JPH11106989A - 電気めっき装置 - Google Patents

電気めっき装置

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JPH11106989A
JPH11106989A JP27433497A JP27433497A JPH11106989A JP H11106989 A JPH11106989 A JP H11106989A JP 27433497 A JP27433497 A JP 27433497A JP 27433497 A JP27433497 A JP 27433497A JP H11106989 A JPH11106989 A JP H11106989A
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JP
Japan
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metal strip
plating
current
pair
conductor
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JP27433497A
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English (en)
Inventor
Hisanori Akino
久則 秋野
Satoshi Chinda
聡 珍田
Masakatsu Tomobe
政勝 友部
Hideji Ito
秀治 伊藤
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断面に凹凸のある異形の金属条体あるいは幅広
の金属条体であっても、めっき厚分布の均一化が図れる
電気めっき装置を提供することにある。 【解決手段】被めっき処理物である金属条体3をめっき
浴槽1内で一対のアノード極2間にカソード極として縦
搬送させ、その金属条体3の幅方向端部を金属条体3の
両面側から被う一対の電流遮蔽板4を上記金属条体3の
幅方向端部3a、3b毎に設け、めっき浴槽内の下部に
めっき液6を流動させる流体ノズル7を設けた電気めっ
き装置において、前記一対の電流遮蔽板4、4および
5、5の先端に、前記金属条体の幅方向端部3a、3b
を一部が被うように金属導体を設けてバイポーラコンダ
クタ8、9を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被めっき処理物で
ある金属条体をめっき浴槽内で一対のアノード極間にカ
ソード極として縦搬送させ、その金属条体の幅方向端部
を金属条体の両面側から被う一対の電流遮蔽板を上記金
属条体の幅方向端部毎に設けた電気めっき装置に係り、
特に、凹凸のある異形の金属条体であっても、膜厚の均
一なめっきができるようにした電気めっき装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気めっき装置の構成を図3に示
す。
【0003】これは、めっき浴槽1内に長尺のアノード
極2を設け、このめっき浴槽1内に、長尺のカソード極
として、被めっき処理物である金属条体3を、断面縦方
向(図3の紙面に対して垂直方向)に走行させる構成と
なっている。走行させる金属条体3の幅方向端部、つま
り金属条体3の上端部3aと下端部3b(図4参照)に
は、該端部を金属条体の両面側から被うように、めっき
電流密度を調節するための一対の電流遮蔽板4、4と一
対の電流遮蔽板5、5がそれぞれ設けられている。更
に、金属条体3の下端部3b両側の一対の電流遮蔽板
5、5の間には、これら電流遮蔽板5、5の間から空気
等の流体を噴出せしめてめっき液6を流動させる流体ノ
ズル7が設けられている。なお、上端部3aの電流遮蔽
板4、4の下端部4a、4aは楔形になっている。
【0004】ここで一対の電流遮蔽板4、4および5、
5の役目は、電流遮蔽板4、5でめっき電流を調節する
ことにより、金属条体3の端部3a、3bのめっき膜厚
が厚くなるのを防止することにあり、また、流体ノズル
7の役目は、めっき液6の流動効果により液を全面均一
に撹拌し、電流分布の均一化を図ることにある。
【0005】ところで、金属条体に全面めっきを施す場
合、特にニッケルめっきを施す場合は、従来から「M型
めっき」と呼ばれる現象が生じ、金属条体の幅方向先端
部の膜厚が中央部分に比べ7〜8倍と多くなってしま
い、金属条体のめっきの均一性が十分でなかった。即
ち、めっき速度を上げるため、めっき電流密度を増加し
て行くと、金属条体の幅方向先端部では、電流が集中し
てしまい、焼けめっきとなってめっき品質が劣化してし
まう。このため、電流密度を低くせざるを得ず、めっき
処理時間を要し、生産性が低下する。また、ニッケルめ
っきが厚い部分では、金属条体を成形する際のプレス加
工時にニッケルめっきの割れやクラックが生じるという
問題がある。
【0006】そこで、これらの問題を解決するために、
従来、図3で説明したように、金属条体の上下に電流遮
蔽板を設けた構造を採用し、これにより、金属条体のめ
っき膜厚の均一化を図っている。特に図4に示すような
同一断面中に異なる板厚部分を持つ異形の金属条体の場
合、ニッケルめっきの膜厚分布の均一性は、電流遮蔽板
を取り付けていないときは膜厚比(最大値/最小値)が
7〜8とめっき過多になっていたが、上記電流遮蔽板を
取り付けることで、この膜厚比を2.5〜4程度に抑え
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流遮
蔽板による電流遮蔽効果と流体ノズルによるめっき液の
流動効果が加味されると、今度は、金属条体3の上端部
3aでの流動が不十分となり、また、電流が過度に遮蔽
されやすくなる結果、金属条体の上端部3a(図4参
照)のめっき厚が厚く、中央部の膜厚が薄くなってしま
うという問題が生じる。
【0008】また、所定のめっき膜厚分布を得るために
は、電流遮蔽板と金属条体とを近接して設置する必要が
ある。その結果、金属条体の搬送時に、金属条体のうね
りやエアー撹拌による金属条体のぶれなどにより、金属
条体と電流遮蔽板が接触してこすれ傷が発生し易くな
り、このこすれ傷の発生は多い時で数カ所/m発生する
場合がある。
【0009】更に電流遮蔽板の取り付け位置の変動によ
り、膜厚分布が変化するので、電流遮蔽板の取り付け位
置を正確に設置しなければならず、微妙な位置調整が必
要となり、操作性が悪く、特に品種切り替え時には多大
な時間を要する。
【0010】また上述した従来技術では、凹凸のある異
形の金属条体の全面めっきや、金属条体の幅が60mm以
上の幅広の金属条体のめっきになると、部分的に電流が
集中又は遮断される現象が起きるため、凸部のエッジ部
および金属条体端部でのめっき膜厚が不均一となるとい
う問題がある。
【0011】そこで、本発明の目的は、バイポーラコン
ダクタ付の電流遮蔽板を導入することによって、上述し
た従来技術の問題点を解消して、断面に凹凸のある異形
の金属条体あるいは幅広の金属条体であっても、めっき
厚分布の均一化が図れるようにした電気めっき装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。
【0013】(1)請求項1に記載の発明は、被めっき
処理物である金属条体をめっき浴槽内で一対のアノード
極間にカソード極として縦搬送させ、その金属条体の幅
方向端部を金属条体の両面側から被う一対の電流遮蔽板
を上記金属条体の幅方向端部毎に設け、めっき浴槽内の
下部にめっき液を流動させる流体ノズルを設けた電気め
っき装置において、前記一対の電流遮蔽板の先端に、前
記金属条体の幅方向端部を一部が被うように金属導体を
設けてバイポーラコンダクタを構成したものである。
【0014】本発明は次のような原理に基づいている。
【0015】バイポーラコンダクタは、カソードに対向
する表面が正に荷電する(バイポーラ効果)。従って、
可溶性金属ではカソードに対向する面が溶解し、また、
アノードに対向する面で金属析出が起こる。このため、
金属導体からなるバイポーラコンダクタを設置しても、
その配置によって主カソード電極の一部に大きな影響を
及ぼし、電流密度を変化させることができる。
【0016】更に、流体ノズルから噴出される流体によ
りめっき浴槽内が十分撹伴されるため、金属条体の端部
および板厚部のエッジ部で高められる電流密度を平均化
して、金属条体端部およびエッジ部での電流密度をより
均一化することができる。
【0017】上記原理に基づき、バイポーラコンダクタ
付の電流遮蔽板を設けると、同一断面中に異なる板厚部
分を持つ異形の金属条体を被めっき処理物としている場
合であっても、異形の金属条体の板厚部の異なるエッジ
部あるいは金属条体の端部での電流集中又は電流遮断が
緩和されるため、めっき厚の変動が抑えられる。また、
一対の電流遮蔽板間の間隔を広げられるので、電流遮蔽
板と金属条体の接触によるこすれ傷の発生を、皆無とす
ることができる。
【0018】なお、このバイポーラコンダクタは電流遮
蔽板の先端の互いに対向する面に設けると効果的であ
る。
【0019】(2)請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の電気めっき装置において、前記バイポーラコンダ
クタと前記金属条体との間の間隔を、両者の接触による
こすれ傷が前記金属条体に発生しない間隔に設定するも
のである。
【0020】従来では、めっきの膜厚の均一化を達成す
るための条件を満足させつつ、こすれ傷の全く発生しな
い間隔が得られる範囲は非常に狭小である。しかし、本
発明では、バイポーラコンダクタと前記金属条体との間
の間隔を従来より広げても、上記原理に基づき、めっき
膜厚の変動が抑えられるため、電流遮蔽板間の間隔を十
分に広げることができ、こすれ傷の発生を皆無とするこ
とができる。
【0021】(3)請求項3に記載の発明は、被めっき
処理物である金属条体をめっき浴槽内で一対のアノード
極間にカソード極として縦搬送させ、その金属条体の幅
方向端部を金属条体の両面側から被う一対の電流遮蔽板
を上記金属条体の幅方向端部毎に設け、めっき浴槽内の
下部にめっき液を流動させる流体ノズルを設けた電気め
っき装置において、前記一対の電流遮蔽板の先端に、前
記金属条体の幅方向端部を一部が被うように金属導体を
設け、これに前記金属条体と同じ極性の電荷を与えて補
助カソード極を構成したものである。
【0022】かかる構成の下でも、金属条体の端部の電
流集中又は電流遮断が緩和され、めっき厚の変動が抑え
られ、請求項1で述べたのと同じ作用効果を得ることが
できる。その理由は、この形態では補助カソード極が通
電されるので補助カソード極にめっきがなされることか
ら、補助カソード極を金属条体の端部近傍に配置するこ
とで、電流の集中が緩和されるからである。
【0023】(4)請求項4に記載の発明は、請求項3
記載の電気めっき装置において、前記補助カソード極と
前記金属条体との間の間隔を、両者の接触によるこすれ
傷が前記金属条体に発生しない間隔に設定したものであ
る。これは電流遮蔽板の間隔を十分に広げることを意味
するものであるので、こすれ傷の発生を皆無とすること
ができる。
【0024】(5)請求項5に記載の発明は、請求項
1、2、3又は4記載の電気めっき装置において、前記
電流遮蔽板を前記金属条体に対し接近および離隔し得る
位置調整手段を設けたものである。
【0025】上記位置調整手段を設けて、バイポーラコ
ンダクタ付の電流遮蔽板又は補助カソード極から異形の
金属条体までの距離を可変できるようにすると、めっき
条件が異なっても、その条件にあった最適な距離を容易
に設定することができる。従って、このような位置調整
手段を具備することにより、全面めっきをする場合等に
おいて、金属条体のサイズやめっき条件に柔軟に対応す
ることができる。
【0026】位置調整手段としては、例えば、バイポー
ラコンダクタ付の電流遮蔽板を水平方向に移動自在に設
けて、バイポーラコンダクタ付の電流遮蔽板の異形の金
属条体に対する距離を可変できるような構造のものがあ
る。
【0027】(6)請求項6に記載の発明は、請求項
1、2、3、4又は5記載の電気めっき装置において、
前記金属条体が、同一断面中に異なる板厚部分を持つ異
形の金属条体から成るものである。
【0028】本発明の電気めっき装置は、このような同
一断面で異なる板厚部を持つ異形の金属条体の電気めっ
きにおいて特に有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】本発明の電気めっき装置は、同一断面で異
なる板厚部を持つ異形の金属条体の電気めっき装置であ
って、断面を縦方向にしてめっき浴槽内を走行する異形
の金属条体の凸部のエッジ部近傍にバイポーラコンダク
タ付の電流遮蔽板を設け、更にめっき浴槽下部より流体
を噴出せしめてめっき液を流動させる流体ノズルを設け
た電気めっき装置である。
【0031】図1に本発明の実施の形態の電気めっき装
置を示す。基本的構造は、図3で説明したところと同じ
である。
【0032】即ち、めっき浴槽1内に長尺のアノード極
2、2が相対向して設けられており、このアノード極
2、2間に、長尺のカソード極として、被めっき処理物
である金属条体3が縦搬送され、断面縦方向(図3の紙
面に対して垂直方向)に走行するようになっている。こ
の金属条体3の幅方向の端部、つまり金属条体3の上端
部3aと下端部3bには、該端部を金属条体の両面側か
ら被うように、めっき電流密度を調節するための一対の
電流遮蔽板4、4と一対の電流遮蔽板5、5がそれぞれ
設けられている。更に、金属条体3の下端部3b両側の
一対の電流遮蔽板5、5の間に流体ノズル7が設けられ
ており、これら下部の電流遮蔽板5、5の間から空気等
の流体を噴出せしめてめっき液6を流動させるようにな
っている。上部の電流遮蔽板4、4の下端部4a、4a
が楔形に形成されている点も同じである。
【0033】なお、電流遮蔽板4、4および遮蔽板5、
5は絶縁材料からなる。
【0034】しかし図3の場合と異なり、上記一対の電
流遮蔽板4、4の先端には、その電流遮蔽板の先端の互
いに対向する面に、金属条体3の幅方向端部である上端
部3aを一部が被うように金属導体が設けられ、該金属
半導体によりバイポーラコンダクタ8が構成されてい
る。また、上記一対の電流遮蔽板5、5の先端には、そ
の電流遮蔽板の先端の互いに対向する面に、金属条体3
の幅方向端部である下端部3bを一部が被うように金属
導体が設けられ、バイポーラコンダクタ9が構成されて
いる。これは電流遮蔽板の間隔を従来構造に比べ広げら
れる様に設定し、めっき厚の均一化を図れるようにする
ためである。このバイポーラコンダクタ8、9を構成す
る金属導体は、ここではニッケル又はチタン合金(白金
めっきチタン板)から成る。
【0035】図中、δ1は上部の電流遮蔽板4、4の先
端に設けられたバイポーラコンダクタ8が金属条体3の
上端部3aを被う長さを示し、また、δ2は下部の電流
遮蔽板5、5の先端に設けられたバイポーラコンダクタ
9が金属条体3の下端部3bを被う長さを示す。
【0036】更に、金属条体のサイズやめっき条件に柔
軟に対応できるようにするため、バイポーラコンダクタ
付の電流遮蔽板4は送り治具10に装着されて水平方向
に移動自在に設けられ、図示してないフィードモータの
回転により、電流遮蔽板4の金属条体3に対する距離L
を可変できるように構成してある。このように位置調整
手段を構成すると、全面めっきをする場合、バイポーラ
コンダクタ付の電流遮蔽板4の位置を適切に設定するこ
とができる。上記フィードモータおよび送り治具10
は、電流遮蔽板4を金属条体3に対し接近および離隔し
得る位置調整手段を構成する。
【0037】バイポーラコンダクタ8、9はカソードに
対向する表面が正に荷電する(バイポーラ効果)。従っ
て、可溶性金属ではカソードに対向する面が溶解し、ま
た、アノードに対向する面で金属析出が起こる。即ち、
金属導体からなるバイポーラコンダクタを設置しても、
その配置によって主カソード電極の一部に大きな影響を
及ぼし、電流密度を変化させることができる。更に、流
体ノズル7によりめっき浴槽1内が十分に撹伴されるた
め、金属条体3の端部3a、3bおよび板厚部のエッジ
部で高められる電流密度を平均化して、金属条体の端部
3a、3bおよび板厚部のエッジ部での電流密度をより
均一化することができる。
【0038】従って、バイポーラコンダクタ付の電流遮
蔽板を設けると、同一断面中に異なる板厚部分を持つ異
形の金属条体であっても、異形の金属条体の板厚部の異
なるエッジ部あるいは金属条体の端部での電流集中又は
電流遮断が緩和されるため、めっき厚の変動が抑えられ
る。また、電流遮蔽板の間隔を広げられるので、電流遮
蔽板と金属条体の接触によるこすれ傷の発生を、皆無と
することができる。
【0039】別の実施態様として、一対の電流遮蔽板
4、4および一対の電流遮蔽板5、5の先端に、金属条
体3の幅方向端部3a、3bを一部が被うように金属導
体を設け、これに金属条体3と同じ極性の電荷を与えて
補助カソード極を構成し、この補助カソード極を上記バ
イポーラコンダクタ付の電流遮蔽板の代わりに用いて
も、上記と同じ作用効果を得ることができる。その理由
は、補助カソード極が通電されるので補助カソード極に
めっきがなされることから、補助カソード極を金属条体
の端部近傍に配置すると、電流の集中が緩和されるから
である。
【0040】
【実施例】図1に本発明の実施例を示す。
【0041】(実施例1)異形の金属条体3(65×2
20mm)が走行する部分の上下にバイポーラコンダクタ
8、9の付いた電流遮蔽板4、5を設け、バイポーラコ
ンダクタ8、9と金属条体3の垂直方向の重なり距離δ
1 およびδ2 を10mmとし、バイポーラコンダクタ8、
8間の間隔l1 と、バイポーラコンダクタ9、9間の間
隔l2 を、それぞれ20〜50mmの間で変化させた。
【0042】次に、異形の金属条体3に、脱脂、酸洗い
の前処理を行い、ニッケルメッキを行った。
【0043】ここで、バイポーラコンダクタの材質に
は、ニッケル板を用いた。
【0044】ニッケルめっき条件は、電流密度5A/dm
2 ×2min 55s(175秒)、めっき液組成はNiS
4 :300g/l、NiCl2 :60g/l、HBO
3 :40g/lとした。めっき浴槽1内は流体ノズル7
によるエアレーション撹拌を行った。アノード極2には
ニッケル板(300mm×220mm)を用いた。
【0045】膜厚分布の測定は、蛍光X線膜厚計を用い
て2mm間隔で測定し、その最大値と最小値を膜厚比とし
て示した。その結果を図2に曲線aで示す。また、こす
れ傷の発生状況を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】図2の横軸は電流遮蔽板の間隔(本発明の
場合、正確にはバイポーラコンダクタ8、8間および
9、9間の間隔)l1 、l2 、縦軸はめっきの膜厚比
(最大値/最小値)である。この図2から分かるよう
に、従来の構造(曲線d)の場合は、電流遮蔽板の間隔
l1 、l2 を広げると膜厚比が大幅に変化し、所定の膜
厚比を得るためには電流遮蔽板間の間隔l1 、l2 を、
10〜20mm程度の非常に狭い範囲内に納める必要があ
る。これに対し、本発明のバイポーラコンダクタ8、9
の付いた電流遮蔽板4、4および5、5を用い、そのバ
イポーラコンダクタの材質にニッケル板(曲線a)を用
いた場合、電流遮蔽板8、8間の間隔l1 および電流遮
蔽板9、9の間隔l2 を変化させても、ほとんど膜厚比
が変化しない。即ち、電流遮蔽板間の間隔l1 、l2 を
40〜50mmと広く設定しても膜厚比をほぼ一定(膜厚
比2〜2.5程度)に維持することができる。
【0048】一方、表1から分かるように、電流遮蔽板
間の間隔l1 、l2 が10mm〜30mmと比較的狭い場合
は、従来の構造の場合もで、また本発明のバイポーラコ
ンダクタ付の電流遮蔽板を用いた構造の場合でも、少な
からずこすれ傷の発生が認められるが、電流遮蔽板間の
間隔l1 、l2 を40〜50mmと広く設定すると、金属
条体3にうねりなどがあっても電流遮蔽板4、5との接
触がなくなり、こすれ傷の発生頻度が0%となった。
【0049】(実施例2)次に、バイポーラコンダクタ
の材質に白金めっきチタン板(Pt/Ti 合金)を用い、上
述の実験条件でニッケルめっきを行った。その結果を図
2に曲線bで示す。また、こすれ傷の発生状況を表1に
示す。
【0050】図2の曲線bから分かるように、この白金
めっきチタン板(Pt/Ti 合金)をバイポーラコンダクタ
8、9に用いた場合も、上記バイポーラコンダクタ8、
9の材質にニッケル板を用いた場合(曲線a)と同様
に、電流遮蔽板間の間隔l1 、l2 を広げても膜厚比は
2〜2.5を保っており、電流遮蔽板間の間隔l1 、l
2 を40〜50mmと広げても、同じめっき作用を得るこ
とが可能であることを確認した。またバイポーラコンダ
クタ付の電流遮蔽板間の間隔l1 、l2 を40〜50mm
とすることで、こすれ傷の発生頻度が0%となった。
【0051】上記の実施例1〜2から明らかなように、
本発明によれば、バイポーラコンダクタ付の電流遮蔽板
の水平方向の位置変動による影響が従来構造に比べ小さ
く、電流遮蔽板間の間隔を40〜50mmとすることで、
金属条体のうねりなどによる電流遮蔽板と金属条体との
接触によるこすれ傷の発生頻度が0%となる。更に、バ
イポーラコンダクタ付の電流遮蔽板を設けることで、金
属条体の端部および凸部での膜厚不足あるいは膜厚過剰
になるといった問題がなくなり、めっき膜厚分布の均一
化が図れる。
【0052】(実施例3)次に、バイポーラコンダクタ
8、9を設置した位置に同じサイズの銅板を設置し、こ
れに被めっき材と同様の負の電荷を与えた。即ち、銅板
を補助カソード板としてニッケルめっきを行った。この
場合、補助カソード極は通電されるので実際には補助カ
ソード極にめっきがなされる。その結果、補助カソード
極を金属条体の端部近傍に配置することで、電流の集中
が緩和される。
【0053】図2に曲線cで示すように、補助カソード
極付の電流遮蔽板の間隔を広げても膜厚比は2〜2.5
を保っており、間隔を広げても対応可能であることを確
認した。また、補助カソード極付の電流遮蔽板間の間隔
が40〜50mm程度でこすれ傷の発生頻度は0%となっ
た。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。
【0055】(1)請求項1に記載の発明は、被めっき
処理物である金属条体をめっき浴内で一対のアノード極
間にカソード極として縦搬送させ、その金属条体の幅方
向端部を金属条体の両面側から被う一対の電流遮蔽板を
上記金属条体の幅方向端部毎に設け、めっき浴槽内の下
部にめっき液を流動させる流体ノズルを設けた電気めっ
き装置において、前記一対の電流遮蔽板の先端に、前記
金属条体の幅方向端部を一部が被うように金属導体を設
けてバイポーラコンダクタを構成したものである。
【0056】バイポーラコンダクタは、カソードに対向
する表面が正に荷電することから、可溶性金属ではカソ
ードに対向する面が溶解し、また、アノードに対向する
面で金属析出が起こる。このためバイポーラコンダクタ
を配置することで主カソード電極の一部に大きな影響を
及ぼし、電流密度を変化させることができる。
【0057】更に、流体ノズルによりめっき浴槽内が十
分に撹伴されるため、金属条体の端部および板厚部のエ
ッジ部で高められる電流密度を平均化して、金属条体端
部およびエッジ部での電流密度をより均一化することが
できる。
【0058】このため電流遮蔽板の間隔を広げられるの
で、電流遮蔽板と金属条体の接触によるこすれ傷の発生
を、皆無とすることができる。
【0059】(2)請求項2に記載の発明によれば、前
記バイポーラコンダクタと前記金属条体との間の間隔
を、両者の接触によるこすれ傷が前記金属条体に発生し
ない間隔に設定するので、こすれ傷の発生を皆無とする
ことができる。
【0060】(3)請求項3に記載の発明は、前記バイ
ポーラコンダクタの代わりに、前記一対の電流遮蔽板の
先端に、前記金属条体の幅方向端部を一部が被うように
金属導体を設け、これに前記金属条体と同じ極性の電荷
を与えて補助カソード極を構成したものであり、補助カ
ソード極が通電され補助カソード極にめっきがなされる
ことから、補助カソード極を金属条体の端部近傍に配置
することで、電流の集中が緩和される。従って、めっき
の膜厚の変動が抑えられる。
【0061】(4)請求項4に記載の発明は、前記補助
カソード極と前記金属条体との間の間隔を、前記金属条
体に両者の接触によるこすれ傷が発生しない間隔に設定
したものであり、こすれ傷の発生を皆無とすることがで
きる。
【0062】(5)請求項5に記載の発明は、前記電流
遮蔽板を前記金属条体に対し接近および離隔し得る位置
調整手段を設けたので、めっき条件が異なっても、その
条件にあった最適な距離を容易に設定することができ
る。
【0063】(6)請求項6に記載の発明は、前記金属
条体が、同一断面中に異なる板厚部分を持つ異形の金属
条体から成る場合を特定したものであるが、このような
異形の金属条体に対しても均一な膜厚で電気めっきする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電気めっき装置を示す断面
図である。
【図2】本発明の実施例と従来構造で得られるメッキの
膜厚比と遮蔽板間隔との関係を示した図である。
【図3】従来の電気めっき装置の構成を示す断面図であ
る。
【図4】被めっき処理物である金属条体の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 めっき浴槽 2 アノード極 3 金属条体 3a 上端部 3b 下端部 4 上端部の電流遮蔽板 4a 下端部 5 下端部の電流遮蔽板 6 めっき液 7 流体ノズル 8 バイポーラコンダクタ 9 バイポーラコンダクタ 10 送り治具(位置調整手段) δ1 、δ2 バイポーラコンダクタと金属状態の重なり
距離 l1 、l2 バイポーラコンダクタ間の間隔
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 秀治 茨城県日立市助川町3丁目1番1号 日立 電線株式会社電線工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被めっき処理物である金属条体をめっき浴
    槽内で一対のアノード極間にカソード極として縦搬送さ
    せ、その金属条体の幅方向端部を金属条体の両面側から
    被う一対の電流遮蔽板を上記金属条体の幅方向端部毎に
    設け、めっき浴槽内の下部にめっき液を流動させる流体
    ノズルを設けた電気めっき装置において、前記一対の電
    流遮蔽板の先端に、前記金属条体の幅方向端部を一部が
    被うように金属導体を設けてバイポーラコンダクタを構
    成したことを特徴とする電気めっき装置。
  2. 【請求項2】前記バイポーラコンダクタと前記金属条体
    との間の間隔を、両者の接触によるこすれ傷が前記金属
    条体に発生しない間隔に設定したことを特徴とする請求
    項1記載の電気めっき装置。
  3. 【請求項3】被めっき処理物である金属条体をめっき浴
    槽内で一対のアノード極間にカソード極として縦搬送さ
    せ、その金属条体の幅方向端部を金属条体の両面側から
    被う一対の電流遮蔽板を上記金属条体の幅方向端部毎に
    設け、めっき浴槽内の下部にめっき液を流動させる流体
    ノズルを設けた電気めっき装置において、前記一対の電
    流遮蔽板の先端に、前記金属条体の幅方向端部を一部が
    被うように金属導体を設け、これに前記金属条体と同じ
    極性の電荷を与えて補助カソード極を構成したことを特
    徴とする電気めっき装置。
  4. 【請求項4】前記補助カソード極と前記金属条体との間
    の間隔を、両者の接触によるこすれ傷が前記金属条体に
    発生しない間隔に設定したことを特徴とする請求項3記
    載の電気めっき装置。
  5. 【請求項5】前記電流遮蔽板を前記金属条体に対し接近
    および離隔し得る位置調整手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4記載の電気めっき装置。
  6. 【請求項6】前記金属条体が、同一断面中に異なる板厚
    部分を持つ異形の金属条体から成ることを特徴とする請
    求項1、2、3、4又は5記載の電気めっき装置。
JP27433497A 1997-10-07 1997-10-07 電気めっき装置 Pending JPH11106989A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057049A (ja) * 2001-03-02 2008-03-13 Honeywell Internatl Inc 内部熱スプレッダめっき方法および装置

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JP2008057049A (ja) * 2001-03-02 2008-03-13 Honeywell Internatl Inc 内部熱スプレッダめっき方法および装置

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