JPH11117692A - 樹脂被覆セグメントおよびその作製方法、並びに樹脂被覆セグメントによって構築されたシールドトンネル - Google Patents

樹脂被覆セグメントおよびその作製方法、並びに樹脂被覆セグメントによって構築されたシールドトンネル

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JPH11117692A
JPH11117692A JP9291765A JP29176597A JPH11117692A JP H11117692 A JPH11117692 A JP H11117692A JP 9291765 A JP9291765 A JP 9291765A JP 29176597 A JP29176597 A JP 29176597A JP H11117692 A JPH11117692 A JP H11117692A
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JP
Japan
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resin
segment
coated
pin
shield tunnel
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Application number
JP9291765A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Yamamoto
正嗣 山本
Masayoshi Nakagawa
雅由 中川
Hiroki Someya
洋樹 染谷
Tadashi Tanaka
▲ただし▼ 田中
Yutaka Fujino
豊 藤野
Akira Kase
明 加瀬
Noriyuki Shima
宣之 島
Takeo Arakida
武生 荒木田
Yuichi Masuda
裕一 増田
Hirobumi Okuno
博文 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GEOSTER CORP
CI Kasei Co Ltd
Kajima Corp
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Original Assignee
GEOSTER CORP
CI Kasei Co Ltd
Kajima Corp
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
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Publication date
Application filed by GEOSTER CORP, CI Kasei Co Ltd, Kajima Corp, Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd, Ishikawajima Construction Materials Co Ltd filed Critical GEOSTER CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 構造が簡単で水密性および耐火性に優れて
いると共に、樹脂製被覆部材に対する耐火部材とコンク
リート部材との密着性を良くすることによって、シール
ドトンネルの強度、水密性、あるいは耐火性を保つこと
ができる。 【解決手段】 樹脂被膜セグメント12、12′は、コ
ンクリート15、15′、樹脂製被覆部材13、1
3′、耐火部材14、14′とがシールドトンネル11
の内面に向かって、順次設けられている。上記樹脂製被
覆部材13、13′は、上記コンクリート15、15′
の少なくとも一面、二つの接合面と表面、四つの接合面
と表面を覆うと共に、セグメント本体側およびシールド
トンネル11の内面側に突設する凹凸面131が設けら
れている。この凹凸面131は、コンクリート15、1
5′および耐火部材14、14′の密着性を良くしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の樹脂被覆セ
グメントを組み立てることによって水密性および耐火性
の高いシールドトンネルを構築するための樹脂被覆セグ
メントおよびその作製方法、並びに樹脂被覆セグメント
によって構築されたシールドトンネルに関するものであ
る。特に、本発明は、鉄道または自動車道用のトンネ
ル、道路、河川、雨水用、下水道用、または電力・ガス
等の共同溝用シールドトンネルのような水密性および耐
火性が要求されるトンネル、あるいは略円形、半円形、
または多角形からなる構築物を組み立てるための樹脂被
覆セグメントおよびその作製方法、並びに樹脂被覆セグ
メントによって構築されたシールドトンネルに関するも
のである。なお、本明細書において、シールドトンネル
なる記載は、上記全て円形、角形のトンネルや溝等の構
築物を含むものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来例におけるセグメントを使
用したシールドトンネルの構造を説明するための図であ
る。図12(イ)ないし(ハ)は、図11における各セ
グメントの形状を説明するための図である。図11およ
び図12において、シールドトンネルは、たとえば、8
個のセグメントから構成されている。そして、図12
(イ)に示すA型セグメント111どうしの端面は、各
セグメントをシールドトンネルとして組み立てた際に、
シールドトンネルの軸方向に直角な垂直面で、中心点を
通過する直線で切られている。図12(ロ)に示すB型
セグメント112は、A型セグメント111と接する端
面と反対側にテーパー部112′が備えられている。図
12(ハ)に示すK型セグメント113は、B型セグメ
ント112のテーパー部112′と両端で接合するた
め、両端にテーパー部113′が備えられている。
【0003】先ず、鉄筋コンクリート製セグメント11
1は、図11に示すように、下部から順次リングになる
ように円周方向に積み上げながら、接合面の近傍に設け
られたボルトボックスにおいて、ボルト・ナットによっ
て接合される。そして、最後にB型セグメント112の
テーパー型112′にK型セグメント113を下方から
上方に向けて嵌合し、ボルト・ナットで接合することに
よって、接合面114および接合面115となり、リン
グが完成する。このようなリングは、トンネルの軸方向
に必要な個数だけ接合されることにより、シールドトン
ネルが完成する。なお、図12における符号92は、掘
削穴とシールドトンネルとの間にグラウト材を注入し
て、シールドトンネルを補強するためのグラウト孔で、
符号94は、各セグメントを接合するボルトボックスに
おけるボルト孔である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、下水道用シール
ドトンネルに使用されるセグメントは、汚水によって、
硫化水素ガスが発生し易く、この硫化水素ガスと水が反
応して亜硫酸等の酸になるために、コンクリート部材を
劣化させたり、あるいはボルトおよびナットを腐食させ
る原因になった。また、シールドトンネルは、乾燥と湿
気との繰り返しが激しい箇所において、コンクリートの
強度が劣化する。そのため、シールドトンネルの内側
は、二次覆工コンクリートによって補強し、トンネルの
内面をエポキシ樹脂等の塗料で塗布していた。
【0005】また、セグメントを作製するためには、図
11から判るように、A型セグメント111、B型セグ
メント112、およびK型セグメント113と、3種類
の鉄筋コンクリート用外型が必要であり、トンネルが大
型化するに伴い型にかかる経費が高価になる。さらに、
トンネルの内側を樹脂で覆うセグメントは、樹脂をコン
クリート部材の型枠の一部にすることもできるが、トン
ネルに大きな推力を受けると、樹脂とコンクリート部材
との密着性が悪くなり、強度に問題がでる。すなわち、
樹脂やコンクリート部材としての素材の強度はあって
も、樹脂とコンクリート部材との間に隙間があると、箱
状体をしたセグメントとしての強度が落ちる。
【0006】本出願人が提案した樹脂被覆セグメント
は、上記問題を解決するが、自動車用シールドトンネ
ル、あるいは鉄道用シールドトンネルに適用した場合、
シールドトンネル内の火災の発生に問題がある。上記樹
脂被覆セグメントは、たとえば、二次覆工に際し、その
表面に耐火部材を塗布するという案もある。しかし、樹
脂被覆セグメントの樹脂製被覆部材上に塗布された耐火
部材は、内部の温度上昇に対して充分に保護することが
困難である。耐火部材の厚さを厚くした樹脂被覆セグメ
ントは、経年変化によって、耐火部材が脱落するという
問題を有した。
【0007】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、構造が簡単で水密性および耐火性に優れて
いると共に、樹脂製被覆部材に対する耐火部材とコンク
リート部材との密着性を良くすることによって、シール
ドトンネルの強度、水密性、あるいは耐火性を保つこと
ができる樹脂被覆セグメントおよびその作製方法、並び
に樹脂被覆セグメントによって構築されたシールドトン
ネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)本発明の樹脂被覆セグメントは、複数の樹
脂被覆セグメントを組み立てることによってシールドト
ンネルを構築するもので、セグメント本体と、上記シー
ルドトンネルの内面側となるセグメント本体の少なくと
も内面を覆う樹脂製被覆部材と、上記樹脂製被覆部材の
内面側を覆う耐火部材とから構成されていることを特徴
とする。
【0009】(第2発明)本発明の樹脂被覆セグメント
において、セグメント本体の少なくとも内面を覆う樹脂
製被覆部材は、その両面にアンカーピンおよび/または
アンカーリブが設けられていることを特徴とする。
【0010】(第3発明)本発明の樹脂被覆セグメント
における樹脂製被覆部材は、ノルボルネン系モノマーと
メタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用材料、ま
たはシートモールディングコンパウンドからなる繊維強
化プラスチックからなることを特徴とする。
【0011】(第4発明)本発明の樹脂被覆セグメント
において、アンカーリブを設けた樹脂製被覆部材は、熱
可塑性樹脂による異形押出による一体成形によって作製
されていることを特徴とする。
【0012】(第5発明)本発明の樹脂被覆セグメント
において、アンカーピンを設けた樹脂製被覆部材は、ピ
ン状部材を両面に突設されるようにインサート成形され
ていることを特徴とする。
【0013】(第6発明)本発明の樹脂被覆セグメント
において、アンカーピンを設けた樹脂製被覆部材は、一
方に突設されるピン状部材がインサート成形され、他方
のピン状部材が一方のピン状部材の凹部に螺合または嵌
合により取り付けられていることを特徴とする。
【0014】(第7発明)本発明における樹脂被覆セグ
メントの作製方法は、リブまたはピン状部材を避ける凹
部が成形されている基台上にリブまたはピン状部材が両
面に設けられた樹脂製被覆部材を載置する工程と、上記
基台上に取り付けられた側部型枠と、上記基台上に載置
された上記樹脂製被覆部材とによって形成された型内
に、鉄筋とボルトボックスを載置し、コンクリートを充
填し、セグメント本体を作製する工程と、上記セグメン
ト本体を反転する工程と、上記反転したセグメント本体
の樹脂製被覆部材側に耐火部材を設ける工程とからなる
ことを特徴とする。
【0015】(第8発明)本発明における樹脂被覆セグ
メントの作製方法は、基台上にセグメント本体側にのみ
ピン状部材が設けられた樹脂製被覆部材を載置する工程
と、上記基台に取り付けられた側部型枠と、上記基台上
に載置された上記樹脂製被覆部材とによって形成された
型内に、鉄筋とボルトボックスを載置し、コンクリート
を充填し、セグメント本体を作製する工程と、上記セグ
メント本体を反転する工程と、上記反転したセグメント
本体の樹脂製被覆部材側にピン状部材を植設する工程
と、上記ピン状部材を植設した樹脂製被覆部材側に耐火
部材を設ける工程とからなることを特徴とする。
【0016】(第9発明)本発明の樹脂被覆セグメント
によって構築されたシールドトンネルは、複数の樹脂被
覆セグメントを組み立てることによって構築されるもの
であり、湾曲した面を有する鉄筋コンクリート製セグメ
ント本体と、当該セグメント本体を覆うと共に、当該セ
グメント本体側およびその反対側に突設するリブまたは
ピン状部材を有する樹脂製被覆部材と、当該樹脂製被覆
部材のセグメント本体側と反対側を覆う耐火部材と、軸
方向および/または円周方向における接合面の近傍に設
けられたボルトボックスと、から構成された樹脂被覆セ
グメントが、軸方向および円周方向に接合されており、
ボルトボックスに樹脂製被覆部材と耐火部材とからなる
蓋部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0017】(第10発明)本発明の樹脂被覆セグメン
トによって構築されたシールドトンネルは、複数の樹脂
被覆セグメントを組み立てることによって構築されるも
のであり、湾曲した面を有する鉄筋コンクリート製セグ
メント本体と、当該セグメント本体を覆うと共に、当該
セグメント本体側に突設するピン状部材とセグメント本
体側の反対側に螺合により固定することができる袋ナッ
ト部材が設けられた樹脂製被覆部材と、軸方向および/
または円周方向における接合面の近傍に設けられたボル
トボックスと、から構成された樹脂被覆セグメントが、
軸方向および円周方向に接合されており、ボルトボック
スに樹脂製の蓋部材が取り付けられ、耐火部材が、ネジ
を介して上記袋ナット部材と螺合により固定されている
ことを特徴とする。
【0018】(第11発明)本発明の樹脂被覆セグメン
トによって構築されたシールドトンネルは、セグメント
本体が平面であることを特徴とする。
【0019】(第12発明)本発明の樹脂被覆セグメン
トによって構築されたシールドトンネルにおけるピン状
部材は、袋ナット部材と兼用されることを特徴とする。
【0020】(第13発明)本発明の樹脂被覆セグメン
トによって構築されたシールドトンネルにおける耐火部
材は、ネジを介して袋ナット部材と螺合により固定され
ている固定用枠材を介して樹脂被覆セグメントに取り付
けられていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1発明)第1発明の樹脂被覆セグメントは、複数の
樹脂被覆セグメントを円周方向および軸方向に組み立て
ることによってシールドトンネルが構築される。上記樹
脂被覆セグメントを構成するセグメント本体は、たとえ
ば、コンクリート、鉄筋、ボルトボックス、グラウト孔
等からなる。また、セグメント本体は、鋼製セグメン
ト、ダクタイルセグメント、鉄筋セグメント、あるいは
これらを複合したセグメント等各種のセグメントが使用
できる。上記樹脂製被覆部材は、フィルム、塗膜、成形
品等が使用できるが、シクロペンタジエン等のノルボル
ネン系モノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射
出成形材料からなる成形品に鋼製アンカーピンを一体成
形したものが好ましい。上記樹脂製被覆部材の内面側を
覆う耐火部材は、耐火ボード、耐火性モルタル、耐火性
タイル等耐火および耐熱性のある部材であればよく、こ
れらを複合した部材とすることができる。上記耐火部材
は、上記リブ状部材によって上記樹脂製被覆部材と密着
されるように覆っている。したがって、第1発明の樹脂
被覆セグメントは、樹脂製被覆部材によって、水密性が
向上し、経年変化によってもコンクリートが劣化せずに
初期の強度を維持することができる。
【0022】(第2発明)セグメント本体を被覆する樹
脂製被覆部材は、上記セグメント本体の少なくとも一
面、二つの接合面と表面、四つの接合面と表面を覆うと
共に、セグメント本体側およびシールドトンネルの内面
側に突設するアンカーピンおよび/またはアンカーリブ
が設けられている。また、樹脂製被覆部材は、アンカー
ピンおよび/またはアンカーリブによってコンクリート
および耐火部材と密着して剥離しない。また、アンカー
ピンおよび/またはアンカーリブは、コンクリートおよ
び耐火部材がセグメント本体からできるだけ剥離しない
ような形状にすることが望ましい。樹脂製被覆部材は、
アンカーピンおよび/またはアンカーリブが、たとえ
ば、一体に取り付けられているため、耐火部材を厚くし
ても樹脂製被覆部材から剥離することがなく、シールド
トンネル内において、火災が発生しても、着火すること
がない。
【0023】(第3発明)第3発明における樹脂被覆セ
グメントの樹脂製被覆部材は、ノルボルネン系モノマー
とメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用材料、
またはシートモールディングコンパウンドからなる繊維
強化プラスチックからなる。上記反応射出成形用材料
は、低粘度のため低圧で反応射出成形できるので、型枠
がコンクリート部材の型枠と同じ材質のものが使用でき
る。また、上記繊維強化プラスチックは、上記反応射出
成形用材料より安価であるにもかかわらず、使用するシ
ールドトンネルまたは構築物の目的あるいは大きさ等に
よっては強度的に充分に耐えることができるだけでな
く、水密性および耐火部材との密着性においても、充分
な性能が得られる。
【0024】(第4発明)第4発明におけるアンカーリ
ブを設けた樹脂製被覆部材は、熱可塑性樹脂によた異形
押出による一体成形できる形状とする。すなわち、アン
カーリブは、コンクリートまたは耐火部材から剥離しな
いような複雑な形状にすると共に、一方向に抜けるよう
にする。上記アンカーリブを設けた樹脂製被覆部材の形
状は、異形押出成形用の型枠を安価にすることができる
ため、樹脂被覆セグメントの価格が低減できる。また、
アンカーリブは、一方向に押し出し成形できる形状であ
れば、各種変形が可能である。
【0025】(第5発明)第5発明におけるアンカーピ
ンを設けた樹脂製被覆部材は、ピン状部材を樹脂製被覆
部材の表と裏の両方に突出されるようにインサート成形
されている。上記樹脂製被覆部材にインサート成形され
たピン状部材は、表と裏の両方に同時に突設させること
ができるため、作製が迅速でかつ安価になる。また、ピ
ン状部材は、押し出し成形と異なり、インサート成形さ
れるため、コンクリートおよび耐火部材と密接させるた
めの凹凸を設けておくことができる。
【0026】(第6発明)第6発明におけるアンカーピ
ンを設けた樹脂製被覆部材は、ピン状部材が一方の側に
突設するように射出成形機によってインサート成形され
る。また、当該ピン状部材は、予め根元側にネジが切ら
れている。したがって、樹脂製被覆部材の他方のピン状
部材は、一端に上記ネジと螺合するネジを設けることに
よって、樹脂製被覆部材にコンクリートを打設した後
に、一方のピン状部材に螺合して一体にすることができ
る。このようにすると、一方のみに突設されたピン状部
材を有する樹脂製被覆部材は、コンクリートを打設する
際の型枠に他方のピン状部材を避けるための凹部を設け
ておく必要がなくなる。したがって、第6発明のような
ピン状部材を設けた樹脂被覆セグメントは、型枠を安価
にすることができる。また、一方および他方のピン状部
材の結合は、ネジによる螺合の代わりに嵌合とすること
ができる。
【0027】(第7発明)第7発明における樹脂被覆セ
グメントには、その両面にリブまたはピン状部材が設け
られている。このため、上記樹脂被覆セグメントの作製
方法は、まず、リブまたはピン状部材を避ける凹部が成
形されている基台上に、リブまたはピン状部材を植設し
た樹脂製被覆部材が載置される。その後、上記基台上に
取り付けられた側部型枠と、前記基台上に載置された上
記樹脂製被覆部材とによって形成された型枠内に、鉄筋
とボルトボックスを載置した後、コンクリートが充填さ
れると共に、たとえば、振動を与えて、セグメント本体
が作製される。次に、上記セグメント本体は、反転され
て上記とは別の基台上に載置される。上記反転したセグ
メント本体の樹脂製被覆部材側には、耐火部材が設けら
れる。耐火部材は、小手のようなもので塗った後、上型
によって外表面を成形することができる。樹脂製被覆部
材には、リブまたはピン状部材が設けられているため、
耐火部材を厚く塗っても、経年変化によって剥離して脱
落することがない。また、耐火ボード、耐火性モルタ
ル、耐火タイル等耐火および耐熱性を有する部材をリブ
またはピン状部材によって取り付けられる。樹脂製被覆
部材およびコンクリートは、耐火部材を設ける際の型枠
の一部になるため、安価な樹脂被覆セグメントが得られ
る。
【0028】(第8発明)第8発明と第7発明との相違
は、樹脂製被覆部材のセグメント本体側にのみピン状部
材が設けられている点にある。したがって、樹脂製被覆
部材を載置する基台は、ピン状部材を避けるための凹部
が不要である。そして、セグメント本体が作製された
後、セグメント本体は、反転される。その後、上記反転
したセグメント本体の樹脂製被覆部材側には、ピン状部
材が植設される。ピン状部材は、植設に手間がかかる
が、反転の際にピン状部材の一方が突出していないた
め、反転が容易である。
【0029】(第9発明)第9発明は、上記方法によっ
て作製された樹脂被覆セグメントを円周方向および軸方
向に接合することによって組み立てたシールドトンネル
である。たとえば、シールドトンネルは、湾曲した面を
有する鉄筋コンクリートからなるセグメント本体と、当
該セグメント本体側およびシールドトンネルの内面側に
突設するリブまたはピン状部材を有する樹脂製被覆部材
と、当該樹脂製被覆部材のシールドトンネルの内面側を
覆う耐火部材とから構成された樹脂被覆セグメントとに
よって、軸方向および円周方向における接合面に設けら
れたボルトボックスを介して構築されている。上記のよ
うに構築されたシールドトンネルは、その後、上記セグ
メント本体の略中央部に設けられたグラウト孔からグラ
ウト材が注入されて、シールドトンネルと掘削された孔
との間の空間を閉塞して強度を向上させる。
【0030】(第10発明)第10発明と第9発明との
相違は、セグメント本体側に予め突設するピン状部材を
設けておき、セグメント本体側の反対側に後からピン状
部材を螺合によって固定することができる袋ナット部材
を備えている点にある。上記樹脂被覆セグメントは、耐
火部材がネジを介して上記袋ナット部材と螺合によって
固定される。上記のようにして作製された樹脂被覆セグ
メントは、円周方向および軸方向に接合することによっ
てシールドトンネルが組み立てられる。
【0031】(第11発明)第11発明と第10発明と
の相違は、セグメント本体を湾曲させる代わりに平面の
ものを使用した点にある。すなわち、第11発明は、略
円形あるいは略半円形のシールドトンネルではなく、多
角形をしたシールドトンネル、あるいは溝のような構築
物である。樹脂被覆セグメントは、平面であるため、そ
の作製用の型枠が簡単で、組み立てが容易である。多角
形をしたシールドトンネルの形状は、断面が三角形を始
め、正方形、矩形、五角形、六角形等がある。
【0032】(第12発明)第12発明は、樹脂製被覆
部材に袋ナットが設けられているため、この袋ナットが
ピン状部材と兼用できる。すなわち、樹脂製被覆部材に
設けられた袋ナットは、コンクリートを密着させると共
に、耐火部材を取り付けることもできる。
【0033】(第13発明)第13発明は、樹脂被覆セ
グメントの一方に設けられた袋ナットを利用し、耐火部
材を固定する固定用枠材がネジを介して取り付けられて
いる。たとえば、固定用枠材は、コ字型あるいはL字型
であり、これらの一辺が樹脂被覆セグメントに設けられ
た袋ナットにネジを螺合することによって、取り付けら
れる。そして、耐火部材は、上記固定用枠材にネジによ
って取り付けられる。このような樹脂被覆セグメントか
ら構築されたシールドトンネルは、耐火部材の取り付
け、および交換が簡単にできる。
【0034】
【実 施 例】図1は本発明の実施例で、樹脂被覆セグ
メントおよびその接合部をボルト・ナットによって接合
する継手手段を説明するための図である。図1におい
て、シールドトンネル11は、円周方向において、樹脂
被覆セグメント12および12′と接合されている。樹
脂被覆セグメント12、12′は、コンクリート15、
15′の内面側に樹脂製被覆部材13、13′が設けら
れている。樹脂製被覆部材13、13′は、その内面に
耐火部材14、14′が設けられている。コンクリート
15、15′には、ボルトボックス16、16′が設け
られており、コンクリート15、15′中の鉄筋16
1、161′と溶接等によって接続されている。
【0035】樹脂被覆セグメント12と12′との接合
は、ボルトボックス16、16′において、ボルト17
とナット18とによって接合されると共に、シール部材
19によって水密なものとする。樹脂被覆セグメント1
2と12′との接合後、ボルトボックス16、16′
は、たとえば、モルタル等が充填された後、樹脂製被覆
部材13、13′とその内面に耐火部材14、14′が
設けられている蓋部141によって閉塞される。樹脂製
被覆部材13、13′は、必要により、そのコンクリー
ト側に図示されていないアンカーピンあるいはアンカー
リブが設けられている。また、樹脂製被覆部材13、1
3′は、シールドトンネル11の内面側に凹凸面131
を設け、耐火部材14、14′との密着性を向上させ
る。さらに、樹脂製被覆部材13、13′は、両面を凹
凸面にすることもできる。
【0036】予め耐火部材14と樹脂製被覆部材13と
が設けられた樹脂被覆セグメント12、12′は、ボル
トボックス16、16′のボルト17とナット18とに
より円周方向に接合された後、軸方向にも接合されてシ
ールドトンネル11が構築される。その後、ボルトボッ
クス16、16′は、樹脂製被覆部材13、13′と耐
火部材14、14′とが形成された蓋部141で覆う。
このようにして構築されたシールドトンネル11は、内
部において、火災が発生しても、耐火部材14、14′
によって樹脂製被覆部材13、13′を保護するため、
コンクリートの劣化を防止することができる。
【0037】図2は本発明の実施例で、図1と異なる形
状の樹脂製被覆部材を説明するための図である。樹脂被
覆セグメント22は、シールドトンネルの外面側にコン
クリート側アンカーリブ231とシールドトンネルの内
面側に耐火部材側アンカーリブ232が設けられた樹脂
製被覆部材23と、当該樹脂製被覆部材23の内面側に
設けられた耐火部材24と、上記樹脂製被覆部材23の
外面に設けられたコンクリート25とから構成されてい
る。コンクリート25は、コンクリート側アンカーリブ
231の突起によって、樹脂製被覆部材23から剥離し
ないようになっている。また、耐火部材24は、耐火部
材側アンカーリブ232の突起によって、樹脂製被覆部
材23から剥離しないようになっている。
【0038】図3は本発明の実施例で、図2における樹
脂製被覆部材の形状を説明するための図である。図2に
示された樹脂製被覆部材23は、断面が略I型になって
おり、その上下に幅の広い部分を有するこの幅の広い部
分231、232がコンクリートおよび耐火部材に食い
付き、互いに剥離しないようになっている。したがっ
て、樹脂製被覆部材23に設けられているアンカーリブ
は、上記の形状に限らず、コンクリートおよび耐火部材
に食い付く形状であれば良い。上記樹脂製被覆部材23
の作製方法は、図3に示す形状であると、一方向の押し
出し成形が可能である。また、アンカーリブの形状は、
上記押し出し成形において、抜く方向に凹凸がなけれ
ば、形を複雑にしてコンクリートまたは耐火部材との密
着性を向上させることができる。
【0039】図4は本発明の実施例で、樹脂製被覆部材
に設けられたアンカーピンを説明するための図である。
図4において、樹脂製被覆部材43は、貫通してシール
ドトンネルの内面および外面方向に突出するアンカーピ
ン44が設けられている。アンカーピン44は、たとえ
ば、金属部材で、樹脂製被覆部材43を射出成形する際
にインサート成形される。アンカーピン44は、樹脂製
被覆部材43にインサート成形されるため、周囲に溝、
切り欠、螺旋、突起等を設けておくことができる。この
ようなアンカーピン44の突起等は、コンクリートおよ
び耐火部材に食い付き易く、互いに剥離することがな
い。
【0040】図5は本発明の実施例で、樹脂製被覆部材
に設ける他のアンカーピンを説明するための図である。
図5において、樹脂製被覆部材53には、必要に応じて
補強凸部531が設けられており、コンクリート55側
に、たとえば、金属製の植設管56がインサート成形に
より設けられている。植設管56は、その周囲にコンク
リート55との食い付きをよくするための凹凸部561
が成形されていると共に、内部にネジ562が設けられ
ている。図示されていないコンクリート型枠の下部に植
設管56の突起を上方に向けて載置された後、コンクリ
ート55が打設される。その後、コンクリート55が打
設された樹脂被覆セグメントは、上下方向を逆に(図5
の向きにする)して、図示されていない基台に載置され
る。
【0041】次に、ネジ571がたてられたボルト57
は、植設管56のネジ562に螺合されると共に、その
先端部が樹脂製被覆部材53の表面より突出するように
する。そして、耐火部材54は、樹脂製被覆部材53の
上面にボルト57と共に塗り込まれる。耐火部材54
は、その厚さによって、ボルト57の高さを調整するこ
とができる。また、耐火部材54は、耐火ボード、耐火
性のコンクリート、耐火性モルタル、耐火タイル、耐火
性発泡モルタル等がある他、熱伝導性の低い部材が選択
される。
【0042】図6は本発明の実施例で、樹脂製被覆部材
に設けられたアンカーリブを説明するための図である。
図6において、樹脂製被覆部材63は、たとえば、金属
部材からなり、貫通してシールドトンネルの内面および
外面方向に突出するアンカーリブ64が設けられてい
る。アンカーリブ64は、たとえば、樹脂製被覆部材6
3を射出成形する際にインサート成形される。アンカー
リブ64は、複数の部材に分割し、コンクリートおよび
耐火部材が食い付き易くなるように貫通孔641等を設
けることができる。また、上記アンカーリブ64の突出
部は、樹脂製被覆部材63にインサート成形されるた
め、貫通孔641の他に、周囲に溝、切り欠、螺旋、突
起等を設けておくことができる。このようなアンカーリ
ブ64の形状は、コンクリートおよび耐火部材に食い付
き易く、互いに剥離し難いようにする。
【0043】図7(イ)および(ロ)は本発明の実施例
で、樹脂製被覆部材に設けられた分割可能なアンカーリ
ブを説明するための図である。図7(イ)において、樹
脂製被覆部材73は、シールドトンネルの内面および外
面方向に突出するアンカーリブ74と、両端部に設けら
れたジョイント部75とが設けられている。アンカーリ
ブ74およびジョイント部75は、たとえば、樹脂製被
覆部材73を押し出し成形できるように、突起741お
よびジョイント突起751は、一方向に抜けるような形
状になっている。アンカーリブ74は、内面側と外面側
とで一致させたり、互い違いにすることが任意にでき
る。
【0044】アンカーリブ74の両端に設けられたジョ
イント部75は、図7(ロ)に示す挟持部材76によっ
て挟持することにより、大型の樹脂被覆セグメントに適
用することができる。挟持部材76は、下方に挟持突起
761および761′が設けられており、挟持部材76
の挟持突起761とジョイント部75のジョイント突起
751とが互いに係合する。上記挟持部材76とジョイ
ント部75のジョイント突起751は、二つの樹脂製被
覆部材73を互いに連結させて、大型の樹脂被覆セグメ
ントを作製することができる。
【0045】たとえば、シールドトンネル内にかかる圧
縮応力は、1000t/m2 ないし10000t/m2
もある。そのため、樹脂製被覆部材あるいは鉄筋コンク
リートの素材としての圧縮強度はあっても、樹脂被覆セ
グメントとしての箱には、上記のような強度が加わる
と、樹脂製被覆部材と鉄筋コンクリート部材との間の密
着度が悪いため、破壊する危険がある。したがって、本
実施例の樹脂被覆セグメントは、図示されていないシー
ル部材や耐火部材によって、コンクリート部材内への浸
水、あるいは火災発生時における樹脂製被覆部材やコン
クリート部材の劣化を防止している。また、本実施例の
樹脂被覆セグメントは、コンクリート部材に発生し易い
クラックからの浸水による水圧の影響があっても、アン
カーピンあるいはアンカーリブとコンクリートの食い付
きにより、樹脂製被覆部材の一部分だけに応力を受ける
ことがない。
【0046】樹脂製被覆部材を作製する反応射出成形用
材料は、たとえば、シクロペンタジエン等のノルボルネ
ン系モノマーとメタセシス触媒系とからなる第1の液体
と、ノルボルネン系モノマーと活性剤とからなる第2の
液体とを用意する。その後、上記安定した2液は、たと
えば、ミキシングヘッドによって混合された後、反応射
出成形装置の型枠内に低圧で注入される。本実施例は、
上記のように低圧で反応射出成形ができるため、型枠が
安価なものでよい。上記反応射出成形用材料の詳細は、
たとえば、特公平3−28451号公報、特公平4−9
812号公報、特公平6−13563号公報、特公平6
−24806号公報、特開平6−8273号公報に記載
されており、これらの材料を使用して、本実施例の台形
型樹脂被覆セグメントが作製される。また、樹脂製被覆
部材は、シートモールディングコンパウンドを成形型に
配置し、熱硬化させることによって得ることもできる。
【0047】図8は本発明の実施例で、鉄筋コンクリー
トからなる樹脂被覆セグメントを作製する装置の概念を
説明するための断面図である。図9(イ)および(ロ)
は図8の次の工程を説明するための概略断面図である。
図8において、樹脂被覆セグメントを作製する基台81
は、その表面が樹脂製被覆部材84の内面と同じ円弧を
有するように成形されている。また、上記基台81に
は、アンカーピン841をインサート成形した樹脂製被
覆部材84を載置する際に、アンカーピン841の一方
を避けるためのアンカーピン用凹部811が設けられて
いる。さらに、基台81には、第1側部型枠82と第2
側部型枠83とが略左右対照で、互いに略円弧に沿って
左右方向に移動ができるように配置される。
【0048】基台81上に記載されたアンカーピン84
1がインサート成形された樹脂製被覆部材84と、第1
側部型枠82と第2側部型枠83は、樹脂被覆セグメン
トの型枠となっている。そして、これらで構成する型枠
には、ボルトボックス86、86′、その他、図示され
ていない鉄筋籠、グラウト管等が予め配置される。第1
側部型枠82と第2側部型枠83には、シール溝用突起
821および831が設けられている。また、第1側部
型枠82および第2側部型枠83の上部には、コンクリ
ート注入口871を有するセグメント用上部型枠87が
設けられている。
【0049】次に、樹脂製被覆部材84と、第1側部型
枠82と、第2側部型枠83とから構成する型枠には、
コンクリート注入口871から、コンクリートが注入さ
れ、型枠内に充填される。コンクリートは、充填に際
し、図示されていない振動台等に置かれて振動させられ
ると共に、棒状バイブレータ等で内部が締固められる。
また、コンクリートの充填は、上記振動を利用する方法
以外に、高流動コンクリートを使用する方法、遠心力に
よってコンクリートを締固めする方法等がある。コンク
リート注入口871近傍のコンクリートは、コテによっ
て均(なら)される。その後、鉄筋コンクリートからな
る樹脂被覆セグメントは、セグメント用上部型枠87が
上方または横方向に移動された後、第1側部型枠82、
および第2側部型枠83が左右に移動されて完成する。
【0050】次に、図9(イ)に示すように、樹脂被覆
セグメントは、コンクリートが硬化した後、耐火部材成
形用基台91上に移されると共に、向きを逆にする。耐
火部材成形用基台91上には、アンカーピン841がイ
ンサートされた樹脂被覆セグメントと、耐火部材成形用
第1側部型枠92および耐火部材成形用第2側部型枠9
3とが配置される。図9(ロ)に示すように、上記樹脂
被覆セグメントと各型枠とによって形成されている部分
に、耐火部材96は、たとえば、こてによって塗られ
る。必要に応じて、耐火部材成形用上部型枠94は、耐
火部材96を押圧することにより、その表面が成形され
る。
【0051】図10(イ)および(ロ)は、本発明の実
施例で、樹脂被覆セグメントに設けた他のアンカーリブ
を説明するための図である。図10(イ)において、平
面型樹脂製被覆部材103には、シールドトンネルの内
面および外面方向に突出するように、たとえば、金属製
からなる、アンカープレート104が多数設けられてい
る。アンカープレート104には、たとえば、貫通孔1
05が設けられていると共に、図9(ロ)に示されてい
るように、平面型樹脂製被覆部材103の一部が挿入さ
れる樹脂挿入部106が設けられている。したがって、
アンカープレート104は、樹脂挿入部106を介して
いるため、平面型樹脂製被覆部材103の内面および外
面に突出するように設けられる。
【0052】他の実施例として、図示されていないが、
樹脂被覆セグメントの一方には、袋ナットが予め設けら
れている。そして、耐火部材を固定する固定用枠材は、
上記袋ナットを利用しネジによって、上記樹脂被覆セグ
メントに取り付けられている。たとえば、固定用枠材
は、断面がコ字型あるいはL字型の長手方向に伸びる部
材からなる。耐火部材は、上記樹脂被覆セグメントに取
り付けられた固定用枠材にネジによって取り付けられ
る。上記固定用枠材が取り付けられている樹脂被覆セグ
メントから構築されたシールドトンネルは、耐火部材の
取り付け、および交換が簡単にできる。
【0053】以上、本実施例を詳述したが、本発明は、
前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請
求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなけれ
ば、種々の設計変更を行なうことが可能である。本発明
の実施例において、湾曲した矩形型樹脂被覆セグメント
について説明したが、形状は、台形を始め任意の多角形
とすることができる。上記各樹脂被覆セグメントは、湾
曲させる代わりに平面に成形することもできる。本発明
の樹脂製被覆部材は、射出成形、反応射出成形、その他
の熱硬化による成形、鉄筋コンクリートの作製方法、あ
るいはアンカーピン、アンカーリブ、またはアンカープ
レートの作製方法については、詳述していないが、周知
または公知の手段を採用することができる。本発明は、
樹脂被覆セグメントに設けられる鉄筋籠、ボルトボック
ス、グラウト管等の作製についても同様である。本発明
の実施例は、鉄筋コンクリート製セグメントについて説
明したが、スチールセグメント、ダクタイルセグメン
ト、あるいはこれらの複合セグメントについても樹脂製
被覆部材と共に耐火部材を設けることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製被覆部材のコン
クリート側および耐火部材側に突出するアンカー部材を
設けたことにより、コンクリートおよび耐火部材との密
着性を良くした。上記樹脂製被覆部材によって成形され
た樹脂被覆セグメントは、酸性水分の侵入がなく、経年
変化によっても、コンクリートが劣化せずに、耐火部材
が樹脂製被覆部材から剥離しない。本発明によれば、樹
脂被覆セグメントは、樹脂製被覆部材と耐火部材とがシ
ールドトンネルの内側に予め設けられているため、シー
ルドトンネルを組み立てた後、二次覆工を省略すること
ができ、施行が簡単で迅速にできる。本発明によれば、
樹脂製被覆部材のコンクリート側および耐火部材側に突
出するアンカー部材を設けたことにより、耐火部材の厚
さを厚くしても樹脂製被覆部材から剥離することがない
ため、シールドトンネル内に火災が発生しても、樹脂製
被覆部材に着火することがなく、コンクリートを劣化さ
せない。本発明によれば、樹脂製被覆部材がコンクリー
トの型枠の一部になるため、安価な樹脂被覆セグメント
を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で、樹脂被覆セグメントおよび
その接合部をボルト・ナットによって接合する継手手段
を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例で、図1と異なる形状の樹脂製
被覆部材を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例で、図2における樹脂製被覆部
材の形状を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例で、樹脂製被覆部材に設けられ
たアンカーピンを説明するための図である。
【図5】本発明の実施例で、樹脂製被覆部材に設ける他
のアンカーピンを説明するための図である。
【図6】本発明の実施例で、樹脂製被覆部材に設けられ
たアンカーリブを説明するための図である。
【図7】(イ)および(ロ)は本発明の実施例で、樹脂
製被覆部材に設けられた分割可能なアンカーリブを説明
するための図である。
【図8】本発明の実施例で、鉄筋コンクリートからなる
樹脂被覆セグメントを作製する装置の概念を説明するた
めの断面図である。
【図9】図9(イ)および(ロ)は図8の次の工程を説
明するための概略断面図である。
【図10】(イ)および(ロ)は、本発明の実施例で、
樹脂被覆セグメントに設けた他のアンカーリブを説明す
るための図である。
【図11】従来例におけるセグメントを使用したシール
ドトンネルの構造を説明するための図である。
【図12】(イ)ないし(ハ)は、図11における各セ
グメントの形状を説明するための図である。
【符号の説明】
11・・・シールドトンネル 12、12′、22・・・樹脂被覆セグメント 13、13′、23、43、53、63・・・樹脂製被
覆部材 14、14′、24、54・・・耐火部材 15、15′、25、55、85・・・コンクリート 16、16′、86・・・ボルトボックス 17、57・・・ボルト 18・・・ナット 19・・・シール部材 44・・・アンカーピン 56・・・植設管 64、74・・・アンカーリブ 75・・・ジョイント部 76・・・挟持部材 81・・・基台 82・・・第1側部型枠 83・・・第2側部型枠 84・・・樹脂製被覆部材 87・・・セグメント用上部型枠 91・・・耐火部材成形用基台 92・・・耐火部材成形用第1側部型枠 93・・・耐火部材成形用第2側部型枠 94・・・耐火部材成形用上部型枠
フロントページの続き (72)発明者 山本 正嗣 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 中川 雅由 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 染谷 洋樹 東京都千代田区有楽町1丁目12番1号 石 川島建材工業株式会社内 (72)発明者 田中 ▲ただし▼ 東京都千代田区有楽町1丁目12番1号 石 川島建材工業株式会社内 (72)発明者 藤野 豊 東京都港区芝四丁目2番3号 ジオスター 株式会社内 (72)発明者 加瀬 明 東京都港区芝四丁目2番3号 ジオスター 株式会社内 (72)発明者 島 宣之 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 荒木田 武生 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 増田 裕一 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 奥野 博文 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の樹脂被覆セグメントを組み立てる
    ことによってシールドトンネルを構築する樹脂被覆セグ
    メントにおいて、 セグメント本体と、 上記シールドトンネルの内面側となるセグメント本体の
    少なくとも内面を覆う樹脂製被覆部材と、 上記樹脂製被覆部材の内面側を覆う耐火部材と、 から構成されていることを特徴とする樹脂被覆セグメン
    ト。
  2. 【請求項2】 上記セグメント本体の少なくとも内面を
    覆う樹脂製被覆部材は、その両面にアンカーピンおよび
    /またはアンカーリブが設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂被覆セグメント。
  3. 【請求項3】 上記樹脂製被覆部材は、ノルボルネン系
    モノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形
    用材料、またはシートモールディングコンパウンドから
    なる繊維強化プラスチックからなることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の樹脂被覆セグメント。
  4. 【請求項4】 上記アンカーリブを設けた樹脂製被覆部
    材は、熱可塑性樹脂による異形押出による一体成形によ
    って作製されていることを特徴とする請求項2記載の樹
    脂被覆セグメント。
  5. 【請求項5】 上記アンカーピンを設けた樹脂製被覆部
    材は、ピン状部材を両面に突設されるようにインサート
    成形されていることを特徴とする請求項2記載の樹脂被
    覆セグメント。
  6. 【請求項6】 上記アンカーピンを設けた樹脂製被覆部
    材は、一方に突設されるピン状部材がインサート成形さ
    れ、他方のピン状部材が一方のピン状部材の凹部に螺合
    または嵌合により取り付けられていることを特徴とする
    請求項2記載の樹脂被覆セグメント。
  7. 【請求項7】 リブまたはピン状部材を避ける凹部が成
    形されている基台上にリブまたはピン状部材が両面に設
    けられた樹脂製被覆部材を載置する工程と、 上記基台上に取り付けられた側部型枠と、上記基台上に
    載置された上記樹脂製被覆部材とによって形成された型
    内に、鉄筋とボルトボックスを載置し、コンクリートを
    充填し、セグメント本体を作製する工程と、 上記セグメント本体を反転する工程と、 上記反転したセグメント本体の樹脂製被覆部材側に耐火
    部材を設ける工程と、 からなることを特徴とする樹脂被覆セグメントの作製方
    法。
  8. 【請求項8】 基台上にセグメント本体側にのみピン状
    部材が設けられた樹脂製被覆部材を載置する工程と、 上記基台に取り付けられた側部型枠と、上記基台上に載
    置された上記樹脂製被覆部材とによって形成された型内
    に、鉄筋とボルトボックスを載置し、コンクリートを充
    填し、セグメント本体を作製する工程と、 上記セグメント本体を反転する工程と、 上記反転したセグメント本体の樹脂製被覆部材側にピン
    状部材を植設する工程と、 上記ピン状部材を植設した樹脂製被覆部材側に耐火部材
    を設ける工程と、 からなることを特徴とする樹脂被覆セグメントの作製方
    法。
  9. 【請求項9】 複数の樹脂被覆セグメントを組み立てる
    ことによって構築されたシールドトンネルにおいて、 湾曲した面を有する鉄筋コンクリート製セグメント本体
    と、 当該セグメント本体を覆うと共に、当該セグメント本体
    側およびその反対側に突設するリブまたはピン状部材を
    有する樹脂製被覆部材と、 当該樹脂製被覆部材のセグメント本体側と反対側を覆う
    耐火部材と、 軸方向および/または円周方向における接合面の近傍に
    設けられたボルトボックスと、 から構成された樹脂被覆セグメントが、軸方向および円
    周方向に接合されており、ボルトボックスに樹脂製被覆
    部材と耐火部材とからなる蓋部材が取り付けられている
    ことを特徴とする樹脂被覆セグメントによって構築され
    たシールドトンネル。
  10. 【請求項10】 複数の樹脂被覆セグメントを組み立て
    ることによって構築されたシールドトンネルにおいて、 湾曲した面を有する鉄筋コンクリート製セグメント本体
    と、 当該セグメント本体を覆うと共に、当該セグメント本体
    側に突設するピン状部材とセグメント本体側の反対側に
    螺合により固定することができる袋ナット部材が設けら
    れた樹脂製被覆部材と、 軸方向および/または円周方向における接合面の近傍に
    設けられたボルトボックスと、 から構成された樹脂被覆セグメントが、軸方向および円
    周方向に接合されており、ボルトボックスに樹脂製の蓋
    部材が取り付けられ、 耐火部材が、ネジを介して上記袋ナット部材と螺合によ
    り固定されていることを特徴とする樹脂被覆セグメント
    によって構築されたシールドトンネル。
  11. 【請求項11】 上記セグメント本体が平面であること
    を特徴とする請求項9または請求項10記載の樹脂被覆
    セグメントによって構築されたシールドトンネル。
  12. 【請求項12】 上記ピン状部材は、袋ナット部材と兼
    用されることを特徴とする請求項10記載の樹脂被覆セ
    グメントによって構築されたシールドトンネル。
  13. 【請求項13】 上記耐火部材は、ネジを介して上記袋
    ナット部材と螺合により固定されている固定用枠材を介
    して樹脂被覆セグメントに取り付けられていることを特
    徴とする請求項10記載の樹脂被覆セグメントによって
    構築されたシールドトンネル。
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