JPH11115441A - 車両用懸架装置 - Google Patents

車両用懸架装置

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Publication number
JPH11115441A
JPH11115441A JP28092697A JP28092697A JPH11115441A JP H11115441 A JPH11115441 A JP H11115441A JP 28092697 A JP28092697 A JP 28092697A JP 28092697 A JP28092697 A JP 28092697A JP H11115441 A JPH11115441 A JP H11115441A
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JP
Japan
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damping force
vehicle
road
shock absorber
speed
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Application number
JP28092697A
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English (en)
Inventor
Kazuya Sasaki
和也 佐々木
Masahiro Murata
正博 村田
Tomomi Nakayama
知視 中山
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Shigeteru Ikeda
茂輝 池田
Yoshiyuki Hashimoto
佳幸 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の乗り心地性及び操縦性を向上させるこ
とができる車両用懸架装置を提供する。 【解決手段】 車両がカーブした道路に進入して旋回を
行う場合、車輪11FR,11FL,11RR,11RLと車体
201との間に設けられたショックアブソーバ10FR
10FL,10RR,10RLは低速域の伸縮を行う。本車両
用懸架装置によれば、カメラ204が車両前方の道路を
撮像して道路の画像情報を出力するとともに、制御装置
8が道路の地図情報及び画像情報から道路の傾斜を検出
し、検出された道路の傾斜に応じて制御信号をアクチュ
エータ2FR,2FL,2RR,2RLに出力し、車両旋回時、
すなわち、ショックアブソーバ10FR,10FL,1
RR,10RLの低速伸縮時の減衰力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の懸架装置等
に用いられるショックアブソーバの減衰力が制御される
車両に関する。
【0002】
【従来の技術】車両懸架装置は、一般的に車輪と車体と
の間に設けられるショックアブソーバを有している。従
来のショックアブソーバの減衰力制御を行う装置は、特
開平5−294122号公報に記載されている。この装
置は、スカイフック理論に基づきばね上速度、ばね上と
ばね下の相対速度によりショックアブソーバの減衰係数
を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置を搭載した車両においては、車両の乗心地性及
び操縦性は十分とは言えない。本発明は、このような課
題に鑑みてなされたものであり、乗り心地性及び操縦性
を向上可能な車両を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両は、車
輪と車体との間に設けられ伸縮速度の低速域における減
衰力が可変可能なショックアブソーバと、ショックアブ
ソーバの減衰力を可変するアクチュエータと、前方の道
路を撮像して道路の画像情報を出力するカメラと、道路
の地図情報及び画像情報から道路の傾斜を検出し道路が
カーブしている場合には検出された道路の傾斜に応じて
ショックアブソーバの減衰力を制御する制御信号をアク
チュエータに出力する制御手段とを備える。
【0005】車両がカーブした道路に進入して旋回を行
う場合、車輪と車体との間に設けられたショックアブソ
ーバは低速域の伸縮を行う。本車両用減衰力制御装置に
よれば、カメラが車両前方の道路を撮像して道路の画像
情報を出力するとともに、制御手段が道路の地図情報及
び画像情報から道路の傾斜を検出し、検出された道路の
傾斜に応じて制御信号をアクチュエータに出力し、車両
旋回時、すなわち、ショックアブソーバの低速伸縮時の
減衰力を制御する。
【0006】また、制御手段は、地図情報及び画像情報
から車両が道路のカーブの始点に到達する時刻を推定
し、制御信号の出力時刻を推定した到達時刻の前に設定
することが好ましい。この場合、好適には制御信号の出
力時刻をアクチュエータの応答遅れを見込んで設定すれ
ば、車両到達時刻には道路傾斜に応じてアクチュエータ
が駆動し、ショックアブソーバの減衰力を車両到達時の
傾斜に応じて制御することができる。
【0007】また、制御手段は、制御信号の出力後の所
定時間内に旋回操作が行われない場合にはショックアブ
ソーバの減衰力制御を中止することが好ましい。制御信
号の出力後の所定時間内に旋回操作が行われない場合、
運転操作者が制御手段によって予測された旋回を中止し
たものと推定することができる。したがって、このよう
な場合に制御手段はショックアブソーバの減衰力制御を
中止し、不用な減衰力制御の抑制をする。
【0008】また、制御手段は、カーブ外側の方が低く
なるように道路が傾斜している場合には、旋回内側の方
のショックアブソーバの減衰力が旋回外側の方のショッ
クアブソーバの減衰力よりも低くなるような制御信号
を、旋回内側の方のショックアブソーバの減衰力を制御
する方のアクチュエータに出力することが好ましい。
【0009】このような逆バンクの道路を車両が走行す
る場合、旋回内側の路面が車輪を押し上げるため、旋回
内側のショックアブソーバの減衰力を増大させるとロー
ルが増大する。したがって、制御手段はこのような場合
にショックアブソーバの減衰力を減少させる上記制御信
号を旋回内側のアクチュエータに出力し、ロールの増大
を抑制する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る車両につ
いて説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には
同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
また、従来のものと同一の車両構成要素については、簡
単のため説明を省略する。
【0011】図1は実施の形態に係る車両200を示
す。車両200は、車体201及び車体201下部に回
転可能に設けられた右前輪11FR、左前輪11FL、右後
輪11RR並びに左後輪11RLを備えている。前輪1
FR,11FLはステアリングハンドル4aを操作するこ
とにより操舵され、前輪11FR,11FL又は/及び後輪
11RR,11RLは図示しないエンジンの駆動力が伝達さ
れて回転するため、車両200はこのエンジンの駆動に
よって走行するとともにハンドル4aの操作によってそ
の進行方向を変えることができる。
【0012】それぞれの車輪11FR,11FL,11RR
11RLは、懸架装置211FR,211FL,211RR,2
11RLによって車体201に支持されている。それぞれ
の懸架装置211FR,211FL,211RR,211
RLは、それぞれの車輪11FR,11FL,11RR,11RL
と車体201との間に設けられたショックアブソーバ
(ダンパ)10FR,10FL,10RR,10RLを備えてい
る。懸架装置211FR,211FL,211RR,211RL
は、車輪11FR,11FL,11RR,11RLを回転可能に
支持する支持部材としてナックルと車体201とを接続
するロアアーム202FR,202FL,202RR,202
RLを備えている。
【0013】ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLは、ロアアーム202FR,202FL,202
RR,202RLと車体201との間に配置されており、そ
の長手方向両端間に加わる荷重に応じて長手方向に伸縮
することができる。ショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLは、コイルスプリング203FR
203FL,203RR,203RL内を貫通している。コイ
ルスプリング203FR,203FL,203RR,203RL
の下端部は、ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLの長手方向中央部外周面に固定されており、
上端部は車体201に固定されている。
【0014】ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLは、伸縮速度の低速域における減衰力が可変
可能とされている。ショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLの減衰力は、車体201に設けら
れたアクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLを駆動する
ことによって可変させられる。アクチュエータ2FR,2
FL,2RR,2RLの駆動は、車体201内に配置されたア
ブソーバコントロールコンピュータ(ECU)8からア
クチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLに入力される制御
信号によって制御される。したがって、ECU8はショ
ックアブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰
力を制御する。
【0015】車両200は、車両前方を撮像することが
できる位置に設けられたビデオカメラ204を備えてい
る。また、車両200は、各車輪11FR,11FL,11
RR,11RL毎に設けられた車輪速センサ6FR,6FL,6
RR,6RL及び車両位置を確認することができる電波を衛
星から受信するためのアンテナ205を備えている。E
CU8は、これらの情報や車両挙動を示す各種センサか
らの情報に基づいてショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLの減衰力を制御するが、この減衰
力の制御については後述する。次に、懸架装置について
さらに詳しく説明する。
【0016】図2は、図1に示した車両200を長手方
向に垂直に切った車両200の断面図(I-I矢印断面
図)であり、同図中には前輪用の懸架装置211FR,2
11FLが示されている。なお、後輪用の懸架装置211
RR,211RLの構造は、前輪用の懸架装置211FR,2
11FLと同一なのでその説明を省略する。前輪11FR
11FLの内側には、ロアアーム202FR,202FLの一
端が連結された車輪11FR,11FLを回転可能に支持す
るステアリングナックル206FR,206FLが設けられ
ており、ステアリングナックル206FR,206FLの上
端部にはアッパーアーム207FR,207FLの一端が連
結されている。ロアアーム202FR,202FL及びアッ
パーアーム207FR,207FLの他端は、車体201に
揺動可能に連結されている。
【0017】車両200が例えば左旋回を始めると、車
体201は進行方向に平行なロールセンタRCの軸を中
心に右回転しようとし、車両重心Gには旋回による遠心
力及びロールセンタRC回りのモーメントが加わり、車
体201は旋回外側、すなわち右側に傾く。したがっ
て、左側のショックアブソーバ10FL及びコイルスプリ
ング203FLは、これに加わる荷重の減少に伴ってコイ
ルスプリング203FLのばね力にしたがって伸長しよう
とし、右側のショックアブソーバ10FR及びコイルスプ
リング203FRは、これに加わる荷重の増加に伴ってコ
イルスプリング203FRのばね力に抗して収縮しようと
する。
【0018】このような旋回中における左右のショック
アブソーバ10FL,10FRの伸縮速度は0.05m/s
以下の低速であり、車両直進中に小さな障害物を乗り越
える時の伸縮速度よりも小さい。本ショックアブソーバ
10FL,10FRは伸縮速度の低速域の減衰力を可変する
ことができる。低速域の減衰力を可変することができる
ショックアブソーバ10FL,10FRとしては種々のもの
が考えられるが、本実施の形態に係る好適なショックア
ブソーバについて以下に説明する。
【0019】図3は、図2に示した右前輪用ショックア
ブソーバ10FRを含む懸架装置主要部をショックアブソ
ーバ10FRの長手方向に沿って切った断面図(II-II矢
印断面図)である。なお、残りのショックアブソーバ1
FL,10RR,10RLの構造は、ショックアブソーバ1
FRと同一なのでその説明を省略する。ショックアブソ
ーバ10FRは、走行中のコイルスプリング203FRの振
動を減衰させて車両の乗り心地を向上させると共に、車
輪の接地性を高めて操縦安定性を向上させる役割を担う
ものであり、棒状を呈し車両状態に応じて伸縮可能な構
造となっている。ショックアブソーバ10FRは、その上
端が車体201に取り付けられ、その下端が図2に示し
たロアアーム202FRに固定された軸体13に取り付け
られている。
【0020】ショックアブソーバ10FRは、ピストンロ
ッド16と外筒18とを備えている。外筒18の長手方
向中央部外周にはこの外周を囲むように円環受皿型のガ
イド10aが固定されている。ピストンロッド16の上
端部分にはブラケット10bが掛止されており、ブラケ
ット10bと車体201との間にはゴム部材10cが介
在している。また、ガイド10aとブラケット10bの
間にはコイルスプリング203FRが配設されており、こ
のコイルスプリング203FRにより車体201が弾力的
に支えられている。
【0021】外筒18の内部には、内筒20が外筒18
と同軸に配設されている。外筒18と内筒20との間に
は、環状室21が形成されている。外筒18の上端に
は、ロッドガイド22が嵌挿されている。ロッドガイド
22は大径部22aと小径部22bとを有する円柱状の
剛性部材である。小径部22bの外周面は内筒20の内
周面と係合し、大径部22aの外周面は外筒18の内周
面と係合している。ロッドガイド22には、その中央部
に貫通孔が設けられている。この貫通孔には、ピストン
ロッド16が液密かつ摺動可能に挿通されている。ま
た、外筒18の上端には、キャップ24が、その中央を
ピストンロッド16が貫通するように固定されている。
【0022】ピストンロッド16は、その下端部分を小
径とした円柱状の中空部材である。ピストンロッド16
はその小径部が内筒20の内部に収容されるように配置
されている。ピストンロッド16には、内筒20の内部
に収容される位置に、リバウンドストッパ26及ぴリバ
ウンドストッパプレート28が装着されている。
【0023】リバウンドストッパプレート28は環状の
剛性部材であり、ピストンロッド16の外周に固定され
ている。また、リバウンドストッパ26は弾性を有する
環状部材であり、リバウンドストッパプレート28の上
部に装着されている。ピストンロッド16が上方へ所定
距離変位すると、リバウンドストッパ26がロッドガイ
ド22と当接し、ピストンロッド16の更なる変位が規
制される。
【0024】ピストンロッド16の下端部分には、上側
からサブピストン30、メインピストン32の順でこれ
らが固定されている。内筒20の内部空間は、サブピス
トン30及びメインピストン32により、サブピストン
30より上方の上室34と、サブピストン30とメイン
ピストン32との間の中室36と、メインピストン32
より下方の下室38とに区画されている。
【0025】サブピストン30及びメインピストン32
は、それぞれ上室34と中室36との間及び中室36と
下室38との間での流体の流通を許容するオリフィス及
び弁機構を備えており、ピストンロッド16の進退動に
応じて減衰力を発生させる。
【0026】外筒18の下端には、べースバルブ41が
固定されている。べ一スバルブ41は、下室38と環状
室21との流体の流通を許容するように構成されてい
る。外筒18の内部には、油等の作動流体FOILが、内
筒20の内部空間を充満すると共に、環状室21を所定
の高さまで満たすように収容されている。
【0027】図4は、図3に示したショックアブソーバ
の領域IIIの拡大図である。図4の左半分には、上室3
4側から下室38側への流体の流通を許容する構成部分
が示され、また、図4の右半分には下室38側から上室
34側への流体の流通を許容する構成部分が示されてい
る。なお、簡単のため作動流体FOILは図示しない。
【0028】ピストンロッド16の内部には、その軸方
向に貫通する通路40が設けられている。通路40は、
大径部40aと、大径部40aの下方へ延びる小径部4
0bとを備えている。通路40の大径部40aと小径部
40bとの境界部分には、段差40cが形成されてい
る。この通路40の大径部40aには、上述のアクチュ
エータを駆動することによりピストンロッド16の長手
方向に沿って移動可能な調整ロッド42が挿入されてい
る。
【0029】調整ロッド42の上端は、ピストンロッド
16の上部へ達しており、車体201に取り付けられる
アクチュエータ2FRと係合している。アクチュエータ2
FRは、ECU8からの信号に応じて調整ロッド42をピ
ストンロッド16の長手方向に沿って移動させるもので
あり、例えば、ステッピングモータ及びギヤなどの駆動
力伝達機構等により構成される。
【0030】調整ロッド42は、減衰力可変手段の構成
部材の一つであり、通路40の大径部40aの内径より
も小さな外径を有する小径部42aと、小径部42aの
下端部分に形成された円錐部42bとを備えている。調
整ロッド42は、円錐部42bの先端が通路40の小径
部40bへ進入するように配置されている。円錐部42
bの外周面と、通路40の段差40cとの間にはクリア
ランスCが形成されている。
【0031】調整ロッド42の外周の小径部42aより
上方の部位にはOリング43が装着されている。Oリン
グ43により、調整ロッド42の小径部42aの外周と
通路40の大径部40aの内周との間に、環状の連通空
間44が画成されている。この連通空間44は、クリア
ランスCを介して、通路40の小径部40bの内部空間
と連通している。
【0032】ピストンロッド16には、その径方向に延
びて、上室34と連通空間44とを連通する連通路46
が設けられている。更に、ピストンロッド16には、そ
の径方向に延びて、通路40の小径部40bの内部空間
と中室36とを連通する連通路47が設けられている。
【0033】調整ロッド42は、図示しないネジ部にお
いて、通路40の大径部4Oaと螺合しており、その上
端部がアクチュエータ2FRと係合している。このため、
アクチュエータ2FRにより調整ロッド42を回転操作
し、これにより調整ロッド42の上下位置を変化させる
ことで、クリアランスCを調整することができる。
【0034】ピストンロッド16の小径部分の外周に
は、上側から順にストッパプレート48、リーフシート
49、リーフバルブ50、サブピストン30、リーフバ
ルブ54、及びリーフシート56が嵌着されている。
【0035】リーフバルブ50,54は、薄板材より構
成された低い曲げ剛性を有する部材である。サブピスト
ン30の上端面及び下端面には、それぞれ、環状溝58
及び60が設けられている。リーフバルブ50及び54
は、それぞれ、環状溝58及び60を閉塞するように配
設されている。また、サブピストン30には、環状溝5
8の内部空間と中室36とを連通する貫通通路62、及
び、環状溝60の内部空間と上室34とを連通する貫通
通路64が設けられている。
【0036】リーフバルブ50は、中室36の液圧が上
室34の液圧に比して所定の開弁圧P1だけ高圧となっ
た場合に撓み変形することで開弁し、中室36から上室
34へ向かう作動流体FOILの流れを許容する。また、
リーフバルブ54は、上室34の液圧が中室36の液圧
に比して所定の開弁圧P2だけ高圧となった場合に撓み
変形することで開弁し、上室34から中室36へ向かう
作動流体の流れを許容する。
【0037】サブピストン30の外周には、ピストンリ
ング66が装着されている。ピストンリング66により
サブピストン30と内筒20との間のシール性が確保さ
れている。ピストンロッド16の外周のリーフシート5
6の更に下方には、上側から順に、中空の連通部材6
8、リーフシート70、スペーサ72、スプリングシー
ト74、及びスペーサ76が嵌着されている。
【0038】連通部材68は、その径方向を貫通し、ピ
ストンロッド16の連通路47と連通する連通路77を
備えている。また、スペーサ76の外周には、スプリン
グシート78が軸方向に摺動可能に嵌着されている。ス
プリングシート74とスプリングシート78との間に
は、スプリング80が配設されている。
【0039】ピストンロッド16の外周のスペーサ76
の更に下方には、上側から順に、リーフバルブ82、メ
インピストン32、及びリーフバルブ86が嵌着されて
いる。メインピストン32の上端面には、複数のシート
面92が設けられている。また、メインピストン32の
下端面には、複数のシート面94が、シート面92に対
応しない位置に設けられている。リーフバルブ82及び
86は複数枚の薄板材を重ねてなる部材であり、それぞ
れシート面92及び94の頂面に当接するように配設さ
れている。また、メインピストン32の外周にはピスト
ンリング95が装着されている。ピストンリング95に
より、メインピストン32と内筒20との間のシール性
が確保されている。
【0040】メインピストン32には、また、その軸方
向を貫通する貫通通路96及び98が設けられている。
貫通通路96は、その上端部においてシート面92の間
の凹部に開口し、その下端部においてシート面94の頂
面に開口するように構成されている。また、貫通通路9
8は、その上端部においてシート面92の頂面に開口
し、その下端部においてシート面94の間の凹部に開口
するように構成されている。
【0041】リーフバルブ82を構成する最もメインピ
ストン32側の薄板材には、リーフバルブ82がシート
面92に当接した状態で、貫通通路98と中室36とを
連通させる第1オリフィス(図示せず)が形成されてい
る。
【0042】ピストンロッド16の外周のリーフバルブ
86の更に下方には、スリーブ状のスペーサ198が嵌
着されている。また、ピストンロッド16の下端部には
ネジ部16cが形成されており、このネジ部16cには
スプリングシート100が螺着されている。スペーサ1
98の外周にはスプリングシート102が軸方向に摺動
可能に装着されている。スプリングシート102とスプ
リングシート100との間にはスプリング104が配設
されている。
【0043】ピストンロッド16の小径部分の下端に
は、通路40を塞ぐスクリュー105が装着されてい
る。このため、通路40と下室38との連通は遮断さ
れ、通路40はリーフバルブ82,86が閉じた状態に
おいて上室34及び中室36とのみ連通している。
【0044】ピストンロッド16の下部の小径部分の外
周に配設された部材は、ロアスプリングシート100に
より、大径部16aと小径部分との境界の段差面に向け
て押圧されることで、ピストンロッド16に一体に固定
されている。
【0045】リーフバルブ82及び86は、それぞれ、
スプリング80及び104の付勢力により、メインピス
トン32のシート面92及び94の頂面に向けて押圧さ
れている。リーフバルブ82は、下室38の液圧が中室
36の液圧に比して所定の開弁圧P3以上の高圧になる
と、スプリング80の付勢力に抗して上向きに撓み変形
することで開弁し、下室38から中室36へ向かう作動
流体の流れを許容する。また、リーフバルブ86は、中
室36の液圧が下室38の液圧に比して所定の開弁圧P
4以上の高圧になると、スプリング104の付勢力に抗
して下向きに撓み変形することで開弁し、中室36から
下室38へ向かう作動流体の流れを許容する。
【0046】本実施の形態において、リーフバルブ50
及び54が低剛性の薄板部材より構成されていること
で、これらの開弁圧P1、P2は非常に小さな値に設定
されている。一方、リーフバルブ82、86がそれぞれ
スプリング80、104により押圧されていることで、
これらの開弁圧P3及びP4は、開弁圧P1及びP2よ
りも大きな値に設定されている。
【0047】図5は、ショックアブソーバ10FRにより
実現される減衰力特性を示す。横軸はピストンロッド1
6の長手方向変位速度Vを示し、縦軸はショックアブソ
ーバ10FRが発生する減衰力Fを示す。なお、以下の説
明ではピストンロッド16が内筒20から退出する方
向、すなわち、伸長方向に変位する場合の減衰力Fを正
とする。
【0048】ピストンロッド16が伸長方向(正方向)
に変位すると、上室34の容積が減少すると共に下室3
8の容積が増加する。これらの容積変化を補償するため
に、図3に示した作動流体FOILが上室34から中室3
6を経て下室38へ流入する。更に、ピストンロッド1
6が内筒20から退出することで、内筒20の容積が増
加する。この内筒20の容積の増加を補償するため、作
動流体FOILが環状室21からべ一スバルブ41を介し
て下室38へ流入する。
【0049】ピストンロッド16の変位速度Vが十分に
低速である場合、上室34と中室36との間の差圧、及
び、中室36と下室38との間の差圧は小さく、リーフ
バルブ54、及び、リーフバルブ86は何れも閉弁状態
に保持される。このため、上室34内の作動流体FOIL
は、ピストンロッド16の連通路46、連通空間44、
クリアランスC、通路40の小径部40b、連通路4
7、及び連通部材68の連通路77からなる流路(以
下、バイパス通路と称す)を通って、中室36へ流入す
る。また、中室36内の作動流体は、メインピストン3
2の貫通通路96及びリーフバルブ86に形成された第
2オリフィス又は第1オリフィスを通って下室38へ流
入する。作動流体FOILがバイパス通路及びこれらのオ
リフィスを経由して流通する際には、流通抵抗に伴う減
衰力が発生する。
【0050】ショックアブソーバ10が発揮する減衰力
Fは、作動流体が上室34から中室36へ流通する際の
流通抵抗R1に応じて発生する減衰力Faと、作動流体
が中室36から下室38へ流通する際の流通抵抗R2に
応じて発生する減衰力Fbとの和となる。このため。図
5に符号A1で示す如く、減衰力Fは変位速度Vの増加
に伴って大きな勾配で立ち上がる。
【0051】作動流体FOILが上室34から中室36へ
流通する際の流通抵抗R1が増加すると、上室34と中
室36との間の差圧が上昇する。また、作動流体FOIL
が中室36から下室38へ流通する際の流通抵抗R2が
増加すると、中室36と下室38との間の差圧が上昇す
る。そして、上室34と中室36との間の差圧がリーフ
バルブ54の開弁圧P2に達するまで変位速度Vが上昇
すると、リーフバルブ54が開弁する。以下、リーフバ
ルブ54が開弁する際のピストンロッド16の変位速度
V、及びショックアブソーバ10FRが発生する減衰力F
を、それぞれ、第1開弁速度V1、及び、第1開弁減衰
力F1と称する。
【0052】上述の如く、本実施の形態においては、第
1開弁減衰力F1が非常に小さな値、例えば、3〜5k
gfとなるように、リーフバルブ54の開弁圧P2を十
分に小さく設定している。このようにリーフバルブ54
の開弁圧P2が設定された場合、第1開弁速度V1は
0.05m/s以下の非常に低い速度となる。
【0053】リーフバルブ54が開弁すると、上室34
から中室36への流体の移動は、バイパス通路と共に貫
通通路64を介して行なわれるようになる。このため、
作動流体FOILが上室34から中室36へ向けて流通す
る際の流通抵抗R1が減少する。そして、流通抵抗R1
が減少することで、図5に符号A2を付して示す如く、
変位速度Vが第1開弁速度V1を上回った領域では、減
衰力Fの増加勾配が減少する。
【0054】変位速度Vが更に増加し、中室36と下室
38との間の差圧がリーブバルブ86の開弁圧P4に達
すると、リーフバルブ86が開弁する。以下、リーフバ
ルブ86が開弁する際の変位速度V及び減衰力Fを、そ
れぞれ、第2開弁速度V2、及び、第2開弁減衰力F2
と称する。本実施の形態においては、第2開弁減衰力F
2が例えば50kgf程度になるように、リーフバルブ
86の開弁圧P4を設定している。この場合、第2開弁
速度V2は0.2m/s程度の値となる。
【0055】リーフバルブ86が開弁すると、中室36
から下室38へ至る流路の流路面積が増大することで、
作動流体FOILが中室36から下室38へ向けて流通す
る際の流通抵抗R2は小さくなる。このため、図5に符
号A3で示す如く、変位速度Vが第2開弁速度V2を上
回った領域では、減衰力Fの増加勾配は更に減少する。
【0056】一方、ピストンロッド16が内筒20へ進
入する方向、すなわち、収縮方向に変位する場合には、
上室34の容積が増加すると共に、下室38の容積が減
少する。これらの容積変化を補償するために、作動流体
OILが、下室38から、中室36を経て、上室34へ
流入する。また、ピストンロッド16が内筒20へ進入
することで、内筒20の容積が減少する。かかる内筒2
0の容積減少を補償するため、作動流体が下室38から
ベースバルブ41を介して環状室21へ流出する。
【0057】本実施の形態において、リーフバルブ50
の開弁圧P1は、リーフバルブ54の開弁圧P2とほぼ
一致するように設定されている。このため、変位速度V
が第1開弁速度V1にほぼ等しいv1に達し、減衰力F
が第1開弁減衰力F1にほぼ等しいf1となった時点
で、リーフバルブ50が開弁する。
【0058】また、リーフバルブ82の開弁圧P3は、
リーフバルブ86の開弁圧P4に比して若干小さくなる
ように設定されている。このため、変位速度Vが第2開
弁速度V2より小さいv2(例えば0.15m/s程
度)に達し、減衰力Fが第2開弁減衰力F2より小さい
f2(例えば30kgf程度)となった時点で、リーフ
バルブ82が開弁する。なお、以下、リーフバルブ50
及び82が開弁する際のピストンロッド16の変位速度
であるv1及びv2も、それぞれ第1開弁速度及び第2
開弁速度と称し、また、リーフバルブ50及び82が開
弁する際の減衰力Fであるf1及びf2も、それぞれ、
第1開弁減衰力及び第2開弁減衰力と称する。
【0059】ピストンロッド16が収縮方向に変位する
場合においても、ピストンロッド16が伸長方向へ変位
する場合と同様に、ピストンロッド16の変位速度Vが
第1開弁速度v1に達するまでは、図5に符号B1を付
して示す如く、減衰力Fは比較的大きな勾配で立ち上が
る。そして、変位速度Vが第1開弁速度v1に達する
と、リーフバルブ50が開弁することで、図5に符号B
2を付して示す如く、減衰力Fの増加勾配は減少する。
更に、変位速度Vが第2開弁速度v2に達すると、リー
フバルブ82が開弁することで、図5に符号B3を付し
て示す如く、減衰力Fの増加勾配は更に減少する。
【0060】このように、本ショックアブソーバ10FR
によれば、ピストンロッド16の変位速度Vが、低速域
(第1開弁速度V1、v1以下の領域)から、高速域
(第1開弁速度V1、v1を超える領域)へと遷移する
のに応じて、順次、減衰力Fの増加勾配が減少するよう
な減衰力特性が実現される。
【0061】ところで、バイパス通路の開度はクリアラ
ンスCの大きさに応じて変化する。バイパス通路の開度
が大きいほど、作動流体FOILがバイパス通路を流通す
る際の流通抵抗は小さくなる。バイパス通路を流通する
際の流通抵抗が小さくなると、一定の変位速度Vに対し
て生ずる上室34と中室36と間の差圧が小さくなり、
減衰力Fが小さくなる。すなわち、図5に符号a1、b
1を付して破線で示すように、減衰力特性の勾配は小さ
いものとなる。
【0062】したがって、クリアランスCを調整するこ
とで、ピストンロッド16の変位速度Vが第1開弁速度
V1、v1よりも大きい領域、すなわち、高速域におけ
る減衰力特性をほぼ一定に維持しつつ、第1開弁速度V
1、v1以下における減衰力特性を変化させることがで
きる。上述の如く、第1開弁速度V1、v1は0.05
m/s以下の低い値に設定されている。したがって、本
実施の形態に係るショックアブソーバ10FRによれば、
クリアランスCを変化させることによって、高速域にお
ける減衰力特性に影響を与えることなく、0.05m/
s以下の低速域におけるショックアブソーバ10FRの減
衰力特性のみを調整することができる。また、アクチュ
エータ2FRの駆動を制御してクリアランスCを段階的に
変化させることにより、ピストンロッド16の低速域に
おいてショックアブソーバ10FRの減衰力特性の勾配を
段階的に可変することも可能となる。
【0063】本実施の形態に係るショックアブソーバ1
FR,10FL,10RR,10RLを用いて走行実験を行っ
た。この結果、低速域における減衰力特性に依存して、
車両の乗り心地及び操縦安定性が大きく変化した。例え
ば、クリアランスCを減少させて低速域における減衰力
特性の勾配を増加させると、旋回走行時のステアリング
の保舵力が大きくなることで、ステアリングの手応え感
が増加する。また、低速域における減衰力特性の変化に
対して、旋回走行時の車両のローリング速度、及び、操
舵時における車両のヨーイング変化の応答性は敏感に変
化する。したがって、本実施形態に係るショックアブソ
ーバ10FRによれば、クリアランスCを調整し、低速域
における減衰力特性を変化させることで、より最適な乗
り心地及び操縦安定性を得ることができる。
【0064】なお、減衰力の制御対象となるショックア
ブソーバは、上述したショックアブソーバ10FRに限ら
れるものではなく、伸縮速度の低速域で減衰力を可変可
能としたものであれば、その他の構造のものであっても
よい。
【0065】次に上述のショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLを備えた車両200のシステム構
成について説明する。
【0066】図6は、本実施の形態に係る車両200の
システム構成を示す。車両200は、車両前方の道路を
撮像するビデオカメラ204から出力された映像信号を
受信し、映像信号の2値化処理及び輪郭抽出処理を行う
画像処理装置212を備えている。画像処理装置212
からは映像信号が2値化され輪郭抽出処理された画像信
号が出力され、ECU8に入力される。
【0067】車両200は、アンテナ205により受信
した車両位置を示す電波から車両自己位置を演算するグ
ローバルポジショニングシステム(GPS)213と、
道路地図情報が格納されたCDROM等の地図情報記録
媒体214と、地図情報記録媒体214に格納された道
路地図情報を読み取るとともに、これらの車両自己位置
情報及び道路地図情報から道路地図上の車両自己位置を
決定するナビゲーションシステムECU215を備えて
いる。
【0068】なお、ナビゲーションシステムECU21
5は、衛星からの電波のみではなく、ハンドル4aの操
舵角を検出する舵角センサ4b、車両ヨー方向の角速度
を検出するヨーレイトセンサ5、及び各車輪の回転速度
をそれぞれ検出する車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6
RLからの入力信号にも基づいて、地図上の車両自己位置
を決定してもよい。このようにして決定された地図上の
車両自己位置は、道路地図情報とともに運転操作者が運
転中に視認可能な位置に設けられたディスプレイ216
上に表示される。ナビゲーションシステムECU215
からは、道路の地図情報及び地図上の車両自己位置情報
が出力され、これらの情報はECU8に入力される。
【0069】ECU8には、舵角センサ4bからの操舵
角信号、車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6RLからの車
輪速信号、ヨーレイトセンサ5からのヨーレイト信号、
車体上下方向の加速度を検出するGセンサ217から出
力される上下加速度信号が入力される。
【0070】まず、車両直進時のショックアブソーバの
減衰力制御について説明する。車両200が直進してい
る間は、ハンドル4aを大きく操作することはない。し
たがって、舵角センサ4bから出力される操舵角信号か
らハンドル4aの操舵角が所定値以内であると判定され
る場合には、ECU8は車両200が直進走行している
ものと判定し、スカイフック制御理論に基づき、ショッ
クアブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力
を制御する制御信号をアクチュエータ2FR,2FL
RR,2RLに出力する。この車両直進走行時の制御にお
いては、ECU8がGセンサ217から出力される上下
加速度信号に基づき、ばね上とばね下の相対速度を算出
し、路面状況に応じた最適な制振効果が得られる減衰力
を演算する。しかる後、ECU8は、ショックアブソー
バ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力が、演算さ
れた減衰力になるような制御信号をアクチュエータ
FR,2FL,2RR,2RLに出力する。
【0071】なお、ECU8は、Gセンサ217の出力
信号の代わりに車輪11FR,11FL,11RR,11RL
の上下加速度を検出するように車輪11FR,11FL,1
RR,11RL位置毎に設けられたGセンサ7FR,7FL
RR,7RLの出力信号を用いてそれぞれのショックアブ
ソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制御を
行ってもよいし、車輪11FR,11FL,11RR,11RL
の車体201に対する相対位置を検出するストロークセ
ンサ(図示せず)からの出力を用いて、ばね上とばね下
の相対速度を算出してもよい。
【0072】次に、車両旋回時のショックアブソーバの
減衰力制御について説明する。
【0073】図7は、車両旋回時のショックアブソーバ
10FR,10FL,10RR,10RLの制御を説明するため
のフローチャートである。なお、以下の説明においては
図6及び図8(a)〜図8(c)を適宜参照する。
【0074】ステップS1においては、ナビゲーション
システムECU215及び画像処理装置212からの出
力信号が入力される。
【0075】ECU8は、ナビゲーションシステムEC
U215からの出力信号に基づいて道路地図上の車両自
己位置を確認する。ECU8は、この情報から車両20
0前方の道路がカーブしているかどうかについて判定す
る。車両200前方の道路がカーブしている旨が判定さ
れた場合、ECU8は、道路地図情報からカーブの始点
位置を決定し、車両自己位置からカーブの始点位置まで
の距離Dを演算する。なお、この距離演算の結果を画像
処理装置212からの出力信号に基づいて自車位置補
正、すなわちランドマーク補正して距離Dとしてもよ
い。
【0076】ECU8は、道路地図情報からカーブが右
方向に曲がっているか左方向に曲っているかどうかのカ
ーブ曲り方向情報、及びカーブの曲率半径Rの情報を得
ることができる。なお、曲率半径の異なる2以上のカー
ブした道路が複合してなる複合カーブにおいては、カー
ブ始点から前半部のカーブの曲率半径Rを採用する。
【0077】カメラ204から出力される車両200前
方の映像信号は、画像処理装置212によって2値化さ
れ、輪郭抽出処理され、道路の外縁を示す線図の画像信
号としてECU8に入力される。なお、走行している自
車線の道路幅が外縁に沿って平行に延びた2本の白線に
よって規定されている場合は、これらの白線像が道路の
外縁を示す。なお、画像処理装置212から出力される
画像信号には、車両フードパネルの輪郭を示す線図も含
まれている。
【0078】ECU8は、画像処理装置212から出力
された道路RDの外縁を示す旋回内側及び外側の白線像
と、画像処理装置212から出力された車両フードパネ
ル218の輪郭像の前縁中心Oとの間の距離(1/2道
路幅)wIN及びwOUTをそれぞれ演算し、ECU8内の
メモリ空間内に描画する(図8(a)参照)。実際の1
/2道路RDの幅WIN及びWOUTは、画像内の1/2道
路幅wIN及びwOUT値の定数倍である。すなわち、比例
定数をkとすると、WIN=k・wIN、WOUT=k・wOUT
であり、道路幅W=WIN+WOUT=k・(wIN+wOUT
である。
【0079】車両フードパネル218の前縁中心Oから
の旋回内側の白線位置を基準として道路の位置を規定す
ると、その位置はk・wINである。なお、カメラ204
と車両フードパネル218の前縁中心Oとを結ぶ線の延
長線と道路との交点とカメラ204との間の距離は予め
計測してあるため、比例定数kは予め決定しておくこと
ができる。なお、測定される画像内の1/2道路幅wIN
及びwOUTは、ピッチング等の車両挙動を考慮して、所
定時間内の平均値を用いることが好ましい。この所定時
間は、車両200の共振ピッチング周期程度が好まし
い。これらのビデオカメラ204からの出力映像信号か
ら得られた道路幅及び道路位置の情報はECU8内のメ
モリに格納されるが、ディスプレイ216に出力しても
よい。
【0080】ステップS2では、車両前方の道路が急カ
ーブであるかどうかについて判定する。上述のように、
ECU8は、ナビゲーションシステムECU215から
の出力信号に基づいて、カーブ曲り方向情報及びカーブ
の曲率半径Rの情報を保持している。また、ECU8に
は車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6RLからの出力信号
も入力されている。ECU8は、車輪速センサ6FR,6
FL,6RR,6RLからの出力信号の平均値等を用いて、車
両200の車速vを算出する。車両前方にあるカーブし
た道路の曲率半径R及び車速vから、車両200がこの
曲率の道路を速度vで走行した時に車両200に加わる
横方向加速度Aを予測することができる。加速度A=v
2/Rである。ECU8は、この計算を行うことによっ
て、予測される横方向加速度Aを得る。ECU8は、演
算された加速度Aがしきい値ATHよりも大きいかどうか
について判定することにより、車両前方の道路が急カー
ブであるかどうかについての判定を行い、前方の道路が
急カーブであると判定されるまでステップS1の処理を
繰り返す。
【0081】ステップS3では、車両前方の道路が急カ
ーブであると判定されている。画像処理装置212の出
力信号に基づいて道路幅W及び道路位置(白線位置)の
情報は既に得られているので、ECU8はこれらの情報
と道路の曲率半径Rの情報を用いて、ECU8内のメモ
リ空間内に幅Wを有する仮想道路RDを描画する(図8
(b))。
【0082】ステップS4では、ECU8は、図8
(a)及び図8(b)にそれぞれ示された実際の道路R
Dの線図画像及び仮想道路RDの線図画像をメモリ空間
内において比較し、これらの道路RDの両外縁を示す旋
回内側及び外側の白線画像の高低ずれHIN、HOUTを演
算する(図8(c))。なお、図8(c)は、図8
(a)及び図8(b)内の領域X内のそれぞれの画像を
重畳した画像を示す。
【0083】ステップS5では、ECU8は演算された
旋回内側及び外側の白線画像の高低ずれHIN、HOUT
値を用いて、道路の傾斜状態を判定する。道路の横断面
の傾斜状態には、横断面が(1)略水平である状態、
(2)旋回内側が高い状態(横断勾配逆バンク)、及び
(3)旋回外側が高い状態(横断勾配正バンク)の3通
りがある。道路の縦断面の傾斜状態には、縦断面が(I)
略水平である状態、(II)遠方が高い状態(縦断勾配乗り
上げ)、(III)近傍が高い状態(縦断勾配乗り下げ)の
3通りがある。したがって、道路の横断面及び縦断面を
考慮すると、傾斜状態には全部で9通りの場合がある。
【0084】図9は、高低ずれHIN及びHOUTに基づく
上記9通りの傾斜状態を示す判定結果及び判定結果に応
じたショックアブソーバの減衰力(H:ハード、S:ソ
フト)制御方法を示す。道路の傾斜状態は、同図に示す
ように高低ずれHIN及びHOU Tの値を用いて場合分けす
ることができる。例えば、同図左上欄に示すように、外
側高低ずれHOUTが、0よりも大きなしきい値HTHより
も大きく、且つ、内側高低ずれHINがしきい値HTHより
も大きい場合には、横断勾配が略水平であり、且つ、縦
断勾配が乗り上げであると判定し、内輪11FL,11RL
及び外輪11FR,11RRに対応したショックアブソーバ
10FL,10RL及び11FR,11RRの伸縮速度の低速域
における減衰力を共にハードHに(大きく)設定する旨
を示し、残りの欄はこれと同様に記載されている。
【0085】このようにして、図7のステップS5にお
ける道路の傾斜状態の判定を行った後、その判定結果に
応じて道路の傾斜状態を決定し(S6)、図9に示した
ように、決定された傾斜状態に応じてショックアブソー
バ減衰力制御方法を決定する(S7)。
【0086】図9に示した減衰力制御方法について詳説
する。平坦な路面における車両200旋回時において
は、車両200に加わる旋回横加速度、すなわち遠心
力、及びロールセンタRCを中心とする重心Gへのロー
ル方向回転モーメントによって車体201が旋回外側に
向けてロールし、旋回内輪11FL,11RLが浮き上がろ
うとし、旋回外輪11FR,11RRが沈み込もうとする。
したがって、内輪側のショックアブソーバ10FL,10
RLが伸び、外輪側のショックアブソーバ10FR,10RR
が縮もうとする。したがって、車体201のロールを抑
制するためには、内外輪に設けられたショックアブソー
バ10FL,10RL及び10FR,10RRの減衰力を増大さ
せてハードHにすることが望ましい。しかしながら、カ
ーブカントを考慮すると、旋回内側が高くなる逆バンク
の路面においては、内輪11FL,11RL側の路面がタイ
ヤを押し上げるため、内輪側のショックアブソーバ10
FL,10RLをハードHにするとロールが増大する。した
がって、このような場合にはショックアブソーバ1
FL,10RLの減衰力を減少させソフトSにすることが
好ましく、図9に示される減衰力制御方法はこのような
原理に基づいて分類されている。
【0087】すなわち、ECU8は、カーブ外側の方が
低くなるように道路が傾斜している場合には、旋回内側
の方のショックアブソーバ10FL,10RLの減衰力が旋
回外側の方のショックアブソーバ10FR,10RRの減衰
力よりも低くなるような制御信号を、旋回内側の方のシ
ョックアブソーバ10FL,10RLの減衰力を制御するア
クチュエータ2FL,2RLに出力する。なお、本ショック
アブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLは、上述の
ように旋回中等の伸縮速度が低速である場合の減衰力を
可変することができる。
【0088】上記傾斜状態判定に利用する高低ずれHIN
及びHOUTのカメラ204からの距離dは、d=車速v
×アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLの応答遅れ時
間τに設定する。この場合、距離dの地点における路面
の傾斜状態に合わせてショックアブソーバ10FR,10
FL,10RR,10RLの減衰力を可変するような制御信号
を直にアクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLに出力す
れば、アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLは制御信
号の出力後の時間τ秒後に動作するため、対象となる地
点における路面の傾斜状態に合わせてショックアブソー
バ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力を可変する
ことができる。
【0089】すなわち、ECU8は、地図情報及び画像
情報から車両200が道路のカーブの始点に到達する時
刻t0を推定し、アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2
RLへの制御信号の出力時刻を、推定した到達時刻t0
前(t0−τ)に設定する。なお、車速v×応答遅れ時
間τよりも遠い地点の距離の高低ずれHIN及びHOUT
傾斜状態判定に利用してもよい。すなわち、車両200
においては、車両200がカーブの始点に到達する前に
減衰力制御を開始する。
【0090】ステップS7において減衰力制御方法が決
定されると、ECU8は現在車両自己位置からカーブの
始点までの距離Dの値を用いて、カーブ進入余裕時間T
=距離D/車速vを演算する(S8)。上述のように、
アクチュエータ制御応答遅れ時間τを考慮すると、カー
ブの始点より距離d=v×τだけ手前の地点から制御を
開始することが好ましい。そこで、ステップS8におい
て演算されるカーブ進入余裕時間Tが、アクチュエータ
制御応答遅れ時間τに一致するか、又は、小さくなった
かどうかを判定し(S9)、この条件が成立した場合に
アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLへの制御信号を
出力し、ショックアブソーバ10FR,10FL,10RR
10RLの減衰力制御を開始する(S10)。なお、ステ
ップS10においては、ステップS7において決定され
た微低速域減衰力制御方法を用いる。
【0091】減衰力制御が開始されて時間τが経過した
後においても、カーブへの進入が確認されない場合、す
なわち、舵角センサ4bの出力信号からハンドル4aが
操舵が所定値以上行われていないと判定される場合(操
舵角θがしきい値θTH以下の場合)には、ECU8は車
両200がカーブに進入する前に旋回中止等をしたもの
と見做して減衰力制御を終了する(S13)。すなわ
ち、ECU8は、制御信号の出力後の所定時間τ内に旋
回操作が行われない場合にはショックアブソーバ1
FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制御を中止す
る。
【0092】減衰力制御が開始されて時間τが経過した
後、カーブへの進入が確認された場合、すなわち、舵角
センサ4bの出力信号からハンドル4aが操舵が所定値
以上行われたと判定される場合(操舵角θがしきい値θ
THよりも大きい場合)には、ECU8はカーブの曲率が
一定であるかどうかを判定する(S12)。カーブの曲
率が一定であれば、車両200は定常旋回に入るため、
運転操作者はハンドル操作をあまり行わない。したがっ
て、このような場合には、舵角センサ4bの出力信号の
微分値△θ(操舵角θの角速度)がしきい値△θTHより
も小さくなる。微分値△θがしきい値△θTHよりも小さ
くなった場合には減衰力制御を終了し、そうでない場合
には減衰力制御を続行する。
【0093】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
るものではなく、種々の変形が可能である。次に、内外
輪に設けられたショックアブソーバ10FR,10FL,1
RR,10RLの減衰力のECU8による別の制御方法に
ついてさらに詳しく説明する。
【0094】図10は、高低ずれHIN、HOUTに基づく
9通りの傾斜状態を示す判定結果及び判定結果に応じた
ショックアブソーバの減衰力(H:ハード、S:ソフ
ト)制御方法を図9と同一形式で示す表である。この減
衰力制御方法は、図7に示したフローチャートのステッ
プS5において、図9に示したものの代わりに用いられ
る。なお、図10中のS→Hは、旋回初期にショックア
ブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの伸縮速度の
低速域における減衰力をソフトSに(小さく)設定し、
その後、旋回途中からショックアブソーバ10FR,10
FL,10RR,10RLの減衰力をハードHに(大きく)設
定する旨を示す。すなわち、平坦な路面における車両2
00旋回時においては、上述のように内輪側のショック
アブソーバ10FL,10RLが伸び、外輪側のショックア
ブソーバ10FR,10RRが縮もうとする。車輪11FR
11FL,11RR,11RLのタイヤ接地性能を向上させる
ためには、内輪に設けられたショックアブソーバ1
FL,10RLの減衰力を減少させてソフトSにし、外輪
に設けられたショックアブソーバ10FR,10RRの減衰
力を内輪側で減少させた量だけ増大させてハードHに
し、車両200全体としての安定性及び減衰力を確保す
ることが望ましい。しかしながら、カーブカントを考慮
すると、旋回外側が大きく高くなる又は低くなる路面に
おいては、旋回初期において外輪側のショックアブソー
バ10FR,10RRの減衰力を減少させてソフトSにし、
定常旋回への移行に伴って減衰力を増大させてハードH
にすることによって、過渡時のタイヤ接地追従性を向上
させることができ、図10に示される減衰力制御方法は
このような原理に基づいて分類されている。
【0095】以上、説明したように、本実施の形態に係
る車両は、車輪11FR,11FL,11RR,11RLと車体
201との間に設けられ伸縮速度の低速域における減衰
力が可変可能なショックアブソーバ10FR,10FL,1
RR,10RLと、ショックアブソーバ10FR,10FL
10RR,10RLの減衰力を可変するアクチュエータ
FR,2FL,2RR,2RLと、車両前方の道路を撮像して
道路の画像情報を出力するカメラ204と、道路の地図
情報及び画像情報から道路の傾斜を検出し道路がカーブ
している場合には検出された道路の傾斜に応じてショッ
クアブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力
を制御する制御信号をアクチュエータ2FR,2FL
RR,2RLに出力する制御手段8とを備える。
【0096】また、制御手段8は、地図情報及び画像情
報から車両200が道路のカーブの始点に到達する時刻
0を推定し、制御信号の出力時刻t0−τを推定した到
達時刻の前に設定することが好ましい。
【0097】また、制御手段8は、制御信号の出力後の
所定時間τ内に旋回操作が行われない場合にはショック
アブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制
御を中止することが好ましい。
【0098】また、制御手段8は、カーブ外側の方が低
くなるように道路が傾斜している場合には、旋回内側の
方のショックアブソーバ10FL,10RLの減衰力が旋回
外側の方のショックアブソーバ10FR,10RRの減衰力
よりも低くなるような制御信号を、旋回内側の方のショ
ックアブソーバ10FL,10RLの減衰力を制御するアク
チュエータ2FL,2RLに出力することが好ましい。
【0099】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の車両に
よれば、制御手段が道路の地図情報及び画像情報から道
路の傾斜を検出し、検出された道路の傾斜に応じて制御
信号をアクチュエータに出力して、ショックアブソーバ
の低速伸縮時の減衰力を制御するので、タイヤ接地性を
向上させ、車両の乗り心地性及び操縦性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の斜視図。
【図2】図1に示した車両のI-I矢印断面図。
【図3】図2に示した懸架装置主要部のII-II矢印断面
図。
【図4】図3に示したショックアブソーバの部分拡大
図。
【図5】ショックアブソーバの減衰力の伸縮速度に対す
る関係を示すグラフ。
【図6】車両のシステムを示すシステム構成図。
【図7】ECUにおける減衰力制御を説明するためのフ
ローチャート。
【図8】カメラの白線中心画像(a)、仮想ライン白線
画像(b)及び白線画像と仮想ラインのずれ演算を説明
するための説明図。
【図9】旋回外側のカメラ白線の仮想白線に対する高低
ずれと、旋回内側のカメラ白線の仮想白線に対する高低
ずれとに基づいて分類された路面傾斜の判定結果及び対
応する判定結果毎のショックアブソーバの減衰力制御方
法を示す表。
【図10】旋回外側のカメラ白線の仮想白線に対する高
低ずれと、旋回内側のカメラ白線の仮想白線に対する高
低ずれとに基づいて分類された路面傾斜の判定結果及び
対応する判定結果毎の別のショックアブソーバの減衰力
制御方法を示す表。
【符号の説明】
11FR,11FL,11RR,11RL…車輪、201…車
体、10FR,10FL,10RR,10RL…ショックアブソ
ーバ、2FR,2FL,2RR,2RL…アクチュエータ、20
4…カメラ、8…制御手段。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車両用懸架装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バの減衰力が制御される車両用懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用懸架装置は、一般的に車輪と車体
との間に設けられるショックアブソーバを有している。
従来のショックアブソーバの減衰力制御を行う装置は、
特開平5−294122号公報に記載されている。この
装置は、スカイフック理論に基づきばね上速度、ばね上
とばね下の相対速度によりショックアブソーバの減衰係
数を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用懸架装置を搭載した車両においては、車両の
乗心地性及び操縦性は十分とは言えない。本発明は、こ
のような課題に鑑みてなされたものであり、乗り心地性
及び操縦性を向上可能な車両用懸架装置を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用懸架
装置は、車輪と車体との間に設けられ伸縮速度の低速域
における減衰力が可変可能なショックアブソーバと、シ
ョックアブソーバの減衰力を可変するアクチュエータ
と、前方の道路を撮像して道路の画像情報を出力するカ
メラと、道路の地図情報及び画像情報から道路の傾斜を
検出し道路がカーブしている場合には検出された道路の
傾斜に応じてショックアブソーバの減衰力を制御する制
御信号をアクチュエータに出力する制御手段とを備え
る。
【0005】車両がカーブした道路に進入して旋回を行
う場合、車輪と車体との間に設けられたショックアブソ
ーバは低速域の伸縮を行う。本車両用懸架装置によれ
ば、カメラが車両前方の道路を撮像して道路の画像情報
を出力するとともに、制御手段が道路の地図情報及び画
像情報から道路の傾斜を検出し、検出された道路の傾斜
に応じて制御信号をアクチュエータに出力し、車両旋回
時、すなわち、ショックアブソーバの低速伸縮時の減衰
力を制御する。
【0006】また、制御手段は、地図情報及び画像情報
から車両が道路のカーブの始点に到達する時刻を推定
し、制御信号の出力時刻を推定した到達時刻の前に設定
することが好ましい。この場合、好適には制御信号の出
力時刻をアクチュエータの応答遅れを見込んで設定すれ
ば、車両到達時刻には道路傾斜に応じてアクチュエータ
が駆動し、ショックアブソーバの減衰力を車両到達時の
傾斜に応じて制御することができる。
【0007】また、制御手段は、制御信号の出力後の所
定時間内に旋回操作が行われない場合にはショックアブ
ソーバの減衰力制御を中止することが好ましい。制御信
号の出力後の所定時間内に旋回操作が行われない場合、
運転操作者が制御手段によって予測された旋回を中止し
たものと推定することができる。したがって、このよう
な場合に制御手段はショックアブソーバの減衰力制御を
中止し、不用な減衰力制御の抑制をする。
【0008】また、制御手段は、カーブ外側の方が低く
なるように道路が傾斜している場合には、旋回内側の方
のショックアブソーバの減衰力が旋回外側の方のショッ
クアブソーバの減衰力よりも低くなるような制御信号
を、旋回内側の方のショックアブソーバの減衰力を制御
する方のアクチュエータに出力することが好ましい。
【0009】このような逆バンクの道路を車両が走行す
る場合、旋回内側の路面が車輪を押し上げるため、旋回
内側のショックアブソーバの減衰力を増大させるとロー
ルが増大する。したがって、制御手段はこのような場合
にショックアブソーバの減衰力を減少させる上記制御信
号を旋回内側のアクチュエータに出力し、ロールの増大
を抑制する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る車両用懸
架装置を搭載した車両について説明する。同一要素又は
同一機能を有する要素には同一符号を用いるものとし、
重複する説明は省略する。また、従来のものと同一の車
両構成要素については、簡単のため説明を省略する。
【0011】図1は実施の形態に係る車両200を示
す。車両200は、車体201及び車体201下部に回
転可能に設けられた右前輪11FR、左前輪11FL、右後
輪11RR並びに左後輪11RLを備えている。前輪1
FR,11FLはステアリングハンドル4aを操作するこ
とにより操舵され、前輪11FR,11FL又は/及び後輪
11RR,11RLは図示しないエンジンの駆動力が伝達さ
れて回転するため、車両200はこのエンジンの駆動に
よって走行するとともにハンドル4aの操作によってそ
の進行方向を変えることができる。
【0012】それぞれの車輪11FR,11FL,11RR
11RLは、懸架装置211FR,211FL,211RR,2
11RLによって車体201に支持されている。それぞれ
の懸架装置211FR,211FL,211RR,211
RLは、それぞれの車輪11FR,11FL,11RR,11RL
と車体201との間に設けられたショックアブソーバ
(ダンパ)10FR,10FL,10RR,10RLを備えてい
る。懸架装置211FR,211FL,211RR,211RL
は、車輪11FR,11FL,11RR,11RLを回転可能に
支持する支持部材としてナックルと車体201とを接続
するロアアーム202FR,202FL,202RR,202
RLを備えている。
【0013】ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLは、ロアアーム202FR,202FL,202
RR,202RLと車体201との間に配置されており、そ
の長手方向両端間に加わる荷重に応じて長手方向に伸縮
することができる。ショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLは、コイルスプリング203FR
203FL,203RR,203RL内を貫通している。コイ
ルスプリング203FR,203FL,203RR,203RL
の下端部は、ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLの長手方向中央部外周面に固定されており、
上端部は車体201に固定されている。
【0014】ショックアブソーバ10FR,10FL,10
RR,10RLは、伸縮速度の低速域における減衰力が可変
可能とされている。ショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLの減衰力は、車体201に設けら
れたアクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLを駆動する
ことによって可変させられる。アクチュエータ2FR,2
FL,2RR,2RLの駆動は、車体201内に配置されたア
ブソーバコントロールコンピュータ(ECU)8からア
クチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLに入力される制御
信号によって制御される。したがって、ECU8はショ
ックアブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰
力を制御する。
【0015】車両200は、車両前方を撮像することが
できる位置に設けられたビデオカメラ204を備えてい
る。また、車両200は、各車輪11FR,11FL,11
RR,11RL毎に設けられた車輪速センサ6FR,6FL,6
RR,6RL及び車両位置を確認することができる電波を衛
星から受信するためのアンテナ205を備えている。E
CU8は、これらの情報や車両挙動を示す各種センサか
らの情報に基づいてショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLの減衰力を制御するが、この減衰
力の制御については後述する。次に、懸架装置について
さらに詳しく説明する。
【0016】図2は、図1に示した車両200を長手方
向に垂直に切った車両200の断面図(I-I矢印断面
図)であり、同図中には前輪用の懸架装置211FR,2
11FLが示されている。なお、後輪用の懸架装置211
RR,211RLの構造は、前輪用の懸架装置211FR,2
11FLと同一なのでその説明を省略する。前輪11FR
11FLの内側には、ロアアーム202FR,202FLの一
端が連結された車輪11FR,11FLを回転可能に支持す
るステアリングナックル206FR,206FLが設けられ
ており、ステアリングナックル206FR,206FLの上
端部にはアッパーアーム207FR,207FLの一端が連
結されている。ロアアーム202FR,202FL及びアッ
パーアーム207FR,207FLの他端は、車体201に
揺動可能に連結されている。
【0017】車両200が例えば左旋回を始めると、車
体201は進行方向に平行なロールセンタRCの軸を中
心に右回転しようとし、車両重心Gには旋回による遠心
力及びロールセンタRC回りのモーメントが加わり、車
体201は旋回外側、すなわち右側に傾く。したがっ
て、左側のショックアブソーバ10FL及びコイルスプリ
ング203FLは、これに加わる荷重の減少に伴ってコイ
ルスプリング203FLのばね力にしたがって伸長しよう
とし、右側のショックアブソーバ10FR及びコイルスプ
リング203FRは、これに加わる荷重の増加に伴ってコ
イルスプリング203FRのばね力に抗して収縮しようと
する。
【0018】このような旋回中における左右のショック
アブソーバ10FL,10FRの伸縮速度は0.05m/s
以下の低速であり、車両直進中に小さな障害物を乗り越
える時の伸縮速度よりも小さい。本ショックアブソーバ
10FL,10FRは伸縮速度の低速域の減衰力を可変する
ことができる。低速域の減衰力を可変することができる
ショックアブソーバ10FL,10FRとしては種々のもの
が考えられるが、本実施の形態に係る好適なショックア
ブソーバについて以下に説明する。
【0019】図3は、図2に示した右前輪用ショックア
ブソーバ10FRを含む懸架装置主要部をショックアブソ
ーバ10FRの長手方向に沿って切った断面図(II-II矢
印断面図)である。なお、残りのショックアブソーバ1
FL,10RR,10RLの構造は、ショックアブソーバ1
FRと同一なのでその説明を省略する。ショックアブソ
ーバ10FRは、走行中のコイルスプリング203FRの振
動を減衰させて車両の乗り心地を向上させると共に、車
輪の接地性を高めて操縦安定性を向上させる役割を担う
ものであり、棒状を呈し車両状態に応じて伸縮可能な構
造となっている。ショックアブソーバ10FRは、その上
端が車体201に取り付けられ、その下端が図2に示し
たロアアーム202FRに固定された軸体13に取り付け
られている。
【0020】ショックアブソーバ10FRは、ピストンロ
ッド16と外筒18とを備えている。外筒18の長手方
向中央部外周にはこの外周を囲むように円環受皿型のガ
イド10aが固定されている。ピストンロッド16の上
端部分にはブラケット10bが掛止されており、ブラケ
ット10bと車体201との間にはゴム部材10cが介
在している。また、ガイド10aとブラケット10bの
間にはコイルスプリング203FRが配設されており、こ
のコイルスプリング203FRにより車体201が弾力的
に支えられている。
【0021】外筒18の内部には、内筒20が外筒18
と同軸に配設されている。外筒18と内筒20との間に
は、環状室21が形成されている。外筒18の上端に
は、ロッドガイド22が嵌挿されている。ロッドガイド
22は大径部22aと小径部22bとを有する円柱状の
剛性部材である。小径部22bの外周面は内筒20の内
周面と係合し、大径部22aの外周面は外筒18の内周
面と係合している。ロッドガイド22には、その中央部
に貫通孔が設けられている。この貫通孔には、ピストン
ロッド16が液密かつ摺動可能に挿通されている。ま
た、外筒18の上端には、キャップ24が、その中央を
ピストンロッド16が貫通するように固定されている。
【0022】ピストンロッド16は、その下端部分を小
径とした円柱状の中空部材である。ピストンロッド16
はその小径部が内筒20の内部に収容されるように配置
されている。ピストンロッド16には、内筒20の内部
に収容される位置に、リバウンドストッパ26及ぴリバ
ウンドストッパプレート28が装着されている。
【0023】リバウンドストッパプレート28は環状の
剛性部材であり、ピストンロッド16の外周に固定され
ている。また、リバウンドストッパ26は弾性を有する
環状部材であり、リバウンドストッパプレート28の上
部に装着されている。ピストンロッド16が上方へ所定
距離変位すると、リバウンドストッパ26がロッドガイ
ド22と当接し、ピストンロッド16の更なる変位が規
制される。
【0024】ピストンロッド16の下端部分には、上側
からサブピストン30、メインピストン32の順でこれ
らが固定されている。内筒20の内部空間は、サブピス
トン30及びメインピストン32により、サブピストン
30より上方の上室34と、サブピストン30とメイン
ピストン32との間の中室36と、メインピストン32
より下方の下室38とに区画されている。
【0025】サブピストン30及びメインピストン32
は、それぞれ上室34と中室36との間及び中室36と
下室38との間での流体の流通を許容するオリフィス及
び弁機構を備えており、ピストンロッド16の進退動に
応じて減衰力を発生させる。
【0026】外筒18の下端には、べースバルブ41が
固定されている。べ一スバルブ41は、下室38と環状
室21との流体の流通を許容するように構成されてい
る。外筒18の内部には、油等の作動流体FOILが、内
筒20の内部空間を充満すると共に、環状室21を所定
の高さまで満たすように収容されている。
【0027】図4は、図3に示したショックアブソーバ
の領域IIIの拡大図である。図4の左半分には、上室3
4側から下室38側への流体の流通を許容する構成部分
が示され、また、図4の右半分には下室38側から上室
34側への流体の流通を許容する構成部分が示されてい
る。なお、簡単のため作動流体FOILは図示しない。
【0028】ピストンロッド16の内部には、その軸方
向に貫通する通路40が設けられている。通路40は、
大径部40aと、大径部40aの下方へ延びる小径部4
0bとを備えている。通路40の大径部40aと小径部
40bとの境界部分には、段差40cが形成されてい
る。この通路40の大径部40aには、上述のアクチュ
エータを駆動することによりピストンロッド16の長手
方向に沿って移動可能な調整ロッド42が挿入されてい
る。
【0029】調整ロッド42の上端は、ピストンロッド
16の上部へ達しており、車体201に取り付けられる
アクチュエータ2FRと係合している。アクチュエータ2
FRは、ECU8からの信号に応じて調整ロッド42をピ
ストンロッド16の長手方向に沿って移動させるもので
あり、例えば、ステッピングモータ及びギヤなどの駆動
力伝達機構等により構成される。
【0030】調整ロッド42は、減衰力可変手段の構成
部材の一つであり、通路40の大径部40aの内径より
も小さな外径を有する小径部42aと、小径部42aの
下端部分に形成された円錐部42bとを備えている。調
整ロッド42は、円錐部42bの先端が通路40の小径
部40bへ進入するように配置されている。円錐部42
bの外周面と、通路40の段差40cとの間にはクリア
ランスCが形成されている。
【0031】調整ロッド42の外周の小径部42aより
上方の部位にはOリング43が装着されている。Oリン
グ43により、調整ロッド42の小径部42aの外周と
通路40の大径部40aの内周との間に、環状の連通空
間44が画成されている。この連通空間44は、クリア
ランスCを介して、通路40の小径部40bの内部空間
と連通している。
【0032】ピストンロッド16には、その径方向に延
びて、上室34と連通空間44とを連通する連通路46
が設けられている。更に、ピストンロッド16には、そ
の径方向に延びて、通路40の小径部40bの内部空間
と中室36とを連通する連通路47が設けられている。
【0033】調整ロッド42は、図示しないネジ部にお
いて、通路40の大径部4Oaと螺合しており、その上
端部がアクチュエータ2FRと係合している。このため、
アクチュエータ2FRにより調整ロッド42を回転操作
し、これにより調整ロッド42の上下位置を変化させる
ことで、クリアランスCを調整することができる。
【0034】ピストンロッド16の小径部分の外周に
は、上側から順にストッパプレート48、リーフシート
49、リーフバルブ50、サブピストン30、リーフバ
ルブ54、及びリーフシート56が嵌着されている。
【0035】リーフバルブ50,54は、薄板材より構
成された低い曲げ剛性を有する部材である。サブピスト
ン30の上端面及び下端面には、それぞれ、環状溝58
及び60が設けられている。リーフバルブ50及び54
は、それぞれ、環状溝58及び60を閉塞するように配
設されている。また、サブピストン30には、環状溝5
8の内部空間と中室36とを連通する貫通通路62、及
び、環状溝60の内部空間と上室34とを連通する貫通
通路64が設けられている。
【0036】リーフバルブ50は、中室36の液圧が上
室34の液圧に比して所定の開弁圧P1だけ高圧となっ
た場合に撓み変形することで開弁し、中室36から上室
34へ向かう作動流体FOILの流れを許容する。また、
リーフバルブ54は、上室34の液圧が中室36の液圧
に比して所定の開弁圧P2だけ高圧となった場合に撓み
変形することで開弁し、上室34から中室36へ向かう
作動流体の流れを許容する。
【0037】サブピストン30の外周には、ピストンリ
ング66が装着されている。ピストンリング66により
サブピストン30と内筒20との間のシール性が確保さ
れている。ピストンロッド16の外周のリーフシート5
6の更に下方には、上側から順に、中空の連通部材6
8、リーフシート70、スペーサ72、スプリングシー
ト74、及びスペーサ76が嵌着されている。
【0038】連通部材68は、その径方向を貫通し、ピ
ストンロッド16の連通路47と連通する連通路77を
備えている。また、スペーサ76の外周には、スプリン
グシート78が軸方向に摺動可能に嵌着されている。ス
プリングシート74とスプリングシート78との間に
は、スプリング80が配設されている。
【0039】ピストンロッド16の外周のスペーサ76
の更に下方には、上側から順に、リーフバルブ82、メ
インピストン32、及びリーフバルブ86が嵌着されて
いる。メインピストン32の上端面には、複数のシート
面92が設けられている。また、メインピストン32の
下端面には、複数のシート面94が、シート面92に対
応しない位置に設けられている。リーフバルブ82及び
86は複数枚の薄板材を重ねてなる部材であり、それぞ
れシート面92及び94の頂面に当接するように配設さ
れている。また、メインピストン32の外周にはピスト
ンリング95が装着されている。ピストンリング95に
より、メインピストン32と内筒20との間のシール性
が確保されている。
【0040】メインピストン32には、また、その軸方
向を貫通する貫通通路96及び98が設けられている。
貫通通路96は、その上端部においてシート面92の間
の凹部に開口し、その下端部においてシート面94の頂
面に開口するように構成されている。また、貫通通路9
8は、その上端部においてシート面92の頂面に開口
し、その下端部においてシート面94の間の凹部に開口
するように構成されている。
【0041】リーフバルブ82を構成する最もメインピ
ストン32側の薄板材には、リーフバルブ82がシート
面92に当接した状態で、貫通通路98と中室36とを
連通させる第1オリフィス(図示せず)が形成されてい
る。
【0042】ピストンロッド16の外周のリーフバルブ
86の更に下方には、スリーブ状のスペーサ198が嵌
着されている。また、ピストンロッド16の下端部には
ネジ部16cが形成されており、このネジ部16cには
スプリングシート100が螺着されている。スペーサ1
98の外周にはスプリングシート102が軸方向に摺動
可能に装着されている。スプリングシート102とスプ
リングシート100との間にはスプリング104が配設
されている。
【0043】ピストンロッド16の小径部分の下端に
は、通路40を塞ぐスクリュー105が装着されてい
る。このため、通路40と下室38との連通は遮断さ
れ、通路40はリーフバルブ82,86が閉じた状態に
おいて上室34及び中室36とのみ連通している。
【0044】ピストンロッド16の下部の小径部分の外
周に配設された部材は、ロアスプリングシート100に
より、大径部16aと小径部分との境界の段差面に向け
て押圧されることで、ピストンロッド16に一体に固定
されている。
【0045】リーフバルブ82及び86は、それぞれ、
スプリング80及び104の付勢力により、メインピス
トン32のシート面92及び94の頂面に向けて押圧さ
れている。リーフバルブ82は、下室38の液圧が中室
36の液圧に比して所定の開弁圧P3以上の高圧になる
と、スプリング80の付勢力に抗して上向きに撓み変形
することで開弁し、下室38から中室36へ向かう作動
流体の流れを許容する。また、リーフバルブ86は、中
室36の液圧が下室38の液圧に比して所定の開弁圧P
4以上の高圧になると、スプリング104の付勢力に抗
して下向きに撓み変形することで開弁し、中室36から
下室38へ向かう作動流体の流れを許容する。
【0046】本実施の形態において、リーフバルブ50
及び54が低剛性の薄板部材より構成されていること
で、これらの開弁圧P1、P2は非常に小さな値に設定
されている。一方、リーフバルブ82、86がそれぞれ
スプリング80、104により押圧されていることで、
これらの開弁圧P3及びP4は、開弁圧P1及びP2よ
りも大きな値に設定されている。
【0047】図5は、ショックアブソーバ10FRにより
実現される減衰力特性を示す。横軸はピストンロッド1
6の長手方向変位速度Vを示し、縦軸はショックアブソ
ーバ10FRが発生する減衰力Fを示す。なお、以下の説
明ではピストンロッド16が内筒20から退出する方
向、すなわち、伸長方向に変位する場合の減衰力Fを正
とする。
【0048】ピストンロッド16が伸長方向(正方向)
に変位すると、上室34の容積が減少すると共に下室3
8の容積が増加する。これらの容積変化を補償するため
に、図3に示した作動流体FOILが上室34から中室3
6を経て下室38へ流入する。更に、ピストンロッド1
6が内筒20から退出することで、内筒20の容積が増
加する。この内筒20の容積の増加を補償するため、作
動流体FOILが環状室21からべ一スバルブ41を介し
て下室38へ流入する。
【0049】ピストンロッド16の変位速度Vが十分に
低速である場合、上室34と中室36との間の差圧、及
び、中室36と下室38との間の差圧は小さく、リーフ
バルブ54、及び、リーフバルブ86は何れも閉弁状態
に保持される。このため、上室34内の作動流体FOIL
は、ピストンロッド16の連通路46、連通空間44、
クリアランスC、通路40の小径部40b、連通路4
7、及び連通部材68の連通路77からなる流路(以
下、バイパス通路と称す)を通って、中室36へ流入す
る。また、中室36内の作動流体は、メインピストン3
2の貫通通路96及びリーフバルブ86に形成された第
2オリフィス又は第1オリフィスを通って下室38へ流
入する。作動流体FOILがバイパス通路及びこれらのオ
リフィスを経由して流通する際には、流通抵抗に伴う減
衰力が発生する。
【0050】ショックアブソーバ10が発揮する減衰力
Fは、作動流体が上室34から中室36へ流通する際の
流通抵抗R1に応じて発生する減衰力Faと、作動流体
が中室36から下室38へ流通する際の流通抵抗R2に
応じて発生する減衰力Fbとの和となる。このため、図
5に符号A1で示す如く、減衰力Fは変位速度Vの増加
に伴って大きな勾配で立ち上がる。
【0051】作動流体FOILが上室34から中室36へ
流通する際の流通抵抗R1が増加すると、上室34と中
室36との間の差圧が上昇する。また、作動流体FOIL
が中室36から下室38へ流通する際の流通抵抗R2が
増加すると、中室36と下室38との間の差圧が上昇す
る。そして、上室34と中室36との間の差圧がリーフ
バルブ54の開弁圧P2に達するまで変位速度Vが上昇
すると、リーフバルブ54が開弁する。以下、リーフバ
ルブ54が開弁する際のピストンロッド16の変位速度
V、及びショックアブソーバ10FRが発生する減衰力F
を、それぞれ、第1開弁速度V1、及び、第1開弁減衰
力F1と称する。
【0052】上述の如く、本実施の形態においては、第
1開弁減衰力F1が非常に小さな値、例えば、3〜5k
gfとなるように、リーフバルブ54の開弁圧P2を十
分に小さく設定している。このようにリーフバルブ54
の開弁圧P2が設定された場合、第1開弁速度V1は
0.05m/s以下の非常に低い速度となる。
【0053】リーフバルブ54が開弁すると、上室34
から中室36への流体の移動は、バイパス通路と共に貫
通通路64を介して行なわれるようになる。このため、
作動流体FOILが上室34から中室36へ向けて流通す
る際の流通抵抗R1が減少する。そして、流通抵抗R1
が減少することで、図5に符号A2を付して示す如く、
変位速度Vが第1開弁速度V1を上回った領域では、減
衰力Fの増加勾配が減少する。
【0054】変位速度Vが更に増加し、中室36と下室
38との間の差圧がリーブバルブ86の開弁圧P4に達
すると、リーフバルブ86が開弁する。以下、リーフバ
ルブ86が開弁する際の変位速度V及び減衰力Fを、そ
れぞれ、第2開弁速度V2、及び、第2開弁減衰力F2
と称する。本実施の形態においては、第2開弁減衰力F
2が例えば50kgf程度になるように、リーフバルブ
86の開弁圧P4を設定している。この場合、第2開弁
速度V2は0.2m/s程度の値となる。
【0055】リーフバルブ86が開弁すると、中室36
から下室38へ至る流路の流路面積が増大することで、
作動流体FOILが中室36から下室38へ向けて流通す
る際の流通抵抗R2は小さくなる。このため、図5に符
号A3で示す如く、変位速度Vが第2開弁速度V2を上
回った領域では、減衰力Fの増加勾配は更に減少する。
【0056】一方、ピストンロッド16が内筒20へ進
入する方向、すなわち、収縮方向に変位する場合には、
上室34の容積が増加すると共に、下室38の容積が減
少する。これらの容積変化を補償するために、作動流体
OILが、下室38から、中室36を経て、上室34へ
流入する。また、ピストンロッド16が内筒20へ進入
することで、内筒20の容積が減少する。かかる内筒2
0の容積減少を補償するため、作動流体が下室38から
ベースバルブ41を介して環状室21へ流出する。
【0057】本実施の形態において、リーフバルブ50
の開弁圧P1は、リーフバルブ54の開弁圧P2とほぼ
一致するように設定されている。このため、変位速度V
が第1開弁速度V1にほぼ等しいv1に達し、減衰力F
が第1開弁減衰力F1にほぼ等しいf1となった時点
で、リーフバルブ50が開弁する。
【0058】また、リーフバルブ82の開弁圧P3は、
リーフバルブ86の開弁圧P4に比して若干小さくなる
ように設定されている。このため、変位速度Vが第2開
弁速度V2より小さいv2(例えば0.15m/s程
度)に達し、減衰力Fが第2開弁減衰力F2より小さい
f2(例えば30kgf程度)となった時点で、リーフ
バルブ82が開弁する。なお、以下、リーフバルブ50
及び82が開弁する際のピストンロッド16の変位速度
であるv1及びv2も、それぞれ第1開弁速度及び第2
開弁速度と称し、また、リーフバルブ50及び82が開
弁する際の減衰力Fであるf1及びf2も、それぞれ、
第1開弁減衰力及び第2開弁減衰力と称する。
【0059】ピストンロッド16が収縮方向に変位する
場合においても、ピストンロッド16が伸長方向へ変位
する場合と同様に、ピストンロッド16の変位速度Vが
第1開弁速度v1に達するまでは、図5に符号B1を付
して示す如く、減衰力Fは比較的大きな勾配で立ち上が
る。そして、変位速度Vが第1開弁速度v1に達する
と、リーフバルブ50が開弁することで、図5に符号B
2を付して示す如く、減衰力Fの増加勾配は減少する。
更に、変位速度Vが第2開弁速度v2に達すると、リー
フバルブ82が開弁することで、図5に符号B3を付し
て示す如く、減衰力Fの増加勾配は更に減少する。
【0060】このように、本ショックアブソーバ10FR
によれば、ピストンロッド16の変位速度Vが、低速域
(第1開弁速度V1、v1以下の領域)から、高速域
(第1開弁速度V1、v1を超える領域)へと遷移する
のに応じて、順次、減衰力Fの増加勾配が減少するよう
な減衰力特性が実現される。
【0061】ところで、バイパス通路の開度はクリアラ
ンスCの大きさに応じて変化する。バイパス通路の開度
が大きいほど、作動流体FOILがバイパス通路を流通す
る際の流通抵抗は小さくなる。バイパス通路を流通する
際の流通抵抗が小さくなると、一定の変位速度Vに対し
て生ずる上室34と中室36と間の差圧が小さくなり、
減衰力Fが小さくなる。すなわち、図5に符号a1、b
1を付して破線で示すように、減衰力特性の勾配は小さ
いものとなる。
【0062】したがって、クリアランスCを調整するこ
とで、ピストンロッド16の変位速度Vが第1開弁速度
V1、v1よりも大きい領域、すなわち、高速域におけ
る減衰力特性をほぼ一定に維持しつつ、第1開弁速度V
1、v1以下における減衰力特性を変化させることがで
きる。上述の如く、第1開弁速度V1、v1は0.05
m/s以下の低い値に設定されている。したがって、本
実施の形態に係るショックアブソーバ10FRによれば、
クリアランスCを変化させることによって、高速域にお
ける減衰力特性に影響を与えることなく、0.05m/
s以下の低速域におけるショックアブソーバ10FRの減
衰力特性のみを調整することができる。また、アクチュ
エータ2FRの駆動を制御してクリアランスCを段階的に
変化させることにより、ピストンロッド16の低速域に
おいてショックアブソーバ10FRの減衰力特性の勾配を
段階的に可変することも可能となる。
【0063】本実施の形態に係るショックアブソーバ1
FR,10FL,10RR,10RLを用いて走行実験を行っ
た。この結果、低速域における減衰力特性に依存して、
車両の乗り心地及び操縦安定性が大きく変化した。例え
ば、クリアランスCを減少させて低速域における減衰力
特性の勾配を増加させると、旋回走行時のステアリング
の保舵力が大きくなることで、ステアリングの手応え感
が増加する。また、低速域における減衰力特性の変化に
対して、旋回走行時の車両のローリング速度、及び、操
舵時における車両のヨーイング変化の応答性は敏感に変
化する。したがって、本実施形態に係るショックアブソ
ーバ10FRによれば、クリアランスCを調整し、低速域
における減衰力特性を変化させることで、より最適な乗
り心地及び操縦安定性を得ることができる。
【0064】なお、減衰力の制御対象となるショックア
ブソーバは、上述したショックアブソーバ10FRに限ら
れるものではなく、伸縮速度の低速域で減衰力を可変可
能としたものであれば、その他の構造のものであっても
よい。
【0065】次に上述のショックアブソーバ10FR,1
FL,10RR,10RLを備えた車両200のシステム構
成について説明する。
【0066】図6は、本実施の形態に係る車両200の
システム構成を示す。車両200は、車両前方の道路を
撮像するビデオカメラ204から出力された映像信号を
受信し、映像信号の2値化処理及び輪郭抽出処理を行う
画像処理装置212を備えている。画像処理装置212
からは映像信号が2値化され輪郭抽出処理された画像信
号が出力され、ECU8に入力される。
【0067】車両200は、アンテナ205により受信
した車両位置を示す電波から車両自己位置を演算するグ
ローバルポジショニングシステム(GPS)213と、
道路地図情報が格納されたCDROM等の地図情報記録
媒体214と、地図情報記録媒体214に格納された道
路地図情報を読み取るとともに、これらの車両自己位置
情報及び道路地図情報から道路地図上の車両自己位置を
決定するナビゲーションシステムECU215を備えて
いる。
【0068】なお、ナビゲーションシステムECU21
5は、衛星からの電波のみではなく、ハンドル4aの操
舵角を検出する舵角センサ4b、車両ヨー方向の角速度
を検出するヨーレイトセンサ5、及び各車輪の回転速度
をそれぞれ検出する車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6
RLからの入力信号にも基づいて、地図上の車両自己位置
を決定してもよい。このようにして決定された地図上の
車両自己位置は、道路地図情報とともに運転操作者が運
転中に視認可能な位置に設けられたディスプレイ216
上に表示される。ナビゲーションシステムECU215
からは、道路の地図情報及び地図上の車両自己位置情報
が出力され、これらの情報はECU8に入力される。
【0069】ECU8には、舵角センサ4bからの操舵
角信号、車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6RLからの車
輪速信号、ヨーレイトセンサ5からのヨーレイト信号、
車体上下方向の加速度を検出するGセンサ217から出
力される上下加速度信号が入力される。
【0070】まず、車両直進時のショックアブソーバの
減衰力制御について説明する。車両200が直進してい
る間は、ハンドル4aを大きく操作することはない。し
たがって、舵角センサ4bから出力される操舵角信号か
らハンドル4aの操舵角が所定値以内であると判定され
る場合には、ECU8は車両200が直進走行している
ものと判定し、スカイフック制御理論に基づき、ショッ
クアブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力
を制御する制御信号をアクチュエータ2FR,2FL
RR,2RLに出力する。この車両直進走行時の制御にお
いては、ECU8がGセンサ217から出力される上下
加速度信号に基づき、ばね上とばね下の相対速度を算出
し、路面状況に応じた最適な制振効果が得られる減衰力
を演算する。しかる後、ECU8は、ショックアブソー
バ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力が、演算さ
れた減衰力になるような制御信号をアクチュエータ
FR,2FL,2RR,2RLに出力する。
【0071】なお、ECU8は、Gセンサ217の出力
信号の代わりに車輪11FR,11FL,11RR,11RL
の上下加速度を検出するように車輪11FR,11FL,1
RR,11RL位置毎に設けられたGセンサ7FR,7FL
RR,7RLの出力信号を用いてそれぞれのショックアブ
ソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制御を
行ってもよいし、車輪11FR,11FL,11RR,11RL
の車体201に対する相対位置を検出するストロークセ
ンサ(図示せず)からの出力を用いて、ばね上とばね下
の相対速度を算出してもよい。
【0072】次に、車両旋回時のショックアブソーバの
減衰力制御について説明する。
【0073】図7は、車両旋回時のショックアブソーバ
10FR,10FL,10RR,10RLの制御を説明するため
のフローチャートである。なお、以下の説明においては
図6及び図8(a)〜図8(c)を適宜参照する。
【0074】ステップS1においては、ナビゲーション
システムECU215及び画像処理装置212からの出
力信号が入力される。
【0075】ECU8は、ナビゲーションシステムEC
U215からの出力信号に基づいて道路地図上の車両自
己位置を確認する。ECU8は、この情報から車両20
0前方の道路がカーブしているかどうかについて判定す
る。車両200前方の道路がカーブしている旨が判定さ
れた場合、ECU8は、道路地図情報からカーブの始点
位置を決定し、車両自己位置からカーブの始点位置まで
の距離Dを演算する。なお、この距離演算の結果を画像
処理装置212からの出力信号に基づいて自車位置補
正、すなわちランドマーク補正して距離Dとしてもよ
い。
【0076】ECU8は、道路地図情報からカーブが右
方向に曲がっているか左方向に曲っているかどうかのカ
ーブ曲り方向情報、及びカーブの曲率半径Rの情報を得
ることができる。なお、曲率半径の異なる2以上のカー
ブした道路が複合してなる複合カーブにおいては、カー
ブ始点から前半部のカーブの曲率半径Rを採用する。
【0077】カメラ204から出力される車両200前
方の映像信号は、画像処理装置212によって2値化さ
れ、輪郭抽出処理され、道路の外縁を示す線図の画像信
号としてECU8に入力される。なお、走行している自
車線の道路幅が外縁に沿って平行に延びた2本の白線に
よって規定されている場合は、これらの白線像が道路の
外縁を示す。なお、画像処理装置212から出力される
画像信号には、車両フードパネルの輪郭を示す線図も含
まれている。
【0078】ECU8は、画像処理装置212から出力
された道路RDの外縁を示す旋回内側及び外側の白線像
と、画像処理装置212から出力された車両フードパネ
ル218の輪郭像の前縁中心Oとの間の距離(1/2道
路幅)wIN及びwOUTをそれぞれ演算し、ECU8内の
メモリ空間内に描画する(図8(a)参照)。実際の1
/2道路RDの幅WIN及びWOUTは、画像内の1/2道
路幅wIN及びwOUT値の定数倍である。すなわち、比例
定数をkとすると、WIN=k・wIN、WOUT=k・wOUT
であり、道路幅W=WIN+WOUT=k・(wIN+wOUT
である。
【0079】車両フードパネル218の前縁中心Oから
の旋回内側の白線位置を基準として道路の位置を規定す
ると、その位置はk・wINである。なお、カメラ204
と車両フードパネル218の前縁中心Oとを結ぶ線の延
長線と道路との交点とカメラ204との間の距離は予め
計測してあるため、比例定数kは予め決定しておくこと
ができる。なお、測定される画像内の1/2道路幅wIN
及びwOUTは、ピッチング等の車両挙動を考慮して、所
定時間内の平均値を用いることが好ましい。この所定時
間は、車両200の共振ピッチング周期程度が好まし
い。これらのビデオカメラ204からの出力映像信号か
ら得られた道路幅及び道路位置の情報はECU8内のメ
モリに格納されるが、ディスプレイ216に出力しても
よい。
【0080】ステップS2では、車両前方の道路が急カ
ーブであるかどうかについて判定する。上述のように、
ECU8は、ナビゲーションシステムECU215から
の出力信号に基づいて、カーブ曲り方向情報及びカーブ
の曲率半径Rの情報を保持している。また、ECU8に
は車輪速センサ6FR,6FL,6RR,6RLからの出力信号
も入力されている。ECU8は、車輪速センサ6FR,6
FL,6RR,6RLからの出力信号の平均値等を用いて、車
両200の車速vを算出する。車両前方にあるカーブし
た道路の曲率半径R及び車速vから、車両200がこの
曲率の道路を速度vで走行した時に車両200に加わる
横方向加速度Aを予測することができる。加速度A=v
2/Rである。ECU8は、この計算を行うことによっ
て、予測される横方向加速度Aを得る。ECU8は、演
算された加速度Aがしきい値ATHよりも大きいかどうか
について判定することにより、車両前方の道路が急カー
ブであるかどうかについての判定を行い、前方の道路が
急カーブであると判定されるまでステップS1の処理を
繰り返す。
【0081】ステップS3では、車両前方の道路が急カ
ーブであると判定されている。画像処理装置212の出
力信号に基づいて道路幅W及び道路位置(白線位置)の
情報は既に得られているので、ECU8はこれらの情報
と道路の曲率半径Rの情報を用いて、ECU8内のメモ
リ空間内に幅Wを有する仮想道路RDを描画する(図8
(b))。
【0082】ステップS4では、ECU8は、図8
(a)及び図8(b)にそれぞれ示された実際の道路R
Dの線図画像及び仮想道路RDの線図画像をメモリ空間
内において比較し、これらの道路RDの両外縁を示す旋
回内側及び外側の白線画像の高低ずれHIN、HOUTを演
算する(図8(c))。なお、図8(c)は、図8
(a)及び図8(b)内の領域X内のそれぞれの画像を
重畳した画像を示す。
【0083】ステップS5では、ECU8は演算された
旋回内側及び外側の白線画像の高低ずれHIN、HOUT
値を用いて、道路の傾斜状態を判定する。道路の横断面
の傾斜状態には、横断面が(1)略水平である状態、
(2)旋回内側が高い状態(横断勾配逆バンク)、及び
(3)旋回外側が高い状態(横断勾配正バンク)の3通
りがある。道路の縦断面の傾斜状態には、縦断面が(I)
略水平である状態、(II)遠方が高い状態(縦断勾配乗り
上げ)、(III)近傍が高い状態(縦断勾配乗り下げ)の
3通りがある。したがって、道路の横断面及び縦断面を
考慮すると、傾斜状態には全部で9通りの場合がある。
【0084】図9は、高低ずれHIN及びHOUTに基づく
上記9通りの傾斜状態を示す判定結果及び判定結果に応
じたショックアブソーバの減衰力(H:ハード、S:ソ
フト)制御方法を示す。道路の傾斜状態は、同図に示す
ように高低ずれHIN及びHOU Tの値を用いて場合分けす
ることができる。例えば、同図左上欄に示すように、外
側高低ずれHOUTが、0よりも大きなしきい値HTHより
も大きく、且つ、内側高低ずれHINがしきい値HTHより
も大きい場合には、横断勾配が略水平であり、且つ、縦
断勾配が乗り上げであると判定し、内輪11FL,11RL
及び外輪11FR,11RRに対応したショックアブソーバ
10FL,10RL及び11FR,11RRの伸縮速度の低速域
における減衰力を共にハードHに(大きく)設定する旨
を示し、残りの欄はこれと同様に記載されている。
【0085】このようにして、図7のステップS5にお
ける道路の傾斜状態の判定を行った後、その判定結果に
応じて道路の傾斜状態を決定し(S6)、図9に示した
ように、決定された傾斜状態に応じてショックアブソー
バ減衰力制御方法を決定する(S7)。
【0086】図9に示した減衰力制御方法について詳説
する。平坦な路面における車両200旋回時において
は、車両200に加わる旋回横加速度、すなわち遠心
力、及びロールセンタRCを中心とする重心Gへのロー
ル方向回転モーメントによって車体201が旋回外側に
向けてロールし、旋回内輪11FL,11RLが浮き上がろ
うとし、旋回外輪11FR,11RRが沈み込もうとする。
したがって、内輪側のショックアブソーバ10FL,10
RLが伸び、外輪側のショックアブソーバ10FR,10RR
が縮もうとする。したがって、車体201のロールを抑
制するためには、内外輪に設けられたショックアブソー
バ10FL,10RL及び10FR,10RRの減衰力を増大さ
せてハードHにすることが望ましい。しかしながら、カ
ーブカントを考慮すると、旋回内側が高くなる逆バンク
の路面においては、内輪11FL,11RL側の路面がタイ
ヤを押し上げるため、内輪側のショックアブソーバ10
FL,10RLをハードHにするとロールが増大する。した
がって、このような場合にはショックアブソーバ1
FL,10RLの減衰力を減少させソフトSにすることが
好ましく、図9に示される減衰力制御方法はこのような
原理に基づいて分類されている。
【0087】すなわち、ECU8は、カーブ外側の方が
低くなるように道路が傾斜している場合には、旋回内側
の方のショックアブソーバ10FL,10RLの減衰力が旋
回外側の方のショックアブソーバ10FR,10RRの減衰
力よりも低くなるような制御信号を、旋回内側の方のシ
ョックアブソーバ10FL,10RLの減衰力を制御するア
クチュエータ2FL,2RLに出力する。なお、本ショック
アブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLは、上述の
ように旋回中等の伸縮速度が低速である場合の減衰力を
可変することができる。
【0088】上記傾斜状態判定に利用する高低ずれHIN
及びHOUTのカメラ204からの距離dは、d=車速v
×アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLの応答遅れ時
間τに設定する。この場合、距離dの地点における路面
の傾斜状態に合わせてショックアブソーバ10FR,10
FL,10RR,10RLの減衰力を可変するような制御信号
を直にアクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLに出力す
れば、アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLは制御信
号の出力後の時間τ秒後に動作するため、対象となる地
点における路面の傾斜状態に合わせてショックアブソー
バ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力を可変する
ことができる。
【0089】すなわち、ECU8は、地図情報及び画像
情報から車両200が道路のカーブの始点に到達する時
刻t0を推定し、アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2
RLへの制御信号の出力時刻を、推定した到達時刻t0
前(t0−τ)に設定する。なお、車速v×応答遅れ時
間τよりも遠い地点の距離の高低ずれHIN及びHOUT
傾斜状態判定に利用してもよい。すなわち、車両200
においては、車両200がカーブの始点に到達する前に
減衰力制御を開始する。
【0090】ステップS7において減衰力制御方法が決
定されると、ECU8は現在車両自己位置からカーブの
始点までの距離Dの値を用いて、カーブ進入余裕時間T
=距離D/車速vを演算する(S8)。上述のように、
アクチュエータ制御応答遅れ時間τを考慮すると、カー
ブの始点より距離d=v×τだけ手前の地点から制御を
開始することが好ましい。そこで、ステップS8におい
て演算されるカーブ進入余裕時間Tが、アクチュエータ
制御応答遅れ時間τに一致するか、又は、小さくなった
かどうかを判定し(S9)、この条件が成立した場合に
アクチュエータ2FR,2FL,2RR,2RLへの制御信号を
出力し、ショックアブソーバ10FR,10FL,10RR
10RLの減衰力制御を開始する(S10)。なお、ステ
ップS10においては、ステップS7において決定され
た微低速域減衰力制御方法を用いる。
【0091】減衰力制御が開始されて時間τが経過した
後においても、カーブへの進入が確認されない場合、す
なわち、舵角センサ4bの出力信号からハンドル4aが
操舵が所定値以上行われていないと判定される場合(操
舵角θがしきい値θTH以下の場合)には、ECU8は車
両200がカーブに進入する前に旋回中止等をしたもの
と見做して減衰力制御を終了する(S13)。すなわ
ち、ECU8は、制御信号の出力後の所定時間τ内に旋
回操作が行われない場合にはショックアブソーバ1
FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制御を中止す
る。
【0092】減衰力制御が開始されて時間τが経過した
後、カーブへの進入が確認された場合、すなわち、舵角
センサ4bの出力信号からハンドル4aが操舵が所定値
以上行われたと判定される場合(操舵角θがしきい値θ
THよりも大きい場合)には、ECU8はカーブの曲率が
一定であるかどうかを判定する(S12)。カーブの曲
率が一定であれば、車両200は定常旋回に入るため、
運転操作者はハンドル操作をあまり行わない。したがっ
て、このような場合には、舵角センサ4bの出力信号の
微分値△θ(操舵角θの角速度)がしきい値△θTHより
も小さくなる。微分値△θがしきい値△θTHよりも小さ
くなった場合には減衰力制御を終了し、そうでない場合
には減衰力制御を続行する。
【0093】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
るものではなく、種々の変形が可能である。次に、内外
輪に設けられたショックアブソーバ10FR,10FL,1
RR,10RLの減衰力のECU8による別の制御方法に
ついてさらに詳しく説明する。
【0094】図10は、高低ずれHIN、HOUTに基づく
9通りの傾斜状態を示す判定結果及び判定結果に応じた
ショックアブソーバの減衰力(H:ハード、S:ソフ
ト)制御方法を図9と同一形式で示す表である。この減
衰力制御方法は、図7に示したフローチャートのステッ
プS5において、図9に示したものの代わりに用いられ
る。なお、図10中のS→Hは、旋回初期にショックア
ブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの伸縮速度の
低速域における減衰力をソフトSに(小さく)設定し、
その後、旋回途中からショックアブソーバ10FR,10
FL,10RR,10RLの減衰力をハードHに(大きく)設
定する旨を示す。すなわち、平坦な路面における車両2
00旋回時においては、上述のように内輪側のショック
アブソーバ10FL,10RLが伸び、外輪側のショックア
ブソーバ10FR,10RRが縮もうとする。車輪11FR
11FL,11RR,11RLのタイヤ接地性能を向上させる
ためには、内輪に設けられたショックアブソーバ1
FL,10RLの減衰力を減少させてソフトSにし、外輪
に設けられたショックアブソーバ10FR,10RRの減衰
力を内輪側で減少させた量だけ増大させてハードHに
し、車両200全体としての安定性及び減衰力を確保す
ることが望ましい。しかしながら、カーブカントを考慮
すると、旋回外側が大きく高くなる又は低くなる路面に
おいては、旋回初期において外輪側のショックアブソー
バ10FR,10RRの減衰力を減少させてソフトSにし、
定常旋回への移行に伴って減衰力を増大させてハードH
にすることによって、過渡時のタイヤ接地追従性を向上
させることができ、図10に示される減衰力制御方法は
このような原理に基づいて分類されている。
【0095】以上、説明したように、本実施の形態に係
る車両用懸架装置は、車輪11FR,11FL,11RR,1
RLと車体201との間に設けられ伸縮速度の低速域に
おける減衰力が可変可能なショックアブソーバ10FR
10FL,10RR,10RLと、ショックアブソーバ1
FR,10FL,10RR,10RLの減衰力を可変するアク
チュエータ2FR,2FL,2RR,2RLと、車両前方の道路
を撮像して道路の画像情報を出力するカメラ204と、
道路の地図情報及び画像情報から道路の傾斜を検出し道
路がカーブしている場合には検出された道路の傾斜に応
じてショックアブソーバ10FR,10FL,10RR,10
RLの減衰力を制御する制御信号をアクチュエータ2FR
FL,2RR,2RLに出力する制御手段8とを備える。
【0096】また、制御手段8は、地図情報及び画像情
報から車両200が道路のカーブの始点に到達する時刻
0を推定し、制御信号の出力時刻t0−τを推定した到
達時刻の前に設定することが好ましい。
【0097】また、制御手段8は、制御信号の出力後の
所定時間τ内に旋回操作が行われない場合にはショック
アブソーバ10FR,10FL,10RR,10RLの減衰力制
御を中止することが好ましい。
【0098】また、制御手段8は、カーブ外側の方が低
くなるように道路が傾斜している場合には、旋回内側の
方のショックアブソーバ10FL,10RLの減衰力が旋回
外側の方のショックアブソーバ10FR,10RRの減衰力
よりも低くなるような制御信号を、旋回内側の方のショ
ックアブソーバ10FL,10RLの減衰力を制御するアク
チュエータ2FL,2RLに出力することが好ましい。
【0099】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の車両用
懸架装置によれば、制御手段が道路の地図情報及び画像
情報から道路の傾斜を検出し、検出された道路の傾斜に
応じて制御信号をアクチュエータに出力して、ショック
アブソーバの低速伸縮時の減衰力を制御するので、タイ
ヤ接地性を向上させ、車両の乗り心地性及び操縦性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の斜視図。
【図2】図1に示した車両のI-I矢印断面図。
【図3】図2に示した懸架装置主要部のII-II矢印断面
図。
【図4】図3に示したショックアブソーバの部分拡大
図。
【図5】ショックアブソーバの減衰力の伸縮速度に対す
る関係を示すグラフ。
【図6】車両のシステムを示すシステム構成図。
【図7】ECUにおける減衰力制御を説明するためのフ
ローチャート。
【図8】カメラの白線中心画像(a)、仮想ライン白線
画像(b)及び白線画像と仮想ラインのずれ演算を説明
するための説明図。
【図9】旋回外側のカメラ白線の仮想白線に対する高低
ずれと、旋回内側のカメラ白線の仮想白線に対する高低
ずれとに基づいて分類された路面傾斜の判定結果及び対
応する判定結果毎のショックアブソーバの減衰力制御方
法を示す表。
【図10】旋回外側のカメラ白線の仮想白線に対する高
低ずれと、旋回内側のカメラ白線の仮想白線に対する高
低ずれとに基づいて分類された路面傾斜の判定結果及び
対応する判定結果毎の別のショックアブソーバの減衰力
制御方法を示す表。
【符号の説明】 11FR,11FL,11RR,11RL…車輪、201…車
体、10FR,10FL,10RR,10RL…ショックアブソ
ーバ、2FR,2FL,2RR,2RL…アクチュエータ、20
4…カメラ、8…制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 聡 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 茂輝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 橋本 佳幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と車体との間に設けられ伸縮速度の
    低速域における減衰力が可変可能なショックアブソーバ
    と、前記ショックアブソーバの減衰力を可変するアクチ
    ュエータと、前方の道路を撮像して前記道路の画像情報
    を出力するカメラと、前記道路の地図情報及び前記画像
    情報から前記道路の傾斜を検出し前記道路がカーブして
    いる場合には検出された前記道路の傾斜に応じて前記シ
    ョックアブソーバの減衰力を制御する制御信号を前記ア
    クチュエータに出力する制御手段と、を備える車両。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記地図情報及び前記
    画像情報から前記車両が前記道路のカーブの始点に到達
    する時刻を推定し、前記制御信号の出力時刻を推定した
    前記到達時刻の前に設定することを特徴とする請求項1
    に記載の車両。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記制御信号の出力後
    の所定時間内に旋回操作が行われない場合には前記ショ
    ックアブソーバの減衰力制御を中止することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、カーブ外側の方が低く
    なるように前記道路が傾斜している場合には、旋回内側
    の方の前記ショックアブソーバの減衰力が旋回外側の方
    の前記ショックアブソーバの減衰力よりも低くなるよう
    な制御信号を、旋回内側の方の前記ショックアブソーバ
    の減衰力を制御する方の前記アクチュエータに出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
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