JPH11106428A - 水処理用ポリマー及び水処理方法 - Google Patents

水処理用ポリマー及び水処理方法

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JPH11106428A
JPH11106428A JP26964297A JP26964297A JPH11106428A JP H11106428 A JPH11106428 A JP H11106428A JP 26964297 A JP26964297 A JP 26964297A JP 26964297 A JP26964297 A JP 26964297A JP H11106428 A JPH11106428 A JP H11106428A
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JP
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polymer
water treatment
water
concentration
imidazole derivative
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JP26964297A
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Hajime Iseri
一 井芹
Shigeru Sato
茂 佐藤
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩素、光、鉄・銅などの遷移金属などの存在下
においても蛍光強度が低下しない蛍光物質で標識化され
た水処理用ポリマー及び蛍光強度を測定することにより
水中の該ポリマーの濃度を求め、簡単かつ迅速に水処理
用ポリマーの濃度管理を行うことができる水処理方法を
提供する。 【解決手段】水処理機能を有するポリマーがイミダゾー
ル誘導体により標識化されていることを特徴とする水処
理用ポリマー、及び、イミダゾール誘導体の蛍光強度を
測定することにより水中の水処理用ポリマーの濃度を求
め、水処理用ポリマーの濃度管理を行うことを特徴とす
る水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理用ポリマー
及び水処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
蛍光物質により標識化された水処理用ポリマー及び蛍光
強度を測定することにより水中の該ポリマーの濃度を求
め、簡単かつ迅速に濃度管理を行うことができる水処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却水系には、腐食やスケールなど、水
に起因する障害の発生を防ぐため、各種の水処理用ポリ
マーが添加される。このような水処理用ポリマーとして
は、例えば、アクリル酸系ポリマー、マレイン酸系ポリ
マー、アクリルアミド系ポリマーなどがあり、その効果
を発揮する濃度は通常1〜100mg/リットル程度であ
る。水処理用ポリマーの過剰添加は、不経済であるばか
りでなく、廃水処理の負荷を高め、また、水処理用ポリ
マーの種類によっては効果が低下するなどの問題を生じ
る。一方、水処理用ポリマーの添加量の不足は、腐食や
スケール障害を引き起こす可能性があり、非常に問題で
ある。したがって、水処理用ポリマーの濃度は、効果を
発揮するのに必要十分な最低濃度を維持することが望ま
しい。水中の水処理用ポリマーの濃度は、系内での消費
や、排水とともに排出されることにより低下する。した
がって、ポリマー濃度を最適に維持するためには、処理
水系内に残存する水処理用ポリマーの濃度を測定し、最
適濃度を維持できるよう水処理用ポリマーの補給を行う
ことが必要である。従来、水中の水処理用ポリマーの濃
度を測定する方法としては、比色法、比濁法、リチウム
トレーサー法、蛍光トレーサー法(特公平6−1143
7号公報、特開平7−128324号公報)、蛍光物質
により標識化されたポリマーを用いる方法(特開平5−
163591号公報、特開平7−109587号公報、
特公平7−63713号公報)などが知られている。し
かし、比色法及び比濁法による濃度の測定は、煩雑で長
時間を要するという欠点がある。トレーサー法は、測定
時間が短時間で済むものの、測定している対象物質は水
処理用ポリマーでなく、水処理用ポリマーとともに添加
された蛍光物質であるため、水処理用ポリマーの系内で
の濃度を必ずしも正確に表し得ないという欠点がある。
また、これまでに提案されている蛍光物質により標識化
された水処理用ポリマーは、蛍光強度が塩素、光、鉄・
銅などの遷移金属などの存在下で低下するという問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩素、光、
鉄・銅などの遷移金属などの存在下においても蛍光強度
が低下しない蛍光物質により標識化された水処理用ポリ
マー及び蛍光強度を測定することにより水中の該ポリマ
ーの濃度を求め、簡単かつ迅速に水処理用ポリマーの濃
度管理を行うことができる水処理方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イミダゾール誘
導体により標識化された水処理用ポリマーが、塩素、
光、鉄・銅などの遷移金属の存在下でも蛍光強度の低下
がなく、蛍光強度を測定することにより、容易に信頼性
の高い水処理用ポリマーの濃度管理を行うことが可能で
あることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、(1)水処理機能
を有するポリマーが、イミダゾール誘導体により標識化
されていることを特徴とする水処理用ポリマー、(2)
イミダゾール誘導体が、2−フェニルベンズイミダゾー
ルである第(1)項記載の水処理用ポリマー、(3)水処
理用ポリマーをイミダゾール誘導体により標識化し、イ
ミダゾール誘導体の蛍光強度を測定することにより水中
の水処理用ポリマーの濃度を求め、水処理用ポリマーの
濃度管理を行うことを特徴とする水処理方法、及び、
(4)イミダゾール誘導体が、2−フェニルベンズイミ
ダゾールである第(3)項記載の水処理方法、を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の水処理用ポリマーは、ス
ケール防止能、腐食防止能などの水処理機能を有する種
々の官能基を有し、イミダゾール誘導体により標識化さ
れたものである。水処理機能を有する官能基は、このよ
うな官能基と重合性二重結合を有するモノマーの重合に
より導入することができる。このようなモノマーとして
は、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メ
タクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー又は
その塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー又は
その塩、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセ
リンモノアリルエーテルなどのヒドロキシル基を有する
モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのア
ミド基を有するモノマー、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸などのアミド基とスルホン酸基
とを有するモノマー又はその塩、3−アリロキシ−2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸などのヒドロキシル基と
スルホン酸基とを有するモノマー又はその塩などを挙げ
ることができる。これらのモノマーは、1種類を用いる
ことができ、2種類以上を組み合わせて用いることがで
きる。さらに必要に応じて、共重合可能な他のモノマー
の1種類又は2種類以上と共重合することができる。共
重合可能な他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸
メチル、イソブチレン、アミレンなどを挙げることがで
きる。
【0006】本発明の水処理用ポリマーは、イミダゾー
ル誘導体により標識化されている。イミダゾール誘導体
は、蛍光物質として強い蛍光を発し、処理水系の配管材
料などに対して腐食性がなく、処理水系には通常は存在
しないか、存在してもごく微量で無視できる。また、イ
ミダゾール誘導体は、塩素などとの酸化剤の存在、光が
あたる状況、鉄・銅などの遷移金属の存在によっても消
光しない。さらに、イミダゾール誘導体は、最大蛍光波
長の値が、処理水自体のもつ蛍光バックグラウンドの影
響を受けにくい波長領域にある。イミダゾール誘導体
は、このような特性を有するので、水処理用ポリマーの
標識化に適している。本発明に使用することができるイ
ミダゾール誘導体としては、例えば、ベンズイミダゾー
ル、2−メチルベンズイミダゾール、5−メチルベンズ
イミダゾール、5−メトキシベンズイミダゾール、1−
エチル−2−メチルベンズイミダゾール、5,6−ジメ
チルベンズイミダゾール、2−アミノ−5,6−ジメチ
ルベンズイミダゾール、2,5,6−トリメチルベンズイ
ミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、1−メ
チル−2−フェニルベンズイミダゾール、1−エチル−
2−フェニルベンズイミダゾール、2−(p−アミノフ
ェニル)ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール−2
−酢酸、ベンズイミダゾール−2−酢酸メチル、ベンズ
イミダゾール−2−プロピオン酸、チアベンダゾール、
1−ヒドロキシチアベンダゾール、5−メトキシチアベ
ンダゾールなどを挙げることができる。これらのイミダ
ゾール誘導体は、1種類を用いることができ、2種類以
上を組み合わせて用いることができるが、これらの中
で、2−フェニルベンズイミダゾールは、最大蛍光波長
の値が352nmであり、蛍光バックグラウンドの影響
が少ない領域であるので、特に好適に使用することがで
きる。
【0007】本発明の水処理用ポリマーをイミダゾール
誘導体により標識化する方法には特に制限はなく、水処
理機能を有する官能基を有するポリマーにイミダゾール
誘導体を公知の方法により導入することができる。例え
ば、水処理機能を有する官能基及び重合性二重結合を有
するモノマーと重合性二重結合を有するイミダゾール誘
導体を共重合することにより、容易に化学的に安定な状
態でイミダゾール誘導体により標識化された水処理用ポ
リマーを得ることができる。イミダゾール誘導体に導入
する重合性二重結合としては、例えば、ビニル基、アリ
ル基、アクリロイル基などを挙げることができる。重合
性二重結合を有するイミダゾール誘導体は公知の方法に
より合成することができ、例えば、p−ビニルベンズア
ルデヒドとo−フェニレンジアミンの反応により、2−
(p−ビニルフェニル)ベンズイミダゾールを得ることが
できる。本発明の水処理用ポリマーを、水処理機能を有
する官能基及び重合性二重結合を有するモノマーと重合
性二重結合を有するイミダゾール誘導体の共重合によっ
て製造する場合、重合性二重結合を有するイミダゾール
誘導体の共重合体中に占める割合は、水処理用ポリマー
を水中に添加して使用する際に、その濃度が蛍光分析に
より正確に測定できる最少量であることが望ましく、通
常は0.01〜20モル%であることが好ましく、0.0
5〜10モル%であることがより好ましい。共重合する
イミダゾール誘導体の量が0.01モル%未満である
と、正確な濃度測定が困難となるおそれがある。一方、
共重合するイミダゾール誘導体の量が20モル%を超え
ると、水処理用ポリマーの水処理機能に悪影響を及ぼす
おそれがある。
【0008】本発明方法においては、イミダゾール誘導
体により標識化された水処理用ポリマーを、処理水系へ
単独で添加することができ、あるいは、イミダゾール誘
導体により標識化された水処理用ポリマーとイミダゾー
ル誘導体により標識化されていない水処理用ポリマーを
組み合わせて添加することができる。標識化された水処
理用ポリマーと標識化されていない水処理用ポリマーの
基本構造が類似である場合、両ポリマーはほぼ同じ割合
で消費されるので、処理水系中のイミダゾール誘導体に
より標識化された水処理用ポリマーの濃度を測定するこ
とにより、処理水系中の全水処理用ポリマーの濃度を推
定することができる。標識化された水処理用ポリマーと
標識化されていない水処理用ポリマーを組み合わせて用
いる場合、双方の使用割合は、所望の分析精度に応じて
適宜選択することができる。本発明のイミダゾール誘導
体により標識化された水処理用ポリマーは、防食剤、バ
イオファウリング防止剤などの他の水処理用薬剤と併用
することがでる。また、本発明の水処理用ポリマーは、
他の水処理用薬剤と配合し、一剤化した形態で使用する
ことができる。本発明方法において、イミダゾール誘導
体により標識化された水処理用ポリマーの処理水系への
添加量は、水中での固形分換算濃度が1〜100mg/リ
ットルであることが好ましい。本発明方法においては、
イミダゾール誘導体により標識化された水処理用ポリマ
ーを添加した処理水を石英セルに入れ、所定の波長に設
定した蛍光分光光度計を用いて蛍光強度を測定し、蛍光
強度の測定結果より蛍光物質濃度を算出し、処理水中に
存在する水処理用ポリマー濃度を求めることができる。
水処理用ポリマー濃度の算出には、あらかじめ作成して
おいた検量線を用いることが好ましい。本発明の水処理
用ポリマーの濃度と蛍光強度は、きわめて良好な直線性
を示すので、蛍光強度の測定により処理水中の水処理用
ポリマーの濃度を正確に求めることができる。蛍光強度
の測定から求められた水処理用ポリマーの濃度を必要な
水処理用ポリマーの濃度と比較し、水処理用ポリマーを
追加すべき場合に手動により又は自動的に所要量を追加
する。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 水処理用ポリマーを合成し、検量線を作成した。アクリ
ル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−
(p−ビニルフェニル)ベンズイミダゾールを、モル比で
85:14:1の割合になるように共重合し、2−フェ
ニルベンズイミダゾールにより標識化された水処理用ポ
リマーを得た。この水処理用ポリマーを、脱イオン水に
濃度が3、5、10及び20mg/リットルになるように
添加し、それぞれ光路長10mmの四面透過石英セルに入
れ、励起波長303nm、蛍光波長365nmに設定し
た蛍光分光光度計[FP−777型、日本分光(株)製]
を用いて蛍光強度を測定した。水処理用ポリマーの濃度
0、3、5、10及び20mg/リットルに対する蛍光強
度は、それぞれ0、1340、2007、4205及び
8320であった。水処理用ポリマーの濃度と蛍光強度
の関係を、第1表及び図1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】図1の結果から分かるように、本発明の水
処理用ポリマーの濃度と蛍光強度の間にはきわめて良好
な直線性があり、本図を検量線として用い、処理水につ
いて測定した蛍光強度から水処理用ポリマーの濃度を求
めることができる。 実施例2 本発明の水処理用ポリマーの性能を確認するために、り
ん酸カルシウムの析出抑制試験を実施した。試験液とし
て、ほう酸緩衝溶液でpHを8.6に調整した純水に、カ
ルシウムイオン溶液をカルシウム硬度100mg/リット
ル(CaCO3換算)、実施例1で得られた水処理用ポ
リマーを0〜15.0mg/リットル、りん酸水素二カリ
ウムをりん酸イオン濃度10mg/リットル(PO4 3-
算)となるように加え、試験液500mlを調製した。こ
の試験液を三角フラスコに入れ、シリコンゴム栓で密栓
したのち、60℃恒温水槽中に40時間静置してりん酸
カルシウムを析出させた。40時間後、三角フラスコを
取り出し、濁り、沈殿物を目視で確認したのち、0.1
μmフィルターで試験液をろ過して析出したりん酸カル
シウムを除き、ろ液中に残存するりん酸イオン濃度を測
定した。水処理用ポリマーの濃度が、0、2.5、5.
0、7.5、10.0、12.5及び15.0mg/リットル
のとき、残存するりん酸イオン濃度は、それぞれ0、
0.2、0.5、3.4、9.2、10.0及び10.0mg/
リットルであった。水処理用ポリマー濃度と残存りん酸
イオン濃度及び析出抑制率の関係を第2表に示す。
【0012】
【表2】
【0013】第2表の結果から分かるように、試験に供
した2−フェニルベンズイミダゾールにより標識化され
た水処理用ポリマーは、低濃度で顕著なりん酸カルシウ
ム析出抑制効果を示す。 実施例3 実施例1で得られた2−フェニルベンズイミダゾールに
より標識化された水処理用ポリマーを用いて、この水処
理用ポリマーの蛍光強度が、塩素の存在により低下しな
いことを確認するための試験を実施した。試験液とし
て、ほう酸緩衝溶液でpHを8.5に調整した純水に、上
記の水処理用ポリマーを濃度が10mg/リットルとなる
ように添加し、試験液300mlを調製した。この試験液
に、残留塩素濃度が1.0mg/リットルとなるように次
亜塩素酸ナトリウムを添加し、次亜塩素酸ナトリウムを
添加しない場合及びさらに塩素安定化剤である5,5−
ジメチルヒダントイン(DMH)を10mg/リットル添
加した場合との比較を行った。試験液を測定日ごとに調
製し、これを基準としたときの蛍光検出率を安定性の指
標として経時的に測定を行った。各試験液は、遮光し、
室温で静置保存した。 比較例1 2−フェニルベンズイミダゾールにより標識化された水
処理用ポリマーの代わりに、6−アミノ−7−ヒドロキ
シ−4−メチルクマリンにより標識化された水処理用ポ
リマーを用い、実施例3と同様にして蛍光強度に対する
塩素の影響を調べた。アクリル酸と2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートのモル比85:15の共重合体に、1
−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド存在下に6−アミノ−7−ヒドロキシ−4−メチ
ルクマリンを反応し、6−アミノ−7−ヒドロキシ−4
−メチルクマリンにより標識化された水処理用ポリマー
を得た。試験液として、ほう酸緩衝溶液でpHを8.5に
調整した純水に、上記の6−アミノ−7−ヒドロキシ−
4−メチルクマリンにより標識化された水処理用ポリマ
ーを濃度が10mg/リットルとなるように添加し、試験
液300mlを調製した。この試験液に、残留塩素濃度が
1.0mg/リットルとなるように次亜塩素酸ナトリウム
を添加した。試験液を測定日ごとに調製し、これを基準
としたときの蛍光検出率を安定性の指標として経時的に
測定を行った。各試験液は、遮光し、室温で静置保存し
た。実施例3及び比較例1の結果を、第3表及び図2に
示す。
【0014】
【表3】
【0015】図2の結果から分かるように、本発明の2
−フェニルベンズイミダゾールにより標識化された水処
理用ポリマーを用いた場合、塩素による蛍光強度低下
は、7日後で10%程度であった。さらに、塩素安定化
剤である5,5−ジメチルヒダントイン(DMH)を併
用することで、塩素による蛍光強度低下をほぼ抑制する
ことができた。これに対して、6−アミノ−7−ヒドロ
キシ−4−メチルクマリンにより標識化された水処理用
ポリマーは、塩素の存在により蛍光強度が著しく低下
し、1日後には殆ど蛍光強度を示さなくなった。 実施例4 冷却水系のパイロットプラントで試験を実施した。試験
に用いたパイロットプラントのフローシートを図3に示
す。冷却塔ピット1より循環水ポンプ2により熱交換器
3に送られた水は、充填材4の上部で散水され、ファン
5による送風を受けながら、冷却塔ピットへ還流する。
この系の概要は、次のとおりである。循環水量:340
リットル/分、保有水量:310リットル、熱交換器の
冷却水入口水温:30℃、熱交換器の冷却水出口水温:
40℃、水質:厚木市水。なお、蒸発水量および飛散水
量相当分を純水で補給した。上記のパイロットプラント
冷却水系に、実施例1で得られた2−フェニルベンズイ
ミダゾールにより標識化された水処理用ポリマーを固形
分濃度30mg/リットルを維持するように添加した。水
処理用ポリマー濃度を蛍光法及び従来の比濁法で経時的
に測定し、添加直後に測定した濃度を100%としたと
きの検出率を比較した。結果を、第4表及び図4に示
す。
【0016】
【表4】
【0017】検討の結果、図4に示すように、蛍光法に
より求めた水処理用ポリマーの濃度と比濁法により求め
た水処理用ポリマーの濃度は±10%以内でよく一致し
ており、本発明のイミダゾール誘導体により標識化され
た水処理用ポリマーの濃度を蛍光強度により測定する方
法は、十分に可能であることが分かった。また、パイロ
ットプラントを冷却水系の熱交換器の部分に使用した軟
鋼および銅チューブには、スケール付着が認められなか
ったことから、本発明のイミダゾール誘導体により標識
化された水処理用ポリマーは、スケール抑制能の面で十
分使用可能なことが確認できた。
【0018】
【発明の効果】本発明の水処理用ポリマーは、塩素、
光、遷移金属などの蛍光強度を低下させる妨害物質の存
在下においても、極めて迅速、簡便かつ正確にその濃度
を測定することができる。本発明方法によれば、処理水
への水処理用ポリマーの添加量を制御して、その濃度を
最適に調整することが容易となり、経済面及び効果面か
ら水処理を合理的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水処理用ポリマーの濃度と蛍光強度の
関係を示す検量線である。
【図2】図2は、経過時間と蛍光検出率の関係を示すグ
ラフである。
【図3】図3は、試験に用いたパイロットプラントのフ
ローシートである。
【図4】図4は、蛍光法と比濁法による水処理用ポリマ
ーの濃度測定の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 冷却塔ピット 2 循環水ポンプ 3 熱交換器 4 充填材 5 ファン
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G01N 21/64 G01N 21/64 Z 33/18 33/18 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水処理機能を有するポリマーが、イミダゾ
    ール誘導体により標識化されていることを特徴とする水
    処理用ポリマー。
  2. 【請求項2】イミダゾール誘導体が、2−フェニルベン
    ズイミダゾールである請求項1記載の水処理用ポリマ
    ー。
  3. 【請求項3】水処理用ポリマーをイミダゾール誘導体に
    より標識化し、イミダゾール誘導体の蛍光強度を測定す
    ることにより水中の水処理用ポリマーの濃度を求め、水
    処理用ポリマーの濃度管理を行うことを特徴とする水処
    理方法。
  4. 【請求項4】イミダゾール誘導体が、2−フェニルベン
    ズイミダゾールである請求項3記載の水処理方法。
JP26964297A 1997-10-02 1997-10-02 水処理用ポリマー及び水処理方法 Pending JPH11106428A (ja)

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