JPH11106978A - 電極部材および過酸化水素の製造方法 - Google Patents

電極部材および過酸化水素の製造方法

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JPH11106978A
JPH11106978A JP9268638A JP26863897A JPH11106978A JP H11106978 A JPH11106978 A JP H11106978A JP 9268638 A JP9268638 A JP 9268638A JP 26863897 A JP26863897 A JP 26863897A JP H11106978 A JPH11106978 A JP H11106978A
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conductor
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oxygen
cathode
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Nobuo Yamada
信夫 山田
Haruo Sato
晴雄 佐藤
Tokiya Yaguchi
時也 矢口
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス−液体−固体の三相界面での反応性をよ
り向上させた新たな電極部材、及びこの電極部材を使用
した高い効率の電解法による過酸化水素の製造方法の提
供。 【解決手段】 開口の平均直径が1〜30μmの範囲で
ある三次元の網目構造を有する導電体と、この導電体の
網目構造中に可動状態で保持されている平均直径が0.
1〜0.5μmの範囲である疎水性樹脂粒子とからなる
電極部材。前記電極部材からなる陰極に酸素含有ガスお
よび電解液を供給しつつ電解して、過酸化水素水溶液を
製造する過酸化水素の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池、電気分
解等におけるガス−液体−固体界面での反応性を向上さ
せた電極部材に関する。さらに本発明は、この電極部材
を使用する、実用的な電流密度で効率よく運転すること
のできる実用に適した過酸化水素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素は古くから有用な漂白剤、酸
化剤として食品、医薬品、パルプ、繊維、半導体工業に
おいて使用されている。従来、過酸化水素は2―アルキ
ルアントラキノールを自動酸化させることにより工業的
に得られ、同時に得られるアントラキノンを水素還元し
て元のアントラキノンに戻すことで連続的に大量合成が
行われている。その精製のためのは精留を繰り返す等の
煩雑な操作が必要である。しかも過酸化水素は不安定で
あり、長期間の保存が不可能である。さらに輸送に伴う
安全性および汚染対策も必要である。このような観点か
ら、オンサイト型の過酸化水素製造装置の需要が高まっ
ている。
【0003】過酸化水素を使用するユーザーにとって
は、使用時には高濃度である必要はない。危険物の範囲
外となる中・低濃度の過酸化水素を、必要なときに、必
要なだけ、必要な場所で、簡便に生産できる方法が有れ
ば、取扱い上の安全性、至便性の上で極めて有益であ
る。
【0004】そこで、オンサイト型の簡便な過酸化水素
の製造法として、酸素ガスの還元反応を用いた過酸化水
素の製造方法がいくつか提案されている。例えば、特許
第2558042号には、陰極にカーボンフェルトを使
用して、陰極中に酸素を供給し、酸素を還元することに
より過酸化水素水を製造する例が開示されている。
【0005】しかしながらこの方法では、理論必要量の
80倍の酸素を供給し、97から98%の電流効率が得
られている。陰極にカーボンフェルトを使用して、酸素
の供給量を減少させると、理論量の30倍の酸素の供給
では電流効率は90%に低下し、理論量の10倍にする
と電流効率は70%に低下し、もはや実用性のある過酸
化水素の製造方法ではなくなってしまう。
【0006】酸素の供給量を多くすることで以下のよう
な問題がある。酸素をワンパスで使用する場合には、高
価な酸素が無駄になる。酸素を循環使用する場合には、
酸素の循環ポンプが大型になり、設備投資金額が大きく
なる。さらには、ポンプの運転電力の消費も多大にな
り、効率的でないという欠点がある。
【0007】特許第2558042号に記載の方法にお
いて、酸素の供給が多量に必要な理由は、電解質溶液に
濡れやすくなり、酸素と接触しにくくなっているカーボ
ンフェルトに多量の酸素ガスを供給することで、ガスと
カーボンフェルトとの接触を向上させて高い電流効率を
維持するためと推定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、ガス拡散電極に
ついて、反応性ガスと電解質液体と固体電極との気体−
液体−固体における三相界面での電気化学的反応効率を
向上させるため、固体電極の撥水処理が種々検討されて
いる。一般に、固体電極は導電性であり、親水性となっ
ている場合が多く、液体に濡れやすい。そのため、電極
表面が液体で覆われ、ガスが電極表面に接触しにくくな
っている。そこで、固体電極を撥水処理すれば、電極と
ガスとの接触を向上させることができると考えられてい
る。
【0009】特許第2558042号に記載された、カ
ーボンフェルトを陰極部材として使用する電解法による
過酸化水素の製造方法は、酸素の供給量が過多である点
を除いて、きわめて効率的である。そこで、本発明者ら
は、この特許に開示されたカーボンフェルトを撥水処理
すればカーボンフェルトの濡れ性が改善されることにな
り、酸素の供給量を低減できる可能性がある、と考え
た。
【0010】しかし、その際、上記カーボンフェルトに
よる過酸化水素製造の効率は良好であるので、カーボン
フェルトが本来有する電気化学的特性、即ち、導電性、
濡れ特性、触媒特性を出来るだけ損なうことなく、電解
液および反応性ガスの透過性を出来るだけ妨げることな
く、撥水化することが好ましい。
【0011】従来から知れているガス拡散電極における
固体電極の撥水化方法は、主として粉末カーボンを撥水
化する方法である(例えば、特公昭58−44751
号)。上記ガス拡散電極の撥水化方法の1つは、触媒を
担持したカーボン粒子と撥水性物質の粉末を均一混合
し、加熱加圧して成形する方法である。別の方法は、触
媒を担持したカーボン粒子の結合成形体の表面に撥水性
物質の溶液または分散液をスプレーまたは含浸または印
刷して塗布乾燥後、加熱溶融してカーボン表面に固定す
る方法である。
【0012】そこで、上記フェルト状物質に撥水性物質
をコーティングすることを試みた。カーボンフェルトに
採用できる方法である塗布乾燥加熱溶融法を採用する
と、カーボンフェルトの表面に撥水性物質が固定されて
いたり、あるいはフェルトを構成しているカーボン繊維
の表面に撥水性物質が固定された状態になる。この撥水
化されたカーボンフェルトを陰極として、例えば特許第
2558042号の方法により過酸化水素を製造すると
槽電圧が上昇し、過酸化水素製造に必要とされる電気化
学的特性が大幅に低下することが判明した。
【0013】これは、撥水性物質が加熱溶融され、カー
ボンフェルトの表面が撥水性物質で覆われているため、
陰極の接触抵抗が増大し、槽電圧が上昇したものと推定
される。また、カーボンフェルトを構成するカーボン繊
維の表面に撥水物質が固着し、カーボンフェルトの触媒
表面が減少し、電気化学的な反応の場が減少し、電流効
率が低下したものと推定される。即ち、上記ガス拡散電
極の特許に開示された方法は、カーボンフェルトのよう
な三次元網目構造を有する電極の撥水化処理にはなじま
ないといった問題があった。
【0014】そこで、本発明の目的は、燃料電池、電気
分解等におけるガス−液体−固体の三相界面での反応性
をより向上させた新たな電極部材を提供することにあ
る。さらに、本発明は、上記新たな電極部材を使用した
電解法による過酸化水素の製造方法であって、実用的な
電流密度で効率よく過酸化水素を製造できる方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、三次元の網目
構造を有する導電体と、この導電体の網目構造中に可動
状態で保持されている疎水性樹脂粒子とからなることを
特徴とする電極部材に関する。さらに本発明は、上記本
発明の電極部材からなる陰極に酸素含有ガスおよび電解
液を供給しつつ電解して、過酸化水素水溶液を製造する
ことを特徴とする過酸化水素の製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の電極部材は、三次元の網
目構造を有する導電体と、この導電体の網目構造中に可
動状態で保持されている疎水性樹脂粒子とからなる。三
次元の網目構造を有する導電体は、例えば、網目構造の
開口の平均直径が平均1〜30μmの範囲である炭素材
料であることができる。網目構造の開口の平均直径は、
疎水性樹脂粒子の平均直径との関係から適宜決定される
が、疎水性樹脂粒子の平均直径が後述の0.1〜0.5
μの範囲である場合、平均1〜30μmの範囲であるこ
とが適当である。また、導電体は炭素材料に限定され
ず、目的とした反応を触媒する電極素材であることがで
きる。
【0017】また、三次元の網目構造を有する導電体の
具体例としては、カーボンフェルトを挙げることができ
る。さらに、三次元の網目構造を有する導電体は、例え
ば、特開平6−200389号に記載の充填密度0.3
以上の炭素繊維材料を挙げることができる。炭素繊維材
料としては、炭素繊維の編物を例示することができ、炭
素繊維の編物としては、例えば市販のグラファイトクロ
スを挙げることができる。グラファイトクロス以外の炭
素繊維材料であっても良い。
【0018】さらに、三次元の網目構造を有する導電体
として、多孔質の無定形炭素材料を例示することもでき
る。多孔質の無定形炭素材料は、非結晶質で実質的に無
配向、即ち異方性のない多孔質の炭素材料である。その
ような炭素材料としては、例えば、多孔質の無定形炭素
繊維材料及び多孔質の無定形炭素成形体を挙げることが
できる。
【0019】また、疎水性樹脂粒子は、疎水性を示す樹
脂粒子であり、例えば、極性基を有さない樹脂粒子であ
ることができる。そのような樹脂粒子としては、例え
ば、弗素含有樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂を挙げることができ
る。但し、これらに限定されない。
【0020】弗素含有樹脂は、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン−エ
チレン共重合体、ポリビニルフルオライドより選ばれた
単独樹脂またはこれらの複合樹脂が含まれている。ま
た、上記弗素含有樹脂粒子は、弗素を含まない樹脂粒
子、例えば、ポリオレフィン樹脂粒子の表面が弗素含有
樹脂でコーティングされ、粉末表面が実質的に弗素含有
樹脂である粉末も含まれる。
【0021】また、ポリオレフィン樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることがで
きる。
【0022】疎水性樹脂粒子は、導電体の網目構造中に
可動状態で保持されている。可動状態で保持されること
で、槽電圧の上昇や電流効率の低下を生じることのない
電極部材とすることができる。即ち、本発明における網
目構造を有する導電体の撥水化処理は、導電体の表面に
疎水性樹脂を固着させることがないため、導電体が本来
有する導電性及び触媒特性を維持することができる。さ
らに、疎水性樹脂が導電体の表面に固着しない状態で導
電体の三次元の網目構造の内部に保持されることで、疎
水性樹脂粒子は導電体の三次元の網目構造から流出する
ことなく電解液及びガスと共に流動させることができ
る。即ち、通常、「撥水性」とは、布や高分子皮膜など
の固体表面の濡れ性を表すもので、水滴が接したときの
接触角θが大きく水を玉状にしてはじくことをいう。し
かし、発明における撥水化処理は、導電体の表面全体に
渡っているのではなく、導電体よりも疎水性の大きい樹
脂が部分的に導電体表面に存在することで、導電体表面
の濡れ性を局所的に改質するものである。
【0023】疎水性樹脂粒子が導電体の網目構造中に可
動状態で保持されるのは、前述のように、疎水性粒子が
水との親和性に乏しく、水を粒子表面からはじくため
に、導電体中の電解液とともに流出し難いことによると
推察される。さらに、網目構造の開口の平均直径が平均
1〜30μmの範囲である場合、疎水性樹脂粒子の平均
直径が0.1〜0.5μmの範囲とすることで、疎水性
樹脂粒子が導電体の網目構造中に可動状態で保持するこ
とが可能になる。疎水性樹脂粒子の平均粒径は、小さけ
ればそれだけ疎水性樹脂粒子の表面積が大きくなり、疎
水性樹脂粒子と導電体との接触界面が増加することにな
る。ガス−液体−固体との三相界面は疎水性樹脂粒子と
導電体との接触界面でより多く発生する。しかし、あま
り疎水性樹脂粒子の粒径が小さすぎると導電体の網目構
造からの流出が多くなり目的が達成されないので、網目
構造の開口を考慮して適宜決定する。
【0024】疎水性樹脂粒子の導電体に対する配合率は
大きいほうが、導電体全体の疎水性が大きくなる。しか
し、あまり配合率が大きすぎると導電体の網目構造の多
孔性が損なわれ、電解液および反応性ガスの透過性が妨
げられ、電解効率が低下することになる。従って、導電
体:疎水性樹脂粒子の配合比率は重量比で20:1から
1:1であることが望ましい。
【0025】また、電気化学的反応を導電体全体で効率
的に実施させるには、疎水性樹脂粒子は導電体の網目構
造内にできるだけ均一に分散して存在していることが望
ましい。
【0026】本発明の過酸化水素の製造方法は、上記本
発明の電極部材からなる陰極に酸素含有ガスおよび電解
液を供給しつつ電解して、過酸化水素水溶液を製造する
ことを特徴とする。本発明の過酸化水素の製造方法は、
より具体的には、例えば、陰極室と陽極室とが隔膜で隔
てられた電解槽を用い、陽極室にアルカリ性水溶液を流
通させ、陰極において酸素を還元して過酸化水素を製造
する方法であることができる。このような過酸化水素の
製造方法は公知であり、この方法に使用する装置や条件
等は、例えば、特開平6−200389号公報、特開平
6−336687号公報、特開平6−88273号公
報、特開平8−120476号公報、特開平9−782
81号公報等に記載の公知のものをそのまま使用でき
る。
【0027】上記陰極としては、上記本発明の電極部材
を使用する。上記隔膜は、例えばイオン交換膜であり、
イオン交換膜としては、陰極においてアルカリ性の過酸
化水素水溶液を得るので、カチオン交換膜を使用する。
イオン交換膜はフッ素樹脂系及び炭化水素系のいずれで
も良いが、耐食性の面から前者が好ましい。前者の例と
してはスルホン酸基或いはカルボン酸基を有するナフイ
オン117、ナフイオン350、ナフイオン902及び
ナフイオン961(以上デュポン社製)がある。イオン
交換膜は陽極や陰極で生成した各イオンが対極で消費さ
れることを防止するとともに、電解液の電導度が低い場
合でも電解を速やかに進行させる機能を有している。
【0028】陰極室に供給される電解液は、後述のアル
カリ水溶液または水であることができる。また、陽極室
にはアルカリ水溶液が供給される。アルカリ水溶液とし
ては、通常水酸化ナトリウム水溶液が用いられるが、他
に水酸化カリウム等の水溶液を用いることもできる。従
って、アルカリ源補充用のアルカリは、通常は水酸化ナ
トリウムであり、他に水酸化カリウム等のアルカリを用
いることもできる。
【0029】陰極で得られたアルカリ性の過酸化水素水
溶液はそのまま、希釈又は濃縮することなしに使用され
ることが好ましく、従って、運転条件も過酸化水素の使
用目的に応じて適宜変動させることができる。例えば、
パルプの漂白に使用する場合、過酸化水素水溶液中のア
ルカリ比率は漂白の使用条件に近い方が好ましい。従っ
て、陰極室にアルカリ水溶液が供給される場合、アルカ
リ水溶液濃度は高くないことが望ましく、陽極室に供給
されるアルカリ水溶液濃度より低いことが好ましい。具
体的には陰極室のアルカリ濃度は0.6モル以下、好ま
しくは0.4モル以下が適当であり、より好ましくは、
アルカリを含まない、例えば、イオン交換水であること
が適当である。一方、陽極室のアルカリ濃度は10重量
%以下であるが、低すぎると電解液の抵抗損失が大きく
なるばかりか、前述の理由から陽極の劣化が生じ易くな
る。そこで、陽極室のアルカリ濃度は、10重量%以下
で、0.6モル(2.4 重量%)以上、好ましくは0.9
モル(3.6 重量%)以上であることが適当である。
【0030】陽極の形状は特に限定されないが、前述の
通り、金網状、スポンジ状、フェルト状及び粉末焼結に
よる多孔性を有する形状とし、電解液との接触効率の良
い形状とすることが好ましい。尚、陰極やイオン交換膜
の支持体としての剛直を備えるという観点から、上記陽
極は、繊維状金属集合体のシートと金属多孔板とからな
ることが好ましい。そして、前記繊維状金属集合体のシ
ートがカチオン交換膜と密着した状態で電解槽内に設置
されていることが、陰極との極間距離を短縮して、槽電
圧を低下させるという観点から特に好ましい。
【0031】本発明の製造方法において、陰極室には、
酸素もしくは酸素含有ガス、空気等の酸素源を供給す
る。この酸素源として、二酸化炭素を除去した酸素もし
くは酸素含有ガス、空気を使用することが好ましい。二
酸化炭素を除去した酸素含有ガスとして、空気より窒素
ガスを吸着して除去し、酸素分を取り出したPSA酸素
を使用することが工業的には好ましい。
【0032】また、本発明の方法においては、陽極室か
ら排出された水溶液にアルカリ源を補充して再度陽極液
として使用することもできる。この際、前記陽極室から
排出された水溶液、この水溶液にアルカリ源を補充して
調製された水溶液、及びアルカリ補充液の少なくとも1
つを凝集沈殿及び濾過処理することができる。
【0033】本発明の方法により、パルプの漂白に適し
た過酸化水素濃度とアルカリ濃度を有する過酸化水素を
長期間安定して効率的に製造することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0035】実施例1 日本カーボン(株)製グラファイトフェルトGF−20
(網目構造の開口の平均直径が25μm)に平均粒径
0.3μのポリテトラフルオロエチレン粒子を13.8
%添加分散して電極部材を作成した。この電極部材の乾
燥は使用したポリテトラフルオロエチレンのガラス転移
点以下の80℃で送風乾燥した。この電極部材を陰極と
し、ニッケル板を陽極とし、陽イオン交換膜ナフイオン
117(デュポン社製)の両面に密着させた。陰極給電
体としてニッケル板を前記電極部材に接続した。
【0036】陰極に酸素ガスおよび純水を供給し、陽極
室には濃度80g/1の水酸化ナトリウムを供給した。
温度を30℃とし両極間に1500A/の直流電流を流
して電解した。酸素の供給量は理論反応量の2倍から10
倍供給した。この間槽電圧と生成液濃度はほぼ一定して
おり、槽電圧は2.2V、陰極生成液は16g/1の過
酸化水素を含む濃度40g/1である水酸化ナトリウム
水溶液が得られた。重量比(水酸化ナトリウム/過酸化
水素)は2.5であった。過酸化水素生成の電流効率は
80〜86%であった。酸素供給倍率と電流効率の関係
を図1に示す。
【0037】比較例1 ポリテトラフルオロエチレン粒子を添加していないグラ
ファイトフェルトを陰極部材として使用し、酸素の供給
量は理論反応量の10倍から80倍供給したこと以外は
実施例1と同−条件で作製した電解槽を使用し、実施例
1と同−条件で運転を行なった。過酸化水素生成の電流
効率は70〜97%てあった。酸素供給倍率と電流効率
の関係を図1に示す。
【0038】比較例2 ポリテトラフルオロエチレン粒子を添加したグラファイ
トフェルトをポリテトラフルオロエチレンの融点以上で
ある170℃で1時間加熱処理し、ポリテトラフルオロ
エチレンをグラファイトフェルトに固着した。このカー
ボンフェルトを陰極部材として使用し、酸素の供給量は
理論反応量の80倍供給したこと以外は実施例1と同−
条件で作製した電解槽を使用し、実施例1と同−条件で
運転を行なった。ポリテトラフルオロエチレンの固着に
より、槽電圧が上昇し、200A/m2で2.1Vを示
し、1500A/m2まで電流密度を増加できなかっ
た。過酸化水素生成の電流効率は83%であった。酸素
供給倍率と電流効率の関係を図1に示す。
【0039】実施例2 平均粒径20μのポリプロピレン粒子を20.3%分散
させた電極部材を作成した。この電極部材の乾燥は、使
用したポリプロピレンをカーボンフェルトに固着させな
いため、ポリプロピレンのガラス転移点以下の80℃で
送風乾燥した。このポリプロピレンを添加したカーボン
フェルトを陰極部材として使用し、酸素供給量は理論反
応量の10倍としたこと以外は実施例1と同様の電解槽
を使用し、実施例1と同様の条件で運転を行った。過酸
化水素生成の電流効率は77%であった。酸素供給倍率
と電流効率の関係を図1に示す。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、燃料電池、電気分解等
におけるガス−液体−固体の三相界面での反応性を向上
させた新たな電極部材を提供することができる。さら
に、本発明によれば、上記新たな電極部材を使用した電
解法による過酸化水素の製造方法であって、実用的な電
流密度で効率よく過酸化水素を製造できる方法を提供す
ることができる。特に、本発明の電極部材を過酸化水素
製造用電解槽の陰極として使用することにより、陰極に
供給する酸素量は、従来のカーボンフェルトを陰極とし
て使用する場合、および弗素含有樹脂を固着させたカー
ボンフェルトに比較して、1/15以下に削減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2および比較例1、2における理論
酸素反応量に対する酸素供給倍率と電流効率の関係をプ
ロットした図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元の網目構造を有する導電体と、こ
    の導電体の網目構造中に可動状態で保持されている疎水
    性樹脂粒子とからなることを特徴とする電極部材。
  2. 【請求項2】 導電体の網目構造の開口の平均直径が1
    〜30μmの範囲であり、疎水性樹脂粒子の平均直径が
    0.1〜0.5μmの範囲である請求項1に記載の電極
    部材。
  3. 【請求項3】 導電体が炭素材料であり、疎水性樹脂粒
    子が弗素含有樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1または
    2に記載の電極部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    極部材からなる陰極に酸素含有ガスおよび電解液を供給
    しつつ電解して、過酸化水素水溶液を製造することを特
    徴とする過酸化水素の製造方法。
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JP9268638A Pending JPH11106978A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 電極部材および過酸化水素の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311276A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池
WO2010040164A1 (de) * 2008-10-10 2010-04-15 Vtu Holding Gmbh Elektrode
CN105839137A (zh) * 2015-01-15 2016-08-10 济南雷诺新能源科技有限公司 一种复合光阳极及其制备方法

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