JPH11109624A - 難燃性感光性樹脂組成物及び感光性エレメント - Google Patents

難燃性感光性樹脂組成物及び感光性エレメント

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JPH11109624A
JPH11109624A JP26444397A JP26444397A JPH11109624A JP H11109624 A JPH11109624 A JP H11109624A JP 26444397 A JP26444397 A JP 26444397A JP 26444397 A JP26444397 A JP 26444397A JP H11109624 A JPH11109624 A JP H11109624A
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勝則 土屋
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哲也 吉田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 感度、光硬化性、耐折性、はんだ耐熱性及び
難燃性等に優れた感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)トリブロモフェニルアクリレート
とアクリル酸若しくはメタクリル酸とその他のビニルモ
ノマーとを共重合して得られるカルボキシル基を有する
バインダポリマー、(b)ペンタメチレンカーボネート
単位からなる繰り返し単位とヘキサメチレンカーボネー
ト単位からなる繰り返し単位を有するコポリカーボネー
ト、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシエチル
アクリレート若しくはヒドロキシエチルメタクリレート
の反応物、(c)下記一般式(1) (式中R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又はメチ
ル基、p及びqはp+qが5〜30となる正の整数)で
示される光重合性化合物、(d)光重合開始剤、(e)
アミノ樹脂及び(f)三酸化アンチモンを含有してなる
難燃性感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブルプリ
ント配線板等の製造に使用し得る保護膜(カバーレイ)
形成用の難燃性感光性樹脂組成物及び感光性エレメント
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造には、従来より液
状又はフィルム状の感光性組成物が用いられている。例
えば、銅箔を絶縁基板上に積層した銅張積層板の銅箔を
エッチングするときのレジストとして、又は配線の形成
されたプリント配線板のはんだ付け位置の限定及び保護
の目的で使用するソルダレジスト等として使用されてい
る。
【0003】プリント配線板には、カメラなどの小型機
器に折り曲げて組み込むことのできるフィルム状のプリ
ント配線板、一般にフレキシブルプリント配線板(FP
C)と称されるものがある。このFPCも部品搭載のた
めにはんだ付けが行われ、ソルダレジストが必要であ
る。この目的のためにポリイミドフィルムを所定の型に
打ち抜いたものを積層したり、耐熱性の材料で構成され
た印刷インクを印刷して用い、前者をカバーレイ、後者
をカバーコートと呼んでいる。
【0004】このカバーレイ、カバーコートははんだ付
け後の配線の保護も兼ねており、はんだ付け時の耐熱
性、絶縁性、基板の組み込み時の折り曲げでクラックが
入らない可とう性が必要である。また、電池駆動の機器
以外に用いられるFPCに用いるには難燃性も必要であ
る。
【0005】現在、接着剤層を有するポリイミドフィル
ムやポリエステルフィルムを所定の型に打ち抜いて形成
されるカバーレイは、これらの特性を満足しており最も
多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要で、
打ち抜いたフィルムを人手で位置合わせ、張り合わせを
するために製造コスト高になり、また、近年の高密度化
に要求に対して微細パターンの形成が困難であるという
問題がある。
【0006】そこで、写真現像法(イメージ露光に続く
現象により画像を形成する方法)で難燃性、寸法精度、
解像度に優れた高精度、高信頼性のカバーレイを形成す
る感光性樹脂組成物、特に感光性フィルム(感光性エレ
メント)の出現が望まれていた。
【0007】この目的のために、ソルダーマスク形成用
感光性樹脂組成物を用いることが試みられた。例えばア
クリル系ポリマー及び光重合性モノマーを主成分とする
感光性樹脂組成物(特開昭53−56018号公報、同
54−1018号公報等)、耐熱性の良好な感光性樹脂
組成物として主鎖にカルコン基を有する感光性エポキシ
樹脂及びエポキシ硬化剤を主成分とする組成物(特開昭
54−82073号公報、同58−62636号公
報)、エポキシ基を含有するノボラック型エポキシアク
リレート及び光重合開始剤を主成分とする組成物(特開
昭61−272号公報)が挙げられ、安全性及び経済性
に優れたアルカリ水溶液で現像可能なソルダーマスク形
成用感光性樹脂組成物としては、カルボキシル基含有ポ
リマー、単量体、光重合開始剤及び熱硬化性樹脂を主成
分とする組成物(特開昭48−73148号公報、同5
7−178237号公報、同58−42040号公報、
同59−151152号公報等)等が挙げられるが、い
ずれも難燃性と可撓性が不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感度
及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーにより効率
良く形成でき、耐折性、はんだ耐熱性及び難燃性等に優
れた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、感度及び光硬化性に
優れ、フォトリソグラフィーにより効率良く形成でき、
耐折性、はんだ耐熱性及び難燃性等に優れ、また、取扱
い性、作業性に優れた感光性エレメントを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、a)トリブロ
モフェニルアクリレートとアクリル酸若しくはメタクリ
ル酸とその他のビニルモノマーとを共重合して得られる
カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(b)ペ
ンタメチレンカーボネート単位からなる繰り返し単位
(A)とヘキサメチレンカーボネート単位からなる繰り
返し単位(B)を有し、これら繰り返し単位のモル比
A:Bが9:1〜1:9であるコポリカーボネート、イ
ソホロンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリ
レート若しくはヒドロキシエチルメタクリレートの反応
物、(c)下記一般式(1)
【0011】
【化2】 (式中R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又はメチ
ル基を表し、p及びqはp+qが5〜30となるように
選ばれる正の整数である)で示される光重合性化合物、
(d)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開
始剤、(e)アミノ樹脂及び(f)三酸化アンチモンを
含有してなる難燃性感光性樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0012】また、本発明は支持体フィルム上に上記難
燃性感光性樹脂組成物の層を積層してなる感光性エレメ
ントを提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の難燃性感光性樹
脂組成物において詳細に説明する。
【0014】本発明の難燃性感光性樹脂組成物におい
て、(a)成分はトリブロモフェニルアクリレートとア
クリル酸若しくはメタクリル酸とその他のビニルモノマ
ーとを共重合して得られるカルボキシル基を有するバイ
ンダーポリマーである。
【0015】ここで(a)成分のトリブロモフェニルア
クリレートは、好ましくは3重量%〜65重量%、より
好ましくは30重量%〜50重量%の割合で共重合させ
る。トリブロモフェニルアクリレートの共重合量が5重
量%未満の場合は、難燃性が低下する傾向にあり、トリ
ブロモフェニルアクリレートの共重合量をが65重量%
を超える場合には、難燃性が得られるが、硬化させたカ
バーレイの耐折性が低下する傾向にある。
【0016】アクリル酸若しくはメタクリル酸は、好ま
しくは10重量%〜45重量%の割合で共重合させる。
【0017】その他のビニルモノマとしては、特に制限
はなく、例えば、アクリル酸メチルエステル、メタクリ
ル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタ
クリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、
メタクリル酸ブチルエステル等のアクリル酸若しくはメ
タクリル酸のアルキルエステル、アクリル酸2−エチル
ヘキシルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエ
ステル、アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、
メタクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、アクリ
ル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチルエステル、アクリル酸ジエチルアミノ
エチルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエ
ステル、スチレン、α−スチレン、ビニルトルエン、N
−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルア
ミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
られる。これらの共重合量は25〜87重量%が好まし
い。
【0018】(a)成分のカルボキシル基を有するバイ
ンダーポリマーは、アルカリ水溶液(例えば1〜3重量
%の炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水溶液等)に可溶
又は膨潤可能であることが現像性、環境保全性の点で好
ましい。
【0019】また、酸価は65〜300mgKOH/g
であることが好ましく酸価が65mgKOH/g未満で
は現像時間が遅くなる傾向にあり、300mgKOH/
gを超えると光硬化したレジストの耐現像性が低下する
傾向がある。また、重量平均分子量(GPC測定で、ポ
リスチレン換算したもの)は、2,000〜300,0
00であることが好ましい。重量平均分子量が2,00
0未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,
000を超えると現像時間が長くなる傾向にある。
【0020】(a)成分の配合量は、(a)、(b)及
び(c)成分の合計量100重量部に対しての30〜7
0重量部が好ましい。30重量部未満ではアルカリ現像
性の低下や、感光性エレメントとした場合感光性樹脂組
成物層が柔らかくなりフィルム端部からしみ出しなどの
問題が生ずる傾向がある。また、70重量部を超えると
感度の低下やはんだ耐熱性の低下が起こる傾向がある。
【0021】本発明の感光性樹脂組成物は、(b)を必
須成分として含有する。(b)成分はペンタメチレンカ
ーボネート単位からなる繰り返し単位(A)とヘキサメ
チレンカーボネート単位からなる繰り返し単位(B)を
有し、これら繰り返し単位のモル比A:Bが9:1〜
1:9であるコポリカーボネート、イソホロンジイソシ
アネート及びヒドロキシエチルアクリレート若しくはヒ
ドロキシエチルメタクリレートの反応物である。
【0022】この(b)成分の合成に用いられる上記コ
ポリカーボネートは、例えば所定のポリオールを分子量
を調整しながらホスゲン等と反応させることにより合成
することができる。このコポリカーボネートは通常、数
平均分子量が600〜1000であることが好ましく、
より好ましくは700〜900である。このコポリカー
ボネートの上記モル比(A):(B)が上記範囲をはず
れると、ゲル化することがあり、好ましくない。
(A):(B)の好ましい範囲は8:2〜2:8であ
り、特に好ましくは5:5である。
【0023】このコポリカーボネートをイソホロンジイ
ソシアネート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トと反応させることにより、(b)成分を得る。ここで
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとはヒドロキシ
エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレー
トを意味し、各々単独で用いてもよいし、両方を併用し
てもよい。この反応におけるイソホロンジイソシアネー
トの使用量は、通常、コポリカーボネートの使用モル量
より若干過剰量とする。この反応は、通常、以下のよう
にして行われる。コポリカーボネートと若干過剰量のイ
ソホロンジイソシアネートとを混合し、ジブチルスズジ
ラウレート等の触媒を加え、60〜120℃で反応させ
る。次いで、合成されたウレタンオリゴマーの末端イソ
シアネート基にヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応
させる。この反応は、パラメトキシフェノール及びジ−
t−ブチル−ヒドロキシ−トルエンなどの存在下で、ウ
レタンオリゴマー1モルに対して、2〜2.4モルのヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートを60〜90℃で
反応させて行われる。例えば赤外線吸収スペクトルでイ
ソシアネート基の消失を確認させることにより、反応の
終点を確認する。
【0024】(b)成分として、共栄社化学製のウレタ
ンアクリレートオリゴマーUF−8001、UF−80
02、UF−8003が市販されており、特にUF−8
003が好ましい。これからはいずれもメチルエチルケ
トン溶液である。
【0025】(b)成分の配合量は、(a)成分100
重量部に対して20〜100重量部とすることが好まし
い。(b)成分が20重量部未満では可撓性が不十分と
なる傾向があり、100重量部を超えると現像性が低下
する傾向がある。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物は、(c)を必
須成分として含有する。一般式(1)で表わされる光重
合性化合物としては、例えば、2,2′−ビス(4−メ
タクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,
2′−ビス(4−アクロキシペンタエトキシフェニル)
プロパン、2,2′−ビス(4−メタクリロキシテトラ
エトキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらは単
独又は2種類以上組み合わせて使用される。これらの市
販品としては、例えばNK−エステルBPE−500
(新中村化学工業(株)製商品名、2,2′−ビス(4
−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)等
が挙げられる。
【0027】一般式(1)中のp及びqは、p+qが5
〜30となるように選ばれる正の整数である。p+qが
5未満の場合には、可撓性が低下し、30を超えると、
系の親水性が増して現像時の密着性が低下する。p+q
の好ましい範囲は5〜10である。
【0028】(c)成分の配合量は、(a)成分100
重量部に対して10〜100重量部とすることが好まし
い。(b)成分は10重量部未満では、はんだ付け後の
可撓性が不十分となる傾向があり、100重量部を超え
ると可撓性が低下する傾向がある。
【0029】本発明の感光性樹脂組成物は、(d)活性
光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤を必須
成分として含有する。
【0030】(d)成分に使用できる光重合開始剤とし
ては、例えば、置換又は非置換の多核キノン類(2−エ
チルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、
オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラ
キノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等)、α−
ケタルドニルアルコール類(ベンゾイン、ピバロン
等)、エーテル類、α−炭化水素置換芳香族アシロイン
類(α−フェニル−ベンゾイン、α,α−ジエトキシア
セトフェノン類)、芳香族ケトン類(ベンゾフェノン、
N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフ
ェノンなどの4,4′−ビスジアルキルアミノベンゾフ
ェノン等)、チオキサントン類(2−メチルチオキサン
トン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロルチ
オキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−
エチルチオキサントン等)、2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−モルホリノプロパン−1−
オンが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0031】(d)成分の配合量は、(a)成分100
重量部に対して0.5〜20重量部とすることが好まし
い。(d)成分が0.5重量部未満では感度が不十分と
なる傾向があり、20重量部を超えるとパターン形状が
悪くなる傾向がある。
【0032】本発明の感光性樹脂組成物は、(e)アミ
ノ樹脂を必須成分として含有する。本発明においてアミ
ノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン等
のアミノ基含有化合物にアルデヒドを反応させて得られ
る初期縮合物が用いられ、例えば、トリメチロールメラ
ミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロールメ
ラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサブ
トキシメチロールメラミン等のメラミン樹脂が挙げら
れ、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用さ
れる。これらの市販品としては、例えばサイメル30
0、サイメル301、サイメル303、サイメル32
5、サイメル350(三井サイテック株式会社製、商品
名)等が挙げられる。(e)成分の配合量は、(a)成
分100重量部に対して3〜20重量部とすることが好
ましい。(e)成分は3重量部未満では、はんだ耐熱
性、難燃性が不十分となる傾向があり、20重量部を超
えると可撓性が低下する傾向がある。
【0033】本発明の感光性樹脂組成物は、(f)三酸
化アンチモンを必須成分として含有する。三酸化アンチ
モンの添加は難燃性に特に有効である。(f)成分の配
合量は、(a)成分100重量部に対して1〜20重量
部とすることが好ましい。(f)成分が1重量部未満で
は、難燃性が不十分となる傾向があり、20重量部を超
えるとパターン形状や可撓性が低下する傾向がある。
【0034】本発明の難燃性感光性樹脂組成物には、
(a)成分以外の高分子結合剤、(b)成分や(c)成
分以外の光重合性不飽和基含有化合物、熱重合禁止剤、
染料、顔料、塗工改質剤、消泡剤、難燃剤、2−アミノ
−5−メルカプト−1,3,5−チアジアゾール等の密
着性向上剤を含有させることができる。
【0035】本発明の感光性エレメントは、支持体フィ
ルム上に、前記本発明の感光性樹脂組成物の層を積層す
ることにより製造することができる。
【0036】支持体フィルムとしては、重合体フィル
ム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等からなるフィルムが挙げられ、中
でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0037】これらの重合体フィルムは、後に感光層か
ら除去しなくてはならないため、除去不可能となるよう
な表面処理が施されたものであったり、材質であっては
ならない。
【0038】また、これらの重合体フィルムの厚さは、
5〜100μmとすることが好ましく10〜30μmと
することが好ましい。この厚さが5μm未満では、回路
被覆性が低下する傾向があり、100μmを超えるとパ
ターン形成が困難となる傾向がある。
【0039】これらの重合体フィルムは、一つは感光層
の支持フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィル
ムとして感光層の両面に積層することができる。
【0040】本発明の感光性エレメントの製造法として
は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成
分、(e)成分及び(f)成分を含む感光性樹脂組成物
(但し、(f)成分は均一に分散させる)を、溶剤に均
一に溶解する。このときに使用する溶剤としては、感光
性樹脂組成物を溶解する溶剤であればよい。例えば、ケ
トン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ等)、塩素化炭化水素系溶剤(ジ
クロロメタン、クロロホルム等)、アルコール系溶剤
(メタノール、エタノール等)が用いられる。これらの
溶剤は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用でき
る。
【0041】次いで、溶液状の感光性樹脂組成物を前記
支持体フィルムの重合体フィルム上に均一塗布した後、
加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去し、乾燥
皮膜とすることができる。
【0042】乾燥皮膜の厚さは、特に制限がなく、10
〜100μmとすることが好ましく、20〜60μmと
することがより好ましい。
【0043】このようにして得られた感光層と支持体フ
ィルムとの2層からなる本発明の感光性エレメントは、
そのままで又は感光層の他の面に保護フィルムを更に積
層してロール状に巻き取って貯蔵することができる。
【0044】本発明の感光性エレメントを用いて、フォ
トレジスト画像を製造する方法としては、前記保護フィ
ルムが介在している場合には、保護フィルムを除去後、
感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層
することができる。このとき、減圧下で積層することが
好ましい。
【0045】感光層の加熱温度としては、特に制限はな
く、90〜130℃とすることが好ましい。
【0046】また、圧着圧力としては、特に制限はな
く、2.94×105Pa(3kgf/cm2)とするこ
とが好ましく、4,000ps(30mmHg)以下の
減圧下で行われることが好ましい。
【0047】本発明の感光性エレメントを使用する場合
には、感光層を前記のように加熱するため、予め基板を
予熱することは必要ではないが、積層性を更に向上させ
るために、基板の予熱処理を行うこともできる。
【0048】このようにして積層が完了した感光層は、
ネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光に画像的
に露光される。
【0049】このとき、感光層上に存在する支持体フィ
ルムが透明の場合には、そのまま露光することができる
が、不透明の場合は、除去する必要がある。感光層の保
護という点からは、支持体フィルムは透明で、この支持
体フィルムを残存させたまま、それを通して露光するこ
とが好ましい。
【0050】活性光としては、公知の活性光源が使用で
き、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノ
ンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
【0051】感光層に含まれる光開始剤の感受性は通
常、紫外線領域において最大であるため、その場合の活
性光源は、紫外線を有効に放射するものが好ましい。
【0052】次いで、露光後、感光層上に支持体フィル
ムが存在している場合には、これを除去した後、アルカ
リ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラ
ッシング、スクラッビング等の公知の方法により未露光
部を除去して現像することができる。
【0053】アルカリ性水溶液の塩基としては、例え
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、リチウム、ナトリウム若
しくはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカ
リ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金
属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウ
ム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが挙げられ、中で
も、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
【0054】現像に用いるアルカリ水溶液のpHとして
は、9〜11とすることが好ましい。また、現像温度
は、感光層の現像性に合わせて調整することができる。
【0055】また、前記アルカリ水溶液中には、表面活
性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤
等を混入させることができる。
【0056】さらに、現像後、FPCカバーレイとして
のはんだ耐熱性、耐薬品性を向上させる目的で、高圧水
銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことができる。
【0057】紫外線の照射量としては、0.2〜10J
/cm2とすることが好ましく、この照射の時に60〜
150℃の熱を伴うことが好ましい。
【0058】また、加熱時の加熱温度は、100〜17
0℃とすることが好ましく、加熱時間は、10〜90分
とすることが好ましい。
【0059】これら、紫外線照射と加熱の順は序はどち
らを先に行ってもよい。
【0060】このようにして、カバーレイの特性を付与
された後、LSI等の部品実装(はんだ付け)、カメラ
等機器へ装着される。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。
【0062】合成例 バインダーポリマーの合成 メチルセロソルブ70g、トルエン50gの混合物を窒
素雰囲気下で300mlのセパラブルフラスコに入れ撹
拌しながら80℃に加温した。30分保温後、トリブロ
モフェニルアクリレート50g、メタクリル酸22g、
メタクリル酸メチル25g、アクリル酸メチル1g、ア
クリル酸テトラヒドロフルフリル1g、トルエン24
g、アゾビスイソブチロニトリル0.2gを混合した溶
液を3時間でセパラブルフラスコ内に滴下、反応させ
た。次いで、メチルセロソルブ10g、トルエン10g
の混合物を加えて、3時間保温後、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.4gをメチルセロソルブ10g及びトルエ
ン10gに溶解した溶液を加え更に4時間保温した。そ
の後、冷却し、バインダーポリマー溶液Α(固形分、3
5重量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量
を表1に示す。
【0063】表1に示したバインダーポリマー溶液B、
C、D及びEについて共重合量及び共重合成分を変更し
た以外は、バインダーポリマー溶液Αと同一の合成方法
で合成した。得られたポリマーの重量平均分子量を表1
に示す。
【0064】
【表1】 実施例1〜3及び比較例1〜4 表2に示す材料を配合し溶液を得た。
【0065】
【表2】 この溶液に表3に示す成分(a)、(b)、(c)、
(e)、(f)を配合して感光性樹脂組成物の溶液を調
整した。
【0066】
【表3】 *1 共栄社化学製ウレタンアクリレートオリゴマー:
ペンタメチレンカーボネートとヘキサメチレンカーボ
ネートを5:5のモル比で繰り返し単位とするコポリカ
ーボネートとイソホロンジイソシアネート及びヒドロキ
シエチルアクリレートの反応物。 *2 新中村化学社製、NK−エステル: 2,2−ビ
ス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プ
ロパン: 一般式(1)で示される光重合性化合物のp
+qが10となる正の整数で示される光重合性化合物。 *3 新中村化学社製 NK−エステル: 2,2−ビ
ス[4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル]プロ
パン: 一般式(1)で示される光重合性化合物のp+
qが、4となる正の整数で示される光重合性化合物。 *4 三井サイテック(株)製 ヘキサメチロールメラ
ミン (注)表中の配合量の単位は重量部(固形分)を表わ
す。
【0067】得られた感光性樹脂組成物の溶液を図1に
示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレンテレフ
タレートフィルム12上に均一に塗布し、80〜110
℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して溶剤を除
去した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の厚さは、約50
μmであった。感光性樹脂組成物層の上には、さらに図
1に示したようにして厚さ約25μmのポリエチレンフ
ィルム13を保護フィルムとして貼り合わせ、本発明の
感光性エレメントを得た。
【0068】なお、図1において、1はポリエチレンテ
レフタレートフィルム繰り出しロール、2はフィードロ
ール、3はバッキングロール、4はドクターロール、9
及び10はロール、5はナイフ、6は感光性樹脂組成物
の溶液、8はポリエチレンフィルム繰り出しロール、1
1は感光性エレメント巻き取りロールである。
【0069】得られた感光性エレメントの感光特性、レ
ジストの形成後のはんだ耐熱性、耐折性及び難燃性につ
いて下記の方法で評価し、結果を表4に示す。
【0070】(1)感光特性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名
F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研
磨し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント板
用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)
製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度
100℃、ラミネート速度1.0m/s、気圧4,00
0Pa以下、圧着圧力2.94×105Paで前記感光
性エレメントをポリエチレンフィルムを剥がしながら積
層した。
【0071】次に、得られた試料のポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上から、コダックステップタブレッ
トNo.2(イーストマンコダック(株)製、21段ス
テップタブレット)を密着させ、(株)オーク製作所製
HMW−201GX型露光機を使用して所定量露光し、
さらに30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレ
ーすることにより未露光部分を除去した。ステップタブ
レット段数8段を得るために必要な露光量を感度とし
た。
【0072】また、フォトツール(コダックステップタ
ブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/
30〜250/250(解像度)、及びライン/スペー
ス(μm)=30/400〜250/400(密着性)
のネガパターンを有するフォトツール)を、得られた試
料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着
させ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で
露光し、現像したときに矩形のレジスト形状が得られる
最も小さい解像度パターンのライン/スペースの値を解
像度とした。
【0073】(2)はんだ耐熱性 上記(1)と同様に、フレキシブルプリント板用基板に
感光性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着さ
せ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で露
光した。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレン
テレフタレートフィルムを剥がし、30℃で1重量%炭
酸ナトリウム水溶液をスプレーすることにより未露光部
分を除去して現像した後、80℃で10分間乾燥した。
次いで、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用し
て、1J/cm2の紫外線照射を行い、さらに150℃
で45分間加熱を行い、カバーレイを形成したフレキシ
ブルプリント板を得た。
【0074】次いで、ロジン系フラックスMH−820
V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃のは
んだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行った。
このような操作の後、カバーレイのクラック発生状況、
基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で次
の基準で評価した。 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの (3)耐溶剤性 上記(2)と同様の操作でカバーレイを形成したフレキ
シブルプリント板を室温でメチルエチルケトン及びイソ
プロピルアルコール中に10分間浸漬した後、基板から
のカバーレイの浮き及び剥がれの状況を目視で下記の基
準で評価した。 良好:浮き及び剥がれのないもの 不良:浮き又は剥がれがのあるもの (4)耐折性 (2)と同様の操作で得たフレキシブルプリント板用基
板上にカバーレイを形成し、はんだ付け処理を行った試
料をはぜ折りで180°折り曲げ、折り曲げた際のカバ
ーレイのクラックの発生状況を目視で下記の基準で評価
した。 良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの (5)難燃性 フレキシブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)
製、商品名F30VC125RC11)の銅箔をエッチ
ングで除去した接着剤付きポリイミド基材に、真空ラミ
ネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)
を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度
1.0m/s、気圧4,000Pa以下、圧着圧力2.
94×105Pa(3kgf/cm2)で前記感光性エレ
メントをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層し、
ステップタブレット段数8段が得られるように露光し
た。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥がし、30℃で1重量%炭酸ナ
トリウム水溶液をスプレーすることにより未露光部分を
除去して現像した後、80℃で10分間乾燥した。次い
で、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を利用して、
1J/cm2の紫外線照射を行い、さらに150℃で4
5分間加熱処理を行い、難燃性評価の基板を作製した。
【0075】この評価基板を米国のUnderwrit
ers LaboratoriesInc.(ULと略
す)の高分子材料の難燃性試験規格UL94に準拠した
装置、方法(VTM法)に従って難燃性を評価した。結
果を表4に示す。
【0076】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物及
び感光性エレメントを用いることによって、はんだ耐熱
性及び耐折性が良好でかつ、難燃性が94VTM−11
(UL規格)又は94VTM−0(UL規格)であるフ
レキシブルプリント配線板用カバーレイが得られること
が分かる。
【0077】
【発明の効果】本発明の難燃性感光性樹脂組成物は、感
度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーにより効
率良く形成でき、耐折性、はんだ耐熱性及び難燃性等に
優れたものである。
【0078】本発明の感光性エレメントは、感度及び硬
化性に優れ、フォトリソグラフィーにより効率良く形成
でき、耐折性、はんだ耐熱性及び難燃性等に優れ、ま
た、取扱い性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3及び比較例1〜4で用いた感光性
エレメントの製造装置の略図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム繰り出しロー
ル 2 フィードロール 3 バッキングロール 4 ドクタロール 5 ナイフ 6 感光性永久マスク材料の溶液 7 乾燥機 8 ポリエチレンフィルム繰り出しロール 9、10 ロール 11 感光性エレメント巻き取りロール 12 ポリエチレンテレフタレートフィルム 13 ポリエチレンフィルム 14 感光性エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/027 502 7/027 502 7/028 7/028 H05K 3/06 H05K 3/06 H 3/28 3/28 D // C09D 4/06 C09D 4/06 5/00 5/00 C 171/00 171/00 B (72)発明者 笹原 直樹 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)トリブロモフェニルアクリレート
    とアクリル酸若しくはメタクリル酸とその他のビニルモ
    ノマーとを共重合して得られるカルボキシル基を有する
    バインダーポリマー、(b)ペンタメチレンカーボネー
    ト単位からなる繰り返し単位(A)とヘキサメチレンカ
    ーボネート単位からなる繰り返し単位(B)を有し、こ
    れら繰り返し単位のモル比A:Bが9:1〜1:9であ
    るコポリカーボネート、イソホロンジイソシアネート及
    びヒドロキシエチルアクリレート若しくはヒドロキシエ
    チルメタクリレートの反応物、(c)下記一般式(1) 【化1】 (式中R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又はメチ
    ル基を表し、p及びqはp+qが5〜30となるように
    選ばれる正の整数である)で示される光重合性化合物、
    (d)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開
    始剤、(e)アミノ樹脂及び(f)三酸化アンチモンを
    含有してなる難燃性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分のカルボキシル基を有するバ
    ンインダポリマーがトリブロモフェニルアクリレートを
    3重量%〜65重量%含み、アルカリ水溶液に可溶又は
    膨潤可能であり、酸価が65〜300mgKOH/gで
    あり、重量平均分子量が20,000〜300,000
    である請求項1記載の難燃性感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (c)一般式(1)で示される光重合性
    化合物のp+qが、5〜10となるように選ばれる正の
    整数で示される光重合性化合物である請求項1又は2記
    載の難燃性感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (e)成分のアミノ樹脂が、メラミン樹
    脂である請求項1、2又は3記載の難燃性感光性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 支持体フィルム上に請求項1、2、3又
    は4記載の難燃性感光性樹脂組成物の層を積層してなる
    感光性エレメント。
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