JPH11106565A - キャップライナー用エラストマー組成物及びそれを用いたキャップライナー - Google Patents
キャップライナー用エラストマー組成物及びそれを用いたキャップライナーInfo
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- JPH11106565A JPH11106565A JP26991897A JP26991897A JPH11106565A JP H11106565 A JPH11106565 A JP H11106565A JP 26991897 A JP26991897 A JP 26991897A JP 26991897 A JP26991897 A JP 26991897A JP H11106565 A JPH11106565 A JP H11106565A
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Abstract
る内容物の密封シール性に優れ、開封が容易で、かつ衛
生性に優れた合成樹脂製キャップのシール材に適したキ
ャップライナー用エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分、(B)成分、及び、
(C)成分から構成される。(重量%はA、B合計量に
対し) (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物 45〜70重量% (B)成分:ゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィン
30〜55重量% (C)成分:メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂及び/又はメルトフローレート(190
℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、密
度0.940g/cm3 以上のポリエチレン樹脂
5〜100重量部
Description
充填、加熱殺菌処理における内容物の密封シール性に優
れ、実用時の開封が容易で、かつ衛生性に優れた合成樹
脂製キャップのシール材に用いるキャップライナー用エ
ラストマー組成物及びそれを用いたキャップライナーに
関するものである。更に詳しくは、スチレン系エラスト
マーの有する優れた柔軟性、耐熱ゴム弾性により清涼飲
料等の内容物の熱間充填や充填密封後の加熱殺菌処理、
また、内圧のかかる炭酸飲料等の内容物の密封シール性
を損なうことがなく、開栓トルクの異常な上昇が防止さ
れ実使用時の開封が容易で、かつライナー材質からの溶
出物が防止された衛生性に優れた合成樹脂製キャップの
シール材に用いるキャップライナー用エラストマー組成
物及びそれを用いたキャップライナーに関するものであ
る。
のライナー材として、コルク、軟質PVC、低密度ポリ
エチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマ
ー等のライナー材が用いられてきた。このうち、コルク
は反発弾性等に優れているものの、天然素材であり、品
質性能に差があり、ダスト発生の問題があるし、また、
高価格、価格変動が大きいという問題もある。また、P
VC系材料は柔軟で密封性に優れているものの、可塑剤
の溶出、塩化ビニルモノマー等の問題がある。これらの
状況から、近年では、衛生性、加工性に優れたオレフィ
ン系樹脂やスチレン系エラストマー等のライナー材に変
更されつつある。
器としてPETボトルが著しく増加しており、その容器
のキャップの素材に当初はアルミニウム製キャップが使
用されていたものが、最近では合成樹脂系キャップの使
用が推し進められている。この様な素材の変更は、PE
Tボトル容器のリサイクル処理問題から生じたものであ
り、その理由は、PET材質とアルミニウム材質とでは
比重分別の難しさがあるのに対し、PET材質とオレフ
ィン系合成樹脂製キャップの組み合わせは水を介した比
重分別が容易であることからである。
しては、当初のアルミニウム製キャップには低密度ポリ
エチレン等のオレフィン系樹脂が主として用いられてき
たが、上記合成樹脂系キャップ化の動きに伴なって、ス
チレン系等のエラストマー製ライナー材が用いられるよ
うになってきている。その様な素材の変更は、その一因
として、合成樹脂製キャップと、アルミニウム製キャッ
プとの構造上の違いを挙げることができる。すなわち、
従来のアルミニウム製キャップにおいては、キャップ頂
頭部ライナー部に対応する外周部縁の樫め処理が通常な
されていたが、合成樹脂系キャップにおいては、その材
質の特性から樫め処理がアルミニウム製キャップと同様
にはできない。
レフィン系樹脂を合成樹脂系キャップのライナー材とし
てそのまま用いた場合、高温充填、加熱殺菌処理を要す
る内容物や内圧のかかる炭酸飲料水等の内容物の密封シ
ール性には、塑性変形、永久歪みの点から漏洩等の問題
が生じるし、また、輸送時の衝撃等に対する漏洩性にお
いても問題があることから、これらの合成樹脂製キャッ
プライナー材としてはシール性に優れたスチレン系等の
エラストマー製のライナー材が主として用いられてい
る。
しては、特開平2−57569号公報に、内容物の熱間
充填や充填密封後の加熱殺菌に耐え得ると共に、熱変形
乃至熱収縮に起因する漏洩も有効に解消された耐熱性ラ
イナー材として、水素添加スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体10〜60重量%、流動パラフィン20〜8
0重量%及びプロピレン系樹脂5〜60重量%からなる
組成物が開示されている。しかしながら、上記配合系に
おいては、成形加工性に大きく影響する配合成分である
流動性パラフィンの配合量が20〜80重量%と大きな
幅があることから、流動パラフィンの配合量が多いとこ
ろでは成形加工性は良好であるが、以下に示すワックス
フロート問題を生じた。すなわち、上記流動パラフィン
の配合量が多い組成物を用いたキャップライナーにあっ
ては、容器に液体を充填してキャップを巻き締め、密封
して製品化した後、それを40℃程度の環境下で放置し
ておくと、ライナー材から流動パラフィンと見られる油
状物質が分離し、内容液の表面に液滴状に浮いたり、油
幕を形成する(以下、ワックスフロートと言う)場合が
あった。
成物ではワックスフロートを生じることは少ないが、成
形加工性に問題が生じた。更に、この組成物は低温〜高
温までの広範囲での圧縮永久歪みが良く、密封シール性
には優れているものの、この圧縮永久歪みの良いこと
が、逆に、開封使用時のトルク値を高くしていると推測
され、開封使用時のトルク値を低下させるためには多く
の滑剤を必要とすることとなり、その結果として添加し
た滑剤の経時ブリードの問題を生じることがあった。
先行技術の欠点が解消されるものとして、内容物の熱間
充填や充填密封後の加熱殺菌に耐え、漏洩も有効に解消
され、かつ、ワックスフロートの改良された耐熱性ライ
ナー組成物について開示されている。すなわち、この様
な成形加工性とワックスフロート問題に対して、組成物
中の水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体を
成形加工性の良い低分子量タイプとすることにより、流
動パラフィンの配合量を少なくしたものである。しかし
ながら、この様な配合系においては、熱可塑性エラスト
マーの中で比較的耐熱性に優れているものであるとして
も、組成物中の水素添加スチレン・ブタジエンブロック
共重合体が低分子量であることに起因すると推測される
高温度領域での圧縮永久歪みや永久伸びが大きく、この
ため、高温充填、加熱殺菌等の処理条件によっては、ラ
イナーの変形やボトル本体への融着現象が生じることに
よると考えられる使用開封時のトルク上昇が見られた。
題点を解決した合成樹脂キャップライナー用組成物を提
供することにある。詳しくは、キャップライナーの成形
性に問題なく、かつ、清涼飲料等の内容液の熱間充填、
加熱殺菌処理後においても液漏れがなく、また、炭酸飲
料等の内容液においても内圧低下のない良好な密封シー
ル性を有すると共に、実使用時の開封が容易で、かつ組
成物中の流動パラフィンに起因するワックスフロートや
滑剤等の添加剤による経時ブリード現象を防止した衛生
性に優れたキャップライナー用組成物を提供することに
ある。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のスチレ
ン・共役ジエンブロック共重合体、詳しくは、その共役
ジエンがイソプレン単独又はイソプレンとブタジエンの
混合物であることを特徴とするブロック共重合体を用い
た組成物からなるライナーが、成形加工性が良好で、耐
熱ゴム弾性を損なうことなく、その組成物の特徴である
成形品表面の滑り性が良いこと、及びベタツキ感の少な
さに起因して開封時のトルク上昇の防止に効果があり、
流動パラフィン等の軟化剤の溶出が防止され、かつ滑剤
量は少量添加で良いためそのブリード防止に効果がある
ことを見出だし、発明を完成するに至ったものである。
ラストマー組成物は、下記の(A)成分、(B)成分、
及び、(C)成分から構成されることを特徴とするもの
である。 (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物であり、その共役ジエンがイソプレン単独又
はイソプレンとブタジエンの混合物(イソプレンとブタ
ジエンとの混合重量比100/0〜1/99)である共
重合体の水素添加物 (A)と
(B)の合計量に対して45〜70重量% (B)成分:ゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィン (A)と(B)の合計量に対して30〜55重量% (C)成分:メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂及び/又はメルトフローレート(190
℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、密
度0.940g/cm3 以上のポリエチレン樹脂 (A)と(B)の合計量100重量部に対して5〜10
0重量部
ップライナーは、下記の(A)成分、(B)成分、及
び、(C)成分から構成されるエラストマー組成物から
なることを特徴とするものである。 (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物であり、その共役ジエンがイソプレン単独又
はイソプレンとブタジエンの混合物(イソプレンとブタ
ジエンとの混合重量比100/0〜1/99)である共
重合体の水素添加物 (A)と
(B)の合計量に対して45〜70重量% (B)成分:ゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィン (A)と(B)の合計量に対して30〜55重量% (C)成分:メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂及び/又はメルトフローレート(190
℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、密
度0.940g/cm3 以上のポリエチレン樹脂 (A)と(B)の合計量100重量部に対して5〜10
0重量部
物[(A)成分] 本発明のキャップライナー用エラストマー組成物におい
て用いられる(A)成分のスチレン・共役ジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物としては、その共役ジエンがイ
ソプレン単独又はイソプレンとブタジエンの混合物から
なる重合体ブロックであり、具体的には、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(以
下、単に「水添S−I−S」と略記することがあ
る。)、或いは、スチレン・(イソプレン/ブタジエ
ン)・スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下、
単に「水添S−BI−S」と略記することがある。)を
挙げることができる。これらの中でも共役ジエンがイソ
プレンとブタジエンの混合物である水添S−BI−Sの
方が滑り性が良く、ベタツキ感がより少なく、開栓時の
トルク上昇の防止に優れているので好ましい。その場合
の混合重量比(イソプレン/ブタジエン)は、100/
0〜1/99、好ましくは90/10〜65/35であ
る。これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水
素添加物は、重量平均分子量が50,000〜500,
000、好ましくは100,000〜400,000、
特に好ましくは120,000〜300,000、スチ
レン含有量が5〜50重量%、好ましくは8〜45重量
%、特に好ましくは10〜40重量%、1,2−ミクロ
構造が20%未満、好ましくは15%未満、水素添加率
が95%以上、好ましくは97〜100%のブロック共
重合体を用いる。
ロマトグラフィー(GPC)により次の条件下で測定し
たポリスチレン換算の重量平均分子量である。 (条件) 機 器:150C ALC/GPC(MILLIPORE社製) カラム:AD80M/S(昭和電工(株)製)3本 溶 媒:o−ジクロロベンゼン 温 度:140℃ 流 速:1ml/分 注入量:200μl 濃 度:2mg/ml(酸化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−p −メチル−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出はF OXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aにより 波長3.42μmで測定。) 上記スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加
物の重量平均分子量が大き過ぎると成形性に劣る傾向が
あり、小さ過ぎるとゴム弾性、機械的強度に劣り、密封
性に劣る傾向がある。
合体の水素添加物の製造方法としては、例えば、S−I
−Sについては特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中
で、スチレン・共役ジエンブロック共重合体を合成し、
次いで、例えば、水添S−I−Sについては特公昭42
−8704号、特公昭43−6636号、特開昭59−
133203号、特開昭60−79005号の各公報に
記載された方法により、不活性溶媒中で、水素添加触媒
の存在下に水素添加する方法等を挙げることができる。
また、水添S−BI−Sについては、例えば特開平3−
188114号公報に記載された方法により合成された
ものを挙げることができる。
ン[(B)成分] 本発明のキャップライナー用エラストマー組成物におい
ては、(B)成分のゴム用軟化剤及び/又は流動パラフ
ィンが用いられる。ゴム用軟化剤 ゴム用軟化剤としては、鉱物油系若しくは合成樹脂系が
好適である。鉱物油系軟化剤は、芳香族環、ナフテン環
及びパラフィン鎖の三者を組み合わせた混合物であっ
て、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占め
るものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が3
0〜45%を占めるものがナフテン系、また、芳香族炭
素数が30%より多いものが芳香族系と呼ばれて区分さ
れている。これらの中で、(B)成分として好適に使用
される鉱物油系軟化剤はパラフィン系及びナフテン系で
あり、芳香族炭素数が30%以下のものである。芳香族
系は、上記(A)成分に対する分散性の点であまり好ま
しくない。鉱物油系軟化剤は、特に限定されず公知のも
のが使用できるが、中でも好ましい鉱物油系軟化剤の性
状としては、40℃動粘度が20〜800cst、好ま
しくは50〜600cts、流動点が−45〜0℃、好
ましくは−30〜0℃で、引火点(COC)が170〜
400℃、好ましくは200〜350℃のものが用いら
れる。また、合成樹脂系軟化剤としては、ポリブテン、
低分子量ポリブタジエン等が使用可能である。
潤滑油留分中に含まれる不飽和分と芳香族分や硫黄分等
の不純物を除去精製したものであり、極めて純度の高い
液状飽和炭化水素の混合物である。
ポリエチレン樹脂[(C)成分] 本発明のキャップライナー用エラストマー組成物におい
ては(C)成分の結晶性ポリプロピレン樹脂及び/又は
ポリエチレン樹脂が用いられる。結晶性ポリプロピレン樹脂 結晶性ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン単独重
合体、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12
のα−オレフィンとの共重合体であって、X線回折法に
よる結晶化度が35%以上、好ましくは40〜80%の
ものが使用される。上記結晶性ポリプロピレン樹脂は、
メルトフローレート(JIS−K6758、230℃、
2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分、好ま
しくは1〜70g/10分、特に好ましくは5〜50g
/10分のものが用いられる。
により得られる、メルトフローレート(JIS−K67
60、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g
/10分、好ましくは1〜45g/10分、特に好まし
くは5〜35g/10分、密度が0.940g/cm3
以上、好ましくは0.945g/cm3以上のポリエチ
レン樹脂が用いられる。
マー組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲
内で、付加的成分を配合することができる。上記付加的
成分としては、例えば、フェノール系及び/又は燐系等
の酸化防止剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、金属
石鹸類及び/又はハイドロタルサイト類等の中和剤、高
級脂肪酸類、ワックス類、シリコンオイル、シリコンガ
ム、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、酸化チタン、フタロ
シアニンブルー等の有機・無機の顔料、金属不活性剤、
帯電防止剤、充填剤、過酸化物、造核剤、更には、
(C)成分として使用されるポリエチレン樹脂以外のポ
リエチレン、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を挙げ
ることができる。これら付加的成分の中でも、実使用時
の開封性改善のために、(A)〜(C)成分から構成さ
れる組成物100重量部に対して、高級脂肪酸類、ワッ
クス類、シリコンオイル、シリコンガム、高級脂肪酸ア
ミド類等の滑剤を通常0.05〜10重量部、特に0.
1〜5重量部の範囲内で添加することが好ましい。
マー組成物における上記各成分の配合割合は、スチレン
・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物である
(A)成分とゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィンで
ある(B)成分については、これらの合計量に対して、
(A)成分が45〜70重量%、好ましくは50〜65
重量%、特に好ましくは55〜60重量%、(B)成分
が55〜30重量%、好ましくは50〜35重量%、特
に好ましくは45〜40重量%である。上記(A)成分
が上記範囲未満ではワックスフロートが悪化する。一
方、(A)成分が上記範囲を超過すると成形性が悪化
し、また、組成物の柔軟性が低下し、ライナーとして密
封シール性が劣るようになる。結晶性ポリプロピレン樹
脂及び/又はポリエチレン樹脂である(C)成分の配合
量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に
対して5〜100重量部、好ましくは10〜70重量
部、特に好ましくは15〜60重量部である。(C)成
分の配合割合が上記範囲未満では得られる組成物の成形
加工性が悪化する。一方、上記範囲を超過すると組成物
の柔軟性が低下し、ライナーとしての密封シール性が悪
化する。
記(A)成分、(B)成分及び(C)成分、必要により
付加的成分、を公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサ
ー、Vブレンダー、タンブラーブレンダー等で機械的に
混合した後、公知の機械的溶融混練により製造すること
ができる。前記機械的溶融混練には、具体的には、バン
バリーミキサー、各種ニーダー、単軸又は二軸押出機等
の一般的溶融混練機を用いることができる。
知のライナー成形方法を用いてキャップシェル内に密封
成形される。ライナー成形方法としては、例えば、キャ
ップライナー用エラストマー組成物を0.5〜1.0m
mの厚みのシートに成形した後、キャップの形状に合っ
た径に打ち抜き、キャップ内に挿入して接着する方法
や、或いは、押し出された一定量の溶融樹脂をキャップ
の内側に落下させ、冷却下に型押ししてライナー形状に
するインシェルモールド法等を挙げることができる。な
お、量産性の点からインシェルモールド法は優れた成形
法である。上記成形により得られるキャップライナー
は、キャップの内側面に積層された状態で、該キャップ
をボトルの口に被せて巻き締めした際に、ボトルの口の
外周に形成される捩子状の突起に、キャップの内側に形
成された捩子部が噛み合って、ボトルの口をキャップの
内側面のライナーの平坦面(ボトルの口に対して水平部
及び垂直部)に当接する。これによって流動パラフィン
に起因するワックスフロートや滑剤等の添加剤のブリー
ド現象を防止し、捩子部の嵌合により密封シール性を増
し、ライナーの弾力性により液漏れを防止し、開封性を
容易にしている。
られるキャップとしては、各種お茶飲料、果実飲料、野
菜飲料、炭酸飲料、清涼飲料、ミネラルウォーター等の
PETボトル容器、ビール瓶、ウイスキー用瓶、ワイン
用瓶、日本酒用瓶等の酒類用瓶、ジャム、エノキタケ等
の食品用等の広口瓶、ドリンク剤用等の小型瓶等に用い
られる容器のキャップを挙げることができる。これらの
中でもPETボトル容器に用いられる容器のキャップが
好ましい。
明を更に具体的に説明する。実施例1〜10及び比較例1〜7 (1) 使用原材料 (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物
に、この配合物100重量部に対して、滑剤(エルシン
酸アミド)0.5重量部、フタロシアニン系青顔料0.
1重量部を添加して、ヘンシェルミキサーにて混合した
後、L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機
によって、200℃の設定温度で溶融混練してキャップ
ライナー用組成物のペレットを得た。
mmφのポリプロピレン製キャップシェル内でインシェ
ルモールド法により210℃の温度でライナーを成形し
た。
を表2に示す。なお、下記〜の評価の測定用試料に
ついては、上記キャップライナー用組成物のペレットを
インラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械
(株)製小型射出成形機:IS90B)にて、射出圧力
500kg/cm2 、射出温度220℃、金型温度40
℃にて成形した120mm×80mm×2mmtのシー
トを用いた。また、下記〜の評価の測定用試料につ
いては、前記のインシェルモールド法により、ライナー
に成形加工して得られたライナー付きポリプロピレン製
キャップを用いた(容器は1.5リットル、PETボト
ルを使用)。
2時間)に準拠した。 ライナー成形性:各組成物をキャップシェル内にイ
ンシェルモールド法により、210℃でライナーに成形
加工し、得られたキャップのライナーを目視検査して、
次の基準により評価した。 ○:ライナーの成形不良が無いもの。 ×:ライナーの成形不良が1%以上有ったもの。
成形で得られたライナー付きキャップを用いて容量1.
5リットルのPETボトルにミネラルウオーターを95
℃にて充填し、アルコア社製キャッピングマシンのマグ
ナトルクヘッドを用い、締めトルク11.0kg・cm
にて巻き締め、密封したミネラルウオーター入り容器に
ついて更に30秒間転倒させた後、90℃の熱水シャワ
ーで3分間殺菌処理を行なった(試験数10個)。 ○:漏れが全く無かった。 ×:1個でも漏れが有ったもの。
のサンプル容器を60℃の恒温槽中及び5℃冷蔵庫中に
1週間保存し、その後に開栓トルク値を測定し、測定ト
ルク値を次の基準で評価した(試験数10個)。 ○:全数適性トルク値(10〜20kg・cm)を示し
たもの。 △:中間トルク値(5〜10kg・cm又は20〜25
kg・cm以上)を示したものが1個以上存在したも
の。 ×:不適性トルク値(5kg・cm未満又は25kg・
cm以上)を示したものが1個以上存在したもの。 ワックスフロート:キャップ巻き締め後のサンプル
容器を横倒しにして40℃の恒温槽に48時間保存し、
その後室温に戻し、液面のワックスフロートの有無を目
視で確認した。 ○:無し。 ×:有り。
ー組成物は、インシェルモールド成形性が良好であり、
かつ清涼飲料等の内溶液の熱間充填、加熱殺菌処理後に
おいても液漏れがなく、また、炭酸飲料等の内溶液にお
いても内圧低下のない良好な密封シール性を有すると共
に、実使用時の開封性が容易で、組成物中の流動パラフ
ィンに起因するワックスフロートや滑剤等の添加剤の経
時ブリード現象を防止した衛生性に優れたキャップライ
ナー材として好適に利用される。
Claims (4)
- 【請求項1】下記の(A)成分、(B)成分、及び、
(C)成分から構成されることを特徴とする、キャップ
ライナー用エラストマー組成物。 (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物であり、その共役ジエンがイソプレン単独又
はイソプレンとブタジエンの混合物(イソプレンとブタ
ジエンとの混合重量比100/0〜1/99)である共
重合体の水素添加物 (A)と
(B)の合計量に対して45〜70重量% (B)成分:ゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィン (A)と(B)の合計量に対して30〜55重量% (C)成分:メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂及び/又はメルトフローレート(190
℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、密
度0.940g/cm3 以上のポリエチレン樹脂 (A)と(B)の合計量100重量部に対して5〜10
0重量部 - 【請求項2】(A)成分、(B)成分、及び、(C)成
分から構成される組成物100重量部に対して、滑剤
0.05〜10重量部を含有する、請求項1に記載のキ
ャップライナー用エラストマー組成物。 - 【請求項3】下記の(A)成分、(B)成分、及び、
(C)成分から構成されるエラストマー組成物からなる
ことを特徴とするキャップライナー。 (A)成分:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物であり、その共役ジエンがイソプレン単独又
はイソプレンとブタジエンの混合物(イソプレンとブタ
ジエンとの混合重量比100/0〜1/99)である共
重合体の水素添加物 (A)と
(B)の合計量に対して45〜70重量% (B)成分:ゴム用軟化剤及び/又は流動パラフィン (A)と(B)の合計量に対して30〜55重量% (C)成分:メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂及び/又はメルトフローレート(190
℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、密
度0.940g/cm3 以上のポリエチレン樹脂 (A)と(B)の合計量100重量部に対して5〜10
0重量部 - 【請求項4】(A)成分、(B)成分、及び、(C)成
分から構成される組成物100重量部に対して、滑剤
0.05〜10重量部を含有するエラストマー組成物か
らなる請求項3に記載のキャップライナー。
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