JPH11111731A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH11111731A
JPH11111731A JP27090097A JP27090097A JPH11111731A JP H11111731 A JPH11111731 A JP H11111731A JP 27090097 A JP27090097 A JP 27090097A JP 27090097 A JP27090097 A JP 27090097A JP H11111731 A JPH11111731 A JP H11111731A
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JP
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gate
electrode
drain
layer
gate electrode
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JP27090097A
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English (en)
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Shigeharu Matsushita
重治 松下
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲート耐圧の向上及びオン抵抗の抑制が図れ、
非対称構造を簡単なプロセスにより得られるようにす
る。 【解決手段】GaAs基板21の表面近傍にnチャネル
層22を形成し、GaAs基板21の表面近傍のソー
ス、ドレイン形成領域に当たる位置に、nチャネル層2
2よりも高濃度のオーミック電極コンタクト領域23、
24をそれぞれ形成し、GaAs基板21上にソース電
極25、ドレイン電極26及びゲート電極27をそれぞ
れ形成する。このとき、GaAs基板21の表面近傍で
あってゲート電極27、ドレイン電極26間に、nチャ
ネル層22よりもキャリア濃度の高い高濃度領域28を
形成する。これにより、ゲート・ドレイン間の寄生抵抗
を抑えてチャネル抵抗の増大を抑制でき、ひいてはオン
抵抗を抑制することが可能になる。また、非対称構造を
簡単なプロセスにより得ることも可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置に関
し、特に半導体基板の表面近傍にチャネル層を備え、半
導体基板表面上にソース電極、ゲート電極、ドレイン電
極を備えた電界効果型トランジスタ(以下、電界効果型
トランジスタをFETと称する)の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置であるガリウム−ヒ素(Ga
As)MESFET等のFETの性能向上を図る手法と
して、ソース抵抗を低減することが従来知られている。
このようにソース抵抗を低減するには、一般にセルフア
ライン注入法やリセスエッチング法を用いてゲート電極
の近傍にまで高濃度領域を配置することが提案されてお
り、セルフアライン注入法の場合には例えば図22ない
し図28に示すような工程となる。
【0003】即ち、図22に示すように、半導体基板1
の表面上に絶縁層として窒化シリコン(SiN)層2を
形成し、このSiN層2上の所定位置にフォトレジスト
によるマスク3を形成し、SiN層2を通して基板1の
表面にシリコンイオン(Si + )を注入して基板1の表
面近傍にチャネル層4を形成する。
【0004】次に図23に示すように、SiN層2上の
ほぼ中央のゲート形成位置にフォトレジストによるダミ
ーゲート6を形成し、その後SiN層2を通して基板1
の表面にSi+ を注入して基板1の表面近傍にチャネル
層4よりも高濃度のオーミック電極コンタクト層7を形
成する。
【0005】続いて図24に示すように、マスク3及び
ダミーゲート6を所定量エッチングした後、これらマス
ク3、ダミーゲート6上及び露出したSiN層2上に絶
縁層として所定厚さの酸化シリコン(SiO2 )層9を
堆積形成し、その後図25に示すように、マスク3及び
ダミーゲート6を除去する。
【0006】さらに図26に示すように、フォトレジス
トパターンを用いてオーミック電極コンタクト層7上の
ソース形成位置及びドレイン形成位置におけるSiO2
層9及びSiN層2をエッチングし、エッチングした箇
所に金ゲルマニウム/ニッケル/金(AuGe/Ni/
Au)合金から成るソース電極11及びドレイン電極1
2を蒸着形成し、450℃、2分程度のアロイを行う。
【0007】その後図27に示すように、フォトレジス
ト14によりゲートパターンの形成並びにゲート開口部
15のエッチングを行い、チタン/白金/金(Ti/P
t/Au)合金から成るゲート電極16を蒸着形成した
後、図28に示すようにリフトオフ法によりフォトレジ
スト14を除去する。
【0008】これによって、チャネル層4よりも高濃度
のオーミック電極コンタクト層7をゲート電極16の近
傍にまで配置した構造のFETが得られるのである。
尚、リセスエッチング法によっても、上記した工程とは
異なる工程によるものの、図28に示す構造と同様に、
ゲート電極の近傍まで高濃度領域を配置したFETが得
られる。
【0009】ところが、このようなセルフアライン注入
法やリセスエッチング法では、ゲート電極に対して対称
な構造、即ちソース電極側の高濃度領域(オーミック電
極コンタクト領域)とドレイン電極側の高濃度領域(オ
ーミック電極コンタクト領域)とが、ゲート電極に対し
て対称な位置に形成されている構造になるため、ソース
抵抗を小さくしようとして高濃度領域をゲート電極に近
づけすぎた場合には、ドレイン側の高濃度領域がゲート
電極に近づきすぎてゲート耐圧の劣化を招くという問題
が新たに生じる。
【0010】そこで、ソース電極側の高濃度領域(オー
ミック電極コンタクト領域)とドレイン電極側の高濃度
領域(オーミック電極コンタクト領域)とが、ゲート電
極に対して非対称な位置(ゲート電極からの距離が異な
る位置)に形成されている構造を採用し、ドレイン側の
高濃度領域をゲート電極から遠ざけることによってゲー
ト耐圧の向上を図ることが提案されており、例えば図2
9に示すように、上記した図28におけるSi+ の注入
を基板1に対して垂直方向ではなく所定角度傾斜した方
向から行う斜め注入法等によって、非対称構造のFET
を製造することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の非対称
構造のFETの場合、非対称構造によりドレイン側の高
濃度領域をゲート電極から遠ざけてゲート耐圧を向上す
ることができる反面、オン抵抗の増大を招くという不都
合が生じる。
【0012】さらに、斜め注入法による非対称構造の場
合、ゲート電極に対するソース、ドレイン電極の位置の
関係が一義的に決まってしまうため、例えば複数のFE
Tを配列した構成の集積回路を設計する際に、ソース、
ゲート、ドレインの順で配置されたFETに隣接してド
レイン、ゲート、ソース順で配置されたFETを同じ斜
め注入法により形成することができず、集積回路を設計
において不利である。
【0013】また、例えばゲート電極の形成位置に予め
リセスエッチングにより凹みを形成した後、その凹みの
位置にゲート電極を形成して成るリセス構造のFETの
場合、フォトレジストパターンを形成してリセスエッチ
ングを行った後、フォトレジストを一旦除去し、再びリ
セスエッチング部分に対してゲート電極形成のためのフ
ォトレジストパターンを形成するため、ゲート形成位置
の均一性が悪く、しかもゲート電極の形成のための工程
が増加し、FETの製造プロセスが複雑化するという問
題点があった。
【0014】この発明が解決しようとする課題は、ゲー
ト耐圧の向上及びオン抵抗の抑制が図れ、非対称構造を
簡単なプロセスにより得られるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体基板の表面近傍にチャネル層を備え、前記半
導体基板表面上にソース電極、ゲート電極、ドレイン電
極を備えた半導体装置において、前記半導体基板の表面
の前記ゲート電極、ドレイン電極間の所定位置に、前記
チャネル層よりもキャリア濃度の高い高濃度領域を形成
して成ることを特徴としている。
【0016】このような構成によれば、ゲート電極、ド
レイン電極間の所定位置に高濃度領域を形成したため、
ゲート・ドレイン間の寄生抵抗が小さく抑えられ、これ
によってチャネル抵抗の増大の抑制を図ることができ、
更にはオン抵抗の抑制を図ることが可能になる。
【0017】また、高濃度領域とゲート電極間に所定の
距離を確保できるため、ゲート耐圧の向上を図ることが
可能になる。
【0018】このとき前記高濃度領域が、請求項2に記
載のように、イオン注入により形成され、或いは請求項
3に記載のように、前記高濃度領域の位置が、前記ゲー
ト電極の領域を形成するためのリセスエッチングにより
定まっていることが望ましい。
【0019】また、請求項4に記載のように、前記半導
体基板の表面の前記ソース電極及びドレイン電極の下方
位置に、前記チャネル層よりもキャリア濃度の高いオー
ミック電極コンタクト領域を備え、前記高濃度領域がこ
のオーミック電極コンタクト領域と同一工程により形成
されて成るとよく、この場合オーミック電極コンタクト
領域と同一の工程で高濃度領域を形成するため、工程の
簡素化を図ることが可能になる。
【0020】さらに請求項5に記載のように、請求項1
ないし4のいずれかに記載の発明において、前記ソース
電極側のオーミック電極コンタクト領域と前記ドレイン
電極側のオーミック電極コンタクト領域とが、前記ゲー
ト電極に対して非対称な位置に形成されていると、集積
回路の設計等における自由度を大きくできて有利であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)この発明の第1の実施形態について
図1ないし図10を参照して説明する。
【0022】GaAsMESFETの概略構成の断面図
を示す図1において、21は半導体基板である半絶縁の
GaAs基板、22はGaAs基板21中の表面近傍に
形成されたnチャネル層、23、24はGaAs基板2
1中の表面近傍のソース、ドレイン形成領域に当たる位
置にそれぞれ形成されたnチャネル層22よりも高濃度
のオーミック電極コンタクト領域、25、26はGaA
s基板21のオーミック電極コンタクト領域23、24
上にそれぞれ形成されたソース電極及びドレイン電極、
27はゲート電極、28はGaAs基板21中の表面近
傍であってゲート電極27、ドレイン電極26間に形成
されたnチャネル層22よりもキャリア濃度の高い高濃
度領域である。
【0023】このとき、高濃度領域28は、ゲート電極
27及びドレイン電極26からそれぞれ予め定められた
距離だけ離れて形成されている。
【0024】このような構成のFETの製造工程につい
て説明すると、まず図2に示すように、GaAs基板2
1の表面上に絶縁層として厚さ50nmのSiN層31
を形成し、このSiN層31上の所定位置にフォトレジ
ストによるマスク32を形成し、SiN層31を通して
GaAs基板21の表面に、60keV、5×1012
-2程度のシートキャリア濃度でSi+ を注入してGa
As基板21中の表面近傍にnチャネル層22を形成す
る。
【0025】次に、一旦マスク32を除去した後に、図
3に示すように、再びフォトレジストによりSiN層3
1上にダミーゲート34及びn+ 層を形成するためのマ
スク35を形成し、100keV、5×1013cm-2
度のシートキャリア濃度でSi+ を注入して、nチャネ
ル層22よりも高濃度のオーミック電極コンタクト領域
23、24及び高濃度領域28を同時にGaAs基板2
1中の基板表面近傍に形成する。
【0026】続いて図4に示すように、酸素プラズマに
よりダミーゲート34及びマスク35を300nm程度
エッチングし、ECRプラズマCVDにより、これらダ
ミーゲート34、マスク35上及び露出したSiN層3
1上に所定厚さのSiO2 層37を堆積形成し、その後
図5に示すように、ダミーゲート34、マスク35の側
壁部に堆積したSiO2 層37を希釈したフッ化水素酸
(HF)により除去し、更にフォトレジストから成るダ
ミーゲート34、マスク35をリフトオフ法により除去
し、オーミック電極コンタクト領域23、24及び高濃
度領域28の上側にのみSiO2 層37を残しておく。
【0027】そして、注入層の電気的活性化のために、
880℃、5秒程度の短時間のアニールを行った後、図
6に示すように、フォトレジストパターンを用いてオー
ミック電極コンタクト領域23、24上のソース形成位
置及びドレイン形成位置におけるSiO2 層37及びS
iN層31をエッチングし、エッチングした箇所にAu
Ge/Ni/Auを蒸着し、リフトオフ法によりオーミ
ック電極パターンを形成した後、450℃、2分程度の
アロイを行ってAuGe/Ni/Au合金から成るソー
ス電極25及びドレイン電極26を形成する。
【0028】さらに図7に示すように、フォトレジスト
38によりゲートパターンの形成並びにゲート開口部の
エッチングを行い、蒸着によりTi/Pt/Au層39
を形成した後、図8に示すようにリフトオフ法によりフ
ォトレジスト38を除去してTi/Pt/Au合金から
成るゲート電極27を形成する。
【0029】このように、図1に示すように、ゲート電
極27の近傍であってゲート電極27から一定距離離れ
た位置に、nチャネル層22よりもキャリア濃度の高い
高濃度領域28を配置した非対称構造のFETが得られ
るのである。
【0030】ところで、上記したイオン注入による工程
により製造した本発明のGaAsMESFETとイオン
注入による従来構造のFET(図28参照)について特
性の測定を行ったところ、表1に示すような結果になっ
た。但し図9に示すように、本発明のGaAsMESF
ETのゲート長は0.5μm、高濃度領域28の長さは
0.5μm、ゲート電極27とソース側のコンタクト領
域23との間の距離は0.4μm、高濃度領域28とゲ
ート電極27及びドレイン側のコンタクト領域24との
間の距離はそれぞれ0.4μm、0.5μmであり、比
較される従来構造のゲート長も同じく0.5μmであ
る。ここで、高濃度領域28の長さ、高濃度領域28と
ゲート電極27及びドレイン側のコンタクト領域24と
の間の距離はほぼ同程度であるのが好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、本発明のGaAsMES
FETは、相互コンダクタンス、しきい値電圧、オン抵
抗、電流遮断周波数において従来構造のものと同等であ
り、従来のものとほぼ同じDC特性及びRF特性を維持
し、特にゲート耐圧については従来のほぼ2倍に向上し
ていることがわかる。
【0033】これは、ゲート・ドレイン間に高濃度領域
28を形成することによって、ゲート・ドレイン間の寄
生抵抗を小さく抑えることができ、チャネル抵抗の増大
の抑制を図ることが可能になり、FETのオン抵抗の抑
制を図ることが可能になったためであり、特に高濃度領
域28とゲート電極27間の距離を確保することで、ゲ
ート耐圧の向上を図ることが可能になったものである。
【0034】また、複数のFETを配列した構成の集積
回路を設計する際に、例えば図10に示すようにソース
電極25、ゲート電極27、ドレイン電極26の順で配
置されたFETに隣接してドレイン電極26、ゲート電
極27、ソース電極25順で配置されたFETを同じ形
成する場合であっても、図2ないし図8に示す各工程に
よると、これらFETを同時に形成することができ、集
積回路の設計上非常に有利である。
【0035】以上のように、第1の実施形態によれば、
ゲート・ドレイン間に高濃度領域28を形成したため、
ゲート・ドレイン間の寄生抵抗を小さく抑えてチャネル
抵抗の増大の抑制を図ることができ、ひいてはFETの
オン抵抗の抑制を図ることが可能になる。
【0036】また、高濃度領域28とゲート電極27間
の距離を確保することができるため、ゲート耐圧の向上
を図ることが可能になる。
【0037】さらに、高濃度領域28をオーミック電極
コンタクト領域23、24と同一工程で形成したため、
FETの製造工程全体の簡素化を図ることが可能にな
り、歩留りの大幅な向上を図ることができる。
【0038】また、非対称構造のFETが簡単なプロセ
スにより得られるため、集積回路の設計等において非常
に有利になる。
【0039】(第2の実施形態)この発明の第2の実施
形態について図11ないし図21を参照して説明する。
【0040】図11はリセスエッチング法によるGaA
sMESFETの概略構成の断面図を示し、同図におい
て、41は半導体基板であるGaAs基板、42はGa
As基板41の表面近傍に形成されたnチャネル層、4
3、44はGaAs基板41の表面上のソース、ドレイ
ン形成領域に当たる位置にそれぞれ形成されたnチャネ
ル層42よりも高濃度のオーミック電極コンタクト領
域、45、46はGaAs基板41のオーミック電極コ
ンタクト領域43、44上にそれぞれ形成されたソース
電極及びドレイン電極、47はゲート電極、48はGa
As基板41の表面上であってゲート電極47、ドレイ
ン電極46間に形成されたnチャネル層42よりもキャ
リア濃度の高い高濃度領域であり、図1の場合と同様、
高濃度領域48は、ゲート電極47及びドレイン電極4
6からそれぞれ予め定められた距離だけ離れて形成され
ている。
【0041】このとき、GaAs基板41はエピタキシ
ャル成長により形成され、単結晶GaAs基板の表面
に、図12に示すように、4×1017cm-3のキャリア
濃度でドーピングされたnチャネル層42としての厚さ
100nmのn−GaAs層49aが積層形成され、更
にこのn−GaAs層49a上に3×1018cm-3のキ
ャリア濃度でドーピングされたオーミック電極コンタク
ト領域43、44としての厚さ80nmのn−GaAs
層49bが積層形成されている。尚、以下の製造工程の
説明において、これらn−GaAs層49a、49bを
併せてドーピング層49と称することとする。
【0042】つぎに、製造工程について説明すると、ま
ず図13に示すように、GaAs基板41上に厚さ50
nmのSiN層51を堆積形成し、このSiN層51上
の端部の所定位置にフォトレジストによるダミーゲート
52及びマスク53を形成し、次に図14に示すよう
に、酸素プラズマによりダミーゲート52及びマスク5
3を300nm程度エッチングし、ECRプラズマCV
Dにより、これらダミーゲート52、マスク53上及び
露出したSiN層51上に所定厚さのSiO2 層55を
堆積形成する。
【0043】続いて図15に示すように、ダミーゲート
52、マスク53の側壁部に堆積したSiO2 層55を
希釈したHFにより除去し、更にフォトレジストから成
るダミーゲート52、マスク53をリフトオフ法により
除去した後、図16に示すように、フォトレジストパタ
ーンを用いてソース形成位置及びドレイン形成位置にお
けるドーピング層49(詳細にはn−GaAs層49
b)上のSiO2 層55及びSiN層51をエッチング
し、エッチングした箇所にAuGe/Ni/Auを蒸着
し、リフトオフ法によりオーミック電極パターンを形成
した後、450℃、2分程度のアロイを行ってAuGe
/Ni/Au合金から成るソース電極45及びドレイン
電極46を形成する。
【0044】そして図17に示すように、表面にSiN
層51が露出している部分にエッチングを行ってこのS
iN層51を除去し、更にその部分にリセスエッチング
を行い、n−GaAs層49bを除去する。これによ
り、n−GaAs層49bは、ソース電極45の下方に
位置する第1の部分49b1 と、ドレイン電極46の下
方に位置する第2の部分49b2 と、それらの間に位置
する第3の部分49b3の3つの部分に分離される。ま
た、前記第1の部分49b1 と第3の部分49b3 との
間の領域には、ゲート電極が形成される凹所60が形成
される。
【0045】次に図18に示すように、前記凹所60以
外の部分にフォトレジスト57を形成し、ゲートパター
ンの形成を行った後、図19に示すように、前記凹所6
0に蒸着によりTi/Pt/Au層59を形成し、その
後図20に示すように、リフトオフ法によりフォトレジ
スト57を除去してTi/Pt/Au合金から成るゲー
ト電極47を形成する。
【0046】この場合も、図1に示すイオン注入による
FETと同様、図11に示すようにゲート電極47の近
傍であってゲート電極47から一定距離離れた位置に、
nチャネル層42よりもキャリア濃度の高い高濃度領域
48を配置した非対称構造のFETが得られる。
【0047】ところで、上記したリセスエッチング法に
より製造した本発明の構造を有するGaAsMESFE
Tと従来構造のFETについて特性の測定を行ったとこ
ろ、表2に示すような結果になった。但し図21に示す
ように、本発明のGaAsMESFETのゲート長は
0.5μm、高濃度領域48の長さは0.5μm、ゲー
ト電極47とソース側のコンタクト領域43との間の距
離は0.4μm、高濃度領域48とゲート電極47及び
ドレイン側のコンタクト領域44との間の距離はそれぞ
れ0.4μm、0.5μmであり、比較される従来構造
のゲート長も同じく0.5μmである。ここで、高濃度
領域48の長さ、高濃度領域48とゲート電極47及び
ドレイン側のコンタクト領域44との間の距離はほぼ同
程度であるのが好ましい。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果から、本発明のリセスエッチン
グによるGaAsMESFETも、相互コンダクタン
ス、しきい値電圧、オン抵抗、電流遮断周波数において
従来構造のものと同等であり、従来のものとほぼ同じD
C特性及びRF特性を維持し、ゲート耐圧についても従
来のほぼ2倍に向上していることがわかる。
【0050】従って、第2の実施形態によれば、上記し
た第1の実施形態の場合と同等の効果を得ることができ
る。
【0051】なお、上記各実施形態では、半導体基板と
してGaAsを用いた場合について説明したが、特にこ
れに限定されるものではない。
【0052】また、上記各実施形態では、非対称構造の
FETを製造する場合について説明したが、対称構造の
FETにもこの発明を適用できるのはいうまでもない。
【0053】さらに、上記各実施形態では、高濃度領域
28、48がこのオーミック電極コンタクト領域23、
24、43、44と同一工程により形成する場合につい
て説明したが、高濃度領域は28、48はこれらオーミ
ック電極コンタクト領域23、24、43、44と必ず
しも同一工程により形成する必要はなく、別の工程によ
り形成してもよいのは勿論である。
【0054】また、上記各実施形態では、高濃度領域2
8、48がこのオーミック電極コンタクト領域23、2
4、43、44と同一工程により形成されることから、
キャリア濃度及び厚さも同じに設定されているが、これ
らは必ずしも同じである必要はなく、少なくとも高濃度
領域がチャネル層よりも高濃度であればよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ゲート
・ドレイン間に高濃度領域を形成したため、ゲート・ド
レイン間の寄生抵抗を小さく抑えてチャネル抵抗の増大
の抑制を図ることができ、ひいてはFETのオン抵抗の
抑制を図ることが可能になる。
【0056】さらに、高濃度領域、ゲート電極間の距離
を確保できることから、ゲート耐圧の向上を図ることが
可能になる。
【0057】更に、本発明によれば、高濃度領域をオー
ミック電極コンタクト領域と同一工程で形成したため、
FETの製造工程の簡素化を図ることができ、歩留りの
大幅な向上を図ることが可能になる。
【0058】また、ゲート電極に対して非対称構造とし
た場合に、簡単なプロセスにより非対称構造のFETが
得られるため、集積回路の設計等において非常に有利に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の断面図である。
【図2】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図3】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図4】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図5】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図6】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図7】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図8】第1の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図9】第1の実施形態の説明図である。
【図10】第1の実施形態の説明図である。
【図11】第2の実施形態の断面図である。
【図12】第2の実施形態の一部の断面図である。
【図13】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図14】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図15】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図16】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図17】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図18】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図19】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図20】第2の実施形態の製造工程を示す断面図であ
る。
【図21】第2の実施形態の説明図である。
【図22】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図23】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図24】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図25】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図26】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図27】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図28】従来例の製造工程を示す断面図である。
【図29】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
21、41 GaAs基板(半導体基板) 22、42 nチャネル層 23、24、43、44 オーミック電極コンタクト
領域 25、45 ソース電極 26、46 ドレイン電極 27、47 ゲート電極 28、48 高濃度領域 60 凹所(ゲート電極の領域)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面近傍にチャネル層を備
    え、前記半導体基板表面上にソース電極、ゲート電極、
    ドレイン電極を備えた半導体装置において、 前記半導体基板表面の前記ゲート電極、ドレイン電極間
    の所定位置に、前記チャネル層よりもキャリア濃度の高
    い高濃度領域を形成して成ることを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 前記高濃度領域が、イオン注入により形
    成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 前記高濃度領域の位置が、前記ゲート電
    極の領域を形成するためのリセスエッチングにより定ま
    っていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板の表面の前記ソース電極
    及びドレイン電極の下方位置に、前記チャネル層よりも
    キャリア濃度の高いオーミック電極コンタクト領域を備
    え、前記高濃度領域がこのオーミック電極コンタクト領
    域と同一工程により形成されて成ることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記ソース電極側のオーミック電極コン
    タクト領域と前記ドレイン電極側のオーミック電極コン
    タクト領域とが、前記ゲート電極に対して非対称な位置
    に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251880A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd 半導体装置

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