JPH11107690A - シールド掘削機およびトンネルの覆工方法 - Google Patents

シールド掘削機およびトンネルの覆工方法

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JPH11107690A
JPH11107690A JP9274872A JP27487297A JPH11107690A JP H11107690 A JPH11107690 A JP H11107690A JP 9274872 A JP9274872 A JP 9274872A JP 27487297 A JP27487297 A JP 27487297A JP H11107690 A JPH11107690 A JP H11107690A
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JP
Japan
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filler
plate
shield excavator
end plate
segment
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Application number
JP9274872A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kazama
広志 風間
Hisashi Takenaka
久 竹中
Hiroyuki Kawaguchi
博行 川口
Shinji Seki
伸司 関
Osamu Urata
修 浦田
Yasuhiko Shigeta
安彦 重田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性充填材の覆工厚が変化してスキンプレ
ートとその内部で組み立てるセグメントまたは型枠との
間の径方向寸法が途中で変化する場合にも、硬化性充填
材のスキンプレート内への浸入を容易かつ確実に防ぐと
ともに、硬化性充填材を確実に充填する。 【解決手段】 シールド掘削機30に、スキンプレート
31とその内部で組み立てるセグメント23との隙間を
塞ぐエンドプレート35を備え、このエンドプレート3
5が固定プレート36と脱着プレート37とからなり、
脱着プレート37を着脱自在とする等して、エンドプレ
ート35の径方向寸法を調整可能な構成とした。さら
に、シールド掘削機30に、裏込充填材打設管44から
打設した裏込充填材25の圧力を加圧する裏込充填材プ
レス機構45を備える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルを構築す
るに際し、地山に掘削した孔と、その内側に組み立てた
セグメントまたは型枠との間に充填する硬化性充填材の
覆工厚さが変化するとき等に用いて好適なシールド掘削
機およびトンネルの覆工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、軟弱で地下水位が高いよ
うな地山に対してシールド工法によりトンネルを施工す
る場合、一次覆工にはセグメントを使用することが一般
的であり、そのような場合には、シールド掘削機で地山
に掘削した孔と、その内部で組み立てたセグメントの外
周面との隙間に、モルタル等の裏込充填材を充填してい
る。
【0003】また、近年、トンネルの覆工に上記セグメ
ントを用いることに代えて、シールド機の後方において
型枠を組み立ててその型枠と周囲地山との間に直接的に
コンクリートを打設充填して覆工壁を形成するという、
いわゆるECL工法(Extruded Concrete Lining Metho
d)の開発も進められている。
【0004】セグメント工法あるいはECL工法のいず
れにおいても、通常は、周囲地山とその内側に組み立て
るセグメントあるいは型枠との隙間は一定である。しか
し、シールド工法の進化に伴い様々な要求が生まれてき
ており、途中でトンネルの外径が変わったり、あるいは
組み立てるセグメントまたは型枠の径方向の寸法や形状
が変わったりすることがある。すると、これに伴ってシ
ード掘削機のスキンプレートとその内部で組み立てるセ
グメントまたは型枠と間の空間の径方向寸法が掘進途中
で変わり、裏込充填材やコンクリート等の硬化性充填材
を充填する部分の覆工厚が変化するケースが生じてきて
いる。
【0005】ところで、近年では、道路、鉄道、共同溝
等を用途とする大断面トンネルを効率良く構築するため
の技術が要求されつつある。これに応ずるため、本出願
人は、複数のシールドトンネルを周方向に隣接させて構
築することにより大断面トンネルの覆工体となるトンネ
ル構造体を構築し、このトンネル構造体の内方の地山を
掘削して空間を形成することによって大断面トンネルを
構築する技術を開発し、既に提案した(特願平8−24
438号、特願平8−95729号等)。これらの技術
では、先行して構築したシールドトンネルと後行して構
築するシールドトンネルとを互いに重合させるため、後
行するシールドトンネルは、先行して構築したシールド
トンネルの裏込充填材を削って構築するようになってい
る。
【0006】さらに、本発明者らは、このような技術に
おいて、例えば道路の分岐あるいは合流部等、トンネル
構造体の幅が増減する部分に適用する技術として、特願
平8−146304号に示す技術を提案した。この技術
では、トンネル構造体の幅が増減する部分では、先行し
て構築したトンネルと、この後に構築するトンネルとを
重合させる寸法を増減させる構成となっている。このた
め、先行して構築したトンネルにおいては、セグメント
の径を変化させ、セグメントと周囲地山との間に充填す
る硬化性充填材の覆工厚を変化させる必要がある。この
場合にも、シールド掘削機のスキンプレートとその内部
で組み立てるセグメントとの間の径方向寸法が途中で変
化することとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、シールド掘削
機からその後方に打設した硬化性充填材が、スキンプレ
ートと、その内側に組み立てたセグメントまたは型枠と
の隙間から、スキンプレート内すなわちシールド掘削機
の内部に浸入してこないよう、シールド掘削機の後部に
は、テールシールあるいは妻枠等を設けている。しかし
ながら、上記したように、セグメントの径や、掘削する
トンネルの外径が変化する等して、セグメントまたは型
枠と周囲地山との間に充填する硬化性充填材の覆工厚が
変化し、これによってシールド掘削機のスキンプレート
とその内部で組み立てるセグメントまたは型枠と間の径
方向寸法が途中で変化する場合、従来のテールシールや
妻枠では覆工厚の変化に対応するのは困難あるいは不可
能であるのが現状である。
【0008】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、硬化性充填材の覆工厚が変化してスキンプ
レートとその内部で組み立てるセグメントまたは型枠と
の間の径方向寸法が途中で変化する場合にも、硬化性充
填材のスキンプレート内への浸入を容易かつ確実に防ぐ
とともに、硬化性充填材を確実に充填することのできる
シールド掘削機およびトンネルの覆工方法を提供するこ
とを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
前部に備えたカッターで地山を掘削することによって孔
を形成するとともに、その後部において、セグメントま
たは型枠を組み立てて設置し、前記セグメントまたは型
枠と前記孔の周壁との間に硬化性充填材を打設すること
によって前記周壁を覆工するシールド掘削機であって、
該シールド掘削機の外殻をなすスキンプレートと、前記
セグメントまたは型枠の外周面との間に、前記硬化性充
填材を打設すべき空間と前記スキンプレートの内部とを
隔てるエンドプレートが備えられてなり、該エンドプレ
ートの径方向寸法が変更可能とされていることを特徴と
している。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1記載のシ
ールド掘削機において、前記エンドプレートの径方向寸
法を変更するため、前記エンドプレートの少なくとも一
部が着脱自在とされていることを特徴としている。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載のシールド掘削機において、前記エンドプレートの
径方向寸法を変更するため、前記エンドプレートが、前
記スキンプレートに固定された固定エンドプレートと、
該固定エンドプレートに対して進退可能に設けられた移
動エンドプレートと、該移動エンドプレートを進退駆動
させる駆動機構とが備えられてなることを特徴としてい
る。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載のシールド掘削機において、前記シー
ルド掘削機には、前記硬化性充填材を打設するための充
填材注入管と、打設した前記硬化性充填材を押圧するた
めの充填材押圧機構とが配設されて、前記充填材押圧機
構は、前記エンドプレートに設けられたシリンダと、該
シリンダ内で圧力保持ジャッキによって前後方向に進退
駆動される押圧ピストンとを備えた構成とされているこ
とを特徴としている。
【0013】請求項5に係る発明は、シールド掘削機の
前部に備えたカッターで地山を掘削することによって孔
を形成するとともに、その後部において、セグメントま
たは型枠を組み立て、前記セグメントまたは型枠と前記
孔の周壁との間に硬化性充填材を打設することによって
前記周壁の内面を覆工してトンネルを構築していき、前
記シールド掘削機の外殻をなすスキンプレートと、前記
セグメントまたは型枠の外周面との間の寸法が変化する
ときには、前記硬化性充填材を打設すべき空間と前記ス
キンプレートの内部とを隔てるエンドプレートの径方向
寸法を、調整手段によって変更することを特徴としてい
る。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項5記載のト
ンネルの覆工方法において、前記セグメントまたは型枠
と前記周壁との間に硬化性充填材を打設するに際して
は、前記シールド掘削機に備えた充填材注入手段によっ
て前記硬化性充填材を注入するとともに、前記シールド
掘削機に備えた押圧手段によって、注入した前記硬化性
充填材を押圧することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシールド掘削
機およびトンネルの覆工方法の第一ないし第三の実施の
形態について図1ないし図17を参照して説明する。
【0016】[第一の実施の形態]まずここでは、本発
明に係るシールド掘削機およびトンネルの覆工方法を適
用して構築すべきトンネルおよびその構築方法について
説明する。
【0017】(掘削すべきトンネルについて)図1に示
すように、構築すべき大断面トンネル10は、例えば地
下に設けられる高速道路として用いられるもので、この
大断面トンネル10には、本線10Aに支線10Bが合
流する合流ランプLが設けられている。合流ランプLに
は、周知のように、支線10Bから走行してきた車が加
速するための加速車線Xが設けられており、この加速車
線Xの端部に連続して、この大断面トンネル10の幅が
本線10Aに向けて漸次変化するテーパ部Dが形成され
ている。
【0018】図2に示すものは大断面トンネル10の例
えば本線10Aを示すもので、この部分は、周囲の地山
からの土圧に抗するための覆工体であるトンネル構造体
11と、該トンネル構造体11の内方に形成された上下
2段の内部空間12A、12Bとから構成されている。
【0019】トンネル構造体11は、側壁部11a,1
1aと、上面11b,下面11cと、上下の内部空間1
2A,12Bを仕切る仕切面11dとから構成されて、
全体として断面視略日字状をなしている。このトンネル
構造体11は、断面視円形の円形シールドトンネル15
と、互いに平行な平面を有した平面シールドトンネル1
6とが、周方向交互に配置されて一体化された構成から
なっている。なお、符号18で示すものはトンネル構造
体11内に全周にわたって配筋された鉄筋、19はトン
ネル構造体11内に打設充填されたコンクリートであ
る。
【0020】本線10Aから加速車線Xに向けてその幅
が漸次増加するテーパ部D(図1参照)においては、図
3に示すように、円形シールドトンネル15Bの両側に
位置する平面シールドトンネル16,16の間隔が漸次
拡大された構成となっている。さらに、これら平面シー
ルドトンネル16,16の間隔の拡大にともなって、そ
の両側に位置する円形シールドトンネル15A,15
A、およびトンネル構造体11の側壁部11a,11a
を構成する平面シールドトンネル16,16について
も、その間隔が漸次拡大するよう構築されている。
【0021】図2に示した大断面トンネル10の本線1
0Aを構築するには、まず、トンネル構造体11を構成
する平面シールドトンネル16,16,…を形成するた
めに、矩形シールドトンネル(トンネル)20,20,
…を先行構築する。図4に示すように、各矩形シールド
トンネル20の構築には、断面視矩形のシールド掘削機
(図示なし)で地山中に矩形の孔22を削孔していき、
その後方にセグメント23,23,…を組み立ててい
く。
【0022】各セグメント23は、これらを組み上げた
ときに、対向する2面が平板部23a,23aとされ、
これら平板部23aの両側が、略円弧状の凹部23b,
23cとなるよう構成されている。各凹部23b,23
cは、その円弧の曲率径が、側方に構築される円形シー
ルドトンネル15(図2参照)の径よりも若干大となる
よう形成されている。このようなセグメント23を組み
立てた後、掘削した孔22とセグメント23の外周面と
の間に、コンクリートやモルタル、ファイバーコンクリ
ートなどの裏込充填材(硬化性充填材)25を充填す
る。これにより、各孔22内には、断面視矩形の矩形シ
ールドトンネル20が構築される。
【0023】次いで、互いに隣接する矩形シールドトン
ネル20,20間の地山を断面視円形のシールド掘削機
(図示なし)を用いて円形の孔26,26,…を削孔し
ていく。このときには、矩形シールドトンネル20,2
0間の地山とともに、セグメント23,23の凹部23
b,23cの外側の裏込充填材25,25も同時に削ら
れる。
【0024】図5に示すように、このように各孔26を
掘削しつつ、シールド掘削機(図示なし)の後方で、円
形セグメント27,27,…を組み立てていく。そし
て、組み立てた円形セグメント27の外側に、コンクリ
ートやモルタル、ファイバーコンクリートなどの裏込充
填材28を充填することにより、各孔26内に円形シー
ルドトンネル15A,15Bが構築される。これによ
り、断面視円形の円形シールドトンネル15と、平面シ
ールドトンネル16とが周方向交互に配置され、かつ円
形シールドトンネル15A,15Bと平面シールドトン
ネル16とはその一部が重合した状態となり、トンネル
構造体11が形成される。
【0025】続いて、図2に示したように、トンネル構
造体11内に鉄筋18を配筋し、さらにコンクリート1
9を打設充填した後、トンネル構造体11の内方の地山
を掘削し、ここに内部空間12A,12Bを形成するこ
とにより、所定形状の大断面トンネル10の本線10A
が構築される。
【0026】このようにして大断面トンネル10の本線
10Aを構築したのに引き続き、本線10Aから加速車
線Xに向けてその幅が漸次増加していくテーパ部D(図
1参照)を構築するには、まず、本線10Aと同様、図
6に示すように、矩形シールドトンネル20,20を形
成するため、矩形シールド掘削機で矩形の孔22,22
を削孔する。このとき、このテーパ部Dにおいては、ト
ンネル構造体11の上面11b,下面11c,仕切面1
1dを形成する部分では、矩形の孔22,22の間隔を
掘進方向前方に行くに従い漸次拡大していく。
【0027】このようにして各孔22を削孔しつつ、そ
の後方でセグメント23を組み立てるが、このときに
は、円形シールドトンネル15B側の凹部23bは、円
形シールドトンネル15Bの中心軸線に対する位置が一
定となるようにする。一方、円形シールドトンネル15
A側の凹部23cは、孔22の変位に応じて円形シール
ドトンネル15Bの中心軸線から漸次離間するようにす
る。これにより、セグメント23の幅は、掘進方向前方
に行くに従い漸次拡大することになる。このようにして
テーパ部Dのセグメント23を組み立てた後、掘削した
孔22とセグメント23の外周面との間に裏込充填材2
5を充填する。このとき、円形シールドトンネル15
A,15B側においては、裏込充填材25の覆工厚が掘
進方向前方に行くに従い、漸次薄くなることになる。
【0028】次いで、互いに隣接する矩形シールドトン
ネル20,20間の地山を断面視円形のシールド掘削機
(図示なし)を用いて削孔し、円形の孔26,26,…
を形成していく。このとき、円形シールドトンネル15
Bを形成するための孔26は、トンネル構造体11の中
心軸線に対して断面方向に変位することなく、直線状に
削孔する。これに対し、円形シールドトンネル15Aを
形成するための孔26は、矩形シールドトンネル20の
変位に応じて、円形シールドトンネル15Bから漸次離
間するよう削孔する。このようにして、孔26を削孔す
ると、矩形シールドトンネル20,20間の地山ととも
に、セグメント23,23の凹部23b,23cの外側
の裏込充填材25,25も同時に削られる。
【0029】この後は、図3に示したように、シールド
掘削機(図示なし)の後方で、円形セグメント(セグメ
ント)27,27,…を組み立て、その外側に裏込充填
材28を充填することにより、各孔26内に円形シール
ドトンネル15A,15Bが構築される。すなわちこれ
により、平面シールドトンネル16,16の間隔が拡大
するにしたがって、これらの間に位置する円形シールド
トンネル15Bと、各平面シールドトンネル16との重
合寸法が漸次減少するようになっている。
【0030】このようにして、円形シールドトンネル1
5と平面シールドトンネル16とを構築した後、トンネ
ル構造体11内に鉄筋18を配筋し、さらにコンクリー
ト19を打設充填し、しかる後には、トンネル構造体1
1の内方の地山を掘削し、ここに内部空間12A,12
Bを形成することにより、所定形状の大断面トンネル1
0のテーパ部Dの構築が完了する。
【0031】(シールド掘削機について)次に、上記の
ような大断面トンネル10を構築するに際し、矩形シー
ルドトンネル20を構築するためのシールド掘削機につ
いて説明する。ここで、図4および図6に示したよう
に、このシールド掘削機で掘削する矩形シールドトンネ
ル20は、前述の如く、テーパ部Dにおいて、セグメン
ト23の幅が掘進方向前方に行くに従い漸次拡大し、こ
れにともなって、裏込充填材25の覆工厚が円形シール
ドトンネル15A,15B側において漸次薄くなるよう
になっている。
【0032】図7および図8に示すものは、矩形シール
ドトンネル20を構築している状態のシールド掘削機3
0である。図7は、裏込充填材25の覆工厚が厚い部分
を構築している状態、すなわち図4の状態におけるA−
A断面図およびB−B断面図である。また図8は、テー
パ部Dにおいて、裏込充填材25の覆工厚が薄くなった
部分を構築している状態、すなわち図6の状態における
A−A断面図およびB−B断面図である。
【0033】図7および図8に示すように、シールド掘
削機30は、その外殻をなす矩形断面のスキンプレート
31の前部に、矩形の孔22を形成するためのカッタ機
構(カッター)32が備えられている。そして、スキン
プレート31の内部には、セグメント23を所定形状に
組み上げるためのセグメント組立機構(図示なし),シ
ールド掘削機30を推進させるための推進ジャッキ(図
示なし)等が備えられ、さらにスキンプレート31の後
部には、スキンプレート31と組み上げたセグメント2
3との間を塞ぐエンドプレート(調整手段)35が備え
られている。
【0034】図9に示すように、このエンドプレート3
5は、スキンプレート31の内側面に一体に固定された
固定プレート36と、この固定プレート36に対して着
脱自在とされた脱着プレート37とから構成されてい
る。
【0035】固定プレート36は、一方の側端部36a
がスキンプレート31の内側面に沿った直線形状とさ
れ、他方の側端部36bが、セグメント23の凹部23
bあるいは23cに対応した円弧状をなし、さらに側端
部36bには、スキンプレート31内で前方に延出する
取付部36cが一体に形成されている。
【0036】脱着プレート37は、一方の側端部37a
が、固定プレート36の側端部36bに沿うよう円弧状
をなし、他方の側端部37bが、セグメント23の凹部
23bあるいは23cに対応した円弧状をなすようにな
っている。そして、一方の側端部37aと他方の側端部
37bには、スキンプレート31内で前方に延出する取
付部37c,37dが形成されている。図10に示すよ
うに、この脱着プレート37は、複数のプレート部材3
8A,38B,38C(ここでは例えば3分割)に分割
されている。そして、図9に示したように、これらプレ
ート部材38A,38B,38Cからなる脱着プレート
37は、固定プレート36側の取付部36cと脱着プレ
ート37側の取付部37cとをボルト・ナット(図示な
し)等で締結することによって、固定プレート36に着
脱自在に取り付けられるようになっている。
【0037】図11および図12に示すものは、図9お
よび図10に示した脱着プレート37を取り外した状態
である。
【0038】さらに、図9に示したように、エンドプレ
ート35の先端部には、組み上げたセグメント23との
隙間をシールするゴム系や鋼製の材料等からなるテール
シール39,39,…が多重に備えられている。これら
多重のテールシール39は、それぞれ、脱着プレート3
7の取付部37d、あるいは固定プレート36の取付部
36c(図12参照)に、ボルト(図示なし)等で着脱
自在に取り付けられるようになっている。このとき、固
定プレート36の側端部36bと、脱着プレート37の
側端部37bは、いずれもセグメント23の凹部23b
あるいは23cに対応した円弧状で、すなわち同一形状
であるため、テールシール39は、固定プレート36,
脱着プレート37のいずれにも共通して用いることがで
きるようになっている。なお、図11に示したように、
脱着プレート37を取り外した状態で固定プレート36
にテールシール39を装着する場合には、セグメント2
3の平板部23aとの隙間に延長用テールシール40を
装着する。
【0039】ところで、図9および図12に示したよう
に、上記エンドプレート35の固定プレート36には、
エンドプレート35の後方のセグメント23と孔22と
の間の空間に裏込充填材25を充填するための裏込充填
材打設管(充填材注入管,充填材注入手段)44と、打
設充填した裏込充填材25の圧力を保持するための裏込
充填材プレス機構(充填材押圧機構,充填材押圧手段)
45とが備えられている。これら裏込充填材打設管44
と裏込充填材プレス機構45は、基本的に本出願人が既
に出願した特願平9−74179号の明細書に記載した
技術と同様の構成であり、ここでは前記明細書に記載し
た技術とは異なる構成を中心に説明を行う。
【0040】図9(a)および図12(a)に示したよ
うに、これら裏込充填材打設管44は、その後端44a
がエンドプレート35の固定プレート36に形成された
打設孔47に嵌挿されて固定され、固定プレート36の
後方に向けて開口している。これにより裏込充填材打設
管44では、図示しないポンプ等によって送給された裏
込充填材25を、固定プレート36の後面側に開口した
後端44aからその後方の空間に打設注入するようにな
っている。
【0041】図9(b)および図12(b)に示すよう
に、裏込充填材プレス機構45は、円筒状の外筒(シリ
ンダ)48と、この外筒48内で前後両方向にスライド
自在に配設された押圧ピストン49と、この押圧ピスト
ン49をスライド駆動させる圧力保持ジャッキ50とか
ら構成されている。外筒48は、断面略円形の管体から
なり、その後端部が固定プレート36に形成された固定
孔51に固定されている。この外筒48内に収められた
押圧ピストン49には、その外周面にシール部材52,
52が装着され、外筒48と押圧ピストン49との隙間
のシール性を保持するようになっている。この押圧ピス
トン49をスライド駆動させる圧力保持ジャッキ50
は、その伸縮ロッド50aが押圧ピストン49に一体に
固定され、この伸縮ロッド50aを駆動するジャッキ本
体50bが図示しないブラケット等によりスキンプレー
ト31側に反力がとれるよう固定されている。
【0042】このような裏込充填材プレス機構45で
は、裏込充填材打設管44から固定プレート36の後方
の空間に注入された裏込充填材25を、圧力保持ジャッ
キ50を伸ばして押圧ピストン49を外筒48内で後方
にスライドさせることによって押圧するようになってい
る。
【0043】この裏込充填材プレス機構45の押圧ピス
トン49の後面、すなわち裏込充填材25を直接的に押
圧する側の面には、歪み計型の土圧計等の圧力センサ5
4が取り付けられている。そして、この圧力センサ54
は、圧力保持ジャッキ50の駆動を制御する制御手段に
接続されている。この制御手段では、押圧ピストン49
によって押圧されて加圧される裏込充填材25の圧力が
刻々と検出されて入力されるようになっている。そし
て、制御手段においては、入力された圧力値と、予め設
定された上限値,下限値,およびヒステリシス(不感
体)とを比較し、その比較結果に基づいて圧力保持ジャ
ッキ50の作動を自動的に制御し、これによって裏込充
填材25に対する押圧力を、周囲の地山圧力を上回る所
定の圧力に自動的に保つようになっている。なお、この
裏込充填材プレス機構45の制御方法は、先に述べた特
願平9−74179号の明細書に記載した技術と同様に
行えばよい。
【0044】次に、上記エンドプレート35を備えたシ
ールド掘削機30で、セグメント23の外径寸法が大き
くなり、これに伴って裏込充填材25の覆工厚が変化す
る部分を施工する方法について説明する。これに際して
は、図4,図7に示したように、裏込充填材25の覆工
厚が厚い部分を構築している状態では、図9および図1
0に示したように、固定プレート36と脱着プレート3
7とを装着している。
【0045】そして、図6,図8に示したように、セグ
メント23の径方向寸法が大きくなる部分では、裏込充
填材25が硬化した後、図9に示したテールシール39
がかかっている部分のセグメント23Xを解体する。こ
のとき、裏込充填材25が硬化して十分な強度を発現し
ていれば周囲地山の土圧・水圧に十分に抗することが可
能である。
【0046】次いで、テールシール39を取り外し、さ
らに脱着プレート37を取り外す。この後、図11およ
び図12に示したように、テールシール39を固定プレ
ート36に再装着する。このとき、テールシール39を
予め二組用意しておけば、テールシール39を脱着プレ
ート37から取り外す必要はない。さらに、図11に示
したように、セグメント23の平板部23aと孔22と
の間に生じる隙間に延長用テールシール40を装着す
る。
【0047】この後、図12に示したように、外径寸法
を大きくするためのセグメント23Yを組み立てる。こ
のセグメント23Yはその途中に段部41が形成されて
おり、これによってその外径寸法が大きくなるようにな
っている。なお、このような特殊形状のセグメント23
Yは、鋼製とし、工場等で事前加工するようにするのが
望ましい。
【0048】このようにしてセグメント23が拡径され
るので、この後は拡径後のセグメント23を延長構築さ
せていけばよい。そして、セグメント23の拡径部分で
は、セグメント23と孔22との間に充填される裏込充
填材25の覆工厚も変化するが、このときも前記裏込充
填材プレス機構45によって、裏込充填材打設管44か
ら後方の空間に充填した裏込充填材25を加圧して、自
動的に所定の圧力範囲内に保つようになっている。
【0049】上述したように、シールド掘削機30およ
び矩形シールドトンネル20の覆工方法では、シールド
掘削機30には、スキンプレート31とその内部で組み
立てるセグメント23との隙間を塞ぐエンドプレート3
5が備えられ、このエンドプレート35が固定プレート
36と脱着プレート37とからなり、脱着プレート37
が着脱自在とされた構成となっている。これにより、ス
キンプレート31とセグメント23との間の径方向寸法
が変化して、裏込充填材25の覆工厚が変化する部分で
は、エンドプレート35の脱着プレート37を着脱する
ことによって、覆工厚の変化に容易かつ確実に対応する
ことができる。
【0050】さらに、シールド掘削機30には、裏込充
填材打設管44から打設した裏込充填材25の圧力を加
圧する裏込充填材プレス機構45が備えられ、裏込充填
材プレス機構45で裏込充填材打設管44から打設した
裏込充填材25を押圧することによって、周囲地山の土
圧,水圧よりも常時高くなるよう自動的に保つようにな
っている。これにより、裏込充填材25を過不足なく確
実に充填して、裏込充填材25への地下水や土砂の浸
入,混入を防止したり、裏込充填材25のシールド掘削
機30の掘削方向前方への回り込み等を防止して、高品
質かつ確実な施工が可能となる。
【0051】しかも、裏込充填材プレス機構45の外筒
48が固定プレート36に固定されて、スキンプレート
31とは別に設けられた構成となっている。このように
して、スキンプレート31等を利用せずに裏込充填材プ
レス機構45を独立して設けることによって、シールド
掘削機30の製作が容易となり、低コスト化、および高
精度化を図ることができる。また、裏込充填材プレス機
構45の増減も容易に行うことができる。そして、固定
プレート36が小さい場合でも、何ら問題なく裏込充填
材25を良好な品質で打設することが可能となる。
【0052】加えて、裏込充填材打設管44について
は、これをエンドプレート35の固定プレート36を介
してスキンプレート31側に固定する構成となってい
る。これにより、従来一般のシールド掘削機のように打
設管をフレキシブルホース等で構成する必要がなく、打
設時にホースが振れたりするような不具合がなく、使用
性に優れている。また、この裏込充填材打設管44と、
裏込充填材プレス機構45の外筒48とが分離されてい
るので、押圧ピストン49に裏込充填材打設のための孔
を設ける必要がなく、押圧ピストン49の断面欠損が生
じず、より効率的に押圧効果を得ることができ、また裏
込充填材プレス機構45の小型化を図ることができる。
【0053】なお、上記第一の実施の形態において、脱
着プレート37を、プレート部材38A,38B,38
Cに三分割する構成としたが、もちろんその分割方式に
ついては何ら問うものではない。例えば図13に示すよ
うに、脱着プレート37を、プレート部材38D,38
E,38F,38G,38Hに5分割するなど、プレー
ト部材を取り扱う機械の能力等に応じて、その分割数や
形状を適宜変更すればよい。また図14に示すように、
脱着プレート37を、プレート部材58A,58B,5
8Cと、プレート部材59A,59B,59Cとからな
る2段階とするなど、多段階に分割するようにしても良
い。これにより、セグメント23の径方向寸法が多段階
に変わる場合にも、これに伴って裏込充填材25の覆工
厚を段階的に容易に調整することができる。さらに、こ
れら脱着プレート37を着脱自在とするための構造は、
上記に限らず、着脱作業を容易かつ確実に行うことがで
き、しかもエンドプレート35としての機能を確実に果
たすことができるのであれば、他の構造を適宜採用する
ことが可能である。
【0054】[第二の実施の形態]次に、本発明にかか
るシールド掘削機およびトンネルの覆工方法の第二の実
施の形態について説明する。ここで説明する第二の実施
の形態と、上記説明した第一の実施の形態の相違点は、
シールド掘削機30のエンドプレート35に備えたテー
ルシールの構成が異なるのみであり、他の構成は全て共
通であるので、前記第一の実施の形態と共通する構成に
ついては同符号を付し、その説明を全て省略する。
【0055】図15に示すように、シールド掘削機30
のエンドプレート35には、組み上げたセグメント23
との隙間をシールするゴム系や鋼製の材料等からなるテ
ールシール39が多重に備えられている。これらテール
シール39は、脱着プレート37の取付部37d(図9
参照)、あるいは固定プレート36の取付部36cに沿
うよう形成された、鋼製,強化プラスチック製等の取付
プレート60に一体に取り付けられている。そして、こ
れらテールシール39は、取付プレート60を、脱着プ
レート37の取付部37d、あるいは固定プレート36
の取付部36cにボルト等で着脱自在に取り付けられる
構成となっている。なお、図15は、脱着プレート37
(図9参照)を取り外した状態を示すものであって、図
9に示したシールド掘削機30と同様、固定プレート3
6に脱着プレート37が着脱自在に取り付けられるよう
になっている。
【0056】上述した構成によれば、裏込充填材25の
覆工厚の変化に応じ、脱着プレート37の着脱に伴って
テールシール39を着脱するときには、取付プレート6
0を着脱するのみで全てのテールシール39を一体に着
脱することができる。したがって、上記第一の実施の形
態で示したテールシール39のように多数のテールシー
ル39を着脱する必要がなくなり、これによって、作業
の手間が省け、作業時間の大幅な低減が可能となる。ま
た、テールシール39を取付プレート60に取り付けた
ものを工場等で製作することもできるので、これにより
テールシール39のシールド掘削機30への取付精度を
向上させることができ、より確実なシール性能を発揮す
ることができる。
【0057】[第三の実施の形態]次に、本発明にかか
るシールド掘削機およびトンネルの覆工方法の第三の実
施の形態について説明する。以下に説明する第三の実施
の形態では、エンドプレートの径方向寸法を調整する手
段として、固定エンドプレートに対し移動エンドプレー
トを進退駆動させる構成を例に挙げて説明する。以下の
説明では、上記第一および第二の実施の形態と相違する
エンドプレートの構成についてのみ言及し、前記第一お
よび第二の実施の形態と共通する構成については同符号
を付し、その説明を全て省略する。
【0058】図16および図17に示すように、シール
ド掘削機70は、その外殻をなす矩形断面のスキンプレ
ート71の後部に、このスキンプレート71とその内部
で組み上げたセグメント23との間を塞ぐエンドプレー
ト(調整手段)75が備えられている。
【0059】このエンドプレート75は、スキンプレー
ト71の内側面に一体に固定された固定プレート(固定
エンドプレート)76と、この固定プレート76に対し
て、スキンプレート71の径方向に進退自在とされた移
動プレート(移動エンドプレート)77と、この移動プ
レート77を進退駆動させる駆動ジャッキ(駆動機構)
78とから構成されている。
【0060】固定プレート76には、前記第一および第
二の実施の形態における固定プレート36(図9参照)
と同様の形状で、裏込充填材打設管44と、裏込充填材
プレス機構45とが備えられている。
【0061】移動プレート77は、断面視略L字状で、
スキンプレート71の前方に向けて延出する取付部77
aにはテールシール39が取り付けられている。この移
動プレート77は、固定プレート76の掘進方向前面側
に配設され、スキンプレート71の外周側に移動したと
きには、固定プレート76の前面側に退避するようにな
っている。
【0062】駆動ジャッキ78は油圧ジャッキ等からな
り、そのシリンダ本体78aがスキンプレート71に固
定され、その伸縮ロッド78bは移動プレート77の取
付部77aに固定され、スキンプレート71の径方向内
周側に向けて伸縮駆動されるようになっている。さら
に、固定プレート76と移動プレート77との間には、
裏込充填材25のスキンプレート71への侵入を防ぐシ
ール部材79が備えられている。
【0063】このようなエンドプレート75を備えたシ
ールド掘削機70では、前記第一および第二の実施の形
態と同様にして、矩形シールドトンネル20を構築して
いく。そして、セグメント23の径方向寸法が変化する
部分では、駆動ジャッキ78を伸縮させることによっ
て、移動プレート77を径方向に進退させ、これによっ
てエンドプレート75の径方向寸法を調整する。
【0064】上述したように、シールド掘削機70にお
いても、上記第一の実施の形態と同様の効果を奏するこ
とができる。しかも、エンドプレート75が、駆動ジャ
ッキ78によって進退駆動される移動プレート77を備
えた構成となっているので、上記第一の実施の形態で示
したように脱着プレート37やテールシール39の着脱
作業も全く不要であり、エンドプレート75の径方向寸
法の調整を容易に行うことができる。しかも、その径方
向の調整も任意の位置で移動プレート77を停止させる
ことによって自在に行うことができる。したがって、上
記効果をより一層顕著なものとすることが可能となる。
【0065】なお、上記第一ないし第三の実施の形態に
おいては、本発明に係るシールド掘削機およびトンネル
の覆工方法を、大断面トンネル10の幅が漸次増加する
テーパ部Dに適用する構成としたが、もちろん、幅が減
少する場合においても適用することができる。また、大
断面トンネル10の幅ではなく、高さが増加又は減少す
る場合にも同様にして適用することができる。
【0066】また、裏込充填材打設管44や裏込充填材
プレス機構45については、その構成や設置数等、いか
なるものであっても良い。例えば、裏込充填材プレス機
構45の外筒48を断面視円形としたが、これに限ら
ず、矩形や楕円形等の他の形状の外筒を採用するように
しても良い。
【0067】また、上記各実施の形態では、テールシー
ル39を多重、例えば3重に設ける構成としたが、もち
ろん一層のみであっても良い。
【0068】さらに、上記各実施の形態では、本発明に
かかるシールド掘削機およびトンネルの覆工方法を、大
断面トンネル10を拡幅あるいは縮小させるための矩形
シールドトンネル20に適用する構成としたが、もちろ
ん上記の形態に何ら限定する意図はない。すなわち、上
記各実施の形態では、セグメント23と周囲地山との間
に充填する硬化性充填材として裏込充填材25を例に挙
げたが、例えばECL工法等において周囲地山を直接に
覆工するコンクリートに対しても本発明にかかる技術を
全く同様にして適用することが可能である。このような
場合には、型枠が上記実施の形態におけるセグメント2
3に代わる構成となるのは言うまでもない。
【0069】また、本発明にかかる技術は、このように
裏込充填材または一次覆工用のコンクリート等、硬化性
充填材の覆工厚が変化するような場合であれば、いかな
る場合にも同様に適用することが可能であり、例えば、
複数本のシールドトンネルを組み合わせて構成される大
断面トンネル10に限らず、一本のみのシールドトンネ
ルの構築にも適用可能である。また、上記各実施の形態
では、スキンプレートの内部で組み立てるセグメント
(あるいは型枠)の径方向寸法が変化することによっ
て、硬化性充填材の覆工厚が変化する場合を例に挙げた
が、もちろん、途中で外径寸法の変わる異径断面トンネ
ル等、スキンプレート側の径方向寸法が変化することに
よって硬化性充填材の覆工厚が変化する場合等であって
も良い。さらに、対象となるトンネルも、矩形断面に限
らず、円形、長円形等、他の各種形状であっても良い。
もちろん、エンドプレート35,75の形状は上記に挙
げた形状以外であっても良く、シールド掘削機のスキン
プレートとその内部で組み立てるセグメントあるいは型
枠の形状に応じた形状となるのは当然のことである。
【0070】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るシ
ールド掘削機によれば、シールド掘削機のスキンプレー
トと、セグメントまたは型枠の外周面との間にエンドプ
レートが備えられ、このエンドプレートの径方向寸法が
変更可能とされた構成となっている。またその具体的な
構成として、請求項2に係るシールド掘削機によれば、
エンドプレートの少なくとも一部が着脱自在変更可能と
された構成となっている。これにより、硬化性充填材の
覆工厚が変化する部分では、エンドプレートの径方向寸
法を変更することによって、覆工厚の変化に容易かつ確
実に対応することができ、施工を円滑かつ効率よく行う
ことが可能となる。
【0072】また、請求項3に係るシールド掘削機によ
れば、エンドプレートの径方向寸法を変更可能とするた
め、エンドプレートが、固定エンドプレートと、移動エ
ンドプレートと、移動エンドプレートを駆動する駆動機
構とを備えた構成となっている。これにより、エンドプ
レートの着脱作業も全く不要であり、エンドプレートの
径方向寸法の調整をより容易に行うことができる。しか
も、その径方向の調整も自在に行うことができる。した
がって、上記効果をより一層顕著なものとすることが可
能となる。
【0073】請求項4に係るシールド掘削機によれば、
シールド掘削機には、硬化性充填材を打設するための充
填材注入管と、打設した硬化性充填材を押圧するための
充填材押圧機構とが配設されて、充填材押圧機構は、エ
ンドプレートに設けられたシリンダと、圧力保持ジャッ
キによって前後方向に進退駆動される押圧ピストンとを
備えた構成となっている。これにより、充填材注入管か
ら注入した硬化性充填材を圧力保持ジャッキで駆動した
押圧ピストンで押圧することにより、その圧力を周囲地
山の土圧,水圧よりも常時高くなるよう自動的に保つこ
とができ、したがって、硬化性充填材を過不足なく確実
に充填して、高品質かつ確実な施工が可能となる。ま
た、スキンプレート等を利用せずに充填材押圧機構を独
立して設けることによって、シールド掘削機の製作が容
易となり、低コスト化、および高精度化を図ることがで
きる。また、充填材押圧機構の増減も容易に行うことが
できる。
【0074】請求項5に係るトンネルの覆工方法によれ
ば、シールド掘削機のスキンプレートと、セグメントま
たは型枠の外周面との間の寸法が変化するときには、エ
ンドプレートの径方向寸法を調整手段によって変更する
構成となっている。これにより、覆工厚の変化に容易か
つ確実に対応することができ、施工を円滑かつ効率よく
行うことが可能となる。
【0075】請求項6に係るトンネルの覆工方法によれ
ば、セグメントまたは型枠と周囲地山の周壁との間に硬
化性充填材を打設するに際しては、充填材注入手段によ
って硬化性充填材を注入するとともに、押圧手段によっ
て、注入した硬化性充填材を押圧する構成となってい
る。これにより、硬化性充填材を押圧することにより、
その圧力を周囲地山の土圧,水圧よりも常時高くなるよ
う自動的に保つことができ、これにより、硬化性充填材
を過不足なく確実に充填して、高品質かつ確実な施工が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシールド掘削機およびトンネル
の覆工方法を適用するトンネルの一例を示す平断面図で
ある。
【図2】 前記トンネルの通常の部分を示す立断面図で
ある。
【図3】 同、前記トンネルの拡幅部分を示す立断面図
である。
【図4】 図2に示した部分の施工途中の状態を示す立
断面図である。
【図5】 図4に続く状態を示す立断面図である。
【図6】 図3に示した部分の施工途中の状態を示す立
断面図である。
【図7】 本発明に係るシールド掘削機の第一の実施の
形態において、前記シールド掘削機でトンネルを掘削し
ている状態を示す図であって、(a)図4におけるA−
A断面図、(b)同B−B断面図である。
【図8】 同、(a)図6におけるA−A断面図、
(b)同B−B断面図である。
【図9】 図7に示した状態の前記シールド掘削機の要
部を示す図であって、(a)裏込充填材打設管の部位に
おける側断面図、(b)裏込充填材プレス機構の部位に
おける側断面図である。
【図10】 図7に示した状態の前記シールド掘削機の
正面図である。
【図11】 図8に示した状態の前記シールド掘削機の
正面図である。
【図12】 図8に示した状態の前記シールド掘削機の
要部を示す図であって、(a)裏込充填材打設管の部位
における側断面図、(b)裏込充填材プレス機構の部位
における側断面図である。
【図13】 本発明に係るシールド掘削機の他の一例を
示す図である。
【図14】 本発明に係るシールド掘削機のさらに他の
一例を示す図である。
【図15】 本発明に係るシールド掘削機の第二の実施
の形態を示す図である。
【図16】 本発明に係るシールド掘削機の第三の実施
の形態を示す図である。
【図17】 図16に示したシールド掘削機の移動プレ
ートが移動した状態を示す図である。
【符号の説明】
20 矩形シールドトンネル(トンネル) 22 孔 23 セグメント 25 裏込充填材(硬化性充填材) 30,70 シールド掘削機 31,71 スキンプレート 32 カッタ機構(カッター) 35,75 エンドプレート(調整手段) 44 裏込充填材打設管(充填材注入管,充填材注入手
段) 45 裏込充填材プレス機構(充填材押圧機構,充填材
押圧手段) 48 外筒(シリンダ) 49 押圧ピストン 50 圧力保持ジャッキ 76 固定プレート(固定エンドプレート) 77 移動プレート(移動エンドプレート) 78 駆動ジャッキ(駆動機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 伸司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 浦田 修 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 重田 安彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前部に備えたカッターで地山を掘削する
    ことによって孔を形成するとともに、その後部におい
    て、セグメントまたは型枠を組み立てて設置し、前記セ
    グメントまたは型枠と前記孔の周壁との間に硬化性充填
    材を打設することによって前記周壁を覆工するシールド
    掘削機であって、 該シールド掘削機の外殻をなすスキンプレートと、前記
    セグメントまたは型枠の外周面との間に、前記硬化性充
    填材を打設すべき空間と前記スキンプレートの内部とを
    隔てるエンドプレートが備えられてなり、 該エンドプレートの径方向寸法が変更可能とされている
    ことを特徴とするシールド掘削機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシールド掘削機におい
    て、前記エンドプレートの径方向寸法を変更するため、
    前記エンドプレートの少なくとも一部が着脱自在とされ
    ていることを特徴とするシールド掘削機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のシールド掘削機
    において、前記エンドプレートの径方向寸法を変更する
    ため、前記エンドプレートが、前記スキンプレートに固
    定された固定エンドプレートと、該固定エンドプレート
    に対して進退可能に設けられた移動エンドプレートと、
    該移動エンドプレートを進退駆動させる駆動機構とが備
    えられてなることを特徴とするシールド掘削機。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のシ
    ールド掘削機において、前記シールド掘削機には、前記
    硬化性充填材を打設するための充填材注入管と、打設し
    た前記硬化性充填材を押圧するための充填材押圧機構と
    が配設されて、前記充填材押圧機構は、前記エンドプレ
    ートに設けられたシリンダと、該シリンダ内で圧力保持
    ジャッキによって前後方向に進退駆動される押圧ピスト
    ンとを備えた構成とされていることを特徴とするシール
    ド掘削機。
  5. 【請求項5】 シールド掘削機の前部に備えたカッター
    で地山を掘削することによって孔を形成するとともに、
    その後部において、セグメントまたは型枠を組み立て、
    前記セグメントまたは型枠と前記孔の周壁との間に硬化
    性充填材を打設することによって前記周壁の内面を覆工
    してトンネルを構築していき、 前記シールド掘削機の外殻をなすスキンプレートと、前
    記セグメントまたは型枠の外周面との間の寸法が変化す
    るときには、前記硬化性充填材を打設すべき空間と前記
    スキンプレートの内部とを隔てるエンドプレートの径方
    向寸法を、調整手段によって変更することを特徴とする
    トンネルの覆工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のトンネルの覆工方法にお
    いて、前記セグメントまたは型枠と前記周壁との間に硬
    化性充填材を打設するに際しては、 前記シールド掘削機に備えた充填材注入手段によって前
    記硬化性充填材を注入するとともに、前記シールド掘削
    機に備えた押圧手段によって、注入した前記硬化性充填
    材を押圧することを特徴とするトンネルの覆工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102661155A (zh) * 2012-05-18 2012-09-12 武汉船用机械有限责任公司 一种盾构机同步注浆管路系统及具有该系统的盾构机
CN111828048A (zh) * 2020-07-28 2020-10-27 中建七局安装工程有限公司 浅埋暗挖隧道施工洞顶防止粉土塌落方法

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