JPH11107713A - 直打式動弁機構 - Google Patents

直打式動弁機構

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JPH11107713A
JPH11107713A JP28442097A JP28442097A JPH11107713A JP H11107713 A JPH11107713 A JP H11107713A JP 28442097 A JP28442097 A JP 28442097A JP 28442097 A JP28442097 A JP 28442097A JP H11107713 A JPH11107713 A JP H11107713A
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Katsuhiko Motosugi
勝彦 本杉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直打式動弁機構において、シリンダヘッドの
リフタガイド穴の断面形状とバルブリフタの平面形状と
を略長円形に加工する際の、加工を容易化するとともに
加工工数を削減し、高い精度を得る。 【解決手段】 リフタガイド穴2は中心D,E間をシフ
ト長Cだけずらして形成された二つの丸穴3により構成
され、該二つの丸穴3が交差してできる二つの交差突起
Gはそれぞれ二つの丸穴3に接する仮想接面Fに対して
幾何学的突出量hだけリフタガイド穴2の内方向へ突出
している。バルブリフタ10の外周面は二つの部分円筒
外面13とそれらを連結する二つの平外面14とにより
構成され、該二つの平外面14はそれぞれ二つの部分円
筒外面13に接する仮想接面Fに対して幾何学的突出量
hより大きい所定の逃がし量Hだけバルブリフタ10の
内方向へ奥まっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の直打式
動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な直打式動弁機構において
は、シリンダヘッドに形成された丸穴状のリフタガイド
穴に、円筒状の側壁部と円板状の端壁部とを備えたバル
ブリフタが摺動可能にガイドされている。
【0003】この直打式動弁機構において、吸入空気量
はバルブのリフト量等によって決まり、リフト量はバル
ブリフタのカム当たり面長さ等によって決まり、カム当
たり面長さはバルブリフタ径等によって決まり、バルブ
リフタ径はシリンダボア径等によって決まる。従って、
シリンダボア径の小さい、例えば排気量1.5リットル
以下の直列4気筒内燃機関の直打式動弁機構において
は、バルブリフタ径(直径)が31mm以下と小さくな
り、カム当たり面長さが短くなり、リフト量が小さくな
るため、高回転・高出力に必要な吸入空気量を得ること
が困難であるという問題があった。現状のカムプロフィ
ール設計から、当該例示の内燃機関において高回転・高
出力に必要な吸入空気量を得るためには、バルブリフタ
径(直径)を33mm以上にする必要がある。
【0004】上記の問題を解決する手段としては、実開
平3−56811号公報、実開平3−116707号公
報等に開示されたように、リフタガイド穴の断面形状と
バルブリフタの平面形状とを楕円形にする方法が有効で
あると考えられる。楕円形の短軸方向にコンパクトであ
りながら、長軸方向にカム当たり面長さを長くとること
ができるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リフタガイド
穴の断面形状とバルブリフタの平面形状とを高精度の楕
円形にするには、特殊な切削加工や研削加工が必要とな
るため、手間もコストもかかる。また、これらの形状を
楕円形に似た長円形(本明細書では、2つの半円を2つ
の直線で連結してなる形状を長円形と定義し、楕円形と
は区別する。)にする場合には、二つの丸穴又は円筒外
面の切削加工等と二つの平らな面の切削加工等との組み
合わせにより加工が可能となる。しかし、二つの丸穴又
は円筒外面に対して二つの平らな面は接面の関係になる
ので、その関係を正確に出す(具体的には短円径の精度
を出す)ように平らな面を加工するのは非常に難しい作
業である。また、加工工数が多くなるのも問題である。
【0006】そこで、本発明の目的は、シリンダヘッド
のリフタガイド穴の断面形状とバルブリフタの平面形状
とを略長円形に加工する際の、加工を容易化できるとと
もに加工工数を削減でき、しかも高い精度を容易に得る
ことができる直打式動弁機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、シリンダ
ヘッドのリフタガイド穴の断面形状とバルブリフタの平
面形状とを略長円形にした直打式動弁機構において、前
記リフタガイド穴は中心間をシフト長だけずらして形成
された二つの丸穴により構成され、該二つの丸穴が交差
してできる二つの交差突起はそれぞれ二つの丸穴に接す
る仮想接面に対して幾何学的突出量(二つの丸穴の交差
により幾何学的に必然的に生じる突出量)だけリフタガ
イド穴の内方向へ突出しており、前記バルブリフタの外
周面は二つの部分円筒外面とそれらを連結する二つの平
外面とにより構成され、該二つの平外面はそれぞれ二つ
の部分円筒外面に接する仮想接面に対して前記幾何学的
突出量より大きい所定の逃がし量だけバルブリフタの内
方向へ奥まっていることを特徴とする。
【0008】第二の発明は、シリンダヘッドのリフタガ
イド穴の断面形状とバルブリフタの平面形状とを略長円
形にした直打式動弁機構において、前記リフタガイド穴
は中心間をシフト長だけずらして形成された二つの丸穴
と該二つの丸穴が交差すればできる二つの交差突起が除
かれるように形成された二つの逃がし凹面とにより構成
され、該二つの逃がし凹面はそれぞれ前記シフト長より
幅が広くかつ二つの丸穴に接する仮想接面に対して所定
の逃がし量だけリフタガイド穴の外方向へ凹んでおり、
前記バルブリフタの外周面は二つの部分円筒外面とそれ
らを連結する二つの平外面とを備えていることを特徴と
する。
【0009】第二の発明においては、二つの平外面がそ
れぞれ二つの部分円筒外面に接する仮想接面に対して所
定の逃がし量だけバルブリフタの内方向へ奥まっている
態様と、二つの平外面がそれぞれ二つの部分円筒外面に
接する仮想接面に一致する態様とがある。
【0010】さらに、第一又は第二の発明においては、
二つの平外面が機械的加工を経て形成された面である態
様と、二つの平外面がバルブリフタの冷間鍛造時に型成
形された面のままである態様とを例示できる。本明細書
において、機械的加工とは、切削加工、研削加工、ラッ
ピング加工、バフ加工又はこれらと同等の加工のうちの
いずれか一以上の加工をいう。
【0011】また、第二の発明においては、二つの逃が
し凹面が機械的加工を経て形成された面である態様と、
二つの逃がし凹面がシリンダヘッドの鋳造時に型成形さ
れた面のままである態様とを例示できる。
【0012】また、第一又は第二の発明においては、二
つの丸穴がシリンダヘッドの鋳造時に型成形された下穴
を切削加工により拡径して形成された面である態様を例
示できる。
【0013】また、第一又は第二の発明は、低回転用カ
ムプロフィールから高回転用カムプロフィールまでカム
プロフィールを軸方向に連続的に変化させた立体カム
と、該立体カムを軸方向へ連続的に又は段階的に変位さ
せる変位装置とを備え、前記バルブリフタに凹溝状座が
設けられ、該凹溝状座に前記立体カムの回転に伴う接触
線角度の変化に追従しながら前記立体カムに接触する追
従接触部が揺動可能に嵌合された可変動弁機構において
実施することもできる。
【0014】ここで、低回転用カムプロフィールにおけ
るバルブタイミングの位相、開弁作用角及びリフト量
と、高回転用カムプロフィールにおけるバルブタイミン
グの位相、開弁作用角及びリフト量は、個々の内燃機関
における要求事項に応じて適宜設定することができる。
もっとも、多くの場合、低回転用カムプロフィールは開
弁作用角及びリフト量が小さく、高回転用カムプロフィ
ールは開弁作用角及びリフト量が大きい。
【0015】変位装置により立体カムを段階的に変位さ
せる場合、二段階に変化させてもよいが、その場合は二
段階の変位を調節できるようにすることが好ましい。さ
らに好ましくは、立体カムを少なくとも三段階に変位さ
せることである。最も好ましくは、立体カムを連続的に
変位させることである。変位装置は特定の構造に限定さ
れず、油圧、電磁力等を利用したものを例示できる。
「凹溝状座」としては、半円筒内面(又は類似の内面)
座、V字座等を例示できる。
【0016】なお、上記各発明の直打式動弁機構は、吸
気バルブ又は排気バルブの何れか一方に適用することも
できるが、両方に適用することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、図1〜図5は本発明の第一
実施形態に係る直打式動弁機構を示し、図10(a)〜
(c)はそのリフタガイド穴の形成方法を示している。
この直打式動弁機構は、シリンダヘッド1に形成された
リフタガイド穴2の断面形状と、該リフタガイド穴2に
ガイドされて上下に摺動するバルブリフタ10の平面形
状とを、略長円形にしたものである。
【0018】リフタガイド穴2は、図1〜図3に示すよ
うに、中心D,E間をシフト長Cだけずらして形成され
た基本径(直径)Aをもつ二つの丸穴3により構成さ
れ、従って、長円径BはA+Cである。二つの丸穴3が
交差してできる二つの交差突起Gは、それぞれ二つの丸
穴3に接する仮想接面Fに対して幾何学的突出量hだけ
リフタガイド穴2の内方向へ山形状に突出している。な
お、シリンダヘッド1のリフタガイド穴2の周囲二ヵ所
には、後述するカム31の回転軌跡を逃がすための凹所
4が形成されている。ここで、基本径Aと長円径Bと幾
何学的突出量hとの関係を、次の表1に例示的に示す。
【0019】
【表1】
【0020】リフタガイド穴2の形成方法の一例を図1
0に従って説明すると、まず(a)に示すように、アル
ミニウム合金、鋳鉄等によりシリンダヘッド1を鋳造す
る時に、リフタガイド穴用の略長円径の下穴2aを型成
形しておく。次に(b)に示すように、下穴2aの長円
径方向の一方側を切削加工により拡径(ボーリング加
工)して、一方の丸穴3を形成する。続いて(c)に示
すように、他方の丸穴3を同様にして形成する。さら
に、必要に応じて丸穴3に研削加工を加え、精度を高め
てもよい。
【0021】バルブリフタ10は、上端の端壁部11と
側壁部12とにより倒立カップ状に形成されている。端
壁部11の下面中心部はバルブ20の端部を押圧するた
めの押圧部16となっており、押圧部16とバルブ20
の端部との間にはバルブクリアランス調整用のシム17
が介装されている。
【0022】端壁部11及び側壁部12の外周面は、基
本径A(丸穴3の基本径Aよりもクリアランス分だけ小
さいが、そのクリアランスは基本径Aと比べれば微小な
ので、ここでは丸穴3の基本径Aと同一視する。)をも
つ二つの部分円筒外面13とそれらを連結する二つの平
外面14とにより構成されている。二つの平外面14
は、それぞれ二つの部分円筒外面13に接する仮想接面
F(基本径Aと同様の理由により、丸穴3の仮想接面F
と同一視する。)に対して前記幾何学的突出量hより大
きい所定の逃がし量Hだけバルブリフタ10の内方向へ
奥まっている。従って、平外面14は交差突起Gに対し
て接触せず、離間量H−hだけ離れている。この離間量
H−hは、特に限定されないが、0.1〜0.5mmの
範囲で設定することが好ましい。また、平外面14はリ
フタガイド穴2のどこに対しても接触せず、図2及び図
3にハッチングで示すように間隙15を生じさせる。
【0023】バルブリフタ10の製造方法の一例を説明
すると、まず、浸炭焼入鋼、アルミニウム合金等により
前記倒立カップ状に冷間鍛造する。次に、必要に応じて
浸炭焼入れ、時効処理等の熱処理を行い、また、必要に
応じて切削加工を加える。次に、二つの部分円筒外面1
3と端壁部11の上面と押圧部16とを研削加工して精
度を高める。二つの平外面14は、部分円筒外面13等
と同じく研削加工してもよいが、前記離間量H−hを保
証できる(リフタガイド穴2に接触しない)程度の緩い
精度でよいことから、前記冷間鍛造時に型成形された面
(黒皮)のままにして、加工工数を削減することもでき
る。最近の冷間鍛造技術によれば、その程度の精度は容
易に得られる。もっとも、材料等の問題によりその精度
が得られない場合は、平外面14にも切削加工、研削加
工等の機械的加工を加える必要がある。
【0024】図4及び図5に示すように、バルブ20の
ステム部21は、リフタガイド穴2より下方のシリンダ
ヘッド1に固定されたバルブガイド25に挿通されてガ
イドされている。バルブ20の上端近傍に取り付けられ
たバルブリテーナ22には、バルブ20をバルブリフタ
10側へ付勢するためのバルブスプリング23の上端が
当接している。また、リフタガイド穴2より下方のシリ
ンダヘッド1にはバルブスプリング23の下端を抱持す
るためのスプリング用凹部26が凹設され、スプリング
シート27が当てられている。
【0025】バルブリフタ10の上方には、バルブリフ
タ10の短円径方向(二つの交差突起Gを結ぶ方向)に
軸方向を一致させたカムシャフト30が配され、カムシ
ャフト30には所定のカムプロフィールをもつカム31
が形成されている。カム31の端壁部11に対する摺動
方向はバルブリフタ10の長円径方向と一致するので、
端壁部11におけるカム当たり面長さを長くとることが
でき、カム31のノーズ高さを高くしてバルブ20のリ
フト量を大きくすることができる。従って、シリンダボ
ア径の小さい、例えば排気量1.5リットルの直列4気
筒内燃機関においても、基本径Aを31mm、長円径B
を34mm程度とすれば、短円径方向にコンパクトなの
で配置可能であるとともに、長円径方向にカム当たり面
長さを長くとることができるので高回転・高出力に必要
なリフト量を確保することができる。
【0026】本実施形態の直打式動弁機構によれば、加
工が容易でありしかも高い精度を容易に得ることができ
る二つの丸穴3の切削加工等によりリフタガイド穴2を
形成することができ、従来のように平らな接面を形成す
る必要が無いので、加工工数を削減できる。また、冷間
鍛造加工と二つの部分円筒外面13等の切削加工等とに
よりバルブリフタ10を形成することができ、特に二つ
の平外面14は、部分円筒外面13に対して接面の関係
になく、またリフタガイド穴2に接触しないので、従来
のように短円径の精度を高める必要が無く、前記離間量
H−hを保証できる程度の緩い精度で足り、加工が容易
である。
【0027】次に、図6〜図9は本発明の第二実施形態
に係る直打式動弁機構を示し、図10(a)〜(e)及
び図11(a)〜(c)はそのリフタガイド穴の形成方
法を示している。本実施形態は、次の点においてのみ第
一実施形態と相違するもので、その他の共通部分につい
ては説明を省略する。
【0028】リフタガイド穴2は、第一実施形態と同様
の二つの丸穴3と、該二つの丸穴3が交差すればできる
二つの交差突起Gが除かれるように形成された二つの逃
がし凹面5とにより構成されている。二つの逃がし凹面
5は、それぞれ前記シフト長Cより幅Kが広くかつ二つ
の丸穴3に接する仮想接面Fに対して所定の逃がし量L
だけリフタガイド穴2の外方向へ凹んでいる。
【0029】リフタガイド穴2の形成方法の一例を図1
0に従って説明すると、(a)〜(c)は第一実施形態
と同様である。その後、(d)に示すように一方の逃が
し凹面5を切削加工により形成し、(e)に示すように
他方の逃がし凹面5を切削加工により形成する。逃がし
凹面5に高い精度は要らないので、研削加工は不要であ
るが、研削加工を加えてもよい。
【0030】リフタガイド穴2の形成方法の別例を図1
1に従って説明すると、まず(a)に示すように、アル
ミニウム合金、鋳鉄等によりシリンダヘッド1を鋳造す
る時に、リフタガイド穴用の略長円径の下穴2aと二つ
の逃がし凹面5とを型成形しておく。次に(b)に示す
ように、下穴2aの長円径方向の一方側を切削加工によ
り拡径(ボーリング加工)して、一方の丸穴3を形成す
る。続いて、(c)に示すように、他方の丸穴3を同様
にして形成する。さらに、必要に応じて丸穴3に研削加
工を加え、精度を高めてもよい。この方法によれば、二
つの逃がし凹面5が、シリンダヘッド1の鋳造時に型成
形された面(黒皮)のままでよいので、加工工数を削減
できる。
【0031】バルブリフタ10の二つの平外面14は、
それぞれ、図8に示すように二つの部分円筒外面13に
接する仮想接面Fに対して所定の逃がし量Mだけバルブ
リフタ10の内方向へ奥まっている態様でもよいし、図
9に示すように該仮想接面Fに一致する態様でもよい。
【0032】本実施形態の直打式動弁機構によれば、加
工が容易でありしかも高い精度を容易に得ることができ
る二つの丸穴3の切削加工等と、やはり加工が容易な二
つの逃がし凹面5によりリフタガイド穴2を形成するこ
とができ、従来のように平らな接面を形成する必要が無
いので、加工工数を削減できる。また、冷間鍛造加工と
二つの部分円筒外面13等の切削加工等とによりバルブ
リフタ10を形成することができ、特に二つの平外面1
4は、リフタガイド穴2に接触しないので、従来のよう
に短円径の精度を高める必要が無く、加工が容易であ
る。
【0033】次に、図12〜図15は本発明の第三実施
形態に係る直打式動弁機構を示している。本実施形態
は、次の通り可変動弁機構にした点においてのみ第一実
施形態と相違するもので、その他の共通部分については
説明を省略する。
【0034】カムシャフト30には、図12及び図15
において右側の低回転用カムプロフィールから左側の高
回転用カムプロフィールまで、カムプロフィールを軸方
向に連続的に変化させた立体カム32が形成されてい
る。立体カム32はベース円部32aとノーズ部32b
とからなり、ベース円部32aは、低回転用カムプロフ
ィールにおいても高回転用カムプロフィールにおいても
同一半径であるため、傾斜の無い円柱面である。しか
し、ノーズ部32bは、低回転用カムプロフィールにお
いては開弁作用角及びリフト量が小さく、高回転用カム
プロフィールにおいては開弁作用角及びリフト量が大き
いため、円錐面のように傾斜している。
【0035】カムシャフト30の端部には、内燃機関の
回転数等の運転状況に応じてカムシャフト30及び立体
カム32を軸方向へ連続的に変位させる変位装置33が
設けられている。変位装置33は、例えば、スプライン
を用いたカムシャフト30のガイド部と、油圧を用いた
カムシャフト30の駆動部とからなり(いずれも図示
略)、内燃機関の回転センサやアクセル開度センサ等に
基づいて作動するマイクロコンピュータ等の制御装置
(図示略)により制御されるようになっている。
【0036】バルブリフタ10の端壁部11の上面中央
部には立体カム32の軸線とは直角方向に長い隆起部3
6が一体的に形成され、隆起部36には同方向に延びる
半円筒内面座34が凹設されている。半円筒内面座34
の両端は突き抜けるように開放されており、邪魔物が無
いため、半円筒内面座34の精密加工を容易にかつ精度
良く行うことができる。また、半円筒内面座34の長手
方向略中央部には係合凹部37が設けられている。係合
凹部37の内底面は平ら又は緩い湾曲凹面であるため、
係合凹部37の加工を容易に行うことができるととも
に、係合凹部37の両内側面の研削加工を容易にかつ精
度良く行うことができる。
【0037】半円筒内面座34には追従接触部35が揺
動(ロール運動)可能に嵌合されている。追従接触部3
5は、半円筒内面座34に揺動可能に接触する半円柱面
38と、立体カム32に接触する平らな接触面39とを
含む、半割り円柱状のものである。半円柱面38の長手
方向中央部には扇形の係合凸部40が一体的に設けら
れ、該係合凸部40が係合凹部37に係合して揺動可能
に挟まれている。この係合により、追従接触部35の長
手方向の端面が現れた状態で、追従接触部35の長手方
向の移動が規制されている。
【0038】追従接触部35は、小角度の揺動によっ
て、立体カム32の回転に伴う接触線角度の変化に追従
しながら、接触面39が立体カム32に接触するように
なっている。このとき、立体カム32は追従接触部35
の接触面39をその長手方向に摺接していくが、前記の
通り追従接触部35の長手方向の移動を規制しているの
で、追従接触部35が半円筒内面座34から外れること
はない。
【0039】また、本実施形態では、追従接触部35の
長手方向の端面が現れた状態で、追従接触部35の長手
方向の移動を規制しているので、該端面に規制壁を設け
る必要が無く、追従接触部35のカム当たり面長さを最
大限にとることができる。
【0040】また、略長円筒状のバルブリフタ10が略
長円穴状のリフタガイド穴2に上下摺動可能かつ回転不
能にガイドされるという簡単な構成により、立体カム3
2に対する半円筒内面座34及び追従接触部35の回転
を阻止できる。
【0041】本実施形態の直打式動弁機構は、次のよう
に作用する。まず、内燃機関の低回転時には、カムシャ
フト30が変位装置33により図12において左方向へ
変位し、立体カム32のうちの右側の低回転用カムプロ
フィールが追従接触部35に対応する。そして、追従接
触部35は立体カム32の1回転毎に小角度揺動して、
接触線角度の変化に追従しながら立体カム32に接触
し、ノーズ部32bに押圧される。従って、バルブリフ
タ10は低回転用カムプロフィールに基づいて上下に往
復動し、バルブ20を小さい開弁作用角及びリフト量で
開閉させ、低速トルクを高めるとともに、燃費を向上さ
せる。
【0042】また、内燃機関の高回転時には、図15に
示すように、カムシャフト30が変位装置33により右
方向へ変位し、立体カム32のうちの左側の高回転用カ
ムプロフィールが追従接触部35に対応する。そして、
追従接触部35は、立体カム32の1回転毎に小角度揺
動して、接触線角度の変化に追従しながら立体カム32
に接触し、ノーズ部32bに押圧される。従って、バル
ブリフタ10は高回転用カムプロフィールに基づいて上
下に往復動し、バルブ20を大きい開弁作用角及びリフ
ト量で開閉させ、高速出力を高める。
【0043】そして、上記の低回転時から高回転時に至
る途中においても、回転数、アクセル開度等の運転状況
に応じて、カムシャフト30が変位装置33により連続
的に変位し、立体カム32のうちの中間部位のカムプロ
フィールが追従接触部35に対応する。従って、バルブ
リフタ10はそのカムプロフィールに基づいて上下に往
復動し、バルブ20を中間的な開弁作用角及びリフト量
で開閉させ、運転状況に応じたトルク及び出力を発生さ
せる。
【0044】従って、本実施形態の直打式動弁機構によ
れば、第一実施形態と同様の効果に加え、内燃機関の低
回転時から高回転時まで、バルブタイミング及びリフト
量を連続的に変化させて、内燃機関の運転状況に応じた
精密な制御を行なうことができ、もってトルク、出力、
燃費、排気ガスのクリーン性等の諸特性を全回転域にわ
たって最大限に向上させることができる。
【0045】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨か
ら逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。 (1)第三実施形態の可変動弁機構を、第二実施形態と
組み合わせること。
【0046】(2)第三実施形態において、バルブクリ
アランス調整用のシム17を省略すること。この場合、
追従接触部35として厚さが少しずつ異なるもの(半円
柱面38の半径が少しずつ異なることによって厚さが異
なる第一の態様と、半円柱面38の半径は一定でも接触
面39の高さが少しずつ異なることによって厚さが異な
る第二の態様とがある。)を用意し、これを適宜選択し
て取替えることにより、バルブクリアランス調整をする
ことが好ましい。さらに、第一の態様の場合、半円柱面
38の半径が少しずつ異なることに対応できるよう、半
円筒内面座を、円筒中心の左右で円筒の軸線が交わるよ
うな形状に変更したり、V字座に変更したりすることが
好ましい。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1〜9に係る
発明によれば、シリンダヘッドのリフタガイド穴の断面
形状とバルブリフタの平面形状とを略長円形に加工する
際の、加工を容易化できるとともに加工工数を削減で
き、しかも高い精度を容易に得ることができる。
【0048】上記効果に加え、請求項10に係る発明に
よれば、内燃機関の低回転時から高回転時までの全回転
域にわたって、トルク、出力、燃費、排気ガスのクリー
ン性等の諸特性を最大限に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の直打式動弁機構におけ
る主要部材を示す分解斜視図である。
【図2】同直打式動弁機構の平面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態の直打式動弁機構におけ
る主要部材を示す分解斜視図である。
【図7】同直打式動弁機構の平面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】図7の変更例の要部拡大図である。
【図10】第一実施形態及び第二実施形態におけるリフ
タガイド穴の形成方法の一例を示す説明図である。
【図11】第二実施形態におけるリフタガイド穴の形成
方法の別例を示す説明図である。
【図12】本発明の第三実施形態の直打式動弁機構にお
ける主要部材を示す分解斜視図である。
【図13】同主要部材をさらに分けて示す分解斜視図で
ある。
【図14】同直打式動弁機構の図4相当位置における断
面図である。
【図15】同直打式動弁機構の図5相当位置における断
面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 リフタガイド穴 2a 下穴 3 丸穴 5 逃がし凹面 10 バルブリフタ 11 端壁部 12 側壁部 13 部分円筒外面 14 平外面 15 間隙 30 カムシャフト 31 カム 32 立体カム 33 変位装置 34 半円筒内面座 35 追従接触部 A 基本径 B 長円径 C シフト長 D 中心 E 中心 F 仮想接面 G 交差突起 H 逃がし量 h 幾何学的突出量 H−h 離間量 K 幅 L 逃がし量 M 逃がし量

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド(1)のリフタガイド穴
    (2)の断面形状とバルブリフタ(10)の平面形状と
    を略長円形にした直打式動弁機構において、 前記リフタガイド穴(2)は中心(D,E)間をシフト
    長(C)だけずらして形成された二つの丸穴(3)によ
    り構成され、該二つの丸穴(3)が交差してできる二つ
    の交差突起(G)はそれぞれ二つの丸穴(3)に接する
    仮想接面(F)に対して幾何学的突出量(h)だけリフ
    タガイド穴(2)の内方向へ突出しており、 前記バルブリフタ(10)の外周面は二つの部分円筒外
    面(13)とそれらを連結する二つの平外面(14)と
    により構成され、該二つの平外面(14)はそれぞれ二
    つの部分円筒外面(13)に接する仮想接面(F)に対
    して前記幾何学的突出量(h)より大きい所定の逃がし
    量(H)だけバルブリフタ(10)の内方向へ奥まって
    いることを特徴とする直打式動弁機構。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッド(1)のリフタガイド穴
    (2)の断面形状とバルブリフタ(10)の平面形状と
    を略長円形にした直打式動弁機構において、 前記リフタガイド穴(2)は中心(D,E)間をシフト
    長(C)だけずらして形成された二つの丸穴(3)と該
    二つの丸穴(3)が交差すればできる二つの交差突起
    (G)が除かれるように形成された二つの逃がし凹面
    (5)とにより構成され、該二つの逃がし凹面(5)は
    それぞれ前記シフト長(C)より幅(K)が広くかつ二
    つの丸穴(3)に接する仮想接面(F)に対して所定の
    逃がし量(L)だけリフタガイド穴(2)の外方向へ凹
    んでおり、 前記バルブリフタ(10)の外周面は二つの部分円筒外
    面(13)とそれらを連結する二つの平外面(14)と
    を備えていることを特徴とする直打式動弁機構。
  3. 【請求項3】 前記二つの平外面(14)はそれぞれ二
    つの部分円筒外面(13)に接する仮想接面(F)に対
    して所定の逃がし量(M)だけバルブリフタ(10)の
    内方向へ奥まっている請求項2記載の直打式動弁機構。
  4. 【請求項4】 前記二つの平外面(14)はそれぞれ二
    つの部分円筒外面(13)に接する仮想接面(F)に一
    致する請求項2記載の直打式動弁機構。
  5. 【請求項5】 前記二つの平外面(14)が、機械的加
    工を経て形成された面である請求項1、2、3又は4記
    載の直打式動弁機構。
  6. 【請求項6】 前記二つの平外面(14)が、バルブリ
    フタ(10)の冷間鍛造時に型成形された面のままであ
    る請求項1、2、3又は4記載の直打式動弁機構。
  7. 【請求項7】 前記二つの逃がし凹面(5)が、機械的
    加工を経て形成された面である請求項2、3又は4記載
    の直打式動弁機構。
  8. 【請求項8】 前記二つの逃がし凹面(5)が、シリン
    ダヘッド(1)の鋳造時に型成形された面のままである
    請求項2、3又は4記載の直打式動弁機構。
  9. 【請求項9】 前記二つの丸穴(3)が、シリンダヘッ
    ド(1)の鋳造時に型成形された下穴(2a)を切削加
    工により拡径して形成された面である請求項1、2、3
    又は4記載の直打式動弁機構。
  10. 【請求項10】 低回転用カムプロフィールから高回転
    用カムプロフィールまでカムプロフィールを軸方向に連
    続的に変化させた立体カム(32)と、該立体カム(3
    2)を軸方向へ連続的に又は段階的に変位させる変位装
    置(33)とを備え、前記バルブリフタ(10)に凹溝
    状座(34)が設けられ、該凹溝状座(34)に前記立
    体カム(32)の回転に伴う接触線角度の変化に追従し
    ながら前記立体カム(32)に接触する追従接触部(3
    5)が揺動可能に嵌合された請求項1、2、3又は4記
    載の直打式動弁機構。
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