JPH11131988A - 現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材および内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法並びに内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネル - Google Patents

現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材および内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法並びに内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネル

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JPH11131988A
JPH11131988A JP9312917A JP31291797A JPH11131988A JP H11131988 A JPH11131988 A JP H11131988A JP 9312917 A JP9312917 A JP 9312917A JP 31291797 A JP31291797 A JP 31291797A JP H11131988 A JPH11131988 A JP H11131988A
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JP
Japan
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concrete
cast
shield tunnel
coating material
resin coating
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Application number
JP9312917A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Nakagawa
雅由 中川
Masatsugu Yamamoto
正嗣 山本
Noriyuki Shima
宣之 島
Takeo Arakida
武生 荒木田
Yuichi Masuda
裕一 増田
Hirobumi Okuno
博文 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CI Kasei Co Ltd
Kajima Corp
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 現場打ちシールドトンネルの利点が発揮で
きると共に、水密性が優れている現場打ちシールドトン
ネル用内面樹脂被覆材および内面樹脂被覆した現場打ち
シールドトンネルの施工方法並びに内面樹脂被覆現場打
ちシールドトンネルを提供する。 【解決手段】 樹脂部材からなる湾曲した四角形からな
る底板は、コンクリートの打設面にアンカー部材が植設
されている。上記湾曲した四角形からなる底板は、コン
クリートを打設するための内型枠に仮固定する凹部およ
び/または孔が設けられている。上記内型枠に仮固定さ
れた樹脂被覆材は、内型枠と共にコンクリートを打設す
る際の型枠となり、コンクリートが固化した後、内型枠
を解体することによって、内面が樹脂被覆されたシール
ドトンネルが構築される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水密性の高い現場
打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材、および内面樹
脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法、並び
に内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネルに関するもの
である。現場打ちシールドトンネルは、一次覆工のみで
あるため、掘削外形を小さくすることが可能であると共
に、周辺地盤への影響を少なくできる等の利点により、
道路、河川、雨水用、下水道用、または電力・ガス等の
共同溝用シールドトンネルのような水密性が要求される
シールドトンネル等に利用されている。本発明は、上記
のようなシールドトンネルからなる構築物を構築するた
めの現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材、およ
び内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方
法、並びに内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネルに関
するものである。なお、本明細書において、シールドト
ンネルなる記載は、上記全て円形、角形のトンネルや溝
等の構築物を含むものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の現場打ちシールドトンネル
の施行方法を説明するための図で、(イ)は掘削完了時
の状態、(ロ)は鉄筋かごや内型枠を配した状態、
(ハ)はコンクリートを打設している状態、(ニ)はコ
ンクリートを推して掘削する状態がそれぞれ示されてい
る。図9(イ)において、シールドトンネルは、地山8
0と内型枠81との間に鉄筋かご82が配置され、コン
クリート83が打設されている。また、鉄筋かご82ど
うしの間は、フック鉄筋84によって結合されている。
コンクリートが固化された後、コンクリート加圧ジャッ
キ85および推進ジャッキ86は、推進が終了し、収縮
する。コンクリート加圧ジャッキ85および推進ジャッ
キ86の収縮により、両ジャッキに取り付けられている
妻型枠87、87′と、内型枠81およびコンクリート
83との間に空間ができる。
【0003】図9(ロ)において、上記空間には、別の
内型枠81′と鉄筋かご82′が配置された後、コンク
リート加圧ジャッキ85および推進ジャッキ86を伸ば
して、妻型枠87、87′を内型枠81′および鉄筋か
ご82′に押し付ける。この時、内型枠81′、鉄筋か
ご82′、コンクリート加圧ジャッキ85、推進ジャッ
キ86は、円周方向にリング状に配置されている。ま
た、鉄筋かご82′は、フック鉄筋84により連結され
て、円周方向以外に軸方向にも連続して配置されてい
る。
【0004】図9(ハ)において、内型枠81′には、
コンクリート供給管89が設けられており、このコンク
リート供給管89を介してコンクリート83がシールド
テール88と内型枠81′との間に打設される。コンク
リート83は、図示されていない振動装置等によって振
動されると共に、コンクリート加圧ジャッキ85の加圧
によってシールドテール88と内型枠81′との間に打
設される。シールドテール88は、コンクリート83の
打設状況により、徐々に抜かれる。
【0005】図9(ニ)において、シールドテール88
は、完全に抜かれ、コンクリート83が地山80側にも
打設される。さらに、コンクリート加圧ジャッキ85お
よび推進ジャッキ86は、妻型枠87、87′を揺動お
よびプレスすることによって推進し、トンネルが掘削さ
れる。地山80と内型枠81′との間の全周囲には、コ
ンクリートが打設されて、シールドトンネルが構築され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現場打ちシールドトン
ネルは、掘削径がシールド工法と比較して小さくて済
む、あるいは一次覆工のみでよい等の利点がある。しか
し、シールドトンネルは、たとえば、下水道用として使
用された場合、汚水によって、硫化水素ガスが発生し易
く、この硫化水素ガスと水が反応して亜硫酸等の酸にな
るために、コンクリートを劣化させたり、あるいは経年
変化によっては、内部に侵入し、鉄筋かごを腐食させる
原因になった。また、シールドトンネルは、乾燥と湿気
との繰り返しが激しい箇所において、コンクリートの強
度が劣化する。
【0007】そのため、シールドトンネルの内側は、二
次覆工コンクリートによって補強し、トンネルの内面を
エポキシ樹脂等の塗料で塗布しなくてはならない場合が
生じてきた。すなわち、現場打ちシールドトンネルは、
一次覆工のみでよいという利点がなくなってしまう。
【0008】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、現場打ちシールドトンネルの利点が発揮で
きると共に、水密性が優れている現場打ちシールドトン
ネル用内面樹脂被覆材および内面樹脂被覆した現場打ち
シールドトンネルの施工方法並びに内面樹脂被覆現場打
ちシールドトンネルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)第1発明の現場打ちシールドトンネル用内
面樹脂被覆材は、現場打ちのコンクリートライニング工
法によるシールドトンネルに使用されるものであり、湾
曲した四角形からなる底板12と、当該湾曲した四角形
からなる底板12における四辺に設けられた突き合わせ
面17と、上記底板12のコンクリート打設面に設けら
れたアンカー部材14、14′、14″と、コンクリー
トを打設するための内型枠22、22′、22″に仮固
定するための凹部および/または孔15、15′、1
5″と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
【0010】(第2発明)第2発明の現場打ちシールド
トンネル用内面樹脂被覆材は、上記底板12の四辺に設
けられた突き合わせ面17において、少なくともシール
ドトンネルの円周方向にシール材を装着するシール溝1
6が設けられていることを特徴とする。
【0011】(第3発明)第3発明の現場打ちシールド
トンネル用内面樹脂被覆材を構成する底板12の曲率
は、上記内型枠22、22′、22″の曲率より小さく
成形されていることを特徴とする。
【0012】(第4発明)第4発明の現場打ちシールド
トンネル用内面樹脂被覆材は、ノルボルネン系モノマー
とメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用材料で
成形されていることを特徴とする。
【0013】(第5発明)第5発明の現場打ちシールド
トンネル用内面樹脂被覆材は、不飽和ポリエステル樹脂
を主成分とするシートモールディングコンパウンドから
なる繊維強化プラスチックで成形されていることを特徴
とする。
【0014】(第6発明)第6発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法は、シールド機を推進ジャッキにより
前進させ、掘進する工程と、上記推進ジャッキを引き込
み、地山に樹脂被覆材を仮固定した内型枠をリング状に
セットする工程と、上記内型枠と地山とで構成されるリ
ング状空間にコンクリートを打設する工程と、樹脂被覆
材をコンクリート表面に残し、上記内型枠を解体する工
程とを含むことを特徴とする。
【0015】(第7発明)第7発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法は、シールド機を推進ジャッキにより
前進させ、掘進する工程と、上記推進ジャッキを引き込
み、円周方向に連結された樹脂被覆材を内型枠の地山側
に接するように内型枠をリング状にセットする工程と、
上記内型枠と地山とで構成されるリング状空間にコンク
リートを打設する工程と、樹脂被覆材をコンクリート表
面に残し、上記内型枠を解体する工程とを含むことを特
徴とする。
【0016】(第8発明)第8発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法は、推進ジャッキを引き込んだ後に、
鉄筋かごをセットする工程を含むことを特徴とする。
【0017】(第9発明)第9発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法におけるコンクリートは、鋼繊維強化
コンクリートあるいは合成樹脂繊維強化コンクリートで
あることを特徴とする。
【0018】(第10発明)第10発明の内面樹脂被覆
した現場打ちコンクリートライニング工法によるシール
ドトンネルの施工方法における樹脂被覆材は、硬化塩化
ビニル樹脂の異型押出成形品であり、両端に連結構造を
備えていることを特徴とする。
【0019】(第11発明)第11発明の内面樹脂被覆
した現場打ちシールドトンネルの施工方法における樹脂
被覆材は、湾曲した四角形からなる底板と、当該四角形
からなる底板の四辺に設けられた突き合わせ面と、コン
クリート打設面に設けられたアンカー部材と、内型枠に
仮固定するための凹部および/または孔を有することを
特徴とする。
【0020】(第12発明)第12発明の内面樹脂被覆
した現場打ちシールドトンネルの施工方法における樹脂
被覆材は、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系
を主材とする反応射出成形用材料で成形されていること
を特徴とする。
【0021】(第13発明)第13発明の内面樹脂被覆
した現場打ちシールドトンネルの施工方法における樹脂
被覆材は、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするシー
トモールディングコンパウンドからなる繊維強化プラス
チックで成形されていることを特徴とする。
【0022】(第14発明)第14発明の内面樹脂被覆
した現場打ちシールドトンネルの施工方法におけるコン
クリートを打設する工程は、妻型枠を通して打設するこ
とを特徴とする。
【0023】(第15発明)第15発明の内面樹脂被覆
した現場打ちシールドトンネルの施工方法におけるコン
クリートを打設する工程は、樹脂被覆材を仮固定した内
型枠を通して打設することを特徴とする。
【0024】(第16発明)第16発明の内面樹脂被覆
現場打ちシールドトンネルは、シールド機によって掘削
された穴と、コンクリート打設面に設けられたアンカー
部材を備え、湾曲した四角形からなる底板をその突き合
わせ面で、円周方向および軸方向に接合することによっ
て構成された樹脂製管状部と、上記樹脂製管状部と穴と
の間に打設されたコンクリートとからなることを特徴と
する。
【0025】(第17発明)第17発明の内面樹脂被覆
現場打ちシールドトンネルは、上記樹脂製管状部と上記
穴との間に補強部材が配置されていることを特徴とす
る。
【0026】(第18発明)第18発明の内面樹脂被覆
現場打ちシールドトンネルは、第6発明ないし第16発
明の内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施行
方法によって構築されていることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】 (第1発明)第1発明は、掘削された穴に充填されるコ
ンクリートの内面に樹脂被覆材が設けられている。当該
樹脂被覆材は、複数個を円周方向に接合することによっ
て、略円形となるように湾曲した四角形からなる底板か
ら構成されている。上記湾曲した四角形からなる底板
は、円周方向および軸方向に接合する際に、水密性を保
つために、たとえば、水膨張材を装着できるように、厚
さを厚くした突き合わせ面が四辺に設けられている。ま
た、上記湾曲した四角形からなる底板は、樹脂部材から
なるため、コンクリートと密着せずに剥離するおそれが
あるため、コンクリートの打設面にアンカー部材が植設
されている。アンカー部材は、一体成形あるいはインサ
ート成形のいずれでも良く、その周囲にネジまたは凹凸
が成形されている。
【0028】さらに、上記湾曲した四角形からなる底板
は、コンクリートを打設するための内型枠に仮固定する
凹部および/または孔が設けられている。当該凹部およ
び/または孔は、たとえば、袋ナット、ボルトをセルフ
タップできる孔等仮固定できる手段であればよい。内型
枠に仮固定された樹脂被覆材は、内型枠と共にコンクリ
ートを打設する際の型枠となり、コンクリートが固化し
た後、内型枠を解体することによって、内面が樹脂被覆
されたシールドトンネルが構築される。
【0029】(第2発明)第2発明は、上記樹脂被覆材
の四辺に設けられた突き合わせ面に、シール材を装着す
るシール溝が設けられている。上記突き合わせ面のシー
ル溝は、少なくともシールドトンネルの円周方向の突き
合わせ面に必要である。シールドトンネルの軸方向は、
コンクリート加圧ジャッキおよび推進ジャッキによって
加圧されているため、円周方向と比較して互いの密着度
が高い。
【0030】(第3発明)第3発明は、上記湾曲した四
角形からなる底板の曲率を上記内型枠の曲率より小さく
する。このように成形された底板は、上記内型枠に仮固
定する際に多少広がり内型枠に密着し易い。
【0031】(第4発明)第4発明の湾曲した四角形か
らなる底板を構成する樹脂被覆材は、ノルボルネン系モ
ノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用
材料で成形されている。上記反応射出成形用材料は、低
粘度のため低圧で反応射出成形できるので、型枠がコン
クリート部材の型枠と同じ材質のものが使用できる。
【0032】(第5発明)第5発明の樹脂被覆材は、不
飽和ポリエステル樹脂を主成分とするシートモールディ
ングコンパウンドからなる繊維強化プラスチックで成形
されている。上記繊維強化プラスチックは、上記反応射
出成形用材料より安価であるにもかかわらず、水密性お
よび密着性においても、充分な性能が得られる。
【0033】(第6発明)第6発明における現場打ちコ
ンクリートライニング工法によるシールドトンネルの施
工方法は、シールド機を推進ジャッキにより前進させ
て、たとえば、1サイクル覆工長を掘進する。その後、
推進ジャッキは、収縮されると、そこに空間ができる。
樹脂被覆材を仮固定した内型枠は、地山側に対してリン
グ状にセットされる。上記内型枠と地山とで構成される
リング状空間には、コンクリートが打設される。コンク
リートは、打設に際し、シールド機により、たとえば、
振動を与えながら締め固められる。また、コンクリート
は、振動を与えながら締め固める以外に、高流動コンク
リートを使用する方法、あるいは遠心力によって締め固
める方法等、振動を与えない状態で打設することも可能
である。その後、内型枠を解体すると、樹脂被覆材がコ
ンクリートの表面に残される。
【0034】(第7発明)第7発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法は、シールド機を推進ジャッキにより
前進させて、穴を掘進する。その後、推進ジャッキが収
縮すると、シールド機によって成形された空間ができ
る。樹脂被覆材は、円周方向に連結されると共に、内型
枠の地山側面に接するように内型枠をリング状にセット
される。第7発明の樹脂被覆材は、円周方向に連結部を
設けることにより、第6発明より小型化することがで
き、一体成形用の型が安価になる。また、第7発明は、
樹脂被覆材をシールドトンネルの施行現場において、内
型枠と共に組み立てながらリング状にすることができ
る。第6発明と第7発明とは、トンネルの掘削現場の状
況によって、より適切な方を選択することができる。
【0035】(第8発明)第8発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法は、推進ジャッキを引き込んだ後にで
きる空間に鉄筋かごをセットする。鉄筋かごと鉄筋かご
とは、たとえば、フック鉄筋によって接合され、強度の
高いシールドトンネルができる。
【0036】(第9発明)第9発明の内面樹脂被覆した
現場打ちコンクリートライニング工法によるシールドト
ンネルの施工方法におけるコンクリートは、鉄筋を使用
せずに、鋼材を特殊加工した鋼繊維が入った鋼繊維強化
コンクリートとすることができる。また、上記コンクリ
ートは、合成樹脂繊維を入れることによって、強度が強
化された合成樹脂繊維強化コンクリートとすることがで
きる。
【0037】(第10発明)第10発明の内面樹脂被覆
した現場打ち鉄筋コンクリートライニング工法によるシ
ールドトンネルの施工方法における樹脂被覆材は、硬化
塩化ビニル樹脂を使用することができる。当該硬化塩化
ビニル樹脂は、異型押出成形品とすると共に、両端に互
いに連結することが容易なように、連結構造を備えてい
る。このような構造の樹脂被覆材は、小型とすることが
できるため、製造が安価であると共に、施行が容易にな
る。
【0038】(第11発明)第11発明の樹脂被覆材
は、湾曲した四角形からなる底板と、当該四角形からな
る底板の四辺に突き合わせ面とが設けられている。ま
た、上記湾曲した四角形からなる底板には、コンクリー
ト打設面側にアンカー部材が設けられている。アンカー
部材は、ピン状あるいはリブ状のものがあり、鋼製ある
いは樹脂製があり、一体成形あるいはインサート成形、
ネジ込み等によって設けることができる。アンカー部材
は、コンクリートに食い付き易いように凹凸を設けてお
くことができる。また、上記湾曲した四角形からなる底
板には、内型枠に仮固定するための凹部および/または
孔が設けられている。当該凹部および/または孔は、た
とえば、袋ナット、ボルトをセルフタップできる孔等仮
固定できる形状のものが一体成形、またはインサート成
形される。
【0039】(第12発明)第12発明における内面樹
脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法は、湾
曲した四角形からなる底板を構成する樹脂被覆材をノル
ボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を主材とする反
応射出成形用材料によって成形する。上記湾曲した四角
形からなる底板は、低粘度のため低圧で反応射出成形で
きる反応射出成形用材料を使用している。
【0040】(第13発明)第13発明における内面樹
脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法は、樹
脂被覆材を不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするシー
トモールディングコンパウンドからなる繊維強化プラス
チックによって成形する。上記樹脂被覆材は、繊維強化
プラスチックを用いるため、上記反応射出成形用材料よ
り安価で、かつ水密性および密着性も優れている。
【0041】(第14発明)第14発明における内面樹
脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法は、コ
ンクリートが妻型枠を通して打設される。妻型枠側から
のコンクリート打設は、地山側に充填されるコンクリー
トの量を管理することが難しいが、シールド機の構造を
簡単にすることができる。
【0042】(第15発明)第15発明における内面樹
脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法は、コ
ンクリートが樹脂被覆材を仮固定した内型枠を通して打
設される。内型枠からのコンクリート打設は、鉄筋かご
の部分に充填されるコンクリートの量を管理することが
容易であるが、その後に地山側にコンクリートをさらに
充填する必要ができる。
【0043】(第16発明および第18発明)第16発
明および第18発明の内面樹脂被覆現場打ちシールドト
ンネルは、シールド機によって穴が掘削される。掘削さ
れた穴と対向して、湾曲した四角形からなる底板は、そ
の突き合わせ面において、円周方向および軸方向に接合
されて樹脂製管状部を構成している。上記掘削された穴
と上記樹脂製管状部との間には、コンクリートが打設さ
れている。シールドトンネルを構成する上記湾曲した四
角形からなる底板とコンクリートとは、上記底板に設け
られたアンカー部材によって、剥離することがない。
【0044】(第17発明)第17発明の内面樹脂被覆
現場打ちシールドトンネルは、上記樹脂製管状部と上記
穴との間に、たとえば、鉄筋かごのような補強部材が配
置されている。本発明のシールドトンネルは、現場でコ
ンクリートが打設されているが、補強部材により、充分
強度が高く、品質的に優れたものが得られる。
【0045】
【実 施 例】図1は本発明の一実施例で、シールドト
ンネルの内面を被覆する樹脂被覆材を説明するための図
である。図1において、樹脂被覆材11は、湾曲した四
角形からなる底板12と、当該底板12の四辺に成形さ
れ、たとえば、底板12より厚い突き合わせ部13と、
上記底板12のコンクリート打設面に突出するように植
設されたアンカー部材14と、同じく底板12に突出す
るように植設された袋ナット15と、上記突き合わせ部
13における他の湾曲した四角形からなる底板12との
突き合わせ面17に設けられた、たとえば、水膨張材を
装着するためのシール溝16とから構成されている。
【0046】アンカー部材14は、その周囲に、たとえ
ば、凹凸、ネジ、突出部(頂部において)が設けられて
おり、コンクリートが打設された場合、両者の密着性を
向上させるような形状に成形されている。また、袋ナッ
ト15は、内型枠22、22′(図2参照)に樹脂被覆
材11を仮固定するためのもので、その内部に予めネジ
を設けておいてもよいし、セルフタップにすることもで
きる。上記袋ナット15は、アンカー部材14としての
役割を果たすことができるため、その周囲をアンカー部
材14と同じような形状にしておくこともできる。
【0047】上記アンカー部材14および袋ナット15
は、金属製として、樹脂被覆材11を成形する際にイン
サートすることができる。さらに、アンカー部材14
は、突き合わせ部13より多少高くすることができる。
突き合わせ部13とアンカー部材14との高さは、樹脂
被覆材11と掘削された穴との間に鉄筋かごが配置さ
れ、コンクリートの打設に際し、軸方向の移動があるた
め、適度の高さに制限される。アンカー部材は、樹脂被
覆材11と一体成形する場合、樹脂被覆材11を型から
抜く方向と一致するように設ける。
【0048】図2は内型枠に仮固定した樹脂被覆材の突
き合わせ面における断面A−Aであり、シールドトンネ
ルの軸方向における樹脂被覆材と内型枠との接合部を説
明するための図である。図2において、内型枠22、2
2′は、樹脂被覆材11、11′と仮固定用ボルト2
4、24′によって、樹脂被覆材11、11′に設けら
れた袋ナット15、15′と仮接合されている。また、
内型枠22、22′は、連結部23、23′が設けられ
ており、これらの連結部23、23′が連結ボルト25
および連結ナット26によって連結されている。
【0049】樹脂被覆材11、11′の突き合わせ面1
7に設けられているシール溝16には、水膨張材のよう
なシール材21が装着されている。シール材21は、各
種形状が採用できるが、断面が略円形のものを両シール
溝16に挿入して突き合わせるようにしている。また、
突き合わせ面17には、内型枠側に凹部27、27′が
設けられている。この凹部27、27′には、内型枠2
2、22′が解体された後、たとえば、シリコン系また
はウレタン系のシーリング剤を充填する。そして、上記
凹部27、27′の形状は、後述の図3(ロ)の拡大図
に示されているように、上記シーリング剤がシールドト
ンネル内に落下しないように、樹脂被覆材11、11′
を対向した際に、出口が狭くなる袋状となるような形状
にすることが望ましい。
【0050】図3(イ)は内型枠に仮固定した樹脂被覆
材の突き合わせ面における断面B−Bであり、シールド
トンネルの円周方向における樹脂被覆材と内型枠との接
合部を説明するための図で、(ロ)は樹脂被覆材の突き
合わせ面に設けられている凹部の拡大図である。図4
(イ)は内型枠に仮固定した樹脂被覆材の突き合わせ面
における断面B−Bであり、シールドトンネルの円周方
向における樹脂被覆材と内型枠とのテーパー部を有する
接合部を説明するための図で、(ロ)は樹脂被覆材の突
き合わせ面に設けられている凹部の拡大図である。図5
はシールドトンネルの軸方向に対して直角に切断した際
の断面図である。図2および図3に示された樹脂被覆材
と内型枠とは、シールドトンネルの軸方向と円周方向に
おける断面図である点でのみ相違している。図5におけ
るシールドトンネルの軸方向に対して直角に切断した断
面図は、樹脂被覆材11、内型枠22、鉄筋かご52が
6個に分割されている例である。
【0051】樹脂被覆材11および内型枠22は、円周
方向の端面が中心軸を通る面からなると、現場におい
て、組み立てる際に最後の部分が嵌合できなくなる。そ
こで、図5に示すように、樹脂被覆材11と内型枠22
の端面は、シールドトンネルの中心に向かう円周方向接
合部54と、シールドトンネルの中心に向かう線とθ1
(33°)の角度を有するテーパー部からなる円周方向
接合部55とから構成されるようにする。そして、図5
に示すように、樹脂被覆材11および内型枠22は、一
方にシールドトンネルの中心に向かう円周方向接合部5
4と、他方にシールドトンネルの中心に向かう線とθ1
の角度を有するテーパー部からなる円周方向接合部55
とを有するもの、両端がシールドトンネルの中心に向か
う線とθ1の角度を有するテーパー部からなる円周方向
接合部55とを有するものとの二種類がある。したがっ
て、シールドトンネルは、図5に示すように、θ2(5
8°)、θ360°)、およびθ4(62°)の三種類
で合計6個から構成される。
【0052】図4(イ)および(ロ)はシールドトンネ
ルの中心に向かう線とθ1(33°)の角度を有するテ
ーパー部からなる円周方向接合部55の端面を理解する
ためのもので、突き合わせ面もシールドトンネルの中心
に向かう線とθ1の角度を有している。また、シーリン
グ剤を注入する凹部42、42′は、図4(ロ)の拡大
図から判るように、その突き合わせ面において、同様に
シールドトンネルの中心に向かう線とθ1の角度を有す
ると共に、シールドトンネルの表面に向かって狭められ
た凹部となっている。そして、樹脂被覆材11を取り付
けた内型枠22は、上記角度を有するテーパー面におい
て、連結ボルト挿入孔58にボルトを挿入してナットを
締めることによって、円周方向に接合されると共に、地
山51との間に、鉄筋かご52が配置される。コンクリ
ートは、コンクリート充填孔56から充填される。な
お、シールドトンネルの施行方法は、次に詳述する。
【0053】図6は本発明の実施例で、現場打ちシール
ドトンネルの施行方法を説明するための図で、鉄筋かご
や内型枠を配置した後、コンクリートを打設している状
態を説明するための図である。図7は本発明の実施例
で、コンクリートを地山側にも充填している状態を説明
するための図である。図6において、樹脂被覆材11
は、仮固定用ボルト24を袋ナット15にネジ込むこと
により内型枠22に仮固定される。また、樹脂被覆材1
1には、隣合った樹脂被覆材と突き合わされる突き合わ
せ部13、およびアンカー部材14とがコンクリート打
設側に突出している。内型枠22は、隣合った内型枠2
2′と連結するための連結部23、23′が設けられて
おり、連結ボルト25および連結ナット26によって連
結される。
【0054】このようにして、樹脂被覆材11と内型枠
22を円周方向に組み立てながら、地山51との間に鉄
筋かご52が配置される。鉄筋かご52どうしの間は、
フック鉄筋64によって結合されている。コンクリート
53は、樹脂被覆材11および内型枠22に設けられた
コンクリート充填孔(図示されていない)から打設され
る場合と、コンクリート加圧ジャッキ62に設けられた
コンクリート充填孔(図示されていない)から打設され
る場合がある。コンクリートは、コンクリート加圧ジャ
ッキ62および推進ジャッキ63を振動させながら打設
する。
【0055】図6に示す実施例は、コンクリート53に
鉄筋かご52が入っているが、地山側の強度が良好な場
合、必ずしも鉄筋かご52を入れる必要がない。たとえ
ば、図示されていない他の実施例は、鉄筋の代わりに、
特殊加工によって作製される鋼繊維をコンクリート中に
挿入した鋼繊維補強コンクリート(SFRC)、ビニロ
ン短繊維等からなる繊維補強コンクリート(FRC)、
あるいは芳香族ポリアミド繊維等による補強コンクリー
トを適用することができる。
【0056】コンクリート53は、コンクリート加圧ジ
ャッキ62および推進ジャッキ63を伸ばして、妻型枠
61、62′を内型枠22に押し付ける。さらに、コン
クリートは、シールドテール65を外方に抜きながら充
填と加圧が行われる(図7参照)。図6および図7にお
いて、コンクリート53は、固化する前の状態を示し、
コンクリート53′は、固化した状態を示している。
【0057】コンクリート加圧ジャッキ62および推進
ジャッキ63は、妻型枠61、62′を揺動およびプレ
スすることによって推進し、トンネルが掘削される。コ
ンクリート加圧ジャッキ62および推進ジャッキ63
は、たとえば、内型枠22に略等しい距離だけ推進が進
むと停止する。コンクリート加圧ジャッキ62および推
進ジャッキ63は、収縮により、両ジャッキに取り付け
られている妻型枠61、62′と、樹脂被覆材11およ
び内型枠22とコンクリート53との間に空間ができ
る。上記空間には、次の樹脂被覆材11および内型枠2
2と、鉄筋かご52等が円周方向に配置され、同様な作
業が繰り返される。
【0058】樹脂被覆材を作製する反応射出成形用材料
は、たとえば、シクロペンタジエン等のノルボルネン系
モノマーとメタセシス触媒系とからなる第1の液体と、
ノルボルネン系モノマーと活性剤とからなる第2の液体
とを用意する。その後、上記安定した2液は、たとえ
ば、ミキシングヘッドによって混合された後、反応射出
成形装置の型枠内に低圧で注入される。本実施例は、上
記のように低圧で反応射出成形ができるため、型枠が安
価なものでよい。上記反応射出成形用材料の詳細は、た
とえば、特公平3−28451号公報、特公平4−98
12号公報、特公平6−13563号公報、特公平6−
24806号公報、特開平6−8273号公報に記載さ
れており、これらの材料を使用して、本実施例の樹脂被
覆材が作製される。また、樹脂被覆材は、不飽和ポリエ
ステル樹脂を主成分とするシートモールディングコンパ
ウンドからなる繊維強化プラスチックを成形型に配置
し、熱硬化させることによって得ることもできる。ま
た、袋ナット15、アンカー部材14等も同様に上記樹
脂により作製することができるが、他の部材であっても
よい。
【0059】図8(イ)は本発明の実施例で、分割され
た樹脂被覆材をリング状に連結した状態を説明するため
の図で、(ロ)は樹脂被覆材を連結する部分の拡大図で
ある。図8(イ)において、樹脂被覆部材71−1、7
1−2、・・・71−nは、地山側と内型枠72−1、
72−2、・・・72−nとの間に挟持部材73によっ
てシールドトンネルの円周方向に連結されている。樹脂
被覆材71は、地山側にアンカーリブ74が多数突出し
ていると共に、その両端にジョイント突起部723が設
けられている。また、ジョイント突起部723の先端部
には、係合突起724が設けられている。
【0060】樹脂被覆材71を連結する挟持部材73
は、凹溝を有しており、両端に挟持突起731、732
が設けられている。図8(イ)および(ロ)において、
上記ジョイント突起部723、係合突起724は、断面
であり、紙面から紙背に向けて連続した状態、あるいは
断続した状態とすることができる。樹脂被覆材71−1
と樹脂被覆材71−nとは、樹脂被覆材71の係合突起
724と挟持部材73の挟持突起732とを係合させる
ようにすることによって、挟持される。樹脂被覆材71
は、挟持部材73およびジョイント突起部723を設け
ることにより、形状を単純化することができると共に、
作製用型枠を小型にして安価にすることができる。樹脂
被覆材71は、挟持部材73によって連結することによ
って、地山に沿って円周方向にリング状に形成された
後、内型枠72が連結部75において、ボルト・ナット
76によって、接合される。樹脂被覆材71および内型
枠72には、必要に応じて図示されていない、コンクリ
ート打設用穴が設けられる。また、挟持部材73′は、
別の実施例で、逆山形をしており、中央部に突出した突
出部材が設けられている。そして、当該突出部材は、そ
の両側に前記ジョイント突起部723を抱持する。
【0061】以上、本実施例を詳述したが、本発明は、
前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請
求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなけれ
ば、種々の設計変更を行なうことが可能である。本発明
の実施例において、樹脂被覆材および内型枠は、湾曲し
た四角形で説明したが、台形を始め任意の多角形とする
ことができる。上記樹脂被覆材および内型枠は、湾曲さ
せる代わりに平面にすることもできる。本発明の樹脂被
覆材および挟持部材は、射出成形、反応射出成形、その
他の熱硬化により成形され、鉄筋コンクリートの作製方
法、あるいはアンカーピン、アンカーリブ、またはアン
カープレートの作製方法については、詳述していない
が、周知または公知の手段を採用することができる。本
発明は、樹脂被覆材と地山側に配置される鉄筋かご等の
作製についても同様である。本発明の実施例は、鉄筋コ
ンクリート製のシールドトンネルについて説明したが、
スチールセグメント、ダクタイルセグメント、あるいは
これらの複合セグメントについても同様である。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、シールドトンネルにお
いて、コンクリートの内面側に樹脂被覆材が設けられて
いるため、酸性の液体および気体が発生しても、コンク
リートを劣化させることがない。本発明によれば、樹脂
被覆材にアンカー部材が設けられているため、コンクリ
ートとの密着性が良く、経年変化によっても、コンクリ
ートを劣化させないと同時に、コンクリートから樹脂被
覆材が剥離しない。本発明によれば、予め樹脂被覆材を
仮固定した内型枠をリング状にセットするか、あるいは
円周方向に連結された樹脂被覆材のトンネル内側に内型
枠をリング状にセットするかをトンネル現場の掘削状況
によって決めることができる。
【0063】本発明によれば、掘削するトンネルの径が
小さくて済むと共に、樹脂被覆材がコンクリートの表面
に設けられているため、二次覆工を省略することがで
き、施行が簡単で迅速にできる。本発明によれば、シー
ルドトンネルの内面を被覆する樹脂被覆材を耐火性にす
れば、道路、自動車道用、あるいは鉄道用にも使用でき
る。本発明によれば、現場打ちシールドトンネルである
ため、ボルトボックスが不要であり、樹脂被覆材の成形
型が単純になるため、安価な樹脂被覆材を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で、シールドトンネルの内面
を被覆する樹脂被覆材を説明するための図である。
【図2】内型枠に仮固定した樹脂被覆材の突き合わせ面
における断面A−Aであり、シールドトンネルの軸方向
における樹脂被覆材と内型枠との接合部を説明するため
の図である。
【図3】(イ)は内型枠に仮固定した樹脂被覆材の突き
合わせ面における断面B−Bであり、シールドトンネル
の円周方向における樹脂被覆材と内型枠との接合部を説
明するための図で、(ロ)は樹脂被覆材の突き合わせ面
に設けられている凹部の拡大図である。
【図4】(イ)は内型枠に仮固定した樹脂被覆材の突き
合わせ面における断面B−Bであり、シールドトンネル
の円周方向における樹脂被覆材と内型枠とのテーパー部
を有する接合部を説明するための図で、(ロ)は樹脂被
覆材の突き合わせ面に設けられている凹部の拡大図であ
る。
【図5】シールドトンネルの軸方向に対して直角に切断
した際の断面図である。
【図6】本発明の実施例で、現場打ちシールドトンネル
の施行方法を説明するための図で、鉄筋かごや内型枠を
配置した後、コンクリートを打設している状態を説明す
るための図である。
【図7】本発明の実施例で、コンクリートを地山側にも
充填している状態を説明するための図である。
【図8】(イ)は本発明の実施例で、分割された樹脂被
覆材をリング状に連結した状態を説明するための図で、
(ロ)は樹脂被覆材を連結する部分の拡大図である。
【図9】従来の現場打ちシールドトンネルの施行方法を
説明するための図で、(イ)は掘削完了時の状態、
(ロ)は鉄筋かごや内型枠を配した状態、(ハ)コンク
リートを打設している状態、(ニ)はコンクリートを推
して掘削する状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
11・・・樹脂被覆材 12・・・底板 13、13′、13″・・・突き合わせ部 14、14′、14″・・・アンカー部材 15、15′、15″・・・袋ナット 16・・・シール溝 17・・・突き合わせ面 21・・・シール材 22、22′、22″・・・内型枠 23、23′、23″・・・連結部 24・・・仮固定用ボルト 25・・・連結ボルト 26・・・連結ナット 27、27′凹部 51・・・地山 53、53′・・・コンクリート 61、62′・・・妻型枠 62・・・コンクリート加圧ジャッキ 63・・・推進ジャッキ 64・・・フック鉄筋 65・・・シールドテール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 宣之 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 荒木田 武生 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 増田 裕一 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 奥野 博文 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現場打ちのコンクリートライニング工法
    によるシールドトンネルに使用される樹脂被覆材におい
    て、 湾曲した四角形からなる底板と、 当該湾曲した四角形からなる底板における四辺に設けら
    れた突き合わせ面と、 上記底板のコンクリート打設面に設けられたアンカー部
    材と、 コンクリートを打設するための内型枠に仮固定するため
    の凹部および/または孔と、 を少なくとも備えていることを特徴とする現場打ちシー
    ルドトンネル用内面樹脂被覆材。
  2. 【請求項2】 上記底板の四辺に設けられた突き合わせ
    面において、 少なくともシールドトンネルの円周方向にシール材を装
    着するシール溝が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆
    材。
  3. 【請求項3】 上記底板の曲率は、上記内型枠の曲率よ
    り小さく成形されていることを特徴とする請求項1記載
    の現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材。
  4. 【請求項4】 上記樹脂被覆材は、ノルボルネン系モノ
    マーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用材
    料で成形されていることを特徴とする請求項1記載の現
    場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材。
  5. 【請求項5】 上記樹脂被覆材は、不飽和ポリエステル
    樹脂を主成分とするシートモールディングコンパウンド
    からなる繊維強化プラスチックで成形されていることを
    特徴とする請求項1記載の現場打ちシールドトンネル用
    内面樹脂被覆材。
  6. 【請求項6】 現場打ちのコンクリートライニング工法
    によるシールドトンネルの施工方法において、 シールド機を推進ジャッキにより前進させ、掘進する工
    程と、 上記推進ジャッキを引き込み、地山側に樹脂被覆材を仮
    固定した内型枠をリング状にセットする工程と、 上記内型枠と地山とで構成されるリング状空間にコンク
    リートを打設する工程と、 樹脂被覆材をコンクリート表面に残し、上記内型枠を解
    体する工程と、 を含むことを特徴とする内面樹脂被覆した現場打ちシー
    ルドトンネルの施工方法。
  7. 【請求項7】 現場打ちのコンクリートライニング工法
    によるシールドトンネルの施工方法において、 シールド機を推進ジャッキにより前進させ、掘進する工
    程と、 上記推進ジャッキを引き込み、円周方向に連結された樹
    脂被覆材を内型枠の地山側に接するように内型枠をリン
    グ状にセットする工程と、 上記内型枠と地山とで構成されるリング状空間にコンク
    リートを打設する工程と、 樹脂被覆材をコンクリート表面に残し、上記内型枠を解
    体する工程と、 を含むことを特徴とする内面樹脂被覆した現場打ちシー
    ルドトンネルの施工方法。
  8. 【請求項8】 上記推進ジャッキを引き込んだ後に、鉄
    筋かごをセットする工程を含むことを特徴とする請求項
    6または請求項7記載の内面樹脂被覆した現場打ちシー
    ルドトンネルの施行方法。
  9. 【請求項9】 上記コンクリートは、鋼繊維強化コンク
    リートあるいは合成樹脂繊維強化コンクリートであるこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7記載の内面樹脂
    被覆した現場打ちシールドトンネルの施行方法。
  10. 【請求項10】 上記樹脂被覆材は、硬化塩化ビニル樹
    脂の異型押出成形品であり、両端に連結構造を備えてい
    ることを特徴とする請求項6または請求項7記載の内面
    樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施行方法。
  11. 【請求項11】 上記樹脂被覆材は、湾曲した四角形か
    らなる底板と、当該四角形からなる底板の四辺に設けら
    れた突き合わせ面と、コンクリート打設面に設けられた
    アンカー部材と、内型枠に仮固定するための凹部および
    /または孔を有することを特徴とする請求項6または請
    求項7記載の内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネ
    ルの施工方法。
  12. 【請求項12】 上記樹脂被覆材は、ノルボルネン系モ
    ノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形用
    材料で成形されていることを特徴とする請求項6または
    請求項7記載の内面樹脂被覆した現場打ちシールドトン
    ネルの施工方法。
  13. 【請求項13】 上記樹脂被覆材は、不飽和ポリエステ
    ル樹脂を主成分とするシートモールディングコンパウン
    ドからなる繊維強化プラスチックで成形されていること
    を特徴とする請求項6または請求項7記載の内面樹脂被
    覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法。
  14. 【請求項14】 上記コンクリートを打設する工程は、
    妻型枠を通して打設することを特徴とする請求項6また
    は請求項7記載の内面樹脂被覆した現場打ちシールドト
    ンネルの施工方法。
  15. 【請求項15】 上記コンクリートを打設する工程は、
    樹脂被覆材を仮固定した内型枠を通して打設することを
    特徴とする請求項6記載または請求項7の内面樹脂被覆
    した現場打ちシールドトンネルの施工方法。
  16. 【請求項16】 シールド機によって掘削された穴と、 コンクリート打設面に設けられたアンカー部材を備え、
    湾曲した四角形からなる底板をその突き合わせ面で、円
    周方向および軸方向に接合することによって構成された
    樹脂製管状部と、 上記樹脂製管状部と穴との間に打設されたコンクリート
    と、 からなることを特徴とする内面樹脂被覆現場打ちシール
    ドトンネル。
  17. 【請求項17】 上記樹脂製管状部と上記穴との間に
    は、補強部材が配置されていることを特徴とする請求項
    16記載の内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネル。
  18. 【請求項18】 請求項6ないし請求項15記載の内面
    樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施行方法によ
    って構築された内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネ
    ル。
JP9312917A 1997-10-30 1997-10-30 現場打ちシールドトンネル用内面樹脂被覆材および内面樹脂被覆した現場打ちシールドトンネルの施工方法並びに内面樹脂被覆現場打ちシールドトンネル Pending JPH11131988A (ja)

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