JPH11114054A - 固体透析用剤 - Google Patents

固体透析用剤

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JPH11114054A
JPH11114054A JP9314157A JP31415797A JPH11114054A JP H11114054 A JPH11114054 A JP H11114054A JP 9314157 A JP9314157 A JP 9314157A JP 31415797 A JP31415797 A JP 31415797A JP H11114054 A JPH11114054 A JP H11114054A
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capsule
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solid
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JP9314157A
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Isamu Uchiumi
勇 内海
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解性がよく、保存安定性にも優れた一剤から
なる固体透析用剤を提供する。 【解決手段】カルシウム塩と酸を中に含み、重炭酸塩を
中に含まず、表面をブドウ糖で覆われたカプセルと、カ
ルシウムと酸を含まないカプセル外成分とから構成させ
る。カプセル内成分とカプセル外成分は単なる混合物で
もよいし、カプセルの外側をカプセル外成分で覆った粒
子を形成させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は腎不全患者用治療と
して行われる血液透析に使用される透析液用の薬剤に関
し、特に使用される透析液成分の全てを含有し、かつ保
存安定性と溶解性に優れた固体透析用剤に関する。
【0002】
【従来技術】近年、血液透析、それもアルカリ化剤とし
て重炭酸ナトリウムを使用した重曹透析液の組成はほぼ
下記の組成を有するものになってきている。 Na 120〜150 mEq/l K 0.5〜3.0 mEq/l Ca++ 1.5〜4.5 mEq/l Mg++ 0〜2.0 mEq/l Cl 90〜135 mEq/l HCO 20〜 35 mEq/l CHCO 5〜 10 mEq/l ブドウ糖 0〜2.5 g/l
【0003】しかし、この透析液は医療上の要求から中
性ないしは微アルカリ性でなくてはならず、そのために
重炭酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどのアルカリ化剤
と酢酸などの弱酸とのバランスで水素イオン濃度(P
H)を調整されるが、アルカリ化剤として重炭酸ナトリ
ウムを使用したものは保存中のHCO の濃度が不安
定で、溶解時のPHが所定の値にならなかったり、また
溶解時にカルシウムやマグネシウムの重炭酸塩や炭酸塩
の沈澱を生じ易いために、重炭酸ナトリウムのみを他の
成分(A剤)とは分離して、単独の濃厚溶液もしくは粉
体(B剤)として供給され、使用直前に他の成分と溶解
混合されている。さらに、PH調整用の酸としては一般
に酢酸が使用されているが、これは液体であるために粉
末A剤には混合し難く、また重炭酸ナトリウム濃厚水溶
液に共存させると、重炭酸ナトリウムと反応して炭酸ガ
スを生成して揮散し、さらに不安定になるので、酸は通
常がA剤B剤を希釈もしくは溶解する時に、予め水に添
加したり、最後に添加することが行われている。すなわ
ち、酸はA剤やB剤とは別に保存される。また予め、重
炭酸ナトリウムを含まないA剤に添加しておくことも提
案されているが、弱酸として常用される酢酸は揮発性で
あり、これまた保存性に問題があった。
【0004】さらに近年、かなりの量の水を運搬するこ
との不合理性その他の理由から、透析液成分を溶液では
なく固体薬剤として供給しようという動きが出てきてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、固体薬剤に
おいても、前記した保存安定性や溶解時の沈澱生成が問
題となる。溶解時の沈澱生成の問題は、濃厚溶液を経由
せずにいきなり透析液としての濃度に溶解する場合は比
較的問題は少ないが、それでも溶解直後は完全に溶解し
ていたものが、長時間たつと、液面に凝集物が浮遊する
ことがある。また、固体薬剤をいきなり濃度の低い透析
液に溶解すると、大きな貯蔵設備が必要となるので、一
旦濃厚溶液として溶解し、連続的に水で希釈しつつ透析
装置に供給することも検討されているが、この場合は溶
解時に沈澱もしくは凝集物を生成し易く、問題は大きく
なる。さらに溶解後のPH調整剤の酸として承認されて
いるのは、現時点では透析液組成を前記のものと変わら
ない酢酸と塩酸のみであるが、両者は揮発性の液体であ
り(塩酸の代りに塩化水素を使用する場合には気体であ
る)、そのもの自体が揮散により量が減少するために起
る保存性の問題があるばかりでなく、保存中にその蒸気
が重炭酸ナトリウムと接触した時は炭酸ガスを生成して
その揮散による重炭酸イオンの減少という問題を引き起
す。
【0006】本発明者らは、カルシウム塩や酸と重炭酸
ナトリウムとが、保存中に接触することもなければ、溶
解においても同時溶解によりそれらが共に高濃度となる
領域を形成することのない透析用剤を検討し、本発明を
なすに到った。すなわち本発明の目的は、保存性および
溶解性に優れた粒状の透析用剤およびその製造法を提供
することであり、しかもその用剤はA剤とB剤とに分離
されておらず、その用剤はそれのみで透析液全成分をま
かなう、一剤式の透析用剤である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの第1の発明はカルシウム塩と酸とを中に含み、重炭
酸ナトリウムを中に含まず、表面をブドウ糖で覆われた
カプセルと、カルシウム塩と酸を含まないカプセル外成
分とからなることを特徴とする固体透析用剤であり、第
2の発明は上記カプセルの内部が内側のカルシウム塩層
と外側の酸層とを包含している上記固体透析用剤であ
り、第3の発明はカルシウム塩と酸を含まないカプセル
外成分と上記カプセルとが粒状に一体成型されてなる上
記固体透析用剤であり、第4の発明はカルシウム塩と酸
を含まないカプセル外成分と上記カプセルとが混合され
てなる上記固体透析用剤であり、第5の発明は該カプセ
ル内の酸が固体酸からな上記固体透析用剤である。
【0008】本発明の固体透析用剤はカプセル形成成分
とカプセル外成分との混合物もしくは外側にカプセル外
成分層を有する粒状溶剤である。重炭酸ナトリウムは実
質的にカプセル外成分のみに存在し、そこにはカルシウ
ムおよび好ましくはマグネシウムの塩は実質的に存在せ
ず、酸およびカルシウム塩はカプセル内のみに存在し、
カプセル外成分には存在しない。他の成分、例えば塩化
ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、塩化マグ
ネシウムはどちらの成分に属させてもよく、両者に配分
することも可能である。塩化マグネシウムはカプセル内
に存在させる方が好ましい。酸として液体酸を用いる場
合であって、カプセル形成固体成分がカルシウム塩、場
合によっては好ましい態様として共存させるマグネシウ
ム塩などのみのみでは酸の吸着が充分ではなくて、酸が
液滴として残る可能性がある場合は、塩化ナトリウムや
酢酸ナトリウム、塩化カリウムさらにはブドウ糖などを
適宜、液体酸吸着表面を増やすためにカプセル内成分と
して添加するのが好ましい。ブドウ糖はカプセル内成分
の粘着剤としても機能する。
【0009】さらに好ましい態様として、カプセル内に
おいて、内側のカルシウム塩を含み酸を含まない層と、
その外側のカルシウム塩を含まず酸を含む層とを中に包
含するものを挙げることができる。両層がやはりブドウ
糖層で隔離されているとさらに好ましい。酸がブドウ糖
の変質を加速する場合は、酸とブドウ糖の間に、塩化ナ
トリウムなど、ブドウ糖に影響のない材料の層を設ける
のも好ましい態様である。各層は上記の相手成分および
重炭酸ナトリウム以外の成分を一部包含していてもよ
い。カルシウム塩を最内層に入れることにより、カルシ
ウム塩の溶解開始時間を重炭酸塩の溶解時間より遅らせ
ることができる。また、カルシウム塩と酸を別層とする
ことにより、組合わせによっては生じ得る、カルシウム
塩と酸の反応を避けることができる。
【0010】酸として酢酸を用い、上記液体酸吸着表面
を増やすための成分として酢酸ナトリウムをカプセル内
成分として加える場合は、少なくとも一部の酢酸はナト
リウムジアセテートとなり固体化する。ブドウ糖はカプ
セル表層剤として存在させるが、カプセル内成分、カプ
セル外成分にも存在させても差支えない。カプセル表層
剤にブドウ糖以外の結晶成分を共存させることも可能で
あるが、表層成分としてブドウ糖単独使用がカプセル強
度の点から、またカプセル表層に通気孔形成防止の点か
ら好ましい。かかる通気孔の存在は、酸として揮発性酸
を使用する時、酸の蒸気がカプセルから漏れ易くなるの
で好ましくない。表層成分にカルシウム塩や酸を包含さ
せるのは本願の趣旨からして好ましくない。
【0011】酸としては酢酸、塩酸なども使用可能であ
るが、液体酸は揮発性で、徐々にカプセル外に出ていく
恐れがあるので、酢酸と酢酸ナトリウムから形成される
ナトリウムジアセテート、クエン酸、酒石酸、琥珀酸、
乳酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などの常温で固体の
酸が使用可能で、特に脂肪族系カルボン酸が好ましい。
ただし、ものによっては、血液凝固抑制効果があった
り、体内での代謝速度が遅くて蓄積し易かったりするの
で、使用にあたっては、生理的な面での注意を要する。
カプセルを二重層とし酸として液体酸を使用する時は、
カプセル内の外側層には酸を吸着する成分の共存が必須
である。
【0012】透析用剤全体での各成分の比率は目的とす
る前記の透析液組成およびPHから決定される。本発明
の目的を害しない範囲で、他の成分を添加することもで
きる。これらの全体組成は、本質的には本願の目的とは
無関係に、透析患者に対する治療方針によって決定され
る。本発明の固体透析用剤は、A剤とB剤を合わせなく
ても必要な成分を全て中に含有している、いわゆる一剤
型の透析用剤である。各固体原料は、カプセル内成分、
カプセル外成分共に大きさ250μm以下に粉砕されて
いることが好ましい。それらから得られる固体透析用剤
の粒径は0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mm
である。その範囲は水に対する溶解性と流動性から好ま
しいものである。
【0013】次に本発明の粒状の透析溶剤の製造法につ
いて述べる。これは一例であって、これに限定されるも
のではない。カプセル内成分として必須であるカルシウ
ム塩および、酸として固体酸を用いる場合はその固体
酸、必要により添加されるその他の成分は好ましくは予
め250μm以下に粉砕され、混合され、その後にカプ
セル化される。カプセル内成分は混合後、少量の水もし
くはブドウ糖水溶液を加えて押出し成型機により造粒さ
れる。押出し成型の他、回転ドラムなどの転動造粒機に
より、水や使用成分の水溶液を噴霧しつつ造粒すること
も可能である。必要により、造粒中または造粒後に乾燥
される。この粒径は、好ましくは5mm以下である。粒
の形状は、カプセル外成分と混合しただけの状態で使用
に供される場合は球状が流動性の点から好ましい。カプ
セル外成分とともに粒状に成型される場合は、形状は問
わないが、造粒の容易性から云えば、むしろ球状でなく
角張ったものの方が好ましい。
【0014】酸として液体酸を使用する時は添加される
水の一部もしくは全部をを酸に変えることができる。水
の全部を液体酸に代える場合は、乾燥により揮発する酸
の量の管理が重要となる。ただし、ブドウ糖の酢酸溶液
の使用はブドウ糖の変質の点から避ける方が好ましい。
また、酸としてナトリウムジアセテートを使用する時
は、初めからナトリウムジアセテートを使用する方法
と、酢酸ナトリウムを含むカプセル内成分を成型した後
に酢酸と酢酸ナトリウムからナトリウムジアセテートを
形成させる方法とがある。前者においては、少量の水添
加によってもナトリウムジアセテートが分解して酢酸を
放出され、乾燥で失われる可能性があるので、乾燥条件
に注意するとともに予めその消失量を見込んで、使用酢
酸量を決める必要がある。後者の場合もできるだけ水を
使用しないのが好ましいが、次工程でブドウ糖をコーテ
イングする時の水分で分解が起こり、乾燥で酢酸が失わ
れる可能性があるので、乾燥条件に注意する必要がある
し、この場合も余分の酢酸を見込んでおくのが好まし
い。
【0015】得られた粒は、次に攪拌しつつ少量のブド
ウ糖水溶液を噴霧され、乾燥される。粒を攪拌・乾燥を
しつつ、微量の水の噴霧とブドウ糖の添加を交互に繰返
すことも可能である。乾燥温度はブドウ糖の変質を避け
るために150℃以下、好ましくは100℃以下であ
る。酸として液体酸を使用する時は、乾燥温度はさらに
低いのが好ましいし、ナトリウムジアセテートを使用す
る時も、140℃で分解し始めるので、130℃以下が
好ましい。かくして、ブドウ糖を表層とする糖衣カプセ
ルが得られる。
【0016】得られたカプセルは、そのまま粉砕・混合
されたカプセル外成分と混合して一回使用量毎の容量の
容器に収めることができる。カプセル外成分は必要によ
り直径0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mmの
顆粒状に成型されているのが流動性の点から好ましい。
また、カプセルとカプセル外成分の粒径はほぼ同じであ
るのが好ましい。また容器内でカプセルおよびカプセル
外の各成分が容器内で偏析する場合があるが、容器内全
量を一度に溶解することにより、所定組成の透析液を作
成することができる。
【0017】また、得られたカプセルにカプセル外成分
をコーテイングして、各粒が全透析成分を包含している
ようにすることもできる。各粒の組成が均一にできれ
ば、容器から必要量のみを取出して透析液作成に供する
ことができる。その場合、カプセル外成分全部を一層と
してコーテイングすることもできるし、またカプセル外
成分をいくつかに分けて多重コーテイングすることも可
能である。カプセル外成分をカプセルにコーテイングす
るためには、カプセル外成分とカプセルを、少量の水を
噴霧しながら混合し、乾燥することによっても可能であ
るし、カプセル外成分の水溶液をカプセルに少量ずつ噴
霧と乾燥を繰返すことによっても可能である。各粒の成
分の均一性、すなわち、カプセル外成分のみからなる粒
子の形成が少ない点からは後者が好ましいが、製造工程
が長くなるし、空隙のない塩の層を形成してしまうの
で、溶解性に劣る。各塩は粉末が空隙を有しながらもと
の粉末状態を維持しながら凝集して、カプセルなり粒な
りを形成しているのが溶解性の点から好ましい。上記水
に代えてブドウ糖水溶液を使用することも勿論かのうで
ある。
【0018】カプセルに微量の水を噴霧し、少量のカプ
セル外成分粉末と混合乾燥し、さらに水を噴霧してカプ
セル外成分粉末を混合し、乾燥する工程を繰返すことに
より、工程は長くなるが均一性の高い粒子を形成でき
る。その場合、ブドウ糖と重炭酸ナトリウムの接触はブ
ドウ糖の変質を加速することがあるので、カプセル表層
のブドウ糖ととの接触を避けるために重炭酸ナトリウム
の混合はなるべく後で行うのが好ましい。この場合も生
成した粒の直径は0.1〜10mm、好ましくは0.2
〜5mmが流動性の点から好ましい。
【0019】酸として液体酸やナトリウムジアセテート
を使用した時は、カプセル表層形成時、カプセルとカプ
セル外成分を混合する場合、また一体粒に成型する場合
に、攪拌に留意して、カプセルや粒の表面温度が上昇し
て、酸の揮発や分解を起したりすることがないように注
意する必要がある。混合機内温度は低温に制御されてい
ても、粒やカプセルの表面は互いの摩擦や衝突により、
瞬間的に部分的に高温となり、酸が分解揮発して透析液
が所定のPHとならない場合があるので、条件設定に注
意する。攪拌は槽の中を攪拌器が回転するものよりも、
横になった槽がゆっくり回転するドラム式のもので行
い、乾燥しつつコーテイングもしくは造粒するのが、部
分的に過度の摩擦を生じない点から好ましい。酸の消失
が避けられない場合は、予め消失量を見込んで、多めに
使用する必用がある。カプセルに含有させる酸の量は、
それを水に溶解させた透析液に対して治療から要求され
るPHの目標値および完成した透析用剤内に含有する他
の成分によって決る。通常はPH7.1〜7.4、好ま
しくは7.2〜7.3か選択される。
【0020】次の本発明を実施例により説明するが、こ
れにより何等限定させるものではない。なお実施例にお
いて、重炭酸イオン濃度はイオンクロマトグラフイーに
より、またpHはpHメーターにより測定した。また溶
解性は攪拌された水に試料を投入して溶解時間および水
溶液中の凝集物の有無を目視により判定した。
【0021】〔実施例1〕塩化カルシウム1.968k
g、塩化マグネシウム0.5622kgをボールミルで
平均粒径50μmに粉砕・混合し、約2重量%の水を噴
霧混合し、双軸造粒機を用いて平均径450μmの粒子
を得た。これを120℃の温風を流した回転横型ドラム
に入れ、微量の水の噴霧と、直径約50μmに粉砕され
たクエン酸の少量の添加とを交互繰返して、1.944
kgのクエン酸を添加コーテイングした。次に温風温度
を80℃に変更し、水噴霧とブドウ糖添加とを繰返し
て、ブドウ糖総量11.82kgをコーテイングさせ、
直径980μmの糖衣カプセルを得た。別に重炭酸ナト
リウム24.82kg、塩化ナトリウム73.9kg、
塩化カリウム1.763kg、酢酸ナトリウム7.75
4kg、を混合粉砕して平均粒径50μmとし、上記カ
プセルを混合・乾燥しつつ、水噴霧と上記混合粒子の添
加を繰返して直径約1.6mmの透析用剤とした。この
多重粒子10.6gを、製造直後、もしくはポリプロピ
レン製ボトル中1ケ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月密閉
保存後に各々水を加えて1リットルの溶液とし、pH、
重炭酸イオン濃度を測定した。また各保存期間後の溶解
性を約30倍濃度、すなわち、粒子318gを1リット
ルに溶解して調べた。測定結果を表1〜3に示す。
【0022】〔実施例2〕塩化カルシウム1.968k
g、塩化カリウム1.763kgを混合粉砕して平均直
径50μmとした。ここに少量の水を噴霧混合し、双軸
造粒機で平均径390μm(大きいこと)の粒とし、乾
燥した。これを混合乾燥しつつ、水噴霧とやはり約50
μmに粉砕された塩化ナトリウムの少量添加を繰返して
合計3kgの塩化ナトリウムをコーテイングした後に、
同様にして酢酸ナトリウム7.754kgをコーテイン
グした。次に回転横型ドラム中で酢酸約2kgを添加
し、約10時間混合し、その後に酢酸臭が消えるまで6
0℃の温風を流して乾燥した。その粒子を混合・60℃
乾燥をしつつ、水噴霧とブドウ糖添加を交互に繰返し、
総量11.82kgのブドウ糖をコーテイングして平均
直径800μmの糖衣カプセルを得た。別に重炭酸ナト
リウム24.82kg、塩化ナトリウム70.9k
g、、塩化マグネシウム0.5622kgを混合粉砕し
て平均粒径50μmとした。得られた混合物に水を噴霧
して双軸造粒機にて平均800μmに造粒・乾燥した。
これに上記糖衣カプセルを混合して透析用剤とした。こ
の透析用剤10.6gを、製造直後、もしくはポリプロ
ピレン製ボトル中1ケ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月密
閉保存後に各々水を加えて1リットルの溶液とし、p
H、重炭酸イオン濃度を測定した。また各保存期間後の
溶解性を30倍濃度で調べた。測定結果を表1〜3に示
す。
【0023】〔比較例1〕塩化カルシウム1.968k
g、塩化マグネシウム0.5622kg、重炭酸ナトリ
ウム24.82kg、塩化ナトリウム73.9kg、塩
化カリウム1.763kg、酢酸ナトリウム7.754
kg、クエン酸1.944kg、ブドウ糖11.82k
gを混合、粉砕、微量の水を噴霧して双軸造粒機で平均
粒径800μに造粒し、80℃で乾燥した。この透析用
剤10.6gを、製造直後、もしくはポリプロピレン製
ボトル中1ケ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月密閉保存後
に各々水を加えて1リットルの溶液とし、pH、重炭酸
イオン濃度を測定した。また各保存期間後の溶解性を3
0倍濃度で調べた。測定結果を表1〜3に示す。
【0024】〔比較例2〕塩化カルシウム1.968k
g、塩化マグネシウム0.5622kg、重炭酸ナトリ
ウム24.82kg、塩化ナトリウム73.9kg、塩
化カリウム1.763kg、酢酸ナトリウム7.754
kg、ブドウ糖11.82kgを混合、粉砕、微量の水
を噴霧してを双軸造粒機で平均粒径800μに造粒、乾
燥した。得られた粒に攪拌しつつ酢酸約2kgを噴霧
し、6時間密閉放置した後に50℃で減圧乾燥した。こ
の透析用剤10.6gを、製造直後、もしくはポリプロ
ピレン製ボトル中1ケ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月密
閉保存後に各々水を加えて1リットルの溶液とし、p
H、重炭酸イオン濃度を測定した。またその30倍濃度
の溶解性を同様にして各保存後に調べた。測定結果を表
1〜3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【効果】本発明の固体透析用剤ではカルシウム塩と酸が
ブドウ糖表層によって形成されたカプセル内に存在し、
カプセル外の重炭酸塩と隔離されており、溶解時におい
ても、重炭酸塩の溶解後にカルシウム塩の溶解が始るの
で、重炭酸カルシウムの沈澱を生じることがない。さら
に、保存中に酸と重炭酸塩と接触する可能性が少なく、
重炭酸イオンの減少が防止できる。保存性、溶解性、取
扱性に優れた、一剤で全成分を含有した固体透析用剤を
提供し、透析液もしくはその濃縮液を簡単に作成でき
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウム塩と酸とを中に含み、重炭酸ナ
    トリウムを中に含まず、表面をブドウ糖で覆われたカプ
    セルと、カルシウム塩と酸を含まないカプセル外成分と
    からなることを特徴とする固体透析用剤。
  2. 【請求項2】カプセルの内部が内側のカルシウム塩層と
    外側の酸層とを包含している請求項1記載の固体透析用
    剤。
  3. 【請求項3】カルシウム塩と酸を含まないカプセル外成
    分と上記カプセルとが粒状に一体成型されてなる請求項
    1記載の固体透析用剤。
  4. 【請求項4】カルシウム塩と酸を含まないカプセル外成
    分と上記カプセルとが混合されてなる請求項1記載の固
    体の透析用剤。
  5. 【請求項5】酸が固体酸からなる請求項1記載の固体透
    析用剤。
JP9314157A 1997-10-13 1997-10-13 固体透析用剤 Pending JPH11114054A (ja)

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