、保持シール材12の組み付け性を確実に向上させることができる。
【0050】
(3)同じ交絡点群13を構成する各交絡点14間の距離(間隔T2)は、隣り合う交絡点群14間の距離(間隔T1)よりも小さく設定されている。このため、各交絡点14は、保持シール材12の圧入方向に沿って密となる。したがって、保持シール材12における金属製パイプへ3の圧入方向と直交する断面形状の変化が小さくなり、保持シール材12を金属製パイプ3に確実かつ容易に圧入することができる。
【0051】
(4)例えば一つの交絡点群13を形成可能なニードリング装置を用いれば、同装置を等間隔に平行移動させることで各交絡点群13を形成することができる。したがって、各交絡点群13を容易に形成することができる。
【0052】
(5)保持シール材12における交絡点14の密度は、500〜2500[個/100cm2]の範囲内で形成されている。このため、保持シール材12の組み付け性を確実に向上させつつ、触媒保持体11に対する保持性能をも確実に維持することができる。
【0053】
(6)各交絡点群13は、保持シール材12の金属製パイプ3への圧入方向に沿って列状をなす複数の交絡点14によって構成されている。このため、触媒保持体11と金属製パイプ3との間に作用する面圧を、全体的にほぼ均一にすることができる。
【0054】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 図4(a)に示すように、各交絡点群13を構成する各交絡点14を保持シール材12の圧入始端近辺のみに形成するようにしてもよい。
【0055】
・ 図4(b)に示すように、各交絡点群13を、金属製パイプ3への圧入方向に対して45゜以内となる角度θだけ傾斜して形成してもよい。また、図4(c)に示すように、これら各交絡点群13を構成する各交絡点14を保持シール材12の圧入始端近辺のみに形成するようにしてもよい。
【0056】
・ 前記実施形態では、ニードリング処理によって保持シール材12に各交絡点14を形成したが、これに限らず、水流噴射によって各交絡点14を形成するようにしてもよい。
【0057】
・ 保持シール材12に、NBRやSBR等の有機バインダを含浸させる。このようにすれば、交絡点14の密度を低減しつつ、保持シール材12を全体的に肉薄にすることができる。
【0058】
なお、この場合には、焼成した保持シール材12に有機バインダを含浸させた後、圧力を加えながら乾燥することによって保持シール材12が肉薄に形成される。
【0059】
・ 保持シール材12の構成材料は、アルミナファイバーのみに限定されない。例えばロックウール、ガラスファイバー、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー、シリカファイバー、カーボンファイバー等といったその他の無機繊維を用いてもよい。
【0060】
・ 触媒保持体11の断面形状は真円状に限定されるものではない。例えば楕円状等であってもよい。この場合、金属製パイプ3の断面形状もそれに合わせて楕円状等に変更してもよい。
【0061】
・ 触媒保持体11としては、例えばハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられるほか、炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体などが用いられてもよい。
【0062】
・ 触媒保持体11には、触媒として銅系以外のものが担持されていてもよい。
・ 100cm2内に500〜2500個の交絡点が設けられていれば、それら交絡点の形成位置は、規則性(列状)を有していなくてもよい。
【0063】
・ 触媒コンバータ1を、燃料電池用改質器に適用してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0064】
(1) 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記交絡点群は、前記保持シール材の前記金属製パイプへの圧入方向に対して平行であることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。この技術的思想(1)に記載の発明によれば、保持シール材を金属製パイプ内により容易に圧入でき、組み付け性をより向上できる。
【0065】
(2) 請求項1〜、技術的思想(1)のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記各交絡点は、ニードリング処理、及び水流噴射による水流交絡処理から選び出される一つの処理によって形成されていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材
【0066】
(3) 請求項1〜、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、前記保持シール材は、無機繊維材料からなることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。この技術的思想(3)に記載の発明によれば、当該触媒コンバータの使用時に、保持シール材に含有される有機成分の流出を防止できる。
【0067】
(4) 請求項1〜、技術的思想(1)〜(3)のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、当該触媒コンバータには、有機バインダが含浸されていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。この技術的思想(4)に記載の発明によれば、保持シール材を全体的により肉薄に形成することができる。このため、交絡点の密度を低減することができる。
【0068】
(5) 触媒保持体と、その触媒保持体の外周を覆う筒状の金属製パイプとのギャップ間に圧入されることにより配置される触媒コンバータ用保持シール材において、当該保持シール材は繊維材料からなるマット状物によって構成され、その少なくとも前記金属製パイプへの圧入始端近辺には、圧入終端側に向かって列状をなす複数の交絡点からなる交絡点群が、前記金属製パイプへの圧入方向に対して0゜〜45゜の角度で複数箇所に設けられていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
【0069】
(6) 繊維材料からなるマット状物によって構成された保持シール材を触媒保持体に巻き付け、その状態で筒状の金属製パイプ内に圧入して組み付ける触媒コンバータの組み付け方法において、前記保持シール材には、予め前記金属製パイプへの圧入始端から圧入終端に向かって列状をなす交絡点を設けるとともに、これら各交絡点からなる交絡点群を平行に所定間隔毎に設け、その保持シール材を焼成した後に前記触媒保持体に巻き付けることを特徴とする触媒コンバータの組み付け方法。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、保持シール材を金属製パイプ内に容易に圧入できる。したがって、保持シール材の組み付け性を向上させることができる。
【0071】
請求項2に記載の発明によれば、保持シール材を、圧入開始時から圧入終了時まで容易に金属製パイプ内に圧入することができる。したがって、保持シール材の組み付け性を確実に向上させることができる。
【0072】
請求項3に記載の発明によれば、保持シール材における金属製パイプへの圧入方向と直交する断面形状の変化を小さくすることができ、金属製パイプに対する保持シール材の圧入をより確実に容易に行うことができる。
【0073】
請求項4に記載の発明によれば、各交絡点群を容易に形成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、触媒保持体に対する保持性能をも確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒コンバータの一実施形態を示す斜視図。
【図2】(a)は同実施形態の保持シール材を展開して示す平面図、(b)は同シール材を触媒保持体に巻き付けた状態の一部を拡大して示す斜視図。
【図3】(a)は同実施形態において他の実施例における保持シール材を展開して示す平面図、(b)は同シール材を触媒保持体に巻き付けた状態の一部を拡大して示す斜視図。
【図4】本発明に係る触媒コンバータの保持シール材における他の実施形態を示す平面図。
【符号の説明】
1…触媒コンバータ、2…本体、3…金属製パイプ、11…触媒保持体、12…保持シール材、13…交絡点群、14…交絡点。

Claims (5)

  1. 触媒保持体と、その触媒保持体の外周を覆う筒状の金属製パイプとのギャップ間に圧入されることにより配置される触媒コンバータ用保持シール材において、
    前記保持シール材は繊維材料からなるニードリング処理されたマット状物を焼成することによって構成され、その少なくとも前記金属製パイプへの圧入始端近辺には、圧入終端側に向かって列状をなす複数の交絡点からなる交絡点群が、前記金属製パイプへの圧入方向に対して0゜〜45゜の角度で複数箇所に設けられていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材
  2. 請求項1に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、
    前記各交絡点群は、前記保持シール材の圧入始端から圧入終端にわたって全体的に設けられていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材
  3. 請求項1または請求項2に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、
    同じ交絡点群を構成する各交絡点間の距離は、隣り合う前記交絡点群間の距離よりも小さく設定されていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、
    前記各交絡点群は、等間隔かつ互いに平行となるように設けられていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材において、
    前記交絡点は、100cm内に500〜2500個の密度で設けられていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
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