JPH11107190A - 吸水抵抗性を改良した表面サイズ剤及びその表面サイズ剤を塗布した印刷用紙 - Google Patents

吸水抵抗性を改良した表面サイズ剤及びその表面サイズ剤を塗布した印刷用紙

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JPH11107190A
JPH11107190A JP26762097A JP26762097A JPH11107190A JP H11107190 A JPH11107190 A JP H11107190A JP 26762097 A JP26762097 A JP 26762097A JP 26762097 A JP26762097 A JP 26762097A JP H11107190 A JPH11107190 A JP H11107190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水抵抗性を大幅に改善した表面サイズ剤及
びそのサイズ剤を塗布した印刷用紙の提供。 【解決手段】 機能の異なる3成分(浸透を抑制でき、
ゲートロールコーター塗工適性を有する成分A、ゲート
ロールコーター塗工適性をある程度有し、成分Aとイオ
ン的結合性のある成分B、成分Bと疎水的結合性のある
成分C)もしくは成分B並びに成分Cを配合した新規な
表面サイズ剤。さらに、本新規表面サイズ剤を主成分と
する塗工層として設けることによって、吸水抵抗性、表
面強度、ネッパリの改善された印刷用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速塗工適性があ
り、吸水抵抗性などを大幅に改善することができる新規
な表面サイズ剤及びその表面サイズ剤を塗布した印刷用
紙、特に、新聞印刷用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷技術は、オフセット印刷化、
カラー印刷化、高速大量印刷化、自動化など大きな進歩
を遂げてきている。これに伴い、印刷用紙に対しても、
作業性、印刷適性の面から各種の物性の改良が求められ
ている。
【0003】特に、新聞印刷用紙(新聞用紙、新聞巻取
紙)は、一般的に、機械パルプや脱墨パルプ(以下、
「脱墨パルプ」を「DIP」と略す。)を主体とする紙
であり、中・下級紙に分類される紙でありながら、他方
では、新聞印刷は、指定された時間帯の指定された時間
内に、指定された部数を確実に印刷しなければならず、
一般印刷用紙以上に厳しい品質を要求される紙である。
この点では、新聞印刷用紙は、特殊な紙であり、紙の分
類上も独自な分類がされている。最近の新聞印刷用紙
は、軽量化、DIPの高配合化などが求められており、
これらの点によるマイナス面を克服しながら、各種の改
良を行う必要がある。そのような意味からすると、新聞
印刷用紙の改良は、一般印刷用紙の改良とは、かなり次
元の異なる厳しいものとなっている。
【0004】新聞印刷についても、近年、各種の要求
(例えば、印刷の高速化の要求、カラ−紙面の要求、多
品種印刷の要求、自動化の要求など)の点から、新聞印
刷へのコンピューターシステム導入の時期と相まって、
凸版印刷からオフセット印刷への転換が急速に進んでき
ている。
【0005】このオフセット印刷の普及は、新聞印刷用
紙に対して、凸版印刷用の新聞印刷用紙とは異なった品
質を要求している。例えば、(1) 湿潤強度があり、水切
れなどがないこと、(2) 吸水抵抗性が適度に保たれてい
ること、(3) 剥離強度(ネッパリ)が小さいこと、(4)
紙粉の発生がないこと、などの品質である。要求されて
いる品質の中でも、特に、吸水抵抗性の保持、言い換え
ればサイズ性のコントロール(言い換えれば、吸水抵抗
性の付与)は、重要な課題となっている。
【0006】しかし、機械パルプの含有率が高い新聞印
刷用紙と、機械パルプの含有率が低く、広葉樹晒クラフ
トパルプ(以下、「広葉樹晒クラフトパルプ」を「LB
KP」と略す。)の含有率が高い一般印刷用紙とは、吸
水抵抗性のコントロール(言い換えれば、吸水抵抗性の
付与)の難易度は異なる。機械パルプの含有率が高い場
合、紙の紙面状態は粗であるのに対してLBKPは密で
ある。また、密である紙面は外添サイズの塗布量が少な
くても済むが、粗である紙面は外添サイズの塗布量が多
くなると考えられる。
【0007】一般印刷用紙では、吸水抵抗性のコントロ
ールは、例えば、サイズ剤などの薬品を内添する方法
(内添サイズ)、あるいは外添する方法(塗工即ち外添
サイズ)により、行われている。内添とは、いわゆるウ
ェットエンドで、パルプスラリー中に薬品を添加し、抄
紙と同時に紙内部に薬品を含有させる方法のことであ
り、外添とは、抄紙後、2 本ロールサイズプレス、ある
いはゲートロールコーターなどに代表される塗工機を用
いて、薬品を紙表面に塗布する方法である。当然のこと
ながら、新聞印刷用紙については、ゲートロールコータ
ーなどに代表される塗工機を用いられている。
【0008】内添用のサイズ剤としては、酸性抄紙の場
合、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、合成
系サイズ剤などが、中性抄紙の場合、アルキルケテンダ
イマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(AS
A)などが知られている。また、特開昭60-88196号公
報、及び特開平4-363301号公報などには、カチオン化デ
ンプンとアルキルケテンダイマーから成るサイズ剤が開
示されている。
【0009】また、外添用のサイズ剤(表面サイズ剤と
も呼ばれる。)としては、スチレン/マレイン酸系共重
合体、スチレン/アクリル酸系共重合体などのアニオン
性ポリマー;ロジン、トール油及びフタル酸などのアル
キド樹脂ケン化物、石油樹脂とロジンのケン化物などの
アニオン性低分子化合物;スチレン系ポリマー、イソシ
アネート系ポリマーなどのカチオン性ポリマーなどが知
られている。これらは、一般印刷用紙やインクジェット
用紙などLBKPの含有率が高い用紙を対象にしてお
り、要求される吸水抵抗性の程度や抄紙条件が異なる。
またSchultz,W.S.等によって水素化もしくは、不均化、
部分的にエステル化した強化ロジンをエマルジョン化剤
として消化カゼインを、乳化剤としてカチオン化澱粉を
使用したことに特徴のある内添サイズ剤及び表面サイズ
剤についてUSP4,983,257に記載している。
【0010】これに対し、一般に新聞印刷用紙における
吸水抵抗性コントロールは、機械パルプの含有率が高い
ので、サイズ剤、耐水化剤などの薬品の内添により対処
しているのが現状である。
【0011】しかしながら、新聞印刷用紙における吸水
抵抗性コントロール対策のうち、一般印刷用紙でも用い
られているサイズ剤などの薬品を内添する方法(内添サ
イズ)は、(1) 薬品を低濃度パルプスラリーに添加する
必要がある、(2) パルプシートへの薬品の定着量が一定
しない(薬品の定着量が低い。)、(3) 通常、複数の抄
紙機が共通の循環白水を使用しているため、吸水抵抗性
を必要としない抄紙を平行して行うことができない、
(4) 歩留まり向上剤の効果が安定しない。歩留まりを強
化するとDIP系の着色異物をなどもシートに抄き込ん
でしまう、(5) 吸水抵抗性が径時変化する、(6) 中性化
及び軽量化した新聞高速抄紙では、内添サイズ剤の歩留
まりが低下する傾向があり、吸水抵抗性を持たせること
が難しい、(7) DIPを80%以上含有する新聞印刷用紙
の1000m/分以上の高速抄紙では、内添サイズ剤の歩留
まりが低下する傾向があり、吸水抵抗性を持たせること
が難しい、など多くの問題点があり、薬品の添加量のコ
ントロールが難しく、状況に応じて内添サイズ剤及び歩
留まり向上剤を増減して添加する必要があった。
【0012】内添サイズ剤の効きが悪い場合、内添サイ
ズ剤は過剰添加となり、紙力の低下、マシーントラブ
ル、疎水性サイズ剤の付着並びに蓄積が原因である著し
い白水系の汚れなどを引き起こしやすく、コスト、品
質、操業性などの面から問題があった。
【0013】また、原料配合を変更することは、実機で
は原料の大きな変動などがあり、一時的対応策としては
ともかく、長期的対応策としては、不適当であった。特
に中性化及び軽量化の高速抄紙において、品質を従来の
新聞用紙と同じに維持、または向上させることは、新聞
紙製造メーカーにとって重要な技術課題である。
【0014】また、新聞印刷用紙のサイズ性コントロー
ル対策として、薬品を外添する方法、言い換えれば、一
般印刷用紙で用いられている表面サイズ剤を外添する方
法(外添サイズ)の適用も考えられるが、実際にはコス
トの面からみて十分な吸水抵抗性効果が得られない問題
があり、本格的に実用化されていない。例えば、酸化澱
粉を新聞印刷用紙原紙に、塗布量0.5 g/m2 〜1.0 g
/m2 の範囲で塗布しても、その塗工品の吸水抵抗性
は、後述の点滴吸水度法でバラツキがあり、数十秒程度
であり問題があった。
【0015】新聞印刷用紙への表面処理剤の塗工は、経
済的な側面から、オンマシーン塗工が一般的であり、高
速塗工が可能な被膜形成転写方式であるゲートロールコ
ーターが用いられているのが普通である。このゲートロ
ールコーター方式の特徴は、例えば、紙パ技協誌Vol.4
3,No.4(1989)p36、紙パルプ技術タイムスVol.36,No.12
(1993)p20 などに簡単にまとめられているが、一般印刷
用紙で用いられている従来型2 ロールサイズプレス方式
と比較して、塗工液を紙表面にとどめることが可能であ
り、紙表面の改良に効果的である点にある。すなわち、
2 ロールサイズプレス方式では、原紙は、塗工液のポン
ド(液溜り)中を通過するため、塗工液の原紙への浸透
が非常に大きいのに対し、ゲートロールコーター方式で
は、塗工液があらかじめ被膜を形成し、その膜が転写さ
れるため、塗工液の原紙への浸透があまり起こらない。
そのため、ゲートロールコーター方式では、塗工材料が
原紙表面にとどまる傾向があることを記載している。
【0016】しかしながら、特開平8-232193に開示され
ている2 成分からなるイオン的なコンプレックスを紙表
面に形成する吸水コントロール組成物をゲートロールコ
ーター方式によって塗工する場合でも、点滴吸水度が10
秒以下の未サイズの機械パルプの含有率が高い新聞印刷
用紙原紙の場合、塗布量を片面で0.3 g/m2 以下で
は、塗工液が原紙に浸透することを完全に抑制し、理想
的な吸水抵抗性のバリアを原紙表面に作ることができな
いことが、実験的に明らかになった。表面のみに塗工さ
れ易い表面サイズ剤を、ゲートロールコーター方式によ
る塗工によっても、低塗布量では十分なサイズ効果(吸
水抵抗性の付与効果)が得られない欠点があった。
【0017】このようなコンプレックスを紙用薬品に応
用した例としては、例えば、紙パ技協誌VOL.45,No.2,(1
991)P.245 〜249 に、アニオン性紙力剤と特殊なカチオ
ン性紙力剤を混合して、高分子量のイオンコンプレック
スを形成させた紙力増強剤を、パルプスラリーに添加す
る方法が記載されている。しかしながら、この方法は、
あくまでも薬品をパルプスラリーに内添する方法であ
り、また吸水抵抗性の向上を目的としたものではない。
目的も方法も異なる。また、特開昭60-119297 号公報な
どにも、アニオン型疎水性サイズ剤とカチオン型保持剤
による紙のサイズ方法がされている。しかしながら、こ
の方法も、薬品を内添する方法であり、前述のような内
添に伴う諸問題を解決することはできない。
【0018】一方、特開昭52-148211 号公報、特開昭56
-118995 号公報、特開平3-54609 号公報などに、アニオ
ン性樹脂及びカチオン性樹脂を含有する塗布液を用いた
表面サイジング方法などが開示されている。特開昭52-1
48211 号公報では、アニオン性樹脂及びカチオン性樹脂
を含有する塗布液を用いた段ボール用強化中芯紙の製造
方法について記載されている。しかしながら、この方法
は、主として、圧縮強度、および剛度の改良を図ったも
のであり、特に、吸水抵抗性の向上を目的としたもので
はない。また、この公報の実施例では、薬品の塗布量も
10g/m2 程度であり、一般印刷用紙に適応されるに
は、ほど遠いレベルである。特開昭56-118995 号公報で
は、例えば、酸化澱粉、塩化ビニリデン/アクリルアミ
ド共重合体及びポリエチレンイミンから成る表面サイズ
剤を用いる耐油紙の製造方法が記載されている。しかし
ながら、耐油紙が、油に対する抵抗性が求められる紙で
あるのに対し、本発明の印刷用紙は、オフセット印刷に
おける高速印刷に対応して、インク(言い換えれば、
油)に対しての吸収性が求められる紙であり、全く正反
対の技術である。また、特開昭56-118995 号公報では、
ケテン2 量体、カチオン化澱粉及びアニオン性重合体の
3 者から成る表面サイジング剤が開示されているが、こ
の表面サイジング剤では、摩擦係数の低下の問題があ
る。
【0019】USP4,983,257では、ロジン、カチオン化澱
粉の2 者から成る表面サイジング剤が開示されている
が、この表面サイジング剤では、高速塗工適性が悪く、
ミストや泡の発生の問題がある。
【0020】さらに、特開昭62-122781 号公報及び特開
昭62-146674 号公報などには、塩基性ポリマーと酸性ポ
リマーとのポリマーコンプレックスを含有するインク受
容層を有するインクジェット記録用被記録材が開示され
ている。しかし、これらの公報では、両ポリマーは、ジ
メチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解して、塗布液
としているため、機械パルプの含有率の高い印刷用紙に
適応するのは困難である。また、インクジェット用紙は
機械パルプはほとんど使用されず、広葉樹晒クラフトパ
ルプ(LBKP)の含有率が高い原紙が使用されてい
る。インクジェット記録用被記録材は、水−多価アルコ
ール混合系から成るインクジェット用インクに対する受
容性(言い換えれば、吸収性)が要求されており、本発
明で求めている吸水抵抗性とは、異なる要求である。高
速塗工適性があり、吸水抵抗性などが大幅に改善するこ
とが可能な表面サイズ剤及びその表面サイズ剤を塗布し
た印刷用紙、特に、新聞印刷用紙は存在しなかった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
高速塗工適性並びにサイズ性(吸水抵抗性)を大幅に改
善した表面サイズ剤、及びその表面サイズ剤を塗布した
印刷用紙、特に低塗布量においても100 秒以上の点滴吸
水度を有する新聞印刷用紙の提供を課題とした。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の成分
A、成分B及び成分Cの3 成分、もしくは成分B及び成
分Cの2 成分を主体とする高速塗工適性の優れた新規な
表面サイズ剤によって達成された。さらに、本発明者ら
は、機械パルプの含有率が高い印刷用紙原紙上に、この
高性能の表面サイズ剤を含有した塗工層を設けることに
より、低塗布量でも十分なサイズ効果(吸水抵抗性の付
与効果)が得られる事を見出し、本発明の課題を解決し
た。 成分A:1)ノニオン性ポリアクリルアミド 2)カチオン性ポリアクリルアミド 3)両性ポリアクリルアミド 上記1)〜3)から、少なくとも一つ選ばれた水溶性ポリア
クリルアミド 成分B:疎水性置換基を有するモノマーと、カルボキシ
ル基を有するモノマーとの水溶性アニオン性共重合体の
アンモニウム塩 成分C:アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒド
ロアビエチン酸、ピマール酸、ネオピマール、イソピマ
ール酸、レボピマール酸、パラストリン酸から少なくと
も一つ選ばれた樹脂酸若しくは前記樹脂酸を含むロジン
【0023】この方法は、一般印刷用紙にも適用可能で
あるが、とりわけ機械パルプの含有率が高い新聞印刷用
紙の場合に少量で効果があるので有効である。以下、新
聞印刷用紙について説明する。
【0024】新聞印刷用紙原紙に、成分A、B、Cを各
々単独で塗工しても、吸水抵抗性の改良、表面強度の向
上、高速塗工適性の改善、及びネッパリの改善(剥離性
の改善)はできなかった。同様に本発明以外の組成であ
る成分A、Bまたは成分A、Cの組み合わせの2 成分だ
けでは、サイズの効果、塗工適性が不十分である。特に
成分A、Cの組み合わせは、流動性が変化してゲル化す
る。
【0025】具体的には、成分A、すなわちノニオン性
ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド
(例えば、第3 級アミン基及び/または第4 級アンモニ
ウム塩基を有する水溶性ポリアクリルアミド)、あるい
は両性ポリアクリルアミドを単独で塗工しても、表面強
度の向上を図ることができるものの、吸水抵抗性を改良
することはできなかった。
【0026】また、成分Bを単独に塗工しても、表面強
度を補強する効果がほとんどなく、泡の発生が多く、ま
た塗布量を多くしないと50秒以上の吸水抵抗性は、得ら
れなかった。
【0027】さらに、成分A、Bの組み合わせでは、内
添並みに経済的な添加量即ち塗布量では吸水抵抗性は不
十分であり、塗工品の剥離強度(ネッパリ)は高く問題
があり、成分A、Cの組み合わせでは、ゲル化しやすく
塗工液としては問題がある。
【0028】すなわち、本発明の組成である成分A、
B、Cの3 成分の組み合わせにおいて、特に、外添用の
表面サイズ剤として大幅に吸水抵抗性、表面強度を高め
ることができる。また、成分B、Cの2 成分の組み合わ
せでは、3 成分の組み合わせに比べ、表面強度の向上は
顕著ではないが、大幅に吸水抵抗性を高めることができ
る。
【0029】さらに、本発明者らは、機械パルプの含有
率が高い印刷用紙、または新聞印刷用紙原紙に、成分
A、成分B及び成分Cの3 成分、もしくは成分B及び成
分Cの2 成分から成る表面サイズ剤を抄紙速度600 m/
分〜1800m/分で外添塗工する方法により、吸水抵抗性
を改良し、高速塗工適性があり、かつ表面強度と剥離性
をバランスよく改良した印刷用紙、新聞印刷用紙が得ら
れることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の表面サイズ剤で用いられ
る成分Aは、カチオン性を有する水溶性ポリアクリルア
ミド(以下、「ポリアクリルアミド」を「PAM」と略
す。)であり、ノニオン性PAM、カチオン性PAM、
両性PAMが含まれる。
【0031】成分Aとして使用されるノニオン性PAM
としては、例えば、(メタ)アクリルアミド(ここで、
(メタ)はメタがある場合も含むという表示として使用
し、「(メタ)アクリルアミド」とは、「メタアクリル
アミド及び/またはアクリルアミド」を意味する。以
下、同様とする)の重合体、あるいは共重合体、(メ
タ)アクリルアミドと共重合可能なノニオン性モノマー
と(メタ)アクリルアミドの共重合体などが挙げられ
る。これらのPAMは、本質的にはノニオン性である
が、一部のアミド構造がアミディニウム(−CONH3
+ )の形で存在し、若干の弱いカチオン性を帯びている
とされている。それ故、ノニオン性PAMでも、本発明
において、成分Aとして、使用することが可能である。
【0032】また、成分Aとして用いられるカチオン性
PAM及び両性PAMは、簡単に言えば、カチオン性モ
ノマー単位を有しているPAMのことであり、望ましく
は、カチオン性モノマー単位として、第3 級アミン基
(あるいは、第3 級アミン塩基)を有するモノマー単位
及び/または第4 級アンモニウム塩基を有するモノマー
単位を有するPAMがよい。また、基本的に、カチオン
性モノマー単位以外にアニオン性モノマー単位を含有し
ていないPAMが、カチオン性PAMであり、他方、カ
チオン性モノマー単位以外にアニオン性モノマー単位も
有するPAMが両性PAMである。
【0033】カチオン性モノマー単位について、具体的
に言及すれば、一般式[1]及び[2]で表されるモノ
マー単位が、さらに好ましい。
【0034】
【化1】
【化2】 (ここで、Rはメチル基、あるいは水素原子を表す。Y
はNH、あるいは酸素原子を表す。Zは、CH2 CH
(OH)CH2 、あるいは炭素数1 〜4 個のアルキレン
基を表す。R1 、R2 及びR3 は炭素数1 〜18個のアル
キル基、ベンジル基、あるいは水素原子を表す。ただ
し、R1 、R2 及びR3 は同一でも、異なっていてもよ
い。Xイオンは陰イオンを表し、ハロゲン原子イオン
(塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、硫酸
イオン、アルキル硫酸イオン(メチル硫酸イオン、エチ
ル硫酸イオンなど)、アルキルスルホン酸イオン、アリ
ールスルホン酸イオン、酢酸イオンを表す。)
【0035】カチオン性モノマー単位をPAMに導入す
る方法としては、例えば、(a) 各種PAMをマンニッヒ
反応を利用して変性させる方法、(b) 各種PAMをホフ
マン分解反応を利用して変性させる方法、(c) 第3 級ア
ミン基、あるいは第4 級アンモニウム塩基を有するモノ
マーを共重合させる方法、(d) 第3 級アミン基を有する
モノマーを共重合させた後、アルキル化、アリール化な
どの反応により、第4級アンモニウム塩基に変換する方
法などが挙げられる。
【0036】例をあげると、(c) の共重合させる方法で
は、例えば、(メタ)アクリルアミドとカチオン性モノ
マー(第3 級アミン基、あるいは第4 級アンモニウム塩
基を有するモノマー)、あるいは(メタ)アクリルアミ
ド誘導体とカチオン性モノマーを用いて共重合させれば
よい。言い換えれば、本発明では、成分Aとして、(メ
タ)アクリルアミドと後述のカチオン性モノマーの共重
合体を使用することが可能である。
【0037】この方法において、用いられる第3 級アミ
ン基を有するモノマーとしては、例えば、N,N-ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、N-メチル,N-エ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジフェニ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルア
ミド、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-メチル
-5- ビニルピリジンなどが挙げられる。
【0038】一方、この共重合法において、使用可能な
第4 級アンモニウム塩基を有するモノマーとしては、
(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイ
ルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルベンジルア
ンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリ
ルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムサルフェートなどが例示することができる。
【0039】また、この共重合させる方法では、本発明
に支障のない範囲で、さらに、(メタ)アクリルアミ
ド、あるいは上述のカチオン性モノマーと共重合可能な
モノマーを使用してもよい。すなわち、本発明では、成
分Aとして、(メタ)アクリルアミドとカチオン性モノ
マーと後述の共重合可能なモノマーの共重合体を使用す
る場合もある。
【0040】この方法で使用される共重合可能なモノマ
ーとしては、例えば、エチレン、ブタジエン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、イソプレン、プロピレン、酢
酸ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、N-メチロール化(メタ)アクリルアミド、メチレン
ビスアクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2-スルホエチル(メタ)アクリレート、エチレンジ
(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ムコン酸、クロ
トン酸、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、エチレンスルホネートのナトリウム
塩、p-スチレンスルホネートのナトリウム塩、ビニルベ
ンジルスルホニウム塩、ビニルベンジルホスホニウム塩
などが挙げられる。これらのモノマーのうち、アクリル
酸、イタコン酸などのアニオン性モノマーを使用すれ
ば、両性PAMを得ることが可能である。
【0041】(d) の第3 級アミン基から第4 級アンモニ
ウム塩基への変換する方法において、用いられるアルキ
ル化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、塩化メチル、
臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化ベンジル、臭化ベンジ
ルなどが挙げられる。
【0042】成分Aの役割は、成分B、Cのイオン的保
持能、高速塗工適性及び表面強度の向上である。
【0043】成分Aとして用いられるPAMは、吸水抵
抗性コントロール(吸水抵抗性付与)の点では、ノニオ
ン性PAMよりカチオン性PAMおよび両性PAMが好
ましく使用される。というのは、ノニオン性PAMで
は、一部に存在するアミディニウム構造に由来するカチ
オン性が微弱であるため、吸水抵抗性付与効果が小さい
からである。また、カチオン性PAMおよび両性PAM
において、そのカチオン性モノマー単位の比率は、0.1
モル%以上であることが望ましい。カチオン性モノマー
単位の比率が0.1 モル%未満の場合、吸水抵抗性コント
ロールの効果が若干弱くなる傾向がある。さらに、カチ
オン性PAMと両性PAMを比較すると、高い吸水抵抗
性を得たい場合は、カチオン性PAMがより好ましい。
【0044】成分Aとして用いられる各PAMは、対応
するモノマーを、従来公知の方法、例えば、水溶液重合
法、溶媒重合法、逆相乳化重合法、沈殿重合法、懸濁重
合法などの方法で、重合、あるいは共重合させて得るこ
とができる。
【0045】本発明では、成分Aとして、1 種類のPA
M単独で用いてもよいし、2 種類以上のPAMを混合し
て用いてもよい。
【0046】本発明の成分Aとして使用するPAMの重
量平均分子量は、20万〜400 万の範囲にあることが適当
である。PAMの平均分子量が20万より小さい場合、そ
のようなPAMは、十分な被膜形成を行えず、吸水抵抗
性付与及び表面強度向上効果が不十分である。他方、P
AMの平均分子量が400 万より大きい場合、そのような
PAMは、粘性が高くなり、操業上の問題を生じる恐れ
があり、塗工品の剥離性にも満足の行かない結果とな
る。用いられるPAMの平均分子量については、一般的
に、吸水抵抗性付与及び表面強度の点から考えれば、
“平均分子量が高い”ことが好ましいが、塗工品の剥離
性の点では、逆に、“平均分子量が低い”ことが好まし
いと考えられる。そのため、PAMの平均分子量は、前
述の範囲内で、要求される仕様に応じて、適宜、決定す
ればよい。吸水抵抗性、表面強度及び剥離性の3 者につ
いて総合的に考えた場合、用いられるPAMの平均分子
量は、50万〜200 万の範囲が好ましく、さらに望ましく
は、70万〜120 万の範囲である。
【0047】本発明の表面サイズ剤で用いられる成分B
は、疎水性置換基を有するモノマーとカルボキシル基を
有するモノマーとの水溶性アニオン性共重合体のアンモ
ニウム塩である。
【0048】疎水性置換基としては、炭素数6 個以上の
置換基であればよく、特に限定されるものではない。塗
工材料の泡立ちの問題、求められる吸水抵抗性の程度な
どに応じて、適宜決定すればよい。疎水性置換基とし
て、例えば、炭素数6 個以上のアルキル基、炭素数6 個
以上のアルケニル基、炭素数6 個以上のシクロアルキル
基、炭素数6 個以上のアリール基、あるいは炭素数7 個
以上のアラルキル基などが挙げられる。
【0049】疎水性置換基を有するモノマーとしては、
例えば、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、クロロスチレン、シアノスチレンな
ど)、オレフィン系モノマー(例えば、ヘキセン、オク
テン、デセンなど)、(メタ)アクリル酸エステル、マ
レイン酸エステル、などが挙げられる。このようなモノ
マーについては、“高分子学会編「高分子データハンド
ブック−基礎編−」培風館(1986)”などに詳しく述べ
られている(スチレン系モノマーについては、P.47の表
5-1 、オレフィン系モノマーについては、P.2 の表1-1
、アクリル酸エステルについては、P.105 の表10-1、
マレイン酸エステルについては、P.162 の表14-1などに
例が挙げられている。)ので、これらの中から、疎水性
置換基を有するモノマーを選んでもよい。
【0050】カルボキシル基を有するモノマーとして
は、例えば、アクリル酸系モノマー(例えば、アクリル
酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、2-
エチルアクリル酸、3-tert- ブチルアクリル酸など)、
マレイン酸系モノマー(例えば、マレイン酸、メチルマ
レイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、ムコン酸など)などが挙げられ
る。
【0051】この成分Bにおいて、疎水性置換基を有す
るモノマーとカルボキシル基を有するモノマーの比率
は、90:10〜40:60の範囲が望ましい。疎水性置換基を
有するモノマー、及びカルボキシル基を有するモノマ
ー、各々、少なくとも1 種類以上用いればよい。
【0052】また、成分Bでは、本発明に支障のない範
囲で、上述の疎水性置換基を有するモノマー及び/また
はカルボキシル基を有するモノマー、と重合可能なアニ
オン性、あるいはノニオン性モノマーと少量共重合させ
てもよい。
【0053】この成分Bの製造方法としては、例えば、
水溶液重合法、溶媒重合法、逆相乳化重合法、沈殿重合
法、懸濁重合法などの方法を挙げることができる。
【0054】成分Bは、アニオン性親水性ポリマーであ
り、その酸価が50〜500 の範囲にあることが好ましく、
さらに限定するならば、100 〜300 の範囲にあることが
望ましい。酸価が50より小さい場合、その共重合体は、
水溶性が十分でなく、かつ成分Aとの相互作用が弱く、
そのため好ましくない。また、酸価が500 より大きい場
合、その共重合体は、アニオン性が強すぎて、好ましく
ない。
【0055】さらに、成分Bは、0.1 万〜100 万程度の
重量平均分子量であればよく、さらに望ましくは0.1 万
〜10万の範囲が望ましい。分子量が0.1 万より小さい場
合、この共重合体が十分な被膜形成を行えず、表面強度
及び吸水抵抗性コントロールの点で好ましくない。他
方、分子量が100 万より大きい場合、塗工液の高粘度な
どに由来する操業上の問題を生じる恐れがある。
【0056】成分Bとして用いられる共重合体は、具体
的に述べると、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレ
ン/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)
アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸半
エステル共重合体、スチレン/マレイン酸/マレイン酸
エステル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、α−オレフィン/マレイン酸
共重合体、オレフィン/アクリル酸共重合体などのアン
モニウム塩を挙げることができる。これらの中でも、ス
チレン/アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アク
リル酸共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体及びα
−オレフィン/マレイン酸共重合体のアンモニウム塩
が、吸水抵抗性付与の点で、より好ましい。また、特
に、親水性置換基と疎水性置換基のバランスが優れてい
る点で、スチレン/アクリル酸共重合体のアンモニウム
塩及びα−オレフィン/マレイン酸共重合体のアンモニ
ウム塩が望ましく、両者を比較した場合は、スチレン/
アクリル酸共重合体のアンモニウム塩が最も望ましい。
【0057】本発明で使用する成分Cとしては、アビエ
チン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン
酸、ピマール酸、ネオピマール、イソピマール酸、レボ
ピマール酸、パラストリン酸から少なくと一つ選ばれた
樹脂酸であり、これらの混合物であってもよい。また、
本発明で言うところロジンとは、ガムロジン、ウッドロ
ジン、トール油ロジン等の未精製ロジンを精製処理した
もので、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒド
ロアビエチン酸、ピマール酸、ネオピマール、イソピマ
ール酸、レボピマール酸、パラストリン酸などの樹脂酸
を主成分とする物を言う。
【0058】本発明の表面サイズ剤は、前述したよう
に、成分A、B及びCの3 成分、もしくは成分B及びC
の2 成分を主体として構成される。この組成物の各成分
の比率(重量比)は、製造される新聞印刷用紙に対し
て、求められる吸水抵抗性の程度、剥離性の程度、ある
いはこの組成物の塗布量にも依存するため、必ずしも限
定できるものではない。しかしながら、あえて限定すれ
ば、成分A、成分B、成分Cの比率(A:B:C)が、
0 〜80:95〜20:1〜10の範囲、成分B、成分Cの比率
(B:C)が、100 :1〜10の範囲にあればよく、経済
性も考慮すると、さらに望ましくは、A:B:C=40〜
60:60〜40:3 〜7 の範囲がよい。成分Aの比率が0 の
場合でも吸水抵抗性を改善することができるが、表面強
度はそれほど向上されない。
【0059】本発明で用いられる表面サイズ剤は、基本
的に、成分A、成分B及び成分Cの3 成分、もしくは成
分B及び成分Cの2 成分から構成されればよく、成分C
が比較的少量でサイズ性や剥離性に有利に働くためか、
後述の塗布量領域では、本発明の表面サイズ剤だけでも
良好なサイズ性や剥離性を得ることが可能である。
【0060】本発明の表面サイズ剤は、基本的に、他の
バインダー的な成分を併用する必要はないが、本発明に
支障のない範囲(例えば、剥離性に対して差支えない範
囲)で、そのような成分を少量含有させる場合もある。
他のバインダー的な成分として、例えば、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
などのセルロース類;スチレン/ブタジエン共重合体、
スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタ
ジエン/アクリル酸エステル共重合体などのラテックス
類;完全ケン化PVA、部分ケン化PVA、アミド変性
PVA、カルボキシ変性PVA、スルホン酸変性PVA
などのPVA類;アニオン性PAMなどのPAM類;シ
リコン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂など
の各種樹脂類などが挙げられる。特に、PVA類は、紙
に塗布した時に、湿潤時の紙の粘着性を上げる傾向にあ
るので、併用する際には、その併用量について十分な注
意が必要である。
【0061】また、本発明の表面サイズ剤は、本発明に
影響のない範囲で、防腐剤、消泡剤、紫外線防止剤、退
色防止剤、蛍光増白剤、粘度安定化剤、防滑剤などの助
剤や填料を含有してもよい。
【0062】さらに、本発明者らは、機械パルプの含有
率が高い印刷用紙、または新聞印刷用紙原紙に、上述し
た成分A、成分B、成分Cの3 成分、もしくは成分B、
成分Cの2 成分から成る表面サイズ剤を含有する塗工層
を設けることにより、吸水抵抗性を改良し、かつ表面強
度と剥離性をバランスよく改良した印刷用紙、新聞印刷
用紙が得られることを見出だした。
【0063】本発明では、対象となる原紙は、必ずし
も、新聞印刷用紙原紙に限定されるものではないが、新
聞印刷用紙原紙の場合に、本発明の効果が顕著に認めら
れるので、以下に言及する。
【0064】本発明で用いる機械パルプの含有率が高い
印刷用紙及び新聞印刷用紙原紙は、グランドパルプ(G
P)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、セミケミカ
ルパルプなどのメカニカルパルプ(MP)、クラフトパ
ルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)およ
びこれらのパルプを含む故紙を脱墨して得られる脱墨パ
ルプ(DIP)及び抄紙工程からの損紙を離解して得ら
れる回収パルプなどを、単独、あるいは任意の比率で混
合したものである。特に機械パルプの含有率が30%以上
の印刷用紙、電話帳用紙もしくは新聞印刷用紙原紙に用
いたときに有効である。機械パルプの含有率の高い印刷
用紙において、本発明の効果が顕著なのは、坪量37g/
2 〜43g/m2 未満に抄造した原紙である。坪量46g
/m2 以上の原紙の場合、その原紙は、表面強度を十分
に持っていると考えられ、またオフセット印刷時におけ
る湿し水に起因する用紙の寸法変化、あるいは強度低下
も無視できる程度であると考えられるので、必ずしも、
薬品の外添により吸水抵抗性、および表面強度の両者を
同時に改良する必要はない。
【0065】一方、本発明で用いる原紙のDIPの配合
率については、任意の範囲(0 〜100 %)で配合すれば
よい。最近のDIPの高配合化の流れからすると、30〜
100%の範囲がより好ましい。
【0066】この新聞印刷用紙原紙は、必要に応じて、
填料としてホワイトカーボン、クレー、シリカ、タル
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合成樹脂填料(塩化
ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、
メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹
脂など)などを添加できる。特に中性抄紙においては、
炭酸カルシウムが有効である。また、ポリアクリルアミ
ド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン
化澱粉、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン
樹脂などの紙力増強剤;アクリルアミド/アミノメチル
アクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリ
エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルア
ミド/アクリル酸ナトリウム共重合物などのろ水性/歩
留まり向上剤;硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、紫外
線防止剤、退色防止剤などの助剤などを含有してもよ
い。しかしながら、これらの薬剤の添加量は、本発明の
表面サイズ剤の吸水抵抗性のコントロールを損なわない
範囲で行う必要がある。この原紙の物性は、オフセット
印刷機で印刷できるものである必要があり、通常の新聞
印刷用紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸びなどの物
性を有するものであればよい。
【0067】また、この新聞印刷用紙原紙は、内添サイ
ズを施した原紙を用いてもよい。しかしながら、本発明
では、前述したような内添に伴う問題を解決する意味も
あるので、どちらかと言えば、内添サイズを施していな
い原紙を用いた方が、本発明の効果をより発揮させるこ
とができる。すなわち、本発明の表面サイズ剤の外添に
より、内添サイズを行わなくても、内添サイズと同程
度、もしくはそれ以上の吸水抵抗性を付与させることが
可能である。例えば、本発明の表面サイズ剤は、後述の
点滴吸水度法で、10秒未満の新聞印刷用紙において、十
分に適用可能である。
【0068】また、本発明の新聞印刷用原紙は、酸性の
新聞印刷用原紙であってもよいし、中性あるいはアルカ
リ性の新聞印刷用原紙であってもよい。
【0069】新聞印刷用紙のような吸水抵抗性の低い用
紙の紙面の吸水抵抗性の評価方法として、2 つの方法が
知られている。1 つの方法は、Japan TAPPI No.33 に準
拠した点滴吸水度法である。この方法は、紙面に水1 μ
lを滴下し、水滴が紙面に吸収されるまでの時間を測定
する方法である。もう1 つの方法は、接触角を測定する
方法(接触角法)であり、本発明では、水5 μlを滴下
し、一定時間(5 秒)経過後の水滴の接触角を測定する
方法とした。吸水抵抗性が高い(耐吸水抵抗性である)
ほど、点滴吸水度法では、吸収時間が長くなり、接触角
法では、接触角が大きく、また長時間保持される。
【0070】本発明の表面サイズ剤を含有する塗工層
を、新聞印刷用紙原紙に設けることにより、点滴吸水度
法で、例えば、10秒から1000秒にわたる広い範囲で吸水
抵抗性を制御することが可能である。また接触角法で言
うと、前述の方法で、例えば、接触角が75〜95度の範囲
で吸水抵抗性をコントロールすることができる。すなわ
ち、製造される新聞印刷用紙の吸水抵抗性は、本発明の
組成物の各成分の種類、各成分の配合比、組成物の塗布
量などを変化させることにより、所定の吸水抵抗性に、
自由にコントロールすることが可能である。
【0071】製造される新聞印刷用紙の吸水抵抗性の程
度については、製品に求められる仕様により、適宜決定
されればよく、特に限定されるものではない。しかし、
あえて限定すれば、点滴吸水度法で20秒〜1000秒の範囲
が、接触角法で80度〜95度の範囲がより好ましい吸水抵
抗性の程度である。
【0072】本発明の吸水抵抗性の改良された印刷用紙
(特に、新聞印刷用紙)は、印刷用紙原紙の片面、ある
いは両面に、本発明の表面サイズ剤をオンマシーン塗工
機により外添することにより製造される。
【0073】本発明の表面サイズ剤の塗布量は、製造さ
れる印刷用紙に対して求められる吸水抵抗性の程度に応
じて決定されるべきであり、特に限定されるものではな
いが、吸水抵抗性付与の観点からすれば、本発明の組成
物は、その塗布量(言い換えれば、成分A、成分B及び
成分Cの固形分量の合計)が0.05g/m2 〜2.0 g/m
2 (片面当たり)の範囲で、有効にその効果を発揮す
る。塗布量が0.05g/m2 未満では、本発明の組成物が
十分なバリヤー層を形成できないためか、吸水抵抗性を
改良することができない。他方、塗布量を2.0 g/m2
より高くしても、例えば、著しく剥離性が悪化する(ネ
ッパリ現象が生ずる。)などの問題が生じる。また、コ
スト的にも不経済である。新聞印刷用紙への適用を考え
た場合、前述したように、吸水抵抗性付与、高速塗工適
性、表面強度向上、および剥離性などをバランスよく改
良することが必要であり、これらの4 者を総合的に考慮
すれば、本発明の表面サイズ剤の塗布量(言い換えれ
ば、成分A、成分B及び成分Cの固形分量の合計)は、
0.1 g/m2 〜0.3 g/m2 (片面当たり)の範囲が最
も望ましい。
【0074】本発明の表面サイズ剤は、塗工機として、
ゲートロールコーター、ブレードロッドメタリングコー
ターなどの被膜転写型のコーターを用いるのが好まし
く、特に、ゲートロールコーターを用いる方式の時、そ
の効果を大きく発揮する。すなわち、前述したように、
従来用いられている表面サイズ剤は、ゲートロールコー
ター方式では、十分な吸水抵抗性付与効果や高速塗工適
性が得られない欠点があったが、本発明の表面サイズ剤
は高速塗工適性があるので、この方式でも、前述の塗布
量領域で、抄紙速度600 m/分〜1800m/分の範囲でオ
ンマシーン塗工することにより、ミストや泡の発生が少
なく、効率よく、印刷用紙の吸水抵抗性を改良すること
が可能である。
【0075】また、本発明の表面サイズ剤を主成分とす
る塗工液は、ゲートロールコーターによる高速塗工適性
にも優れている。例えば、酸化澱粉を単独でゲートロー
ルコーターで塗工した場合、ミストや泡の発生があり、
塗工品には、すじ状のパターンがかなり認められるのに
対して、本発明の表面サイズ剤を主成分とする塗布液を
塗工した場合、ミストや泡の発生が少なく、そのような
すじ状のパターンがほとんど認められず、より均一に塗
布することが可能である。
【0076】新聞印刷用紙に適用する場合も、本発明の
表面サイズ剤を、新聞印刷用紙原紙に、ゲートロールコ
ーターにより両面塗工を行うのが最も望ましい。当然の
ことながら、生産性の点から、コーターは、オンマシー
ンコーターが望ましいのは言うまでもない。
【0077】すなわち、本発明の表面サイズ剤は、新聞
印刷用紙原紙に、塗布量0.1 g/m2 〜0.3 g/m2
範囲(片面当たり)で、ゲートロールコーターにより両
面塗工すればよい。
【0078】新聞印刷用紙の場合、用紙の表面が均一で
なく、外添(特に、ゲートロールコーター方式)によ
り、比較的低塗布量領域で、用紙表面に吸水抵抗性のバ
リヤー層を設けることが困難であるとされている。しか
しながら、本発明の表面サイズ剤は、抄紙速度600 m/
分〜1800m/分と生産性が高く、比較的低塗布量で、吸
水抵抗性付与効果が認められるという優れた特徴があ
る。
【0079】本発明の表面サイズ剤を含有する塗工層
を、印刷用紙表面に設けても、摩擦係数の低下は認めら
れない。例えば、一般に、アニオン性スチレン/酸モノ
マー共重合体は、サイズプレスにより紙に塗工した場
合、その塗工紙の動/静摩擦係数を低下させることが知
られている。しかし、本発明の表面サイズ剤は、そのよ
うな傾向は認められず、特に、防滑剤を配合させる必要
はない。新聞印刷用紙に適用した場合、製造される新聞
印刷用紙の動摩擦係数は、0.4 〜0.7 の範囲にあること
が望ましい。
【0080】本発明の表面サイズ剤は、フェルト面の方
がワイヤー面と比較して、少ない塗布量で、吸水抵抗性
を向上させることが可能である。
【0081】本発明の表面サイズ剤を使用した新聞印刷
用紙は、吸水抵抗性を広い範囲でコントロールすること
が可能なので、印刷時に使用される各種インクに幅広く
対応することができる。例えば、油性インク中に湿し水
を混入させたエマルジョンインクなどの特殊インク、水
なし平版用のタック性の高いインクなどへの対応も考え
られる。
【0082】前述したように、新聞印刷用紙の改良は、
一般の上質系印刷用紙と比較して、困難である。そのた
め、一般印刷用紙用の技術を、新聞印刷用紙用の技術に
直接転用するには無理がある。しかしながら、逆に、新
聞印刷用紙用の技術を一般印刷用紙用の技術に転用する
のは、比較的容易である。それ故、本発明の表面サイズ
剤は、新聞印刷用紙に限らず、一般印刷用紙に適応する
ことも可能であり、新聞印刷用紙の場合と、同様な効果
(例えば、吸水抵抗性の改良、表面強度の改良など)を
得ることができる。
【0083】本発明の表面サイズ剤を用いることによ
り、操業上の問題を生じやすい内添サイズを行うことな
く、吸水抵抗性の異なる多品種の銘柄の印刷用紙を容易
に製造することが可能である。また、この印刷用紙は、
表面強度も同時に改良されている。
【0084】
【作用】 本発明の高速塗工用サイズ剤(表面サイズ
剤)を、印刷用紙原紙に、0.05g/m2 〜2.0 g/m2
の範囲(片面当たり)の塗布量領域で、ゲートロールコ
ーター等によって塗工することにより、吸水抵抗性を改
良した用紙を得ることが可能であり、また、本発明の組
成物を、新聞印刷用紙原紙に、0.1 g/m2 〜0.3 g/
2 の範囲(片面当たり)の塗布量領域で、ゲートロー
ルコーター等によって塗工することにより、吸水抵抗
性、表面強度及び剥離性の3 者をバランスよく改良した
高速オフセット印刷に適した新聞印刷用紙を得ることが
できる。
【0085】その理由については、明確な理由は、未だ
解明されていないが、以下のように推定される。
【0086】本発明の表面サイズ剤は、原紙に塗工、次
いで乾燥される際、成分Aは浸透性をコントロールす
る。一方、成分B並びに成分Cは疎水性をコントロール
する。また、成分Aと成分B並びに成分Cは、吸水抵抗
性をコントロールすることが可能な疎水性コンプレック
ス被膜を形成するためだと考えられる。すなわち、成分
A(カチオン性を有するPAM)及び成分B(疎水性基
を有するアニオン性水溶性ポリマー)、成分C(アニオ
ン性の置換基を有する疎水性化合物)が、イオン的なコ
ンプレックス及び疎水的コンプレックスを形成し、つい
には疎水性置換基を外側に向けて配向した被膜を作り、
紙表面に疎水性バリヤー層が得られるものと考えられ
る。すなわち、ウエッブの乾燥工程において加熱によっ
て脱アンモニア過程を経て、成分Cと成分Bとは強力な
疎水的コンプレックス(スチレン基とアビエチン酸骨
格)を形成し、さらに吸水抵抗性の向上を促進する。疎
水性の点だけから言えば、成分B及び成分Cだけでも吸
水抵抗性を向上させることができると考えられるが、成
分Aが、紙表面上で、成分B及び成分Cを、イオン的、
あるいは化学的面などから効果的に保持しているため
に、少量でも被膜形成(言い換えれば、吸水抵抗性向
上)に非常に有利に働いていると考えられる。
【0087】また、成分Aは、イオン的保持性能や高速
塗工適性の他に、表面強度の向上にも大きく寄与してい
ると考えられる。
【0088】
【実施例】以下、本発明を、合成例、実施例にて説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、説明中、部及びパーセントは、それぞれ重量部及び
重量パーセントを示す。
【0089】〈各種PAMの合成:成分A〉 [合成例1] A−1の合成 還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、N,N-ジメチルア
ミノエチルメタアクリレート(7.8 g)、40%アクリル
アミド水溶液(168.6 g)及びイオン交換水(300 g)
を仕込み、窒素雰囲気下60℃まで加熱後、その反応液
に、過硫酸アンモニウム1 %水溶液(10g)及び亜硫酸
水素ナトリウム1 %水溶液(2 g)を加え、85℃で1 時
間反応させた後、冷却して、ポリマー(A−1)を得
た。このポリマーの重量平均分子量は、74万であった。
【0090】[合成例2] A−2の合成 還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、80%メタクロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(7.
8 g)、40%アクリルアミド水溶液(168.6 g)及びイ
オン交換水(300 g)を仕込み、窒素雰囲気下60℃まで
加熱後、その反応液に、過硫酸アンモニウム1 %水溶液
(10g)及び亜硫酸水素ナトリウム1 %水溶液(2 g)
を加え、85℃で1 時間反応させた後、冷却して、ポリマ
ー(A−2)を得た。このポリマーの重量平均分子量
は、74万であった。
【0091】[合成例3] A−3の合成 還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、80%メタクロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(5.
2 g)、40%アクリルアミド水溶液(174.0 g)及びイ
オン交換水(300 g)を仕込み、窒素雰囲気下60℃まで
加熱後、その反応液に、過硫酸アンモニウム1 %水溶液
(10g)及び亜硫酸水素ナトリウム1 %水溶液(2 g)
を加え、85℃で1 時間反応させた後、冷却して、ポリマ
ー(A−3)を得た。このポリマーの重量平均分子量
は、104 万であった。
【0092】[合成例4] A−4の合成 還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、60%アクリルア
ミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
(9.4 g)、40%アクリルアミド水溶液(174.0 g)及
びイオン交換水(300 g)を仕込み、窒素雰囲気下60℃
まで加熱後、その反応液に、過硫酸アンモニウム1 %水
溶液(10g)及び亜硫酸水素ナトリウム1 %水溶液(2
g)を加え、85℃で1 時間反応させた後、冷却して、ポ
リマー(A−4)を得た。このポリマーの重量平均分子
量は、105 万であった。
【0093】[合成例5] A−5の合成 還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、60%アクリルア
ミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
(9.4 g)、イタコン酸(2.6 g)、40%アクリルアミ
ド水溶液(170.4 g)及びイオン交換水(300 g)を仕
込み、窒素雰囲気下60℃まで加熱後、その反応液に、過
硫酸アンモニウム1 %水溶液(10g)及び亜硫酸水素ナ
トリウム1 %水溶液(2 g)を加え、85℃で1 時間反応
させた後、冷却して、ポリマー(A−5)を得た。この
ポリマーの重量平均分子量は、56万であった。
【0094】〈疎水性置換基を有するアニオン性共重合
体:成分Bについて〉成分Bについては、以下の3 種類
のポリマーのアンモニウム塩の水溶液を用いた。 B−1:スチレン・マレイン酸共重合体 重量平均分子量=1700 B−2:スチレン・マレイン酸共重合体 重量平均分子量=13000 B−3:スチレン・アクリル酸共重合体 重量平均分子量=39000 (酸化値=230 )
【0095】〈塗布液の調製:成分A+成分B+成分
C〉本発明に該当する合成した各種PAMの水溶液(成
分A)と疎水性置換基を有するアニオン性共重合体のア
ンモニア水溶液(成分B)を、また樹脂酸(成分C)を
所定の比率で加え、溶解することにより、簡単に本発明
の塗工用サイズ剤の塗工原液液を調製することができ
る。混合した時に、エマルジョン化した溶液や不溶性の
沈殿物を生じる塗布液は、本発明では好ましくなく、長
時間ロールを通過してる間にガムアップする可能性があ
る。
【0096】〈新聞印刷用紙原紙の製造〉DIP(脱墨
パルプ)35部、TMP(サーモメカニカルパルプ)30
部、GP(グランドパルプ)20部、KP(クラフトパル
プ)15部の割合で混合離解し、フリーネスを200 に調製
した混合パルプをベルベフォーマー型抄紙機にて、抄紙
速度1050m/分で抄紙し、未サイズ、ノーカレンダーの
新聞印刷用紙原紙を得た。この原紙は、坪量43g/
2 、密度0.65、白色度51%、平滑度60秒、静摩擦係数
0.45、動摩擦係数0.56であり、吸水抵抗性以外の紙質
(例えば、強度など)は、一般の新聞印刷用紙と同等で
あった。また、この原紙は、内添サイズ剤を含まず、吸
水抵抗性は点滴吸水度法で、5 〜7 秒であった。
【0097】〈新聞印刷用紙の製造〉 [実施例1〜6]A成分としてカチオン性を有するPA
Mの水溶液(A−3)に、B成分としてスチレン・アク
リル酸重合体(B−3)のアンモニウム塩の水溶液を、
配合比1:1 (固形分重量比)となるように加え、さら
に、C成分として、C−1:アビエチン酸、C−2:デ
ヒドロアビエチン酸、C−3:ハートルロジンを成分
A、Bの合計に対して5 %添加して、混合溶解し、希釈
して塗布液(固形分濃度1 〜4 %)を調製した。また、
スチレン・アクリル酸重合体(B−3)の水溶液にBの
合計に対してC−1:アビエチン酸、C−2:デヒドロ
アビエチン酸、C−3:ハートルロジンを5 %添加し
て、混合溶解し、希釈して塗布液を調製した。得られた
塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤー
バーを用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレンダー
処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0098】[比較例1]カチオン性を有するPAMの
水溶液(A−2)に、スチレン・アクリル酸重合体(B
−3)のアンモニウム水溶液を、配合比1 :1 (固形分
重量比)で加え、混合溶解し、希釈して塗布液を調製し
た。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面
に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、スーパ
ーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0099】[比較例2]ロジン・エマルジョン(商品
名:サイズパインNTS−45、荒川化学(株)製)の
液を、所定濃度に調整し、塗布液とした。得られた塗布
液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、得られた塗布
液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤーバー
を用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレンダー処理
を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0100】[比較例3]ロジン・エマルジョン(商品
名:サイズパインSPN−773、荒川化学(株)製)
の液を、所定濃度に調整し、塗布液とした。得られた塗
布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、得られた塗
布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤーバ
ーを用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレンダー処
理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0101】[比較例4]ロジン・エマルジョン(商品
名:サイズパインNT−80、荒川化学(株)製)の液
を、所定濃度に調整し、塗布液とした。得られた塗布液
を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、得られた塗布液
を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤーバーを
用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレンダー処理を
行い、新聞印刷用紙を得た。
【0102】[比較例5]カチオン性を有するPAMの
水溶液(A−3)を、希釈して塗布液を調製した。得ら
れた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイ
ヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレン
ダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0103】[比較例6]スチレン・アクリル酸重合体
(B−1)のアンモニウム塩の水溶液を、希釈して塗布
液を調製した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙
原紙のF面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布
後、スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得
た。
【0104】[比較例7]スチレン・アクリル酸重合体
(B−2)のアンモニウム水溶液を、希釈して塗布液を
調製した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙
のF面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、
スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0105】[比較例8]スチレン・アクリル酸重合体
(B−3)のアンモニウム水溶液を、希釈して塗布液を
調製した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙
のF面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、
スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0106】[比較例9]アビエチン酸(C−1)を希
薄アンモニウム水溶液に溶解し、希釈して塗布液を調製
した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF
面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、スー
パーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0107】[比較例10]デヒドロアビエチン酸(C
−2)を希薄アンモニウム水溶液に溶解し、希釈して塗
布液を調製した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用
紙原紙のF面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗
布後、スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を
得た。
【0108】[比較例11]ハートルロジン(C−3)
を希薄アンモニウム水溶液に溶解し、希釈して塗布液を
調製した。得られた塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙
のF面に、メイヤーバーを用いて、塗布した。塗布後、
スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0109】[比較例12]カチオン性を有するPAM
(A−3)のアンモニウム水溶液にアビエチン酸(C−
1)、Bに対して10%添加して、混合溶解し、希釈して
添加し、塗布液を調製した。得られた塗布液を、前述の
新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤーバーを用いて、塗
布した。塗布後、スーパーカレンダー処理を行い、新聞
印刷用紙を得た。
【0110】[比較例13]カチオン性を有するPAM
の水溶液(A−3)のアンモニウム水溶液にデヒドロア
ビエチン酸(C−2)、Bに対して10%添加して、混合
溶解し、希釈して添加し、塗布液を調製した。得られた
塗布液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤー
バーを用いて、塗布した。塗布後、スーパーカーレンダ
−処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0111】[比較例14]カチオン性を有するPAM
の水溶液(A−3)のアンモニウム水溶液にハートルロ
ジン(C−3)、Bに対して10%添加して、混合溶解
し、希釈しを添加し、塗布液を調製した。得られた塗布
液を、前述の新聞印刷用紙原紙のF面に、メイヤーバー
を用いて、塗布した。塗布後、スーパーカレンダー処理
を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0112】実施例1〜6、比較例1〜14の新聞印刷
用紙について、下記の項目について検討し、結果を表1
に示した。 ・発泡性:塗工液をミキサーで1分間撹拌後、発生する
泡の量、〇:少ない、△:やや多い、×:多い、で評価
した。 ・塗工適性:メイヤーバーにおける塗工性を、〇:良
い、△:やや良い、×:悪い、ゲル化:流動性がない、
で評価した。 ・点滴吸水度の測定:Japan TAPPI No.33 (吸収性の紙
の吸水速度試験方法)に準じて、滴下水量1 μlで測定
した。なお、点滴吸水度において、「>1200 は、点滴吸
水度が1200秒以上であること」を示す。
【0113】
【表1】 [実施例7]カチオン性を有するPAMの水溶液(A−
4)に、スチレン・アクリル酸重合体(B−3)のアン
モニウム塩の水溶液、さらにデヒドロアビエチン酸(C
−2)を配合比1 :1 :0.05(固形分重量比)となるよ
うに加え、溶解し、希釈して固形分濃度2.82%の塗工液
を調製した。得られた塗工液を、新聞印刷用紙原紙(坪
量:43g/m2 、点滴吸水度:9 秒)のF面に、ゲート
ロールコーターを用いて、塗布した。1050 m/分のゲ
ートロールコーター塗工でも、ミストが全く発生しなか
った。塗布後、ス−パ−カレンダ−処理を行い、新聞印
刷用紙を得た。
【0114】[実施例8]カチオン性を有するPAMの
水溶液(A−5)に、スチレン・アクリル酸重合体(B
−3)のアンモニウム塩の水溶液を、配合比1 :1 (固
形分重量比)で加え、さらに、ガムロジンを成分A、B
の合計に対して10%添加して、混合溶解し、希釈して固
形分濃度3.0 %の塗布液を調製した。得られた塗布液
を、実施例7で使用した新聞印刷用紙原紙のF面に、実
施例7と同様にゲートロールコーターを用いて、塗布し
た。塗布後、スーパーカレンダー処理を行い、新聞印刷
用紙を得た。
【0115】[比較例15]カチオン性を有するPAM
の水溶液(A−4)に、スチレン・アクリル酸重合体
(B−3)のアンモニウム塩の水溶液を、配合比1 :1
(固形分重量比)で加え、混合溶解し、希釈して固形分
濃度2.90%の塗布液を調製した。得られた塗布液を、実
施例7で使用した新聞印刷用紙原紙のF面に、実施例7
と同様にゲートロールコーターを用いて、塗布した。10
50m/分のゲートロールコータ−塗工でも、ミストが全
く発生しなかった。塗布後、スーパーカレンダー処理を
行い、新聞印刷用紙を得た。
【0116】[比較例16]酸化デンプン(商品名:S
K−20、日本コーンスターチ(株)製)の糊液に、ス
チレン・アクリル酸系表面サイズ剤(商品名:コロパー
ルM−150−9、星光化学工業(株)製)の水溶液
を、配合比5 :2 (固形分重量比)で加え、固形分濃度
6.0 %塗布液を調製した。得られた塗布液を、実施例7
で使用した新聞印刷用紙原紙のF面に、実施例7と同様
にゲートロールコーターを用いて、塗布した。しかしな
がら、ゲートロール塗工時の塗工材料の泡立ちは著し
く、塗工適性には問題があった。塗布後、スーパーカレ
ンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0117】[比較例17]カチオン化デンプン(商品
名:CATO 302、ナショナルスターチアンドケミ
カル(株)製)の糊液に、ポリマレイン酸ナトリウム塩
の水溶液、さらにアルキルケテンダイマー(商品名:A
−8、荒川化学工業(株)製)の分散液を配合比が10:
1 :1 (固形分重量比)となるように添加し、固形分濃
度5.5 %の塗布液を調製した。得られた塗布液を、実施
例7で使用した新聞印刷用紙原紙のF面に、実施例7と
同様にゲートロールコーターを用いて、塗布を試みた。
しかしながら、塗工時の塗工材料の泡立ちは著しく、長
時間のゲートロールコーターによる塗工はできなかっ
た。短時間の塗工で得られた塗工品について、スーパー
カレンダー処理を行い、新聞印刷用紙を得た。
【0118】実施例7〜、比較例15〜17の新聞印刷
用紙について下記の項目について測定を行い、結果を表
2に示した。
【0119】・塗布量の測定:ケルダール法により含有
窒素量を求め、換算した。 ・点滴吸水度の測定:前述したようにJapan TAPPI No.3
3 に従った。なお、点滴吸水度において、「>300 は、
点滴吸水度が300 秒以上であること」を示す。 ・接触角の測定:前述したように滴下水量5 μlで滴下
5 秒後の接触角を測定した。 ・ネッパリ強度の測定:新聞印刷用紙を4 cm×6 cm
に2 枚切り取り、塗工面を温度20℃の水に5 秒間浸せき
後、塗工面同士を密着させた。外側両面に新聞印刷用紙
原紙を重ね、50kg/m2 の圧力でロールに通し、25
℃、60%RHで24時間調湿した。3 ×6 cmの試料片と
した後、引っ張り試験機で、引っ張り速度30mm/分の
条件で測定を行った。測定値が大きいほど、剥がれにく
い(逆の言い方をすると、粘着性が強い)ことを意味す
る。本発明の新聞印刷用紙では、ネッパリ強度が15.0g
/3 cm以下のものを、“剥離性が良好である”とし
た。なお、「破れた。」は、引っ張り試験機でサンプル
を剥離させる際、接着面で剥離が起こらずに、サンプル
自体の層間剥離現象が起こったことを意味する。言い換
えれば、この測定法では測定できないほど、粘着性が高
いことを意味している。 ・表面強度の測定:表面強度は、2 種類の測定方法、す
なわちプリュフバウ印刷試験機による印刷強度の測定、
およびFRT(Fiber rising test )の測定を行い、測
定値が両方とも良いものを“表面強度に優れている”と
した。 表面強度A(プリュフバウ印刷試験機による印刷強度) プリュフバウ印刷試験機のゴムロールに紅インキ(大日
本インキ化学工業(株)製)をのせ、新聞印刷用紙(印
刷面積:4 cm×20cm)に、印圧:15 N/m、印刷速
度:6.0 m/秒で塗布した。塗布時におけるゴムロール
と新聞印刷用紙が剥がれる際の繊維の立上がりの個数
を、顕微鏡で測定した。測定値が小さいほど、表面強度
が強いことを意味する。本発明では、繊維の立上がりの
個数が20個以下を“表面強度に優れている”とした。 表面強度B(FRT) 新聞印刷用紙をマシーン方向に、300 mm×幅35mmに
切り取り、表面解析装置FIBR 1000 (Fibro system AB
製)を用いて、一定面積(1 m2 )における繊維の0.1
mmより長い毛羽立ちの数を求めた。測定値が小さいほ
ど、表面強度が優れていることを示している。本発明の
新聞印刷用紙では、1 m2 当たりの毛羽立ちの数が22個
以下のものを、“表面強度に優れている”とした。
【表2】 〈一般印刷用紙への適用〉 [実施例9]カチオン性を有するPAMの水溶液(A−
1)に、スチレン・アクリル酸重合体(B−3)のアン
モニウム塩の水溶液、さらにアビエチン酸を加え、配合
比が1 :1 :0.01(固形分重量比)となるように加え、
溶解し、希釈して固形分濃度2.8 %の塗布液を調製し
た。得られた塗布液を、上質紙(坪量:78g/m2 、点
滴吸水度: 9 秒)に、ゲートロールコーターを用いて、
塗布した。1200m/分のゲートロールコーター塗工で
も、ミストが発生しなかった。塗布後、スーパーカレン
ダー処理を行い、印刷用紙を得た。 塗布量:0.20g/m2 点滴吸水度:>300秒、接触角:91度、表面強度A:17、
表面強度B:19
【0120】[実施例10]カチオン性を有するPAM
の水溶液(A−4)に、スチレン・アクリル酸重合体
(B−3)のアンモニム塩の水溶液、さらにデヒドロア
ビエチン酸を配合比が1 :1 :0.01(固形分重量比)と
なるように加え、溶解し、希釈して固形分濃度2.8 %の
塗布液を調製した。得られた塗布液を、上質紙(坪量:
78g/m2 、点滴吸水度: 9 秒)に、ゲートロールコー
ターを用いて、塗布した。1200m/分のゲートロールコ
ーター塗工でも、ミストが全く発生しなかった。塗布
後、スーパーカレンダー処理を行い、印刷用紙を得た。 塗布量:0.22g/m2 点滴吸水度:>300秒、接触角:92度、表面強度A:17、
表面強度B:19
【0121】
【発明の効果】3 成分もしくは2 成分からなる処方の新
規高速塗工用サイズ剤の開発によって少量の塗布量で高
いサイズ効果が得られるようになった。本発明の高速塗
工用サイズ剤(表面サイズ剤)をゲートロールコーター
で塗工することにより、吸水抵抗性が大幅に改良され、
かつ表面強度、および剥離性をバランスよく有した印刷
用紙を高速抄紙で得ることが可能となった。特に、新聞
印刷用紙においては、高速オフセット印刷に適したもの
が得られる。また、本発明の新聞印刷用紙では、内添サ
イズを施さなくても、本発明の高速塗工用サイズ剤(表
面サイズ剤)を外添のみにより、吸水抵抗性を付与させ
ることができ、薬品の内添に伴う諸問題の解決を図るこ
とも可能である。さらに、本発明の高速塗工用サイズ剤
(表面サイズ剤)の塗布量、配合比、材料の種類などを
任意に変えることにより、幅広い品種に内添方式より低
コストで対応することも容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上堀 由紀子 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示す成分A、成分B及び成分Cか
    らなる3 成分、もしくは成分B及び成分Cからなる2 成
    分を主体とする表面サイズ剤。 成分A:1)ノニオン性ポリアクリルアミド 2)カチオン性ポリアクリルアミド 3)両性ポリアクリルアミド 上記1)〜3)から、少なくとも一つ選ばれた水溶性ポリア
    クリルアミド 成分B:疎水性置換基を有するモノマーと、カルボキシ
    ル基を有するモノマーとの水溶性アニオン性共重合体の
    アンモニウム塩 成分C:デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ジヒド
    ロアビエチン酸、ピマール酸、ネオピマール、イソピマ
    ール酸、レボピマール酸、パラストリン酸から少なくと
    も一つ選ばれた樹脂酸、または前記樹脂酸を含むロジン
  2. 【請求項2】 印刷用紙原紙に、請求項1記載の成分
    A、成分B及び成分Cからなる3 成分、もしくは成分B
    及び成分Cからなる2 成分を主体とする表面サイズ剤を
    含有した塗工層を設けた印刷用紙。
  3. 【請求項3】 新聞印刷用紙原紙に、請求項1記載の成
    分A、成分B及び成分Cからなる3 成分、もしくは成分
    B及び成分Cからなる2 成分を主体とする表面サイズ剤
    を含有した塗工層を設けた新聞印刷用紙。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の印刷用紙において、表面
    サイズ剤を構成する成分の一つである成分Aが、第3 級
    アミン基及び/または第4 級アンモニウム塩基を有する
    カチオン性、あるいは両性ポリアクリルアミドであるこ
    とを特徴とする表面サイズ剤。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の新聞印刷用紙において、
    新聞印刷用紙原紙が坪量37g/m2 〜43g/m2 の範囲
    に軽量化したものであって、表面サイズ剤を構成する成
    分の一つである成分Aが、第3 級アミン基及び/または
    第4 級アンモニウム塩基を有するカチオン性、あるいは
    両性ポリアクリルアミドであることを特徴とする新聞印
    刷用紙。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の新聞印刷用紙において、
    新聞印刷用紙原紙が坪量37g/m2 〜43g/m2 の範囲
    に軽量化し、且つ炭酸カルシウムを内添したものであっ
    て、表面サイズ剤を構成する成分の一つである成分A
    が、第3 級アミン基及び/または第4 級アンモニウム塩
    基を有するカチオン性、あるいは両性ポリアクリルアミ
    ドであることを特徴とする新聞印刷用紙。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の新聞印刷用紙が、新聞印
    刷用紙原紙が坪量37g/m2 〜43g/m2 の範囲に軽量
    化し、DIPを80重量%以上含有するものであって、表
    面サイズ剤を構成する成分の一つである成分Aが、第3
    級アミン基及び/または第4 級アンモニウム塩基を有す
    るカチオン性、あるいは両性ポリアクリルアミドである
    ことを特徴とする新聞印刷用紙。
  8. 【請求項8】 請求項1あるいは請求項4のいずれかに
    記載の表面サイズ剤において、表面サイズ剤を構成する
    成分の一つである成分Bが、スチレン系モノマーとアク
    リル酸系モノマーとのアンモニウム水溶性アニオン性共
    重合体であることを特徴とする表面サイズ剤。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の新聞印刷用紙において、
    表面サイズ剤を構成する成分の一つである成分Cの主成
    分が、アビエチン酸またはデヒドロアビエチン酸である
    ことを特徴とする新聞印刷用紙。
  10. 【請求項10】 請求項3、請求項5、請求項6、ある
    いは請求項7のいずれかに記載の新聞印刷用紙におい
    て、表面サイズ剤を構成する成分A、成分B及び成分C
    の比率(固形分重量比)が、A:B:C=0 〜80:95〜
    20:1 〜10の範囲にあることを特徴とする新聞印刷用
    紙。
  11. 【請求項11】 請求項3、請求項5、請求項6、請求
    項7、あるいは請求項8のいずれかに記載の新聞印刷用
    紙において、点滴吸水度(Japan TAPPI No.33 に準拠、
    滴下水量1 μlで測定)が20秒〜1000秒の範囲にあるこ
    とを特徴とする新聞印刷用紙の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項3、請求項5、請求項6、請求
    項7、請求項8、あるいは、請求項9のいずれかに記載
    の新聞印刷用紙において、接触角(滴下水量5 μlで1
    秒後に測定)が80度〜95度の範囲にあることを特徴とす
    る新聞印刷用紙。
  13. 【請求項13】 請求項3、請求項5、請求項6、請求
    項7、請求項9、あるいは請求項10記載のいずれかに
    記載の新聞印刷用紙において、表面サイズ剤の塗布量
    が、0.1 g/m2 〜0.3 g/m2 (片面当たり)の範囲
    にあることを特徴とする新聞印刷用紙。
  14. 【請求項14】 請求項1あるいは請求項4記載の表面
    サイズ剤において、表面サイズ剤のpHが9 〜11の範囲
    であることを特徴とする表面サイズ剤。
  15. 【請求項15】 請求項3、請求項5、請求項6、請求
    項7、請求項9、請求項10、請求項11、あるいは請
    求項12記載の新聞印刷用紙において、表面サイズ剤を
    ゲートロールコーター方式で塗工することを特徴とする
    新聞印刷用紙。
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